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JP4233676B2 - ストロークシミュレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキペダルにその操作に対する反力を与えるストロークシミュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ブレーキペダルと、該ブレーキペダルとは独立した制動力発生装置とを有し、ブレーキペダルの操作量を電気的に検出して、この操作量に応じて制動力発生装置を制御して制動力を発生させる車両用ブレーキ装置が開発されている。このようなブレーキ装置の制動力発生装置としては、ポンプにより発生させたブレーキ液圧で制動力を発生させるものや、電動アクチュエータにより制動力を発生させるものがある。
ところで、上記のようなブレーキ装置においても、ブレーキペダルの操作に対し従来のブレーキ装置と同様の操作感を運転者に与えないと運転者が違和感を覚えることになる。このような操作感を運転者に与えるために、ブレーキペダルに連結されて該ブレーキペダルにその操作に対する反力を与えるストロークシミュレータが用いられている。
このようなストロークシミュレータの従来のものは、ブレーキペダルに連結されたマスタシリンダで発生した液圧をピストンおよびバネにて吸収しつつ、このバネでブレーキペダルに反力を与えるものや、ブレーキペダルのインプットロッドにバネを設けこのバネでブレーキペダルに反力を与えるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した前者のストロークシミュレータは、液圧を用いるブレーキ装置には適用できるものの、液圧を用いないブレーキ装置には適用できないという問題がある。
また、ブレーキペダルのストロークと踏力との関係は一般に非線形であり、さらにヒステリシスや無効入力などがあって、ブレーキペダルの反力特性は複雑である。この特性をバネなどの弾性体のみで再現することは困難であり、従来のストロークシミュレータでは、運転者に良好な操作感を与えることができないという問題がある。
さらに、従来のストロークシミュレータは、ブレーキペダルの操作量を検出するためのストロークセンサおよび踏力センサの少なくともいずれか一方と連設されることになるため、関連機器と合わせたスペースが大きくなってしまう。
【0004】
本発明は、液圧を用いないブレーキ装置にも適用できる上、運転者に良好な操作感を与えることが可能となり、さらに、関連機器と合わせたスペースを小さくできるストロークシミュレータの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載のストロークシミュレータは、ブレーキペダルに連結されて該ブレーキペダルにその操作に対する反力を与えるものであって、電動回転アクチュエータにより前記ブレーキペダルに反力を与えることを特徴としている。
このように、電動回転アクチュエータによりブレーキペダルに反力を与えるものであるため、液圧を必要とせず、また反力特性を細かく制御することが可能となる。
【0006】
本発明の請求項2記載のストロークシミュレータは、請求項1記載のものに関して、前記電動回転アクチュエータは、前記ブレーキペダルが踏み込まれたとき、該ブレーキペダルをストロークさせつつ該ブレーキペダルに反力を与えることを特徴としている。
このように、電動回転アクチュエータによりブレーキペダルへストロークに応じた反力を与えことができるため、ブレーキペダルのストローク特性をも細かく制御できる。
【0007】
本発明の請求項3記載のストロークシミュレータは、請求項1または2記載のものに関して、前記電動回転アクチュエータにより前記ブレーキペダルの操作量を検出することを特徴としている。
このようにブレーキペダルの操作量を電動回転アクチュエータで検出することができるため、別途のセンサが不要となる。
【0008】
本発明の請求項4記載のストロークシミュレータは、請求項3記載のものに関して、前記操作量として、操作力および操作ストロークの少なくともいずれか一方を検出することを特徴としている。
このように、電動アクチュエータが、ブレーキペダルの操作量として、操作力および操作ストロークの少なくともいずれか一方を検出することになるため、これを検出する別途のセンサが不要となる。
本発明の請求項5記載のストロークシミュレータは、請求項1記載のものに関して、前記ブレーキペダルと前記電動回転アクチュエータとの間に減速機を具備してなることを特徴としている。
本発明の請求項6記載のストロークシミュレータは、請求項1乃至5記載のものに関して、前記電動回転アクチュエータは、モータ軸を有する回転モータと、前記モータ軸の回転位置を検出する回転位置検出器とを有することを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態のストロークシミュレータを図1〜図5を参照して以下に説明する。
図1は、第1の実施の形態のストロークシミュレータ10が設けられるブレーキ入力部11を示すものである。
【0010】
このブレーキ入力部11は、運転者により踏み込まれるペダル部12を有するブレーキペダル13と、ブレーキペダル13に固定された回転軸14と、ブレーキペダル13の回転軸14を車両の車体15に回転可能に支持する一対の支持部材16,16と、ブレーキペダル13に連結されて該ブレーキペダル13にその操作に対する反力を与える第1の実施の形態のストロークシミュレータ10とを有している。
【0011】
ストロークシミュレータ10は、回転軸14を駆動伝達系における一側に連結させる減速機18を具備しており、該減速機18は一方の支持部材16に支持されている。
また、ストロークシミュレータ10は、図示せぬモータ軸を有する回転モータ(電動回転アクチュエータ)19を有している。この回転モータ19は、モータ軸が電力で回転させられるもので、該モータ軸は減速機18の駆動伝達系における逆側に連結されている。ここで、減速機18は、ブレーキペダル13の回転軸14の回転量を所定の減速比で減速させて回転モータ19の図示せぬモータ軸に伝達させる。
【0012】
さらに、ストロークシミュレータ10は、回転モータ19の図示せぬモータ軸の回転位置を検出するロータリエンコーダ(電動回転アクチュエータ)20を有している。
また、ストロークシミュレータ10は、ブレーキペダル13を一方向に付勢するリターンスプリング22と、ブレーキペダル13の回転を規制するストッパ23と、ブレーキペダル13の回転で作動させられるブレーキペダルスイッチ24とを有している。
【0013】
リターンスプリング22は、ブレーキペダル13の上部に固定された軸25と車体15との間に介装されており、ブレーキペダル13をその上部が車体15側に位置するように付勢する(図1(a)においては反時計回り方向)。
【0014】
ストッパ23は、車体15から、ブレーキペダル13の上端部に近接するように延出している。
ブレーキペダルスイッチ24は、ストッパ23の先端部に取り付けられている。このブレーキペダルスイッチ24は、ブレーキペダル13がリターンスプリング22の付勢力でストッパ23側の限界位置に位置しその回転が規制された初期位置にあるか、ブレーキペダル13が踏まれることによりストッパ23から離れた状態にあるかを検出し、その結果を出力させる。なお、ブレーキペダルスイッチ24は、ブレーキペダル13が初期位置にあるときはOFF状態とされ、ブレーキペダル13が極くわずかに回転した時点でON状態とされるように設定されている。
【0015】
加えて、ストロークシミュレータ10は、ブレーキペダルスイッチ24およびロータリエンコーダ20からの出力に基づいて回転モータ19を制御するコントローラ27を有している。
【0016】
以上の第1の実施の形態のストロークシミュレータ10の動作を説明する。
まず、ブレーキペダル13が踏み込まれていない初期位置にあると、ブレーキペダル13はリターンスプリング22の付勢力でストッパ23に当接している。このとき、ストロークシミュレータ10のコントローラ27は、ブレーキペダルスイッチ24がOFF状態にあることからブレーキペダル13が初期位置にあると判定しており、回転モータ19をOFFしトルクを発生させない状態としている。
【0017】
この状態から、運転者によりブレーキペダル13のペダル部12が踏み込まれてストロークすると、ブレーキペダル13はリターンスプリング22の付勢力に抗して所定方向(図1(a)における時計回り方向)に回転する。ここで、ブレーキペダル13が極くわずかに回転しストッパ23から離れた時点で、ストッパ23の先端に設けられたブレーキペダルスイッチ24がON作動する。このブレーキペダルスイッチ24のON作動に基づいてコントローラ27は、回転モータ19の位置制御を開始する。
【0018】
すなわち、ペダル部12をストロークさせつつブレーキペダル13が回転すると、該ブレーキペダル13の回転軸14が回転し、該回転軸14に連結された減速機18を介して回転モータ19の図示せぬモータ軸が回転させられる。このモータ軸の回転位置を検出するロータリエンコーダ20からの出力に基づいてコントローラ27が回転モータ19に必要なトルクを計算し、回転モータ19に信号を出力し必要なトルクを発生させる。このようにして、ストロークシミュレータ10にブレーキペダル13への反力を生じさせる。
【0019】
ここで、第1の実施の形態のストロークシミュレータ10のコントローラ27の制御内容を図2および図3に示すフローチャートを参照しつつさらに詳細に説明する。
コントローラ27は、運転者がブレーキペダル13を踏んだか否かをブレーキペダルスイッチ24のON/OFFで検出する(ステップSA1)。ブレーキペダル13が初期位置にあってブレーキペダルスイッチ24がOFFのとき、コントローラ27は、回転モータ19の位置制御を行わない(ステップSA2)。つまり、回転モータ19への通電をOFF状態にする。
【0020】
他方、ステップSA1において、ブレーキペダルスイッチ24がONのとき、コントローラ27は、回転モータ19の図示せぬモータ軸の回転位置が所定位置となるように制御する位置制御を行う(ステップSA3)。なお、回転モータ19には、モータ軸の回転位置を検出するためロータリエンコーダ20が付設されており、モータ軸の回転位置が検出できる。また、モータ軸の回転位置と、ブレーキペダル13のペダル部12のストローク位置とは対応関係にあるため、ロータリエンコーダ20の検出結果からブレーキペダル13のペダルストローク(操作量,操作ストローク)も検出できる。
【0021】
ブレーキペダルスイッチ24がONされた直後における所定位置は、ブレーキペダル13のペダル部12がわずかにストロークし、ブレーキペダルスイッチ24がONされた位置とする。
ここで、ステップSA3の位置制御は、図3のフローチャートに示すように、図示せぬモータ軸の現在の回転位置が所定位置にあるか否かを判定し(ステップSS1)、モータ軸の現在の回転位置が所定位置にある場合にはモータ軸の位置を保持する(ステップSS2)。
【0022】
他方、ステップSS1において、モータ軸の位置が所定位置にない場合には、図示せぬモータ軸の現在の回転位置が所定位置を越えているか否かを判定し(ステップSS3)、モータ軸の現在の回転位置が所定位置を越えている場合は、モータ軸を逆回転すなわち後退させる(ステップSS4)。
他方ステップSS3においてモータ軸の現在の位置が所定位置を越えていない場合は、モータ軸を正回転すなわち前進させる(ステップSS5)。
【0023】
このようにして、ステップSA3において、回転モータ19の図示せぬモータ軸の回転位置が所定位置となるように制御する位置制御を行うと、このステップSA3のモータ軸の位置制御に要した電流値を変数Aとして設定する(ステップSA4)。
【0024】
そして、運転者の踏力(操作量,操作力)Fを変数Aの関数として求める(ステップSA5)。すなわち、一般的に回転モータ19のトルクと電流値との関係は比例関係にあり、運転者の踏力Fと変数Aとの関係は、図4に示すように、変数Aが大きくなると踏力Fが大きくなるような比例関係をなしている。よって、この関係に基づいて変数Aから踏力Fを求める。
【0025】
さらに、図示せぬモータ軸の位置の目標値となる所定位置Xを踏力Fの関数として求める(ステップSA6)。すなわち、一般的にペダルストロークおよび踏力は車両毎に異なり、非線形の特性となるが、近似して関数化することができる。所定位置Xと踏力Fとの関係は、図5に示すように、踏力Fが大きくなると所定位置Xが大きくなるような関係をなしている。よって、この関係に基づいて踏力Fから所定位置Xを求める。すると、次の制御サイクルのステップSA3の位置制御で回転モータ19のモータ軸の回転位置がこの所定位置Xとなるように制御を行うことになる。
【0026】
以上に述べた第1の実施の形態のストロークシミュレータ10によれば、電動アクチュエータである回転モータ19によりブレーキペダル13に反力およびストロークを与えるものであるため、液圧を必要とせず、また反力特性およびストローク特性を細かく制御することができ、さらにブレーキペダル13の操作量を回転モータ19の制御に必要なロータリエンコーダ20により電気的に検出できるため別途のセンサを不要にすることができる。
したがって、液圧を用いないブレーキ装置にも適用できる上、運転者に良好な操作感を与えることが可能となり、さらに、関連機器と合わせたスペースを小さくできる。
【0027】
次に、本発明の第2の実施の形態のストロークシミュレータ10を主に図6〜図8を参照して以下に、第1の実施の形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1の実施の形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
第2の実施の形態のストロークシミュレータ10は、ブレーキペダル13を一方向に付勢するリターンスプリング22と、ブレーキペダル13の回転を規制するストッパ23と、ブレーキペダル13の回転で作動させられるブレーキペダルスイッチ24とが設けられていない。
【0028】
第2の実施の形態のストロークシミュレータ10は、動作はほぼ第1の実施の形態と同様であるが、ブレーキペダル13が踏み込まれていない状態においても回転モータ19は作動しており、ブレーキペダル13を初期位置に位置するよう位置制御を行うようになっている。
【0029】
ここで、このような第2の実施の形態のストロークシミュレータ10のコントローラ27の制御内容を図7に示すフローチャートを参照しつつさらに詳細に説明する。
コントローラ27は、回転モータ19の図示せぬモータ軸の回転位置が所定位置となるように制御する位置制御を行う(ステップSB1)。なお、ブレーキペダル13が踏み込まれたときの最初の所定位置は、運転者がブレーキペダル13を踏み始めるときに支障のない位置とする。
ここで、ステップSB1の位置制御は、第1の実施の形態のステップSA3と同様、図3のフローチャートに示すステップSS1〜SS5の内容となる。
【0030】
ステップSB1において、回転モータ19の図示せぬモータ軸の回転位置が所定位置となるように制御する位置制御を行うと、このステップSB1のモータ軸の位置制御に要した電流値を変数Aとして設定する(ステップSB2)。
そして、運転者の踏力Fを変数Aの関数として求める(ステップSB3)。すなわち、第1の実施の形態のステップSA5と同様に、図4に示す関係に基づいて変数Aから踏力Fを求める。
【0031】
さらに、図示せぬモータ軸の位置の目標値となる所定位置Xを踏力Fの関数として求める(ステップSB4)。すなわち、第1の実施の形態のステップSA6と同様に、図5に示す関係に基づいて踏力Fから所定位置Xを求める。すると、次の制御サイクルのステップSB1の位置制御で回転モータ19のモータ軸の回転位置がこの所定位置Xとなるように制御を行うことになる。なお、ステップSB4で、モータ軸の位置の目標値となる所定位置Xを踏力Fの関数として求める際に、図8に示す所定位置Xが常時一定の関係に基づいて所定位置Xを求めれば、ブレーキペダル13に反力のみを与えることができる。
【0032】
なお、上記第1および第2の実施の形態においては、別々の減速機18と回転モータ19とを連結させる場合を例にとり説明したが、図9に示すように遊星歯車機構を回転モータに内蔵することにより、これらを一体に組み込むことも可能である。
【0033】
すなわち、減速機18および回転モータ19に換えて、ケーシング31と、ブレーキペダル13の回転軸14が連結される支持部材32と、該支持部材32に回転自在に支持される複数のプラネタリギア33と、これらプラネタリギア33の内側に噛み合うとともにケーシング31に固定されるサンギア34と、複数のプラネタリギア33の外側に噛み合うとともにロータとなるリングギア35と、ケーシング31の内側に設けられたステータ36とを有する減速機内蔵型回転モータ(電動アクチュエータ)37を用いることができる。ここで、支持部材32、プラネタリギア33、サンギア34およびリングギア35が遊星歯車機構38を構成している。
【0034】
次に、第1参考技術のストロークシミュレータ10を主に図10を参照して以下に、第1の実施の形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1の実施の形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
第1参考技術のストロークシミュレータ10は、第1の実施の形態の減速機18および回転モータ19に換えて、リニアモータ40を用いており、またロータリエンコーダ20に換えて位置検出器41を用いている。
【0035】
すなわち、第1参考技術のストロークシミュレータ10は、支持部材16とリターンスプリング22との間に配置された状態で車体15に取り付けられるリニアモータ40を有している。このリニアモータ40は電力で進退するスライド部材42を有しており、このスライド部材42の先端は、連結部材43を介して、ブレーキペダル13の回転軸14とリターンスプリング22との間位置に連結されている。
【0036】
また、第1参考技術のストロークシミュレータ10は、リニアモータ40のブレーキペダル13側に取り付けられてスライド部材42の位置を検出する位置検出器41を有している。
【0037】
このような第1参考技術のストロークシミュレータ10のコントローラ27の制御内容は、第1の実施の形態の回転モータ19をリニアモータ40に換え、モータ軸をスライド部材42を換え、さらにモータ軸の回転位置をスライド部材42のスライド位置に換え、ロータリエンコーダ20を位置検出器41に換え、逆回転を後退に換え、正回転を前進に換えたものとなる。
【0038】
次に、本発明の第2参考技術のストロークシミュレータ10を主に図11を参照して以下に、第2の実施の形態との相違部分を中心に説明する。なお、第2の実施の形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
第2参考技術のストロークシミュレータ10は、第2の実施の形態の減速機18および回転モータ19に換えて、リニアモータ40を用いており、また、ロータリエンコーダ20に換えて位置検出器41を用いている。
【0039】
すなわち、第2参考技術のストロークシミュレータ10は、支持部材16の上側に配置された状態で車体15に取り付けられるリニアモータ40を有している。このリニアモータ40は電力で進退するスライド部材42を有しており、このスライド部材42の先端は、連結部材43を介して、ブレーキペダル13の回転軸14より上側位置に連結されている。
【0040】
また、第2参考技術のストロークシミュレータ10は、リニアモータ40のブレーキペダル13側に取り付けられてスライド部材42の位置を検出する位置検出器41を有している。
【0041】
このような第2参考技術のストロークシミュレータ10のコントローラ27の制御内容は、第2の実施の形態の回転モータ19をリニアモータ40に換え、モータ軸をスライド部材42に換え、さらにモータ軸の回転位置をスライド部材42のスライド位置に換え、ロータリエンコーダ20を位置検出器41に換え、逆回転を後退に換え、正回転を前進に換えたものとなる。
【0042】
次に、本発明の第3参考技術のストロークシミュレータ10を主に図12を参照して以下に、第1参考技術との相違部分を中心に説明する。なお、第1参考技術と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
第3参考技術のストロークシミュレータ10は、第1参考技術に対し、リニアモータ40の取り付け位置が相違している。
【0043】
すなわち、第3参考技術のストロークシミュレータ10は、支持部材16より下側に配置された状態で車体15に取り付けられるリニアモータ40を有している。このリニアモータ40のスライド部材42の先端は、連結部材43を介して、ブレーキペダル13の回転軸14とペダル部12との間位置に連結されている。
このような第3参考技術のストロークシミュレータ10のコントローラ27の制御内容は、第1参考技術に対し、スライド部材42の前進および後退が逆になる点が相違している。
【0044】
次に、本発明の第4参考技術のストロークシミュレータ10を主に図13を参照して以下に、第2参考技術との相違部分を中心に説明する。なお、第2参考技術と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
第4参考技術のストロークシミュレータ10は、第2参考技術に対し、リニアモータ40の取り付け位置が相違している。
【0045】
すなわち、第4参考技術のストロークシミュレータ10は、支持部材16より下側に配置された状態で車体15に取り付けられるリニアモータ40を有している。このリニアモータ40のスライド部材42の先端は、連結部材43を介して、ブレーキペダル13の回転軸14とペダル部12との間位置に連結されている。
このような第4参考技術のストロークシミュレータ10のコントローラ27の制御内容は、第2参考技術に対し、スライド部材42の前進および後退が逆になる点が相違している。
【0046】
次に、本発明の第5参考技術のストロークシミュレータ10を主に図14を参照して以下に、第4参考技術との相違部分を中心に説明する。なお、第4参考技術と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
第5参考技術のストロークシミュレータ10は、第4参考技術に対し、さらに構造を簡略化したものである。
【0047】
第5参考技術のストロークシミュレータ10は、リニアモータ40が、取付部材44を介してそのスライド部材42を斜め上方に延出させるように車体15に取り付けられており、リニアモータ40のスライド部材42の先端にペダル部12が直接固定されている。
このような第5参考技術のストロークシミュレータ10のコントローラ27の制御内容は、第4参考技術と同様である。
【0048】
なお、上記第1〜第5参考技術においては、リニアモータ40を用いる場合を例にとり説明したが、リニアモータ40に換えて、図15に示すようにスライド部材42のスライドをボールネジ機構45により回転に変換するスライド回転変換モータ46を用いることも可能である(参考技術)
【0049】
すなわち、このスライド回転変換モータ46は、ケーシング47と、オネジ部51が形成されたスライド部材42と、該スライド部材42のオネジ部51に対向する図示せぬメネジ部が形成されたナット部材48と、オネジ部51とメネジ部との間に溝に挿入される図示せぬボールと、ナット部材48の外側に固定されるロータ49と、ケーシング47の内側に設けられたステータ50とを有している。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のストロークシミュレータによれば、電動回転アクチュエータによりブレーキペダルに反力を与えるものであるため、液圧を必要とせず、また反力特性を細かく制御することが可能となる。
したがって、液圧を用いないブレーキ装置にも適用できる上、運転者に良好な操作感を与えることが可能となり、さらに、関連機器と合わせたスペースを小さくできる。
【0051】
本発明の請求項2記載のストロークシミュレータによれば、電動回転アクチュエータは、前記ブレーキペダルが踏み込まれたとき、該ブレーキペダルをストロークさせつつ該ブレーキペダルに反力を与えるため、ブレーキペダルのストローク特性をも細かく制御できる。
したがって、運転者にさらに良好な操作感を与えることが可能となる。
【0052】
本発明の請求項3記載のストロークシミュレータによれば、ブレーキペダルの操作量を電動回転アクチュエータで検出することができるため、別途のセンサが不要となる。
したがって、関連機器と合わせたスペースを小さくできる。
【0053】
本発明の請求項4記載のストロークシミュレータによれば、電動アクチュエータが、ブレーキペダルの操作量として、操作力および操作ストロークの少なくともいずれか一方を検出することになるため、これを検出する別途のセンサが不要となる。
したがって、関連機器と合わせたスペースを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のストロークシミュレータが用いられるブレーキ入力部を示すもので、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態のストロークシミュレータのコントローラの全体の制御内容を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の第1の実施の形態のストロークシミュレータのコントローラの位置制御の制御内容を示すフローチャートである。
【図4】 本発明の第1の実施の形態のストロークシミュレータのコントローラにマップとして格納された変数Aと踏力Fとの関係の一例を示す特性線図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態のストロークシミュレータのコントローラにマップとして格納された踏力Fと所定位置Xとの関係の一例を示す特性線図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態のストロークシミュレータが用いられるブレーキ入力部を示すもので、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図7】 本発明の第2の実施の形態のストロークシミュレータのコントローラの全体の制御内容を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の第2の実施の形態のストロークシミュレータのコントローラにマップとして格納された踏力Fと所定位置Xとの関係の他の一例を示す特性線図である。
【図9】 本発明の第1および第2の実施の形態のストロークシミュレータの減速機および回転モータに換えて用いることが可能な減速機内蔵型モータを示す側断面図である。
【図10】 第1参考技術のストロークシミュレータが用いられるブレーキ入力部を示すもので、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図11】 第2参考技術のストロークシミュレータが用いられるブレーキ入力部を示すもので、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図12】 第3参考技術のストロークシミュレータが用いられるブレーキ入力部を示すもので、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図13】 第4参考技術のストロークシミュレータが用いられるブレーキ入力部を示すもので、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図14】 第5参考技術のストロークシミュレータが用いられるブレーキ入力部を示す側面図である。
【図15】 第1〜第5参考技術のストロークシミュレータのリニアモータに換えて用いることが可能なスライド回転変換モータを示す側断面図である。
【符号の説明】
10 ストロークシミュレータ
13 ブレーキペダル
19 回転モータ(電動回転アクチュエータ)
20 ロータリエンコーダ(電動回転アクチュエータ)
37 減速機内蔵型回転モータ(電動回転アクチュエータ

Claims (6)

  1. ブレーキペダルに連結されて該ブレーキペダルにその操作に対する反力を与えるストロークシミュレータにおいて、
    電動回転アクチュエータにより前記ブレーキペダルに反力を与えることを特徴とするストロークシミュレータ。
  2. 前記電動回転アクチュエータは、前記ブレーキペダルが踏み込まれたとき、該ブレーキペダルをストロークさせつつ該ブレーキペダルに反力を与えることを特徴とする請求項1記載のストロークシミュレータ。
  3. 前記電動回転アクチュエータにより前記ブレーキペダルの操作量を検出することを特徴とする請求項1または2記載のストロークシミュレータ。
  4. 前記操作量として、操作力および操作ストロークの少なくともいずれか一方を検出することを特徴とする請求項3記載のストロークシミュレータ。
  5. 前記ブレーキペダルと前記電動回転アクチュエータとの間に減速機を具備してなることを特徴とする請求項1記載のストロークシミュレータ。
  6. 前記電動回転アクチュエータは、モータ軸を有する回転モータと、前記モータ軸の回転位置を検出する回転位置検出器とを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載のストロークシミュレータ。
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