JP4341173B2 - Single layer metal bond grinding wheel - Google Patents
Single layer metal bond grinding wheel Download PDFInfo
- Publication number
- JP4341173B2 JP4341173B2 JP2000347984A JP2000347984A JP4341173B2 JP 4341173 B2 JP4341173 B2 JP 4341173B2 JP 2000347984 A JP2000347984 A JP 2000347984A JP 2000347984 A JP2000347984 A JP 2000347984A JP 4341173 B2 JP4341173 B2 JP 4341173B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- metal
- diamond abrasive
- abrasive grains
- alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばダイヤモンド砥粒を単層状に固着してなる単層メタルボンド砥石に係り、特に、金属基板上にダイヤモンド砥粒を鑞付けして保持する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば金属基板の表面上に設けられた金属結合相に、ダイヤモンド砥粒を分散配置してなるメタルボンド砥石として、金属鑞材によってダイヤモンド砥粒を金属基板に固着して、ダイヤモンド砥粒を物理的かつ化学的に保持するメタルボンド砥石が知られている。
このようなメタルボンド砥石においてダイヤモンド砥粒を鑞付けする際に、例えば金属鑞材として金属粉末を用いて、金属基板上で金属粉末を加熱して、溶融した金属粉末とダイヤモンド砥粒との間にぬれ反応を発生させて加熱鑞接させる方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術の一例によるメタルボンド砥石の製造方法において、金属基板上に単層状にダイヤモンド砥粒を配置させて、単層型のメタルボンド砥石を製造する場合には、次に示す条件を満たすことが求められる。
(1)金属基板上にダイヤモンド砥粒を固着した際に、金属結合相の表面上から各ダイヤモンド砥粒を適度に突出させること。
(2)固着後のダイヤモンド砥粒を金属基板上に重ならないように、かつ、均一に分布させること。
(3)固着後のダイヤモンド砥粒の周辺部には砥粒の脱落原因を残存させないこと。
【0004】
しかしながら、従来の単層メタルボンド砥石には、以下に示すような問題点が存在した。
(イ)金属粉末及び金属基板を加熱溶融する際に、例えばダイヤモンド砥粒及び金属粉末を押圧して加圧する場合、ダイヤモンド砥粒の外径が金属粉末層の厚さよりも大きすぎると、金属粉末が充分に加圧されず、ダイヤモンド砥粒と金属粉末との間に圧密状態を形成することができなくなり、ダイヤモンド砥粒と金属結合相の鑞接部分の接続強度が低下する。
(ロ)一方、ダイヤモンド砥粒の外径が金属粉末層の厚さよりも小さすぎると、いわばダイヤモンド砥粒全体を金属粉末中に埋設するように配置すると、金属結合相でダイヤモンド砥粒を固着した後に、ダイヤモンド砥粒を金属結合相の表面上から突出させるために金属結合相の一部を除去するという煩雑かつ困難な処理が必要になる。
【0005】
(ハ)また、金属粉末及び金属基板を加熱溶融した際は、金属基板上に生じた金属結合相は厚さ方向に全て融解状態となっているので、ダイヤモンド砥粒は融解状態にある金属粉末層の中を金属基板上で移動し易い状況下にある。そのため、金属結合相でダイヤモンド砥粒を固着した後、金属粉末が均等に分布せず、金属粉末が密に分布する領域と疎に分布する領域が発生する傾向が強かった。つまり、ダイヤモンド砥粒の位置決めが難しく、仮固定が困難な状況にあった。このダイヤモンド砥粒の不均一な分布は、メタルボンド砥石を用いて研削加工する際に加工むら等を発生させる要因の一つとなるため、ダイヤモンド砥粒の均一分布化が求められていた。
【0006】
(ニ)さらには、単層メタルボンド砥石の場合、固着されたダイヤモンド砥粒の周辺部の金属結合相には、微細な割れ、いわゆるクラックが発生しやすい状況にあった。この鑞付けに伴い発生するクラックは、金属結合相に残存する内部応力や、液相が固化する際の収縮、金属結合相の厚みが不均一であること、融液がダイヤモンド砥粒の上にものってしまい金属結合相がダイヤモンド砥粒を被服したこと等に起因して発生すると考えられている。このクラックは、メタルボンド砥石を用いて研削加工する際にダイヤモンド砥粒の脱落等を誘発し、脱落した砥粒は被加工物に対してダメージを与える要因の一つとなるため、ダイヤモンド砥粒の周辺部にクラックの無いメタルボンド砥石の開発が期待されている。従来、このクラック発生は金属結合相の厚さを大きく設定することで抑制する手法が用いられていたが、上述した構成からなる単層メタルボンド砥石では、金属結合相の厚さが極めて薄いためクラックの発生を防ぐ方法は見出されておらず、使用時の長期安定性に課題が残されていた。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、単層状に分散配置されたダイヤモンド砥粒を金属結合相により固着してなるメタルボンド砥石において、ダイヤモンド砥粒の保持力を向上させることの可能な単層メタルボンド砥石を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の単層メタルボンド砥石は、Ni基若しくはFe基金属基板の表面上に、少なくとも3層以上の多層構造からなる金属層を形成し、前記金属層は、最内層をNi、最外層をCr若しくはCr基合金、この最内層と最外層との間に位置する中間層のうち少なくとも一層をNiより低い融点をもつ金属材料とし、前記金属基板及び前記金属層を、Niの融点よりは低く、前記金属材料の融点よりは高い温度で加熱して、最も低融点な前記金属材料のみを先ず溶融させ、前記金属材料の溶融による侵食作用により少なくとも前記最外層を溶融させて、前記最外層を含む溶融金属によりダイヤモンド砥粒を鑞付けしてなることを特徴としている。
【0009】
上記構成の単層メタルボンド砥石によれば、少なくとも3層以上の多層構造からなる金属層は、最内層をNiと、最外層をCr若しくはCr基合金と、この最内層と最外層との間に位置する中間層のうち少なくとも一層をNiより低い融点をもつ金属材料とから構成されている。
前記金属基板及び前記金属層を、Niの融点よりは低く、前記金属材料の融点よりは高い温度で加熱することで、先ず、多層構造からなる金属層のうち、Niより低い融点をもつ金属材料を溶融させあるいは金属材料と隣り合う金属層の界面に金属元素の相互拡散を発生させ、この相互拡散の進行過程で拡散層に共晶組成の液相を生成する。そして、この液相に近傍の金属元素を取り込むようにして液相幅を拡大させ、中間層の上に設けた厚みが薄いCr若しくはCr基合金からなる最外層を溶融させて、最外層を含む溶融金属によりダイヤモンド砥粒を鑞付けする。
【0010】
或いは、金属層30の最内層をなすNiより低融点の、例えばNi−P合金よりなる中間層が設けられている場合には、中間層間での金属元素の相互拡散の有無には関係なく、このNi−P合金よりなる金属層、つまり中間層の中で最も低融点な金属層のみを融解させて、生成した融液により中間層における上層又は下層の金属層を侵食したり、これらの金属層との間に相対的に速い拡散速度での相互拡散を発生させて、侵食による合金部分や拡散層に共晶組成の液相を生成する。そして、この液相に近傍の金属元素を取り込むようにして液相幅を拡大させて、中間層の上に設けた厚みが薄いCr若しくはCr基合金からなる最外層を溶融させて、最終的には中間層と最外層のみ溶融させて、中間層と最外層からなる溶融金属によりダイヤモンド砥粒を鑞付けする。
その際、金属層の最外層をなすCr若しくはCr基合金の厚みは、0.5μm以上10μm以下が好ましい。Cr若しくはCr基合金の厚みが、0.5μmより薄いと溶融金属に含まれるCr量が少なくてダイヤモンドとの反応性が不足するという不具合があり、10μmより厚いと厚膜のCr層を形成するのに時間がかかって不経済という問題が発生するからである。
【0011】
上述した構成とするによって、鑞付け前に、多層構造からなる金属層の上に仮固定して配置されたダイヤモンド砥粒は、最内層をなすNiによりダイヤモンド砥粒の下部は仮固定された状態を保ちつつ、溶融した中間層と最外層によって主にダイヤモンド砥粒の周囲は鑞付けがなされる。
したがって、本発明に係る単層メタルボンド砥石によれば、鑞付け前に、多層構造からなる金属層の上に均一にダイヤモンド砥粒を仮固定して配置しさえすれば、鑞付けした後でもダイヤモンド砥粒の位置は移動することがないので、金属基板上に所望の密度でダイヤモンド砥粒を設けることが可能となる。
そして、ダイヤモンド砥粒を埋め込んだ際には、所定量の液相が確保できた時点で冷却して全体を固化させても良いし、溶融金属と金属基板との間で晶出する固相を拡大させて全体を固化させても良いので、例えば金属基板を過剰に溶融させてしまう等により過剰の融液を発生させることなく、ダイヤモンド砥粒の埋め込み量を所望の値に調整することができる。
【0012】
また、請求項3に記載の本発明の単層メタルボンド砥石は、Ni基若しくはFe基金属基板の表面上に、少なくとも3層以上の多層構造からなる金属層を形成し、前記金属層は、最内層をNi、最外層をNi−Ti若しくはNi−Ti合金、最内層と最外層との間に位置する中間層のうち少なくとも一層をNiより低い融点をもつ金属材料とし、前記金属基板及び前記金属層を、Niの融点よりは低く、前記金属材料の融点よりは高い温度で加熱して、最も低融点な前記金属材料のみを溶融させ、前記金属材料の溶融による侵食作用により少なくとも前記最外層を溶融させて、前記最外層を含む溶融金属によりダイヤモンド砥粒を鑞付けしてなることを特徴としている。
【0013】
上記構成の単層メタルボンド砥石によれば、少なくとも3層以上の多層構造からなる金属層は、最内層をNiと、最外層をNi−Ti若しくはNi−Ti合金と、この最内層と最外層との間に位置する中間層のうち少なくとも一層をNiより低い融点をもつ金属材料とから構成されている。
前記金属基板及び前記金属層を、Niの融点よりは低く、前記金属材料の融点よりは高い温度で加熱することで、先ず、多層構造からなる金属層のうち、Niより低い融点をもつ金属材料を溶融させあるいは金属材料と隣り合う金属層の界面に金属元素の相互拡散を発生させ、この相互拡散の進行過程で拡散層に共晶組成の液相を生成する。そして、この液相に近傍の金属元素を取り込むようにして液相幅を拡大させ、中間層の上に設けた厚みが薄いNi−Ti若しくはNi−Ti合金からなる最外層を溶融させて、最外層を含む溶融金属によりダイヤモンド砥粒を鑞付けする。
具体的に説明すると、金属層の最内層をなすNiより低融点の、例えばNi−P合金よりなる中間層が設けられている場合には、中間層間での金属元素の相互拡散の有無には関係なく、このNi−P合金よりなる金属層、つまり中間層の中で最も低融点な金属層のみを融解させて、生成した融液により中間層における上層又は下層の金属層を侵食したり、これらの金属層との間に相対的に速い拡散速度での相互拡散を発生させて、侵食による合金部分や拡散層に共晶組成の液相を生成する。そして、この液相に近傍の金属元素を取り込むようにして液相幅を拡大させて、中間層の上に設けた厚みが薄いNi−Ti若しくはNi−Ti合金からなる最外層を溶融させて、最終的には最外層を含む溶融金属によりダイヤモンド砥粒を鑞付けする。
【0014】
その際、金属層の最外層をなすNi−Ti若しくはNi−Ti合金の厚みは、3μm以上15μm以下が好ましい。Ni−Ti若しくはNi−Ti基合金の厚みが、3μmより薄いと最終溶融に含まれるTiの割合が低く溶融金属とダイヤモンドとの反応性が不足するという不具合があり、15μmより厚いとそれに見合う接合力向上が無く表面が粗れるという問題が発生するからである。
上記構成からなる単層メタルボンド砥石では、前記金属層の最外層を構成するNi−Ti又はNi−Ti合金層はTi粉をNiめっきで共析したものが好適に用いられる。Ti粉をNiめっきで共析した場合は、ダイヤモンド砥粒の刃先となる上部をTiが被覆することがないので、ダイヤモンド砥粒の研削能力の低下が防止できる。
また、前記金属層の最外層を構成するNi−Ti又はNi−Ti合金層は、水素化したTi粉をNiめっきしたものを用いても構わない。水素化したTi粉をNiめっきした最外層は、金属層の酸化を防止することができる。
【0015】
上記構成からなる単層メタルボンド砥石では、金属層の中間層を構成する金属材料として、Ni基合金、Au又はAu基合金、Cu又はCu基合金から選択した少なくとも1種以上の材料が好適に用いられる。これらの金属材料は、適当な組成を選択することにより、金属層の最内層をなすNiに比べて低融点となる。このような金属材料の具体例としては、Ni−P合金(共晶点880℃)
、Au(融点1064℃)、Au−Ni合金(共晶点950℃)、Cu(融点1083℃)、Cu−Ni−Ti合金(共晶点880℃)、Cu−Ni−P−Ti合金(850℃)などが挙げられる。ここで、括弧内の数字は融点あるいは共晶点を表す。
中でも、Ni−P合金、Cu−Ni−Ti合金、又はCu−Ni−P−Ti合金は、Cを含むダイヤモンド砥粒のグラファイト化や酸化が始まると言われている900℃を下回る温度で溶融させることができることから、ダイヤモンド砥粒の研削能力を劣化させずにダイヤモンド砥粒を鑞付けすることが可能となるのでより好ましい。
【0016】
また、請求項1及び3に記載の本発明の単層メタルボンド砥石において、金属層の最内層をなすNiは、溶融した中間層による侵食の影響を受けても所定厚みの残存を確保するため適度に厚みをもたせるが、その厚さとしては10μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましい。
さらに、上記構成からなる単層メタルボンド砥石は、前記金属層がめっきにより前記金属基板の表面上に設けられてなることを特徴としている。金属基板上にめっきにより金属層を形成すると、金属層をなす中間層と最外層との界面に金属結合状態を形成することができ、この界面に共晶組成の液相を発生させ易くすることができるので、ダイヤモンド砥粒を鑞付けする作業を容易にすることが可能となる。
また、上記構成からなる単層メタルボンド砥石は、ウェットプロセスであるめっきだけで作製できるので、めっきに比べて高価な設備を要する蒸着やスパッタ等のいわゆるドライプロセスを用いたり、あるいは混在させる必要が無いことから、比較的安価なプロセスで製造できる利点も有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態に係る単層メタルボンド磁石について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る単層メタルボンド磁石10の要部側断面図である。
本実施の形態による単層メタルボンド砥石10は、例えばFe基金属基板11と、このFe基金属基板11上に形成された砥粒層12とを備えて構成されており、砥粒層12は、例えばダイヤモンド砥粒からなるダイヤモンド砥粒21と、第一金属結合相22と、第二金属結晶相23とを備えて構成されている。
Fe基金属基板11の表面上には、例えばNiからなる第一金属結合相22と、Ni、P及びCrからなる共晶組成の第二金属結合相23とが順次積層して設けられており、例えばダイヤモンド砥粒からなるダイヤモンド砥粒21は上層にあたる第二金属結合相23の表面上から突出するように配置されている。ここで、ダイヤモンド砥粒21は単層状に配置されており、砥粒層12の厚さ方向には1個のダイヤモンド砥粒21が配置されている。
上述した構成とするによって、鑞付け前に、多層構造からなる金属層30の上に仮固定して配置されたダイヤモンド砥粒21は、殆ど溶融しない金属層の最内層をなすNiからなる第一金属結合相22によりダイヤモンド砥粒の下部は仮固定された状態を保ちつつ、溶融した中間層と最外層からなる第二金属結合相23によってダイヤモンド砥粒の周囲は鑞付けがなされる。
【0018】
したがって、本発明に係る単層メタルボンド砥石10によれば、鑞付け前に、多層構造からなる金属層30の上に均一にダイヤモンド砥粒21を仮固定して配置しさえすれば、鑞付けした後でもダイヤモンド砥粒21の位置は移動することがないので、金属基板11上に所望の密度や分布でダイヤモンド砥粒21を設けることが可能となる。
つまり、本発明に係る単層メタルボンド砥石10におけるダイヤモンド砥粒21は、次に述べる3つの表面状態を備えている。ダイヤモンド砥粒21の下部表面は、第一金属結合相22によって物理的に保持されている。ダイヤモンド砥粒21の中間部表面は、ダイヤモンド砥粒21のCと第二金属結合相23のCrが化学的に結合しており、ダイヤモンド砥粒21の中間部表面は第二金属結合相23によって物理的に保持されていると共に、第二金属結合相23と化学的に固着している。そして、ダイヤモンド砥粒21の上部表面は、第二金属結合相23から露出している。
【0019】
この露出部の量を制御するためには、ダイヤモンド砥粒21を埋め込んだ際に、所定量の液相が確保できた時点で冷却して全体を固化させても良いし、溶融金属と第一金属結合相22との間で晶出する固相を拡大させて全体を固化させても構わない。例えば第一金属結合相22を過剰に溶融させてしまう等により過剰の融液を発生させることなく、ダイヤモンド砥粒の埋め込み量を所望の値に調整することができる。
本実施の形態による単層メタルボンド砥石10は上記構成を備えており、次に、このメタルボンド砥石10の製造方法について説明する。図2は単層メタルボンド砥石10の製造工程を示す図であり、図3は単層メタルボンド砥石10の製造工程を示すブロック図である。
先ず、図2(a)に示すように、Fe基金属基板(例えばステンレス鋼等)11の表面上に、金属層を構成する最内層としてNiめっき層31と、中間層として例えばNi−Pめっき層32と、最外層として例えばCrめっき層33とを、順番に積層して形成する。これにより、Fe基金属基板11とNiめっき層31との界面、Niめっき層31とNi−Pめっき層32との界面、Ni−Pめっき層32とCrめっき層33との界面に金属結合状態が形成される(ステップS1)。
【0020】
次に、例えば不活性ガス雰囲気中で、Niめっき層31の融点以下かつNi−Pめっき層32の融点以上、例えばNiめっき層31の融点(1450℃)よりは低く、Ni−Pめっき層32の共晶点(880℃)から所定温度(例えば50℃程度)だけ高い温度(例えば、約930℃)で加熱して、Ni−Pめっき層32のみ溶融させる(ステップS2)。
なお、加熱温度が1200℃を越えると、ダイヤモンド砥粒21の炭化又は酸化が激しくなるという問題が生じる。
次に、溶融したNi−Pめっき層32の融液により、Crめっき層33を侵食して合金化をする。或いは、拡散速度の増加した融液とCrめっき層33との間の金属元素の相互拡散を進行させて、これらの過程で加熱温度よりも低い共晶点を有する所定の共晶組成(例えば、Ni−10wt%P−14wt%Cr)を生成する(ステップS3)。
【0021】
すると、この共晶組成(例えば、Ni−10wt%P−14wt%Cr)の液相が生成されて、この液相が近傍の金属元素を取り込むようにして液相幅を拡大させ、最終的に2つのめっき層、すなわち中間層をなすNi−Pめっき層32と最外層をなすCrめっき層33を溶融させる(ステップS4)。
その際、Niめっき層31を厚く(例えば、膜厚50μm)、Crめっき層33を薄く(例えば、膜厚5μm)設けることにより、Ni−Pめっき層32はその下方に位置するNiめっき層31を殆ど溶融させること無く、その上方に位置するCrめっき層33を積極的に溶融させる。
そして、ダイヤモンド砥粒21の中間部表面上を液相でぬらし、ダイヤモンド砥粒21の表面と液相の界面でぬれ反応を進行させて、ダイヤモンド砥粒21のCと液相に含まれるCrとを化学的に結合する。
そして、所定量の液相が確保できた時点で、Fe基金属基板11、第一金属結合相22及び第二金属結合相23を冷却することで、溶融状態の金属の液相を固化させるか、或いは第一金属結合相22をなすNiめっき層31と溶融金属との間で、金属元素濃度を均一化させて、固相を晶出させることで溶融状態の金属の液相を固化して、Fe基金属基板11上へのダイヤモンド砥粒21の鑞付けを完了する(ステップS5)。
【0022】
上述したように、本実施形態の実施例による単層メタルボンド砥石10の製造方法によれば、鑞付け前に、多層構造からなる金属層30の上に仮固定して配置されたダイヤモンド砥粒21は、溶融しない金属層の最内層をなすNiからなる第一金属結合相22によりダイヤモンド砥粒の下部表面は仮固定された状態を保ちつつ、溶融した中間層をなすNi−Pめっき層32と、溶融した最外層をなすCrめっき層33とからなる第二金属結合相23によってダイヤモンド砥粒21の中間部表面は鑞付けがなされる
。
したがって、本実施形態の実施例に係る単層メタルボンド砥石10の製造方法によれば、Niからなる第一金属結合相22やFe基金属基板11を過剰に溶融させる等によって過剰の融液を発生させること無く、ダイヤモンド砥粒21の下部は第一金属結合相22により、ダイヤモンド砥粒21の中間部は第二金属結合相23によりそれぞれ固着され、ダイヤモンド砥粒21の上部は露出した形態とすることができ、第二金属結合相23の厚みを所定厚さに設定することでダイヤモンド砥粒21の埋め込み量を制御することができる。
【0023】
換言すれば、本実施例に係る単層メタルボンド砥石10の製造方法によれば、中間層をなすNi−Pめっき層32と最外層をなすCrめっき層33との間において、金属元素の相互拡散が発生して拡散層が形成されているか否かに関わらず、より早いペースで、低融点金属であるNi−Pめっき層32を溶融して、この融液により液相を拡大することができ、例えばNiめっき層31を過剰に溶融させることなく、Ni−Pめっき層32とその上に位置するCrめっき層33とを合計した厚みを所定の厚さに設定することでダイヤモンド砥粒21の埋め込み量を制御することができる。
しかも、3元共晶、4元共晶、・・・と、共晶組成を構成する各純成分の数を増大させることで、共晶点をさらに低下させることができる。これは、加熱温度を低下させてダイヤモンド砥粒21の熱によるダメージを低減させることに寄与する。
その結果、図2(b)に示すように、Fe基金属基板(例えばステンレス鋼等)11の表面上に、金属層を構成する最内層としてNiめっき層31と、中間層として例えばNi−Pめっき層32と、最外層として例えばCrめっき層33とを、順番に積層形成してなり、埋め込み量が制御されたダイヤモンド砥粒21がFe基金属基板11上へ鑞付けされた形態の単層メタルボンド砥石が安定して得られる。
【0024】
なお、本実施形態においては、第二金属結合相23をなす中間層はNiより低い融点をもつ金属材料として例えばNi−Pめっき層32からなるとしたが、これに限定されず、他のNi基合金や、Au又はAu基合金、Cu又はCu基合金から選択した少なくとも1種以上の材料としても構わない。
具体的には、Ni−P合金(共晶点880℃)以外に、Au(融点1064℃)、Au−Ni合金(共晶点950℃)、Cu(融点1083℃)、Cu−Ni−Ti合金(共晶点880℃)、Cu−Ni−P−Ti合金(850℃)などが挙げられる。中でも、Ni−P合金、Cu−Ni−Ti合金、又はCu−Ni−P−Ti合金は、Cを含むダイヤモンド砥粒のグラファイト化や酸化が始まると言われている900℃を下回る温度で融解させることができるので、ダイヤモンド砥粒21の熱によるダメージを低減させることができる。
【0025】
また、本実施形態においては、第二金属結合相23をなす中間層はNiより低い融点をもつ金属材料として例えばNi−Pめっき層32からなる単層の場合を用いて説明したが、中間層を複数層化しても良いことは言うまでもない。その際は、上述した理由からNi基合金や、Au又はAu基合金、Cu又はCu基合金が好ましい。
さらに、本実施の形態においては、金属基板としてFe基金属基板(例えばステンレス鋼等)11を用いた一例を示した。この場合、Feは、例えば硝酸や過酸化水素酸等の酸化性環境や、例えば硫酸等の中性環境での耐食性に優れており、単層メタルボンド砥石10の寿命の延命化に資することが可能である。ただし、金属基板はFe基金属基板11に限定されものではなく、Fe基金属基板11の代わりにNi基金属基板を用いても構わない。
【0026】
また、本実施形態においては、真空雰囲気中で所定の温度に加熱するとしたが、これに限定されず、例えば不活性ガス雰囲気中で加熱しても良い。
なお、本実施形態では、最外層をCr又はCr基合金としたが、この上に更にCr又はCr基合金の酸化防止を目的として、例えばAu又はAu基合金を備える構成としても、上述した本発明に係る作用・効果は変わるものではない。例えば、中間層をなすNi−Pめっき層32、最外層をなすCrめっき層33、最外層のさらに外側にAu又はAu基合金として例えば不図示のAuめっき層を設け、これら3層から第二金属結合相23を形成しても構わない。
【0027】
以下に、本発明の第2の実施形態に係る単層メタルボンド砥石40の製造方法について添付図面を参照しながら説明する。図4は単層メタルボンド砥石40の製造工程を示す図であり、図5は単層メタルボンド砥石40の製造工程を示すブロック図である。
第2の実施形態が上述した第1の実施形態と異なる点は次の2つである。
(1)金属層をなす中間層を単層から2層に変更した。
具体的には、上述した第1の実施形態で中間層に用いたNi−Pめっき層32(図2)を、本変形例ではNi−Pめっき層32/Cuめっき層35の2層(図4)に代えた。
(2)金属層をなす最外層をCr若しくはCr基合金からNi−Ti若しくはNi−Ti合金に変更した。
具体的は、上述した第1の実施形態で最外層に用いたCrめっき層33(図2)を、第2の実施形態ではNi−Tiめっき層36(図4)に代えた。
他の点は、上述した第1の実施形態と同様とした。
【0028】
先ず、図4(a)に示すように、Fe基金属基板11の表面上に、金属層の最内層としてNiめっき層31を形成し、次に、中間層としてNi−Pめっき層32とCuめっき層35を順に積層して形成し、最後に、最外層としてNi−Tiめっき層36を形成する。その際、Ni−Tiめっき層36としては、Ti粉をNiめっきで固定した、いわゆるNi−Tiパウダー分散めっきを用いた。
これにより、Fe基金属基板11とNi−Pめっき層32との界面、Ni−Pめっき層32とCuめっき層35との界面、及び、Cuめっき層35とNi−Tiめっき層36との界面に、金属結合状態が形成される(ステップS11)。
その結果、図4(b)に示すように、Fe基金属基板(例えばステンレス鋼等)11の表面上に、金属層を構成する最内層としてNiめっき層31と、中間層として例えばNi−Pめっき層32及びCuめっき層35と、最外層として例えばNi−Tiめっき層36とを、順番に積層形成してなり、埋め込み量が制御されたダイヤモンド砥粒21がFe基金属基板11上へ鑞付けされた形態の単層メタルボンド砥石が安定して得られる。
【0029】
なお、Ni−Tiめっき層36のTiは、ダイヤモンド砥粒21に含まれるCと化学的に結合すると共に、共晶組成の液相を生じさせる際の共晶温度を低減させ、ダイヤモンド砥粒21に対する液相のぬれ性を向上させる。
また、Ni−Pめっき層32とCuめっき層35は、多層の金属層中で相対的に低融点である。最大加熱温度1200℃以下、好ましくは1100℃以下での加熱に対して、溶融させることができると共に、例えばNi−PやNi−P−Cu、Ni−P−Cu−Ti等の共晶組成の液相を相対的に低い共晶点(例えば、Ni−Pでは880℃、Ni−P−Cuでは780℃、Ni−P−Cu−Tiでは850℃)にて発生させ、ダイヤモンド砥粒21に対する液相のぬれ性を向上させる。
【0030】
ここで、中間層をなすNi−Pめっき層34及びCuめっき層35と最外層をなすNi−Tiめっき層36からなる部分の厚さ、すなわち第二金属結晶相23の厚さは、特に限定されないが、例えばダイヤモンド砥粒21の粒径の20〜70%に設定されている。粒径の20%よりも小さいとダイヤモンド砥粒21の保持力が不足し、粒径の70%よりも大きいと第二金属結晶相23の表面上からダイヤモンド砥粒21の突出量が小さくなりすぎる。
次に、例えば真空雰囲気中で、Niめっき層31の融点以下かつNi−Pめっき層32の融点以上、例えばNiめっき層31の融点(1450℃)よりは低く、Ni−Pめっき層32の共晶点(880℃)から所定温度(例えば50℃程度)だけ高い温度(例えば、約930℃)で加熱して、先ず、Ni−Pめっき層32のみ溶融させる(ステップS12)。
なお、加熱温度が1200℃を越えると、ダイヤモンド砥粒21の炭化又は酸化が激しくなるという問題が生じる。
【0031】
次に、溶融したNi−Pめっき層32の融液により、Cuめっき層35を侵食して合金化をする。或いは、拡散速度の増加した融液と、Cuめっき層35との間の金属元素の相互拡散を進行させて、これらの過程で加熱温度よりも低い融点を有するNi−Cu−Pの三元組成を生成する(ステップS13)。
すると、このNi−Cu−Pの三元組成の液相が生成されて、この液相が近傍の金属元素を取り込むようにして液相幅を拡大させて、2つの中間層すなわちNi−Pめっき層32とCuめっき層35を溶融させる(ステップS14)。
その際、Niめっき層31を厚く(例えば、膜厚70μm)、Cuめっき層33を薄く(例えば、膜厚20μm)設けることにより、Ni−Pめっき層32はその下方に位置するNiめっき層31を殆ど溶融させること無く、その上方に位置するCuめっき層35を積極的に溶融させる。
【0032】
次に、Ni−Pめっき層32とCuめっき層35とを溶融させてなる融液により、Ni−Tiめっき層36を侵食して合金化をする。或いは、拡散速度の増加した融液と、Ni−Tiめっき層36との間の金属元素の相互拡散を進行させて、これらの過程で加熱温度よりも低い融点を有する組成を生成する(ステップS15)。
すると、この組成の液相が生成されて、この液相が近傍の金属元素を取り込むようにして液相幅を拡大させ、最終的に3つのめっき層、すなわち中間層をなすNi−Pめっき層32及びCuめっき層35と、最外層をなすNi−Tiめっき層36とを溶融させる(ステップS16)。
【0033】
その際、Niめっき層31に比べてNi−Tiめっき層36を薄く(例えば、膜厚10μm)設けることにより、Ni−Pめっき層32とCuめっき層35とを溶融させてなる融液はその下方に位置するNiめっき層31を殆ど溶融させること無く、その上方に位置するNi−Tiめっき層36を積極的に溶融させる。
そして、ダイヤモンド砥粒21の中間部表面上を液相でぬらし、ダイヤモンド砥粒21の表面と液相の界面でぬれ反応を進行させて、ダイヤモンド砥粒21のCと液相に含まれるTiとを化学的に結合する。
【0034】
最後に、所定量の液相が確保できた時点で、Fe基金属基板11、第一金属結合相層22及び第二金属結合相23を冷却することで、溶融状態の金属の液相を固化させるか、或いは第一金属結合相22をなすNiめっき層31と溶融金属との間で金属元素濃度を均一化させて、固相を晶出させることで溶融状態の金属の液相を固化して、Fe基金属基板11上へのダイヤモンド砥粒21の鑞付けを完了する(ステップS17)。
上述したように、本実施の形態による単層メタルボンド砥石10の製造方法によれば、鑞付け前に、多層構造からなる金属層の上に仮固定して配置されたダイヤモンド砥粒21は、溶融しない金属層の最内層をなすNiからなる第一金属結合相22によりダイヤモンド砥粒の下部表面は仮固定された状態を保ちつつ、溶融した中間層をなすNi−Pめっき層32及びCuめっき層35と、溶融した最外層をなすNi−Tiめっき層36とからなる第二金属結合相23によってダイヤモンド砥粒の中間部表面は鑞付けがなされる。
【0035】
したがって、第2の実施形態に係る単層メタルボンド砥石40の製造方法によれば、Niからなる第一金属結合相22やFe基金属基板11を過剰に溶融させる等によって過剰の融液を発生させること無く、ダイヤモンド砥粒21の下部は第一金属結合相22により、ダイヤモンド砥粒21の中間部は第二金属結合相23によりそれぞれ固着され、ダイヤモンド砥粒21の上部は突出した形態とすることができ、第二金属結合相23の厚みを所定厚さに設定することでダイヤモンド砥粒21の埋め込み量を制御することができる。
つまり、第2の実施形態による単層メタルボンド砥石40も、前述した第1の実施形態に係る単層メタルボンド砥石10と同様に、仮固定の際に所望の密度や分布で金属基板上にダイヤモンド砥粒を配置しさえすれば、仮固定の状態でダイヤモンド砥粒を鑞付けすることができる。これは、研削加工の均一化をもたらすとともに、研削工程の安定性の向上に貢献する。
【0036】
換言すれば、第2の実施形態に係る単層メタルボンド砥石40の製造方法によれば、中間層をなすNi−Pめっき層32とCuめっき層35と最外層をなすNi−Tiめっき層36との間において、金属元素の相互拡散が発生して拡散層が形成されているか否かに関わらず、より早いペースで、低融点金属であるNi−Pめっき層32を溶融して、この融液により液相を拡大することによって、Ni−Pめっき層32の上に位置するCuめっき層35及びNi−Tiめっき層36を液相化することができる。これにより、例えばNi−Pめっき層32の下に位置するNiめっき層31を過剰に溶融させることなく、Ni−Pめっき層32とその上に位置するCuめっき層35とNi−Tiめっき層36を合計した厚みを所定の厚さに設定することでダイヤモンド砥粒21の埋め込み量を制御することができる。
【0037】
しかも、最終的に第二金属結合相23となる液相によりダイヤモンド砥粒21をぬらすことで、液相とダイヤモンド砥粒21との界面に化学的な結合状態を形成することができ、第二金属結合相23によってダイヤモンド砥粒21を物理的に保持することに加えて、ダイヤモンド砥粒21を金属基板11に化学的に固着することで、ダイヤモンド砥粒21の脱落等を抑制することができる。
その際、第二金属結合相23の下に位置する第一金属結合相22は殆ど液相化しないので、鑞付け前に、多層構造からなる金属層30の上に仮固定して配置されたダイヤモンド砥粒21は、溶融しない金属層の最内層をなすNiからなる第一金属結合相22によりダイヤモンド砥粒の下部は仮固定された状態を維持できる。そして、最下層をなすNiめっき層31で仮固定状態を保たれたダイヤモンド砥粒21は、溶融して液相化した中間層をなすNi−Pめっき層32と最外層をなすCrめっき層33によってダイヤモンド砥粒21の中間部が鑞付けされ、ダイヤモンド砥粒21の最上部は突出した形態とすることが可能となる。
図4(b)の構成によれば、金属層の最外層にNi−Ti又はNi−Ti合金層として、Ti粉をNiめっきしたもの、いわゆるNi−Tiパウダー分散めっきを用いたことにより、ダイヤモンド砥粒21の刃先となる上部をTiが被服することがないので、ダイヤモンド砥粒21の研削能力の低下を抑制することもできる。
【0038】
したがって、本実施形態の変形例に係る単層メタルボンド砥石40も、仮固定の際に所望の密度や分布で金属基板上にダイヤモンド砥粒を配置しさえすれば、仮固定の状態でダイヤモンド砥粒を鑞付けすることができる。これは、研削加工の均一化をもたらすとともに、研削工程の安定性の向上に寄与する。
上述した変形例では4元共晶の場合を例にとって説明したが、5元共晶、6元共晶、・・・と、共晶組成を構成する各純成分の数を増大させることで、共晶点をさらに低下させることができる。これは、より一層低い加熱温度でも鑞付けが可能なことを示唆していることから、本変形例によればダイヤモンド砥粒21の熱によるダメージを著しく改善できる。
【0039】
なお、第2の実施形態においては、第二金属結合相23をなす中間層はNiより低い融点をもつ金属材料として例えばNi−Pめっき層32及びCuめっき層35からなるとしたが、これに限定されず、他のNi基合金や、Au又はAu基合金、Cu又はCu基合金から選択した少なくとも1種以上の材料としても構わない。
具体的には、Ni−P合金(共晶点880℃)とCu(融点1083℃)以外に、Au(融点1064℃)、Au−Ni合金(共晶点950℃)、Cu−Ni−Ti合金(共晶点880℃)、Cu−Ni−P−Ti合金(850℃)などが挙げられる。中でも、Ni−P合金、Cu−Ni−Ti合金、又はCu−Ni−P−Ti合金は、Cを含むダイヤモンド砥粒のグラファイト化や酸化が始まると言われている900℃を下回る温度で融解させることができるので、ダイヤモンド砥粒21の熱によるダメージの低減に寄与する。
【0040】
また、第2の実施形態では、前記金属層の最外層を構成するNi−Ti又はNi−Ti合金層の一例としてNi−Tiめっき層36を用い、具体的はTi粉をNiめっきで固定した、いわゆるNi−Tiパウダー分散めっきを用いた場合について詳述したが、このNi−Tiパウダー分散めっきに代えて、水素化したTi粉をNiめっきしたものを用いても構わない。この水素化したTi粉をNiめっきを最外層とした場合は、金属層の酸化を防止することができる。
なお、第2の実施形態では、金属基板としてFe基金属基板(例えばステンレス鋼等)を用いた場合について詳述したが、これに限定されるものではなく、Fe基金属基板に代えてNi基金属基板を用いても構わない。
また、第2の実施形態では、最外層をNi−Ti又はNi−Ti合金としたが、この上に更にNi−Ti又はNi−Ti合金の酸化防止を目的として、例えばAu又はAu基合金を備える構成としても、上述した本発明に係る作用・効果は変わるものではない。例えば、中間層をなすNi−Pめっき層32及びCuめっき層35、最外層をなすNi−Tiめっき層36、最外層のさらに外側にAu又はAu基合金として例えば不図示のAuめっき層を設け、これら4層から第二金属結合相23を形成しても構わない。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の単層メタルボンド砥石によれば、金属基板と金属層との間、又は多層の金属層同士の間に、金属元素の相互拡散が発生しているか否かに関わりなく、先ず、金属層をなす中間層の中で最も低融点の金属層を溶融させることで中間層を溶融させて、次に、金属層をなす最内層は溶融させずに、金属層をなす中間層とCr又はCr基合金からなる最外層と界面に共晶組成の液相を発生させて、この液相の液相幅を制御することで過剰の融液を発生させずに、ダイヤモンド砥粒の埋め込み量を調整することができる。
【0042】
また、請求項3に記載の本発明の単層メタルボンド砥石によれば、金属基板と金属層との間、又は多層の金属層同士の間に、金属元素の相互拡散が発生しているか否かに関わりなく、先ず、金属層をなす中間層の中で最も低融点の金属層を溶融させることで中間層を溶融させて、次に、金属層をなす最内層は溶融させずに、金属層をなす中間層とNi−Ti又はNi−Ti合金からなる最外層と界面に共晶組成の液相を発生させて、この液相の液相幅を制御することで過剰の融液を発生させずに、ダイヤモンド砥粒の埋め込み量を調整することができる。
【0043】
上記いずれの構成、すなわち請求項1又は請求項3の構成により、鑞付け前に、多層構造からなる金属層の上に仮固定して配置されたダイヤモンド砥粒21は、溶融しない金属層の最内層からなる第一金属結合相22によりダイヤモンド砥粒の下部表面は仮固定された状態を保ちつつ、溶融した中間層と最外層からなる第二金属結合相23によってダイヤモンド砥粒の中間部表面は鑞付けがなされる。
したがって、ダイヤモンド砥粒はその下部が物理的に保持され、その中間部が物理的に保持されることに加えて、化学的に固着されるので、ダイヤモンド砥粒の保持力を向上させて、研削加工時におけるダイヤモンド砥粒の脱落等を抑制することができる。
【0044】
また、上記いずれの構成の単層メタルボンド砥石は、ダイヤモンド砥粒の中間部が鑞付けされる際に、ダイヤモンド砥粒の下部は物理的に保持されているので、液相によるダイヤモンド砥粒の移動は抑制される。したがって、ダイヤモンド砥粒は、鑞付け前に金属基板上に配置された位置が殆ど変わらないので、鑞付け後に所望の突出量としたダイヤモンド砥粒は、所望の密度や分布で金属基板上に配置することができる。すなわち、本発明に係る単層メタルボンド砥石は、ダイヤモンド砥粒の面内分布の均一化が図れるので、金属基板上に鑞付けされたダイヤモンド砥粒の不均一分布などに起因した研削能力のばらつきや不安性などを解消することができる。ゆえに、この均一な研削処理は、長期安定性に優れた研削装置あるいはプロセスの提供をもたらす。
【0045】
上記請求項1の構成において、金属層の最外層をなすCr若しくはCr基合金層の厚さを0.5μm以上10μm以下の範囲に設定することにより、溶融金属とダイヤモンド砥粒とを反応させ、凝固後に両者の間で強固な化学結合の形成が可能となる。
また上記請求項3の構成において、金属層の最外層をなすNi−Ti又はNi−Ti合金層の厚さを3μm以上15μm以下の範囲に設定することにより、溶融金属とダイヤモンド砥粒とを反応させ、凝固後に両者の間で強固な化学結合の形成が可能となる。
上記請求項3の構成において金属層の最外層をなすNi−Ti又はNi−Ti合金層としては、Ti粉をNiで共析めっきしたもの、いわゆるNi−Tiパウダー分散めっきが好適に用いられる。このTi粉をNiめっきしたものは、ダイヤモンド砥粒の刃先となる上部をTiが被服することがないので、ダイヤモンド砥粒の研削能力の低下を抑制することができる。
【0046】
また、上記請求項3の構成において金属層の最外層をなすNi−Ti又はNi−Ti合金層としては、水素化したTi粉をNiめっきしたもの、いわゆる水素化チタン、チタンハイハライドと呼ばれるものを用いても良い。この水素化したTi粉をNiめっきに含まれるTiは、ダイヤモンド砥粒21のCと化学的に結合する機能の他に、金属層の酸化を防止する機能も併せて備えることができる。
上記いずれの構成、すなわち請求項1又は請求項3の構成による単層メタルボンド砥石では、金属層の中間層のうち少なくとも一層をNiより低い融点をもつ金属材料とするが、その金属材料としては、Ni基合金、Au又はAu基合金、Cu又はCu基合金から選択した少なくとも1種以上の材料で用いられる。これらの金属材料は、適当な組成を選択することにより、金属層の最内層をなすNiに比べて低融点となるので、これらの金属材料からなる中間層が溶融する温度で加熱しても、最内層が殆ど溶融しない状況を作り出すことができる。
中でも、前記金属材料を、Ni−P合金、Cu−Ni−Ti合金、又はCu−Ni−P−Ti合金から選択した少なくとも1種以上の材料とした場合は、ダイヤモンド砥粒のグラファイト化や酸化が始まると言われている900℃を下回る温度で溶融させることができることから、ダイヤモンド砥粒の研削能力を劣化させずにダイヤモンド砥粒を鑞付けできるのでより好ましい。
【0047】
また、上記いずれの構成、すなわち請求項1又は請求項3の構成による単層メタルボンド砥石においても、前記金属層の最内層を構成するNiの厚さは、中間層が溶融した後、最内層は殆ど溶融されずに最外層が積極的に溶融される状況とするためには、10μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましい。
さらに、上記構成からなる単層メタルボンド砥石は、前記金属層がめっきにより前記金属基板の表面上に設けられてなることを特徴としている。これにより、金属層をなす中間層と最外層との界面に金属結合状態を形成することができ、この界面に共晶組成の液相を発生させ易くすることができるので、ダイヤモンド砥粒を鑞付け作業が容易となる。また、めっきに比べて高価な設備を要する蒸着やスパッタ等のいわゆるドライプロセスが不要なことから、比較的安価に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る単層メタルボンド砥石の要部側断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係る単層メタルボンド砥石の製造工程を示す図である。
【図3】 図2に示す単層メタルボンド砥石の製造工程を示すブロック図である。
【図4】 本発明の第2実施形態に係る単層メタルボンド砥石の製造工程を示す図である。
【図5】 図4に示す単層メタルボンド砥石の製造工程を示すブロック図である。
【符号の説明】
10、40 メタルボンド砥石、
11 Ni基又はFe基金属基板、
12 砥粒層、
21 ダイヤモンド砥粒、
22 第一金属結合相、
23 第二金属結合相、
30 金属層、
31 Niめっき層、
32 Ni−Pめっき層(Ni基合金)、
33 Crめっき層(Cr又はCr基合金)、
35 Cuめっき層(Cu又はCu基合金)、
36 Ni−Tiめっき層(Ni−Ti又はNi−Ti合金)。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a single-layer metal bond grindstone formed by, for example, fixing diamond abrasive grains in a single layer, and more particularly to a technique for brazing and holding diamond abrasive grains on a metal substrate.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, for example, as a metal bond grindstone in which diamond abrasive grains are dispersed and arranged on a metal binder phase provided on the surface of a metal substrate, the diamond abrasive grains are fixed to the metal substrate with a metal brazing material, and the diamond abrasive grains are bonded. Metal bond grindstones that are physically and chemically retained are known.
When brazing diamond abrasive grains in such a metal bond grindstone, for example, using metal powder as a metal brazing material, the metal powder is heated on a metal substrate, and between the molten metal powder and diamond abrasive grains. There is known a method in which a wetting reaction is generated and heat-welded.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the manufacturing method of the metal bond grindstone by an example of the above-mentioned prior art, when producing the single layer type metal bond grindstone by arranging the diamond abrasive grains in a single layer on the metal substrate, the following conditions are satisfied. It is required to satisfy.
(1) When diamond abrasive grains are fixed on a metal substrate, each diamond abrasive grain is appropriately projected from the surface of the metal binder phase.
(2) The diamond abrasive grains after fixing should be distributed uniformly so as not to overlap the metal substrate.
(3) Do not leave the cause of falling off of the abrasive grains in the periphery of the diamond abrasive grains after fixing.
[0004]
However, the conventional single-layer metal bond grindstone has the following problems.
(A) When the metal powder and the metal substrate are heated and melted, for example, when the diamond abrasive grains and the metal powder are pressed and pressed, if the outer diameter of the diamond abrasive grains is too larger than the thickness of the metal powder layer, the metal powder Is not sufficiently pressurized, and it becomes impossible to form a compacted state between the diamond abrasive grains and the metal powder, and the connection strength between the diamond abrasive grains and the metal bonded phase is lowered.
(B) On the other hand, when the outer diameter of the diamond abrasive grains is too smaller than the thickness of the metal powder layer, the diamond abrasive grains are fixed by the metal binder phase when arranged so that the entire diamond abrasive grains are embedded in the metal powder. Later, in order to make the diamond abrasive grains protrude from the surface of the metal binder phase, a complicated and difficult process of removing a part of the metal binder phase is required.
[0005]
(C) When the metal powder and the metal substrate are heated and melted, the metal binder phase generated on the metal substrate is in a molten state in the thickness direction, so the diamond abrasive grains are in a molten state. It is easy to move in the layer on the metal substrate. For this reason, after the diamond abrasive grains are fixed with the metal binder phase, the metal powder is not evenly distributed, and there is a strong tendency that a region where the metal powder is densely distributed and a region where the metal powder is distributed sparsely occur. In other words, it was difficult to position the diamond abrasive grains, and temporary fixing was difficult. This non-uniform distribution of diamond abrasive grains is one of the factors that cause uneven processing when grinding using a metal bond grindstone, and therefore, a uniform distribution of diamond abrasive grains has been demanded.
[0006]
(D) Furthermore, in the case of a single-layer metal bond grindstone, fine cracks, so-called cracks, are likely to occur in the metal binder phase around the fixed diamond abrasive grains. The cracks that accompany this brazing are caused by internal stress remaining in the metal binder phase, shrinkage when the liquid phase solidifies, uneven thickness of the metal binder phase, and the melt on the diamond abrasive grains. It is thought that it is generated due to the fact that the metal bonded phase is covered with diamond abrasive grains. This crack induces diamond grains falling off when grinding using a metal bond grindstone, and the dropped abrasive grains are one of the factors that damage the workpiece. Development of metal bond grindstones without cracks in the periphery is expected. Conventionally, a method of suppressing the occurrence of cracks by setting the thickness of the metal bonded phase to a large value has been used. However, the thickness of the metal bonded phase is extremely thin in the single-layer metal bond grindstone having the above-described configuration. A method for preventing the occurrence of cracks has not been found, and a problem remains in long-term stability during use.
[0007]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and in a metal bond grindstone formed by fixing diamond abrasive grains dispersed and arranged in a single layer with a metal binder phase, it is possible to improve the holding power of the diamond abrasive grains. It aims at providing a single layer metal bond grindstone.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems and achieve the object, the single-layer metal bond grindstone of the present invention according to
[0009]
According to the single-layer metal bond grindstone having the above-described configuration, the metal layer having a multilayer structure of at least three or more layers includes Ni as the innermost layer, Cr or Cr-based alloy as the outermost layer, and between the innermost layer and the outermost layer. At least one of the intermediate layers located at is made of a metal material having a melting point lower than that of Ni.
By heating the metal substrate and the metal layer at a temperature lower than the melting point of Ni and higher than the melting point of the metal material, first, a metal material having a lower melting point than Ni among the metal layers having a multilayer structure. In the process of mutual diffusion, a liquid phase having a eutectic composition is generated in the progress of the mutual diffusion. Then, the liquid phase width is expanded so as to incorporate a nearby metal element into the liquid phase, and the outermost layer made of Cr or Cr-based alloy having a small thickness provided on the intermediate layer is melted to include the outermost layer. Braze diamond abrasive grains with molten metal.
[0010]
Alternatively, when an intermediate layer made of, for example, a Ni-P alloy having a lower melting point than Ni forming the innermost layer of the
At that time, the thickness of the Cr or Cr-based alloy constituting the outermost layer of the metal layer is preferably 0.5 μm or more and 10 μm or less. If the thickness of Cr or Cr-based alloy is less than 0.5 μm, there is a problem that the amount of Cr contained in the molten metal is small and the reactivity with diamond is insufficient, and if it is thicker than 10 μm, a thick Cr layer is formed. This is because it takes time and causes uneconomic problems.
[0011]
With the above-described configuration, the diamond abrasive grains that are temporarily fixed on the metal layer having a multilayer structure before brazing are in a state where the lower part of the diamond abrasive grains is temporarily fixed by Ni forming the innermost layer. The diamond abrasive grains are mainly brazed by the melted intermediate layer and outermost layer.
Therefore, according to the single-layer metal bond grindstone according to the present invention, even if the diamond abrasive grains are temporarily fixed and arranged on the metal layer having a multilayer structure before brazing, even after brazing. Since the position of the diamond abrasive grains does not move, the diamond abrasive grains can be provided at a desired density on the metal substrate.
Then, when the diamond abrasive grains are embedded, the whole may be cooled and solidified when a predetermined amount of liquid phase is secured, or a solid phase that crystallizes between the molten metal and the metal substrate may be used. Since the whole may be solidified by enlarging, the amount of diamond abrasive grains embedded can be adjusted to a desired value without generating an excessive melt, for example, by excessively melting the metal substrate. .
[0012]
The single-layer metal bond grindstone of the present invention according to claim 3 forms a metal layer having a multilayer structure of at least three layers on the surface of a Ni-based or Fe-based metal substrate, and the metal layer includes: Ni is the innermost layer, Ni-Ti or Ni-Ti alloy is the outermost layer, and at least one of the intermediate layers located between the innermost layer and the outermost layer is a metal material having a melting point lower than Ni, The metal layer is heated at a temperature lower than the melting point of Ni and higher than the melting point of the metal material to melt only the metal material having the lowest melting point, and at least the outermost layer is caused by erosion due to melting of the metal material. And diamond abrasive grains are brazed with a molten metal including the outermost layer.
[0013]
According to the single-layer metal bond grindstone having the above-described configuration, the metal layer having a multilayer structure of at least three or more layers includes Ni as the innermost layer, Ni—Ti or Ni—Ti alloy as the outermost layer, and the innermost layer and the outermost layer. At least one of the intermediate layers positioned between the two layers is made of a metal material having a melting point lower than that of Ni.
By heating the metal substrate and the metal layer at a temperature lower than the melting point of Ni and higher than the melting point of the metal material, first, a metal material having a lower melting point than Ni among the metal layers having a multilayer structure. In the process of mutual diffusion, a liquid phase having a eutectic composition is generated in the progress of the mutual diffusion. Then, the liquid phase width is expanded by incorporating the nearby metal element into the liquid phase, and the outermost layer made of Ni—Ti or Ni—Ti alloy provided on the intermediate layer is melted to obtain the outermost layer. The diamond abrasive grains are brazed with a molten metal containing an outer layer.
Specifically, in the case where an intermediate layer made of, for example, a Ni-P alloy having a lower melting point than Ni forming the innermost layer of the metal layer is provided, the presence or absence of mutual diffusion of metal elements between the intermediate layers Regardless, by melting only the metal layer made of this Ni-P alloy, that is, the metal layer having the lowest melting point in the intermediate layer, the upper or lower metal layer in the intermediate layer is eroded by the generated melt, Interdiffusion at a relatively high diffusion rate is generated between these metal layers, and a liquid phase having a eutectic composition is generated in the alloy portion or the diffusion layer due to erosion. Then, by expanding the liquid phase width so as to incorporate a nearby metal element into this liquid phase, the outermost layer made of Ni-Ti or Ni-Ti alloy having a thin thickness provided on the intermediate layer is melted, Finally, diamond abrasive grains are brazed with molten metal including the outermost layer.
[0014]
At that time, the thickness of the Ni—Ti or Ni—Ti alloy forming the outermost layer of the metal layer is preferably 3 μm or more and 15 μm or less. If the thickness of the Ni-Ti or Ni-Ti-based alloy is less than 3 μm, the proportion of Ti contained in the final melt is low and the reactivity between the molten metal and diamond is insufficient. This is because there is a problem that the surface becomes rough without improving the force.
In the single-layer metal bond grindstone having the above-described configuration, the Ni—Ti or Ni—Ti alloy layer constituting the outermost layer of the metal layer is preferably obtained by eutecting Ti powder by Ni plating. When Ti powder is co-deposited with Ni plating, Ti does not cover the upper part of the diamond abrasive grains, so that a reduction in the grinding ability of the diamond abrasive grains can be prevented.
The Ni—Ti or Ni—Ti alloy layer constituting the outermost layer of the metal layer may be a Ni-plated hydrogenated Ti powder. The outermost layer obtained by Ni plating the hydrogenated Ti powder can prevent oxidation of the metal layer.
[0015]
In the single-layer metal bond grindstone having the above-described configuration, at least one material selected from Ni-based alloy, Au or Au-based alloy, Cu or Cu-based alloy is preferably used as the metal material constituting the intermediate layer of the metal layer. Used. By selecting an appropriate composition, these metal materials have a lower melting point than Ni that forms the innermost layer of the metal layer. As a specific example of such a metal material, Ni-P alloy (eutectic point 880 ° C.)
, Au (melting point 1064 ° C.), Au—Ni alloy (eutectic point 950 ° C.), Cu (melting point 1083 ° C.), Cu—Ni—Ti alloy (eutectic point 880 ° C.), Cu—Ni—P—Ti alloy ( 850 ° C.). Here, the numbers in parentheses represent melting points or eutectic points.
Among them, Ni-P alloy, Cu-Ni-Ti alloy, or Cu-Ni-P-Ti alloy melts at a temperature below 900 ° C., which is said to start graphitization and oxidation of diamond abrasive grains containing C. Therefore, the diamond abrasive grains can be brazed without deteriorating the grinding ability of the diamond abrasive grains, which is more preferable.
[0016]
Further, in the single-layer metal bond grindstone of the present invention according to
Furthermore, the single-layer metal bond grindstone having the above-described configuration is characterized in that the metal layer is provided on the surface of the metal substrate by plating. When a metal layer is formed on a metal substrate by plating, a metal bonded state can be formed at the interface between the intermediate layer forming the metal layer and the outermost layer, and a liquid phase having a eutectic composition can be easily generated at this interface. Therefore, the work of brazing diamond abrasive grains can be facilitated.
In addition, since the single-layer metal bond grindstone having the above-described configuration can be produced only by plating that is a wet process, it is necessary to use a so-called dry process such as vapor deposition or sputtering that requires expensive equipment compared to plating, or to mix them. Since it does not exist, it has the advantage that it can be manufactured by a relatively inexpensive process.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a single-layer metal bonded magnet according to a first embodiment of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings. FIG. 1 is a side sectional view of a main part of a single-layer metal bonded
The single-layer
On the surface of the Fe-based
With the above-described configuration, the diamond
[0018]
Therefore, according to the single layer
That is, the diamond
[0019]
In order to control the amount of the exposed portion, when the diamond
The single-layer
First, as shown in FIG. 2A, on the surface of an Fe-based metal substrate (for example, stainless steel or the like) 11, a
[0020]
Next, in an inert gas atmosphere, for example, below the melting point of the
In addition, when heating temperature exceeds 1200 degreeC, the problem that the carbonization or oxidation of the diamond
Next, the
[0021]
Then, a liquid phase of this eutectic composition (for example, Ni-10 wt% P-14 wt% Cr) is generated, and the liquid phase is expanded so that the liquid phase takes in a nearby metal element. The two plating layers, that is, the Ni-
At this time, the Ni-plated
Then, the surface of the intermediate part of the diamond
When the predetermined amount of liquid phase is secured, the Fe-based
[0022]
As described above, according to the method for manufacturing the single-layer
.
Therefore, according to the method for manufacturing the single-layer
[0023]
In other words, according to the manufacturing method of the single-layer
Moreover, the eutectic point can be further lowered by increasing the number of pure components constituting the eutectic composition, such as ternary eutectic, quaternary eutectic,. This contributes to reducing the heat temperature of the diamond
As a result, as shown in FIG. 2 (b), on the surface of the Fe-based metal substrate (for example, stainless steel or the like) 11, the
[0024]
In the present embodiment, the intermediate layer forming the second metal bonded phase 23 is composed of, for example, the Ni—
Specifically, besides Ni—P alloy (eutectic point 880 ° C.), Au (melting point 1064 ° C.), Au—Ni alloy (eutectic point 950 ° C.), Cu (melting point 1083 ° C.), Cu—Ni—Ti An alloy (eutectic point 880 ° C.), a Cu—Ni—P—Ti alloy (850 ° C.) and the like can be mentioned. Among them, Ni-P alloy, Cu-Ni-Ti alloy, or Cu-Ni-P-Ti alloy melts at a temperature below 900 ° C., which is said to start graphitization and oxidation of diamond abrasive grains containing C. Therefore, damage caused by heat of the diamond
[0025]
In the present embodiment, the intermediate layer forming the second metal bonded phase 23 has been described using a single layer made of, for example, a Ni-
Further, in the present embodiment, an example in which an Fe-based metal substrate (for example, stainless steel) 11 is used as the metal substrate is shown. In this case, Fe is excellent in corrosion resistance in an oxidizing environment such as nitric acid or hydrogen peroxide acid, or in a neutral environment such as sulfuric acid, and can contribute to extending the life of the single-layer
[0026]
Moreover, in this embodiment, although it heated to predetermined temperature in a vacuum atmosphere, it is not limited to this, For example, you may heat in an inert gas atmosphere.
In this embodiment, the outermost layer is made of Cr or a Cr-based alloy. However, for the purpose of preventing oxidation of the Cr or Cr-based alloy on the outermost layer, for example, the above-described book may be provided with Au or an Au-based alloy. The actions and effects according to the invention do not change. For example, an Ni-
[0027]
Below, the manufacturing method of the single layer
The second embodiment differs from the first embodiment described above in the following two points.
(1) The intermediate layer forming the metal layer was changed from a single layer to two layers.
Specifically, the Ni—P plating layer 32 (FIG. 2) used for the intermediate layer in the first embodiment described above is replaced with two layers of Ni—
(2) The outermost layer forming the metal layer was changed from Cr or Cr-based alloy to Ni—Ti or Ni—Ti alloy.
Specifically, the Cr plating layer 33 (FIG. 2) used for the outermost layer in the first embodiment described above was replaced with the Ni—Ti plating layer 36 (FIG. 4) in the second embodiment.
Other points are the same as those in the first embodiment.
[0028]
First, as shown in FIG. 4A, an
Thereby, the interface between the Fe-based
As a result, as shown in FIG. 4B, on the surface of the Fe-based metal substrate (for example, stainless steel) 11, the
[0029]
The Ti in the Ni—
Further, the Ni-
[0030]
Here, the thickness of the portion composed of the Ni—P plating layer 34 and the
Next, in a vacuum atmosphere, for example, below the melting point of the
In addition, when heating temperature exceeds 1200 degreeC, the problem that the carbonization or oxidation of the diamond
[0031]
Next, the
Then, a liquid phase having the ternary composition of Ni—Cu—P is generated, and the liquid phase is expanded so that the liquid phase takes in a nearby metal element, so that two intermediate layers, that is, Ni—P plating are formed. The
At this time, the Ni-plated
[0032]
Next, the Ni—
Then, a liquid phase of this composition is generated, and the liquid phase is expanded so that the liquid phase takes in a nearby metal element, and finally, three plating layers, that is, a Ni-P plating layer that forms an
[0033]
At that time, by providing the Ni—
Then, the surface of the intermediate part of the diamond
[0034]
Finally, when a predetermined amount of liquid phase is secured, the molten metal liquid phase is solidified by cooling the Fe-based
As described above, according to the manufacturing method of the single-layer
[0035]
Therefore, according to the method for manufacturing the single-layer
That is, the single-layer
[0036]
In other words, according to the method for manufacturing the single-layer
[0037]
In addition, the diamond
At that time, since the first metal bonded phase 22 located under the second metal bonded phase 23 hardly becomes a liquid phase, the first metal bonded phase 22 was temporarily fixed on the
According to the configuration of FIG. 4 (b), the outermost layer of the metal layer is Ni-Ti or Ni-Ti alloy layer with Ti powder plated with Ni, so-called Ni-Ti powder dispersion plating, so that diamond Since Ti does not cover the upper part that is the cutting edge of the
[0038]
Therefore, the single-layer
In the above-described modification, the case of a quaternary eutectic has been described as an example. However, by increasing the number of each pure component constituting the eutectic composition, a quinary eutectic, a hexene eutectic,. The eutectic point can be further reduced. Since this suggests that brazing is possible even at a lower heating temperature, according to the present modification, the damage caused by heat of the diamond
[0039]
In the second embodiment, the intermediate layer forming the second metal bonded phase 23 is composed of, for example, the Ni-
Specifically, in addition to Ni—P alloy (eutectic point 880 ° C.) and Cu (melting point 1083 ° C.), Au (melting point 1064 ° C.), Au—Ni alloy (eutectic point 950 ° C.), Cu—Ni—Ti An alloy (eutectic point 880 ° C.), a Cu—Ni—P—Ti alloy (850 ° C.) and the like can be mentioned. Among them, Ni-P alloy, Cu-Ni-Ti alloy, or Cu-Ni-P-Ti alloy melts at a temperature below 900 ° C., which is said to start graphitization and oxidation of diamond abrasive grains containing C. Therefore, it contributes to the reduction of damage caused by heat of the diamond
[0040]
In the second embodiment, the Ni—
In the second embodiment, the case where an Fe-based metal substrate (for example, stainless steel) is used as the metal substrate has been described in detail. However, the present invention is not limited to this, and the Ni-based substrate is used instead of the Fe-based metal substrate. A metal substrate may be used.
In the second embodiment, the outermost layer is made of Ni—Ti or Ni—Ti alloy. However, for the purpose of preventing oxidation of Ni—Ti or Ni—Ti alloy, for example, Au or Au-based alloy is used. Even if the configuration is provided, the above-described operations and effects of the present invention do not change. For example, a Ni-
[0041]
【The invention's effect】
As described above, according to the single-layer metal bond grindstone of the present invention according to
[0042]
According to the single layer metal bond grindstone of the present invention according to claim 3, whether or not interdiffusion of metal elements occurs between the metal substrate and the metal layer or between the multilayer metal layers. Regardless of whether the metal layer having the lowest melting point is melted first, the intermediate layer is melted, and then the innermost layer forming the metal layer is not melted. A liquid phase of eutectic composition is generated at the interface between the intermediate layer and the outermost layer made of Ni-Ti or Ni-Ti alloy, and an excessive melt is generated by controlling the liquid phase width of this liquid phase. Without doing so, the amount of diamond abrasive grains embedded can be adjusted.
[0043]
With any of the above-described configurations, that is, the configuration of
Therefore, the diamond abrasive grains are chemically held in addition to the lower part being physically held and the middle part being physically held, so that the holding power of the diamond abrasive grains is improved and grinding is performed. Dropping off of diamond abrasive grains during processing can be suppressed.
[0044]
In addition, the single-layer metal bond grindstone of any of the above configurations physically holds the lower part of the diamond abrasive grain when the intermediate part of the diamond abrasive grain is brazed. Movement is suppressed. Therefore, the position of the diamond abrasive grains placed on the metal substrate before brazing is almost unchanged, so that the diamond abrasive grains having a desired protruding amount after brazing are arranged on the metal substrate with a desired density and distribution. can do. That is, the single-layer metal bond grindstone according to the present invention can make the in-plane distribution of diamond abrasive grains uniform, so that the grinding ability variation due to the non-uniform distribution of diamond abrasive grains brazed on the metal substrate And anxiety can be resolved. Therefore, this uniform grinding process provides a grinding apparatus or process having excellent long-term stability.
[0045]
In the configuration of
In the structure of claim 3, the thickness of the Ni—Ti or Ni—Ti alloy layer forming the outermost layer of the metal layer is set in the range of 3 μm or more and 15 μm or less to react the molten metal with the diamond abrasive grains. It is possible to form a strong chemical bond between the two after solidification.
As the Ni—Ti or Ni—Ti alloy layer forming the outermost layer of the metal layer in the above-mentioned configuration of the third aspect, a Ni powder Ti-eutectoid plated with Ni, so-called Ni—Ti powder dispersion plating is preferably used. In this Ni powder plated with Ti, Ti does not cover the upper part which is the cutting edge of the diamond abrasive grains, so that it is possible to suppress a decrease in the grinding ability of the diamond abrasive grains.
[0046]
In the structure of claim 3, the Ni-Ti or Ni-Ti alloy layer forming the outermost layer of the metal layer is a Ni-plated hydrogenated Ti powder, so-called titanium hydride or titanium high halide. May be used. Ti contained in the Ni plating of the hydrogenated Ti powder can be provided with a function of preventing the metal layer from being oxidized in addition to the function of chemically bonding with C of the diamond
In the single-layer metal bond grindstone according to any of the above-described structures, that is, the structure of
Among these, when the metal material is at least one material selected from Ni-P alloy, Cu-Ni-Ti alloy, or Cu-Ni-P-Ti alloy, the diamond abrasive grains are graphitized or oxidized. Since it can be melted at a temperature lower than 900 ° C., which is said to start, diamond abrasive grains can be brazed without deteriorating the grinding ability of the diamond abrasive grains, which is more preferable.
[0047]
Further, in any of the above-described configurations, that is, in the single-layer metal bond grindstone according to the configuration of
Furthermore, the single-layer metal bond grindstone having the above-described configuration is characterized in that the metal layer is provided on the surface of the metal substrate by plating. As a result, a metal bond state can be formed at the interface between the intermediate layer and the outermost layer forming the metal layer, and a liquid phase having a eutectic composition can be easily generated at this interface. Attaching work becomes easy. In addition, since a so-called dry process such as vapor deposition or sputtering that requires expensive equipment compared to plating is unnecessary, it can be manufactured at a relatively low cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side sectional view of an essential part of a single-layer metal bond grindstone according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a manufacturing process of a single-layer metal bond grindstone according to the first embodiment of the present invention.
3 is a block diagram showing manufacturing steps of the single-layer metal bond grindstone shown in FIG. 2. FIG.
FIG. 4 is a diagram showing a manufacturing process of a single-layer metal bond grindstone according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a block diagram showing a manufacturing process of the single-layer metal bond grindstone shown in FIG.
[Explanation of symbols]
10, 40 Metal bond whetstone,
11 Ni-based or Fe-based metal substrate,
12 abrasive layer,
21 Diamond abrasive grains,
22 first metal bonded phase,
23 second metal bonded phase,
30 metal layer,
31 Ni plating layer,
32 Ni-P plating layer (Ni-based alloy),
33 Cr plating layer (Cr or Cr-based alloy),
35 Cu plating layer (Cu or Cu-based alloy),
36 Ni-Ti plating layer (Ni-Ti or Ni-Ti alloy).
Claims (10)
前記金属層は、最内層をNi、最外層をCr若しくはCr基合金、この最内層と最外層との間に位置する中間層のうち少なくとも一層をNiより低い融点をもつ金属材料とし、
前記金属基板及び前記金属層を、Niの融点よりは低く、前記金属材料の融点よりは高い温度で加熱して、
最も低融点な前記金属材料のみを先ず溶融させ、前記金属材料の溶融による侵食作用により少なくとも前記最外層を溶融させて、
前記最外層を含む溶融金属によりダイヤモンド砥粒を鑞付けしてなることを特徴とする単層メタルボンド砥石。Forming a metal layer having a multilayer structure of at least three layers on the surface of the Ni-based or Fe-based metal substrate;
In the metal layer, the innermost layer is Ni, the outermost layer is Cr or a Cr-based alloy, and at least one of the intermediate layers located between the innermost layer and the outermost layer is a metal material having a melting point lower than Ni.
The metal substrate and the metal layer are heated at a temperature lower than the melting point of Ni and higher than the melting point of the metal material,
Only the metal material having the lowest melting point is melted first, and at least the outermost layer is melted by erosion due to melting of the metal material,
A single-layer metal bond grindstone, wherein diamond abrasive grains are brazed with molten metal including the outermost layer.
前記金属層は、最内層をNi、最外層をNi−Ti若しくはNi−Ti合金、最内層と最外層との間に位置する中間層のうち少なくとも一層をNiより低い融点をもつ金属材料とし、
前記金属基板及び前記金属層を、Niの融点よりは低く、前記金属材料の融点よりは高い温度で加熱して、
最も低融点な前記金属材料のみを先ず溶融させ、前記金属材料の溶融による侵食作用により少なくとも前記最外層を溶融させて、
前記最外層を含む溶融金属によりダイヤモンド砥粒を鑞付けしてなることを特徴とする単層メタルボンド砥石。Forming a metal layer having a multilayer structure of at least three layers on the surface of the Ni-based or Fe-based metal substrate;
In the metal layer, the innermost layer is Ni, the outermost layer is Ni-Ti or Ni-Ti alloy, and at least one of the intermediate layers located between the innermost layer and the outermost layer is a metal material having a melting point lower than Ni.
The metal substrate and the metal layer are heated at a temperature lower than the melting point of Ni and higher than the melting point of the metal material,
Only the metal material having the lowest melting point is melted first, and at least the outermost layer is melted by erosion due to melting of the metal material,
A single-layer metal bond grindstone, wherein diamond abrasive grains are brazed with molten metal including the outermost layer.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000347984A JP4341173B2 (en) | 2000-11-15 | 2000-11-15 | Single layer metal bond grinding wheel |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000347984A JP4341173B2 (en) | 2000-11-15 | 2000-11-15 | Single layer metal bond grinding wheel |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002154058A JP2002154058A (en) | 2002-05-28 |
JP4341173B2 true JP4341173B2 (en) | 2009-10-07 |
Family
ID=18821633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000347984A Expired - Fee Related JP4341173B2 (en) | 2000-11-15 | 2000-11-15 | Single layer metal bond grinding wheel |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4341173B2 (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104209875A (en) * | 2014-09-26 | 2014-12-17 | 郑州磨料磨具磨削研究所有限公司 | Superhard grinding tool and preparation method thereof |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
MY151755A (en) * | 2007-12-28 | 2014-06-30 | Shinetsu Chemical Co | Outer blade cutting wheel and making method |
US9194189B2 (en) | 2011-09-19 | 2015-11-24 | Baker Hughes Incorporated | Methods of forming a cutting element for an earth-boring tool, a related cutting element, and an earth-boring tool including such a cutting element |
US10786875B2 (en) * | 2014-07-02 | 2020-09-29 | Raytheon Technologies Corporation | Abrasive preforms and manufacture and use methods |
-
2000
- 2000-11-15 JP JP2000347984A patent/JP4341173B2/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104209875A (en) * | 2014-09-26 | 2014-12-17 | 郑州磨料磨具磨削研究所有限公司 | Superhard grinding tool and preparation method thereof |
CN104209875B (en) * | 2014-09-26 | 2016-08-24 | 郑州磨料磨具磨削研究所有限公司 | A kind of superhard material grinding tool and preparation method thereof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002154058A (en) | 2002-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN1684801B (en) | Molten braze coated superabrasive particles and associated methods | |
JP3166856B2 (en) | Powder metallurgy repair method | |
EP0174984B1 (en) | Liquid phase bonded amorphous materials and process for preparation thereof | |
US7541561B2 (en) | Process of microwave heating of powder materials | |
JP4791121B2 (en) | Polishing cloth dresser | |
CN110666396A (en) | Strip-shaped brazing material for titanium alloy medium-low temperature brazing, preparation method and brazing method | |
JP2008221406A (en) | Fixed abrasive grain type wire saw and its manufacturing method | |
JP4245924B2 (en) | Electronic component package and manufacturing method thereof | |
TW201213028A (en) | Surface brazing method of aluminum alloy components | |
WO2006104025A1 (en) | Brazing filler material, composite material for brazing and brazed structure joined by using those | |
SE439610B (en) | PROCEDURE FOR BINDING A DIAMOND OR CUBIC BORN NUTRIDGE PRESSURE BODY WITH ANOTHER SUCH PRESSURE BODY | |
TWI703645B (en) | Welded joint and method for forming the welded joint | |
JP4341173B2 (en) | Single layer metal bond grinding wheel | |
WO2021079971A1 (en) | Method for manufacturing continuous casting mold | |
US7658315B2 (en) | Process of brazing superalloy components | |
CN113732560B (en) | Nickel-chromium-based welding wire capable of effectively controlling heat cracking, method and groove form | |
JP3702171B2 (en) | Manufacturing method of laminated heat-resistant alloy sheet | |
JP2005187944A (en) | Wear-resistant mechanical component and method of producing the same | |
JP2005000940A (en) | Brazing filler of multi-layer lamination type, and method for brazing-repair | |
JP2006305659A (en) | Dresser for polishing cloth | |
CN115229382A (en) | High-entropy brazing filler metal for brazing composite material and high-temperature alloy, preparation method of high-entropy brazing filler metal and method for brazing high-temperature alloy | |
JP2002154059A (en) | Single layer metal bond grinding tool and manufacturing method therefor | |
JP2002001670A (en) | Single-layer metal bonded grinding wheel | |
JP2002001669A (en) | Single-layer metal bonded grinding wheel | |
TW202206230A (en) | Dresser for abrasive cloth |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060331 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090616 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090629 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130717 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |