JP4369547B2 - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム組成物及びそれを用いた重荷重用空気入りタイヤに係り、詳しくは低発熱性、耐摩耗性、耐テア性に優れたトレッドゴムを用いた重荷重用空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
地球温暖化抑制、環境保護の重要性が増大する中で、トラック・バスの低燃費化のニーズは、益々高まっている。低燃費化の手段の1つとしてタイヤの転がり抵抗(RR)の低減は有効である。そしてこのタイヤRRを支配する要因のうちトレッドゴムの低発熱化(低tanδ化)が主要な寄与率を有している。タイヤサイズやパターンによって異なるが、タイヤRRのうちおおよそ70%以上はトレッドゴムのtanδに依存すると考えられている。
また、一方、トラックの積載容積増ニーズに対応した低床化や、バスの乗降性向上目的から来るTBRの偏平化・小径化も今後一層進むことが予測される。こうした偏平化・小径化は即ちタイヤの各部材にかかる入力の増大を意味する。トレッドゴム部では入力増・回転数増によって、自己発熱量が増大していく方向となる。
【0003】
したがって、低燃費・偏平化の両面から、トレッドゴムの低発熱化すなわち低tanδ化が求められている。低発熱化の手段としては、従来▲1▼カーボンブラック充填量の減量、▲2▼網目密度の増大(モノサルファイド結合の比率増大)、▲3▼カーボンブラックとシリカおよびシランカップリング剤の併用、▲4▼カーボンブラック分散改良剤の活用等が採用されてきている。
しかし、単純にこれらの手段を用いた場合、TBRとして求められる総合的な性能のバランスを崩したり、生産性やコストのデメリットが発生してしまう。上記の▲1▼の場合は耐摩耗性の低下、▲2▼の場合は耐テア性の低下が避けられない。したがって、実際にはカーボンのストラクチャーを高めたり、表面活性度を最適化することにより、耐摩耗性、低発熱化、および耐テア性のバランスをとったところで使用されているのが現状である。また、▲2▼のように、単純に化学的結合を増やすのではなく、▲3▼のシランカップリング剤を用いることによって大変形時に緩和効果を持たせつつ、ポリマーと充填剤との結合力を上げて、耐テア性と低発熱化を両立させる技術も既によく知られている。
【0004】
現状では、これらの技術を採用することによって一定の効果を上げてはいるものの、これだけでは既に限界に達しており、更なる低燃費化や偏平化・小径化に対する要求には十分な対応ができない。これ以上のカーボンブラックの高ストラクチャー化は、作業性・耐老化性・耐テア性の点でバランスを悪化させるし、シリカ・シランカップリング剤の増量は、耐摩耗性の低下を起こすことになり、現状では限界に達している。
また、▲4▼のカーボンブラック分散改良剤は、性能面では有効な手段となり得るが、ゴム練り作業時の化学反応による作業性・生産性の低下を生じるケースがあり得ること、コストの面で非現実的な場合があり得る等の問題を有するため、現状では容易に採用できないことが多い。
このように、低発熱性、耐摩耗性および耐テア性のいずれの性能も犠牲にすることなく、バランスのとれた性能を有するトレッドゴムを備えた重荷重用空気入りタイヤの出現が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、耐摩耗性と耐テア性を犠牲にすることなく、低発熱性が向上されたトレッドゴムを有する重荷重用空気入りタイヤを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下の重荷重用空気入りタイヤを提供することにより解決される。
(1)ブタジエンゴム10〜60重量部、天然ゴム40〜90重量部からなるゴム成分100重量部に対して、窒素吸着比表面積が120m2 /g以上であり、ジブチルフタレート吸油量が110cm3 /100g以上であるカーボンブラックを35〜65重量部と下記一般式で表されるシランカップリング剤であって、全ポリスルフィドシラン成分量に対してyが3であるトリスルフィドシラン含有量が25%以上であり、かつyが5以上のポリスルフィドシラン含有量が50%以下であるシランカップリング剤を0.2〜5重量部、を添加してなり、前記シランカップリング剤にて前記カーボンブラックの分散性を改良した、実質的にシリカを含有しないトレッドゴムを使用することを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
【0007】
【化3】
【0008】
(式中、nは1〜3の整数、mは1〜9の整数、yは1以上の正数で分布を有する。)
(2)ブタジエンゴム10〜60重量部、天然ゴム40〜90重量部、および末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム10〜30重量部からなるゴム成分100重量部に対して、窒素吸着比表面積が120m2 /g以上であり、ジブチルフタレート吸油量が110cm3 /100g以上であるカーボンブラックを35〜65重量部、および上記(1)のシランカップリング剤を0.2〜5重量部添加してなり、前記シランカップリング剤にて前記カーボンブラックの分散性を改良した、実質的にシリカを含有しないトレッドゴムを使用する重荷重用空気入りタイヤ。
(3)前記(1)ないし(2)の重荷重用空気入りタイヤにおいて、タイヤの偏平率が70%以下であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明においては、耐摩耗性と耐テア性を犠牲にすることなく、低発熱性が向上されたトレッドゴムを得るために、特定のシランカップリング剤とカーボンブラックとを特定の割合で使用することを特徴とする。
一般にゴムにカーボンブラックを練り込む際、カーボンブラックの分散性が良好で、カーボンブラックのゲル生成量が高いと発熱性の悪化を抑制することができる。カーボンブラックの分散を改良する技術としては、練り負荷量の増大やカーボンブラック分散改良剤の活用によっても実現は可能である。しかし、練り負荷量を増大させると、生産性の低下は避けられず、加えてポリマーの主鎖切断が増大するため、耐摩耗性が低下する方向となり、したがって、分散が改良される効果の部分が相殺されてしまう。カーボンブラックの分散剤の添加は、以下で詳述する本発明の場合と同様に有用な技術と考えられるが、混練り作業時の反応性が高過ぎて粘度上昇が大きく生産性が低下する場合が多く、コストの点でも不十分なものが多い。
【0010】
本発明は、本発明で使用する特定のシランカップリング剤がポリマーとカーボンブラックを結び付ける働きを有し、その結果ゴムの混練においてカーボンブラックの分散性を改良し、カーボンブラックゲルの生成量を高め、混練り時の分散不良によって生じていた発熱性の増大を抑制することができることを発見したことに基づく。
即ち、ゴム成分に対し、同じ量のカーボンブラックを配合した場合(同PHR)、シランカップリング剤を配合しないと、分散不良によって発熱性が悪化していたが、カーボンブラックに特定のシランカップリング剤を併用することにより、耐摩耗性および耐テア性を維持ないし向上させた状態で、発熱特性を向上させることができる。
【0011】
従来より本発明におけるシランカップリング剤はシリカとの併用により、シリカとポリマー間の結合を促進する機能を有することから、タイヤトレッドゴムに配合して用いられてきた。シリカとシランカップリング剤を併用すると、発熱抑制効果と耐テア性の改良効果が発現し、有用な技術であった。しかし、シリカとシランカップリング剤の合計量と同量の、カーボンブラックのみを配合した場合と比較すると、耐摩耗性の低下は避けられない。これは、シランカップリング剤をもってしても、シリカとポリマーの間の結合は、カーボンブラックとポリマーの結合強度には及ばないためである。このため、シリカと特定のシランカップリング剤を併用することにも、TBRトレッドとしての適用には限界があった。一方、単純にカーボンブラックと特定のシランカップリング剤を組み合わせる場合においては、発熱性、耐テア性の点ではシリカ・シランカップリング剤の併用に及ばないが、耐摩耗性の点では圧倒的に有利である。
【0012】
本発明はこのような知見に基づき、特定のシランカップリング剤、特定のカーボンブラックを、それぞれ特定の量でゴム成分に配合し、総合的な調整を行うことにより、シリカ・シランカップリング剤の併用の場合に得られると同等の耐摩耗性および耐テア性を保持すると共に、耐発熱性はこれを上回るレベルを有する、全体的なバランスに優れたトレッドゴムを得たものである。
【0013】
本発明に用いられるゴム成分は、全ゴム成分100重量部中に天然ゴム(NR)40〜90重量部、好ましくは50〜80重量部、及びブタジエンゴム(BR)10〜60重量部、好ましくは25〜55重量部からなるものが使用できる。また、前記ゴム成分にさらに末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム(SBR)を10〜30重量部加えることができる。
このように、本発明においては耐摩耗性と耐発熱性を発現させるため天然ゴムとブタジエンゴムを基本配合とする。全ブレンド成分100重量部に対してNRが40重量部未満では耐テア・クラック性が劣り、また90重量部を越えるとBRとのブレンドのメリットである耐摩耗性及び耐発熱性の改良効果が十分発現しないので、NRの配合量は前記の範囲が必要である。またBRが10重量部未満では耐摩耗性と耐発熱性の発現が不十分となり、またBRが60重量部を越えると耐摩耗性、低発熱性は改善されるが、NR重量部が減少することになりNRの伸長結晶性による耐テア・クラック性のメリットが失われるので、BRの配合量は前記範囲が必要である。
【0014】
SBRは低tanδ化に寄与する成分であり、配合量が、全ゴム成分100重量部に対し10重量部未満であると、この寄与が十分ではない。NRは主として過酷な使用条件下での耐摩耗性を向上させる成分であるが、過酷でない条件下で使用する場合には、このようなSBRを用いることによって、発熱を犠牲にせず耐摩耗性を向上させる対応も可能となる。しかし、30重量部を越えると、低発熱化の効果を確保することはむしろ難しくなり、かつ相対的にNRとBRの配合量が少なくなり、前述の効果が発現されなくなるので、30重量部を越えて配合することは望ましくない。
天然ゴムとしては各種の天然ゴムが用いられ、例えばRSS3号等のシートゴム、技術的格付けゴム(TSR)等が挙げられる。
上記SBRとしては、例えばFSケミカル社製HX765等が挙げられる。
【0015】
本発明のゴム組成物に用いられるカーボンブラックは窒素吸着比表面積(N2 SA)が120m2 /g以上、好ましくは130m2 /g以上であり、、かつジブチルフタレート(DBP)吸油量が110cm3 /100g以上、好ましくは115cm3 /100g以上であるものが用いられる。N2 SAが120m2 /g未満、またDBP吸油量が110cm3 /100g未満では補強性が不足し、耐摩耗性が不十分となり好ましくない。前記のようなコロイダル特性を満足しないカーボンブラックを使用した場合は結局配合量を増やさざるをえず、低発熱性が許容外となってしまう。
このカーボンブラックとしては、例えば上記特性を満足するISAF、SAF等を挙げることができる。
本発明に用いられる充填剤は上記のような、カーボンブラックであり、ゴム成分100重量部に対して、35〜65重量部が配合され、好ましくは40〜55重量部が配合される。配合量が35重量部未満では耐摩耗性が低下し、65重量部を越えると、低発熱性すなわち低転がり抵抗性が悪化し、また分散不良が起こるため耐摩耗性、破断伸び(耐テア・クラック性)が低下することにもなるので好ましくない。
【0016】
本発明において、カップリング剤は前記一般式(I)で表されるシランカップリング剤であり、前記式においてポリサルファイド部Syは、yが1以上、例えばS1 〜S9 のような異なる硫黄原子数の分布を有している。また全ポリスルフィドシラン成分量に対してyが3のトリスルフィドシラン含有量が25%以上、好ましくは30%以上であり、かつyが5以上のポリスルフィドシラン含有量が50%以下、好ましくは40%以下である。トリスルフィドシランが25%未満、あるいはyが5以上のポリスルフィドシランが50%を越えると混練り中のゲル化による加工性が低下して好ましくない。
また、式中、nは1〜3の整数、mは1〜9の整数、好ましくは2〜5の整数を示す。
また、yが2以下のモノスルフィドシランおよびジスルフィドシランの合計含有量が50%以下であることが好ましい。
さらに、ポリサルファイド部Syのyの平均数は、2〜3の範囲にあることが望ましい。yの平均数が2未満では耐摩耗性、抗破壊性および弾性率が低下しやすく、またyの平均数が3を越えると混練り中のゲル化による加工性の低下が起こり易くなるので、上記の範囲にあることが望ましい。
【0017】
シランカップリング剤としては、例えば一般式(I)のビス(トリアルコキシシリルアルキル)ポリサルファイドのアルコキシ基が例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基;アルキル基が例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基;ポリサルファイド基−Sy−が上記硫黄原子の分布を有する基である化合物等が用いられる。
【0018】
本発明に用いられるシランカップリング剤の製法は特に制限されないが、例えば特開平7−228588号公報記載の方法などに準拠し次のように製造することができる。
無水硫化ナトリウム(Na2 S)と硫黄(S)とを不活性ガス雰囲気下、極性溶媒中で適切なモル比例えば1:1〜1:3の範囲で反応させて多硫化ナトリウムを得、次いでこの多硫化ナトリウムをハロゲノアルコキシシランを加えて不活性ガス雰囲気下で反応させて得られる。
本発明で用いられるカップリング剤の配合量はゴム成分100重量部に対して0.2〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。0.2重量部未満の配合量ではカーボンブラックとポリマー成分との相互作用が得られず、したがって、カーボンブラック分散やカーボンブラックゲルの生成が不十分であり好ましくない。また、5重量部を越えるとこれらの効果は飽和し、また混練り時のポリマーとの反応性も高くなり過ぎ粘度の上昇を招き作業性を低下させるので、この量を越えないことが望ましい。
本発明においては、特定のシランカップリング剤およびカーボンブラックを特定量ゴム成分に配合した結果、耐摩耗性および耐テア性を犠牲にすることなく、耐発熱性を向上させることができるという予想外の効果が得られる。
【0019】
本発明の重荷重用空気入りタイヤのゴム組成物として前記諸成分と共に通常ゴム工業で用いられる、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、加硫促進剤、WAX、加硫剤等の成分を本発明の効果を損なわない範囲において適宜配合することができる。
加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、この使用量は、ゴム成分100重量部に対して硫黄分として0.1〜5重量部、好ましくは1〜2重量部である。0.1重量部未満では加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性が低下し、5重量部を越えるとゴム弾性が損なわれる傾向がある。
本発明の空気入りタイヤ用ゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド等に用いられる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本実施例に限定されるものではない。
実施例1〜4、従来例1、比較例1〜6
下記の表2〜3に示す配合処方に従って、混練配合を行い、このトレッドゴム組成物を用いて、タイヤ構造として4枚のスチールベルト、1枚のスチールカーカスを有し、リブパターンの平均接地圧が0.8MPaで使用されるサイズTBR11R22.5のタイヤを試作し、タイヤの諸性能を測定した。結果を表2〜3に示す。
使用したシランカップリング剤は以下のようにして製造した。
[シランカップリング剤A]
特開平7−228588号公報に記載の方法に従い、
(C2 H5 O)3 Si(CH2 )3 −Sy−(CH2 )3 Si(OC2 H5 )3 で示されるシランカップリング剤を合成した。この式中の−Sy−は下記の表1に示す分布を有している。前記方法において、無水硫化ナトリウムと硫黄を1:1.5のモル比により合成した。
[シランカップリング剤B]
ドイツデグッサ社製のSi69を使用した。
【0021】
【表1】
【0022】
上記のシランカップリング剤AおよびシランカップリングBの各連鎖硫黄成分(−Sy−)の分布割合は、以下に具体的に示す高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析法により求めたピーク面積(%)を用いて算出した。
HPLC分析の条件
HPLC:(株)東ソー製 HLC−8020
UV検出器:(株)東ソー製 UV−8010(254nm)
レコーダー:(株)東ソー製 スーパーシステムコントローラーSC−8010カラム: (株)東ソー製 TSKgel ODS−80TM CTR(内径:4.6mm、長さ:10cm)
測定温度: 25℃
サンプル濃度:6mg/10ccアセトニトリル溶液
試料注入量: 20μl
溶出条件: 流量1cc/min
アセトニトリル:水=1:1の混合溶液にて2分間溶出し、その後18分間かけてアセトニトリルが100%になるようにグラジェント溶出した。
結果を表1〜4に示す。
【0023】
各種タイヤ性能の測定は下記の方法によった。
(1)耐摩耗性
平均接地圧が0.8MPaで使用されるサイズTBR11R22.5、リブパターンTBRを10トントラック全輪に装着し、高速道路1万5000km、一般道路1万5000km走行後、トレッドゴムのパターンの残溝深さから摩耗量を測定し、その逆数を用いて、従来例3(コントロール)の値を100とした指数で表示した。従って、数値が大きいほど、耐摩耗性が良好であることを表す。(2)耐テア・外観性
前記(1)耐摩耗性試験を実施した試作タイヤをのカット・テアの総数を測定して、その逆数を用いて、従来例3の値を100とした指数で表示した。従って、数値が大きいほど、耐テア・クラック性が良好であることを表す。
(3)耐発熱性
トレッドゴムのtanδを測定し、その逆数を用いて従来例3(コントロール)の値を100とした指数で表示した。したがって、数値が大きい程低発熱性である。
(4)ム−ニ−粘度ML1+4 (130℃)
上記ムーニー粘度の測定は、JISK6300に従い、島津製作所製のSMW−20型ムーニーマシンを使用して、L型ローラーを用い、130℃にて1分間予熱後、4分間経過後の値を測定した。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
表2〜3に示されるように、本発明のゴム組成物を用いた重荷重用空気入りタイヤは、比較例1として示したカーボンブラック配合でシランカップリング剤無配合のトレッドゴム(一般汎用耐摩耗性トレッドゴム)、従来例1として示したカーボンブラック配合でシランカップリング剤無配合のトレッドゴム(HS−SAFを使用)、或いは比較例2として示したカーボンブラック、シリカおよびシランカップリング剤を配合したトレッドゴム(低燃費トレッドゴム)に比較して、その耐発熱性はおよそ10%も改善されており、しかも耐摩耗性および耐テア性・外観性もそれらと同等あるいはそれ以上に向上している。さらに、表1から分かるように、SBRをゴム成分100重量部に対し15重量部配合した実施例2のトレッドゴムは、耐発熱性を犠牲にすることなく、耐摩耗性および耐テア性を増大させることができる。
また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積および吸油量が低く本発明の条件を満たしていない低グレードのカーボンブラックを使用した場合は、耐摩耗性、耐発熱性および耐テア・外観性とも全体的に低い性能しか得られない(比較例3)。また比較例4のようにゴム成分として天然ゴムだけを使用した場合は、耐摩耗性および耐発熱性が劣っている。一方、ブタジエンゴムを規定量より多く使用すると、耐テア・外観性の低下が著しい(比較例5)。さらに、シランカップリング剤Bを使用したものはムーニー粘度が高く、加工性が低下している(比較例6)。
【0027】
【発明の効果】
本発明の、上記のように特定のシランカップリング剤およびカーボンブラックを、特定の割合でゴム成分に加えたトレッドゴムを用いる重荷重用空気入りタイヤは、耐摩耗性、耐テア性および耐発熱性が高度に両立するという優れた効果を奏する。
Claims (3)
- ブタジエンゴム10〜60重量部、天然ゴム40〜90重量部からなるゴム成分100重量部に対して、窒素吸着比表面積が120m2 /g以上であり、ジブチルフタレート吸油量が110cm3 /100g以上であるカーボンブラックを35〜65重量部、および下記一般式
- ブタジエンゴム10〜60重量部、天然ゴム40〜90重量部、および末端変性溶液重合スチレンブタジエンゴム10〜30重量部からなるゴム成分100重量部に対して、窒素吸着比表面積が120m2 /100g以上であり、ジブチルフタレート吸油量が110cm3 /100g以上であるカーボンブラックを35〜65重量部、および下記一般式
- タイヤの偏平率が70%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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