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Description
また、このような構成において、対向電極をドレイン信号線をも被って形成される絶縁膜の上面に形成させるとともに、該ドレイン信号線とその中心軸をほぼ一致させ該ドレイン信号線の幅よりも大きな幅を有して該ドレイン信号線に沿って形成された構成のものも知られている。
そして、このような構成において、ドレイン信号線と対向電極の間の寄生容量を低減させるため、それらの間の層間絶縁膜として少なくも樹脂等の有機材料層を介在させたものも知られている。
この原因を追求した結果、次のことが判明した。すなわち、該有機材料層の上面に電極を形成する場合、その端面はレジストの現像液および剥離液、電極のエッチング液に晒されることになる。
これらの液体は、有機材料層の残渣を除去するためのものであり、特に現像液は未硬化の有機材料層そのものを溶融する目的をもっており、さらに剥離液は役目を完了した有機材料層によるホトレジストそのものを除去する目的をもっている。
したがって、これらの液体は有機膜に対し剥がれを生じせしめる性質をもっており、このことを前提として、その対策を講じなければならなくなった。
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は有機材料層の剥がれを回避した表示装置を提供することにある。
本発明による表示装置は、たとえば、基板面に、並設された複数のゲート信号線とこれらゲート信号線と交差して並設した複数のドレイン信号線とが形成され、
これら信号線で囲まれる画素領域の集合体を表示部とし、前記各画素領域に、ゲート信号線からの走査信号によって作動するスイッチング素子と、このスイッチング素子を介してドレイン信号線からの映像信号が供給される画素電極と、この画素電極と発光材料層を介して対向された対向電極とを備え、
互いに隣接する画素領域の各発光材料層を画するように形成された有機材料からなるバンク膜が形成されているとともに、
このバンク膜は前記表示部を越えて形成され、その下層に形成される他の絶縁膜に、散在された開口あるいは並設された溝が形成されていることを特徴とするものである。
《全体の構成》
図2は本発明による表示装置の一実施例である液晶表示装置を示す全体平面図である。同図は等価回路であるが、実際の幾何学的配置に対応させて描いている。
同図において、液晶を介して互いに対向配置される一対の透明基板SUB1、SUB2があり、該液晶は一方の透明基板SUB1に対する他方の透明基板SUB2の固定を兼ねるシール材SLによって封入されている。
各ゲート信号線GLと各ドレイン信号線DLとで囲まれた領域は画素領域を構成するとともに、これら各画素領域のマトリクス状の集合体は液晶表示部ARを構成するようになっている。
この画素電極PXは、他方の透明基板SUB2の液晶側の面に各画素領域に共通に形成した(前記対向電圧信号線と接続された)対向電極CTとの間に電界を発生させ、この電界によって液晶の光透過率を制御させるようになっている。
垂直走査駆動回路Vは複数個の半導体装置からなり、互いに隣接する複数のゲート信号線どおしがグループ化され、これら各グループ毎に一個の半導体装置があてがわれるようになっている。
この映像信号駆動回路Heも複数個の半導体装置からなり、互いに隣接する複数のドレイン信号線どおしがグループ化され、これら各グループ毎に一個の半導体装置があてがわれるようになっている。
前記各ゲート信号線GLは、垂直走査回路Vからの走査信号によって、その一つが順次選択されるようになっている。
また、前記各ドレイン信号線DLのそれぞれには、映像信号駆動回路Heによって、前記ゲート信号線GLの選択のタイミングに合わせて映像信号が供給されるようになっている。
図1は、前記ダミー画素とこのダミー画素に隣接する他の画素の一実施例を示す平面図である。ここで、該ダミー画素はドレイン信号線DLと平行に配列されるダミー画素のうちの一つを示している。
また、図1のIV−IV線における断面図を図4に、V−V線における断面図を図5に示している。
これらゲート信号線GLは後述のドレイン信号線DLとともに矩形状の領域を囲むようになっており、この領域を画素領域として構成するようになっている。
この絶縁膜GIは、後述のドレイン信号線DLの形成領域においては前記ゲート信号線GLに対する層間絶縁膜としての機能を、後述の薄膜トランジスタTFTの形成領域においてはそのゲート絶縁膜としての機能を有するようになっている。
この半導体層ASは、薄膜トランジスタTFTのそれであって、その上面にドレイン電極SD1およびソース電極SD2を形成することにより、ゲート信号線の一部をゲート電極とする逆スタガ構造のMIS(metal insulator semiconductor)型トランジスタを構成することができる。
すなわち、y方向に延在されx方向に並設されるドレイン信号線DLが形成され、その一部が前記半導体層ASの上面にまで延在されてドレイン電極SD1が形成され、また、このドレイン電極SD1と薄膜トランジスタTFTのチャネル長分だけ離間されてソース電極SD2が形成されている。
すなわち、画素電極PXは、その一方の端部が前記ソース電極SD2を兼ね、画素領域のほぼ中央部をy方向に延在した電極から構成されている。また、画素電極の中央部には屈曲部が形成され、前記ドレイン信号線DLの一部をそのままx方向にシフトさせたパターン形状として形成されている。
この容量素子Cstgは、たとえば画素電極PXに供給された映像信号を比較的長く蓄積させる等の機能をもたせるようになっている。
このため、有機膜OPASの下層との密着性が向上し、剥がれを低減させることができる。
図6は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す断面図で、図5に対応した図となっている。
図5の場合と比較して異なる構成は、保護膜として無機材料層からなる保護膜PASを用いず、有機材料層からなる保護膜OPASのみを用いていることにある。この場合でも同様の効果があることはいうまでもない。
図7は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す断面図で、図5に対応した図となっている。
図5の場合と比較して異なる構成は、画素電極PXを対向電極CTと同様に保護膜OPASの上面に形成していることにある。
この場合、画素電極PXと薄膜トランジスタTFTのソース電極SD2との接続は保護膜OPASに形成したスルーホールを介してなされている。
この場合でも同様の効果があることはいうまでもない。
図8(a)は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す平面図で、図1と対応した図となっている。また、図8(b)は図8(a)のb−b線における断面図である。
図1の場合と比較して異なる構成は、ダミー液晶表示部DARの各画素がダミー画素ではなく、単に保護膜OPASの剥がれ防止パターンとして形成され、そのパターンは画素に酷似した構成となっている。
すなわち、液晶表示部AR、DARにはx方向に並設される各画素に共通に対向電圧信号線CLがゲート信号線GLと同層に形成され、この対向電圧信号線CTは通常の画素(有効表示領域の各画素)において保護膜OPAS、PASを貫通するスルーホールTHを通して対向電極CTに接続されている。これにより、たとえば透光性の材料から形成される対向電極CTの全体的な電気抵抗値を低減させることができる。
一方、剥がれ防止パターンとして形成された液晶表示部DARの画素に酷似した部分において、対向電圧信号線CLにはそれと一体に対向電極CTが形成されている。すなわち、この部分には画素電極PXに置き換えられて対向電極CTが形成された構成となっている。
この場合においても、実施例1の場合と同様の効果を奏することができる。
また、このように構成した場合、防止パターンとして形成された液晶表示部DARの画素に酷似した部分において、電圧差を大幅に低減でき、いわゆる電蝕等の発生を抑制できるようになる。このことは、実使用状態で通電したことによる電蝕を原因とする保護膜OPASの剥がれも同時に回避することができるようになる。
図9は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す断面図で、図8(b)に対応する図となっている。
図8(b)と比較して異なる構成は、剥がれ防止パターンとして形成された液晶表示部DARの画素に酷似した部分において、対向電圧信号線CLと一体に形成する対向電極CTに代えて保護膜OPAS上に形成された対向電極CTとともにさらに別個の対向電極CTを形成していることにある。実施例4に示した効果と同様の効果が得られる。
図10(a)は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示した断面図で、図8に対応した図となっている。また、図10(b)は図10(a)のb−b線における断面図である。
図8と比較して異なる構成は、剥がれ防止パターンとして形成された液晶表示部DARの画素に酷似した部分において、対向電圧信号線CLと一体に形成される対向電極CTの数を多数としたことにある。
これにより、保護膜OPASは前記対向電極CTの各段差が生じている保護膜PAS面に形成されることになり、接着の強度が図れることになる。
図11は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示した構成図で、図8に対応した図となっている。
図8と比較して異なる構成は、剥がれ防止パターンとして形成された液晶表示部DARの画素に酷似した部分において、絶縁膜GIの上面にその下層の対向電極CTと重畳するようにして材料層を形成していることにある。
ここで、この材料層はドレイン信号線DLの形成の際に同時に形成されるもので、その形成による凹凸の段差を保護膜PAS面に顕在化させるために設けている。
このようにすることによって、保護膜OPASの端面からの剥がれをこの部分で止め、実質的な液晶表示部ARにまで至るのを回避することができるようになる。
図12は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す説明図であり、液晶表示部ARの右上の角の部分を示した平面図である。
これまでの各実施例では、実質的な液晶表示部ARの各画素領域においても、ドレイン信号線DL、画素電極PX、対向電極CTがそれぞれジグザグ状に形成されていたものであるが、それらは直線状に形成されていてもよい。
ドレイン信号線DL、画素電極PX、対向電極CTをジグザグ状にするのはダミー液晶表示部DARに相当する部分で充分であるからである。
図13(a)は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す一部平面図である。また、図13(a)のb−b線における断面図を図13(b)に示している。
各図は、実質的な液晶表示部ARの周辺には、該実質的な液晶表示部ARの各画素領域におけるパターンとほぼ同様のパターンは存在せず、代わりに、その部分の絶縁膜GIに散在されたあるいは並設された開口を形成している。この開口は穴状あるいは溝状の形状であってもよい。
このようにすることによって、前記絶縁膜GIの表面に多数の凹凸を形成し、この上面に形成される保護膜OPASの剥がれに対する接着力を強化せしめている。
図14は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す断面図で、図13(b)に対応した図となっている。
図13(b)と比較して異なる構成は、絶縁膜GIの上面に保護膜PASが形成され、この保護膜PASとともに絶縁膜GIに散在されたあるいは並設された開口が形成されていることにある。
このようにした場合にも、実施例9と同様の効果を奏する。
図15は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す断面図で、図14に対応した図となっている。
図14と比較して異なる構成は、絶縁膜GI、保護膜PASのいずれにも開口を形成することはせずして、該絶縁膜GIの表面に凹凸形成を目的として散在されたあるいは並設された多数の材料層を形成していることにある。
この実施例の場合、該材料層はたとえばドレイン信号線DLを形成する際に同時に形成するようにしている。
図16(a)ないし(f)は、実施例11に示した散在されたあるいは並設された多数の材料層の具体的なパターンの一例を揚げたものである。
図17は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す構成図で、図13と対応した図となっている。
図13と比較して異なる構成は、保護膜OPAS自体に開口を設けて該保護膜OPASの剥がれを防止せんとするものである。
この場合、該開口は保護膜OPASの端辺から液晶表示部AR側へ複数設けられ、保護膜OPASの端辺側の開口は液晶表示部AR側の開口よりも大きく形成されている。
このようにすることにより、保護膜OPASの一括剥がれを防止できる。この場合、前記開口の大きさに上述のような変化をもたせているのは、保護膜OPASの剥がれの過程にその剥がれに要する力に対応させているからである。
図18は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す構成図で、図17と対応した図となっている。
図17と比較して異なる構成は、保護膜OPASに形成した開口の領域を該開口を被って検査端子を形成していることにある。
ここで、検査端子とは、液晶表示装置の製造の過程でドレイン信号線DLあるいはゲート信号線GL等の断線等を検査するための端子で、液晶表示装置の完成の手前で該ドレイン信号線DLあるいはゲート信号線GL等と切断される場合も含まれる端子をいう。
このようにした場合、保護膜OPASに形成した開口から各種溶液が侵入して該保護膜OPASの剥がれを助長させるのを該検査端子の材料を被うことによって防止できる効果を奏する。
図19(a)は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す平面図である。また、図19(b)は図19(a)のb−b線における断面図である。
この実施例では、実質的な液晶表示部ARを囲む領域の一部に駆動回路を形成していることにある。この駆動回路は走査信号駆動回路Vあるいは映像信号駆動回路Heで、透明基板SUB1上に直接、すなわち薄膜トランジスタおよびそれらを接続させるための配線層が形成された回路となっている。
前記薄膜トランジスタの半導体材料としてはポリシリコン、多結晶シリコン、連続粒界シリコン、あるいはCGS等が用いられる。
これらの回路は保護膜OPASの下層に形成するようにすれば、該回路の表面に複雑な凹凸が形成されていることから、該保護膜OPASの接着が向上しその剥がれを防止することができる。
図20は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す平面図である。
同図はゲート信号線GLが走査信号駆動回路Vに接続される部分を示すもので、隣接する各ゲート信号線GLの間隔に対して走査信号駆動回路Vの該各ゲート信号線GLとの接続がなされるバンプの間隔が小さいことから、該各ゲート信号線GLが該走査信号駆動回路Vへ収束する部分が存在する。
この実施例では、保護膜OPASの端辺が該各ゲート信号線GLの収束する部分を横切るようにして配置させたことにある。
このようにした場合、ゲート信号線GLの幾つかは保護膜OPASの端辺に対して斜めに走行するようになり、これを理由として、該保護膜OPASが該端辺から剥がれ難い構成とすることができる。
この実施例では、ゲート信号線GLの走査信号駆動回路Vへの接続部分について説明したものであるが、ドレイン信号線DLの映像信号駆動回路Heへの接続部分に関しても同様の構成としてもよく、また、両者を併用するようにしてもよいことはもちろんである。
図21は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す平面図である。同図は、保護膜OPASの端辺を示したものであり、その端辺がたとえば凹凸のもの(a)、ジグザグのもの(b)、変形ジグザグのもの(c)、ランダムのもの(d)、曲線のもの(e)等としたものである。
このようにした場合でも、保護膜OPASの端辺からの剥がれを防止でき、それ単独として形成してもよいし、また、上述した各実施例と併用して形成してもよい。
なお、図21に示した繰り返しパターンの周期はそれを小さくする程その効果は大きくなり、具体的には一画素から数画素程度を一周期とすることが望ましい。
図22は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す断面図である。同図は保護膜OPASの端辺部を示したものである。
同図において、ゲート信号線GLあるいはドレイン信号線DLはアルミニュム(Al)あるいはそれを含む合金から構成され、それを被う無機膜(絶縁膜GI、あるいは絶縁膜GIと無機材料層からなる保護膜PASの積層体)の上面に有機材料層からなる保護膜OPASが形成されている。
そして、実質的に液晶表示部ARとして機能する領域の周辺にて、前記無機膜にゲート信号線GLあるいはドレイン信号線DLの一部を露出させる開口を形成するとともに、この開口部が保護膜OPASに被われる構成としている。
このように構成した場合、無機膜の前記開口がされた領域のゲート信号線GLあるいはドレイン信号線DLからいわゆるヒロックが発生し、このヒロックは保護膜OPASに至るまで充分に成長する現象を発生させることができる。
これにより、保護膜OPASは該ヒロックによって剥がれ難く構成することができる。
図23は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す構成図で、図22に対応した図となっている。
図22と比較して異なる構成は、アルミニュム(Al)あるいはそれを含む合金から構成されるゲート信号線GLあるいはドレイン信号線DLは、それをヒロックから保護するための金属層に被われており、この金属層は実質的に液晶表示部ARとして機能する領域の周辺にて、前記無機膜とともに開口が形成されていることにある。
前記金属層はたとえばMoおよびこれを含む合金等で形成され、実質的に液晶表示部ARとして機能する領域にヒロックが発生するのを信頼性よく防止している。また、この金属層は外部との接続抵抗の低減を図るようになる。
図24は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す構成図で、図23に対応した図となっている。
図23と比較して異なる構成は、アルミニュム(Al)あるいはそれを含む合金から構成されるゲート信号線GLあるいはドレイン信号線DLにおいて、その表面が陽極化成されて酸化アルミニュウムが形成されている。
そして、実質的な液晶表示部ARの領域の周辺部に、該酸化アルミニュウムが除去された部分を有している。
ゲート信号線GLあるいはドレイン信号線DLを被う無機膜には前記酸化アルミニュウムが除去された部分に開口が形成されておらず、また、この無機膜の上面には保護膜OPASが形成されている。
ゲート信号線GLあるいはドレイン信号線DLからは、前記酸化アルミニュウムが除去された部分を通して、無機膜を貫通して保護膜OPASに至るヒロックが形成され、これによって該保護膜OPASを剥がれ難くするようになっている。
図25は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す構成図で、図24に対応した図となっている。
図24と比較して異なる構成は、ゲート信号線GLあるいはドレイン信号線DLの酸化アルミニュウムが除去された部分に一致づけられて無機膜にも開口が形成されていることにある。
ヒロックの保護膜OPASへの成長を容易にし、より効果的となる構成としている。
図26(a)は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す平面図である。また、図26(b)は図26(a)のb−b線における断面図である。
同図は、液晶表示部ARの右上の角の部分を示した平面図である。保護膜OPASの端面にはその全周におよんでそれを被うようにして被覆層CVLが形成されている。
この被覆層CVLとしては、有機膜、無機膜、透明導電層、金属材料のいずれでもよい。
すなわち、剥がれが生じ易い保護膜OPASの端辺を該被覆層CVLによってカバーさせるようにしたものである。
図27は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す平面図で、図26(a)に対応した図となっている。
図26(a)と比較して異なる構成は、被覆層CVLは保護膜OPASの端辺に沿って断続的に形成されていることにある。
このようにしても実施例21の場合と同様の効果を奏する。
図28は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す平面図で、図26(b)に対応した図となっている。
図26(b)と比較して異なる構成は、保護膜OPASの端辺を被う被覆層CVLとして導電層が用いられ、この場合の導電層は電極を形成する際に同時に形成するようにすることが好ましい。製造工数の増大をもたらさないとともに、電極のパターニングのための現像液、洗浄液、エッチング液、レジスト剥離液のいずれからも保護膜OPASの端辺の側壁面が接触しないように保護されるからである。
図29(a)ないし(e)は、電極を形成する際に同時に形成する前記導電層の形成の一実施例を示す工程図である。図29(c)に示す工程で保護膜OPASの端面はレジストおよび電極層によりレジスト現像液から保護され、図29(d)に示す工程で保護膜OPASの端面はレジストおよび電極層によりエッチング液から保護され、図29(e)に示す工程で保護膜OPASの端面は電極層によりレジスト剥離液から保護されるようになる。
図30は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す断面図で、図28に対応した図となっている。
図28と比較して異なる構成は、保護膜OPASの端面を被う導電性材料は無機膜の下層に形成される信号線(ゲート信号線GLあるいはドレイン信号線DL)と電気的に接続されて端子を構成するようになっている。
この端子はたとえば検査用の端子TTとして機能させることができる。
なお、同図において、該端子と信号線の接続は前記無機膜に形成されたスルーホールを通して行うようにしているが、たとえば図31に示すように、保護膜OPAS、無機膜を貫通させるスルーホールを通して接続させるようにしてもよいことはもちろんである。
図32は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す断面図で、図26(b)に対応する図となっている。
図26(b)と比較して異なる構成は、保護膜OPASの端面の透明基板SUB1の面に対する角度θが10°〜80°の範囲に設定されていることにある。
80°より大きい場合、保護膜OPASの形成が不十分となりやすく、また断線が生じやすくなるためである。さらに10°より小さい場合、保護膜OPASの断面構造としての上辺部と下辺部の距離が開きすぎ、該保護膜OPASの端面のめくり上がりが生じ易いからである。
なお、被覆層CVLとして検査用の電極を兼ねる場合、保護膜OPASの端面の透明基板SUB1の面に対する角度θは10°〜70°の範囲に設定することが望ましい。検査時に検査用の針を接触しやすくするためである。
また、図33に示すように、被覆層CVLの保護膜OPASの下辺端部からのはみ出し量Lは、10μm以上とすることが望ましい。保護膜OPASの下辺端部の浮き上がり防止のためである。
図34(a)は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す平面図であり、図34(b)は、図34(a)のb−b線における断面図である。同図は、液晶表示部ARの右上の角の部分を示した平面図である。
また、各画素の構成は、図1に示したとほぼ同様となっており(この場合、ドレイン信号線DL、画素電極PX、対向電極CTは直線状となっていてもよい)、対向電極CTが保護膜OPASの上面に形成されている。
そして、保護膜OPASの端面を被う被覆層CVLは前記対向電極CTをそのまま延在させて形成させていることにある。
このようにした場合、保護膜OPASを被う被覆層CVLの面積は大幅に拡大し、該保護膜OPASの剥がれを完全なほどに達成することができる。また、対向電極CTに電圧を供給する対向電圧信号線CLをも兼ねることからその電気抵抗値を大幅に低減させることができる。
なお、実質的に液晶表示部ARとなる領域の周辺にダミー液晶表示部DAR等を形成する場合、そのダミー液晶表示部DARの各画素領域の保護膜OPAS上に形成された電極をそのまま延在させて前記被覆層CVLを形成してもよいことはもちろんである。
図35ないし図38は、それぞれ保護膜OPASの端辺を被う前記被覆層CVLの形成パターンの各態様を示している。
図35は保護膜OPASの端辺に沿って断続的に形成したもの、図36は保護膜OPASの端辺のうちy方向に平行な端辺に形成したもの、図37は保護膜OPASのx方向に平行な端辺およびy方向に平行な端辺にそれぞれ独立に分離された状態で形成したもの、図37は保護膜OPASのx方向に平行な端辺およびy方向に平行な端辺に連続させた状態で形成したものを示している。
なお、保護膜OPASの端辺を被う前記被覆層CVLの形成パターンの態様は上述のものに限定されないことはいうまでもない。
図39は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す構成図で、図34に対応した図となっている。
図34と比較して異なる構成は、保護膜OPASの上面に形成される対向電極CTの延在部と検査用の端子TTとで該保護膜OPASの端辺を被った構成としていることにある。
すなわち、検査用の端子TTが形成される領域においては、対向電極CTの延在部は該領域を回避し、それ以外の領域にて該保護膜OPASの端辺を被うようにしたものである。
なお、このような構成は、必ずしも保護膜OPASの上面に電極等が形成されたものに限定されることはなく、図40に示すように、検査用の端子TTとたとえば交互に配置させた別個の材料で保護膜OPASの端辺を被うように形成してもよい。
図41は、本発明による液晶表示装置の他の実施例を示す構成図で、図39に対応した図となっている。
図39と比較して異なる構成は、シール材SLの形成個所を明確にした部分であり、該シール材SLは保護膜OPASの端辺から透明基板SUB1の端辺にかけて延在する被覆層CVLに重畳するようにして形成されている。
被覆層CVLは該シール材SLによって剥がれを防止でき、このことは該保護膜OPASの剥がれも信頼性よく防止できる。特に、製品として完成した以後においての振動、衝撃への耐性が向上する。
同様の趣旨から、たとえば図42に示すように、前記シール材SLは保護膜OPASの端辺に沿って形成されていても同様の効果を奏する。
上述した各実施例は液晶表示装置について説明したものである。しかし、有機EL表示装置においても基板面に上述したと同様なパターンでゲート信号線およびドレイン信号線が形成され、また、表示面のほぼ全域に有機材料層が形成されていることから、これら有機EL表示装置を含む他の表示装置にも適用できることはいうまでもない。
図43は有機EL表示装置の一実施例を示す平面図である。また、図44は図43のIVIV−IVIV線における断面図、図45は図43のIVV−IVV線における断面図、図46は図43のIVVI−IVVI線における断面図である。
各図において、基板SUBの表面の各画素領域のたとえば左下の個所にx方向に延在するポリシリコン層からなる半導体層PSが形成されている。この半導体層PSは薄膜トランジスタTFTの半導体層となるものである。
この絶縁膜GIの表面にはそのx方向に延在しy方向に並設されるゲート信号線GLが形成されている。このゲート信号線GLは後述のドレイン信号線DLとで前記画素領域を画するようにして形成される。
なお、このゲート電極GTの形成後にはそれをマスクとして不純物イオンが打ち込まれ、該ゲート電極GTの直下以外の領域の前記半導体層PSの部分は低抵抗化されるようになっている。
この絶縁膜ILの上面には、各画素領域の僅かな周辺を除く中央に画素電極PXが形成され、この画素電極PXは該絶縁膜ILに形成したスルーホールを通して前記薄膜トランジスタTFTのソース電極SD2と接続されている。
これら発光材料層FLRとバンク膜BNKの上面には各画素領域に共通な対向電極CTが形成され、この対向電極CTの上面には保護膜PSVが形成されている。
このことから、上述した各実施例はこの有機EL表示装置においても適用することができるようになる。
Claims (1)
- 基板面に、並設された複数のゲート信号線とこれらゲート信号線と交差して並設した複数のドレイン信号線とが形成され、
これら信号線で囲まれる画素領域の集合体を表示部とし、前記各画素領域に、ゲート信号線からの走査信号によって作動するスイッチング素子と、このスイッチング素子を介してドレイン信号線からの映像信号が供給される画素電極と、この画素電極と発光材料層を介して対向された対向電極とを備え、
互いに隣接する画素領域の各発光材料層を画するように形成された有機材料からなるバンク膜が形成されているとともに、
このバンク膜は前記表示部を越えて形成され、その下層に形成される他の絶縁膜に、散在された開口あるいは並設された溝が形成されていることを特徴とする表示装置。
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