JP4362680B2 - 微細構造体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、回折格子、マイクロレンズ、ホログラム、反射板等の微細構造体の製造方法とこの製造方法を適用して製造される微細構造体、及び微細構造体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細構造を加工する方法として、感光性材料を塗布した原盤(例えば、ガラス原盤)にレーザ光を照射して露光し、現像するフォトリソグラフィ法が知られている。例えば、特開2000−292934号公報には、原盤を回転させながらレーザ光のスポットを原盤の径方向に移動させ、レーザ光の強度を変調しながら原盤上のフォトレジスト膜を感光させて描画を行う方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の方法では、回折格子やマイクロレンズなどの微細構造を有する素子を形成する場合など、レーザ光のスポットの焦点深度に比べて、微細構造の凹凸が深いような場合には、焦点ボケによって露光時の解像度が大きく低下する。例えば、フォトレジスト膜の表面近傍にレーザ光を集光した場合には、フォトレジスト膜の深部において、解像度低下が大きくなる。このため、従来の方法では、回折格子等の素子の微細形状を良好に(すなわち、精度良く)形成することが難しかった。
【0004】
本発明は、このような点に着目して創作されたものであり、解像度の低下を抑え、良好な微細形状を形成することを可能とする微細構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の製造方法は、感光性材料膜をビーム光によって走査して露光潜像を形成する微細構造体の製造方法であって、感光性材料膜内の第1の深さ位置にビーム光を第1のパターンデータによって強度変調して集光し、該ビーム光によって感光性材料膜を走査してその露光軌跡によって感光性材料膜に第1の露光潜像を形成する第1の露光潜像形成工程と、感光性材料膜内の第2の深さ位置にビーム光を第2のパターンデータによって強度変調して集光し、該ビーム光によって感光性材料膜を走査してその露光軌跡によって感光性材料膜に第2の露光潜像を形成する第2の露光潜像形成工程と、を含む。
【0006】
従来の方法では、所望のパターン形状に対応する露光潜像を1回の露光によって形成していたので、感光性材料膜(フォトレジスト膜)の内部の全ての深さ位置にビーム光の焦点を合わせることができず、解像度が低下する部分が発生していた。例えば、ブレーズド回折格子(ノコギリ波形状の回折格子)のような形状においては、角部分の丸みが回折効率を低下させる原因となるが、従来の方法では、焦点ボケが生じることにより、ノコギリ波形状の上端及び下端の両方の角を鋭く形成することが困難であった。
【0007】
そこで、本発明の製造方法では、感光性材料膜内の複数の深さ位置に焦点を設定し、複数回の露光を行うようにしている。これにより、感光性材料膜内の深部と表面近傍のいずれにおいても、焦点ボケによる解像度の低下を極力抑えて解像度のバランスを保つことが可能となり、全体として良好な形状を形成することが可能となる。かかる製造方法は、特に、V溝形状、円錐形状、角錐形状、あるいは、ブレーズド回折格子やマイクロフレネルレンズアレイなどの斜面と頂点(頂角)を持つパターン形状を形成する場合において有効である。
【0008】
好ましくは、第1及び第2の露光潜像形成工程によって、第1の露光潜像と第2の露光潜像とを合成して第3の露光潜像を形成する。
【0009】
好ましくは、第3の露光潜像は、第1の深さ位置を第2の深さ位置よりも浅い位置に設定し、第1の露光潜像の軌跡の上に第2の露光潜像の軌跡が重ねられてなる。感光性材料膜として一般的なポジ型のフォトレジスト膜を用いた場合には、露光された部分の透明度が上がる性質がある。このため、ビーム光の焦点を浅い位置に設定した露光を先に行うようにし、被露光部分の透明度が上がった後に、焦点を深い位置に設定した露光を行うことにより、深部にビーム光が届きやすくなり、露光の精度を更に向上させることが可能となる。
【0010】
好ましくは、第3の露光潜像は、第1の露光潜像の軌跡の隙間に第2の露光潜像の軌跡を配置してなる。これにより、感光性材料膜に記録される潜像に照射軌跡(いわゆるトラック筋)が顕在化することを抑制することが可能となる。
【0011】
好ましくは、第1及び第2のパターンデータは1つの露光プロファイルデータを分担している。
【0012】
また、本発明の製造方法は、感光性材料膜をビーム光によって走査して露光潜像を形成する微細構造体の製造方法であって、感光性材料膜内の第1の深さ位置に第1のビーム光を第1のパターンデータによって強度変調して集光し、該ビーム光によって感光性材料膜を走査してその露光軌跡によって感光性材料膜に第1の露光潜像を形成する第1の露光潜像形成工程と、感光性材料膜内の第2の深さ位置に第2のビーム光を第2のパターンデータによって強度変調して集光し、該ビーム光によって感光性材料膜を走査してその露光軌跡によって感光性材料膜に第2の露光潜像を形成する第2の露光潜像形成工程と、を含む。
【0013】
このように、感光性材料膜内の複数の深さ位置に焦点を設定し、複数のビーム光によって露光を行うようにすることにより、感光性材料膜内の深部と表面近傍のいずれにおいても、焦点ボケによる解像度の低下を極力抑えて解像度のバランスを保つことが可能となり、全体として良好な形状を形成することが可能となる。かかる製造方法についても、特に、ブレーズド回折格子などの斜面と頂点(頂角)を持つパターン形状やこれに類似する形状を形成する場合において有効である。
【0014】
好ましくは、上述した第1及び第2の露光潜像形成工程を同時に行う。これにより、複数の深さ位置に対応する露光をまとめて行うことができるので、製造時間の短縮が可能となる。
【0015】
好ましくは、上述した第1及び第2の露光潜像形成工程によって、第1の露光潜像と第2の露光潜像とを合成して第3の露光潜像を形成する。
【0016】
好ましくは、第3の露光潜像は、第1の露光潜像の軌跡の上に第2の露光潜像の軌跡が重ねられてなる。これにより、露光の精度をより向上させることが可能となる。
【0017】
好ましくは、第3の露光潜像は、第1の露光潜像の軌跡の隙間に第2の露光潜像の軌跡を配置してなる。これにより、感光性材料膜に記録される潜像に照射軌跡が顕在化することを抑制することが可能となる。
【0018】
好ましくは、第1及び第2のパターンデータは1つの露光プロファイルデータを分担している。
【0019】
また、本発明の製造方法は、原盤上に塗布された感光性材料膜にビーム光を集光し、ビーム光をその光量を変調しながら走査して照射するスキャニング露光を複数回繰り返して所望のパターンを感光性材料膜に記録する露光工程と、パターンの記録された前記感光性材料膜を現像し、露光量に応じた深さのパターン形状を形成する現像工程と、を含み、露光工程において、感光性材料膜の深さ方向に沿ってそれぞれ異なる位置に複数の焦点位置を設定し、当該焦点位置のそれぞれに対応した露光を複数回のスキャニング露光によって行う。
【0020】
このように、感光性材料膜の深さ方向に複数の焦点位置を設定し、複数回の露光を行うことにより、感光性材料膜内の深部と表面近傍のいずれにおいても、焦点ボケによる解像度の低下を極力抑えて解像度のバランスを保つことが可能となり、全体として良好な形状を形成することが可能となる。かかる製造方法についても、特に、ブレーズド回折格子などの斜面と頂点(頂角)を持つパターン形状やこれに類似する形状を形成する場合において有効である。
【0021】
好ましくは、上記露光工程は、ビーム光の焦点位置を浅い位置に設定した露光を先に行い、ビーム光の焦点位置を深い位置に設定した露光を後に行う。これにより、露光の精度をより向上させることが可能となる。
【0022】
好ましくは、上記露光工程は、複数回のスキャニング露光のそれぞれ毎に、原盤の露光面内におけるビーム光の照射位置を該ビーム光のスキャニング方向に略直交する方向に相互にずらして露光を行う。これにより、感光性材料膜に記録される潜像に照射軌跡が顕在化することを抑制することが可能となる。
【0023】
また、本発明の製造方法は、原盤に塗布された感光性材料膜に複数のビーム光を集光し、これら複数のビーム光の光量をそれぞれ変調しながら走査して照射するスキャニング露光を行って、所望のパターンを感光性材料膜に記録する露光工程と、パターンの記録された原盤を現像し、露光量に応じた深さのパターン形状を形成する現像工程と、を含んでおり、上記露光工程において、感光性材料膜の深さ方向に沿ってそれぞれ異なる位置に複数の焦点位置を設定し、当該焦点位置のそれぞれに対応した露光を複数のビーム光のそれぞれによって行うようにしている。
【0024】
このように、感光性材料膜内の複数の深さ位置に焦点を設定し、複数のビーム光によって露光を行うようにすることにより、感光性材料膜内の深部と表面近傍のいずれにおいても、焦点ボケによる解像度の低下を極力抑えて解像度のバランスを保つことが可能となり、全体として良好な形状を形成することが可能となる。かかる製造方法についても、特に、ブレーズド回折格子などの斜面と頂点(頂角)を持つパターン形状やこれに類似する形状を形成する場合において有効である。
【0025】
好ましくは、上記露光工程において、原盤の露光面内における複数のビーム光のそれぞれの照射位置を複数のビーム光のスキャニング方向に略直交する方向に相互にずらして露光を行う。これにより、感光性材料膜に記録される潜像に照射軌跡が顕在化することを抑制することが可能となる。
【0026】
好ましくは、感光性材料膜の厚さ及びパターン形状の深さをビーム光の焦点深度よりも大きくする。これにより、焦点ボケによる解像度の低下を抑える効果をより確実に得ることが可能となる。
【0027】
また、本発明は、上述した製造方法のいずれかを用いて製造される微細構造体でもある。より具体的には、微細構造体は、少なくともブレーズド回折格子、マイクロフレネルレンズ、ホログラム、反射板のいずれかを含むことが望ましい。上述した製造方法を用いることにより、良好な微細形状を有する微細構造体を得ることが可能となる。
【0028】
また、本発明は、感光性材料膜をビーム光によって走査して露光潜像を形成する微細構造体の製造装置であって、パターンデータによって強度変調したビーム光を形成するビーム形成手段と、ビーム光を感光性材料膜内の所望の深さ位置に集光させる集光手段と、ビーム光を感光性材料膜上に相対的に走査させるビーム光走査手段と、を含んで構成されており、上記集光手段により、ビーム光を集光させる際の深さ位置を複数の異なる位置に設定し、ビーム光走査手段により、各深さ位置に対応してビーム光による走査を複数回行うことによって露光潜像を形成する。
【0029】
好ましくは、上記パターンデータは、第1の深さ位置に対応する第1のパターンデータと第2の深さ位置に対応する第2のパターンデータを含んでおり、第1のパターンデータを用いて強度変調したビーム光によって第1の深さ位置に対応する走査が行われ、次いで、第2のパターンを用いて強度変調したビーム光によって第2の深さ位置に対応する走査が行われる。
【0030】
また、本発明は、感光性材料膜をビーム光によって走査して露光潜像を形成する微細構造体の製造装置であって、第1のパターンデータによって強度変調した第1のビーム光を形成する第1のビーム形成手段と、第2のパターンデータによって強度変調した第2のビーム光を形成する第2のビーム形成手段と、第1及び第2のビーム光を感光性材料膜内の第1及び第2の深さ位置にそれぞれ集光させる集光手段と、第1及び第2のビーム光を感光性材料膜上に相対的に走査させるビーム光走査手段と、を含んで構成される。
【0031】
好ましくは、第1及び第2のパターンデータは1つの露光プロファイルデータを分担している。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0033】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、第1の実施形態のレーザ描画装置(微細構造体の製造装置)の構成を示す図である。図1は、レーザ描画装置の構成を概略的に示す斜視図である。また、図2は、レーザ描画装置について、主に光学系に着目してその構成を示す平面図である。
【0034】
図1及び図2に示すレーザ描画装置100は、レーザ10、信号発生器11、音響光学変調器(AOM)12、2つのミラー14、16、対物レンズ18、テーブル20、スライダ22、ターンテーブル24、スピンドルモータ26を含んで構成されている。
【0035】
レーザ10は、レーザ光(ビーム光)を出射する。例えば、本実施形態では、レーザ10として波長λ=413nmのクリプトンガスレーザを用いる。
【0036】
信号発生器11は、音響光学変調器12の変調動作を制御する制御信号を出力する。音響光学変調器12は、信号発生器11から出力される制御信号に基づいて、レーザ10から出射したレーザ光の光量を変調する。
【0037】
ミラー14は、音響光学変調器12から出射するレーザ光を反射させ、ミラー16へ導く。ミラー16は、ミラー14から出射するレーザ光を反射させ、対物レンズ18に導く。
【0038】
対物レンズ18は、上下方向に自在に位置調整を行えるように設置されており、ミラー16から出射するレーザ光をターンテーブル24上に載置されたガラス原盤50上に集光するとともに、レーザ光の焦点深度を調整する。例えば、本実施形態では、この対物レンズ18として、開口数NA(Numerical Aperture)=0.9のものを用いている。
【0039】
テーブル(移動光学台)20は、音響光学変調器12、ミラー14、16、対物レンズ18が載置されており、スライダ22の上をターンテーブル24の径方向に沿って一定速度でゆっくりと移動する。
【0040】
ターンテーブル24は、ガラス原盤50を真空吸着によって固定して載置しており、スピンドルモータ26の駆動力を得て一定速度(例えば、450rpm)で回転する。ターンテーブル24に載置されているガラス原盤50の表面には、フォトレジスト膜52が形成されている。本実施形態では、屈折率n=1.6のフォトレジスト膜52が約5μmの厚さに形成されている。
【0041】
レーザ10から出射され、音響光学変調器12を通過して光量変調されたレーザ光は、2つのミラー14、16で反射し、対物レンズ18により、ターンテーブル24に載置されたガラス原盤50上に集光される。本実施形態では、レーザ10の波長λが413nm、対物レンズ18の開口数NAが0.9であるので、ガラス原盤50上の焦点のスポット直径は、1/e2径で0.82λ/NA≒0.38μmとなり、焦点深度は、n・λ/(NA)2≒0.82μmとなる。また、本実施形態のレーザ描画装置100は、対物レンズ18の位置を調整することにより、レーザ光の焦点位置をフォトレジスト膜52の深さ方向(厚さ方向)に調整することが可能となっている。
【0042】
ガラス原盤50上のフォトレジスト膜52は、音響光学変調器12によって光量が変調されたレーザ光により、スパイラル状にスキャニング露光され、レーザ光の光量に応じたパターンが潜像として記録される。このとき、トラックピッチは、スポット直径よりも小さい0.3μmであり、スキャニングにより全面露光が可能である。
【0043】
なお、上述したレーザ10、信号発生器11及び音響光学変調器12がビーム形成手段に、2つのミラー14、16及び対物レンズ18が集光手段に、テーブル20、スライダ22、ターンテーブル24及びスピンドルモータ26がビーム光走査手段にそれぞれ対応している。
【0044】
本実施形態のレーザ露光装置100はこのような構成を有しており、次に、このレーザ露光装置100を用いて、微細構造体を製造する場合の製造工程について詳細に説明する。以下の説明では、微細構造体の一例として、ブレーズド回折格子を採り上げ、その製造方法について説明する。
【0045】
図3は、微細構造体の製造に用いるスタンパ(薄板金型)の製造方法について説明する説明図である。
【0046】
まず、図3(a)に示すように、音響光学変調器12によって強度(露光パワー)が変調されたレーザ光をガラス原盤50上のフォトレジスト膜52に照射して露光を行う。これにより、レーザ光の光量に応じたパターンが潜像としてフォトレジスト膜52に記録される。本実施形態では、ノコギリ波状にレーザ光の光量を変調して露光を行うことにより、ブレーズド回折格子の形状に対応したパターンの潜像を記録している。
【0047】
次に、図3(b)に示すように、パターンの潜像が記録されたフォトレジスト膜52をガラス原盤50ごとアルカリ溶液中に浸して現像する。これにより、感光量に応じてフォトレジスト膜52の一部が除去され、所望のパターンがフォトレジスト膜52の表面に凹凸形状となって現れる。
【0048】
ここで、フォトレジスト膜52を露光する際の露光方法について、さらに詳細に説明する。図4は、露光方法について詳細に説明する説明図である。本実施形態では、レーザ光の焦点位置をフォトレジスト膜52の深さ方向に対して、浅い位置と深い位置の2つの位置に設定して2回の露光を行っている。
【0049】
具体的には、1回目の露光では、図4(a)に示すように、レーザ光70の焦点位置をフォトレジスト膜52の表面近傍の浅い位置(点線A参照)に設定し、第1のパターンデータに基づいて露光パワーをノコギリ波状に変調しながら露光を行う。これにより、図4(a)にハッチングを付して示すように、1回目の露光による感光領域(露光潜像)72がフォトレジスト膜52に形成される。
【0050】
2回目の露光では、図4(b)に示すように、レーザ光70の焦点位置をフォトレジスト膜52の表面から深い位置(点線B参照)に設定し、第2のパターンデータに基づいて露光パワーをノコギリ波状に変調しながら露光を行う。これにより、図4(b)にハッチングを付して示すように、2回目の露光による感光領域74がフォトレジスト膜52に形成される。このように、本実施形態では、第1及び第2のパターンデータによって1つの露光プロファイルデータを構成しており、これらのパターンデータに基づいて2回の露光を行っている。
【0051】
その後、パターンの潜像が記録されたフォトレジスト膜52を現像することにより、図4(c)に示すように、フォトレジスト膜52に所望のパターンを形成することができる。
【0052】
また、上述した図4に示した露光方法では、1回目の露光と2回目の露光において、露光パワーの変調方法を同様にしていたが、この露光パワーの変調方法を1回目と2回目で異ならせて露光を行うようにしてもよい。
【0053】
図5は、露光方法の他の例について詳細に説明する説明図である。この場合には、1回目の露光では、図5(a)に示すように、レーザ光70の焦点位置をフォトレジスト膜52の表面近傍の浅い位置(点線A参照)に設定し、露光パワーについては、一定値の区間と直線的に減少する区間を含む台形状の波形を繰り返すように変調して露光を行う。これにより、図5(a)にハッチングを付して示すように、1回目の露光による感光領域72aがフォトレジスト膜52に形成される。
【0054】
2回目の露光では、図5(b)に示すように、レーザ光70の焦点位置をフォトレジスト膜52の表面から深い位置(点線B参照)に設定し、露光パワーについては、直線的に減少する区間とパワーを“0”とする区間を含む波形を繰り返すようにして変調しながら露光を行う。これにより、図5(b)においてハッチングを付して示すように、2回目の露光による感光領域74aがフォトレジスト膜52に形成される。このようにして、パターンの潜像が記録されたフォトレジスト膜52を現像することにより、図5(c)に示すように、フォトレジスト膜52に所望のパターンを形成することができる。
【0055】
上述したようにして露光および現像工程を行うと、次に、図3(c)に示すように、無電解メッキ(NED)を行うことにより、フォトレジスト膜52の表面に導電膜54を形成する。例えば、本実施形態では、ニッケルからなる導電膜54を形成する。
【0056】
次に、図3(d)に示すように、導電膜54を電極にして電気鋳造(電鋳)を行い、導電膜54上にニッケルを板状に成長させることにより、ニッケルからなるスタンパ(転写型)56を形成する。このとき、板厚が300μm程度となるようにニッケルを成長させることにより、機械的強度の十分なスタンパ56を形成することができる。
【0057】
その後、図3(e)に示すように、スタンパ56をガラス原盤50から剥離することにより、フォトレジスト膜52の表面に形成された微細なパターンが転写されたスタンパ56が完成する。
【0058】
次に、上述した方法により製造したスタンパ56を用いて、微細構造体としてのブレーズド回折格子を製造する方法について説明する。
【0059】
図6は、微細構造体(本例ではブレーズド回折格子)の製造方法について説明する説明図である。まず、図6(a)に示すように、ガラス基板60上に、紫外線硬化樹脂を厚さ10μm程度に塗布して樹脂層62を形成する。次に、図6(b)に示すように、スタンパ56のパターン形成面を樹脂層62に向けて押し当てる。その後、図6(c)に示すように、スタンパ56を押し当てた状態で、ガラス基板60の裏面側から樹脂層62に対して紫外線(UV)を照射し、樹脂層62を硬化させる。
【0060】
次に、硬化した樹脂層62からスタンパ56を剥離する。これにより、図6(d)に示すように、ガラス基板60上に、ノコギリ波状の微細な凹凸のパターン(キノフォーム形状)が転写された樹脂層62を積層して構成されるブレーズド回折格子64が形成される。
【0061】
このように、第1の実施形態の製造方法では、フォトレジスト膜内の2つの深さ位置に焦点を設定し、各焦点に対応して2回の露光を行うようにしているので、フォトレジスト膜の深部と表面近傍のいずれにおいても、焦点ボケによる解像度の低下を極力抑えて解像度のバランスを保つことが可能となり、全体として良好な形状を形成することが可能となる。本実施形態の製造方法によってブレーズド回折格子を製造することにより、ノコギリ波形状のエッジ部分(頂角の部分)を鋭角に形成することが可能となり、回折効率の高いブレーズド回折格子を得ることが可能となる。
【0062】
ところで、上述した説明では、焦点位置を浅い位置に設定した1回目の露光と、焦点位置を深い位置に設定した2回目の露光において、ガラス原盤50の径方向については同じ位置にレーザ光を照射していたが、焦点位置に応じてレーザ光の照射位置をガラス原盤50の径方向(すなわち、レーザ光のスキャニング方向と略直交する方向)にずらして露光を行うと、更に好ましい。このレーザ光の照射位置をずらす手法は、換言すると、1回目の露光による露光潜像の軌跡の隙間に2回目の露光による露光潜像の軌跡を配置する、とも表現することができる。
【0063】
図7は、焦点位置に応じて照射位置をガラス原盤の径方向にずらして露光を行う場合の露光方法について説明する説明図である。図7(a)は、フォトレジスト膜52の一部の断面を斜視図により模式的に示しており、図7(b)は、フォトレジスト膜52のレーザ光70の進行方向と直交する面を断面図により示している。
【0064】
図7(a)において、矢印A1、A2は、焦点位置を浅い位置に設定して行う1回目の露光におけるレーザ光70の照射方向を示している。また、矢印B1、B2は、焦点位置を深い位置に設定して行う2回目の露光におけるレーザ光70の照射方向を示している。また、図7(b)においては、これらの矢印A1、A2、B1、B2を後ろ側から見た様子が示されている。このように、1回目と2回目の露光の際に照射位置をずらして露光を行い、1回目の露光による露光潜像と2回目の露光による露光潜像とが部分的に重なるようにすることにより、フォトレジスト膜52に記録される潜像に照射軌跡(いわゆるトラック筋)が顕在化することを抑制することが可能となる。
【0065】
(第2の実施形態)
図8及び図9は、第2の実施形態のレーザ描画装置の構成を示す図である。図8は、レーザ描画装置の構成を概略的に示す斜視図である。また、図9は、レーザ描画装置について、主に光学系に着目してその構成を示す平面図である。
【0066】
図8及び図9に示す第2の実施形態のレーザ描画装置100aは、基本的に上述した第1の実施形態のレーザ描画装置100と同様な構成を有している。図8及び図9においては、第1の実施形態のレーザ描画装置100と共通する構成要素については、同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0067】
レーザ描画装置100aは、レーザ10、信号発生器11a、2つの音響光学変調器(AOM)12a、12b、ビームスプリッタ13、3つのミラー14a、14b、16、焦点位置調整用レンズ15a及び1/2波長板15bを含む光学ユニット15、偏光ビームスプリッタ17、対物レンズ18、テーブル20、スライダ22、ターンテーブル24、スピンドルモータ26を含んで構成されている。
【0068】
信号発生器11aは、2つの音響光学変調器12a及び12bのそれぞれの変調動作を制御する制御信号を出力する。
【0069】
音響光学変調器12aは、信号発生器11aから出力される制御信号に基づいて、レーザ10から出射し、ビームスプリッタ13を通過して入射したレーザ光の光量を変調する。
【0070】
音響光学変調器12bは、信号発生器11aから出力される制御信号に基づいて、レーザ10から出射し、ビームスプリッタ13及びミラー14bを通過して入射するレーザ光の光量を変調する。
【0071】
ビームスプリッタ13は、レーザ10から出射するレーザ光を2本に分離し、一方のレーザ光(以後、これを「レーザ光L1」と称する。)については進行方向を変更することなく通過させ、他方のレーザ光(以後、これを「レーザ光L2」と称する。)についてはその進行方向をほぼ90度変更する。
【0072】
ミラー14aは、音響光学変調器12aから出射するレーザ光L1を反射させ、偏光ビームスプリッタ17へ導く。また、ミラー14bは、ビームスプリッタ13から出射するレーザ光L2を反射させ、音響光学変調器12bへ導く。
【0073】
焦点位置調整用レンズ15aは、音響光学変調器12bから出射するレーザ光の焦点位置を調整し、レーザ光をわずかに拡散する光として出射する。1/2波長板15bは、焦点位置調整用レンズ15aから出射するレーザ光の偏光面を回転させる。
【0074】
偏光ビームスプリッタ17は、ミラー14aから出射するレーザ光と1/2波長板17bから入射するレーザ光を合成し、ミラー16へ向けて出射する。ミラー16は、偏光ビームスプリッタ17から出射するレーザ光を反射させ、対物レンズ18に導く。
【0075】
対物レンズ18は、ミラー16から出射するレーザ光をターンテーブル24上に載置されたガラス原盤50上に集光する。このとき、焦点調整用レンズ15aを通過させた一方のレーザ光L2はわずかに拡散する光となっているため、ガラス原盤50上に集光される各レーザ光L1、L2の焦点位置を互いにずらすことができる。また、焦点調整用レンズ15aの曲率を変えることにより、焦点位置の調整が可能となる。
【0076】
なお、上述したレーザ10、信号発生器11a、音響光学変調器12a及びビームスプリッタ13が第1のビーム形成手段に、レーザ10、信号発生器11a、音響光学変調器12b、ビームスプリッタ13及びミラー14bが第2のビーム形成手段に、ミラー14a、16、焦点位置調整レンズ15a、1/2波長板15b、偏光ビームスプリッタ17及び対物レンズ18が集光手段に、テーブル20、スライダ22、ターンテーブル24及びスピンドルモータ26がビーム光走査手段にそれぞれ対応している。
【0077】
第2の実施形態のレーザ描画装置100aはこのような構成を有しており、次に、このレーザ描画装置100aを用いて、微細構造体を製造する場合の製造工程について説明する。
【0078】
レーザ描画装置100aでは、各レーザ光L1、L2の焦点位置を互いに独立に調整することができるため、例えば、レーザ光L1の焦点位置をフォトレジスト膜52の深さ方向に対して浅い位置に設定し(図4(a)又は図5(a)参照)、レーザ光L2の焦点位置をフォトレジスト膜52の深さ方向に対して深い位置に設定する(図4(b)又は図5(b)参照)ことにより、2回の露光をほぼ同時に行うことができる。これにより、露光に要する時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0079】
なお、第2の実施形態においても、焦点位置に応じて、1回目と2回目の露光時にレーザ光の照射位置をずらして露光を行うことも可能である。この場合には、レーザ描画装置100aの光学系の配置を変更し、上述したレーザ光L1とレーザ光L2のガラス原盤50上での照射位置がガラス原盤50の径方向にずらして集光させるようにすればよい。
【0080】
(変形例など)
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した各実施形態では、微細構造体の1つであるブレーズド回折格子を製造する方法について説明していたが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、図10に示すようなマイクロフレネルレンズ、あるいはホログラム、反射体、その他V溝形状、円錐形状、角錐形状などの微細形状を有する各種の微細構造体を製造する場合についても適用することが可能である。
【0081】
また、上述した第1の実施形態では、焦点位置を浅い位置と深い位置の2カ所に設定して2回の露光を行っていたが、焦点位置を2カ所以上の複数位置に設定し、複数回の露光を行うようにしてもよい。同様に、第2の実施形態では、焦点位置を浅い位置と深い位置の2カ所に設定して2つのレーザ光による露光を行っていたが、焦点位置を2カ所以上の複数位置に設定し、2以上の複数のレーザ光による露光を行うようにしてもよい。また、露光時の露光パワーの変調方法についても、上述した実施形態において説明したものに限定されるものではなく、形成対象とする微細構造体の形状に応じて適宜設定することが可能である。
【0082】
また、上述した各実施形態では、ガラス原盤を回転させながら、ガラス原盤の径方向にレーザの照射位置を移動させて露光を行っていたが、ガラス原盤を固定し、レーザの照射位置を2次元的に移動させて露光を行う、いわゆるXYテーブル式のレーザ描画装置を用いた場合であっても、本発明を適用することが可能である。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、感光性材料膜内に複数の深さ位置を設定し、複数回の露光が行われるので、感光性材料膜内の深部と表面近傍のいずれにおいても、焦点ボケによる解像度の低下を極力抑えて解像度のバランスを保つことが可能となり、全体として良好な形状を形成することが可能となる。
【0084】
また、本発明によれば、感光性材料膜内に複数の深さ位置を設定し、複数のビーム光によって露光が行われるので、感光性材料膜内の深部と表面近傍のいずれにおいても、焦点ボケによる解像度の低下を極力抑えて解像度のバランスを保つことが可能となり、全体として良好な形状を形成することが可能となる。
【0085】
かかる製造方法は、特に、V溝形状、円錐形状、角錐形状、あるいは、ブレーズド回折格子やマイクロフレネルレンズアレイなどの斜面と頂点(頂角)を持つパターン形状を精度よく形成する場合において有効であり、良好な微細形状を有する微細構造体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のレーザ描画装置の構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態のレーザ描画装置の構成を示す図である。
【図3】微細構造体の製造に用いるスタンパの製造方法について説明する説明図である。
【図4】露光方法について詳細に説明する説明図である。
【図5】露光方法の他の例について詳細に説明する説明図である。
【図6】微細構造体の製造方法について説明する説明図である。
【図7】焦点位置に応じて照射位置をガラス原盤の径方向にずらして露光を行う場合の露光方法について説明する説明図である。
【図8】第2の実施形態のレーザ描画装置の構成を示す図である。
【図9】第2の実施形態のレーザ描画装置の構成を示す図である。
【図10】マイクロフレネルレンズの例を示す図である。
【符号の説明】
10 レーザ
11 信号発生器
12 音響光学変調器(AOM)
14、16 ミラー
18 対物レンズ
20 テーブル
22 スライダ
24 ターンテーブル
26 スピンドルモータ
50 ガラス原盤
52 フォトレジスト膜
54 導電膜
56 スタンパ
60 ガラス基板
62 樹脂層
64 ブレーズド回折格子
Claims (17)
- 感光性材料膜をビーム光によって走査して露光潜像を形成する微細構造体の製造方法であって、
前記感光性材料膜内の第1の深さ位置に前記ビーム光を第1のパターンデータによって強度変調して集光し、該ビーム光によって前記感光性材料膜を走査してその露光軌跡によって前記感光性材料膜に第1の露光潜像を形成する第1の露光潜像形成工程と、
前記感光性材料膜内の第2の深さ位置に前記ビーム光を第2のパターンデータによって強度変調して集光し、該ビーム光によって前記感光性材料膜を走査してその露光軌跡によって前記感光性材料膜に第2の露光潜像を形成する第2の露光潜像形成工程と、
を含む、微細構造体の製造方法。 - 前記第1及び第2の露光潜像形成工程によって、前記第1の露光潜像と前記第2の露光潜像とを合成して第3の露光潜像を形成する、請求項1に記載の微細構造体の製造方法。
- 前記第3の露光潜像は、前記第1の深さ位置を前記第2の深さ位置よりも浅い位置に設定し、前記第1の露光潜像の軌跡の上に前記第2の露光潜像の軌跡が重ねられてなる、請求項2に記載の微細構造体の製造方法。
- 前記第3の露光潜像は、前記第1の露光潜像の軌跡の隙間に前記第2の露光潜像の軌跡を配置してなる、請求項2に記載の微細構造体の製造方法。
- 前記第1及び第2のパターンデータは1つの露光プロファイルデータを分担している、請求項3に記載の微細構造体の製造方法。
- 感光性材料膜をビーム光によって走査して露光潜像を形成する微細構造体の製造方法であって、
前記感光性材料膜内の第1の深さ位置に第1のビーム光を第1のパターンデータによって強度変調して集光し、該ビーム光によって前記感光性材料膜を走査してその露光軌跡によって前記感光性材料膜に第1の露光潜像を形成する第1の露光潜像形成工程と、
前記感光性材料膜内の第2の深さ位置に第2のビーム光を第2のパターンデータによって強度変調して集光し、該ビーム光によって前記感光性材料膜を走査してその露光軌跡によって前記感光性材料膜に第2の露光潜像を形成する第2の露光潜像形成工程と、
を含む、微細構造体の製造方法。 - 前記第1及び第2の露光潜像形成工程を同時に行う、請求項6に記載の微細構造体の製造方法。
- 前記第1及び第2の露光潜像形成工程によって、前記第1の露光潜像と前記第2の露光潜像とを合成して第3の露光潜像を形成する、請求項6又は7に記載の微細構造体の製造方法。
- 前記第3の露光潜像は、前記第1の露光潜像の軌跡の上に前記第2の露光潜像の軌跡が重ねられてなる、請求項8に記載の微細構造体の製造方法。
- 前記第3の露光潜像は、前記第1の露光潜像の軌跡の隙間に前記第2の露光潜像の軌跡を配置してなる、請求項8に記載の微細構造体の製造方法。
- 前記第1及び第2のパターンデータは1つの露光プロファイルデータを分担している、請求項9に記載の微細構造体の製造方法。
- 原盤上に塗布された感光性材料膜にビーム光を集光し、前記ビーム光をその光量を変調しながら走査して照射するスキャニング露光を複数回繰り返して所望のパターンを前記感光性材料膜に記録する露光工程と、
前記パターンの記録された前記感光性材料膜を現像し、露光量に応じた深さのパターン形状を形成する現像工程と、を含み、
前記露光工程は、前記感光性材料膜の深さ方向に沿ってそれぞれ異なる位置に複数の焦点位置を設定し、当該焦点位置のそれぞれに対応した露光を複数回の前記スキャニング露光によって行い、複数回の前記スキャニング露光のそれぞれ毎に、前記原盤の露光面内における前記ビーム光の照射位置を前記ビーム光のスキャニング方向に略直交する方向に相互にずらして露光を行う、微細構造体の製造方法。 - 原盤に塗布された感光性材料膜に複数のビーム光を集光し、これら複数のビーム光の光量をそれぞれ変調しながら走査して照射するスキャニング露光を行って、所望のパターンを前記感光性材料膜に記録する露光工程と、
前記パターンの記録された前記原盤を現像し、露光量に応じた深さのパターン形状を形成する現像工程と、を含み、
前記露光工程は、前記感光性材料膜の深さ方向に沿ってそれぞれ異なる位置に複数の焦点位置を設定し、当該焦点位置のそれぞれに対応した露光を複数の前記ビーム光のそれぞれによって行い、更に、前記原盤の露光面内における複数の前記ビーム光のそれぞれの照射位置を複数の前記ビーム光のスキャニング方向に略直交する方向に相互にずらして露光を行う、微細構造体の製造方法。 - 前記感光性材料膜の厚さ及び前記パターン形状の深さが前記ビーム光の焦点深度よりも大きい、請求項12又は13に記載の微細構造体の製造方法。
- 感光性材料膜をビーム光によって走査して露光潜像を形成する微細構造体の製造装置であって、
パターンデータによって強度変調したビーム光を形成するビーム形成手段と、
前記ビーム光を前記感光性材料膜内の所望の深さ位置に集光させる集光手段と、
前記ビーム光を前記感光性材料膜上に相対的に走査させるビーム光走査手段と、を備え、
前記パターンデータは、前記感光性材料膜内の第1の深さ位置に対応する第1のパターンデータと第2の深さ位置に対応する第2のパターンデータを含み、
前記集光手段により前記ビーム光を集光させる際の前記深さ位置が前記第1及び第2の深さ位置にそれぞれ設定され、前記ビーム光走査手段により、前記第1のパターンデータを用いて強度変調したビーム光によって前記第1の深さ位置に対応する走査が行われ、次いで、前記第2のパターンを用いて強度変調したビーム光によって前記第2の深さ位置に対応する走査が行われる、ことによって前記露光潜像が形成される、微細構造体の製造装置。 - 感光性材料膜をビーム光によって走査して露光潜像を形成する微細構造体の製造装置であって、
第1のパターンデータによって強度変調した第1のビーム光を形成する第1のビーム形成手段と、
第2のパターンデータによって強度変調した第2のビーム光を形成する第2のビーム形成手段と、
前記第1及び第2のビーム光を前記感光性材料膜内の第1及び第2の深さ位置にそれぞれ集光させる集光手段と、
前記第1及び第2のビーム光を前記感光性材料膜上に相対的に走査させるビーム光走査手段と、
を含む微細構造体の製造装置。 - 前記第1及び第2のパターンデータは1つの露光プロファイルデータを分担している、請求項15又は16に記載の微細構造体の製造装置。
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