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JP4364998B2 - インバータ装置及び直流入力方法 - Google Patents

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良夫 保野
実 永井
公二 清本
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Otis Elevator Co
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Otis Elevator Co
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、電力回生が可能な直流入力用インバータ装置及び交直両用インバータ装置の直流入力方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シャトル浮上用ブロアなどのモータを駆動するための、交直両用インバータ装置の回路を図2に示す。インバータ装置は電源部10とインバータ20で構成されている。電源部10は三相の交流入力端子R,S,Tから入力する三相交流入力を整流するダイオードD1〜D6を3相ブリッジ接続した三相整流回路11と、この整流回路11の正電圧出力端子14と直列に接続されたプレチャージ用減流抵抗12とこの減流抵抗を短絡する減流抵抗器短絡用スイッチ13の並列回路と、平滑用コンデンサCで構成されている。そして、直流入力で使用するときは、三相の交流入力端子R,S,Tをリード線23,24で短絡して直流入力の正電圧端子とし、この正電圧端子と整流回路の負電圧端子Nを直流入力の負電圧端子として使用する。
【0003】
電源部10に交流又は直流が入力されると、整流回路11の出力端子14,15間に直流電圧が出力する。この直流の電圧は減流抵抗12を介して平滑用コンデンサCを充電する。充電がほぼ完了した時点で減流抵抗器短絡用スイッチ13を投入し減流抵抗12を短絡する。
【0004】
インバータ20は平滑用コンデンサCで平滑された直流を交流に変換してモータMを駆動する。高速回転しているモータを減速停止させる場合、モータM及びモータの負荷装置の慣性によりモータMは制動運転となり、モータMに発電電力が発生する。この発電電力(以下回生電力)による電流がインバータ20のスイッチング素子S1〜S6に逆並列に接続されているダイオードを介して平滑用コンデンサCを充電する。この回生電力がインバータ装置の内部消費電力を上回る場合、平滑用コンデンサC及びスイッチング素子S1〜S6や制御回路を破壊する。
【0005】
従来はこの回生電力を回収することができず、モータの制動時間を短縮することができなかった。この回生電流を吸収する方法として、回生電力による平滑用コンデンサCの直流側電圧の上昇を検出し、平滑用コンデンサCの両端に電力消費用の抵抗器を接続する方法がある。しかし、この方法は、回生電力を抵抗器により熱に変換するだけであり、エネルギーを無駄に消費する。
【0006】
そこで、回生電力を回収し、電源に戻す方法が一般的に用いられている。この方法は、平滑用コンデンサCの電圧を監視して電圧上昇を検出した場合、外部電力回生装置を起動させ回生電力を回収するものであり、省エネルギーが期待できるものの、外部に別の装置を必要とするので余計な設置スペースを必要とし、コストが増大するなどの問題があった。
【0007】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、設置スペースやコストなどを増大させることなく簡単に直流入力時の回生電力を回収することのできる交直両用インバータ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明のインバータ装置は、三相の交流を整流する整流回路と、整流回路の正電圧出力端子に接続された減流抵抗器と減流抵抗器短絡用スイッチの並列回路と、この並列回路の出力端子と整流回路の負電圧出力端子に接続され整流回路の出力で充電される平滑用コンデンサと、この平滑用コンデンサの直流電圧を交流に変換してモータを駆動するインバータとを有するインバータ装置を、直流入力時に、整流回路の三相の交流入力端子の1つと整流回路の正電圧出力端子との間をリード線等で接続すると共に、三相の交流入力端子の他の2つの端子のいずれかと前記減流抵抗短絡用スイッチの出力端子との間をリード線等で接続し、電力回生可能な直流用としたものである。
【0009】
また、この発明の交直両用インバータ装置の直流入力方法は、三相の交流を整流する整流回路と、整流回路の正電圧出力端子に接続された減流抵抗器と減流抵抗器短絡用スイッチの並列回路と、この並列回路の出力端子と整流回路の負電圧出力端子に接続され整流回路の出力で充電される平滑用コンデンサと、この平滑用コンデンサの直流電圧を交流に変換してモータを駆動するインバータとを有し、直流入力で使用される場合、直流入力を整流回路の三相の交流入力端子と負電圧出力端子との間に印加する交直両用インバータ装置において、
直流入力に使用する場合、整流回路の交流入力端子の1つと整流回路の正電圧出力端子との間をリード線等で接続すると共に、交流入力端子の他の2つのいずれかと減流抵抗短絡用スイッチの出力端子との間をリード線等で接続し、直流入力側への電力回生を可能としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例にかかるインバータ装置の主回路構成を図1に示す。このインバータ装置は、電源部10と電源部10の直流出力電圧を交流に変換してモータMを駆動するインバータ20で構成されている。
【0011】
電源部10は、三相の交流入力端子R,S,Tに入力する三相交流を整流する三相整流回路11と、平滑用コンデンサCと、整流回路11の正電圧出力端子14と平滑用コンデンサCの正電圧端子18との間に直列に接続された電源投入時の過大な突入電流を制限するための減流抵抗器12と平滑用コンデンサCの充電電圧がほぼ飽和時点で減流抵抗器を短絡するための減流抵抗器短絡用スイッチ13の並列回路で構成されている。なお、21,22は直流入力時に接続するリード線を示す。
【0012】
また、インバータ20は三相ブリッジ接続されたスイッチング素子S1〜S6で構成されている。なお、スイッチング素子S1〜S6はそれぞれ逆並列ダイオードDを有し、交流出力側に接続されたモータMが制動運転となった場合には、回生電流が平滑用コンデンサCを充電するように流れる。
【0013】
このインバータ装置を三相の交流入力で使用する場合、リード線21,22を切り離し、三相交流を三相の整流回路11の三相の交流入力端子R,S,Tに接続する。三相交流の入力は整流回路11で整流され、減流抵抗12を介して平滑用コンデンサを充電する。平滑用コンデンサCがほぼ充電された後減流抵抗器短絡用スイッチ13を投入させて直接平滑用コンデンサCを充電し、それからインバータ20を動作させる。
【0014】
インバータ20はこの直流を交流に変換してモータMを駆動する。モータMが制動運転となった場合、回生電力がインバータ20から平滑用コンデンサCへ流れるが、電源回路10は交流入力の場合に回生電力を回収する装置を持たないため回生電力は回収できない。
【0015】
このインバータ装置の入力を直流で使用する場合、三相交流入力端子の1つ、例えば端子Rをリード線21で整流回路11の正電圧出力端子14に接続すると共に、他の3相入力端子、例えば端子Tを整流回路11の正電圧出力端子16に接続する。
【0016】
直流入力DC750Vを整流回路11の三相交流入力端子Rと整流回路11の負電圧出力端子Nとに接続すると、電流は三相交流入力端子R,リード線22,減流抵抗12を通り平滑用コンデンサCに流れる。平滑用コンデンサCがほぼ充電された後減流抵抗器短絡用スイッチ13を投入させて減流抵抗12を短絡した後、インバータ20を動作させる。インバータ20はこの平滑用コンデンサCの直流電圧を交流に変換してモータMを駆動する。モータMが制動運転となった場合、回生電力平滑用コンデンサCを充電する方向に流れる。この回生電力が大きく平滑用コンデンサCの電圧が直流入力DCの電圧を超える場合、電源回路10の正電圧出力端子17,16からリード線22,ダイオードD6,リード線21,端子Rを通って直流入力DC750側へ電流が流れ電力が回収される。
【0017】
図1と従来図2のインバータ装置をそれぞれ図示のように直流入力用インバータ装置として、モータMの制動テストを行った。テストはそれぞれの減速時間を測定し比較した。減速開始からモータが完全に停止するまでの減速時間は、従来インバータ装置の場合15秒であったものが、実施例のインバータ装置では1.5秒であった。また、図1のインバータ装置では回生電力の電流値は最大23A(750V)であった。従来インバータ装置は直流電源への回生電力は0であるので、従来のインバータ装置に比し(23×750)Wの省エネルギーとなった。
【0018】
【発明の効果】
この発明は、上述のとおり構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
(1)交直両用インバータ装置を簡単に回生可能な直流入力インバータ装置にできる。
(2)外部に回生吸収装置を設置する必要がないため、追加スペースが不要である。
(3)回路構成上、抵抗などの受動素子が含まれないため無駄が少なく、インバータ装置の省エネルギー性が高まる。
(4)回路変更にかかるコストは僅かであり、従来の回生吸収装置を設けた場合と比較して大幅なコストダウンとなる。
(5)回生電流を回収することによりモータの制動時間が短縮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例にかかるインバータ装置の主回路構成図。
【図2】 従来例にかかるインバータ装置の主回路構成図。
【符号の説明】
10…電源回路
11…整流回路(三相全波整流回路)
12…減流抵抗器(プレチャージ用)
13…減流抵抗短絡用スイッチ
21〜24…リード線
20…インバータ

Claims (2)

  1. 三相の交流を整流する整流回路と、整流回路の正電圧出力端子に接続された減流抵抗器と減流抵抗器短絡用スイッチの並列回路と、この並列回路の出力端子と整流回路の負電圧出力端子に接続され整流回路の出力で充電される平滑用コンデンサと、この平滑用コンデンサの直流電圧を交流に変換してモータを駆動するインバータとを有するインバータ装置を、
    直流入力時に、整流回路の三相の交流入力端子の1つと整流回路の正電圧出力端子との間をリード線等で接続すると共に、三相の交流入力端子の他の2つの端子のいずれかと前記減流抵抗短絡用スイッチの出力端子との間をリード線等で接続し、電力回生可能な直流用としたことを特徴とするインバータ装置。
  2. 三相の交流を整流する整流回路と、整流回路の正電圧出力端子に接続された減流抵抗器と減流抵抗器短絡用スイッチの並列回路と、この並列回路の出力端子と整流回路の負電圧出力端子に接続され整流回路の出力で充電される平滑用コンデンサと、この平滑用コンデンサの直流電圧を交流に変換してモータを駆動するインバータとを有し、直流入力で使用される場合、直流入力を整流回路の三相の交流入力端子と負電圧出力端子との間に印加する交直両用インバータ装置において、
    直流入力に使用する場合、整流回路の交流入力端子の1つと整流回路の正電圧出力端子との間をリード線等で接続すると共に、交流入力端子の他の2つのいずれかと減流抵抗短絡用スイッチの出力端子との間をリード線等で接続し、直流入力側への電力回生を可能とすることを特徴とする交直両用インバータ装置の直流入力方法。
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