JP4344073B2 - 高温強度に優れた高張力鋼およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、耐震性の観点からの低降伏比、高靭性と同時に、火災時の高温強度を保証し得る建築用鋼などとしての要求に耐える高張力鋼およびその製造方法に関するもので、鉄鋼業においては厚板ミルへの適用が最も適している。なお、用途としては、建築分野のみならず、土木、海洋構造物、造船、各種の貯槽タンクなどの一般的な溶接構造用鋼として広範な用途に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
建築用鋼材は、弾性設計(許容応力度設計)から、1981年6月に施行された新耐震設計基準に基づく終局耐力設計への移行に伴い、低降伏比が求められている。低降伏比化を達成するため、一般に、鋼組織の二相(Dual phase)化、すなわち、降伏を支配する軟質相(通常、フェライト)と引張強さを確保するための硬質相(パーライト、ベイナイト、マルテンサイトなど)を形成させる方法が広く用いられている。具体的には、制御圧延を含む熱間圧延後の鋼または焼入後の鋼を、フェライトとオーステナイトの二相域温度に再加熱して、フェライトとCが濃化されたオーステナイトとし、その後空冷以上の冷速で冷却(、さらにその後焼き戻し処理)する方法が特開平2−266378号公報などに開示されている。このとき、成分的には、C量が高いほど二相組織化が容易となるばかりでなく、硬質相がより硬化し、低降伏比が容易となる。しかし、高C化は、溶接性や低温靭性には不利になるという問題があった。それに対し、低温靭性を改善するためには、低C化や制御圧延が有効であるが、いずれも降伏比を上昇させるため、低温靭性向上と低降伏比化とは相容れず、両立が極めて困難であった。従来、建築用途では、靭性要求レベルが低く、低降伏比化に有利な高C鋼でも特に問題となることはなかったが、阪神大震災を契機とした近年の耐震性能への要求の厳格化傾向には、必ずしも十分に対応できないという問題があった。
【0003】
また、高温強度の保証を目的とした建築用途でのいわゆる耐火鋼は、特開平2−77523号公報他多くの公開公報で、含Mo鋼の製造方法が開示されている。しかし、Moは鋼の焼き入れ性を顕著に高めるとともに、Cとの相互作用が極めて強いために、材質変化が製造条件の変動に敏感で、常温での強度−靭性バランスやそのばらつき、常温強度と高温強度のバランスを考慮した場合、高温強度上は有効であるが、一般的な溶接構造用鋼としては、多く添加されることはなかった。また、Moの多量添加は、溶接性の顕著な劣化に加え、母材および溶接部の靭性も著しく劣化させるため、高温強度を向上させる目的であってもあまり多く添加されることはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の問題点をクリアすべく、優れた高温強度とともに、靭性や溶接性にも優れる高張力鋼を得るため、比較的多いMoと炭化物形成元素であるNb、V、Tiの1種以上を複合添加した上で、溶接割れ感受性組成PCMも限定し、さらには製造方法を限定することで、上述した複合特性を有する鋼、および該鋼を工業的に安定して供給可能な方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のポイントは、比較的多いMoと炭(窒)化物形成元素であるNb、V、Tiの1種以上を複合添加することで高温強度を安定して確保することを第一義とした上で、Mo多量添加による溶接性の劣化や靭性の劣化を保証するため、C、Si、Mnをはじめとする個々の合金元素量およびPCMを限定し、さらには製造条件を限定することで、優れた高温強度と溶接性、靭性などの複合特性を両立し得ることにある。
【0006】
そのために鋼成分をはじめ製造方法を本発明の通り限定したものであるが、その要旨は以下に示す通りである。
【0007】
(1) 鋼成分が質量%で、
C:0.03〜0.15%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.6%以下、
P:0.02%以下、
S:0.01%以下、
Mo:1.01〜1.5%、
Al:0.06%以下、
N:0.006%以下、
かつ、
[C−0.13Nb−0.24V−0.25(Ti−3.4N)]
/(0.063Mo)
と定義する量が、0.5〜1.0の範囲を満足するように、
Nb:0.005〜0.1%、
V:0.01〜0.2%、
Ti:0.005〜0.1%
の範囲内で少なくとも1種以上を含有し、
さらに、
PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60
+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
と定義する溶接割れ感受性組成PCMが0.25%以下で、残部が鉄および不可避的不純物からなることを特徴とする高温強度に優れた高張力鋼。
【0008】
(2) 上記鋼成分に加え、質量%で、
Cu:0.05〜1.0%、
Ni:0.05〜1.0%、かつ、Cu添加量の1/2以上、
Cr:0.05〜1.0%、
B:0.0002〜0.003%、
Mg:0.0002〜0.005%
の範囲で1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)項に記載の高温強度に優れた高張力鋼。
【0009】
(3) 質量%で、
Ca:0.0005〜0.004%、
REM:0.0005〜0.004%
のいずれか1種をさらに含有することを特徴とする上記(1)または(2)項に記載の高温強度に優れた高張力鋼。
【0010】
(4) 上記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の鋼成分からなる鋼片または鋳片を1000〜1250℃の温度範囲に再加熱後、1000℃以下での累積圧下量を30%以上として750℃以上の温度で圧延を終了し、その後放冷または700℃以上の温度から放冷相当以上の冷速で600℃以下の任意の温度まで加速冷却することを特徴とする高温強度に優れた高張力鋼の製造方法。
【0011】
(5) 上記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の鋼成分からなる鋼片または鋳片を熱間圧延後、Ac3以上950℃以下の温度で焼きならしすることを特徴とする高温強度に優れた高張力鋼の製造方法。
【0012】
(6) 上記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の鋼成分からなる鋼片または鋳片を熱間圧延後、Ac3以上950℃以下の温度に再加熱後、焼き入れすることを特徴とする高温強度に優れた高張力鋼の製造方法。
【0013】
(7) 強度調整や靭性改善、あるいは鋼板の残留応力除去の目的で、鋼板をAc1未満の温度で焼き戻しすることを特徴とする上記(4)〜(6)項のいずれか1項に記載の高温強度に優れた高張力鋼の製造方法。
【0014】
(8) 低降伏比化の目的で、鋼板をAc1超Ac3未満のフェライトとオーステナイトの二相共存域に再加熱後、放冷またはそれ以上の冷速で600℃以下の温度まで冷却し、その後さらに必要に応じAc1未満の温度で焼き戻しすることを特徴とする上記(4)〜(6)項のいずれか1項に記載の高温強度に優れた高張力鋼の製造方法。
【0015】
本発明によれば、低降伏比化の結果としての大きな塑性変形能(建築用途などでは耐震性)はもちろん、火災時など高温にさらされる環境でも十分な耐力を有し、また、靭性や溶接性にも優れた高張力鋼が大量かつ安価に供給できるため、種々の用途の広範な溶接鋼構造物の安全性向上に資することが可能となった。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明が、請求項の通りに鋼組成および製造方法を限定した理由について説明する。
【0018】
Cは、鋼材の特性に最も顕著に効くもので、下限の0.03%は炭(窒)化物形成元素であるMoおよびNb、V、Tiのうちの少なくとも1種を複合添加する本発明において、析出物を生成せしめるための最小量である。しかし、C量が多すぎると溶接性はもちろん、焼入性が必要以上に上がり、鋼材が本来有すべき強度、靭性のバランスなどに悪影響を及ぼすため、上限を0.15%とした。
【0019】
Siは、脱酸上鋼に含まれる元素であるが、多く添加すると溶接性、HAZ靭性が劣化するため、上限を0.6%に限定した。鋼の脱酸はTi、Alのみでも十分可能であり、HAZ靭性、焼入性などの観点から低いほど好ましく、必ずしも添加する必要はない。
【0020】
Mnは、母材の強度、靭性を確保する上で不可欠な元素ではあるが、置換型の固溶強化元素であるMnは、特に600℃超の高温強度にはあまり大きな改善効果はなく、本発明のような比較的多量のMoを含有する鋼において溶接性向上すなわち本発明でのPCM低減の観点から1.6%以下に限定した。Mnの上限を低く抑えることにより、連続鋳造スラブの中心偏析の点からも有利となる。なお、下限については、特に限定しないが、常温での母材の強度、靭性調整上、添加することが望ましい。
【0021】
Pは、本発明鋼においては不純物であり、P量の低減はHAZにおける粒界破壊を減少させる傾向があるため、少ないほど好ましい。含有量が多いと母材、溶接部の低温靭性を劣化させるため上限を0.02%とした。
【0022】
Sは、Pと同様本発明鋼においては不純物であり、母材の低温靭性の観点からは少ないほど好ましい。含有量が多いと母材、溶接部の低温靭性を劣化させるため上限を0.01%とした。
【0023】
Moは、鋼の高温強度を確保する上で必要不可欠の元素で、本発明においては最も重要な元素の一つである。600℃程度までの高温強度のみの考慮であれば、下限の緩和は可能であるが、600℃超の高温強度(例えば700℃程度)の維持や後述する低降伏比化のためのフェライト+オーステナイトの二相域熱処理およびその後必要に応じ焼き戻しを行ってもなお常温での高強度、高靭性を確保するため、下限を1.01%とした。多すぎる添加は、母材材質の制御(ばらつきの制御や靭性の劣化)が困難になるとともに、溶接性も劣化させるため、1.5%以下に限定した。
【0024】
Alは、一般に脱酸上鋼に含まれる元素であるが、脱酸はSiまたはTiだけでも十分であり、本発明鋼においては、その下限は限定しない(0%を含む)。しかし、Al量が多くなると鋼の清浄度が悪くなるだけでなく、溶接金属の靭性が劣化するので上限を0.06%とした。
【0025】
Nは、不可避的不純物として鋼中に含まれるものであるが、後述するTi、Nb、Vを少なくとも1種以上添加する本発明鋼においては、TiNを形成して鋼の性質を高めたり、Nb、Vと結合して炭窒化物を形成して強度を増加させる。このため、N量として最低0.001%必要である。しかしながら、N量の増加はHAZ靭性、溶接性に極めて有害であり、本発明鋼においてはその上限は0.006%である。
【0026】
本発明においては、上述した元素に加え、質量%で
[C−0.13Nb−0.24V−0.25(Ti−3.4N)]/(0.063Mo)
と定義する量が、0.5〜1.0の範囲を満足するように、Nb、V、Tiのうち少なくとも1種以上を後述する範囲内での添加を必須とする。
【0027】
上述した式の意味合いは、添加されたMoが炭化物(Mo2C)として析出する比率を原子量に基づき化学量論的に計算したもので、分子は、NbC、VC、TiC(TiNとしてのTiの消費も考慮)として消費された後のCの残量を示す。前記式の計算値が0.5〜1.0とは、Moが計算上(化学量論的に)、50〜100%がMo2Cとして析出することを意味する。
【0028】
すなわち、本発明が意図するところは、Moが必要以上に固溶状態で存在することなく、計算上、少なくとも50%以上がMo2Cとして析出するだけのC量を確保することである。これは、600℃超の高温下では、固溶体強化の寄与は小さく、析出物による析出強化の方が寄与が大きいためである。
【0029】
Mo添加量に対し、化学量論的に過剰なCは、焼き入れ性の増大やセメンタイトの生成量増加に伴う靭性劣化などにも影響を及ぼすため、前記式でMo添加量と化学量論的に等量となる1.0を上限とした。
【0030】
以下、Nb、V、Tiの添加量の限定範囲について説明する。これらはいずれも炭化物形成元素で、Moとともに、これらの内の1種以上の添加は必須である。
【0031】
Nbは、まず、一般的な効果として、オーステナイトの再結晶温度を上昇させ、熱間圧延時の制御圧延の効果を最大限に発揮する上で有用な元素で、最低0.005%の添加が必要である。また、圧延に先立つ再加熱や焼きならしや焼き入れ時の加熱オーステナイトの細粒化にも寄与する。さらに、析出硬化として強度向上効果を有し、Moとの複合添加により高温強度向上にも寄与する。しかし、過剰な添加は、溶接部の靭性劣化を招くため上限を0.1%とした。なお、本発明において必須元素であるMoにもオーステナイトの再結晶温度を上昇させる効果があり、Nb添加は必ずしも必須ではない。
【0032】
Vは、Nbとほぼ同様の作用を有するものであるが、Nbに比べてその効果は小さい。また、Vは焼き入れ性にも影響を及ぼし、高温強度向上にも寄与する。Nbと同様の効果は0.01%未満では効果が少なく、上限は0.2%まで許容できる。
【0033】
Tiは、母材および溶接部靭性に対する要求が厳しい場合には、添加することが好ましい。なぜならばTiは、Al量が少ないとき(例えば0.003%以下)、Oと結合してTi2O3を主成分とする析出物を形成、粒内変態フェライト生成の核となり溶接部靭性を向上させる。また、TiはNと結合してTiNとしてスラブ中に微細析出し、加熱時のγ粒の粗大化を抑え圧延組織の細粒化に有効であり、また鋼板中に存在する微細TiNは、溶接時に溶接熱影響部組織を細粒化するためである。これらの効果を得るためには、Tiは最低0.005%必要である。しかし多すぎるとTiCを多量に形成し、低温靭性や溶接性を劣化させるので、その上限は0.1%である。
【0034】
次に、必要に応じて含有することができるNi、Cu、Cr、B、Mgの添加理由について説明する。
【0035】
基本となる成分に、さらにこれらの元素を添加する主たる目的は、本発明鋼の優れた特徴を損なうことなく、強度、靭性などの特性を向上させるためである。したがって、その添加量は自ずと制限されるべき性質のものである。
【0036】
Niは、過剰に添加しなければ、溶接性、HAZ靭性に悪影響を及ぼすことなく母材の強度、靭性を向上させる。これら効果を発揮させるためには、少なくとも0.05%以上の添加が必須である。一方、過剰な添加は高価なだけでなく、溶接性に好ましくないため、上限を1.0%とした。なお、Cuを添加する場合、熱間圧延時のCu−クラックを防止するため、前記添加範囲を満足すると同時に、Cu添加量の1/2以上とする必要がある。
【0037】
Cuは、Niとほぼ同様の効果、現象を示し、上限の1.0%は溶接性劣化に加え、過剰な添加は熱間圧延時にCu−クラックが発生し製造困難となるため規制される。下限は実質的な効果が得られるための最小量とすべきで0.05%である。これは後述するCrについても同様である。
【0038】
Crは、母材の強度、靭性をともに向上させるため、0.05%以上添加する。しかし、添加量が多すぎると母材、溶接部の靭性および溶接性を劣化させるため、上限を1.0%とした。
【0039】
上記、Cu、Ni、Crは、母材の強度、靭性上の観点のみならず、耐候性にも有効であり、そのような目的においては、溶接性を損ねない範囲で添加することが好ましい。
【0040】
Bは、オーステナイト粒界に偏析し、フェライトの生成を抑制することを介して、焼入性を向上させ、強度向上に寄与する。この効果を享受するため、最低0.0002%以上必要である。しかし、多すぎる添加は焼入性向上効果が飽和するだけでなく、靭性上有害となるB析出物を形成する可能性もあるため、上限を0.003%とした。なお、タンク用鋼などとして、応力腐食割れが懸念されるケースでは、母材および溶接熱影響部の硬さの低減がポイントとなることが多く(例えば、硫化物応力腐食割れ(SCC)防止のためにはHRC≦22(HV≦248)が必須とされる)、そのようなケースでは焼入性を増大させるB添加は好ましくない。
【0041】
Mgは、溶接熱影響部においてオーステナイト粒の成長を抑制し、細粒化する作用があり、溶接部の強靭化が図れる。このような効果を享受するためには、Mgは0.0002%以上必要である。一方、添加量が増えると添加量に対する効果代が小さくなるため、コスト上得策ではないので上限は0.005%とした。
【0042】
さらに、CaおよびREMは、MnSの形態を制御し、母材の低温靭性を向上させるほか、湿潤硫化水素環境下での水素誘起割れ(HIC、SSC、SOHIC)感受性を低減させる。これらの効果を発揮するためには、最低0.0005%必要である。しかし、多すぎる添加は、鋼の清浄度を逆に高め、母材靭性や湿潤硫化水素環境下での水素誘起割れ(HIC、SSC、SOHIC)感受性を高めため、添加量の上限は0.004%に限定した。CaとREMは、ほぼ同等の効果を有するため、いずれか1種を上記範囲で添加すればよい。
【0043】
鋼の個々の成分を限定しても、成分系全体が適切でないと優れた特性は得られない。このため、PCMの値を0.25%以下に限定する。PCMは溶接性を表す指標で、低いほど溶接性は良好である。本発明鋼においては、PCMが0.25%以下であれば優れた溶接性の確保が可能である。なお、溶接割れ感受性組成PCMは以下の式により定義する。
【0044】
PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
【0045】
次に、本発明の請求項4以下に規定する製造条件およびその限定理由について説明する。
【0046】
前記の通り限定した成分で、目的、用途に応じ種々の製造方法を採ることができる。
【0047】
まず、本発明の請求項4にかかる圧延ままで製造する方法について説明する。圧延に先立つ加熱温度を1000〜1250℃に限定した理由は、加熱時のオーステナイト粒を小さく保ち、圧延組織の微細化を図るためである。1250℃は加熱時のオーステナイトが極端に粗大化しない上限温度であり、加熱温度がこれを超えるとオーステナイト粒が粗大混粒化し、変態後の組織も粗大化するため鋼の靭性が著しく劣化する。
【0048】
一方、加熱温度が低すぎると、後述する圧延終了温度(750℃以上)の確保が困難となるばかりでなく、Nbを添加した場合、オーステナイトの再結晶温度を上昇させ、熱間圧延時の制御圧延の効果を最大限に発揮させたり、析出硬化を発現させるためのNbの溶体化の観点から下限を1000℃に限定した。
【0049】
なお、Nbを添加しない場合は、その溶体化を考慮する必要がないため、加熱オーステナイトを必要以上に粗大化させない観点から1150℃以下の温度で加熱することが好ましい。
【0050】
前記温度範囲に再加熱した鋳片または鋼片を、圧延では1000℃以下での累積圧下量を30%以上として750℃以上で熱間圧延を終了する必要がある。1000℃以下での累積圧下量が少ない場合、Moを比較的多く添加する本発明成分においても圧延オーステナイトの細粒化が不十分となり、靭性確保が困難なためである。
【0051】
また、圧延終了温度が750℃を下回ると、変態が一部開始する可能性が高まり、最終組織に加工(圧延)組織を残す恐れがあり、靭性上好ましくないばかりでなく、降伏比の上昇を招き、建築用途などとして低降伏比が求められた場合、圧延ままでは製造が困難となるため、圧延終了温度は750℃以上に限定する。
【0052】
圧延後は、放冷または700℃以上の温度から放冷相当以上の冷速で600℃以下の任意の温度まで加速冷却する。放冷あるいは加速冷却などの冷却条件は、目的とする強度、靭性レベルにより自ずと変えるべき性質のものであり、強度と靭性を同時に向上させ、より高強度、高靭性を得る目的では放冷よりも微細組織が得られる加速冷却の適用が好ましい。
【0053】
加速冷却停止温度は、600℃超の温度では変態進行の初期段階での加速冷却の効果が十分に得られないため、600℃以下とした。600℃以下であれば、加速冷却停止温度は任意の温度とすることが可能であるが、比較的高温(例えば400℃以上)で停止した場合、その後の放冷が実質上の焼き戻しとなり、強度調整や靭性改善、あるいは鋼板の残留応力除去などの目的での焼き戻しを省略することも可能である。
【0054】
なお、材質の要求レベルが高くない低グレードの鋼材では、放冷であっても十分な材質が得られ、製造容易性、コストの面からも好ましい。
【0055】
なお、加速冷却時の冷速は、鋼成分や意図する材質(強度、靭性)レベルによっても変わるため一概には言えないが、板厚1/4厚位置の加速冷却開始温度から停止温度までの平均冷速で、少なくとも3℃/秒以上とすることが望ましい。
【0056】
次に、本発明の請求項5〜6にかかる焼きならしまたは焼き入れにより製造する方法について説明する。
【0057】
本発明が限定する成分を有する鋼を熱間圧延後、用途や鋼材規格上の制約などにより、焼きならしまたは焼き入れを行っても、本発明鋼材の優れた特性を損なうものではない。むしろ、鋼材の組織や結果として材質が均質化するため、目的によっては好ましい方法である。
【0058】
ただし、この場合でも、組織の微細化が鋼材の強度、靭性を同時に向上させるポイントの一つであるため、前記焼きならしあるいは焼き入れ温度はAc3以上950℃以下の温度とする必要がある。下限は、その焼きならしあるいは焼き入れの定義上、オーステナイト単相域への加熱が必須であること、また上限は、再加熱時のオーステナイト粒径を必要以上に大きくしないためである。
【0059】
上述した種々の製造方法で製造された鋼板は、その後、Ac1未満の温度で焼き戻ししても、本発明の優れた特性はいささかも損なわれるものではない。むしろ、強度調整や脆化組織であるマルテンサイトなどの低温変態生成組織の分解による靭性改善、あるいは鋼板の残留応力除去などの目的で焼き戻しを行うことが好ましい場合もある。また、Nb、V、Cuなどの析出硬化効果を有する元素を添加した場合には、焼き戻し処理により、析出物の微細析出が促進され、析出硬化現象をより一層発現させることができる。
【0060】
最後に、本発明の請求項8にかかるオーステナイト+フェライト二相共存域での熱処理を適用する製造方法について説明する。
【0061】
オーステナイト+フェライト二相共存域での熱処理は、本発明鋼を例えば建築分野に適用する用途などにおいて、耐震性の観点から低降伏比が要求された場合に適用するものである。オーステナイト+フェライト二相共存域での熱処理の冶金的意味合いは、Cを排出した未変態フェライトとCが濃化された逆変態オーステナイトとに分離し、後者は冷却過程で再変態させて硬化組織を得、前者の実質的な高温焼き戻しによる軟化組織とにより低降伏比を達成するものである。
【0062】
本発明においては、C量はMo、Nb、V、Tiなど炭化物形成元素の添加量と化学量論的に等量以下としており、計算上は変態などに寄与する実質的なC量はほとんどないが、実際にはセメンタイトも析出しており、それらの固溶などにより逆変態オーステナイトへのC濃化現象が見られる。
【0063】
熱処理時の加熱温度は、オーステナイトとフェライトの構成比率に関わり、鋼成分や目的とする降伏比のレベルに応じて変わるべき性質のものである。
【0064】
冷却時の冷速は、同様に鋼成分や目的とする強度レベルなどに応じて放冷またはそれ以上の冷速とすることができる。放冷を超える冷速、いわゆる加速冷却は、600℃以下の温度まで行えばよく、その理由は、上述した圧延後の加速冷却の際と同様である。これらは、さらに必要に応じ、Ac1未満の温度で焼き戻しを行ってもよく、その理由も上述したものと同様である。
【0065】
なお、この二相共存域熱処理に先立つ前組織は、熱処理後の機械的性質に若干の影響を及ぼすが、本発明においては、強度、靭性レベルや用途などの目的に応じて任意に選択すればよく、特に規定するものではない。
【0066】
【実施例】
転炉−連続鋳造−厚板工程で種々の鋼成分の鋼板(厚さ20〜100mm)を製造し、その強度、降伏比(YR)、靭性、600℃における降伏強さおよび溶接性(斜めy形溶接割れ試験)を調査した。
【0067】
表1に比較鋼とともに本発明鋼の鋼成分を、表2に鋼板の製造条件および諸特性の調査結果を示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
本発明法に則った成分、組織および製造方法による鋼板(本発明鋼)は、すべて良好な特性を有する。これに対し、本発明の限定範囲を逸脱する比較鋼は、靭性や高温YSが劣り、PCMが高い鋼では室温でのy割れ試験によりルート割れが発生している。また、特に、比較例24では、Cu添加量に対してNi添加量が低いため、熱間圧延時にクラックが生じ、製造が困難となった。さらに、比較例26では、Mo添加量が高いために、PCMは本発明の限定範囲内であるが、室温でのy割れ試験によりルート割れが発生した。
【0071】
【発明の効果】
本発明により、溶接性や靭性、また製造方法によっては低降伏比をも同時に達成する高温強度に優れた鋼の提供が可能となった。その結果、溶接鋼構造物としての各種用途向けに高温強度はもとより、溶接性や靭性にも優れた高張力鋼、あるいはさらに耐震性能にも優れた建築用耐火鋼として、大量かつ安価に供給できるようになった。このような鋼材を用いることにより、火災時などの高温での強度を維持し、さらに溶接性や靭性にも優れ、建築用鋼としては低降伏比も達成されているため、各種の溶接鋼構造物の安全性を一段と向上させることが可能となった。
Claims (8)
- 鋼成分が質量%で、
C:0.03〜0.15%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.6%以下、
P:0.02%以下、
S:0.01%以下、
Mo:1.01〜1.5%、
Al:0.06%以下、
N:0.006%以下、
かつ、
[C−0.13Nb−0.24V−0.25(Ti−3.4N)]
/(0.063Mo)
と定義する量が、0.5〜1.0の範囲を満足するように、
Nb:0.005〜0.1%、
V:0.01〜0.2%、
Ti:0.005〜0.1%
の範囲内で少なくとも1種以上を含有し、
さらに、
PCM=C+Si/30+Mn/20+Cu/20+Ni/60
+Cr/20+Mo/15+V/10+5B
と定義する溶接割れ感受性組成PCMが0.25%以下で、残部が鉄および不可避的不純物からなることを特徴とする高温強度に優れた高張力鋼。 - 上記鋼成分に加え、質量%で、
Cu:0.05〜1.0%、
Ni:0.05〜1.0%、かつ、Cu添加量の1/2以上、
Cr:0.05〜1.0%、
B:0.0002〜0.003%、
Mg:0.0002〜0.005%
の範囲で1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高温強度に優れた高張力鋼。 - 質量%で、
Ca:0.0005〜0.004%、
REM:0.0005〜0.004%
のいずれか1種をさらに含有することを特徴とする請求項1または2に記載の高温強度に優れた高張力鋼。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼成分からなる鋼片または鋳片を1000〜1250℃の温度範囲に再加熱後、1000℃以下での累積圧下量を30%以上として750℃以上の温度で圧延を終了し、その後放冷または700℃以上の温度から放冷相当以上の冷速で600℃以下の任意の温度まで加速冷却することを特徴とする高温強度に優れた高張力鋼の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼成分からなる鋼片または鋳片を熱間圧延後、Ac3以上950℃以下の温度で焼きならしすることを特徴とする高温強度に優れた高張力鋼の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼成分からなる鋼片または鋳片を熱間圧延後、Ac3以上950℃以下の温度に再加熱後、焼き入れすることを特徴とする高温強度に優れた高張力鋼の製造方法。
- 強度調整や靭性改善、あるいは鋼板の残留応力除去の目的で、鋼板をAc1未満の温度で焼き戻しすることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の高温強度に優れた高張力鋼の製造方法。
- 低降伏比化の目的で、鋼板をAc1超Ac3未満のフェライトとオーステナイトの二相共存域に再加熱後、放冷またはそれ以上の冷速で600℃以下の温度まで冷却し、その後さらに必要に応じAc1未満の温度で焼き戻しすることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の高温強度に優れた高張力鋼の製造方法。
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