JP4225769B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂の層とエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を含有する層を有する積層体の廃品等をリグラインドとして再利用する時に有用な樹脂組成物に関し、更に詳しくは、該再利用時にリグラインド(回収材料)層に添加することにより各種のロングラン成形性が改善できる樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリエチレン、ポリプロピレンを始めとするポリオレフィン系樹脂に代表される熱可塑性樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記することがある)との混合物を溶融成形して各種の成形物が得られているが、該技術の目的は、▲1▼各々単独では得られない物性を得ること、▲2▼熱可塑性樹脂とEVOHとの積層構造物の製造時に発生する製品のクズや端部、或いは不良品の回収による再利用(スクラップリターン或いはリグラインド)の2つに大別され、▲2▼の再利用は、工業廃材のリサイクルや地球環境を考慮すると産業上の有用性は顕著である。
【0003】
しかしながら、上記の如き熱可塑性樹脂とEVOHからなるフィルムやシート、カップ、ボトル等の積層構造物を成形して、その成形時に生じるスクラップをリグラインド(回収材料)層として溶融成形によって再びフィルム、シート、カップ、ボトル等の積層構造体の1層又はそれ以上の層に用いる場合、リグラインド層中の該組成物が成形時にゲル化を起したり、又焼けと呼ばれる熱着色した樹脂や炭化した樹脂が押出機内に付着して長期間にわたって連続して溶融成形が行えない、いわゆるロングラン成形性が低下するという問題が生じる。又、該溶融成形時のゲル化物や熱劣化物が成形物中にしばしば混入するため、例えばフィルム成形においてはフィシュアイの発生をはじめとする成形物の欠陥の大きな原因となり、製品の品質低下を免れない。さらに、該積層構造物中に無機系あるいは有機系の着色剤等が配合されていることも多く、かかる場合には、該着色剤がリグラインド層で凝集し、積層体表面の平滑性を損ねることもある。
【0004】
かかるロングラン成形性等を改善するためには、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物と熱可塑性樹脂、たとえばポリオレフィン系樹脂の組成物に高級脂肪酸金属塩およびハイドロタルサイト等を配合した樹脂組成物が提案されている(例えば,特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−311254号公報
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、特許文献1の開示技術では、劣化物の抑制等のロングラン成形性に関する改善効果は認められるものの、透明性の高い積層体をリグラインドとして再使用すると透明性が低下して元の積層体と同程度の透明性を維持した製品が製造できなかったり、また着色剤を含む積層体をリグラインド処理したときにはリグラインド層で着色剤の凝集が認められる恐れがあることが判明した。
【0007】
【問題点を解決するための手段】
そこで、本発明者は、上記の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリオレフィン系樹脂(A)、炭素数12〜30の脂肪族モノカルボン酸の1種又は2種以上と周期律表第2族金属の酸化物または水酸化物とを乾式直接法により加熱反応させて得られる下記一般式(1)の金属石鹸(B)、エチレン含有量70〜95モル%、酢酸ビニル成分のケン化度85モル%以上のエチレン-酢酸ビニル共重合体のケン化物(C)、 ハイドロタルサイト系化合物及び/又はハイドロタルサイト系固溶体(D)を含有してなる樹脂組成物が上記の課題を解決できることを見出して本発明を完成するに至った。
αMO・M(OOCR)2・・・(1)
(但し、αは0.1〜1.0の数字、Mは周期律表第2族の2価の金属、Rは炭素数11〜29の飽和または不飽和のアルキル基をそれぞれ表す。)
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物に用いるポリオレフィン系樹脂(A)は、特に限定されず、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン(PP)、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したものなどの広義のポリオレフィン系樹脂を挙げることができるが。中でも、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(LLDPE、LDPE、VLDPE、MDPE、HDPE)が好適に用いられる。
【0009】
本発明に用いられる炭素数12〜30の脂肪族モノカルボン酸の1種又は2種以上と周期律表第2族金属の酸化物または水酸化物とを乾式直接法により加熱反応させて得られる金属石鹸(B)は、下記一般式(1)で表されるものである。
αMO・M(OOCR)2 ・・・ (1)
(但し、αは0.1〜1.0の数字、Mは周期律表第2族の2価の金属、
Rは炭素数11〜29の飽和又は不飽和のアルキル基をそれぞれ表す)
すなわち、炭素数12〜30の脂肪族モノカルボン酸の1種または2種以上(B1)と周期律表第2族金属の酸化物または水酸化物(B2)とを乾式直接法により加熱反応させて得られたもので、更には炭素数12〜30の脂肪族モノカルボン酸の1種または2種以上(B1)に周期律表第2族金属の酸化物または水酸化物(B2)を反応当量以上に過剰に反応させたものが好適に用いられる。
【0010】
かかる炭素数12〜30の脂肪族モノカルボン酸(B1)としては、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラギン酸、ヘプタデシル酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレイン酸、リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸、モンタン酸、イソステアリン酸、エポキシステアリン酸等が挙げられ、また、これらの一部を脂肪族モノカルボン酸以外のカルボン酸又はジカルボン酸に置き換えたものでもよい。
【0011】
また、周期律表第2族金属の酸化物または水酸化物(B2)としては、アルカリ土類金属や亜鉛族金属等の酸化物や水酸化物が用いられ、好適にはマグネシウム、カルシウム、亜鉛等の酸化物や水酸化物が用いられる。
【0012】
金属石鹸(B)を得るにあたっては、上記の如く(B1)と(B2)とを乾式直接法により加熱反応させて得られたもので、具体的には(B1)を120〜140℃に加熱し、これに(B2)を加え、全量入れ終わった後160〜180℃に温度を上げ20〜30分攪拌を続けると、溶解して透明な金属石鹸(B)が得られるものであり、本発明では、この反応時に(B1)に(B2)を反応当量以上に過剰に反応させたものが好適に用いられる。すなわち、金属石鹸(B)の金属含有量が対応する当量より0.1〜1.0モル(更には0.1〜0.8モル)過剰に含有するようにすることが好ましく、かかる過剰モル数が0.1モル未満では、本発明の効果を十分に得ることが難しく、逆に1.0モルを越えると未反応の(B2)が、金属石鹸(B)の中に残存するので好ましくない。また、金属石鹸の製造方法として、乾式直接法の他に湿式沈殿法があるが、この湿式沈殿法では、水中で反応を行うため、反応温度に限度があり、金属含有量が反応当量より0.1モル以上過剰の本発明で用いる金属石鹸(B)を得ることは難しい。
なお、上記のような金属石鹸(B)としては、市販品として、栄伸化成社製『EM−112』、『EM−144』等を挙げることができる。
【0013】
本発明に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(C)は、エチレン含有量70〜95モル%(さらには75〜92モル%、特には80〜90 モル%)、酢酸ビニル成分のケン化度85モル%以上(さらには90モル%以上、特には95モル%以上)のもので、かかるエチレン含有量が70モル%未満あるいは95モル%を超えると相溶性が不十分となって本発明の目的を達成することが困難となる。また、酢酸ビニル成分のケン化度が85モル%未満の場合も相溶性が不十分となって本発明の目的を達成することが困難となる。
【0014】
また、該エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(C)のメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)は、0.5〜200g/10分(さらには1〜100g/10分、特には3〜50g/10分)が好ましく、該メルトフローレートが0.5g/10分未満では、溶融成形時の樹脂圧が著しく上昇し、逆に200g/10分を超えるときは、流動不良を起こして好ましくない。
【0015】
該エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(C)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢酸ビニル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
【0016】
また、本発明では、本発明の効果を阻害しない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。又、本発明の趣旨を損なわない範囲で、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化等、後変性されても差し支えない。また、(C)として、例えば特開昭60−144304号公報に記載の如きケイ素を含有したエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物を用いることも可能である。
【0017】
本発明に用いられる ハイドロタルサイト系化合物及び/又はハイドロタルサイト系固溶体(D)のハイドロタルサイト系化合物としては、例えば、一般式、
MxAly(OH)2x+3y−2z(E)z・aH2O
(式中MはMg,Ca又はZn、EはCO3又はHPO4、x,y,zは正数、aは0又は正数)で示される化合物で、具体的には、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O,Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O,Mg10Al2(OH)22(CO3)2・4H2O、Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O,Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O、Zn6Al6(OH)16CO3・4H2O等が挙げられる。また、以上に限らず、例えば、Mg2Al(OH)9・3H2O中のOHの一部がCO3又はHPO4に置換された如き化学式の明確に示されないものやさらには結晶水の除去されたもの(a=0)であっても同等の効果が期待できる。特にこれらのうちMがMgで、EがCO3である化合物が好ましく、ロングラン成形性や相分離により発生する異物(目ヤニ)の抑制に効果的である。
【0018】
さらに、ハイドロタルサイト系固溶体としては、例えば、一般式、
[〔(M1 2+)y1(M2 2+)y2〕1−xMx 3+(OH)2An− x/n・mH2O]
(式中M1 2+はMg,Ca,Sr及びBaから選ばれる金属の少なくとも1種、M2 2+はZn,Cd,Pb,Snから選ばれる金属、Mx 3+は3価金属、An−はn価のアニオン、x,y1,y2,mはそれぞれ0<x≦0.5、0.5<y1<1、y1+y2=1、0≦m<2で示される正数)で示される化合物で、上記の一般式において、M1 2+としてはMg,Caが好ましく、M2 2+としてはZn,Cdが好ましく、さらにMx 3+としてはAl,Bi,In,Sb,B,Ga,Ti等が例示できるが、Alが実用的である。又、An−としては、CO3 2−,OH−,HCO3 −,サリチル酸イオン,クエン酸イオン,酒石酸イオン,NO3 −,I−、(OOC−COO)2−、ClO4−,CH3COO−,CO3 2−,(OOCHC=CHCOO)2−,〔Fe(CN)6〕4−が挙げられ、CO3 2−やOH−が有用である。
【0019】
かかるハイドロタルサイト系固溶体の具体的実例としては、[Mg0 . 75 Zn0.25]0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.45H2O、[Mg0 . 79 Zn0.21]0.7Al0.3(OH)2(CO3)0.15、[Mg1/7Ca3/7Zn3/7]0.7Al0.3(OH)2(OOCHC=CHCOO)0.15・0.41H2O、[Mg6/7Cd1/7]0.7Al0.3(OH)2(CH3COO)0.3・0.34H2O、[Mg5/7Pd2/7]0.7Al0.30(OH)2(CO3)0.15・0.52H2O、[Mg0 . 74 Zn0.26]0.68Al0.32(OH)2(CO3)0.16、[Mg0 . 56 Zn0.44]0.68Al0.32(OH)2(CO3)0.16・0.2H2O、[Mg0 . 81 Zn0.19]0.74Al0.26(OH)2(CO3)0.13、[Mg0 . 75 Zn0.25]0.8Al0.20(OH)2(CO3)0.10・0.16H2O、[Mg0 . 71 Zn0.29]0.7Al0.30(OH)2(NO3)0.30、[Mg0 . 71 Zn0.29]0.7Al0.30(OH)2(OOCHC=CHCOO)0.15、[Mg0 . 14 Ca0.57Zn0.28]0.7Al0.30(OH)2 . 3・0.25H2O等が挙げられ、[Mg0 . 75 Zn0.25]0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.45H2O、[Mg0 . 79 Zn0.21]0.7Al0.3(OH)2(CO3)0.15、[Mg6/7Cd1/7]0.7Al0.3(OH)2(CH3COO)0.3・0.34H2O、[Mg5/7Pd2/7]0.7Al0.30(OH)2(CO3)0.15・0.52H2Oが、ロングラン成形性や相分離により発生する異物(目ヤニ)の抑制に効果的である点で好ましい。
【0020】
本発明の樹脂組成物は、上記の(A)〜(D)を含有してなるもので、その含有割合は特に限定されないが、(A)と(C)の含有割合(A/C)は95/5〜30/70(さらには90/10〜40/60、特には85/15〜50/50)(いずれも重量比)とすることが好ましく、かかる含有割合が95/5を超えると本発明の作用効果が十分に得られないことがあり、逆に30/70未満では相溶性が不十分となることがあって好ましくない。
【0021】
また、金属石鹸(B)の含有割合は、樹脂組成物中に0.005〜20重量%(さらには0.007〜15重量%、特には0.01〜12重量%、殊に0.015〜10重量%)含有させることが好ましく、かかる含有割合が0.005重量%未満では本発明の作用効果が十分に得られないことがあり、逆に20重量%を超えると成型物が発泡するなどの不具合が生じて好ましくない。
【0022】
さらに、ハイドロタルサイト系化合物及び/又はハイドロタルサイト系固溶体(D)の含有割合は、樹脂組成物中に0.005〜20重量%(さらには0.01〜15重量%、特には0.02〜12重量%、殊に0.05〜10重量%)とすることが好ましく、かかる含有割合が0.005重量%未満では本発明の作用効果が十分に得られないことがあり、逆に20重量%を超えると成型物が脆くなって好ましくない。
また、上記の(A)〜(D)のそれぞれにおいて、2種以上を併用することも可能であり、2種以上を併用する場合はその総計が上記の範囲内にあることが好ましい。
【0023】
本発明の樹脂組成物は、上記の如き(A)〜(D)を含有してなるもので、かかる樹脂組成物を得るに当たっては特に限定されず、▲1▼(A)〜(D)を一括で混合した後に溶融混練して混合する方法、▲2▼予め(A)、(B)、(D)を溶融混合した後に(C)を溶融混合する方法、▲3▼予め(A)と(B)を溶融混合したものと、(C)と(D)を溶融混合したものを溶融混合する方法、▲4▼予め(A)と(D)を溶融混合したものと、(C)と(B)を溶融混合したものを溶融混合する方法、▲5▼(A)、(C)、(D)を溶融混合したものに(B)を外添する方法等を挙げることができ、生産効率の点で▲1▼の方法が好ましい。
【0024】
かくして本発明の樹脂組成物が得られるのであるが、本発明においては、かかる樹脂組成物に本発明の目的を阻害しない範囲において、飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、有機酸(例えば酢酸、プロピオン酸、ステアリン酸等)、無機酸(例えばホウ酸、リン酸等)、無機塩(ハイドロタルサイトを除く)、可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールなど)、酸素吸収剤(例えば還元鉄粉類、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、ハイドロキノン、没食子酸など)、熱安定剤、光安定剤、アミド基を含有しない酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、充填材(例えば無機フィラー等)、他樹脂(例えばポリエステル等)などを配合しても良い。
【0025】
かくして本発明の樹脂組成物が得られるのであるが、かかる樹脂組成物は、熱可塑性樹脂の層を有する積層体、特に熱可塑性樹脂の層とエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)の層を有する積層体を再使用する時の該積層体の粉砕物に代表される回収材料の添加剤として有用で、かかる用途について、以下に詳細に説明する。
【0026】
かかる積層体に用いられる熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、共重合ポリアミド、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、芳香族および脂肪族ポリケトン、脂肪族ポリアルコール等が挙げられ、好適にはポリオレフィン系樹脂が用いられる。
【0027】
かかるポリオレフィン系樹脂としては、具体的に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー、エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン(PP)、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらのブレンド物などの広義のポリオレフィン系樹脂を挙げることができ、なかでも、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、ポリプロピレン(PP)及びこれらのブレンド物が、本発明の効果が好適に得られる点で好ましい。
【0028】
また、かかる積層体に用いられるEVOHとしては、特に限定されないが、エチレン含量5〜70モル%(更には15〜60モル%、特には20〜50モル%)で、酢酸ビニル成分のケン化度が90モル%以上(更には95モル%以上、特には99モル%以上)のものが用いられ、該エチレン含有量が5モル%未満では高湿時のガスバリア性、溶融成形性が低下し、逆に70モル%を越えると充分なガスバリア性が得られず、更にケン化度が90モル%未満ではガスバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下して好ましくない。
【0029】
また、EVOHのメルトフローレート(MFR)は、0.5〜50g/10分(210℃、2160g荷重)が好ましく、更には1〜35g/10分(同上)が好ましい。かかるMFRが0.5g/10分(同上)未満では、粘度が高くなり過ぎて溶融押出しが困難となることがあり、逆に50g/10分(同上)を越えると、製膜性が不安定となることがあり好ましくない。
【0030】
該EVOHは、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することによって得られ、該エチレン−酢酸ビニル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
【0031】
また、該EVOHは、共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。又、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化等、後変性されても差し支えない。さらに、例えば特開昭60−144304号公報に記載の如きケイ素を含有したエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物を用いることも可能である。
【0032】
本発明では、かかるEVOHがホウ素化合物、リン酸又はその化合物、脂肪酸塩から選ばれる少なくとも1種を含有してなるとき、さらにロングラン成形性が向上する点で好ましく、かかるホウ素化合物としては、ホウ酸またはその金属塩、例えばホウ酸カルシウム、ホウ酸コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛,メタホウ酸亜鉛等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸銀(メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケル等)、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム等)、ホウ酸ビスマス、ホウ酸マグネシウム(オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等)、ホウ酸マンガン(ホウ酸第1マンガン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等)などの他、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物などが挙げられ、好適にはホウ砂、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)が用いられる。
【0033】
また、リン酸又はその化合物としては、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、リン酸水素亜鉛、リン酸水素バリウム、リン酸水素マンガン等を挙げることができ、好適にはリン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素マグネシウムが用いられる。
更に、脂肪酸塩としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)やアルカリ土類塩(マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等)や亜鉛金属塩、マンガン金属塩などを挙げることができ、好適には酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム等の炭素数5以下の脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が用いられる。
【0034】
上記成分の含有量としては、特に限定されないが、かかる成分がホウ素化合物の場合は、EVOH中にホウ素換算で0.001〜1重量%(更には0.002〜0.5重量%、特に0.002〜0.1重量%)とすることが好ましく、かかる成分がリン酸又はその化合物の場合は、EVOH中にリン酸根換算で0.0005〜0.1重量%(更には0.001〜0.05重量%、特に0.002〜0.03重量%)とすることが好ましく、かかる成分が脂肪酸塩の場合は、EVOH中に金属換算で0.001〜0.05重量%(更には0.0015〜0.04重量%、特に0.002〜0.03重量%)とすることが好ましく、かかる成分の含有量が上記量未満では、積層体製造時のEVOH層のロングラン成形性と耐層間剥離性の相乗効果の発現が乏しくなり、上記量を越えると、得られる積層体の外観が悪化することがあり好ましくない。かかる成分として、ホウ素化合物、リン酸又はその化合物、脂肪酸塩の中から2種以上を併用する場合は、それぞれの含有量が上記の条件を満足することが好ましい。
【0035】
これらの成分をEVOHに含有させるに当たっては、特に限定されず、公知の方法を採用することができ、例えば、ア)含水率20〜80重量%のEVOHの多孔性析出物を、上記成分の水溶液と接触させて、上記成分を含有させてから乾燥する方法、イ)EVOHの均一溶液(水/アルコール溶液等)に上記成分を含有させた後、凝固液中にストランド状に押し出し、次いで得られたストランドを切断してペレットとして、更に乾燥処理をする方法、ウ)EVOHと上記成分を一括して混合してから押出機等で溶融混練する方法、エ)EVOHの製造時において、ケン化工程で使用したアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)を酢酸等の酸類で中和して、残存する酢酸等の酸類や副生成する酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属塩の量を水洗処理により調整したりする方法等を挙げることができる。その効果をより顕著に得るためには、酸類やその金属塩の分散性に優れるア)、イ)またはエ)の方法が好ましい。
【0036】
さらに、本発明においては、かかるEVOHに本発明の目的を阻害しない範囲において、飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサイト等)、可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールなど)、酸素吸収剤(例えば還元鉄粉類、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸類、ハイドロキノン等)、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤(例えばタルク微粒子等)、スリップ剤(例えば無定形シリカ等)、充填材(例えば無機フィラー等)、他樹脂(例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル等)などを配合しても良い。
【0037】
また、EVOHとして、異なる2種以上のEVOHを用いることも可能で、このときは、エチレン含有量が5モル%以上異なり、及び/又はケン化度が1モル%以上異なり、及び/又はMFRの比が2以上であるEVOHのブレンド物を用いることにより、積層体のガスバリア性や耐屈曲疲労性を保持したまま、更に柔軟性、熱成形性(高延伸時の延伸性、真空圧空成形や深絞り成形などの2次加工性)、製膜安定性等が向上するので有用である。異なる2種以上のEVOHの製造方法は特に限定されず、例えばケン化前のEVAの各ペーストを混合後ケン化する方法、ケン化後の各EVOHのアルコール又は水とアルコールの混合溶液を混合後ペレット化する方法、各EVOHペレットを混合後溶融混練する方法などが挙げられる。
【0038】
上記の積層体は、熱可塑性樹脂層とEVOH層を有するものであるが、その層間には、必要に応じて接着性樹脂層を設けることができ、かかる接着性樹脂としては、種々のものを使用することができ、熱可塑性樹脂の種類によって異なり一概に言えないが、不飽和カルボン酸又はその無水物をオレフィン系重合体(前述の広義のポリオレフィン系樹脂)に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を挙げることができ、具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げられる。このときの、オレフィン系重合体に含有される不飽和カルボン酸又はその無水物の量は、0.001〜3重量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.03〜0.5重量%である。該変性物中の変性量が少ないと、層間接着性が不充分となることがあり、逆に多いと接着性樹脂が架橋反応を起こし、成形性が悪くなることがあり好ましくない。また、これらの接着性樹脂には、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エラストマー成分、更には他の熱可塑性樹脂等をブレンドすることも可能である。特に、接着性樹脂の母体のポリオレフィン系樹脂と異なるポリオレフィン系樹脂をブレンドすることにより、接着性が向上することがあり有用である。
【0039】
かかる積層体の各層の厚みは、層構成、熱可塑性樹脂の種類、用途や容器形態、要求される物性などにより一概に言えないが、通常は、熱可塑性樹脂層は5〜5000μm(更には30〜1000μm)、EVOH層は5〜500μm(更には10〜200μm)、接着性樹脂層は5〜400μm(更には10〜150μm)程度の範囲から選択される。
【0040】
かかる積層体を製造するに当たっては、特に限定されず、積層方法としては、例えばEVOHのフィルム、シート等に熱可塑性樹脂を溶融押出ラミネートする方法、逆に熱可塑性樹脂からなる基材にEVOHを溶融押出ラミネートする方法、EVOHと熱可塑性樹脂とを共押出する方法、EVOH(層)と熱可塑性樹脂(層)とを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法等が挙げられる。上記の溶融押出時の溶融成形温度は、150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。
【0041】
該積層体は、そのまま各種形状のものに使用されるが、更に該積層体の物性を改善したり目的とする任意の容器形状に成形するためには、加熱延伸処理が施されることも多い。ここで加熱延伸処理とは、熱的に均一に加熱されたフィルム、シート、パリソン状の積層体をチャック、プラグ、真空力、圧空力、ブローなどにより、カップ、トレイ、チューブ、ボトル、フィルム状に均一に成形する操作を意味し、かかる延伸については、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよい。
【0042】
延伸方法としては、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法、真空成形、圧空成形、真空圧空成形等が挙げられる。二軸延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用できる。延伸温度は60〜170℃、好ましくは80〜160℃程度の範囲から選ばれる。
【0043】
得られる積層体の形状としては任意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、カップ、トレイ、チューブ、ボトル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示される。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができる。
【0044】
本発明の樹脂組成物は、上記の如き熱可塑性樹脂層およびEVOH層からなる積層体の製造時に発生する、製品のクズや端部の不要部分、或いは不良品を回収して再利用(スクラップリターン或いはリグラインド)する際に有用で、スクラップやバリが大量に発生するダイレクトブロー成形(連続式、アキュムレーター式)方法や、多層シートの二次加工成形(真空成形、圧空成形、真空圧空成形等)方法等に特に有用で、例えば、EVOHと熱可塑性樹脂を共押出して得られたパリソンを金型で挟んで空気を吹き込んでブロー成形して、ボトルやチューブを作成したり、任意の方法で得たEVOHと熱可塑性樹脂からなる多層シートを真空力や圧空力により絞り成形して、カップやトレイを作製したりする方法である。
【0045】
上記の如く得られる積層体(製品)の製造時に発生する製品のクズや端部の不要部分或いは不良品(回収材料)を再利用するに当たっては、これらを粉砕した後、再び押出機等で溶融成形に供する必要がある。
【0046】
かかる回収材料の粉砕に当たっては、公知の粉砕機を使用することにより行うことができる。かかる粉砕品の形状や粒径については特に限定されないが、その見掛け密度が0.25〜0.85g/cc(更には0.3〜0.7g/cc、特には0.35〜0.6g/cc)であることが好ましく、かかる見掛け密度が0.25g/cc未満では、リグラインド層中のEVOHの分散が不良となり、得られる成形品のリグラインド層の溶融成形性や機械的特性が低下することがあり、逆に0.85g/ccを越えると、押出機での供給不良の発生によって得られる成形品のリグラインド層の溶融成形性が低下することがあり好ましくない。
【0047】
かかる見掛け密度については、粉砕機の粉砕刃の形状、粉砕刃の回転数、粉砕の処理速度、使用するメッシュの目開きの大きさなどを任意に調整することにより、コントロールすることが可能である。
なお、ここで言う見かけ密度とは、JIS−K6891の「5.3見かけ密度」試験方法に準拠して測定される値である。
【0048】
さらに本発明では、かかる粉砕物(回収材料)中のEVOHの含有量が、0.1〜30重量%(更には0.3〜25重量%、特には0.5〜20重量%)であるとき、本発明の効果に特に優れる点で好ましく、かかるEVOHの含有量が0.1未満では、積層体粉砕物の溶融成形時のロングラン成形性の低下や相分離異物(目ヤニ)の発生、得られる成形物の層間剥離の発生や機械的特性の低下といった問題が発生しないことがあり、その改善の必要性に乏しく、逆に30重量%を越えると、本発明の効果を得ることが困難になることがあり好ましくない。
かかるEVOHの含有量については、積層体中のEVOH層の厚みに依存するものであるが、その含有量が30重量%を越える場合は、未使用の同じ熱可塑性樹脂や異なる熱可塑性樹脂を適当量混合して、その含有量を30重量%以下にすることが好ましい。
【0049】
かくして、積層体の粉砕物(回収材料)が得られるのであるが、粉砕物に本発明の樹脂組成物を配合するに当たっては、ロッキングミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサー、ラインミキサー等の公知の混合装置を用いて配合させることが出来る。
かかる粉砕物と該樹脂組成物の混合物(以下、ブレンド物と称す)は、直接成形品用の押出機に供給することもできるし、事前に1軸押出機や2軸押出機等の溶融混練機を用いて再ペレット化を行ってから、成形品用の押出機に供給することも可能である。
また、本発明においては、該ブレンド物を直接成形品用の押出機に供給しても、その溶融成形性や機械的特性に優れるため、生産性(経済性)を重要視するときは直接成形品用の押出機に供給することも好ましい。
【0050】
また、かかるブレンド物は、そのまま成形品用の押出機に供給することもできるし、未使用の同じ熱可塑性樹脂や異なる熱可塑性樹脂を適当量混合して押出機に供給することも可能であるが、本発明においては、粉砕物中のEVOHの含有量が30重量%を越えなければ、かかるブレンド物をそのまま成形品用の押出機に供給しても、その溶融成形性や機械的特性に優れ、生産性(経済性)の点で有利であるため好ましい。
【0051】
かかる粉砕物に対する該樹脂組成物の配合量は、層構成、熱可塑性樹脂の種類、粉砕物中のEVOHの含有量、用途や容器形態、要求される物性などにより一概に言えないが、粉砕物100重量部に対して0.5〜50重量部(更には1〜30重量部、特には2〜10重量部)とすることが好ましく、該樹脂組成物の配合量が0.5重量部未満では、本発明の効果を得ることが困難になることがあり、逆に50重量部を越えると、得られる成形物の外観が悪化したり、成形時の臭気が大きくなったり、機械的特性が低下する傾向にあり好ましくない。
【0052】
かかるブレンド物を溶融成形して得られる成形品については、特に限定されず、その形状としては任意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、カップ、トレイ、チューブ、ボトル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物、各種不定形成形物等が例示されるが、通常は前述の通り多層構造体のリグラインド層として有効利用されるのである。
【0053】
なお、リグラインド層に用いる粉砕物を得るための積層体とかかる多層構造体は、同じ樹脂を原料として同じ方法により成形される。即ち、該多層構造体の粉砕物を再びかかる多層構造体のリグライド層に用いることが一般的であるが、それに限定されるものではない。異なるEVOHや熱可塑性樹脂を用いた積層体からなる別の成形物(2種類以上の成形物を使用してもよい)の粉砕物を、かかる多層構造体のリグライド層に用いることや、かかる粉砕物と該多層構造体の粉砕物の混合物をリグラインド層に用いることも可能である。
【0054】
具体的な多層構造体の層構成としては、熱可塑性樹脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層、熱可塑性樹脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/ブレンド物層/熱可塑性樹脂層や、更にはブレンド物層/EVOH層、ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層、ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/EVOH層、ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、ブレンド物層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/ブレンド物層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/ブレンド物層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層等が挙げられる。
【0055】
かかる熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂、EVOH層に用いられるEVOH、接着性樹脂層に用いられる接着性樹脂としては、特に限定されず、前述の積層体に例示されるものを用いることができる。
また、得られた多層構造体の各層には、成形加工性、物性等の向上のために酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、可塑剤、着色剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、無機・有機充填材等を添加することもできる。
【0056】
上記の多層構造体は、シートやフィルム状だけでなく、上記の共押出成形法、共射出成形法、共押出インフレ成形法やブロー成形法等により、パイプ・チューブ状やタンク・ボトル等の容器等に成形することができ、更には該多層構造体を100〜150℃程度に再度加熱して、ブロー延伸法や絞り成形法(真空成形、圧空成形、真空圧空成形等)等により延伸して、ボトル、チューブ、カップ、トレイ等の容器等に成形することも可能である。
【0057】
かくして得られた多層構造体は、一般的な食品の他、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料、味噌等の発酵食品、サラダ油等の油脂食品、飲料、化粧品、医薬品、洗剤、香粧品、工業薬品、農薬、燃料等各種の容器として有用であるが、特に、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、味噌、わさび、からし、焼肉等のたれ等の半固形状食品・調味料、サラダ油、みりん、清酒、ビール、ワイン、ジュース、紅茶、スポーツドリンク、ミネラルウォーター等の液体状飲料・調味料用のボトル状容器やチューブ状容器、ゼリー、プリン、ヨーグルト、マヨネーズ、味噌等の半固形状食品・調味料用のカップ状容器や、生肉、畜肉加工品(ハム、ベーコン、ウインナー等)用のトレー状容器の用途に有用である。
【0058】
なお、本発明の樹脂組成物を上記のような回収材料の添加剤として用いる場合において、顔料を含有する積層体の回収材料の添加剤として用いたときには、該顔料の分散性が向上するという作用効果も有するもので、かかる顔料としては、無機系あるいは有機系等特に制限はなく、無機系顔料としては酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラック等を例示でき、有機系顔料としてはフタルシアニン銅等を例示することができる。
【0059】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特に断わりのない限り、重量基準を意味する。
【0060】
実施例1
LDPE[日本ポリケム社製『LF440B』、MFR2.8g/10min(190℃、2160g荷重)、密度0.925g/cm3](A)、0.44MgO・Mg(C17H35COO)2[栄伸化成社製『EM−144』](B)、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物[東ソー社製『メルセン H6051』、エチレン含有量89モル%、酢酸ビニル成分のケン化度100モル%、MFR5.5g/10min(210℃、2160g荷重)](C)およびハイドロタルサイト固溶体[協和化学社製『ZHT4』、Mg3ZnAl2(OH)12CO3・3H2O、平均粒径0.4μm](D)をA:B:C:D=70:10:15:5の重量比で溶融混合して本発明の樹脂組成物を得た。
【0061】
一方、EVOH[エチレン含有量32モル%、ケン化度99.6モル%、MFR3.5g/10min(210℃、荷重2160g)、ホウ酸をホウ素換算で0.03%含有]、熱可塑性樹脂[ポリプロピレン、BP AMOCO社製『AMOCO3143』、MFR2.8g/10min(230℃、荷重2160g)]、接着性樹脂[無水マレイン酸変性LLDPE、ロームアンドハース社製『Tymor1203』]を用いて、共押出多層シート成形機(グンゼ産業社製)に供給して、[内側]熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層[外側](厚み400μm/25μm/50μm/25μm/500μm)の構成の積層体(多層シート)を押出した。なお、このときに酸化チタン系の白色顔料のマスターバッチ[Standridge Color社製『WHITE PP315PART#444883』]を熱可塑性樹脂100部に対して4部予め配合してから押出しを行った。
【0062】
続いて、得られた積層体を粉砕機(径8mmφメッシュ)で粉砕して、該積層体の粉砕物(見掛け密度0.42g/cc)を得た。尚、かかる積層体の粉砕物中のEVOHの含有量は6.1%であった。
【0063】
かかる積層体の粉砕物100部に対して、上記で得られた本発明の樹脂組成物のペレット5部を添加して、さらに上記の熱可塑性樹脂(ポリプロピレン)100部および上記の白色顔料のマスターバッチ2部を配合し、タンブラーにてドライブレンドして得られたブレンド物を共押出多層シート成形機の内外層用の押出機に供給し、同様にして、[内側]リグラインド(該ブレンド物)層/接着性樹脂層/EVOH層/接着性樹脂層/リグラインド(ブレンド物)層[外側](厚み400μm/25μm/50μm/25μm/500μm)の構成の多層シート(多層構造体)を作製し、同様に粉砕して本発明の樹脂組成物5部、上記の熱可塑性樹脂(ポリプロピレン)100部および上記の白色顔料のマスターバッチ2部を添加して、同様に多層シートを得る操作を20回繰り返して、以下の評価を行った。
【0064】
なお、かかる多層構造体の粉砕物(ブレンド物)中のEVOHの含有量は、1回目において8.4%であり、20回目において9.8%で、かかる全ての操作中における該EVOHの含有量は6.1〜9.8%の範囲内であった。
【0065】
上記の工程において、以下の評価を行った。
(ロングラン成形性)
上記の操作を20回繰り返した後の多層シートの外観を目視で観察し、以下の通り評価した。
▲1▼表面平滑性
多層シート表面のリグラインド層を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○・・・スジ・波状の模様や透明性の低下が殆ど認められない。
△・・・スジ・波状の模様や透明性の低下が若干認められる。
×・・・スジ・波状の模様や透明性の低下が著しく認められる。
【0066】
▲2▼フィッシュアイ
多層シート表面からリグラインド層(100cm2当たり)中に発生した直径が0.4mm以上のフィッシュアイの個数を測定し、下記の基準で評価した。なお、測定にあたっては多層シートの5箇所において測定を行ってその平均個数を求めた。
○・・・2個未満
△・・・2〜4個
×・・・5個以上
【0067】
▲3▼顔料分散性
多層シート表面からリグラインド層(100cm2当たり)中の目視で観察できる大きさ(直径が0.1mm以上)の顔料凝集物の平均個数を測定し、下記の基準で評価した。なお、測定にあたっては多層シートの5箇所において測定を行ってその平均個数を求めた。
○・・・2個未満
△・・・2〜4個
×・・・5個以上
【0068】
(相分離異物−目ヤニ−の抑制)
上記の20回の成形操作中における、リグラインド層中への目ヤニの混入の頻度を観察し、下記の基準で評価した。
○・・・目ヤニの混入が2回未満
△・・・目ヤニの混入が2〜10回
×・・・目ヤニの混入が10回を越える
【0069】
さらに、上記の多層シートの製造において、白色顔料を配合せずに透明の多層シートの製造を行って、最終的に得られた多層シートについて、以下の評価を行った。
▲1▼表面平滑性
多層シート表面のリグラインド層を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○・・・スジ・波状の模様や透明性の低下が殆ど認められない。
△・・・スジ・波状の模様や透明性の低下が若干認められる。
×・・・スジ・波状の模様や透明性の低下が著しく認められる。
【0070】
▲2▼フィッシュアイ
多層シート表面からリグラインド層(100cm2当たり)中に発生した直径が0.4mm以上のフィッシュアイの平均個数を測定し、下記の基準で評価した。なお、測定にあたっては多層シートの5箇所において測定を行ってその平均個数を求めた。
○・・・2個未満
△・・・2〜4個
×・・・5個以上
【0071】
上記で得られた多層シートを、プラグアシスト型真空圧空成形機(浅野研究所製)にて、ヒーター温度が500℃でシート表面温度が145℃の条件で、カップ(上面65mmφ、底面60mmφ、深さ55mm)の加熱延伸成形加工を行って多層容器(カップ)を作製した。尚、シート表面温度はヒーターの加熱時間を調整することにより行った。
【0072】
かかる加熱延伸成形多層容器(カップ)について、以下の評価を行った。
(透明性)
上記で得られたカップの側面を、濁度計でヘイズ値を測定して下記の基準により評価した。
○・・・ヘイズ値が10未満
△・・・ヘイズ値が10以上15未満
×・・・ヘイズ値が15以上
【0073】
(ガスバリア性)
上記で得られたカップの上面をアルミ金属板で密封して、酸素透過度の測定(モダンコントロール社製「OXTRAN10/50」を用いて、カップ内側:23℃,100%RH、カップ外側:23℃,50%RHの条件下)を行った。
【0074】
実施例2
実施例1において、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(C)として、東ソー社製の『メルセン H6960』[エチレン含有量82モル%、酢酸ビニル成分のケン化度90モル%、MFR40g/10min(210℃、2160g荷重)]を用いた以外は同様に行って、本発明の樹脂組成物を得て同様に評価を行った。
【0075】
実施例3
実施例1において、LDPE(A)に変えて、日本ポリケム社製の『FY6C』[PP、MFR2.4g/10min(190℃、2160g荷重)、密度0.90g/cm3](A)を用いた以外は同様に行って、本発明の樹脂組成物を得て同様に評価を行った。
【0076】
実施例4
実施例1において、金属石鹸(B)として、0.12MgO・Mg(C17H35・COO)2[栄伸化成社製『EM−112』]を用いた以外は同様に行って、本発明の樹脂組成物を得て同様に評価を行った。
【0077】
実施例5
実施例1において、ハイドロタルサイト(D)として、Mg4 . 5Al2(OH)13CO3・3.5H2O[協和化学工業社製『DHT−4A』、平均粒径0.4μm]を用いた以外は同様に行って、本発明の樹脂組成物を得て同様に評価を行った。
【0078】
実施例6
実施例1において、(A)〜(B)の含有割合をA:B:C:D=69.7:14.9:14.9:0.5の重量比に変更した以外は同様に行って、本発明の樹脂組成物を得て同様に評価を行った。
【0079】
比較例1
実施例1において、リグライド層に本発明の樹脂組成物を配合しなかった以外は同様に評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1および2に示す。
【0080】
【0081】
【0082】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、リグラインド層を有する積層体成形時に該リグラインド層に配合することにより、ロングラン成形性(表面平滑性、フィッシュアイ抑制、顔料分散性)に優れ、目ヤニの抑制効果も有し、さらには透明性やガスバリア性にも優れ、各種積層体の成形時の回収材料(リグラインド)用の添加剤として大変有用である。
Claims (4)
- ポリオレフィン系樹脂(A)、炭素数12〜30の脂肪族モノカルボン酸の1種又は2種以上と周期律表第2族金属の酸化物または水酸化物とを乾式直接法により加熱反応させて得られる下記一般式(1)の金属石鹸(B)、エチレン含有量70〜95モル%、酢酸ビニル成分のケン化度85モル%以上のエチレン-酢酸ビニル共重合体のケン化物(C)、 ハイドロタルサイト系化合物及び/又はハイドロタルサイト系固溶体(D)を含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
αMO・M(OOCR)2・・・(1)
(但し、αは0.1〜1.0の数字、Mは周期律表第2族の2価の金属、Rは炭素数11〜29の飽和または不飽和のアルキル基をそれぞれ表す。) - 樹脂組成物中の金属石鹸(B)の含有量が0.005〜20重量%であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
- ポリオレフィン系樹脂(A)とエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物(C)の含有割合(A/C)が95/5〜30/70(重量比)であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
- エチレン含有量20〜65モル%、酢酸ビニル成分のケン化度90モル%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を含有する層を含む積層体の回収材料に配合することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物。
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