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JP4369907B2 - 音響化学治療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波を利用した治療装置等に関し、特に、超音波照射により生じるキャビテーションの作用で活性化される音響化学治療用の薬剤と組み合わせて治療を行う、音響化学治療装置等に関する。
超音波を医療分野に利用した装置として、超音波診断装置が広く普及している。超音波診断装置は、現在病院で使われている各種の画像診断機器の中でもリアルタイム性に優れ、安価かつ小型なために使いやすい等の長所がある。また、超音波診断装置は、元来、臓器等の形態を診断するものであったが、近年では、所定の超音波造影剤と組み合わせることによって臓器等の機能をも診断できつつある。機能診断が実現すれば、がん等の疾患をより早期に発見することができ、患者のQOL(Quality Of Life)の向上に貢献できる。
また、超音波は、診断だけでなく、がん等の治療にも利用されている。超音波を用いた治療方法として、生体組織に吸収されて熱に変換された超音波のエネルギにより、組織を凝固壊死させる加熱凝固治療が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。このような加熱凝固治療は、前立腺肥大、前立腺がん、乳がん等の疾患に対して実際に行われ始めている。
このように、超音波は診断と治療とに利用できることから、患者の治療のために効率的かつ効果的な統合システムが提供されうる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、加熱凝固治療は、1kW/cm2以上の高い音響強度の収束超音波を患部に照射するために、照準がずれた際には患者への負担が増加する可能性がある。また、加熱凝固治療は、正常組織とがん化した組織とが入り組んでいるような、浸潤性や播種性のがんの治療には適さないと考えられる。
一方、超音波と薬剤とを組み合わせることで、数W/cm2〜数10W/cm2程度の比較的低い音響強度の超音波を用いて治療を行うことができる、音響化学治療が開示されている(例えば、非特許文献2参照)。音響化学治療は、超音波照射により生じるキャビテーションと呼ばれる現象を利用して、あらかじめ患者に投与された音響化学治療用の薬剤を活性化させて、患者の治療を行う方法である。
キャビテーションは、超音波照射により気泡が発生し、発生した気泡が成長し、成長した気泡が圧縮破壊する一連の現象である。キャビテーションの最後の過程で気泡が圧縮破壊するときに、極めて高い圧力(数百気圧)と温度(数千度)が発生し、気泡近傍に特異な反応場が形成される。
音響化学治療用の薬剤としては、例えば、ローズベンガル誘導体のように、腫瘍に集積し、キャビテーションに必要な超音波の閾値を低下させ、キャビテーションにより生じる反応場中に置かれると、例えば活性酸素を生成することによって、抗腫瘍効果を示す薬剤が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
このように、音響化学治療は、患部へのターゲッティングを薬剤と超音波とで二重に行うことができるため、非常に選択性の高い治療法となることが期待されている。
さらに、音響化学治療においては、従来に比べて低い音響強度の超音波でキャビテーション現象を引き起こすための超音波照射方法が開示されている。例えば、特許文献3には音場を切り替えながら超音波を照射する方法が、特許文献4には基本波にその二倍の周波数を持つ第二高調波を重畳する方法が、そして、非特許文献3には基本波と第二高調波の位相をずらして重畳する方法が開示されている。
これらの方法は、いずれも、超音波照射によって生成した気泡が照射超音波の周波数に共振する大きさになるまで成長することを促進することによって、キャビテーションを効率よく生成させる方法である。
また、一度発生した気泡を成長させるには、パルス数を3以上で超音波を継続して照射する必要があることが開示されている(例えば、非特許文献4、5参照)。
また、超音波結石破壊や超音波加熱凝固治療中に治療部位をモニタリングする方法が複数開示されている。例えば、特許文献5には治療前に微弱な超音波で結石の位置を確認する方法が、特許文献6には複数の異なる方位からの超音波撮像で偶数倍高調波発生位置を検出し、結石の破壊やキャビテーションの圧壊している位置を確認する方法が、そして、特許文献7には偶数倍高調波を検出して気泡の生成を確認することで組織を確実に熱変性させうる温度への到達を確認する方法が開示されている。
特に、加熱凝固治療用の超音波を照射中に診断用超音波との干渉によって超音波診断が困難になることを克服するため、超音波診断装置と加熱凝固治療装置とを同期させて、診断用の超音波が治療部位付近の可視化に用いられるときにのみ治療用超音波を停止させ治療部位の治療中の観察を可能にする手法が開示されている(例えば、非特許文献6参照)。
また、加熱凝固治療において、治療用超音波の照射が停止している期間にのみ超音波診断像を得るための超音波操作を行う発明が開示されている(例えば、特許文献8、9参照)。
特表平11−506636号公報 国際公開第98/01131号パンフレット 特開平2−126848号公報 特願平4−246179号公報 特許第2644217号公報 特許第3225526号公報 特開2003−33365号公報 米国特許第6095980号公報 特開2000−229098号公報 P.P.Lele著 「Ultrasound; medical applications,biological effects and hazard potential」 Plenum Press New York 1987年 Yumitaら(1989)Jpn.J.Cancer Res.,80:219−222 Kawabataら(2003)Jpn.J.Appl.Phys.,42:3246− 3250 Xuら(2003)IEEE Ultrasonics Symposium Proc.,1086−1089 Xuら(2004)IEEE Trans. Ultrason., Ferroelect. Freq. Contr.,51:726−736 Vaezyら(2000)Ultraso.Med.Biol.,27:33−42
このように、音響化学治療は、患者への負担が少なく、効果的な腫瘍の治療方法として期待されている。また、音響化学治療では低い音響強度の超音波でも、治療の源となるキャビテーション現象を効率的に引き起こす超音波の照射方法が開示されている。
しかしながら、このような照射方法を用いた場合でも、従来の技術を用いてはキャビテーション現象を再現性良く引き起こすことは難しいという課題があった。
さらに、治療用の超音波を照射している間は適切な診断画像を生成することができないために、超音波の照射から数日経過して、実際に腫瘍の変性を確認するまでは治療効果を判定できないという問題があった。
そこで、本発明は、音響化学治療を行うのに有効なキャビテーションによる気泡生成を確認しつつ腫瘍等の治療を行うことができる装置等を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の音響化学治療装置は、診断用の超音波を照射する第1の超音波照射手段と、治療用の超音波を照射する第2の超音波照射手段と、超音波エコーを検出するエコー検出手段と、前記第1の超音波照射手段を介して前記診断用の超音波を照射し、前記エコー検出手段を介して前記診断用の超音波に対応する前記超音波エコーを検出する診断用制御手段と、検出された前記超音波エコーに基づいて診断画像を生成する診断画像生成手段と、生成された前記診断画像に基づいてキャビテーションに関連する気泡を検出する診断画像分析手段と、前記第2の超音波照射手段を介して前記治療用の超音波を照射する治療用制御手段と、を備えた音響化学治療装置であって、前記治療用制御手段は、前記第2の超音波照射手段を介した前記治療用の超音波を、所定のパルス数および休止期間で照射する制御を行うパルス制御手段と、前記気泡が検出された場合には前記治療用の超音波の音響強度を低下させ、前記気泡が検出されない場合には前記治療用の超音波の音響強度を増加させる増幅手段と、を含み、前記診断画像生成手段は、前記治療用の超音波の前記休止期間における前記超音波エコーに基づいて前記診断画像を生成することを特徴とする音響化学治療装置である。
なお、他の発明に関しては、本明細書中で明らかにする。
本発明によれば、音響化学治療を行うのに有効なキャビテーションによる気泡生成を確認しつつ腫瘍等の治療を行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の音響化学治療装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、音響化学治療装置1は、診断用プローブ2と、治療用トランスデューサ3と、装置本体4と、表示手段5とを含んで構成される。
そして、対象部位7を含む被検体6には、所定の音響化学治療用の薬剤(以下「音響化学薬剤」という)が投与されている。この音響化学薬剤は、対象部位7への治療用の超音波の照射により生じるキャビテーションの作用で活性化されるものであれば、その組成を特に限定しないが、さらに、治療を所望する対象部位7に局在しやすい性質や、キャビテーションに必要な超音波の閾値を低下させる性質を有していることが好ましい。
なお、「被検体」とは、本実施形態の音響化学治療装置1による治療対象を意味するが、その内部でキャビテーションが起こりうる構成を有していれば、どのようなものであっても構わない。例えば、被検体6は、動植物(ヒトを含む)、動植物の生体組織や、容器内に保持された懸濁液等である。
<診断用プローブ>
診断用プローブ2(第1の超音波照射手段、エコー検出手段)は、被検体6を診断するために、被検体6の対象部位7に対して診断用の超音波パルスを照射し、この診断用の超音波パルスに対応する超音波エコーを受信するものである。
診断用プローブ2は、電気信号を振動に変換し、また、振動を電気信号に変換する振動子2aを含んで構成される。この振動子2aには、例えば、磁気ひずみ共振子や圧電共振子等を利用することができる。また、被検体6における所定の範囲を診断するためには、振動子2aを複数配列させることによって、それぞれの振動子2aに対応する複数の走査線を表示手段5に表示できることが好ましい。なお、振動子2aは、広範な範囲を診断するために、平面や凸面に配列していることが好ましい。
そして、診断用プローブ2は、装置本体4に接続している。
<治療用トランスデューサ>
治療用トランスデューサ3(第2の超音波照射手段)は、被検体6を治療するために、被検体6の対象部位7に対して治療用の超音波パルスを照射するものであって、基本波を照射する治療用基本波送信トランスデューサ31と、基本波の2倍の周波数の第二高調波を照射する治療用第二高調波送信トランスデューサ32を含んで構成される。
治療用基本波送信トランスデューサ31および治療用第二高調波送信トランスデューサ32の構成は、前記した診断用プローブ2と同様の構成とすることができる。なお、振動子31aおよび32aは、超音波を収束させるために、平面や凹面に配列(振動子が1つの場合には平面や凹面に形成)していることが好ましい。例えば、振動子31aおよび32aは、直径6cmF数1の球面上に配置され、幾何学焦点が同一になるように設計することができる。
このように、治療用トランスデューサ3を構成したことにより、対象部位7において基本波と第二高調波が容易に重畳し、より効率的に気泡を生成させることができる
そして、治療用基本波送信トランスデューサ31および治療用第二高調波送信トランスデューサ32は、それぞれ、装置本体4に接続している。
また、前記した診断用プローブ2、治療用基本波送信トランスデューサ31および治療用第二高調波送信トランスデューサ32は、感度よく超音波パルスの送受信を行うために、例えば、脱気水のように、超音波減衰率の少ない物質を含むマッチング層8を介して被検体6に設置される。
また、診断用プローブ2、治療用基本波送信トランスデューサ31および治療用第二高調波送信トランスデューサ32は、図示されない、超音波照射面の方向を測定できる位置検出装置と回転機構を含む固定具により互いに連結する構成としてもよい。このような構成とすることによって、治療用トランスデューサ3の位置決めを容易に行うことができる。
<装置本体>
装置本体4は、被検体6から収集した超音波エコーに対応する電気信号(以下「エコー信号」という)に対する処理や、超音波送受信に関する制御、診断画像の生成・表示・分析等に関する制御を行う。
ここで、装置本体4は、診断用制御部42と、治療用制御部43と、診断画像処理部44と、を含んで構成される。
なお、装置本体4の各部42〜44は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、ハードディスク装置等を含んで構成される。装置本体4の各部42〜44は、メモリまたはハードディスク装置に格納されたプログラムまたはデータに相当する。そして、CPUがメモリにプログラムを読み出して演算処理を実行することにより、各処理が実現されるものとする。
また、各部42、43は、さらに、送受信される超音波を制御するための回路を適宜備えて構成される。
<診断用制御部>
診断用制御部42は、診断用プローブ2と電気的に接続しており、診断用の超音波の送受信に関する制御を行うものである。
そして、診断用制御部42は、通常の超音波診断装置で使用される概ね3〜10MHz程度の周波数および概ね1W/cm2以下の音響強度の超音波を、診断用プローブ2を介して送受信できるように構成されている。
特に、診断用制御部42は、キャビテーションに関連する気泡の生成を選択的に検出するために、複数の異なる超音波の照射方法によって得られる信号を比較して非線形成分を抽出し、非線形成分を強調できる撮像方法に基づいて構成されることが好適である。
診断用制御部42が、前記撮像方法に基づいて構成される場合に、診断用の超音波の送受信に関する制御を行う手順について説明する。
診断用制御部42は、診断用の超音波パルスに対応する所定の基本波からなる電気信号(適宜「基本波信号」という)を生成して診断用プローブ2に送信するとともに、診断用プローブ2からのエコー信号を図示しない増幅回路により増幅し、診断画像生成部441へ出力する。
あわせて、診断用制御部42は、それぞれの走査線に対して基本波信号と逆位相のパルス信号(適宜「逆位相信号」という)を生成し、診断画像生成部441へ出力する。
<診断画像処理部>
診断画像処理部44は、診断用制御部42から入力されたエコー信号と逆位相信号から、非線形成分を強調するような診断画像を生成し、分析する処理を行うものである。
診断画像処理部44は、診断画像を生成する診断画像生成部441と、生成した診断画像を分析する診断画像分析部442と、診断画像を表示手段5に表示させる診断画像表示部443とを含んで構成される。
ここで、診断画像生成部441が、受信したエコー信号と逆位相信号に基づいて、診断画像を生成する手順の一例を説明する。
まず、診断画像生成部441は、受信したエコー信号と逆位相信号とを図示しないA/D変換回路により信号処理に適したサンプリング周波数でサンプリングして、デジタル信号に変換する。
そして、診断画像生成部441は、エコー信号と逆位相信号にそれぞれ対応するデジタル信号の重畳処理を行う。エコー信号に含まれる基本波と非線形成分のうち、基本波が逆位相信号によって打ち消されることによって、差分として非線形成分を抽出することができる。この非線形成分は、被検体6に体積変化の大きい成分が含まれていると発生しやすい。従って、非線形成分を強調するような撮像方法は、一般に超音波診断に使用されるBモードに比べ、被検体6内部の気泡を検出するのに好適である。
なお、通常、非線形成分は、基本波の周波数のn倍の周波数からなる高調波と、基本波のn/m倍の周波数からなる分調波が含まれる(ただし、nおよびmは任意の自然数)。本実施形態においては、非線形成分を用いてキャビテーションに関する気泡を検出することができれば特に周波数を限定しないが、基本波の1/3、1/2、1のn倍(1≦n≦3)の周波数に基づいて診断画像を生成した場合には、より鮮明な気泡を検出することができる。
そして、診断画像生成部441は、この非線形成分から診断画像を生成する処理を行う。この診断画像生成処理は、超音波画像診断の分野において従来公知の装置構成によって実現できる。
なお、診断画像生成部441は、重畳前のエコー信号や、重畳後に抽出された非線形成分に対して、例えば、高速フーリエ変換等の周波数解析や、複数の信号の大きさ・符号等を任意に変更して合成することにより、非線形成分をさらに強調させる処理を行ってもよい。
そして、診断画像生成部441は、生成した診断画像を、診断画像表示部443へ出力して表示手段5に表示させるとともに、診断画像分析部442へ出力する。
診断画像分析部442は、診断画像生成部441によって生成された診断画像からキャビテーションに関連する気泡を検出するものである。
例えば、診断画像分析部442は、治療用トランスデューサ3を介した治療用の超音波の照射前と照射後との診断画像を比較して、診断画像上の輝度があらかじめ設定した比率を超えた場合には、その領域を気泡が発生した領域と判定する処理を行う。
そして、診断画像分析部442により検出された気泡の情報は、治療用制御部43に出力される。
なお、診断画像分析部442は、気泡が発生・消失したときの超音波の情報を、音響化学薬剤の種類や被検体のデータと関連づけて、図示しないデータベースに記憶させる作業を行う構成とすることもできる。
<治療用制御部>
治療用制御部43は、治療用基本波送信トランスデューサ31および治療用第二高調波送信トランスデューサ32と電気的に接続しており、治療用の超音波の送信に関する制御を行うものである。
治療用制御部43は、通常の超音波治療装置で使用される概ね0.5〜4.5MHz程度の周波数および300W/cm2以下の音響強度の超音波を、治療用基本波送信トランスデューサ31および治療用第二高調波送信トランスデューサ32を介して送信できるように構成されている。このような構成とすることによって、被検体6内でのキャビテーション生成に必要な周波数と音響強度の超音波を照射することができる。
ここで、治療用制御部43は、パルス生成手段431と、増幅手段432と、位相変調手段433とを含んで構成される。
パルス生成手段(パルス制御手段)431は、治療用の超音波の照射時間と、休止期間と、超音波照射の終了タイミングとを規定する、パルス信号を生成するものである。ここで、超音波の照射時間とは、1パルス時間とパルス数とを乗じたものである。例えば、パルス生成手段431は、任意波形生成装置により実現できる。
パルス生成手段431は、パルス信号を、新たな気泡の発生および一旦発生した気泡の成長に必要なパルス数と、一旦生成した気泡が消滅しない時間以内の休止期間との範囲で生成するものである。
この気泡の生成に必要なパルス数は、通常の超音波診断装置で使用される診断用の超音波のパルス数よりも大であることが好ましい。
さらに、非特許文献4、5には、一度発生した気泡を成長させるには、パルス数3以上超音波を継続して照射する必要があることが開示されていることから、パルス数は3以上であることがより好ましい。
また、休止期間を500msまで長くしても、気泡の成長が継続可能なことが、本発明者らの実験により明らかとなっている。なお、休止期間の下限値に関しては、適切な診断画像を生成できる時間が確保されれば特に限定しない。
また、パルス生成手段431は、診断画像分析部442から入力された気泡の情報に基づいて、超音波照射の終了タイミングを決定するものである。具体的には、パルス生成手段431は、診断画像分析部442から気泡が検出された旨の情報が入力されると、図示しない計時手段により計時を開始し、気泡検出が入力された時点から所定の時間経過後に、パルス信号の生成を停止する処理を行うものである。例えば、気泡が検出されてから、1分後に停止する処理を行うことによって、過剰な治療用の超音波を被検体に照射することなく充分な治療効果を得ることができる。
ここで、パルス生成手段431により生成されたパルス信号は、増幅手段432に出力される。
増幅手段432は、パルス信号の電圧を任意の増幅比で増幅するものである。例えば、増幅手段432は、アンプにより実現できる。
増幅手段432は、パルス信号を一律の増幅比で増幅するだけでなく、経時的に変化する増幅比で増幅することができる。すなわち、治療用トランスデューサ3から照射される超音波の音響強度は、増幅手段432によって自在に制御することができる。
なお、本発明者らによって、一旦生成された気泡を成長させるには、新たに気泡を発生させるときのようなエネルギを必要としないことが明らかとなった。また、先に生成した気泡が圧縮破壊した際の微小な気泡残渣を新たな気泡の核とすることで、キャビテーションのステップを1段階減らし、継続した気泡の発生〜成長に必要な超音波の音響強度の閾値を下げることができることが明らかになった。
このように、キャビテーションに関連する気泡の生成に必要なエネルギを小さくすることができるので、被検体6に対して超音波の照射量を減少させることができ、被検体6の負担を軽減させることができる。
そこで、本実施形態においては、増幅手段432は、診断画像分析部442から気泡が検出された旨の情報が入力されると、治療用の超音波の音響強度を所定の値に下げる制御を行う構成としている。
気泡生成後の所定の音響強度は、気泡生成確認前に照射されていた治療用の超音波の音響強度よりも低い音響強度で照射することによって、一旦生成された気泡の成長と、新たな気泡の発生とを維持しつつ、被検体への負担を軽減させることができる。より被検体への負担を軽減させるためには、1/20以上1/10以下に音響強度を低下させることが好適である。なお、それ以下に低下させた場合には、気泡の成長が維持されない場合があるので、適宜診断画像による輝度の変化を確認しながら適切な音響強度を決定することが好ましい。
ここで、増幅手段432により増幅されたパルス信号は、前記した治療用トランスデューサ3に出力される。
位相変調手段433は、治療用基本波送信トランスデューサ31と、治療用第二高調波送信トランスデューサ32とを介して送信する基本波と第二高調波との位相差を任意に設定できる。また、経時的に位相差を変更させることも可能である。このような構成とすることによって、治療用トランスデューサ3から照射される超音波を、被検体6の対象部位7において適切に重畳させることができる。例えば、基本波と第二高調波との位相をずらし、周期の間隔を10ms以上とすることで、キャビテーションをより効率よく引き起こせることが、本発明者らの実験により明らかになっている。
<<音響化学治療装置の制御方法>>
以下、図2に示すフローチャートを参照して、被検体の治療を行う場合の音響化学治療装置の制御方法を説明する。
あらかじめ、操作者は、診断用プローブ2により対象部位7の診断画像を取得し、診断画像を参照しながら、治療用基本波送信トランスデューサ31および治療用第二高調波送信トランスデューサ32から照射される治療用の超音波の焦点位置を、対象部位7の治療部位に合わせているものとする。
まず、音響化学治療装置1の治療用制御部43は、治療用トランスデューサ3を介して、治療用の超音波を所定のパルス数と休止期間で照射させる(ステップS01)。
なお、前記したように、このパルス数と休止期間は、気泡の成長が継続する範囲である。
また、治療用基本波送信トランスデューサ31および治療用第二高調波送信トランスデューサ32を介して、所定の周波数の基本波と前記基本波の2倍の周波数の第二高調波からなる治療用の超音波を照射し、対象部位7上で重畳させることが好ましい。
次に、音響化学治療装置1の診断用制御部42は、診断用プローブ2を介して被検体6の対象部位7に診断用の超音波を照射し、診断用プローブ2を介して受信したエコー信号を診断画像処理部44に送信する(ステップS02)。
そして、音響化学治療装置1の診断画像処理部44は、診断画像生成部441によって、治療用の超音波の休止期間におけるエコー信号に基づいて診断画像を生成する(ステップS03)。
そして、音響化学治療装置1の診断画像分析部442は、気泡が検出されたかどうかを判定する(ステップS04)。そして、音響化学治療装置1の診断画像分析部442が、気泡を検出した場合には(ステップS04でYes)、気泡を検出した旨を治療用制御部43に送信する。
そして、音響化学治療装置1の治療用制御部43は、気泡の検出を受信すると、計時を開始しつつ、治療用の超音波を所定の音響強度に低下させる制御を行う(ステップS05)。
そして、音響化学治療装置1の治療用制御部43は、気泡の検出を受信してから所定時間経過後に、治療用の超音波の照射を停止する制御を行う(ステップS06)。
ステップS04において、音響化学治療装置1の診断画像分析部442が、気泡を検出しなかった場合には(ステップS04でNo)、気泡を検出しなかった旨を治療用制御部43に送信する。
そして、音響化学治療装置1の治療用制御部43は、治療用の超音波の音響強度を増加させる制御を行う(ステップS07)。
そして、音響化学治療装置1の治療用制御部43は、増加させた音響強度が所定の上限値を超えていないかどうかを判定し(ステップS08)、所定の上限値を超えない場合には(ステップS08でYes)、ステップS01の処理に戻る。
一方、ステップS08において、増加させた音響強度が所定の上限値を超えた場合には(ステップS08でNo)、気泡を生成できなかったものとして処理を終了する。
以上示したように、本実施形態の音響化学治療装置1によれば、音響化学治療において照射する治療用の超音波の音響強度を必要最低限に抑え、被検体6への負担を低減した超音波照射を行うことが可能である。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されない。
本実施形態の診断用制御部42は、気泡を検出できるものであれば、前記した撮像方法に限定されない。例えば、診断用制御部42を、公知のパルスインバージョンモードやセカンドハーモニック法に基づいて構成してもよい。
また、治療用トランスデューサ3からの超音波照射は、診断用プローブ2による超音波送受信と同期して行わせることができるように構成してもよい。この場合には、例えば、診断用プローブ2と、治療用トランスデューサ3から、交互に超音波を照射するようなパルスシーケンスとすることができる。そして、診断画像生成部441は、診断用プローブ2から照射される診断用の超音波に対応する超音波エコーに基づいて、診断画像を生成する。
また、本実施形態においては、非線形成分を抽出するためのエコー信号と逆位相信号とを重畳する処理は、それぞれをデジタル信号に変換した後に重畳したが、超音波の段階や、電気信号の段階で、重畳処理を行う構成としてもよい。
また、本実施形態においては、診断画像上の輝度の変化をモニタするために、治療用の超音波の音響強度を増加させ、所定の上限値まで音響強度を増加させても輝度の変化が検出されなかった場合には、気泡が生成されなかったものとして処理を終了したが、さらに治療用の超音波の周波数を増加させることによって、輝度の変化を検出するような構成としてもよい。例えば、本実施形態の音響化学治療装置においては、4.5MHzまで周波数を増加させることができる。
なお、周波数が2MHzを超えた場合は、治療用の超音波を所定の音響強度に向上させ非常に短時間の照射を行うよう制御しても構わない。このような制御は、例えば、本実施形態の音響化学治療装置1を用いて音響化学治療を行っている途中で、加熱凝固治療に切り替える場合に適用されうるものである。
<治療用トランスデューサに関する変形例>
また、本実施形態では、治療用のトランスデューサとして収束させる形状の振動子を示したが、平面型に配置されたトランスデューサの振動子を使用してもよい。
ここで、図3を参照して、治療用のトランスデューサに関する変形例を説明する。なお、本実施形態と同じ要素・部材等に関しては同じ符号を付して説明を省略する。図3に示すように、本変形例では、治療用トランスデューサ3Aの治療用基本波送信トランスデューサ31Aおよび治療用第二高調波送信トランスデューサ32Aの振動子31a、32aが平面状に形成されている。このような構成とすることによって、治療用の超音波を広い領域で照射することができるため、一度に治療できる範囲を広くすることができる。
以下に、本実施形態の音響化学治療装置1を用いて音響化学治療を行った実施例を示す。
<実施例1>
実施例1は、治療用の超音波を照射し、診断画像上でキャビテーションに関する気泡を確認した後に、治療用の超音波の照射を同じ音響強度で継続した場合である。
図4は、実施例1の実験系を説明するための概略構成図である。図4に示すように、音響化学治療装置1は、診断用プローブ2、治療用基本波送信トランスデューサ31および治療用第二高調波送信トランスデューサ32、装置本体4、表示手段5から構成される。
装置本体4の内部構成は、本実施形態と同様であるので説明を省略する。
被検体として、雄のCDF1マウス(以下「マウス」という)10を用いた。マウス実験腫瘍“colon26”26の1mm角の微小切片を5週齢のマウス10の左大腿部に皮下移植し、移植した腫瘍26が直径1cm程度に成長したところで実験に供した。
図5は、本実施例1で用いた音響化学薬剤である腫瘍集積性ローズベンガル誘導体の構造式である。この薬剤の10mg/ml PBS溶液をマウス10の尾静脈から投与した。投与量は30mg/kgとした。
薬剤を投与して24時間後、ネンブタールを用いてマウス10を麻酔下とし、腫瘍26近傍を剃毛し、窓付きのアクリル板の窓部分に腫瘍26が位置するように手足を固定した。アクリル板を3軸ステージに固定し、図4に示すように、マウス10をアクリル板ごと水槽11中の脱気水12に沈めた。なお、脱気水12は連続的に脱気され、温度は30℃に保たれた。そして、治療用トランスデューサ3と、診断用プローブ2を水槽11中に固定した。治療用トランスデューサ3の焦点である6cmの位置にマウス10の腫瘍26が位置するように、3軸ステージによってマウス10を移動した。
図6は、実施例1において治療用トランスデューサから照射した治療用の超音波の形状を示す図である。図6に示すように、治療用の超音波を2s700msのパルス幅で照射し、300ms中断するパルスシーケンスにて治療用トランスデューサ3から超音波を照射した。照射した治療用の超音波の周波数は0.5MHz(パルス数:1350)と1.0MHz(パルス数:2700)とし、併せて200W/cm2の音響強度とした。治療用トランスデューサ3からの治療用の超音波の照射は、診断用プローブ2から照射される診断用の超音波と同期を取った。治療用の超音波として1分間の照射を行い、そのパルスの休止期間に生成された診断画像上の輝度の変化を表示手段5で観察した。なお、本実施例1においては、0.5MHzと1.0MHzの周波数の超音波を0.5+0.5の音響強度(つまり、1:1)の割合で重畳したが、0.1+0.9〜0.9+0.1(つまり、1:9〜9:1)の割合でも構わない。
図7は、実施例1において表示手段5に表示された診断画像である。図7に示す一番左の診断画像は、非線形成分を強調する撮像方式と対比するために一般的な超音波診断装置で用いられるBモードで描画したものであって、腫瘍26が認識できる。右3つの診断画像は非線形成分を強調する撮像方式により描画したもので、線形成分を多く含む腫瘍26からの信号はほとんど打ち消され可視化されない。図7に示す非線形成分を強調する撮像方式で描画した診断画像のうち、左からそれぞれ、治療用の超音波パルスの照射前(左2)、照射中(左3)、照射後(左4)を示している。照射中(左3)の図では、照射中の治療の超音波パルスが描画され、気泡に対応する輝度の変化を観察することができないが、超音波パルス照射後(左4)の診断画像においては、治療用の超音波の焦点27に輝度変化が観察できた。超音波を照射して2日後にマウス10を安楽死させ、腫瘍26を取り出してホルマリンで固定後にマウス腫瘍切片を作成し、実際に腫瘍26を観察することによって治療効果を判定した。
図8は、マウス腫瘍切片を示す図であって、(a)は未処理の腫瘍切片、(b)はHE(Hematoxylin−Eosin)染色処理をした腫瘍切片を示す。図8(a)に示すように、未処理のマウス腫瘍切片において、壊死領域28が明らかに観察された。また、図8(b)に示すように、マウス腫瘍HE染色切片中において、前記した壊死領域28は、Hematoxylin特有の染色が他の部分と比較すると薄く、核の消失や濃縮等の何らかのダメージが生じていることが示された。
図9は、治療中に診断画像上での輝度変化が認められた群と、腫瘍切片での観察により治療効果のあった群との相関を示す図である。図9に示すように、診断画像上で輝度変化が観察された場合(モニタリングが○)、3例中3例とも腫瘍切片に壊死領域が観察され、治療効果が見られた。一方で、診断画像上で輝度変化が観察されなかった場合(モニタリングが×)、3例中2例は腫瘍切片に治療効果が見られなかった。ただし、1例は壊死領域が観察され、治療効果が見られた。輝度変化が観察されない場合でも、治療効果が得られる場合もあるが、輝度変化が得られた場合は確実に治療効果が得られることが示された。
換言すると、本発明の音響化学治療装置を用いて治療中に輝度変化をモニタリングできた群は、数日後に実際に腫瘍切片を観察することによって治療効果が認められた群と、明らかに相関があることが示された。
なお、実施例1と同様の実験系において、0.5MHzと1.0MHzの周波数の超音波を重畳させて、併せて60W/cm2程度の低い音響強度で2分間照射した場合には、治療中の輝度変化のモニタリングができなかった。
<実施例2>
実施例2は、治療用の超音波パルスを照射し、診断画像上で気泡が検出された後に、治療用の超音波パルスの音響強度を低下させた場合である。
図10は、実施例2において治療用トランスデューサから照射した治療用の超音波の形状を示す図である。図10に示すように、治療用の超音波を2s700msのパルス幅で照射し、30ms中断するパルスシーケンスにて治療用トランスデューサ3で超音波を照射した。照射した治療用の超音波の周波数は0.5MHz(パルス数:1350)と1.0MHz(パルス数:2700)であった。実施例2においては、図10に示すように、まず、第一の超音波(図10において、High)として、併せて200W/cm2の高い音響強度で3パルスの照射を行い、その後、第二の超音波(図10において、Low)として、併せて60W/cm2の低い音響強度で1分間照射を行った。なお本実施例2においては、0.5MHzと1.0MHzの周波数の超音波を0.5+0.5の音響強度(つまり、1:1)の割合で重畳したが、0.1+0.9〜0.9+0.1(つまり、1:9〜9:1)の割合でも構わない。
そして、超音波のパルスの休止期間に生成された診断画像上の輝度の変化を、表示手段5で観察した。超音波を照射して2日後にマウス10を安楽死させ、腫瘍26を取り出してホルマリンで固定後にマウス腫瘍切片を作成し、実際に腫瘍26を観察することによって治療効果を判定した。
図11は、治療中に診断画像上での輝度変化が認められた群と、腫瘍切片での観察により治療効果のあった群との相関を示す図である。
第一および第二の超音波を照射中に継続して診断画像上で輝度変化が観察された場合(モニタリングが○)、5例中5例とも腫瘍切片に壊死領域が観察され、治療効果が見られた。
一方で、第一および第二の超音波を照射中に診断画像上で輝度変化が観察されなかった、または、途中で観察されなくなった場合(モニタリングが×)、3例中2例は腫瘍切片に治療効果が見られなかった。ただし、1例は壊死領域が観察され、治療効果が見られた。輝度変化が観察されない場合でも、治療効果が得られる場合もあるが、輝度変化が得られた場合は確実に治療効果が得られることが示された。
実施例1および実施例2の結果から、200W/cm2の音響強度で診断画像上で輝度変化が観察された場合には、全例において治療効果が得られることが示された。さらに、一旦気泡が検出されると、治療用の超音波の音響強度を低下させても診断画像上で輝度の変化が適切にモニタリングされている限り、腫瘍切片の観察によっても治療効果が認められた。
以上の実施例によれば、本発明の音響化学治療装置を用いて治療中の診断画像上の輝度変化を指標にすることで、音響化学治療が確実に行えていることを確認できることが明確に示された。
本実施形態の音響化学治療装置の構成を示すブロック図である。 被検体の治療を行う場合の音響化学治療装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。 治療用トランスデューサに関する変形例を説明するためのブロック図である。 実施例1の実験系を説明するための概略構成図である。 本実施例で用いた音響化学薬剤である腫瘍集積性ローズベンガル誘導体の構造式である。 実施例1において治療用トランスデューサから照射した治療用の超音波の形状を示す図である。 実施例1において表示手段5に表示された診断画像である。 マウス腫瘍切片を示す図であって、(a)は未処理の腫瘍切片、(b)はHE染色処理をした腫瘍切片である。 実施例1において、治療中に診断画像上での輝度変化が認められた群と、腫瘍切片での観察により治療効果のあった群との相関を示す図である。 実施例2において治療用トランスデューサから照射した治療用の超音波の形状を示す図である。 実施例2において、治療中に診断画像上での輝度変化が認められた群と、腫瘍切片での観察により治療効果のあった群との相関を示す図である。
符号の説明
1 音響化学治療装置
2 診断用プローブ(第1の超音波照射手段、エコー検出手段)
3 治療用トランスデューサ(第2の超音波照射手段)
4 装置本体
5 表示手段
6 被検体
7 対象部位
8 マッチング層
10 マウス
26 腫瘍
31 治療用基本波送信トランスデューサ
32 治療用第二高調波送信トランスデューサ
42 診断用制御部
43 治療用制御部
44 診断画像処理部
431 パルス生成手段(パルス制御手段)
432 増幅手段
433 位相変調手段
441 診断画像生成手段
442 診断画像分析手段
443 診断画像表示手段

Claims (8)

  1. 診断用の超音波を照射する第1の超音波照射手段と、
    治療用の超音波を照射する第2の超音波照射手段と、
    超音波エコーを検出するエコー検出手段と、
    前記第1の超音波照射手段を介して前記診断用の超音波を照射し、前記エコー検出手段を介して前記診断用の超音波に対応する前記超音波エコーを検出する診断用制御手段と、
    検出された前記超音波エコーに基づいて診断画像を生成する診断画像生成手段と、
    前記第2の超音波照射手段を介して前記治療用の超音波を照射する治療用制御手段と、
    を備えた音響化学治療装置であって、
    生成された前記診断画像に基づいてキャビテーションに関連する気泡を検出する診断画像分析手段を備え、
    前記治療用制御手段は
    前記第2の超音波照射手段を介した前記治療用の超音波を、所定のパルス数および休止期間で照射する制御を行うパルス制御手段と、
    前記気泡が検出された場合には前記治療用の超音波の音響強度を低下させ、前記気泡が検出されない場合には前記治療用の超音波の音響強度を増加させる増幅手段と、を含み、
    前記診断画像生成手段は
    前記治療用の超音波の前記休止期間における前記超音波エコーに基づいて前記診断画像を生成す
    ことを特徴とする音響化学治療装置。
  2. 前記診断画像分析手段は、
    前記診断画像上の超音波照射前後の輝度の変化に基づいて前記気泡を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響化学治療装置。
  3. 前記治療用制御手段は、
    前記パルス数および前記休止期間を前記気泡の成長が継続可能な範囲で制御す
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音響化学治療装置。
  4. 前記治療用制御手段は、
    前記パルス数を3以上、前記休止期間を500ms以下で前記治療用の超音波を照射する制御を行
    ことを特徴とする請求項に記載の音響化学治療装置。
  5. 前記治療用制御手段は、
    前記診断画像の輝度変化に対応して前記パルス数および前記休止期間を制御す
    ことを特徴とする請求項に記載の音響化学治療装置。
  6. 前記治療用制御手段は、
    前記治療用の超音波として、前記気泡が発生可能な音響強度からなる第一の超音波を照射した後に、前記第一の超音波の音響強度より低く、かつ、前記気泡の成長が継続可能な音響強度からなる第二の超音波を照射するように制御す
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の音響化学治療装置。
  7. 前記第一の超音波の音響強度は、前記気泡が検出されるまで経時的に増加されてな
    ことを特徴とする請求項に記載の音響化学治療装置。
  8. 前記第2の超音波照射手段から照射される前記治療用の超音波のパルス数は、
    前記第1の超音波照射手段から照射される前記診断用の超音波のパルス数より大であ
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の音響化学治療装置。
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