JP4233394B2 - レンズ装置及びそれを用いたデジタルカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄型のレンズ装置及びそれを用いたデジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタルカメラ市場においてデジタルカメラの小型化と薄型化の要望が強くなってくるに応じて、デジタルカメラに組み込む薄型レンズ装置が必要になってきた。
【0003】
レンズ装置の薄型化の1つの方法として、折り曲げ光学系によるレンズ装置が提案されている。このような薄型化のために、本出願人は、レンズ装置を形成する各ユニットを、水平に並べて構成したレンズ装置を提案をしている。(例えば、特許文献1参照。)
また、このように薄型化された折り曲げ光学系によるレンズ装置においても近年のデジタルカメラの市場では電子ズームは好まれず、光学ズームへの要望が強い。このため、光学ズームを内蔵したた折り曲げ光学系のレンズ装置も提案されている。(例えば、特許文献1、2参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開2003−66309号公報(要約、図3、図5)
【特許文献2】
特開2002−290806([請求項6]、段落[0038]、段落[0041]、図2、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、そのような光学ズームを実現するためには、ズーム鏡枠を移動するためのズーム駆動系を装置内部に搭載する必要がある。そして、そのようにズーム駆動系を装置内部に搭載すると、ややもすると、折り曲げ光学系レンズ装置の利点である薄型化が失われる虞があるので、何としてでも装置の薄型化を維持できるようにしなければならない。
【0006】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、折り曲げ光学系レンズ列による薄型化の利点を損なうことなく光学ズーム機構をも搭載したレンズ装置及びそれを用いたデジタルカメラを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
先ず、請求項1記載の発明のレンズ装置は、入射光を反射させ入射光軸を折り曲げる反射光学素子と、上記折り曲げられた光軸である第2の光軸上に配置され、上記第2の光軸方向に沿って移動自在に配置された移動鏡枠と、上記移動鏡枠を駆動する駆動手段と、を具え、上記駆動手段は、上記移動鏡枠の位置を決めるためのカム部が外周面に形成された軸状のカム部材と、該カム部材を回転させるモータを有し、上記カム部材は、少なくとも軸方向で一部分が前記反射光学素子の側面に隣接するように配置されて構成される。
【0008】
これにより、第2光軸方向のカム部材の配置スペースの短縮を図ることができ装置の小型化が維持できる。
そして、上記カム部材は、例えば請求項2記載のように、中心軸が前記第2の光軸に平行になる向きで配置されて構成される。
【0009】
このように、ズーム駆動を行うカム部材を軸形状にして反射光学素子のそばに配置したので、レンズ装置の薄型化が維持できる。
また、このレンズ装置は、例えば請求項3記載のように、上記反射光学素子を内部に保持する固定保持鏡枠を具え、該固定保持鏡枠には、上記カム部材を回転可能に軸支する軸受け部がさらに設けられて構成される。
【0010】
このように、一つの部材に保持機能と軸受け機能の2つの機能を持たせるので部品点数の削減が図れ、これによりコストの低減、装置の小型化、組み立ての容易さなどに貢献する。
また、このレンズ装置は、例えば請求項4記載のように、上記カム部材に隣接し且つ上記カム部材の軸と平行に設けられ、上記移動鏡枠の移動を上記第2の光軸方向に規制するガイド軸を有して構成される。
【0011】
このように、カム部材に隣接してガイド軸を設けるので、移動鏡枠へのこじり力の発生を防止し、これにより移動レンズをスムーズに駆動することができ、信頼性の高いズーム機構を構築することができる。
また、このレンズ装置は、例えば請求項5記載のように、上記反射光の通過光量を規制する光量規制部材と、該光量規制部材を駆動する光量規制手段を具え、該光量規制手段は、上記カム部材の軸方向延長位置に配置されて構成される。
【0012】
そして、上記移動鏡枠は、例えば請求項6記載のように、ズーム比調節用の鏡枠で構成される。
また、上記移動鏡枠は、例えば請求項7記載のように、複数の鏡枠を有し、上記カム部材には、上記複数の鏡枠に対応するカムがそれぞれ形成されて構成される。
【0013】
このように、2つの部材の一方を他の部材の軸延長方向に配置したり、一つのカム部材で複数の鏡枠を移勧駆動するので、ズーム機構のあるレンズ系全体の小型化を図ることができる。
また、このレンズ装置は、例えば請求項8記載のように、上記移動鏡枠の撮像面側には更に合焦用の鏡枠が第2の光軸方向に移動自在に備えられ、上記合焦用の鏡枠を移動する駆動部材は、上記カム部材の軸の延長方向の位置で且つ撮像面側に配置されて構成される。
【0014】
このように、この場合も2つ駆動部材が、同一直線上に配置されるので、レンズ装置が小型化される。また、このレンズ装置においては、例えば請求項9記載のように、上記固定保持鏡枠は、上記反射光学素子の反射面に沿った斜面部を有し、上記モータは、上記斜面部に隣接し上記反射光学素子の反対側に配置され、出力軸が上記第2の光軸に平行に配置されて構成される。
【0015】
次に、請求項10記載の発明のレンズ装置は、入射光を反射させ入射光軸を折り曲げる反射光学素子と、該反射光学素子を内部に保持する固定保持鏡枠と、上記折り曲げられた光軸である第2の光軸上に配置され、該第2の光軸の方向に沿って移動自在に配置された移動鏡枠と、該移動鏡枠を駆動する駆動手段と、を備え、上記固定保持鏡枠は、上記反射光学素子の反射面に沿った斜面部を有し、上記駆動手段は、上記移動鏡枠の位置を決めるためのカム部が外周面に形成された軸状のカム部材と、該カム部材を回転させるモータを有し、該モータは、上記斜面部に隣接し上記反射光学素子の反対側に配置され、出力軸が上記第2 の光軸に平行に配置されて構成される。
【0016】
このように、反射光学素子が配置された斜面部背面に形成される空間に動力源のモータを設け且つその出力軸が第2の光軸に平行になるように配置されるので反射光学素子の固定保持鏡枠回りの配設空間の小型化を維持したまま動力源を配置することができる。
【0017】
そして、上記出力軸が設けられた上記モータの側面には、例えば請求項11記載のように、該モータの回転を上記カム部材に伝達する複数のギヤが両面に組み付けられた地板が取り付けられ、該地板に組み付けられた上記複数のギヤから成るギヤ列の中で上記カム部材に直接噛合するギヤは、上記ギヤ列の中の上記出力軸のギアに直接噛合するギヤが組みつけられた面とは逆の地板面に組み付けられて構成される。
【0018】
これにより、モータからカム部材に動力を伝達するギア列の配置空間が小型化される。
上述したレンズ装置は、例えば請求項12記載のように、デジタルカメラに、該デジタルカメラの撮影用のレンズ装置として搭載されることが好ましい。
【0019】
すなわち、請求項13記載の発明のデジタルカメラは、上記のレンズ装置を、撮影用のレンズ装置として搭載して構成される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明において、上記一方の主面は、例えば金属フレーム23a表面やこの金属フレーム23aに一体形成された第1の固定鏡枠部15表面等から成り、これに対向する他方の主面は開放面から成る。また、上記光学素子は、例えばレンズL1〜L9等から成り、上記反射光学素子は、例えば上記光学素子としてのレンズL1〜L9の中のレンズ(プリズム)L1等から成る。また、上記成形部は、例えば第1の固定鏡枠部15、第2の固定鏡枠部16等から成り、上記一方の側面は、例えば金属フレーム23bから成り、これに対向する残る側面は開放面から成る。また、上記第1のガイド部材は、例えば第1のガイド軸65等からなり、上記第2のガイド部材は、例えば第2のガイド軸68等から成る。また、上記第1のガイド部材支持部は、例えばガイド軸支持孔64(64−1、64−2)等からなり、そして、上記第2のガイド部材支持部は、ガイド軸支持孔67等から成る。
【0021】
図1(a),(b) は、一実施の形態におけるデジタルカメラの概略構成を示す図であり、同図(a) はデジタルカメラの前面からの外観を示す斜視図、同図(b) はデジタルカメラ内部の主要部の配置状態を示す斜視図である。
同図(a) に示すように、デジタルカメラ1は、前面右上隅に撮影レンズ窓2を備え、その左方にストロボ照射窓3を備えている。また、上面の左端部にはレリーズボタン4が設けられている。
【0022】
同図(b) に示すように、デジタルカメラ1の内部は、全体の左方ほぼ2/3を占めて、各種の電子部品を搭載した回路基板5からなる制御装置や着脱交換自在な電池6などが配置されている。そして、その右方の全体のほぼ1/3を占める部分には、ユニット化されたレンズ装置7が配設されている。
【0023】
レンズ装置7は、同図(a) の撮影レンズ窓2から同図(b) に示す撮影光軸O1に沿って入射する被写体からの光束を、その光軸O1がほぼ直角に下方に折り曲がるように反射させ、その下方に折り曲げられた後述する第2の光軸O2に沿って、上記の入射光束を、レンズ装置7の下端部に配設されている例えばCCDなどからなる撮像素子まで導いて撮像画像を生成する。
【0024】
図2は、図1(b) に示すレンズ装置7のA−A´矢視断面をデジタルカメラ1の図1(b) の左方から見た図であり、レンズユニット各部の概略の構成を示している。
図2に示すように、レンズ装置7の内部には、上記下方に折り曲げられた第2の光軸O2に沿って、レンズL1及びレンズL2からなる第1の固定レンズ部8、レンズL3及びレンズL4からなる第1の移動レンズ部9、レンズL5、レンズL6及びレンズL7からなる第2の移動レンズ部11、レンズL8からなる第3の移動レンズ部12、並びにレンズL9からなる第2の固定レンズ部13で構成される複数のレンズを備えている。そして、これらのレンズ群の終端には撮像素子14が配置されている。
【0025】
上記第1の固定レンズ部8のレンズL1は、上述した撮影レンズ窓2から撮影光軸O1に沿って入射する被写体からの光束をほぼ90°下方に反射して折り曲げて、第2の光軸O2に沿って光束の進路を変更するプリズムと一体化されており、レンズ2と共に第1の固定鏡枠部15に保持されてレンズ装置7内で固定されている。また、上記第2の固定レンズ部13は、第2の固定鏡枠部16に保持されてレンズ装置7内で固定されている。
【0026】
上記第1の固定鏡枠部15と第2の固定鏡枠部16は、第2の光軸O2に対し垂直な面で切られた断面がほぼL字形状を成す後述する金属フレームの長手方向の端部に一体的に樹脂成形により形成されている。
これら第1の固定鏡枠部15と第2の固定鏡枠部16との間に、上記第1の移動レンズ部9を保持する第1の移動鏡枠17、第2の移動レンズ部11を保持する第2の移動鏡枠18、及び第3の移動レンズ部12を保持する第3の移動鏡枠19が配置されている。
【0027】
上記第1の移動鏡枠17、第2の移動鏡枠18、及び第3の移動鏡枠19は、上記の第1の移動レンズ部9、第2の移動レンズ部11及び第3の移動レンズ部12を、上記のレンズ(プリズム)L1によりほぼ直角に折り曲げられた第2の光軸O2に沿って、それぞれ独立に移動可能に保持している。
【0028】
上記第1の移動レンズ部9及び第2の移動レンズ部11は、このレンズ装置7の光学系の第2の光軸O2に沿って入射する被写体の光束の焦点距離を変化させるために設けられている。換言すれば、これら第1の移動レンズ部9及び第2の移動レンズ部11を保持する第1の移動鏡枠17及び第2の移動鏡枠18は、レンズ系のズーム比調節用のために設けられている。
【0029】
また、第3の移動レンズ部12は、上記の光束が撮像素子14上に結像する焦点調節のために設けられている。換言すれば、この第3の移動レンズ部12を保持する第3の移動鏡枠19は、第2の光軸O2方向に移動自在な合焦用の鏡粋として設けられている。
【0030】
また、上記第1の移動レンズ部9と第2の移動レンズ部11の間には、絞り位置(シャッタ位置でもある)21が設けられている。
また、このレンズユニットは、前後の厚み(奥行き)を極力薄くするように、径の比較的大きなレンズL2、L5、L8を含む第1の固定レンズ部8、第2の移動レンズ部11、第3の移動レンズ部12をそれぞれ保持する第1の固定鏡枠部15、第2の移動鏡枠18、第3の移動鏡枠19の枠壁の、第2の光軌O2に対しデジタルカメラ1の前後方向の一方(図2の例ではデジタルカメラ1の後方側)の一部又は全部が切り欠かれて、切欠部15−1、18−1、19−1が形成されている。
【0031】
そして、この切り欠かれて枠壁が欠如した分だけ強度が弱くなる鏡枠の、第1の固定鏡枠15のように特に他に補強部分を持たない第2、第3の移動鏡枠18、19については、上記の切り欠き部に第2の光軸O2を挟んで対向する側、つまり前側の枠壁に、外部に突出する後述する凸部を設けている。図において、第2、第3の移動鏡枠18,19のデジタルカメラ1の前側枠壁がやや厚く見えるのは、上記凸部の断面を示しているためである。
【0032】
また、更に、第3の移動鏡枠19については、全体が上下に薄くて弱いので、上記の凸部による補強だけでは不十分の虞があるので、レンズL8のレンズ胴付部から、レンズL8の有効光線の範囲外となる上面周囲に回り込むように、突設部19−2が設けられている。
【0033】
図3は、上記のレンズ装置7を、デジタルカメラ1の前側から見た分解斜視図である。
図4は、同じく上記レンズ装置7を、デジタルカメラ1の後側から見た分解斜視図である。
【0034】
尚、上記の図3及び図4には、図1及び図2に示した構成と同一の構成部分には図1及び図2と同一の番号を付与して示している。
上記の図3及び図4に示すように、レンズ装置7は、主固定鏡枠22を備えている。この主固定鏡枠22の内外に図3又は図4に示す全ての構成要素が組み付けれて収納されたとき、全体が、対向する長方形の2つの主面と該2つの主面に挟まれた扁平な空間内に構成要素が詰め込まれてなる装置本体の外形形状を形成する。
【0035】
上記の主固定鏡枠22は、上記2つの主面の少なくとも一方の主面を形成している。このレンズ装置7の構成において、他方の主面は開放されている。この金属フレーム23aで形成される一方の主面と開放されている他方の主面とで挟まれた扁平な空間の長手方向の一方の側面も、一方の主面の金属フレーム23aからほぼ直角に連設される金属フレーム23bで構成される。
【0036】
また、短手方向の一方の側面(図3、図4では上方の短手方向側面)も上記主面の金属フレーム23a及び長手方向側面の金属フレーム23bにそれぞれほぼ直角に連設される金属フレーム23cで構成される。
これにより、金属フレーム23(23a、23b)は、長手方向(前述した折り曲げられた第2の光軸O2方向でもある)に直角な断面が、1つの主面と長手方向の1つの側面からなるL字型のフレームを構成し、少量の材料で剛性を形成する理想的な構造のフレームとなっている。
【0037】
この金属フレーム23の長手方向のいずれか端部には、それぞれ金属フレーム23にアウトサート成形により一体成型された固定成形部が形成されている。これら2つの固定成形部が、図2にも示した第1の固定鏡枠部15と第2の固定鏡枠部16である。
【0038】
そして、第1の固定鏡枠部15は図2にも示したプリズムL1及び図3と図4には図示を省略しているがレンズL2が保持されて固定される。また第2の固定鏡枠部16には、これも図3と図4には図示を省略しているが図2に示したレンズL9が保持されて固定される
これら第1の固定鏡枠部15と第2の固定鏡枠部16との間に、図2にも示した3つの移動鏡枠(第1の移動鏡枠17、第2の移動鏡枠18、及び第3の移動鏡枠19)が配置される。
【0039】
これら3つの移動鏡枠及び上記2つの固定鏡枠には、それぞれレンズを保持して固定する接着剤溜まり部24(図3参照)が形成されている。この接着剤溜まり部24は、固定されるレンズの周面と鏡枠との間に形成されている僅かな間隙である。
【0040】
尚、第3の移動鏡枠19及び第2の固定鏡枠部16の接着剤溜まり部は図では陰になって見えない。また、第1の固定鏡枠部15の接着剤溜まり部については後述する。
上記3つの移動鏡枠が組み込まれるに先立って、ズーム用シャフトカム25が、主固定鏡枠22の開放側の長手方向側面の且つ第1の固定鏡枠部15の側部に近接して配置される。ズーム用シャフトカム25は、カム部のカム溝の谷を有し周面を形成する太径部と、太径部の両端から同軸に突設された細径部26(26a、26b)を有しており、撮像素子14とは反対側端部に突設されている細径部26aにはギア27が固設されている。
【0041】
ズーム用シャフトカム25は、第1の固定鏡枠部15の金属フレーム23cとの一体化融着部に形成されている軸受嵌合孔28内に一方の細径部26aを一旦挿通した後、引き降ろしながら他方の細径部26bを、図では陰になって見えない第1の固定鏡枠部15に形成されている軸受け孔に嵌入させ、一方の細径部26aを軸受嵌合孔28内において軸受29と係合させる。これにより、ズーム用シャフトカム25は第1の固定鏡枠部15に対し回転可能に支持される。
【0042】
ズーム用シャフトカム25の一方の細径部26aの突端には更に径の小さな凸部31が形成されており、この凸部31は、一方の細径部26aが軸受29と係合したとき軸受29から上方外部に突出する。この凸部31を付勢板バネ32により押し付勢されることにより、ズーム用シャフトカム25は上下の軸受けに位置決めされて安定して保持される。
【0043】
付勢板バネ32は、ほぼ四角な本体部から切り目によって一部を分離され下方に折り曲げられ更にその先端を水平に折り曲げられて形成された3個の曲がり足部32−1と、本体部中央を切り欠いて形成された止め切片32−2、及び本体部から一体に延設された付勢バネ部32−3とから構成されている。
【0044】
他方、金属フレーム23c側には、上記付勢板バネ32の3個の曲がり足部32−1に対応する位置に、3個の切欠部33が形成され、これら3個の切欠部33に囲まれたほぼ中央に、上記付勢板バネ32の止め切片32−2に対応する凸部34が形成されている。
【0045】
付勢板バネ32の3個の曲がり足部32−1を金属フレーム23cの3個の切欠部33に係合させながら、付勢板バネ32の本体部が金属フレーム23c側に押し込まれると、止め切片32−2の先端が凸部34の周面に係止することにより、付勢板バネ32が金属フレーム23cの外面に位置固定され、その付勢バネ部32−3の先端部によりズーム用シャフトカム25の凸部31が押し付勢されて、位置決めされる。
【0046】
これにより、ズーム用シャフトカム25は、その中心軸が主固定鏡枠22の長手方向すなわち第2の光軸O2に平行する向きで、第1の固定鏡枠部15に保持されるプリズムL1の近傍に配置され、少なくとも軸方向での一部分がプリズムL1の側面に隣接するように配置される。
【0047】
続いて、ズーム用モータユニット35が、詳しくは後述するが、レンズ(プリズム)L1の反射面裏側を保持する第1の固定鏡枠部15の斜面と金属フレーム23cによりに形成される略三角柱形状の空間部に配置され、その減速ギア列36がズーム用シャフトカム25のギア27に係合する。このズーム用モータユニット35は、ギア軸固定部37及び止め板固定部38の2箇所の止め部(図4参照)が、第1の固定鏡枠部15に形成されている位置決め孔39及び止め孔41にネジ止めさることによって第1の固定鏡枠部15に固定される。尚、上記の減速ギア列36とズーム用シャフトカム25のギア27との係合関係については詳しくは後述する。
【0048】
上記に続いて、主固定鏡枠22に、絞り・シャッタユニット42が組み付けられる(図3参照)。絞り・シャッタユニット42は、第2の光軸O2を形成する反射光の通過光量を規制する絞りとシャッタを備えた絞り・シャッタ部43と、この絞り・シャッタ部43の絞りとシャッタとをそれぞれ機械的に駆動するロータリーソレノイド44及び45を備えている。
【0049】
絞り・シャッタ部43は図2に示した絞り位置(シャッタ位置)21に配置され、2個のロータリーソレノイド44及び45はズーム用シャフトカム25の下方に配置される。この絞り・シャッタユニット42については詳しくは後述する。
【0050】
更に、この絞り・シャッタユニット42の下方に、第3の移動鏡枠19を移動駆動するための超音波リニアモータ46と磁気センサユニット47とが、主固定鏡枠22の短手方向に並んで重なるようにして配置される。
これにより、超音波リニアモータ46は、ズーム用シャフトカム25の軸の延長方向の位置で且つ撮像面側(装置本体の正面側つまり図1(b) に見える側)に配置される。
【0051】
磁気センサユニット47は(図4参照)、磁気センサホルダ48、磁気センサ49、磁気スケール51、及び付勢バネ52を備えている。
尚、上記の超音波リニアモータ46と、磁気センサユニット47については更に詳しくは後述する。
【0052】
このように、上述した各部材が配置された後、図2に示した移動レンズ部(9、11、12、図3と図4には図示を省略)をそれぞれ接着剤で固定された第1の移動鏡枠17、第2の移動鏡枠18、及び第3の移動鏡枠19が組み付けられる。
【0053】
そして、第1、第2、第3の移動鏡枠17、18、19のレンズ保持部外周は第2の光軸O2に対してデジタルカメラ1の前後(図1(b) に示すレンズ装置7における前後)の面が平面的に形成されており、これによりレンズ装置7に組み込まれる移動鏡枠の薄型化が図られている。
【0054】
また、第2、第3の移動鏡枠18、19は、更なる薄型化を図るために、レンズを保持する鏡枠の後部(図3では斜め左上に当たる部分、図4では斜め右下に当たる部分)の、レンズ後部の平坦周面部分に対応する枠壁が切り欠かれて切欠部18−1、19−1(図2、図3、図4参照)が形成され、レンズ後部の平坦周面部分が露出している。
【0055】
これら第1の移動鏡枠17、第2の移動鏡枠18及び第3の移動鏡枠19は(図4参照)、それぞれ、軸受部53(53−1、53−2、53−3)を備え、これらの軸受部53には、それぞれ、ガイド孔54(54−1、54−2、54−3)が設けられている。
【0056】
また、これら第1の移動鏡枠17、第2の移動鏡枠18、及び第3の移動鏡枠19には、上記軸受部53と対向する端部に、それぞれU字切欠部55(55−1、55−2、55−3)を備えている。
更に、第1の移動鏡枠17の上記軸受部53とU字切欠部55とを有する後端部と対向する前端部外面56と(図3参照)上記軸受部53が配置される側面部57との境界に形成される段差部58には、光反射部材59が貼着されて配置される。
【0057】
また、第1の移動鏡枠17の軸受部53−1に一体に横に突設された部分と、第2の移動鏡枠18の軸受部53−2に一体に上に延設された部分に、それぞれカムフロア61(61−1、61−2)が形成されている。
また、第3の移動鏡枠19の軸受部53−3に一体に横方向に立設される側面には光反射部材62が貼着されている。
【0058】
また、第2の移動鏡枠18及び第3の移動鏡枠19には、上記軸受部53とU字切欠部55とを有する後端部と対向する前端部外面に図2で説明した補強用の凸部63(63−2、63−3)が形成されている。
この凸部63は、上述した装置全体を薄型にするために枠壁が切り欠かれて欠如している鏡枠の強度を補強するために設けられている。
【0059】
また、上記3個の移動鏡枠のガイド孔54には、第1の固定鏡枠部15と第2の固定鏡枠部16のそれぞれ開口側面と開口主面に最も近接する角部に形成されたガイド軸支持孔64(64−1、64−2)に両端を支持される第1のガイド軸65が挿通される。
【0060】
これにより、第1,第2及び第3の移動鏡枠17、18及び19(つまり3個の移動レンズ部9、11、12)は、図2に示す光軸O2方向に移動可能に支持される。
また、第1のガイド軸65を支持するガイド軸支持孔64(64−1、64−2)が、開口側面と開口主面に最も近接する角部に形成されていることにより、第1のガイド軸65は、主固定鏡枠22により形成されるレンズ装置7本体内において、開放された側面と開放された主面とが交わる最外部に可及的に近接して配置される。このように最外部に可及的に近接して配置された第1のガイド軸65に軸受部53が支持されることにより、3個の移動鏡枠は、狭い扁平な装置本体内部において空間に無駄なく配置される。
【0061】
この第1のガイド軸65の挿通に際しては、第1の移動鏡枠17の軸受部53−1と、第2の移動鏡枠18の軸受部53−2との間に、押し付勢力を有する圧縮バネ66が、第1のガイド軸65に外嵌して介装される。
また、上記3個の移動鏡枠の組み付けに先立って、第1の固定鏡枠部15と第2の固定鏡枠部16のそれぞれ金属フレーム23bで構成される閉側面と開口主面とに最も近接する位置に形成された他の2つのガイド軸支持孔67(図4参照)により両端を支持されて第2のガイド軸68が配置される。
【0062】
この第2のガイド軸68は、第1の固定鏡枠部15に保持されるプリズムL1の出射面側に位置し、詳しくは後述する図5(b) に示すように、プリズムL1の外形の出射面方向の投影範囲内かつ出射面側光束の光学的有効範囲外かつ該光学的有効範囲の近傍に形成されるガイド軸支持孔67により、上記同様の位置に配置される。
【0063】
上記3個の移動鏡枠の組み付けに際しては、上述したU字切欠部54が上記第2のガイド軸68に横から嵌合して摺動自在に支持された後、その第2のガイド軸68を支点にして各移動鏡枠を内側に回動させることにより、第1の移動鏡枠17及び第2の移動鏡枠18に配設されているカムフロア61が、ズーム用シャフトカム25のカム溝に滑動自在に嵌入して係合する。
【0064】
すなわち、ズーム用シャフトカム25には、複数の鏡枠(この例では第1の移動鏡枠17及び第2の移動鏡枠18)に対応するカム(カムフロア61−1、61−2が係合するカム溝)がそれぞれ形成されている。
また、これと共に、第1の移動鏡枠17の前端部外面56(図3参照)が一方の主面を形成している金属フレーム23aの裏面に近接して配置され、第2の移動鏡枠18及び第3の移動鏡枠19の前端部外面に形成されている補強用の凸部63が、同じく金属フレーム23aに形成されている開口部69に嵌入する。
【0065】
この開口部69は、第2の移動鏡枠18及び第3の移動鏡枠19の移動によって移動する移動レンズ(図2のレンズL5〜L8参照)の移動との干渉を回避するために、つまり凸部63が移動することへの妨害となるのを回避すべく、上記移動レンズの移動ストロークに応じた上下に長い開口部を形成している。
【0066】
この後、上述した第1のガイド軸65が各移動鏡枠の軸受部53のガイド孔54及び両端部のガイド軸支持孔64に挿通される。これにより、上記二本のガイド軸(65、68)は、ズーム用シャフトカム25に隣接し且つズーム用シャフトカム25の軸と平行に配置される。
【0067】
このように、軸形状部材が、相互に隣接し且つ並行して配置されるので、装置全体の小型化に貢献できる。
これら二本のガイド軸により支持されて、3個の移動鏡枠(17、18、19)が、上下(光軸O2方向)に摺動可能に規制され且つ一方のガイド軸により他方のガイド軸周りの回転を禁止され、光軸O2に直角方向の位置決めをされて主固定鏡枠22内に配置される。
【0068】
また、第1の移動鏡枠17の軸受部53−1と第2の移動鏡枠18の軸受部53−2との間に圧縮バネ66が第1のガイド軸65に外嵌して介装されることにより、第1の移動鏡枠17と第2の移動鏡枠18は互いに相反する方向に付勢されている。
【0069】
これにより、ズーム用シャフトカム25のカム溝に係合するそれぞれのカムフロア61−1、61−2が、ズーム用シャフトカム25のカム溝の溝壁のそれぞれ相反する片側に押し付けられるようになり、したがって、ズーム用シャフトカム25の回転駆動時のカム溝とカムフロア間に生じる遊びが解消される、これにより、上移動時と下移動時における位置関係が正しく制御される。
【0070】
上記の配置において、第1のガイド軸65は、ズーム用シャフトカム25とほぼ並行に且つ隣接して配置される。
この後、図2にも示した撮像素子14が第2の固定鏡枠部16の下面に取り付けられる。また、金属フレーム23aと同一面にある第1の固定鏡枠部15の面の、第1の移動鏡枠17に取り付けられている光反射部材59に対応する位置にフォトセンサ取付孔71が設けられており、このフォトセンサ取付孔71にフォトセンサ72が配置される。
【0071】
このフォトセンサ72は、第1の移動鏡枠の初期位置を検知する。その検知した初期位置からの第1の移動鏡枠の移動距離は、ズーム用モータユニット35のステップ駆動されるズームモータのステップ数を、不図示の制御装置がカウントすることにより移動位置を検出して決定される。
【0072】
また、第2の固定鏡枠部16の開放されている側面に面する側の、第3の移動鏡枠19に取り付けられている光反射部材62に対応する位置に、他のフォトセンサ73が配置される。このフォトセンサ73は、第3の移動鏡枠19に取り付けられた光反射部材62からの反射光を検出して第3の移動鏡枠19の初期位置を検知する。
【0073】
図5(a) は、上記構成の中の、図2に示した第1の固定レンズ部8を保持する第1の固定鏡枠部15部分の構成を向きを変えて拡大して示す斜視図であり、同図(b) は、そのレンズL2の面方向(光軸O2の方向)から見た図である。尚、既に説明した構成部分には、図1乃至図4と同一の番号を参考のために付与して示している。
【0074】
図5(a) に示すように、第1の固定鏡枠部15には、図3にも示したズーム用シャフトカム25の一方の細径部26aが挿通される軸受嵌合孔28を有すると共に、ズーム用シャフトカム25の他方の細径部26bが軸支される図3では陰になって見えなかった軸受け孔74を備えている。
【0075】
また、図5(a),(b) には、金属フレームと一体成形の第1の固定鏡枠部15を示しているが、金属フレームの図示は省略している。なお、図3及び図4に示した金属フレーム23a及び23bの部分は、図5(b) において、それぞれ上面と右側面に位置している。
【0076】
この第1の固定鏡枠部15には、第1の固定レンズ部8と、第1、第2の移動鏡枠17、18をプリズムL1により折り曲げられた第2の光軸O2に沿って所定の位置関係で移動きせるズーム用シャフトカム25、及びこのズーム用シャフトカム25をその回転軸を中心に回転させるためのズーム用モータユニット35等が取り付けられる。
【0077】
先ず、第1の固定鏡枠部15に保持される図2に示した第1の固定レンズ部8のうちプリズムL2は、後述する図6(a) に詳細を示すが、第1の固定鏡枠部15の内面左右に設けられている凸部75により、プリズム反射面の光学的有効範囲を妨げない部分に当接されて位置決めされ、プリズム出射面の光学的有効範囲を妨げない部分において、接着剤溜まり部24が形成する間隙に充填された接着剤によって第1の固定鏡枠部15に接着固定されている。
【0078】
上記第1の固定レンズ部8に含まれる他方のレンズL2は、レンズ装置7の薄型化のために、折れ曲がり光軸O2に沿って上下の周面が切除されて平坦周面76を形成している。これにより、レンズL2は、全体として小判形77を形成している。
【0079】
この小判形77の形状に加えて、第1の固定鏡枠部15のレンズL2を保持する部分は、小判形77に形成されたレンズL2の切除部の少なくとも片方(図では下方)の平坦周面76に対応する部分が、光軸O2と平行な面で切り欠き部78を形成されている。これにより、レンズ装置7の更なる薄型化が図られる。
【0080】
尚、第1の固定レンズ部8に含まれるレンズL2は、平坦周面76を除いた円周部を、第1の固定鏡枠15内面に設けられた4箇所の凸部79(79−1、79−2、79−3、79−4)で保持されている。
図5(b) に示すように(図5(a) も参照)、第2のガイド軸68を支持するために第1の固定鏡枠部15に設けられたガイド軸支持孔67は、前述したように、図5(b) では図外となるもう一方のガイド軸支持孔67と共に、金属フレーム23bで構成される閉側面と開口主面(図5(a),(b) では下面)とに最も近接する位置に形成されている。
【0081】
また、これにより、ガイド軸支持孔67は、図5(a) を見ても分かるるように第1の固定鏡枠部15に保持されるプリズムL1の出射面側(レンズL2側でもある)に位置し、図5(b) に示すように、プリズムL1の外形の出射面方向の投影範囲L1´内、かつ出射面側光束の光学的有効範囲(小判形のレンズL2の面と同一範囲)外、かつ該光学的有効範囲の近傍に形成されている。
【0082】
したがって、上記相対する2つのガイド軸支持孔67に支持される第2のガイド軸68も、上記と同様の位置に配置される。
また、図3及び図4に示した第1のガイド軸65を支持するために第1の固定鏡枠部15に設けられたガイド軸支持孔64−1は、前述したように、図5(b) では図外となる第2の固定鏡枠部16に設けられたもう一方のガイド軸支持孔64−2と共に、金属フレーム23bに対向する開口側面と金属フレーム23aに対向する開口主面に最も近接する角部に形成される。
【0083】
したがって、上記相対する2つのガイド軸支持孔64−1,64−2に支持される第1のガイド軸65も、上記と同様の位置に配置される。
これにより、換言すれば、主固定鏡枠22を構成する金属フレーム23は、図5(b) に示すように、その断面がL字形状を構成する面(23a及び23b)が、それぞれプリズムL1により折り曲げられた光軸O2を含む面h又はpを挟んで、第1のガイド軸65と対向する側に設けられているということができる。
【0084】
図6(a) は、第1の固定鏡枠部15に組み込まれる部材の分解斜視図であり、同図(b) は、同じく第1の固定鏡枠部に組み込まれたズーム用モータユニット35の側面図である。
図6(a) には、図5ではプリズムL1の陰になって見えなかった図の向う側内部側面のプリズムL1用の接着剤溜まり部24や凸部75その他の第1の固定鏡枠部15内面の構成を示し、更に、レンズL2を取り除いて、図5では定かでなかったレンズL2用の接着剤溜まり部24や4箇所の凸部79及び切り欠き部78を示している。
【0085】
また、図6(b) には、ズーム用モータユニット35を側面図で示し、第1の固定鏡枠部15は側断面図で示している。
図6(a) に示すように、第1の固定鏡枠部15は、プリズムL1の反射面に沿った斜面部81を有し、この斜面部81には、プリズムL1用の凸部75の下端部に対応し、プリズムL1の反射面の光学的有効範囲外となる位置に、小さな長方形の凸部82が設けられている。
【0086】
また、同図(b) に示すズーム用モータユニット35を斜面部81の背面の本来であればプリズム背面の遊び空間となる間隙に無駄なく収容するために、ズーム用モータユニット35の上方角部に対する逃げとして切り欠かかれた切欠溝孔83が3箇所に形成されている。
【0087】
この切欠溝孔83からプリズムL1の反射面へ、背後から有害光が進入するのを防ぐために、斜面部81の表面と、プリズムL1の反射面(の裏側)との間に遮光板84が介装される。遮光板84には、その両側端部に、上記凸部82に係合する切欠部85が形成されている。切欠部85は、凸部82の逃げを構成すると共に遮光板84の位置決め機能を有している。
【0088】
本例のズーム用モータユニット35のモータ86は、ステッピングモータで構成されており、図6(b)に示すように、モータ86は、斜面部81に隣接し、この斜面部81に対しプリズムL1の反対側(背面の遊び空間)に配置されている。そして、その出力軸87は、第2の光軸O2に平行に配置されている。
【0089】
図7は、上記のズーム用モータユニット35の構成と、このズーム用モータユニット35とズーム用シャフトカム25との係合関係を示す図である。尚、同図は図6(b) の図の向う側下方から見た図、換言すれば、ズーム用モータユニット35とズーム用シャフトカム25のみを取り出して天地を逆にして置いた斜視図である。
【0090】
図7に示すように、ズーム用モータユニット35において、モータ86の出力軸87が設けられている側面に地板88が取り付けられている。地板88には、モータ86の回転をズーム用シャフトカム25に伝達するギア列36を構成する複数のギアが両面に組み付けられている。
【0091】
ギア列36は、モータ86の出力軸87に取り付けられた駆動ギア89、この89に直接噛合するアイドルギア91、このアイドルギア91に噛合する1番目の減速ギアの大径ギア92、この大径ギア92と共に1番目の減速ギアを構成する小径ギア93、この小径ギア93に噛合する2番目の減速ギアの大径ギア94、この大径ギア94と共に2番目の減速ギアを構成してズーム用シャフトカム25のギア27に直接噛合する小径ギア95から構成される。
【0092】
この、ズーム用モータユニット35は、ズーム用シャフトカム25のギア27と噛み合う小径ギア95を有する2番目の減速ギアの回転軸が、第1の固定鏡枠部15に設けられた位置決め孔に嵌合すると共に、地板88からほぼ直角に折り曲げられて突設された取り付け部88−1の取り付け孔88−2を介して、第1の固定鏡枠部15にネジ止めされて固定される。
【0093】
この、ズーム用モータユニット35において、出力軸87の駆動ギア89、アイドルギア91、及び1番目の減速ギアの大径ギア92は、地板88の同一面側に配置され、1番目の減速ギアの小径ギア93、及び2番目の減速ギアの大径ギア94と小径ギア95は、地板88のアイドルギア92が組み付けられた面とは逆の面に配置されている。
【0094】
すなわち、地板88に組み付けられた複数のギアから成るギア列36の中でズーム用シャフトカム25(のギア27)に直接噛合するギア(2番目の減速ギアの小径ギア95)は、ギア列36の中の出力軸87のギア(駆動ギア89)に直接噛合するギア(アイドルギア91)が組み付けられた面とは逆の地板面に組み付けられている。
【0095】
このように、第2の光軸O2に並行な出力軸87の駆動ギア89が配置される地板88の両面に複数の減速ギアが配置され、減速ギアの少なくとも一組は地板88の表裏をまたいで取り付けられ、且つ駆動ギア89とは地板88の反対側面にあるギア列36の最終段のギアである2番目の減速ギアの小径ギア95が、第2の光軸O2に並行に配置されるズーム用シャフトカム25に設けられたギア27と噛み合ってズーム用シャフトカム25を回転させるので、ズーム用シャフトカム25ヘ動力を伝達するためのギア列36は全て平歯車で構成することができると共にズーム用モータユニット35とズーム用シャフトカム25との係合関係が軸延長方向に少なくとギア1枚分の厚さだけ短縮される。
【0096】
これによりズーム用モータユニット35の構成を簡略化することができると共に、両者の係合関係が可及的に狭い空間の中で構築される。
このズーム用モータユニット35におけるモータ86の順逆両方向の回転により、ズーム用シャフトカム25が所定範囲の角度内で順逆両方向に回動する。このズーム用シャフトカム25の外周に設けられた第1のカム溝25−1及び第2のカム溝25−2に、第1の移動鏡枠17のカムフォロワ61−1及び第2の移動鏡枠18のカムフォロワ61−2(図3参照)が係合していることにより、上記ズーム用シャフトカム25の回動に応じて、第1の移動鏡枠17と第2の移動鏡枠18(つまり第1の移動レンズ部9及び第2の移動レンズ部11)が、第2の光軸O2方向に沿って離接の移動を行って、光軸O2方向に進む光束の映像に対し縮小/拡大のズームを行う。
【0097】
図8は、絞り・シャッタユニット42の一部分解斜視図である。同図は、図3においてほぼ真上方向からシャッタユニット42を見た図である。図8に示すように、絞り・シャッタユニット42のロータリーソレノイド44及び45は、それぞれ外殻がほぼ正方形を成し、一面(図8では下面)を地板96に固定されており、この地板96を介して金属フレーム23aに固定される。
【0098】
ロータリーソレノイド44は、絞り用の駆動部であり、その側面の間隙44−1から他方のロータリーソレノイド45の側面に沿って延設されて設けられた長いアーム97を備え、この長いアーム97を所定範囲の角度で回動させる。
長いアーム97の先端には、絞り・シャッタ部43の絞り機構との係合部97−1がピン状に突設されている。この長いアーム97の間隙44−1から外部に出ている根元には溝が切り込まれおり、この溝に二股バネ98の一方の端部が係合し、二股バネ98の他方の端部は地板96に設けられているバネ止め孔96−1に係止している。
【0099】
この二股バネ98の開き付勢力により、長いアーム97は常に図の下から上方向に、つまり矢印a方向に見て反時計回り方向に、回動するように付勢されている。長いアーム97の図に示す上に回動した位置は、これと係合する絞り機構の光学フィルタ(不図示)を光路から退避させる位置である。
【0100】
他方のロータリーソレノイド45は、シャッタ用の駆動部であり、その側面の間隙45−1から外部に出て上記長いアーム97に並行に設けられた短いアーム99を備えており、この短いアーム99を所定範囲の角度で回動させる。
この短いアーム99の先端にも、絞り・シャッタ部43のシャッタ開閉機構との係合部99−1がピン状に突設されている。同図は、短いアーム99が上から下方向に、つまり矢印a方向に見て時計回り方向に回動して停止している状態を示している。この位置は、これと係合するシャッタ開閉機構のシャッタを光路から退避させる位置である。
【0101】
そして、上記の地板96には絞り・シャッタ部43が取り付けられる。これにより、絞り・シャッタ部43の絞り機構の駆動部と長いアーム97の係合部97−1とが係合し、絞り・シャッタ部43のシャッタ開閉機構の駆動部と短いアーム99の係合部99−1とが係合する。
【0102】
絞り・シャッタユニット42が、地板96を介して金属フレーム23aに組み付けられたとき、絞り・シャッタ部43は、第1、第2の移動レンズ部9、11の間において、図2に示した絞り位置21に配置される。
絞り・シャッタユニット42には、特には図示しないが、光軸O2を進行する光束の進路を開閉するシャッタとそのシャッタ開閉機構、及び撮像面への光量を制御する光学フィルタ(NDフィルタ)と、その光学フィルタを光束の進路内に進退させるフィルタを絞りとして備えられている。
【0103】
ロータリーソレノイド44に回路基板5の制御装置を介して電圧が印加されると、長いアーム98が二股バネ98の付勢力に抗して下方向に回動し、これに連動して、絞り・シャッタ部43のフィルタ機構が光学フィルタを光束の進路内に進入させ、電圧の印加が停止されると二股バネ98の付勢力により長いアーム98が図に示すように上に回動し、これに連動してフィルタ機構が光学フィルタを光束の進路外に退出させる。
【0104】
ロータリーソレノイド45に回路基板5の制御装置を介してシャッタ閉じ方向に電圧が印加されると、短いアーム99が上に回動し、電圧の印加が停止されるとその状態が保持される。これにより、短いアーム99に連動する絞り・シャッタ部43のシャッタ開閉機構がシャッタを閉じて光束の進路を遮断し、その状態を維持する。
【0105】
他方、ロータリーソレノイド45に回路基板5の制御装置を介してシャッタが開く方向に電圧が印加されると、短いアーム99が図に示すように上に回動し、電圧の印加が停止されるとその状態が保持される。これにより、短いアーム99に連動する絞り・シャッタ部43のシャッタ開閉機構がシャッタを開いて光束の進路を開放し、その状態を維持する。
【0106】
続いて、合焦用の第3の移動レンズ部12を保持する第3の鏡粋の移動を駆動する超音波リニアモータについて説明する。
図9(a) は、本例において用いられる超音波リニアモータの分解斜視図であり、同図(b) は、その組み立て上がり状態を示す斜視図である。同図(a),(b) に示すように、超音波リニアモータ100は、先ず、長方形をした振動子(超音波振動子)101と、この振動子101の上下に対向する2面にそれぞれ振動子101と一体に形成された又は別体で接着された突起形状の複数(図の例ではそれぞれ2個)の自走用接触部102(102−1、102−2)とを備えている。
【0107】
更に、上記、振動子101の自走用接触部102を介して振動子101を上下から挟持して該振動子101の移動をガイドする2本のガイド軸103(103−1、103−2)と、これらを位置決めしながら全体を支持する支持部104とを備えている。
【0108】
支持部104には、基部104−1の両端からそれぞれ基部104−1と一体に設けられた立設部104−2の上部に、上記2本のガイド軸103のうち、上のガイド軸103−1を接着固定して支持する固定軸受孔105がそれぞれ形成され、その下方に、下のガイド軸103−2を揺動自在に支持する軸受長孔106が形成されている。
【0109】
また、支持部104の基部104−1の両端部近傍の外底部には、軸受長孔106に挿通される下のガイド軸103−2に対応する位置に凸部107がそれぞれ設けられており、この凸部107は、図では定かには見えないが上方から見ると内空になっていて、この内空部に螺旋バネ108が保持される。
【0110】
そして、内空部から外部上方に突出する螺旋バネ108の上端部が下のガイド軸103−2の両端部近傍において下のガイド軸103−2を上方に付勢する。これにより、下のガイド軸103−2は、上のガイド軸103−1と共に挟持する振動子101の後述する振動運動と螺旋バネ108の付勢力とによって、上下に揺動可能に軸受長孔106により支持される。
【0111】
この揺動自在な下のガイド軸103−2の軸受長孔106からの脱落や脱出を防止するために、軸受長孔106に挿通された下のガイド軸103−2の両端部に当接して抜け止めピン109が配置され、この抜け止めピン109は、その両端部を軸受長孔106の開口部外側に形成されるピン固定溝111内に接着固定される。
【0112】
上記の振動子101は、その後述する特有の振動運動と自走用接触部102及び2本のガイド軸103−1、103−2の作用により、図9(b) に示す両方向矢印bで示すガイド軸103−1及び103−2と並行する方向へ両端の立設部104−2間を進退移動する。
【0113】
上記の自走用接触部102は、第1及び第2のガイド軸103との接触面に、第1及び第2のガイド軸103の半径と略同一の切り欠き部が設けられており、これにより、自走用接触部102は、第1及び第2のガイド軸103に沿った方向のみに自走移動するように規制されている。
【0114】
この図9(b) に示す本例における超音波リニアモータ100は、上記のように振動子101自体が自走可能な自走式となるように構成されている。この振動子101の構成について以下簡単に説明する。
図10は、図9(a),(b) では図示を省略した振動子101への電極配線を示す図である。尚、図10では、振動子101の向きを、図9(a),(b) に示す場合と天地を逆にして示している。
【0115】
同図に示す振動子101の内部は、特には図示しないが、角柱形状の2つの圧電体積層部112(112A、112B)が横に並べて配置され、これにより振動子101は、全体として直方体形状に形成されている。
各圧電体積層部112は、詳細な構成は省略するが、内部電極処理が施された薄い矩形状の、材質としては例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等から成る圧電体層が複数枚積層され、これら複数積層された圧電体層を挟持するように積層の最初と最後に電極が施されていない絶縁体層が積層されて構成される。
【0116】
これら圧電体層の積層方向に形成される最外部絶縁体層が、図9(b) において2本のガイド軸103により自走用接触部102を介して挟持される振動子101の2つの対向する面、すなわち図10において上下に対向する一方の面101−1及び他方の面101−2を形成している。
【0117】
また、圧電体積層部112の残る側面、つまり振動子101の図9(b) において2本のガイド軸103に並行で且つガイド軸103に対面していない面、及び2本のガイド軸103の延在方向に直交する面も、適宜の絶縁層で被覆されている。
【0118】
そして、更に振動子101には、上記2本のガイド軸103に並行で且つガイド軸103に対面していない2つの側面のうち図10に示す一方の側面101−3に、その表面4箇所に、外部電極端子A+、A−、B+、B−が設けられる。これらの外部電極端子A+、A−、B+、B−は、それぞれ上記内部電極処理が施された各圧電体層の内部電極に接続され、電極端子A+及びA−はA相電極として構成され、電極端子B+及びB−はB相電極として構成されている。
【0119】
これらの外部電極端子A+、A−、B+、B−に制御装置から印加される駆動電圧により振動子101に後述する超音波楕円振動が発生する。
上記圧電体積層部112の積層方向の面、つまり振動子101の上記の絶縁体層からなる一方の面101−1及び他方の面101−2の2面のそれぞれ2箇所に突起形状に形成されている上述した自走用接触部102は、それぞれ、振動子101の最も高レベルの出力特性が得られる任意の位置、つまり振動子101の後述する最も高レベルの超音波楕円振動が行われる位置に設けられる。
【0120】
また、振動子101の一方の側面101−3において、振動子101の中央部すなわち後述する1次縦振動と2次屈曲振動それぞれの振動モードにおいて共通に静止している点の近傍(本例ではこの部分を「節」と表現する)に、振動子101の移動出力取り出し用のピン部材113が、側面101−3に固定され、ほぼ直角に突設されて配置される。
【0121】
これにより、後述する振動子101から第3の移動鏡枠19に移動力を伝達する際に振動子101の振動を第3の移動鏡枠19に無用に伝えることなく、移動力(力自走駆動力)のみを第3の移動鏡枠19に伝達することができる。
尚、上記の移動出力取出用のピン部材113は、断面が丸、四角その他任意の形状で中空又は中実の剛性を持った部材であれば何で構成してもよい。
【0122】
このように鏡枠を移動させる駆動力の伝達部材の形状・材質上の特性が簡単な構成であるので、製造上のコストが低減され且つ組み立てが容易である。
図11(a),(b) は、上記振動子101の超音波楕円振動を模式的に説明する斜視図である。先ず、図10に示した振動子101のA相電極、及びB相電極に、同位相で周波数160kHz近傍の交番電圧を印加すると、波振動子101には1次の縦振動が励起される。また、上記A相電極、及びB相電極に、逆位相で周波数160kHz近傍の交番電圧を印加すると、振動子101には2次の屈曲振動が励起される。
【0123】
これらの振動を、有限要素法を用いてコンピュータ解析すると、図11(a) に示すような共振縦振動姿勢,及び図11(b) に示すような共振屈曲振動姿勢がそれぞれ予想された。そして、超音波振動測定の結果は、それらの予想が実証された。
【0124】
これら振動子101の縦振動と屈曲振動とから合成される楕円振動が、4個の自走用接触部102を介して2本のガイド軸103に作用し、その反作用として振動子101が、2本のガイド軸103に沿って、支持部104の両立設部104−2間を進退移動する。これが、本発明における超音波リニアモータの動作原理である。
【0125】
ところで、図9(a),(b) に示す超音波リニアモータ100において、上記図11(a),(b) のように振動する振動子101を自走用接触部102を介して挟持する上下2本のガイド軸103のうち、下のガイド軸103−2は、支持部104の軸受長孔106により支持されているが固定されてはおらず、その両端部は左右方向は軸受長孔106によりぶれを抑止されているものの、上下方向は螺旋バネ108により下支えされて、軸受長孔106の範囲内で揺動可能に構成されている。
【0126】
したがって、特に振動子101が上下のガイド軸103間で、いずれかの支持部104側に近接しているときは、上下のガイド軸103は相対的に平行でなくなり(振動子101の位置していない側の間隔がいくらか近くなる)、それに伴って自走用接触部102のなかには、ガイド軸103と接触しないものができることがある。
【0127】
しかし、このように自走用接触部102の一部がガイド軸103から離れることがあっても、振動子101の移動動作にとっては根本的な問題ではない。例えば、4つの自走用接触部102は(以下、図9(b) 参照)、2つの支持部104間、つまり振動子101の移動運動範囲の中心付近では4個とも2本のガイド軸103に接触しているが、振動子101が左端に移動したときは左下の自走用接触部102−2、振動子101が右端に移動したときは右下の自走用接触部102−2が下のガイド軸103−2からやや浮いた状態になる場合がある。
【0128】
この場合、浮いていない方の(左端にあるときは右下の)自走用接触部102−2が下のガイド軸103−2に接触して楕円振動を行い、振動子101の移動力の源になる。したがって、自走用接触部102は、いずれか2又は3個が上下のガイド軸103に接触していれば振動子101の移動力を得ることができる。
【0129】
図12(a) は、上記超音波リニアモータ100と、第3の移動鏡枠19との連結方法を説明する斜視図であり、同図(b) は、その連結に用いられる板バネを取り出して示す斜視図、同図(c) は、連結部のみを取り上げて示す斜視図である。尚、図12(a) は、超音波リニアモータ100と第3の移動鏡枠19を図4の左方やや斜め上から見た図である。また、同図(a),(b),(c) における以下の説明で上下前後左右の方向や向きをいうときは、図4ではなく図12(a),(b),(c) の見方でいっている。また、図12(a) は、振動子100の斜め左上向う側のピン固設面の中央から内部に挿通されて固定されている移動出力取出用のピン部材113を、分かり易いようにピン固設面側に抜き出して示している。
【0130】
図12(a) に示すように、第3の移動鏡枠19は、第3の移動レンズ部12を保持する鏡枠本体114と軸受け部53−3と、この軸受部53−3から下方に突設された係合突設部115から構成されている。係合突設部115のほぼ中央部には、鏡枠本体114の移動方向である第2の光軸O2に並行する方向に長い長孔116が穿設されている。
【0131】
この長孔116には、移動出力取出用のピン部材113を第3の移動鏡枠19鏡枠との当接個所(係合突設部115の長孔116)に付勢する板バネ117が図の向う側から係合する。
板バネ117は、平らな本体部117−1と、この本体部117−1の下方から手前と上方に2段に折り曲げられたけ係止部117−2と、本体部117−1の左横から手前に折り曲げられた付勢部117−3とで構成されている。
【0132】
この板バネ117は、その係止部117−2が、第3の移動鏡枠19の長孔116が形成されている係合突設部115の下端部を向う側から回り込むように挟みつけて係合突設部115に係止する。これにより板バネ117の本体部117−1が長孔116の向う側開口面に密着し、付勢部117−3が長孔116内の所定の位置に向う側から挿入される。
【0133】
付勢部117−3と長孔116の左端部間には移動出力取出用のピン部材113が挿通されるだけの間隙が形成されている。
第3の移動鏡枠19の鏡枠本体114の向う側の側面と、係合突設部115の手前側の面との間には、ちょうど超音波リニアモータ100が配置されるだけの空隙が形成されている。この空隙に超音波リニアモータ100が配置されたとき、その移動出力取出用のピン部材113が、図12(c) に示すように、付勢部117−3と長孔116の左端部間に形成されている間隙に挿通される。
【0134】
この係合により、移動出力取出用のピン部材113は、長孔116内において、第2の光軸O2方向への動きを禁止されるが、上下の動きには遊びが許されている。
この遊びにより、振動子101と2本のガイド軸103との取り付け時の位置ずれ等が吸収される。
【0135】
また、これにより、移動出力取出用のピン部材113は、振動子101の第2の光軸O2方向への移動の向きと力を第3の移動鏡枠19に正確に伝達する一方で振動子101の楕円振動による上下動は、長孔116内における上下動で吸収し、第3の移動鏡枠19に伝達することはない。
【0136】
このように、本例では振動子101と第3の移動鏡枠19間の連結には、一方で振動子101に固定され、他方では板バネ117の付勢力により第3の移動鏡枠19鏡枠との当接個所(係合突設部115の長孔116)に当接するのみの移動出力取出用のピン部材113による連結状態を形成して、これにより振動子101の移動力(駆動力)を第3の移動鏡枠19の移動に伝達するようにしている。
【0137】
図13(a),(b) は、超音波リニアモータ100(の振動子101)と第3の移動鏡枠間の他の連結方法を示す斜視図である。同図(a) に示すように、第3の移動鏡枠19の係合突設部115には、丸孔118と長孔119が第2の光軸O2方向に沿って並んで形成されている。
【0138】
本例では、上述した移動出力取出用のピン部材113と板バネ117に代わる単体の剛性挟持部材200が用意される。剛性挟持部材200は、長方形の板状の基部201と、この基部201の背面2箇所に形成された凸部202(202−1,202−2)と、基部201の左右長手方向の両端部から手前にほぼ直角に突設された挟持部203(203−1、203−2)とで構成される。挟持部203の内面には例えばシリコンゴムなどから成る弾性部材204がそれぞれ貼着されている。
【0139】
剛性挟持部材200は、凸部202−1が係合突設部115の丸孔118に嵌入して位置決めされ、凸部202−2が長孔119に嵌入して回転を禁止されて、接着により固定される。
第3の移動鏡枠19の鏡枠本体114の向う側の側面と係合突設部115の手前側の面との間に形成されている空隙に、超音波リニアモータ100が配置されたとき、上記の剛性挟持部材200が、図13(b) に示すように、振動子101の走行方向(移動方向)に直交する2つの外形面101−5及び101−6を、挟持部203により、その内面に貼着されている弾性部材204を介して挟み込んで、振動子101と第3の移動鏡枠19とを連結する。
【0140】
このように、剛性挟持部材200が弾性部材204を介して振動子101を挟持することにより、この場合も、上述した振動子101と2本のガイド軸103との取り付け時の位置ずれ等が吸収される。また、これにより、振動子101の振動特性に影響を与えないように必要以上の外力が加わることを防いでいる。
【0141】
尚、剛性挟持部材200の挟持部203は、超音波リニアモータ100の平行に配置された2本のガイド軸103−1及び103−2の間に入り込んで振動子101を挟み込む形となる。
このように、図13のように構成しても、超音波リニアモータ100の振動子101の自走力(移動力)を第3の移動鏡枠19に伝達することができる。尚、同図には、剛性挟持部材200を第3の移動鏡砕19と別体として示しているが、これに限ることなく、第3の移動鏡枠19と剛性挟持部材200とを一体に構成することもできる。
【0142】
図14(a),(b) は、超音波リニアモータ100(の振動子101)と第3の移動鏡枠19間の更なる他の連結方法を示す斜視図である。同図(a) に示す第3の移動鏡枠19の係合突設部115の構成は図13(a) の場合と同様である。そして、本例では、剛性挟持部材200に代わって弾性挟持部材200´が用いられる。
【0143】
弾性挟持部材200´は、基部201´、凸部202´(202´−1,202´−2)、挟持部203´(203´−1、203´−2)などの全体が弾性部材で形成されている。したがって挟持部203´(203´−1、203´−2)の内面に、図13の場合のように弾性部材204を貼着する必要がない。
【0144】
上記の弾性挟持部材200´を形成する弾性部材としては、例えばポリエステルエラストマなどを用いることができる。
このように構成しても、超音波リニアモータ100の振動子101の自走力(移動力)を第3の移動鏡枠19に伝達することができる。
【0145】
尚、振動子101の第3の移動鏡枠19への駆動伝達部材を図13又は図14に示す挟持部材の構成にすると、振動子101に移動出力取り出し用のピン部材113を取り付けるための機械加工が不要となるという利点がある。
また、上記図13及び図14では、いずれも振動子101を弾性的に挟持するように構成しているが、超音波リニアモータ100によって駆動される移動体(本例では第3の移動鏡枠19)の停止位置に高精度が要求されない場合には、挟持部材と振動子との間に若干の間隙があっても支障はない。そのような場合には挟持部材は必ずしも弾性部材で構成されている必要はない。
【0146】
図15は、図3及び図4に示した磁気センサユニット47の詳細な構成を、この磁気センサユニット47が組み付けられる超音波リニアモータ100と第3の移動鏡枠19と共に示す一部分解斜視図である。
この磁気センサユニット47は、図3に示したフォトセンサ73が第3の移動鏡枠19の初期位置を検知した後、その初期位置からの第3の移動鏡枠19の移動距離を検出するために設けられる。
【0147】
図15に示すように、上述した超音波リニアモータ100は、図12及び図13でも説明したように、第3の移動鏡枠19の鏡枠本体114の側面と係合突設部115との間に配置される。そして、図15において、超音波リニアモータ100は、磁気センサホルダ205(205−1、205−2)と共に、金属フレーム23aに固定される。
【0148】
磁気センサホルダ205の横平面部205−1には板バネ206の係止部206−1が係止するように構成されており、磁気センサホルダ205の縦平面部205−2には、磁気センサ207が保持されている。磁気センサ207にはほぼ中央部に磁気を検出するための検出部207−1が形成されている。また、検出部207−1の上方から、接着剤208により磁気センサ207との電気的接続が補強された4本の電極リード線209が引き出されている。
【0149】
また、第3の移動鏡枠19の軸受部53−3から上に立設する(図12乃至図14では見方が上下逆になるため下方に立設する形状で示している)係合突設部115から更に所定の段差で外側(図15では斜め右下方向)に張り出して平面部を形成しているスケール保持部115−1には、磁気スケール210の係止部210−1が接着され、これにより磁気スケール210は、スケール面を磁気センサ207の検出部207−1に向けてスケール保持部115−1に固定される。
【0150】
この磁気スケール210は、弾性のあるシート材、例えばポリエステル等の樹脂製シートから成り、スケール面側に磁性体を塗布し、この磁性体を一定間隔で磁化したものである。この磁気を磁気センサ207が読み取るためには、磁気スケール210のスケール面と磁気センサ207の検出部207−1とが常にできるだけ近接していることが好ましい。
【0151】
この磁気スケール210がスケール保持部115−1を介して第3の移動鏡枠19に固定して取り付けられているのに対し、磁気センサ207は金属フレーム23aに固定され、この金属フレーム23aに対し第3の移動鏡枠19が前述したように2本のガイド軸(65、68)に沿って移動可能に配置されていることにより、磁気センサ207と磁気スケール210も相対的に移動可能に配置されている。
【0152】
図15に示すように、エンコーダを構成する磁気スケール210と前記磁気センサ207とは、第3の移動鏡枠19を移動駆動する超音波リニアモータ100と共に、第3の移動鏡枠19の側部側に積み重なって配置されている。
更に超音波リニアモータ100とエンコーダの位置関係を言えば、前述したように超音波リニアモータ100は第3の移動鏡枠19の鏡枠本体114と、ピン部材113や板バネ117等の連結部材が配置される係合突設部115との間に配設され、磁気センサ207は、第3の移動鏡枠19の係合突設部115の外側に、第2の光軸O2と略並行になるように配置されている。これにより、ここでも装置の小型化が推進される。
【0153】
上記の磁気スケール210の裏面には、図15に示すように、表面の滑らかな非磁性の金属箔211が貼着されることが好ましい。この金属箔211が貼着された磁気スケール210は、その係止部210−1によりスケール保持部115−1に固定される。
【0154】
また、板バネ206は、係止部206−1から下方に下がって横に鉤型に張り出すバネ部206−2を備え、バネ部206−2の端部には、磁気スケール210側に向けて突設されたドーム状の凸部206−3が形成されている。この凸部206−3は、磁気センサ207の検出部207−1に対応する位置に形成されている。
【0155】
この板バネ206の係止部206−1が磁気センサホルダ205−1と共に金属フレーム23aに固定されることにより、板バネ206の凸部206−3が、磁気センサ207の検出部207−1に対し、磁気スケール210の係止部210−1に固定されない部分すなわち自由端側210−2を、金属箔211を介して押圧する。
【0156】
これにより、磁気スケール210のスケール面が磁気センサ207の検出部207−1に摺接しながら相対移動する。
このように磁気スケール210のスケール面が磁気センサ207の検出部207−1に接触移動することにより、磁気センサ207は、より正しく磁気スケール210のスケールを読み取ることができる。
【0157】
また、スケール面の背面を金属箔211を介して押圧する板バネ206の部分がドーム状の凸部206−3で形成されているので、金属箔211との摩擦抵抗が極めて小さくて済み、これにより、押圧により発生する抵抗負荷が低滅される。
【0158】
また、上記のようにスケール面の押圧される背面に、表面の滑らかな非磁性の金属箔211を貼着しているので、板バネ206との摩擦による磨耗を低くを抑えることができ、装置の寿命を長期に維持することができる。
図16は、上記磁気センサユニットの変形例を示す図である。図16に示す磁気センサユニットは、図15に示した磁気スケール210のスケール面の背面に貼着する金属箔211に代えて、スケール面の背面に樹脂層212を形成したものである。樹脂層212は、例えばフッ素系樹脂などで形成することができる。樹脂は一般に表面が滑らかで摩擦抵抗が少なく、滑りが良いので、このように樹脂層212を形成することによっても、押圧により発生する抵抗負荷を低滅することができる。
【0159】
図17は、磁気センサユニットの更なる変形例を示す図である。同図に示す例では、図15及び図16に示した板バネ206に代わって、磁気スケール210のスケール面の反対側面に一体的に非磁性の弾性金属シート213が取り付けられる。
【0160】
この弾性金属シート213は、ほぼ中央より180°よりも小さな角度で折り曲げられて、中央よりも両端が磁気センサ207側に寄るように形成され、磁気スケール210の係止部210−1側の端部で、磁気スケール210に一体に連設されている。
【0161】
これにより、弾性金属シート213のバネ性により、磁気スケール210を磁気センサ207に適度に押し当て、磁気センサ207のスケール面の変位可能な部分を磁気センサ207の検出部207−1に接触させるよう付勢することができる。
【0162】
尚、弾性金属シート213は、金属に限ることなく、樹脂製の弾性シートであっても良い。
また、第3の移動鏡枠19のスケール保持部115−1を、磁気センサ207側の段差を低くして全体に図の右上側から左下側に傾斜する傾斜面115−2を形成し、この傾斜面115−2に磁気スケール210の一端を固定して、磁気スケール210の自由端側が磁気センサ207側に接近するよう磁気スケール210を傾けてスケール保持部115−1に保持するように構成してもよい。
【0163】
この場合は、弾性金属シート213は折り曲げずに磁気スケール210の背面に貼着する。
これにより、図15に示した板バネ206のような押圧部材等が無しでも、磁気スケール210を安定して磁気センサ207の検出部207−1に接触をさせることができ、コストの低減と装置の小型化が促進される。
【0164】
上記図15乃至図17に示すいずれの構成にしても、磁気センサ207に磁気スケール210を弾性的に押し当てることにより、磁気センサ207と磁気スケール210間の摩擦抵抗を軽減すると共に、第3の移動鏡枠19が移動する際の磁気センサ207との位置ずれを吸収しながら簡単な構成で磁気による所望の位置信号を得ることができる。
【0165】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ズーム用移動鏡枠の進退駆動を、周面にカム溝を有する細長いシャフトカムで行うようにし、このシャフトカムを、ズーム用移動鏡枠の進退方向に沿って全体の鏡枠を支持する二本のガイド軸に並行に鏡枠に近接して配置し、シャフトカムの駆動源を光軸を折り曲げるプリズム背面の遊び空間を活用して配置するので、軸形状部材が、相互に隣接し且つ並行して配置され、且つ駆動源が遊び空間に配置されるので、折り曲げ光学系のレンズ機構の薄型化を損なうことのないズーム機構を備えたレンズ装置及びそれを用いたデジタルカメラを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a),(b) は一実施の形態におけるデジタルカメラの概略構成を示す図である。
【図2】一実施の形態におけるデジタルカメラのレンズ装置のA−A´矢視断面をデジタルカメラの左横から見た図である。
【図3】一実施の形態におけるデジタルカメラのレンズ装置をデジタルカメラの前側から見た分解斜視図である。
【図4】一実施の形態におけるデジタルカメラのレンズ装置をデジタルカメラの後側から見た分解斜視図である。
【図5】 (a) は一実施の形態における第1の固定鏡枠部の構成を向きを変えて拡大して示す斜視図、(b) はその曲げ光軸方向から見た図である。
【図6】 (a) は第1の固定鏡枠部に組み込まれる部材の分解斜視図、(b) は同じく第1の固定鏡枠部に組み込まれたズーム用モータユニットの側面図である。
【図7】ズーム用モータユニットの構成およびシャフトカムとの係合関係を示す図である。
【図8】一実施の形態における絞り・シャッタユニットの一部分解斜視図である。
【図9】 (a) は一実施の形態における超音波リニアモータの分解斜視図、(b) はその組み立て上がり状態を示す斜視図である。
【図10】一実施の形態における超音波リニアモータの振動子への電極配線を示す図である。
【図11】 (a),(b) は一実施の形態における超音波リニアモータの振動子の超音波振動を模式的に説明する斜視図である。
【図12】 (a) は一実施の形態における超音波リニアモータと第3の移動鏡枠との連結方法を説明する斜視図、(b) はその連結に用いられる板バネを取り出して示す斜視図、(c) は連結部のみを取り上げて示す斜視図である。
【図13】 (a),(b) は超音波リニアモータと第3の移動鏡枠間の他の連結方法を示す斜視図である。
【図14】 (a),(b) は超音波リニアモータと第3の移動鏡枠間の更なる他の連結方法を示す斜視図である。
【図15】一実施の形態における磁気センサユニットの詳細な構成を超音波リニアモータと第3の移動鏡枠と共に示す一部分解斜視図である。
【図16】一実施の形態における磁気センサユニットの変形例を示す図(その1)である。
【図17】一実施の形態における磁気センサユニットの変形例を示す図(その2)である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 撮影レンズ窓
3 ストロボ照射窓
4 レリーズボタン
5 回路基板
6 電池
7 レンズ装置
8 第1の固定レンズ部
9 第1の移動レンズ部
11 第2の移動レンズ部
12 第3の移動レンズ部
13 第2の固定レンズ部
14 撮像素子
L1 固定レンズ(プリズム)
L2、L9 固定レンズ
L3、L4、L5、L6、L7、L8 移動レンズ
15 第1の固定鏡枠部
15−1 切欠部
16 第2の固定鏡枠部
17 第1の移動鏡枠
18 第2の移動鏡枠
18−1 切欠部
19 第3の移動鏡枠
19−1 切欠部
19−2 突設部
21 絞り位置(シャッタ位置)
22 主固定鏡枠
23(23a、23b、23c) 金属フレーム
24 接着剤溜まり部
25 ズーム用シャフトカム
25−1 第1のカム溝
25−2 第2のカム溝
26(26a、26b) 細径部
27 ギア
28 軸受嵌合孔
29 軸受
31 凸部
32 付勢板バネ
32−1 曲がり足部
32−2 止め切片
32−3 付勢バネ部
33 切欠部
34 凸部
35 ズーム用モータユニット
36 減速ギア列
37 ギア軸固定部
38 止め板固定部
39 位置決め孔
41 止め孔
42 絞り・シャッタユニット
43 絞り・シャッタ部
44、45 ロータリーソレノイド
44−1、45−1 間隙
46 超音波リニアモータ
47 磁気センサユニット
48 磁気センサホルダ
49 磁気センサ
51 磁気スケール
52 付勢バネ
53(53−1、53−2、53−3) 軸受部
54(54−1、54−2、54−3) ガイド孔
55(55−1、55−2、55−3) U字切欠部
56 前端部外面
57 側面部
58 段差部
59 光反射部材
61(61−1、61−2) カムフロア
62 光反射部材
63(63−2、63−3) 凸部
64(64−1、64−2) ガイド軸支持孔
65 第1のガイド軸
66 圧縮バネ
67 ガイド軸支持孔
68 第2のガイド軸
69 開口部
71 フォトセンサ取付孔
72、73 フォトセンサ
74 軸受け孔
75 凸部
76 平坦周面
77 小判形
79(79−1、79−2、79−3、79−4) 凸部
h、p 第2の光軸O2を含む面
81 斜面部
82 小長方形凸部
83 切欠溝孔
84 遮光板
85 切欠部
86 モータ
87 出力軸
88 地板
88−1 取り付け部
88−2 取り付け孔
89 駆動ギア
91 アイドルギア
92、94 減速大径ギア
93、95 減速小径ギア
96 地板
96−1 バネ止め孔
97 長いアーム
97−1 係合部
98 二股バネ
99 短いアーム
99−1 係合部
100 超音波リニアモータ
101 振動子(超音波振動子)
101−1 上面
101−2 下面
101−3 一方の側面
102(102−1、102−2) 自走用接触部
103(103−1、103−2) ガイド軸
104 支持部
104−1 基部
104−2 立設部
105 固定軸受孔
106 軸受長孔
107 凸部
108 螺旋バネ
109 抜け止めピン
111 ピン固定溝
112(112A、112B) 圧電体積層部
113 ピン部材
114 鏡枠本体
115 係合突設部
115−1 スケール保持部
115−2 傾斜面
116 長孔
117 板バネ
117−1 本体部
117−2 係止部
117−3 付勢部
118 丸孔
119 長孔
200 剛性挟持部材
200´ 弾性挟持部材
201、201´ 基部
202(202−1,202−2) 凸部
202´(202´−1,202´−2) 凸部
203(203−1、203−2) 挟持部
203´(203´−1、203´−2) 挟持部
204 弾性部材
205(205−1、205−2) 磁気センサホルダ
206 板バネ
206−1 係止部
206−2 バネ部
206−3 凸部
207 磁気センサ
207−1 検出部
208 接着剤
209 電極リード線
210 磁気スケール
210−1 係止部
210−2 自由端側
211 非磁性金属箔
212 樹脂層
213 非磁性弾性金属シート
Claims (13)
- 入射光を反射させ入射光軸を折り曲げる反射光学素子と、
前記折り曲げられた光軸である第2の光軸上に配置され、前記第2の光軸の方向に沿って移動自在に配置された移動鏡枠と、
前記移動鏡枠を駆動する駆動手段と、
を具え、
前記駆動手段は、前記移動鏡枠の位置を決めるためのカム部が外周面に形成された軸状のカム部材と、該カム部材を回転させるモータを有し、
前記カム部材は、少なくとも軸方向で一部分が前記反射光学素子の側面に隣接するように配置された
ことを特徴とするレンズ装置。 - 前記カム部材は、中心軸が前記第2の光軸に平行になる向きで配置された
ことを特徴とする請求項1記載のレンズ装置。 - 前記反射光学素子を内部に保持する固定保持鏡枠を具え、該固定保持鏡枠には、前記カム部材を回転可能に軸支する軸受け部がさらに設けられた
ことを特徴とする請求項1記載のレンズ装置。 - 前記カム部材に隣接し且つ前記カム部材の軸と平行に設けられ、前記移動鏡枠の移動を前記第2の光軸方向に規制するガイド軸を有する
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のレンズ装置。 - 前記反射光の通過光量を規制する光量規制部材と、該光量規制部材を駆動する光量規制手段を具え、該光量規制手段は、前記カム部材の軸方向延長位置に配置された
ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のレンズ装置。 - 前記移動鏡枠は、ズーム比調節用の鏡枠である
ことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のレンズ装置。 - 前記移動鏡枠は、複数の鏡枠を有し、
前記カム部材には、前記複数の鏡枠に対応するカムがそれぞれ形成された
ことを特徴とする請求項6記載のレンズ装置。 - 前記移動鏡枠の撮像面側には更に合焦用の鏡枠が第2の光軸方向に移動自在に備えられ、前記合焦用の鏡枠を移動する駆動部材は、前記カム部材の軸の延長方向の位置で且つ撮像面側に配置されたことを特徴とする請求6又は7記載のレンズ装置。
- 前記固定保持鏡枠は、前記反射光学素子の反射面に沿った斜面部を有し、前記モータは、前記斜面部に隣接し前記反射光学素子の反対側に配置され、出力軸が前記第2の光軸に平行に配置された
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のレンズ装置。 - 入射光を反射させ入射光軸を折り曲げる反射光学素子と、
該反射光学素子を内部に保持する固定保持鏡枠と、
前記折り曲げられた光軸である第2の光軸上に配置され、該第2の光軸の方向に沿って移動自在に配置された移動鏡枠と、
該移動鏡枠を駆動する駆動手段と、
を備え、
前記固定保持鏡枠は、前記反射光学素子の反射面に沿った斜面部を有し、
前記駆動手段は、前記移動鏡枠の位置を決めるためのカム部が外周面に形成された軸状のカム部材と、該カム部材を回転させるモータを有し、
該モータは、前記斜面部に隣接し前記反射光学素子の反対側に配置され、出力軸が前記第2の光軸に平行に配置された
ことを特徴とするレンズ装置。 - 前記出力軸が設けられた前記モータの側面には、該モータの回転を前記カム部材に伝達する複数のギヤが両面に組み付けられた地板が取り付けられ、
該地板に組み付けられた前記複数のギヤから成るギヤ列の中で前記カム部材に直接噛合するギヤは、前記ギヤ列の中の前記出力軸のギアに直接噛合するギヤが組みつけられた面とは逆の地板面に組み付けられた
ことを特徴とする請求項10記載のレンズ装置。 - デジタルカメラに、該デジタルカメラの撮影用のレンズ装置として搭載された
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のレンズ装置。 - 請求項1乃至11のいずれかに記載のレンズ装置を、撮影用のレンズ装置として搭載した
ことを特徴とするデジタルカメラ。
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