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JP4239682B2 - ローラクラッチ及びローラクラッチ内蔵型プーリ装置 - Google Patents

ローラクラッチ及びローラクラッチ内蔵型プーリ装置 Download PDF

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JP4239682B2 JP2003144211A JP2003144211A JP4239682B2 JP 4239682 B2 JP4239682 B2 JP 4239682B2 JP 2003144211 A JP2003144211 A JP 2003144211A JP 2003144211 A JP2003144211 A JP 2003144211A JP 4239682 B2 JP4239682 B2 JP 4239682B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車用発電機であるオルタネータ、或はコンプレッサ、スタータモータ等の自動車用補機の回転軸の端部に固定するプーリ装置や、各種回転機械装置の回転伝達部に使用するプーリ装置に組み込むローラクラッチと、これら各プーリ装置として使用可能な、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置との改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用のオルタネータ等の補機を駆動する為のプーリ装置として、例えば、特許文献1、2に記載されている様に、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置が知られている。図3〜4は、オルタネータを駆動する為のプーリ装置として、上記各特許文献に記載される等により従来から知られているローラクラッチ内蔵型プーリ装置の1例を示している。このローラクラッチ内蔵型プーリ装置1は、オルタネータの回転軸に外嵌固定自在な、内径側部材であるスリーブ2を有する。又、このスリーブ2の周囲に、外径側部材である従動プーリ3を、このスリーブ2と同心に配置している。そして、これらスリーブ2の外周面と従動プーリ3の内周面との間に、1対のサポート軸受4、4とローラクラッチ5とを設けている。
【0003】
上記スリーブ2は、全体を円筒状に形成しており、上記オルタネータの回転軸の端部に固定して、この回転軸と共に回転自在である。この為に図示の例では、上記スリーブ2の内周面中間部にねじ孔部6を形成し、このねじ孔部6と上記回転軸の先端部外周面に設けた雄ねじ部とを螺合自在としている。又、上記スリーブ2の外周面の中央部には、同じく両端部よりも外径寸法の大きな大径部7を設けている。
【0004】
一方、上記従動プーリ3の外周面は、幅方向に関する断面形状を波形として、ポリVベルトと呼ばれる無端ベルトの一部を掛け渡し自在としている。そして、上記スリーブ2の外周面と上記従動プーリ3の内周面との間に存在する空間の軸方向中間部に上記ローラクラッチ5を、同じくこの空間の軸方向両端部でこのローラクラッチ5を軸方向両側から挟む位置に上記サポート軸受4、4を、それぞれ配置している。このうちのサポート軸受4、4は、上記従動プーリ3に加わるラジアル荷重を支承しつつ、この従動プーリ3と上記スリーブ2との相対回転を自在とする。図示の例では、これら各サポート軸受4、4として、それぞれ単列深溝型の玉軸受を使用している。
【0005】
又、上記ローラクラッチ5は、上記従動プーリ3が上記スリーブ2に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これら従動プーリ3とスリーブ2との間での回転力の伝達を自在とする。この様なローラクラッチ5は、内輪相当部材であるクラッチ用内輪8と、外輪相当部材であるクラッチ用外輪9と、複数本のローラ10、10と、クラッチ用保持器11と、複数のばね12とから成る。このうちのクラッチ用内輪8及びクラッチ用外輪9は、それぞれ軸受鋼又はSCM415の如き浸炭鋼等の硬質金属製の板材により全体を円筒状に形成している。そして、上記クラッチ用内輪8を上記スリーブ2の大径部7の外周面に、上記クラッチ用外輪9を上記従動プーリ3の中間部内周面に、それぞれ締り嵌めにより嵌合固定している。又、上記クラッチ用外輪9の内周面のうち、少なくとも上記各ローラ10、10と当接する中間部を、円筒面13としている。これと共に、上記クラッチ用内輪8の外周面をカム面14としている。即ち、このクラッチ用内輪8の外周面にそれぞれがランプ部と呼ばれる複数の凹部15を、円周方向に関し等間隔に形成して、このクラッチ用内輪8の外周面を上記カム面14としている。
【0006】
そして、このカム面14と上記円筒面13との間の円筒状空間22内に、上記クラッチ用保持器11と、上記複数ずつのローラ10、10及びばね12とを設けている。このうちのクラッチ用保持器11は、合成樹脂(例えば、ポリアミド46等の合成樹脂にガラス繊維を20%程度混入したもの)により籠型円筒状に一体形成したもので、それぞれが円環状である1対のリム部16、16と、これら両リム部16、16の内側面内周縁寄り部分同士を連結する柱部とを備える。この様なクラッチ用保持器11は、上記両リム部16、16の内周面に形成した各突片17、17を上記カム面14を構成する各凹部15に係合させる事により、上記クラッチ用内輪8に対する相対回転を不能にしている。これと共に、軸方向端部(図3の左端部)内周面に形成した凸部18を、上記スリーブ2の大径部7の端部に全周に亙り形成した外向フランジ状の鍔部19と上記クラッチ用内輪8との間で挟持する事により、軸方向に関する位置決めを図っている。
【0007】
又、上記クラッチ用保持器11の円周方向複数個所に存在するポケット20、20内には、上記各ローラ10、10を、転動並びに円周方向に関する若干の変位自在に設けている。更に、上記クラッチ用保持器11の円周方向複数個所には、上記各ローラ10、10と同数の上記各ばね12を係止している。これら各ばね12は、SUS304等のステンレス鋼製の板材(弾性金属板)に折り曲げ加工を施す事により形成している。この様に各ばね12を上記クラッチ用保持器11に係止した状態では、これら各ばね12を構成する押圧部21が、それぞれ上記各ローラ10、10の転動面の軸方向両側部分に弾性的に当接する。そして、上記各ばね12によりこれら各ローラ10、10を、前記円筒面13とカム面14との間の円筒状空間22の径方向に関する幅の狭い部分に向け、円周方向に関して同方向に弾性的に押圧する。この結果、後述する運転時に、上記ローラクラッチ5のロック状態とオーバーラン状態との切り換えを迅速に行なえる様になる。
【0008】
上述の様に構成するローラクラッチ内蔵型プーリ装置1の作用は、次の通りである。先ず、前記クラッチ用内輪8を嵌合固定した上記スリーブ2に対して、前記クラッチ用外輪9を嵌合固定した上記従動プーリ3が、上記各ばね12による上記各ローラ10、10の押圧方向と同方向に回転する場合には、上記円筒面13及びカム面14から上記各ローラ10、10に、上記押圧方向と同方向の力が作用する。この結果、上記各ローラ10、10が上記円筒状空間22の径方向に関する幅の狭い部分に向け変位し、当該部分にくさび状に食い込む。この結果、上記従動プーリ3と上記スリーブ2との間で回転力の伝達が自在(ロック状態)となり、これら両部材2、3が同期して回転する様になる。
【0009】
これに対し、上記スリーブ2に対して上記従動プーリ3が上記押圧方向と反対方向に回転する場合には、上記円筒面13から上記各ローラ10、10に、上記押圧方向と反対方向の力が作用する。この結果、これら各ローラ10、10が上記円筒状空間22の径方向に関する幅の広い部分に向け変位する傾向となる。又、この際に上記各ローラ10、10は、上記各ばね12を構成する押圧部21を撓ませる。そして、上述の様に幅の広い部分に向け変位した各ローラ10、10は、当該部分で転動自在となる。この結果、上記従動プーリ3と上記スリーブ2との間で回転力の伝達が不能(オーバーラン状態)となり、これら両部材2、3が相対回転する様になる。
【0010】
尚、上述の様なローラクラッチ5を構成する場合、上記各ローラ10、10と当接する上記円筒面13及びカム面14は、それぞれ前記従動プーリ3の内周面及び上記スリーブ2の外周面に直接形成する場合もある。又、円筒面13とカム面14との径方向に関する配置は、図5に示す様に、上述した構造と逆にする場合もある。即ち、クラッチ用外輪9aの内周面にカム面14を、クラッチ用内輪8aの外周面に円筒面13をそれぞれ形成する場合もある。この場合、クラッチ用外輪9aが、各ばね12による各ローラ10の押圧方向と逆方向に回転する場合にロック状態となり、この押圧方向と同方向に回転する場合にオーバーラン状態となる。
【0011】
上述の様に構成されるローラクラッチ内蔵型プーリ装置1は、例えば、オルタネータの回転軸の端部に固定される。そして、上記従動プーリ3とエンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリとの間に掛け渡される無端ベルトと、上記従動プーリ3とが、このクランクシャフトの回転角速度の変動により擦れ合う事を防止する。この結果、鳴きと呼ばれる異音の発生や摩耗による上記無端ベルトの寿命低下を防止すると共に、上記クランクシャフトの回転速度が急激に低下した場合にも、上記オルタネータの回転軸の回転速度が急激に低下する事を防止して、このオルタネータの発電量の増大を図れる。これらの作用に就いては従来から広く知られている為、詳しい説明は省略する。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−174270
【特許文献2】
特開2000−240687
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置1がオーバーラン状態の時は、上記各ローラ10、10の転動面と上記円筒面13とが転がり接触を含んだ状態で滑り接触する。この様な滑り接触により生じる摩擦に基づいて、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置1の性能が早期に低下したり、このローラクラッチ内蔵型プーリ装置1のオーバーラン時の回転トルクが増大する場合がある。
【0014】
上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置1を、複写機等の回転伝達部の様に、従動プーリ3の回転速度がそれ程上昇しない様な装置に組み込んだ場合、上記各ローラ10、10の転動面と上記円筒面13との摩擦は限られたものである。これに対して、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置1を、オルタネータ等の様に、従動プーリ3の回転速度が高速になる様な装置に組み込んだ場合、この従動プーリ3の角速度変動が大きい為、クラッチ用内輪8とクラッチ用外輪9との相対角速度が大きくなり、各ローラ10、10の転動面と円筒面13との摩擦が大きくなる。
【0015】
特に、前記図3〜4に示した様に、クラッチ用内輪8の外周面にカム面14を、クラッチ用外輪9の内周面に円筒面13をそれぞれ形成した構造の場合、上記各ローラ10、10の公転速度の上昇に伴ってこれら各ローラ10、10に作用する遠心力が大きくなると、これら各ローラ10、10の転動面と上記円筒面13との接触部での接触荷重が増大する。そして、この接触部での摩擦が大きくなる。即ち、これら各ローラ10、10に作用する遠心力が大きくなった場合、前述の図5に示した構造によれば、各ローラ10、10が凹部15の底に向け移動し、これら各ローラ10、10の転動面とクラッチ用内輪8aの外周面である円筒面13とが離れる傾向となる。これに対して上記図3〜4に示した構造の場合、この様な作用が生じない為、上記各ローラ10、10と上記円筒面13との接触部での接触荷重が、これら各ローラ10、10に作用する遠心力が大きくなる程大きくなり、この接触部での摩擦も大きくなる。
【0016】
又、オーバーラン時には、上記各ローラ10、10の転動面と上記円筒面13との摩擦により、これら各ローラ10、10が自転する。この為、これら各ローラ10、10と、これら各ローラ10、10を押圧する前記各ばね12の押圧部21との接触部での摩擦も問題となる。特に、上記各ローラ10、10の転動面と上記円筒面13との接触部での接触荷重が大きいと、これら各ローラ10、10の自転速度が速くなり、これら各ローラ10、10の転動面と上記各ばね12の押圧部21との接触部での摩擦が大きくなる。
【0017】
上述の様に、各ローラ10、10の転動面と上記円筒面13との接触部、及び、これら各ローラ10、10の転動面と上記各ばね12の押圧部21との接触部での摩擦が大きいと、これら各ローラ10、10の転動面や上記円筒面13、上記押圧部21での摩耗量が増大して、上記ローラクラッチ内蔵型プーリ装置1の性能が早期に低下する。又、オーバーラン時の回転トルクが増大して、このローラクラッチ内蔵型プーリ装置1を組み込む各種機械装置の効率を悪化させる。
本発明のローラクラッチ及びローラクラッチ内蔵型プーリ装置は、上述の様な事情に鑑み、オーバーラン時の、各ローラの転動面と円筒面との接触部、及び、これら各ローラの転動面とばねの押圧部との接触部での摩擦を小さくすべく発明したものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明のローラクラッチ及びローラクラッチ内蔵型プーリ装置のうち、請求項1に記載したローラクラッチは、外輪相当部材と、内輪相当部材と、カム面と、円筒面と、複数本のローラと、保持器と、複数のばねとを備える。
このうちの内輪相当部材は、上記外輪相当部材の内側に、この外輪相当部材と同心に配置されている。
又、上記カム面は、上記外輪相当部材の内周面と内輪相当部材の外周面とのうちの一方の周面に形成されたもので、円周方向に亙る凹凸である。
又、上記円筒面は、同じく他方の周面に形成されている。
又、上記各ローラは、上記カム面と円筒面との間の円筒状空間内に設けられている。
又、上記保持器は、上記カム面を形成した部材に対する回転を不能として上記円筒状空間内に配置され、上記各ローラを転動並びに円周方向に関する若干の変位自在に保持するものである。
又、上記各ばねは、それぞれが上記保持器と上記各ローラとの間に設けられ、これら各ローラを上記円筒状空間の径方向の幅が狭い部分に向け、円周方向に関して同方向に押圧するものである。
特に、請求項1に記載したローラクラッチに於いては、上記各ばねにより、上記各ローラを上記円筒面から離れる方向に押圧すると共に、この方向に押圧する力を、これら各ローラが上記円筒状空間の径方向の幅が広い部分に移動する程大きくするべく、上記各ばねを、上記保持器に固定された固定部と、この固定部の端部から上記円筒状空間の径方向に関して上記カム面側に向けて折り曲げられ、上記各ローラを押圧する押圧部と、この押圧部と上記固定部とを連続させる折れ曲がり部とから構成している。そして、このうちの折れ曲がり部を、上記円筒状空間の径方向に関して、上記各ローラの中心よりも上記円筒面側に位置させると共に、上記押圧部を、先端側に向かう程上記円筒状空間の円周方向に関して上記各ローラから離れる方向に傾斜させている
【0019】
又、請求項2に記載したローラクラッチ内蔵型プーリ装置は、内径側部材と、外径側部材と、ローラクラッチと、サポート軸受とを備える。
このうちの内径側部材は、回転軸の端部に固定する。
又、上記外径側部材は、この内径側部材の周囲にこの内径側部材と同心に配置され、外周面にベルトを掛け渡す為のベルト溝を設けた、円筒状のものである。
又、上記ローラクラッチは、上記内径側部材の外周面と外径側部材の内周面との間に設けられ、この外径側部材がこの内径側部材に対し所定方向に相対回転する傾向となる場合のみ、これら外径側部材と内径側部材との間での回転力の伝達を自在とするものである。
又、上記サポート軸受は、上記ローラクラッチに隣接する位置で上記内径側部材の外周面と上記外径側部材の内周面との間に設けられ、この外径側部材に加わるラジアル荷重を支承しつつこれら内径側部材と外径側部材との相対回転を自在とする。
特に、請求項2に記載したローラクラッチ内蔵型プーリ装置に於いては、上記ローラクラッチが、上述の請求項1に記載した様なローラクラッチである。
【0020】
【作用】
上述の様に構成する、本発明のローラクラッチ及びローラクラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、オーバーラン時に、各ばねが各ローラを、円筒面から離れる方向に押圧する為、これら各ローラの転動面と円筒面との接触部での接触荷重を低減できる。特に、本発明の場合には、外輪相当部材と内輪相当部材との相対回転速度が大きくなる等により、上記各ローラが円筒状空間の径方向の幅が広い部分に移動する程、これら各ローラを上記円筒面から離れる方向に押圧する力を大きくできる。この為、上記接触部及びこれら各ローラと各ばねとの接触部での摩擦を小さくして、上記ローラクラッチ及びローラクラッチ内蔵型プーリ装置の性能が早期に低下するのを防ぐと共に、オーバーラン時の回転トルクの増大を防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、オーバーラン時に、各ローラ10の転動面と円筒面13との接触部での接触荷重を低減すべく、各ばね12aによりこれら各ローラ10を、この円筒面13から離れる方向に押圧する点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述した従来構造の場合と同様であるから、重複する部分の図示は省略すると共に、図示した部分に関しても、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0022】
本例は、クラッチ用外輪9の内周面に上記円筒面13を、クラッチ用内輪8の外周面にカム面14をそれぞれ形成した構造に、本発明を適用した場合に就いて示している。又、本例の場合、上記各ローラ10を保持する図示しないクラッチ用保持器は、前述の図3に示した従来構造と同様に、上記カム面14を構成する凹部15にリム部16、16の内周面に形成した突片17、17(図3参照)を係合する等により、上記クラッチ用内輪8と共に回転する。
【0023】
本例の場合には、上記各ばね12aを、SUS304等のステンレス鋼製(ローラクラッチのばねとして従来から使用されている材料であれば、その他の材料であっても適用可能である。)の板材を折り曲げる事により形成している。そして、オーバーラン時に、上記各ばね12aにより上記各ローラ10を、上記円筒面13から離れる方向(円筒状空間22の径方向内方)に押圧する様にしている。即ち、これら各ばね12aは、半部を上記円筒状空間22の径方向外側に配置して、上記クラッチ用保持器に固定した固定側半部24(特許請求の範囲に記載した固定部に相当)とすると共に、残部を、折れ曲がり部26を起点として、径方向内方に折り曲げて押圧部23としている。そして、この押圧部23の側面(図1の左側面)を上記各ローラ10の転動面に当接させている。この押圧部23は、これら各ローラ10の軸方向(図1の表裏方向)両端側2個所に設け、これら両端側2個所位置でこれら各ローラ10を、上記円筒状空間22の径方向の幅が狭い方向及び上記円筒面13から離れる方向に押圧する。又、本例の場合には、上記折れ曲がり部26を、上記円筒状空間22の径方向外寄り部分に配置する事により、この円筒状空間22の径方向に関して、上記各ローラ10の中心Oよりも上記円筒面13側に位置させている。
【0024】
上記各ばね12aを構成する押圧部23は、ロック状態(図示の状態)では、実線で示す位置に存在し、上記円筒状空間22の径方向の幅が狭い方向(実線で示す矢印の方向)に上記各ローラ10を押圧する。これに対して、オーバーラン時には、鎖線で示す様に、上記各ローラ10に押されて上記固定側半部24との成す角が小さくなる方向に傾斜する。具体的には、上記押圧部23が、先端側に向かう程上記円筒状空間22の円周方向に関して上記各ローラ10から離れる方向に、より大きく傾斜する。そして、この様な上記押圧部23の傾斜に伴い、上記各ローラ10が鎖線で示す矢印の方向に押圧される。従って、オーバーラン時には、上記押圧部23からこれら各ローラ10に対して、上記円筒状空間22の径方向の幅が狭い方向に向かう力と、上記円筒面13から離れる方向(径方向内向)の力とが付与される。又、上記押圧部23の、ロック時の位置(実線で示した位置)に対する傾斜角度は、上記各ローラ10が上記円筒状空間22の径方向の幅が広い部分に移動する程大きくなる。この為、上記クラッチ用外輪9とクラッチ用内輪8との相対回転速度が大きくなる等により、上記各ローラ10が上記円筒状空間22の径方向の幅が広い部分に移動する程、上記押圧部23によりこれら各ローラ10を上記円筒面13から離れる方向に押圧する力が大きくなる。
【0025】
尚、上記円筒状空間22の径方向外方に配置された、上記各ばね12aを構成する上記固定側半部24は、十分な剛性を確保しておく。そして、上記各ローラ10から作用する力により変形して、この固定側半部24の一部が上記円筒面13に接触する事を防ぐ。これに対して、これら各ばね12aの残部である上記押圧部23は、上述の様に上記各ローラ10を押圧する方向を変化させたり、ローラクラッチの断接を円滑に行なう為、それ程剛性を高くする事はできない。従って、本例の場合、上記各ばね12aを、上記固定側半部24の板厚を厚く(或は幅を広く)、上記押圧部23の板厚を薄く(或は幅を狭く)形成する事により、この押圧部23の剛性とこの固定側半部24の剛性とを異ならせている。
【0026】
上述の様に構成する、本例の場合には、オーバーラン時に、上記各ばね12aを構成する押圧部23が、上記各ローラ10を上記円筒面13から離れる方向に押圧する為、上記各ローラ10の転動面と上記円筒面13との接触部での接触荷重を低減できる。この為、上記各ローラ10の公転速度の上昇に伴い、これら各ローラ10に作用する遠心力が大きくなっても、上記押圧部23によりこれら各ローラ10を上記円筒面13から離れる方向に押圧して、上記接触部での摩擦を小さくできる。又、上記各ローラ10の自転速度が速くなるのを防止して、これら各ローラ10の転動面と上記各ばね12aの押圧部23との接触部での摩擦も小さくできる。そして、これら各接触部での摩耗量を低減して、ローラクラッチ及びローラクラッチ内蔵型プーリ装置の性能が早期に低下する事を防ぐと共に、オーバーラン時の回転トルクの増大を防ぐ事ができる。
【0027】
次に、図2は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例は、クラッチ用内輪8aの外周面に円筒面13を、クラッチ用外輪9aの内周面にカム面14をそれぞれ形成した構造に、本発明を適用した場合を示している。この様な構造を有する本例の場合、上記カム面14が円筒状空間22の径方向外側に存在する。又、オーバーラン状態では、上記クラッチ用外輪9aと共に回転する、図示しないクラッチ用保持器に保持された各ローラ10は、上記クラッチ用内輪8aと相対回転する。そして、これら各ローラ10の転動面とこのクラッチ用内輪8aの外周面に形成した上記円筒面13とが転がり接触を含んだ状態で滑り接触する。
【0028】
従って、本例の場合、オーバーラン時に、上記各ローラ10を各ばね12cにより、上記円筒状空間22の径方向外方に押圧する。この為に、上記各ばね12cを、前述した第1例の場合とこの円筒状空間22の径方向に関して逆となる様に設置する。即ち、固定側半部24aをこの円筒状空間22の径方向内側に配置すると共に、残部である押圧部23aを、折れ曲がり部26aを起点として、上記固定側半部24aの端部から径方向外側に折り曲げている。尚、上記各ばね12cのその他の構造は、上記第1例の各ばね12aと同様である。
【0029】
上述の様に構成する本例の場合、上記各ローラ10が、オーバーラン時に、上記円筒状空間22の径方向の幅が広い部分に移動する程、上記押圧部23aがこれら各ローラ10をこの円筒状空間22の径方向外方に、即ち、上記円筒面13から離れる方向に押圧する力が大きくなる。この為、これら各ローラ10の転動面と上記円筒面13との接触部での接触荷重を小さくして、この接触部及びこれら各ローラ10の転動面と上記各ばね12cの押圧部23aとの接触部での摩擦を小さくできる。尚、本例の場合、上記各ローラ10に作用する遠心力が大きくなると、上記各ローラ10が上記押圧部23aを弾性変形させつつ、凹部15の深い部分に変位する。従って、上記遠心力が大きくなっても、上記各ローラ10と円筒面13との接触部での接触荷重が大きくなる事はない。従って、本例の構造は、上述した第1例程の効果は得られないが、例えば、プーリの回転速度がそれ程上昇しない様な装置に適用して、この装置の寿命向上及びオーバーラン時の回転トルクの低減を図れる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用する為、ローラクラッチ及びローラクラッチ内蔵型プーリ装置の信頼性及び耐久性を向上させる事ができると共に、これらローラクラッチ若しくはローラクラッチ内蔵型プーリ装置を組み込んだ各種機械装置の効率を向上させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の第1例を示す、図4と同様の図。
【図2】 同第2例を示す、図1と同様の図。
【図3】 従来構造の1例を示す断面図。
【図4】 ローラクラッチのみを取り出した状態で示す、図3のA−A断面図。
【図5】 ローラクラッチの別例を示す、図4と同様の図。
【符号の説明】
1 ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
2 スリーブ
3 従動プーリ
4 サポート軸受
5、5a ローラクラッチ
6 ねじ孔部
7 大径部
8、8a クラッチ用内輪
9、9a クラッチ用外輪
10 ローラ
11 クラッチ用保持器
12、12a、12c ばね
13 円筒面
14 カム面
15 凹部
16 リム部
17 突片
18 凸部
19 鍔部
20 ポケット
21 押圧部
22 円筒状空間
23、23a 押圧部
24、24a 固定側半部
26、26a 折れ曲がり部

Claims (2)

  1. 外輪相当部材と、この外輪相当部材の内側にこの外輪相当部材と同心に配置された内輪相当部材と、これら外輪相当部材の内周面と内輪相当部材の外周面とのうちの一方の周面に形成された、円周方向に亙る凹凸であるカム面と、同じく他方の周面に形成された円筒面と、これらカム面と円筒面との間の円筒状空間内に設けられた複数本のローラと、このカム面を形成した部材に対する回転を不能として上記円筒状空間内に配置され、上記各ローラを転動並びに円周方向に関する若干の変位自在に保持する保持器と、それぞれがこの保持器と上記各ローラとの間に設けられ、これら各ローラを上記円筒状空間の径方向の幅が狭い部分に向け、円周方向に関して同方向に押圧する複数のばねとを備えたローラクラッチに於いて、これら各ばねにより、上記各ローラを上記円筒面から離れる方向に押圧すると共に、この方向に押圧する力をこれら各ローラが上記円筒状空間の径方向の幅が広い部分に移動する程大きくするべく、上記各ばねを、上記保持器に固定された固定部と、この固定部の端部から上記円筒状空間の径方向に関して上記カム面側に向けて折り曲げられ、上記各ローラを押圧する押圧部と、この押圧部と上記固定部とを連続させる折れ曲がり部とから構成し、このうちの折れ曲がり部を上記円筒状空間の径方向に関して上記各ローラの中心よりも上記円筒面側に位置させると共に、上記押圧部を先端側に向かう程上記円筒状空間の円周方向に関して上記各ローラから離れる方向に傾斜させた事を特徴とするローラクラッチ。
  2. 回転軸の端部に固定する内径側部材と、この内径側部材の周囲にこの内径側部材と同心に配置され、外周面にベルトを掛け渡す為のベルト溝を設けた円筒状の外径側部材と、これら内径側部材の外周面と外径側部材の内周面との間に設けられ、この外径側部材がこの内径側部材に対し所定方向に相対回転する傾向となる場合のみ、これら外径側部材と内径側部材との間での回転力の伝達を自在とするローラクラッチと、このローラクラッチに隣接する位置で上記内径側部材の外周面と上記外径側部材の内周面との間に設けられ、この外径側部材に加わるラジアル荷重を支承しつつこれら内径側部材と外径側部材との相対回転を自在とするサポート軸受とを備えたローラクラッチ内蔵型プーリ装置に於いて、上記ローラクラッチが、請求項1に記載したローラクラッチである事を特徴とする、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置。
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