JP4224982B2 - 画像形成装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機やファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、帯電している感光体を露光手段により露光して当該感光体に静電潜像を形成し、この静電潜像に現像手段によりトナーを付着させてトナー像を形成し、このトナー像を転写紙に転写して所定の画像を得るようにした電子写真方式の画像形成装置が知られており、特にカラー画像の形成を可能にする装置として、感光体に形成されたトナー像を中間転写媒体に1次転写し、その中間転写媒体に転写されたトナー像を転写紙に2次転写するようにした画像形成装置が知られている。この画像形成装置では、カラー画像を形成する際には、例えば感光体に複数色のトナー像を順次形成し、各色のトナー像の形成ごとに中間転写媒体に1次転写することにより複数色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像を中間転写媒体に形成し、そのカラートナー像を転写紙に2次転写することでカラー画像を得るようにしている。中間転写媒体を備えない画像形成装置では感光体のみが像担持体としての機能を有し、中間転写媒体を備えた画像形成装置では感光体に加えて中間転写媒体も像担持体としての機能を有することとなる。
【0003】
このような電子写真方式の画像形成装置では、従来、転写紙に得られる画像の品質が低下しないようにするために、例えば特公平7−111591号公報に記載されているように、所定の転写枚数や所定の動作時間ごとに、予め設定された基準画像を像担持体(例えば前者の装置では感光体、後者の装置では中間転写媒体)に形成し、この基準画像の例えば濃度を検出し、その検出結果に基づき感光体に印加される帯電バイアス、現像器に印加される現像バイアスや中間転写媒体に印加される1次転写バイアスなどの画像形成条件の設定値を調整する画像形成条件制御を行うようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、画像形成装置における最適な画像形成条件の変化は、転写枚数や動作時間よりも、現像剤(トナー)の消費量や消費の仕方に大きな影響を受けるため、従来のように所定の転写枚数や所定の動作時間ごとに一律に画像形成条件制御を行うのでは、設定値の調整が必要になっても上記転写枚数や動作時間が経過するまで画像形成条件制御が行われないことによる転写画像の品質低下を招いたり、設定値の調整が不必要な場合でも画像形成条件制御が行われることによるスループットの低下を招くような虞があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、画像形成条件制御が必要になる時点を現像剤の消費量や消費の仕方を考慮して推定し、その推定した時点に達すると画像形成条件制御の実行タイミングと判定することにより画質安定性の高い画像形成装置および方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、現像剤を用いて予め設定された画像形成条件に従って画像信号に応じた画像を像担持体上に形成する画像形成手段と、前記像担持体上に形成された前記画像を出力媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記像担持体上の画像濃度に応じた出力信号を出力する検知手段と、前記画像形成手段により前記像担持体上に予め設定された基準画像を形成させ、この基準画像が前記検知手段から出力される出力信号に応じて前記画像形成条件の設定を調整する画像形成条件制御手段と、前記像担持体上に形成される顕像を構成する画素数を前記画像信号に基づき計数するオンドット計数手段と、前記オンドット計数手段に基づく値を積算する積算手段と、前記積算手段により算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより前記画像形成条件制御手段の実行タイミングと判定する画像形成条件制御タイミング判定手段と、前記像担持体上に設定される範囲に占める前記顕像の比率を求める比率演算手段と、前記オンドット計数手段の計数値を前記比率に応じて変換した変換値を出力する変換手段とを備え、前記積算手段は、前記変換手段により出力される前記変換値を積算し、前記比率演算手段は、前記画像形成手段により前記像担持体上に形成可能な最大画像形成範囲に占める前記顕像の比率を求めることを特徴としている。
【0007】
この構成によれば、像担持体上に形成される顕像を構成する画素数が画像信号に基づきオンドット計数手段により計数され、この計数に基づく値が積算手段により積算され、この積算手段により算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより画像形成条件制御タイミング判定手段により画像形成条件制御手段の実行タイミングと判定される。そして、画像形成条件制御手段の動作が実行されると、画像形成手段により像担持体上に予め設定された基準画像が形成され、この基準画像が検知手段から出力される画像濃度に応じた出力信号に応じて画像形成条件の設定が調整される。
【0008】
ここで、オンドット計数手段の計数値は現像剤(例えばトナー)の消費量にほぼ比例することから、この計数値に基づく値を積算することで、画像形成条件制御が必要になる時点の推定が可能になり、その積算値が所定値に達すると画像形成条件制御の実行タイミングと判定することで、タイミング良く画像形成条件制御が実行されることとなる。
【0009】
なお、像担持体上に形成される顕像とは、像担持体上に形成される画像において現像剤が付着される画素からなる像を言う。また、画像形成条件制御手段の動作は、実行タイミングと判定されると直ぐに実行してもよいが、例えば連続して複数枚の画像形成を行っているときには、その一連の画像形成が終了した後に実行するようにしてもよい。
【0011】
また、像担持体上に設定される範囲に占める像担持体上に形成される顕像の比率が求められ、オンドット計数手段の計数値がこの比率に応じて変換された変換値が出力され、この変換値が積算される。これによって得られる積算値は現像剤の消費の仕方を考慮したものとなることから、画像形成条件制御が必要になる時点をより精度良く推定することが可能になる。
また、画像形成手段により前記像担持体上に形成可能な最大画像形成範囲に占める前記像担持体上に形成される顕像の比率が求められることにより、例えばA4サイズのいわゆるべた画像に比べてA5サイズのべた画像の方が小さい比率になるなど、像担持体上に形成中の画像の画像形成範囲に応じた比率が求められることとなる。
また、像担持体上に形成される顕像の数をカウントすることなく、その数に応じた比率が正確に求められる。すなわち、最大画像形成範囲において、例えばA4サイズのべた画像が2枚形成される場合の比率は、同画像が1枚形成される場合の比率の2倍の値となるなど、像担持体上に形成される顕像の数に応じた比率が正確に求められることとなる。
【0013】
また、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記比率演算手段は、前記画像形成手段により前記像担持体上に形成中の画像の画像形成範囲に占める前記顕像の比率を求めるとしてもよい(請求項4)。
【0014】
この構成によれば、画像形成手段により像担持体上に形成中の画像の画像形成範囲に占める像担持体上に形成される顕像の比率が求められることにより、例えばA4サイズのいわゆるべた画像であれば100%となり、B5サイズのべた画像でも100%となるなど、画像形成範囲に関わりなく、形成中の顕像の態様に応じた比率が求められることとなる。
【0015】
また、請求項4において、前記出力媒体の大きさに対応した画像形成可能範囲のサイズ毎に各々の画像形成可能範囲に含まれる総画素数を記憶する第1記憶手段をさらに備え、前記比率演算手段は、前記画像形成手段により前記像担持体上に形成中の画像の画像形成範囲に対応して前記第1記憶手段から抽出した総画素数を分母とし、前記オンドット計数手段の計数値を分子として、前記比率を求めるとしてもよい(請求項5)。
【0016】
この構成によれば、出力媒体の大きさに対応した画像形成可能範囲のサイズ毎に各々の画像形成可能範囲に含まれる総画素数が第1記憶手段に記憶されており、画像形成手段により像担持体上に形成中の画像の画像形成範囲に対応する総画素数が第1記憶手段から抽出され、その総画素数を分母とし、オンドット計数手段の計数値を分子として前記比率が求められることにより、形成中の顕像の態様に応じた比率が容易に算出されることとなる。
【0020】
また、請求項1において、前記像担持体上に形成可能な最大画像形成範囲に含まれる総画素数を記憶する第2記憶手段をさらに備え、前記比率演算手段は、前記第2記憶手段に記憶された総画素数を分母とし、前記画像形成手段による前記像担持体上の前記最大画像形成範囲に対する画像形成が終了するまでに前記オンドット計数手段により計数された計数値を分子として、前記比率を求めるとしてもよい(請求項2)。
【0021】
この構成によれば、像担持体上に形成可能な最大画像形成範囲に含まれる総画素数が第2記憶手段に記憶されており、この総画素数を分母とし、画像形成手段による像担持体上の最大画像形成範囲に対する画像形成が終了するまでにオンドット計数手段により計数される計数値を分子として前記比率が求められることにより、像担持体上に形成中の画像の画像形成範囲に応じた比率が容易に求められる。また、像担持体上に形成される顕像の数に応じた比率が正確、かつ容易に求められる。また、像担持体上に形成可能な最大画像形成範囲に含まれる総画素数を用いているので、例えば定形外サイズの封筒などのような任意サイズの転写紙が出力媒体として用いられた場合でも、比率が正確、かつ容易に求められる。
【0025】
また、前記変換手段は、前記比率演算手段により求められた前記比率が所定値未満のときは、前記オンドット計数手段の計数値をそのまま前記変換値として出力するとしてもよい(請求項6)。
【0026】
この構成によれば、像担持体上に形成される顕像の比率が所定値未満のときは、オンドット計数手段の計数値が変換値としてそのまま出力されることにより、現像剤の消費量にほぼ比例する計数値を用いて画像形成条件制御が必要になる時点の推定が行われることとなる。
【0027】
また、前記変換手段は、前記比率演算手段により求められる前記比率に応じて予め定められた割合分を、前記オンドット計数手段の計数値から減算した値を前記変換値とするとしてもよい(請求項7)。
【0028】
この構成によれば、像担持体上に形成される顕像の比率に応じて予め定められた割合分がオンドット計数手段の計数値から減算された値が、変換値とされることにより、上記比率が高いときは画像形成条件制御の頻度が低下することになるが、上記比率が高いときは現像剤の消費量に比べて画像形成条件制御の必要性が低くなることから、画質の低下を招くことなく、スループットの低下が抑制されることとなる。
【0031】
また、請求項3に記載の発明は、現像剤を用いて予め設定された画像形成条件に従って画像信号に応じた画像を像担持体上に形成する画像形成手段と、前記像担持体上に形成された前記画像を出力媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、前記像担持体上の画像濃度に応じた出力信号を出力する検知手段と、前記画像形成手段により前記像担持体上に予め設定された基準画像を形成させ、この基準画像が前記検知手段から出力される出力信号に応じて前記画像形成条件の設定を調整する画像形成条件制御手段と、前記像担持体上に形成される顕像を構成する画素数を前記画像信号に基づき計数するオンドット計数手段と、前記オンドット計数手段に基づく値を積算する積算手段と、前記積算手段により算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより前記画像形成条件制御手段の実行タイミングと判定する画像形成条件制御タイミング判定手段と、前記像担持体上に設定される範囲に占める前記顕像の比率を求める比率演算手段と、前記オンドット計数手段の計数値を前記比率に応じて変換した変換値を出力する変換手段と、前記像担持体上に所定の画像を形成することにより前記画像形成手段の疲労状態を解消するリフレッシュ制御手段とを備え、前記積算手段は、前記変換手段により出力される前記変換値を積算し、前記画像形成手段は、前記現像剤を収容する容器から現像ローラに前記現像剤を供給し、前記現像ローラ上に形成される前記現像剤の層の厚さを規制ブレードにより一定にするように構成された現像手段を含み、前記リフレッシュ制御手段は、前記像担持体上に所定の画像を形成することにより、前記疲労状態として前記容器内で前記現像剤が滞留した状態を解消するもので、前記リフレッシュ制御手段は、前記画像形成条件制御手段の実行に先立って実行されるが、当該リフレッシュ制御手段の実行直前に前記比率演算手段により求められた比率が予め設定されたしきい値以上のときは、その実行が中止されることを特徴としている。
【0032】
この構成によれば、像担持体上に形成される顕像を構成する画素数が画像信号に基づきオンドット計数手段により計数され、この計数に基づく値が積算手段により積算され、この積算手段により算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより画像形成条件制御タイミング判定手段により画像形成条件制御手段の実行タイミングと判定される。そして、画像形成条件制御手段の動作が実行されると、画像形成手段により像担持体上に予め設定された基準画像が形成され、この基準画像が検知手段から出力される画像濃度に応じた出力信号に応じて画像形成条件の設定が調整される。
ここで、オンドット計数手段の計数値は現像剤(例えばトナー)の消費量にほぼ比例することから、この計数値に基づく値を積算することで、画像形成条件制御が必要になる時点の推定が可能になり、その積算値が所定値に達すると画像形成条件制御の実行タイミングと判定することで、タイミング良く画像形成条件制御が実行されることとなる。
なお、像担持体上に形成される顕像とは、像担持体上に形成される画像において現像剤が付着される画素からなる像を言う。また、画像形成条件制御手段の動作は、実行タイミングと判定されると直ぐに実行してもよいが、例えば連続して複数枚の画像形成を行っているときには、その一連の画像形成が終了した後に実行するようにしてもよい。
また、像担持体上に設定される範囲に占める像担持体上に形成される顕像の比率が求められ、オンドット計数手段の計数値がこの比率に応じて変換された変換値が出力され、この変換値が積算される。これによって得られる積算値は現像剤の消費の仕方を考慮したものとなることから、画像形成条件制御が必要になる時点をより精度良く推定することが可能になる。
なお、像担持体上に設定される範囲は、像担持体の全体であってもよく、像担持体の一部であってもよい。
また、リフレッシュ制御手段により像担持体上に所定の画像が形成されて画像形成手段の疲労状態が解消される。このリフレッシュ制御手段は、画像形成条件制御手段の実行に先立って実行されるが、当該リフレッシュ制御手段の実行直前に比率演算手段により求められた比率が予め設定されたしきい値以上のときは、その実行が中止される。
【0033】
ここで、画像形成手段が、現像剤を収容する容器から現像ローラ(現像スリーブ)に現像剤を供給し、現像ローラ上に形成される現像剤の層の厚さを規制ブレードにより一定にするように構成された現像手段を含むものであるため、上記比率の低い画像形成が続くと、消費されずに容器内で同一箇所に滞留する現像剤が増えることにより、現像ローラや規制ブレードの表面に現像剤の外添剤や現像剤自体が固着する現象であるフィルミングが発生する虞が増大するが、上記構成によれば、リフレッシュ制御手段により像担持体に所定の画像が形成されることにより現像剤が強制消費されることとなり、容器内での現像剤の滞留が解消され、これによってフィルミングの発生による画質劣化が未然に防止される。さらに、このリフレッシュ動作を画像形成条件制御に先立って実行しているので、画像形成手段の状態がより理想的な状態で画像形成条件制御を行うことができる。
【0034】
一方、リフレッシュ制御手段の実行直前に前記比率が予め設定されたしきい値以上のときは、適度に消費されるため容器内での現像剤の滞留が生じ難いので、上記構成によれば、リフレッシュ制御手段の実行が中止されることにより、転写に使用されない現像剤の無駄な消費が抑制され、画像形成手段の寿命短縮が防止されることとなる。
【0035】
また、請求項8に記載の発明は、現像剤を用いて像担持体上に予め設定された画像形成条件に従って画像信号に応じた画像を形成し、前記像担持体上に形成された前記画像を出力媒体に転写するようにした画像形成方法において、前記像担持体上の画像濃度に応じた出力信号を出力する検知工程と、前記像担持体上に予め設定された基準画像を形成させ、この基準画像を前記検知工程において出力される出力信号に応じて前記画像形成条件の設定を調整する画像形成条件制御工程と、前記像担持体上に形成される顕像を構成する画素数を前記画像信号に基づき計数するオンドット計数工程と、前記オンドット計数工程に基づく値を積算する積算工程と、前記積算工程により算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより前記画像形成条件制御工程の実行タイミングと判定する画像形成条件制御タイミング判定工程と、前記像担持体上に設定される範囲に占める前記顕像の比率を求める比率演算工程と、前記オンドット計数工程の計数値を前記比率に応じて変換した変換値を出力する変換工程とを備え、前記積算工程は、前記変換工程により出力される前記変換値を積算し、前記比率演算工程は、前記像担持体上に形成可能な最大画像形成範囲に占める前記顕像の比率を求めることを特徴としている。
【0036】
この構成によれば、像担持体上に形成される顕像を構成する画素数が画像信号に基づきオンドット計数工程において計数され、この計数に基づく値が積算工程において積算され、この積算工程において算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより画像形成条件制御タイミング判定工程において画像形成条件制御工程の実行タイミングと判定される。上記実行タイミングと判定された後に、画像形成条件制御工程の動作が実行される。すなわち、像担持体上に予め設定された基準画像が形成され、この基準画像が検知工程において出力される画像濃度に応じた出力信号に応じて画像形成条件の設定が調整される。
ここで、オンドット計数工程における計数値は現像剤(例えばトナー)の消費量にほぼ比例することから、この計数値に基づく値を積算することで、画像形成条件制御が必要になる時点の推定が可能になり、その積算値が所定値に達すると画像形成条件制御の実行タイミングと判定することで、タイミング良く画像形成条件制御が実行されることとなる。
なお、像担持体上に形成される顕像とは、像担持体上に形成される画像において現像剤が用いられる画素からなる像を言う。また、画像形成条件制御工程の動作は、実行タイミングと判定されると直ぐに実行してもよいが、例えば連続して複数枚の画像形成を行っているときには、その一連の画像形成が終了した後に実行するようにしてもよい。
【0037】
また、請求項9に記載の発明は、現像剤を用いて像担持体上に予め設定された画像形成条件に従って画像信号に応じた画像を画像形成手段により形成し、前記像担持体上に形成された前記画像を出力媒体に転写するようにした画像形成方法において、前記像担持体上の画像濃度に応じた出力信号を出力する検知工程と、前記像担持体上に予め設定された基準画像を形成させ、この基準画像を前記検知工程において出力される出力信号に応じて前記画像形成条件の設定を調整する画像形成条件制御工程と、前記像担持体上に形成される顕像を構成する画素数を前記画像信号に基づき計数するオンドット計数工程と、前記オンドット計数工程に基づく値を積算する積算工程と、前記積算工程により算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより前記画像形成条件制御工程の実行タイミングと判定する画像形成条件制御タイミング判定工程と、前記像担持体上に設定される範囲に占める前記顕像の比率を求める比率演算工程と、前記オンドット計数工程の計数値を前記比率に応じて変換した変換値を出力する変換工程と、前記像担持体上に所定の画像を形成することにより前記画像形成手段の疲労状態を解消するリフレッシュ制御工程とを備え、前記積算工程は、前記変換工程により出力される前記変換値を積算し、前記画像形成手段は、前記現像剤を収容する容器から現像ローラに前記現像剤を供給し、前記現像ローラ上に形成される前記現像剤の層の厚さを規制ブレードにより一定にするように構成された現像手段を含み、前記リフレッシュ制御工程は、前記像担持体上に所定の画像を形成することにより、前記疲労状態として前記容器内で前記現像剤が滞留した状態を解消するもので、前記リフレッシュ制御工程は、前記画像形成条件制御工程の実行に先立って実行されるが、当該リフレッシュ制御工程の実行直前に前記比率演算工程により求められた比率が予め設定されたしきい値以上のときは、その実行が中止されることを特徴としている。
【0039】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
まず、図1〜図3を参照して、本発明に係る画像形成装置の第1実施形態であるプリンタの構成について説明する。図1は同プリンタの内部構成を示す図、図2は同プリンタの電気的構成を示すブロック図、図3は中間転写ベルトの展開図である。
【0040】
このプリンタは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、例えばブラック(K)のトナーのみを用いて単色画像を形成するものである。このプリンタは、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号が主制御部100に与えられると、この主制御部100からの制御信号に応じてエンジン制御部110がエンジン部1の各部を制御して、装置本体2の下方に配設された給紙カセット3から搬送した転写紙4に、上記画像信号に対応する画像を印字出力する。
【0041】
上記エンジン部1は、感光体ユニット10、ロータリー現像部20、中間転写ユニット30、定着ユニット40、露光ユニット50を備えている。この感光体ユニット10は、感光体11、帯電部12およびクリーニング部13を備え、ロータリー現像部20は、イエロートナーが収容されたイエロー現像ユニット2Y、マゼンタトナーが収容されたマゼンタ現像ユニット2M、シアントナーが収容されたシアン現像ユニット2C、ブラックトナーが収容されたブラック現像ユニット2Kなどを備え、中間転写ユニット30は、中間転写ベルト31、垂直同期センサ32、ベルトクリーナ33、ゲートローラ対34、2次転写ローラ35、感光体駆動用モータ36などを備えている。上記7つのユニット10,2Y,2M,2C,2K,30,40は、それぞれ装置本体2に対して着脱自在に構成されている。
【0042】
このプリンタは、予め設定された基準画像を中間転写ベルト31に形成し、その基準画像の濃度を検出し、その検出結果に基づき画像形成条件の設定値を調整する画像形成条件制御を行う。この画像形成条件制御は、画像形成のプロセス状態が再調整を必要とするほど変化したと判定されるときに行われるべきものであるが、その画像形成のプロセス状態の変化に最も大きい影響を及ぼすのはロータリー現像部20の疲労状態、特に各現像ユニット2Y,2M,2C,2Kにおけるトナー(現像剤)消費量である。そこで、このプリンタは、トナー像を構成する画素数がトナー消費量にほぼ比例することから、後述するように、その画素数をカウントして積算することでトナー消費量を推定し、その積算値が予め設定された所定値に達すると画像形成条件制御の実行タイミングと判定している。
【0043】
感光体ユニット10の感光体11は、上記7つのユニット10,2Y,2M,2C,2K,30,40が装置本体2に装着された状態で、感光体駆動用モータ36によって矢印5の方向に回転するもので、中間転写ベルト31に当接しており、この当接位置が1次転写部14に設定されている。この感光体11の周りには、その回転方向5に沿って、帯電部12、ロータリー現像部20およびクリーニング部13がそれぞれ配置されている。
【0044】
帯電部12は、帯電バイアス生成回路114により生成される所定の高電圧が印加されるワイヤ電極を備え、例えばコロナ放電により、感光体11の外周面を均一に帯電するもので、帯電手段としての機能を有する。クリーニング部13は、感光体11の回転方向5における帯電部12の直ぐ上流側であって1次転写部14の下流側に配置され、感光体11から中間転写ベルト31へのトナー像の1次転写後に感光体11の外周面に残留しているトナーをクリーニングブレードにより掻き落として感光体11の表面を清掃するものである。
【0045】
露光ユニット50は、例えば半導体レーザからなるレーザ光源51、このレーザ光源51からのレーザ光を反射するポリゴンミラー52、このポリゴンミラー52を回転駆動するポリゴンモータ53、ポリゴンミラー52で反射されたレーザ光を集束するレンズ部54、複数個の反射ミラー55、水平同期センサ56などを備えている。ポリゴンミラー52によって反射され、レンズ部54および反射ミラー55を介して射出されたレーザ光57は、感光体11の表面において主走査方向(図1の紙面に対して垂直な方向)に走査して、画像信号に対応する静電潜像を感光体11の表面に形成する。このとき、水平同期センサ56により、主走査方向における同期信号、すなわち水平同期信号が得られる。
【0046】
ポリゴンモータ53は、ポリゴンミラー52を予め設定された回転速度、例えば30,000rpm(回転/分)で高速に回転駆動するもので、例えばオイル軸受けにより高速回転可能な構成を備え、駆動を開始して回転速度が上記設定回転速度に達すると、CPU111にレディ信号を送出する。露光ユニット50は、露光手段としての機能を有する。
【0047】
ロータリー現像部20は、各色のトナーを上記静電潜像に付着させて現像するものである。ロータリー現像部20のイエロー現像ユニット2Y、マゼンタ現像ユニット2M、シアン現像ユニット2C、ブラック現像ユニット2Kは軸中心に回転自在に設けられており、これらの現像ユニット2Y,2M,2C,2Kは予め決められた複数の位置に移動可能に配置され、感光体11に対して現像ローラ(現像スリーブ)20Y,20M,20C,20Kの当接位置および離間位置で選択的に配置される。そして、直流成分もしくは直流成分に交流成分を重畳した現像バイアスが現像バイアス生成回路115により印加されて、感光体11に対して当接位置にある現像ユニットから当該色のトナーが感光体11の表面に付着される。ロータリー現像部20(現像ユニット2Y,2M,2C,2K)は現像手段としての機能を有する。
【0048】
中間転写ユニット30の中間転写ベルト31は、テンションローラ31A、駆動ローラ31B、テンションローラ31Cおよび従動ローラ31Dに掛け渡されている。テンションローラ31Aは、中間転写ベルト31を確実に感光体11に当接させるためのものである。駆動ローラ31Bは、感光体駆動用モータ36によって感光体11とともに回転駆動される。
【0049】
この中間転写ベルト31は、図3に示すように、ほぼ矩形のシート体が継ぎ目71で継ぎ合わされて形成された無端ベルトからなる。図3において、矢印72は回転駆動方向を示し、矢印73は回転軸方向を示している。
【0050】
この中間転写ベルト31は、回転軸方向73の一端側(図3中、上側)に設けられた突起部74を有するとともに、転写禁止領域75および転写許可領域76を有している。転写禁止領域75は、継ぎ目71の両側のそれぞれ所定寸法の範囲に、回転軸方向73に一端から他端に亘って設定されている。転写許可領域76は、転写禁止領域75以外の領域であって、回転軸方向73の一端部および他端部を除く矩形の領域に設定されており、この転写許可領域76にトナー像が1次転写される。
【0051】
図3(A)に示すように、転写許可領域76には、回転駆動方向72に長辺方向となるA3判サイズのトナー像77が転写可能になっている。また、図3(B)に示すように、転写許可領域76を2つのサブ領域76A,76Bに分割設定し、中間転写ベルト31の一周で、回転駆動方向72に短辺方向となるA4サイズ以下、例えばA4、A5、B5サイズなどのトナー像が2枚転写可能になっている。なお、図3(B)ではA4サイズのトナー像78を示している。
【0052】
このように、転写許可領域76は、回転駆動方向72に長辺方向のA3判より大きいサイズを有しており、この転写許可領域76が、中間転写ベルト31に形成可能な最大画像形成範囲になっている。
【0053】
垂直同期センサ32は、例えば互いに対向配置された発光部(例えばLED)および受光部(例えばフォトダイオード)を有するフォトインタラプタからなり、回転する中間転写ベルト31の回転軸方向73の一端側に配置され、突起部74の通過を検出して検出信号を出力するものである。この垂直同期センサ32から出力される検出信号が、エンジン制御部110による画像形成制御の基準となる垂直同期信号として使用される。この垂直同期センサ32は、従動ローラ31Dの近傍に配置されており、これによって、中間転写ベルト31の撓みや揺れによる影響を低減し、突起部74を安定して検出できるようにしている。
【0054】
ベルトクリーナ33は、クリーナ用離接クラッチにより中間転写ベルト31への当接状態(図1中、実線)および離間状態(図1中、破線)が切換可能に配設されたもので、当接状態で中間転写ベルト31上の残留トナーを掻き落とす。このベルトクリーナ33の当接および離間は、中間転写ベルト31の転写禁止領域75に対して行われる。
【0055】
ゲートローラ対34は、ゲートクラッチのオンにより搬送系駆動用モータ60の駆動力が伝達されて回転駆動される。2次転写ローラ35は、2次転写ローラ用離接クラッチにより中間転写ベルト31への当接状態(図1中、実線)および離間状態(図1中、破線)が切り換えられる。この2次転写ローラ35は、中間転写ベルト31に当接した状態で2次転写バイアス生成回路117により生成される所定の2次転写バイアスが印加されて、転写紙4を搬送しつつ中間転写ベルト31上のトナー像を転写紙4に2次転写させるもので、当該当接位置が2次転写部37に設定されている。
【0056】
中間転写ベルト31には例えばローラ状のバイアス印加部材38が当接しており、このバイアス印加部材38に1次転写バイアス生成回路116により生成される所定の1次転写バイアスが印加される。そして、この1次転写バイアスによって、感光体11上のトナー像が中間転写ベルト31に1次転写されることとなる。
【0057】
転写紙4は出力媒体に対応し、帯電部12、露光ユニット50、帯電バイアス生成回路114、ロータリー現像部20、現像バイアス生成回路115、バイアス印加部材38、1次転写バイアス生成回路116は画像形成手段に対応し、中間転写ベルト31は像担持体に対応し、2次転写ローラ35、2次転写バイアス生成回路117は転写手段に対応する。
【0058】
定着ユニット40は、加熱ローラ41、加圧ローラ42を備え、ローラ41,42により転写紙4を搬送しつつ、転写紙4上のトナーを加熱溶融して当該転写紙4に定着するもので、定着手段としての機能を有する。
【0059】
給紙カセット3の先端(図1中、右端)から上方に向かって、半月状のピックアップローラ61、フィードローラ対62が配設され、ゲートローラ対34、2次転写ローラ35および定着ユニット40を挟んで、さらに搬送ローラ対63、排出ローラ対64が配設されて、これらにより転写紙4の搬送路(図1中、一点鎖線)が形成されている。
【0060】
ピックアップローラ61はピックアップソレノイドにより駆動される。フィードローラ対62、ゲートローラ対34、2次転写ローラ35、定着ユニット40の加熱ローラ41、搬送ローラ対63、排出ローラ対64は、それぞれ駆動力伝達機構を介して同一の搬送系駆動用モータ60に連結されている。搬送系駆動用モータ60は、所定の回転速度に達するとレディ信号を出力する。そして、フィードローラ対62は、フィードクラッチのオンにより、搬送系駆動用モータ60の駆動力が伝達されて回転駆動される。転写紙4は、排出ローラ対64によって装置本体2の上部に設けられた排紙部6に排出される。
【0061】
装置本体2の上面には、操作表示パネル7が配設されている。この操作表示パネル7は、複数の操作キーを備えるとともに、例えば液晶ディスプレイからなる表示部を備えている。
【0062】
装置本体2のエンジン部1は、さらに、中間転写ベルト31の従動ローラ31Dに巻き付けられた部分に対向する位置に配設されたパッチセンサ8を備えている。このパッチセンサ8は、例えば並んで配置された発光部(例えば赤外LED)および受光部(例えばフォトダイオード)を有する反射型光センサからなり、発光部から中間転写ベルト31に形成された基準画像に向けて射出された光の反射光を受光して、当該基準画像の濃度に応じた受光信号をエンジン制御部110に送出するものである。
【0063】
主制御部100は、CPU101と、外部装置との間で制御信号の授受を行うインターフェース102と、このインターフェース102を介して与えられた画像信号を記憶するための画像メモリ103とを備えている。CPU101は、外部装置から画像信号を含む印字指令信号をインターフェース102を介して受信すると、エンジン部1の動作指示に適した形式のジョブデータに変換し、エンジン制御部110に送出する。
【0064】
エンジン制御部110は、CPU111、ROM112、RAM113などを備えている。ROM112は、CPU111の制御プログラムなどを記憶するもので、RAM113は、エンジン部1の制御データやCPU111による演算結果などを一時的に記憶するもので、CPU111は、CPU101を介して外部装置から送られた画像信号に関するデータをRAM113に格納する。
【0065】
CPU111は、エンジン部1からの入力信号として、例えば垂直同期センサ32から垂直同期信号Vsyncを受け取り、水平同期センサ56から水平同期信号Hsyncを受け取り、パッチセンサ8から基準画像の濃度に応じた受光信号を受け取る。そして、CPU111は、これらの入力信号および制御プログラムに基づき、エンジン部1の各部の動作を制御する。
【0066】
すなわちCPU111は、感光体駆動用モータ36を駆動するモータ駆動回路に制御信号を送出して感光体11および中間転写ベルト31を同期して回転駆動する。また、CPU111は、搬送系駆動用モータ60を駆動するモータ駆動回路に制御信号を送出して、給紙カセット3からの転写紙4の搬送を制御するもので、転写紙4を中間転写ベルト31の周速S1と同一速度で搬送する。
【0067】
また、CPU111は、帯電バイアス生成回路114に制御信号を送出して帯電部12による帯電バイアスの印加を制御する。また、CPU111は、現像バイアス生成回路115に制御信号を送出して現像バイアスの印加を制御するとともに、ロータリー現像部20の現像ユニット2Y,2M,2C,2Kなどの各部の動作を制御する。また、CPU111は、各離接クラッチを駆動する離接クラッチ駆動回路(図示省略)に制御信号を送出し、中間転写ベルト31に対するベルトクリーナ33および2次転写ローラ35の離間および当接を制御する。
【0068】
また、CPU111は、1次転写バイアスを生成する1次転写バイアス生成回路116および2次転写バイアスを生成する2次転写バイアス生成回路117に制御信号を送出し、バイアス印加部材38に対する1次転写バイアスの印加および2次転写ローラ35に対する2次転写バイアスの印加を制御する。また、CPU111は、操作表示パネル7の操作キーに対する操作内容を受け取るとともに、その表示部の表示内容を制御する。
【0069】
また、CPU111は、CPU101を介して外部装置から送られる画像信号に応じて書込み画素データを生成し、この生成した書込み画素データを制御信号としてオンドットカウンタ118を介してレーザ光源51に送出する。
【0070】
このオンドットカウンタ118は、CPU111からレーザ光源51に送られる書込み画素データのうちトナーが付着する画素の数をリアルタイムで計数する論理回路で、本実施形態では色に関係なく全ての画素数をカウントする。上記書込み画素データは感光体11の静電潜像を形成するもので、この静電潜像に基づきトナー像(顕像)が形成されており、オンドットカウンタ118により計数されるドット計数値は、当該顕像を構成する画素数を表すこととなる。
【0071】
また、CPU111は、1つのトナー像(例えばYトナー像、Cトナー像など)の形成が終了してオンドットカウンタ118によるドット計数値が確定する度に、そのドット計数値をRAM113の所定のメモリ領域に加算して記憶させる。すなわち、CPU111は、オンドットカウンタ118によるドット計数値を積算し、その積算値をRAM113に格納する。
【0072】
また、CPU111は、予め設定された基準画像を中間転写ベルト31上に形成させ、この基準画像をパッチセンサ8により検出した検出結果に基づき画像形成条件の設定値を調整する画像形成条件制御を行うもので、上記積算値Nが予め設定された所定値N1に達すると上記画像形成条件制御の実行タイミングと判定し、画像形成条件制御フラグをセットする。
【0073】
また、CPU111は、画像形成条件制御の実行を許可するか否かを判定するもので、外部装置から印字指令信号が入力されていなければ、実行を許可すると判定する。そして、実行許可と判定すると上記画像形成条件制御を実行する。CPU111は、画像形成条件制御を実行すると上記積算値NをN=0にリセットする。
【0074】
なお、例えば次の印字指令信号が入力されていても、現在の印字指令信号による一連の複数枚数の印字動作が終了したときに、実行許可と判定するようにしてもよい。また、この実行許可の判定はCPU101が行うようにしてもよい。この場合には、CPU111は、画像形成条件制御フラグがセットされた状態でCPU101から実行許可信号が入力されると、画像形成条件制御を実行する。
【0075】
上記基準画像は所定サイズで所定形状を有する領域(パッチ)が複数並べられたもので、各パッチに予め設定された色のトナーにより予め設定された濃度のべた画像や線画像からなる画像が形成されている。上記画像形成条件は、本実施形態では例えば帯電バイアス、現像バイアス、1次転写バイアスである。
【0076】
パッチセンサ8は検知手段に対応し、オンドットカウンタ118はオンドット計数手段に対応し、CPU111は画像形成条件制御手段、積算手段、画像形成条件制御タイミング判定手段に対応する。
【0077】
また、ROM112およびRAM113はメモリ部を構成しているが、このメモリ部はEEPROMや他の形態のメモリを採用してもよい。RAM113に格納されるドット計数値の積算値は、電源がオフにされても記憶しておく必要があるので、例えばバックアップ電源を備えておけばよい。また、例えばEEPROMなどの不揮発性メモリに上記積算値を格納するようにしてもよく、この場合にはバックアップ電源は不要になる。
【0078】
次に、図4を参照して、本プリンタの動作について説明する。図4はエンジン部1の各部の状態の時間変化を示すタイミングチャートである。
【0079】
ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号が主制御部100に与えられると、この主制御部100からの制御信号に応じてエンジン制御部110がエンジン部1の各部の動作を開始する。このとき、給紙カセット3に積載されている転写紙4のサイズが印字指令信号で指示されているサイズに一致していないときは、操作表示パネル7に給紙カセットの交換を促すメッセージを表示する。なお、図1では1つの給紙カセット3を備えたプリンタとしているが、これに限られず、複数の給紙カセットを備えたものでもよい。
【0080】
給紙カセット3に積載されている転写紙4のサイズが印字指令信号で指示されているサイズに一致している(または、複数の給紙カセットのうちに印字指令信号で指示されているサイズの転写紙4を収容するカセットが含まれている)ときは、図4に示すように、まず、時刻t1に搬送系駆動用モータ60がオンにされる。続いて、時刻t2に搬送系駆動用モータ60からレディ信号が出力されると、感光体駆動用モータ36の駆動が開始されて中間転写ベルト31が所定の周速S1で駆動されて垂直同期信号Vsyncが周期的に出力されるとともに、ポリゴンモータ53の駆動が開始される。そして、時刻t3にポリゴンモータ53からレディ信号が出力されると、次の垂直同期信号Vsyncから有効に受け付けられ、感光体11の表面が帯電部12により均一に帯電され、その感光体11の表面に、露光ユニット50からのレーザ光57により上記画像信号に応じた静電潜像が形成され、この静電潜像がロータリー現像部20により現像されてトナー像が形成され、このトナー像は1次転写部14において中間転写ベルト31上に1次転写される。
【0081】
すなわち、感光体駆動用モータ36の駆動により中間転写ベルト31が回転し、時刻t4,t5,t6,t7にそれぞれ垂直同期信号Vsyncが出力される。各垂直同期信号Vsyncの立下り時点から所定時間T1後に画像要求信号Vreqが出力され、この画像要求信号Vreqの立下りを受けて、画像信号に対応する静電潜像の形成が開始されるとともに、現像バイアスがオンにされる。
【0082】
そして、時刻t4,t5,t6,t7ごとにロータリー現像部20の現像ユニットが切り換えられて、各色のトナー像が感光体11に形成され、順次、中間転写ベルト31に1次転写される。この間は2次転写ローラ35が中間転写ベルト31に対して離間状態にあるので、各色のトナー像は中間転写ベルト31上に重ね合わされていく。現像バイアスは、時刻t4,t5,t6,t7の各垂直同期信号Vsyncの立下り時点から、転写紙サイズによって予め決められている所定時間T2後にオフにされる。これによって、中間転写ベルト31の転写許可領域76にトナー像Y,C,M,Kが重ね合わされる。
【0083】
一方、給紙カセット3に積層されている転写紙束の最上層の転写紙4がピックアップローラ61により取り出され、フィードローラ対62により所定速度で搬送され、ゲートローラ対34にニップされる。そして、中間転写ベルト31上のトナー像にタイミングを合わせてゲートクラッチがオンにされ、ゲートローラ対34から2次転写部37に向けて転写紙4が搬送される。
【0084】
そして、垂直同期信号Vsyncの立下り時点である時刻t8から所定時間後に2次転写ローラ用離接クラッチがオンにされて、2次転写ローラ35が中間転写ベルト31に当接し、続いて、時刻t8から所定時間後の時刻t9に転写バイアス生成回路116から2次転写ローラ35への2次転写バイアスの印加がオンにされる。これによって、中間転写ベルト31の転写許可領域76に1次転写されているトナー像Y,C,M,Kが重ね合わされたカラートナー像が転写紙4に転写される。
【0085】
ゲートクラッチは転写紙4の搬出後オフにされ、2次転写バイアスの印加時間T3は、転写紙4のサイズに応じて予め設定されている。2次転写バイアスの印加がオフにされた後、2次転写ローラ用離接クラッチがオンにされて、2次転写ローラ35が中間転写ベルト31から離間する。そして、定着ユニット40において、転写紙4が搬送されつつトナー像が当該転写紙4に定着する。転写紙4は、さらに搬送ローラ対63により搬送され、排出ローラ対64によって排紙部6に排出される。
【0086】
画像形成終了後、次の印字指令信号が入力されなければ、垂直同期信号Vsyncの立下り時点である時刻t10に帯電部12がオフにされ、時刻t10から所定時間後に1次転写バイアスがオフにされ、次いで、時刻t10から所定時間後の時刻t11に感光体駆動用モータ36が減速を開始し、感光体駆動用モータ36が停止した時刻t12にレーザ光源51がオフにされるとともに、搬送系駆動用モータ60がオフにされる。そして、時刻t12から予め設定された待機時間T4(本実施形態では例えばT4=30秒)後の時刻t13に、ポリゴンモータ53がオフにされる。
【0087】
次に、図5を参照して、ドット計数値の積算について説明する。図5は積算タイミングを示すタイミングチャートである。
【0088】
オンドットカウンタ118は、CPU111からレーザ光源51に送られる書込み画素データのうちトナーが付着される画素(顕像を構成する画素)の数をリアルタイムで計数するので、ドット計数値は、1つのトナー像の書込みが終了するタイミングで確定する。従って、ドット計数値のCPU111による積算は、カラー画像を構成する各画像信号Y1,C1,M1,K1や、単色画像を構成する各画像信号K2,K3の終了ごとに行われる。そして、図5の例では、画像信号K3が終了してドット計数値が積算されたときに積算値が所定値N1に達しており、この時点で画像形成条件制御の実行タイミングと判定されることとなる。
【0089】
次に、図6を参照して、書込み画素数の積算手順について説明する。図6は同手順を示すフローチャートである。
【0090】
まず、RAM113の所定領域に格納されている書込み画素数の積算値NがN=0にリセットされ(#10)、次いで、オンドットカウンタ118のドット計数値が確定したか否かが判別され(#12)、確定していなければ(#12でNO)、上記図5で説明したように、ドット計数値が確定するまで待機する。
【0091】
そして、オンドットカウンタ118のドット計数値が確定すると(#12でYES)、書込み画素数の積算が行われ(#14)、次いで、その積算値Nが所定値N1以上であるか否かが判別され(#16)、N<N1であれば(#16でNO)、#12に戻り、N≧N1であれば(#16でYES)、画像形成条件制御の実行タイミングと判定して画像形成条件制御フラグをセットし(#18)、#10に戻る。
【0092】
そして、画像形成条件制御フラグがセットされた状態で、例えば印字指令信号が入力されていないときに画像形成条件制御の実行が許可されると、CPU111によりエンジン部1の各部の動作が制御されて上記画像形成条件制御が実行されることとなる。
【0093】
次に、図7を参照して、画像形成条件制御周期の一例について説明する。図7は同一画素比率のA4サイズ画像を形成し続けたときの画像形成条件制御の実行タイミングと判定される枚数間隔と画素比率との関係の一例を示す図である。
【0094】
画素比率は、本実施形態では、中間転写ベルト31に形成される画像形成範囲に含まれる総画素数に対する顕像を構成する画素数の比率を言う。例えば解像度が600DPI(dot per inch)であれば、A4の画像形成範囲に含まれる総画素数は約3500万ドットになる。
【0095】
ここで、オンドットカウンタ118は、本実施形態では例えば正味のドット数が175000に達すると1だけカウントアップする構成となっている。従って、画素比率100%(いわゆるべた画像)のA4サイズのドット計数値(すなわち総画素数)は200カウントとなる。なお、上記所定値N1=10000とする。
【0096】
この場合、画素比率5%のA4サイズ画像のドット計数値は10カウントになるので、画素比率5%のA4サイズの画像形成が続くと、画像形成条件制御は、1000枚ごとに実行されることになる。また、画素比率100%のA4サイズの画像形成が続くと、図7に示すように、わずか50枚ごとに画像形成条件制御が実行されることになる。なお、実際の印字動作では、異なる画素比率で異なるサイズの画像が混在して形成されるので、画像形成条件制御が一定枚数ごとに実行されることはない。
【0097】
このように、第1実施形態によれば、中間転写ベルト31上に形成される顕像を構成する画素(トナーが付着する画素)の数をオンドットカウンタ118により計数し、CPU111により、そのドット計数値を積算し、その積算値Nが所定値N1に達すると画像形成条件制御の実行タイミングと判定しており、トナー消費量にほぼ比例するドット計数値の積算値を用いているので、トナー消費量が多くなってロータリー現像部20の疲労状態が増大すると必要になる画像形成条件制御をタイミング良く実行することができる。
【0098】
特に、自然画のようにトナー消費量の多い画像形成が続くと、一定枚数ごとに画像形成条件制御を行うのに比べて画像形成条件制御の実行頻度が上昇するため、自然画の画質低下を未然に防止することができる。
【0099】
また、第1実施形態によれば、全ての色の書込み画素数をカウントするようにしているので、各色ごとにカウントして記憶する場合に比べてRAM113に格納するのに必要なメモリ容量を削減することができる。
【0100】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る画像形成装置の第2実施形態について説明する。第2実施形態のプリンタの内部構成および電気的構成は、第1実施形態と同一であり、一部の機能および動作のみ異なるので、その異なる点について説明する。
【0101】
第2実施形態では、オンドットカウンタ118のドット計数値を画素比率に応じて変換し、その変換値を積算するようにしている。
【0102】
ロータリー現像部20の疲労状態は、トナーの消費量だけでなく当該トナーの消費の仕方によっても変化する。例えば画素比率100%のように一度に大量のトナーが消費されると、現像ユニット2Y,2C,2M,2Kのトナー供給部位(現像ローラ20Y,20C,20M,20K)に常に新鮮なトナーが供給されることとなるので、比較的各現像ユニット2Y,2C,2M,2Kの疲労が少なくなる。そこで、第2実施形態では、ドット計数値を積算する際に、画素比率に応じてドット計数値を変換し、その変換値を積算することで積算値が漸減するようにしている。
【0103】
図8は第2実施形態におけるドット計数値の低減比率の一例を示しており、画素比率が5%以下の場合はドット計数値をそのまま積算し、画素比率が5%を超える場合は、画素比率が100%のときに低減比率が66.7%(積算する変換値がドット計数値の1/3)になるように直線的に変化させている。
【0104】
この第2実施形態では、ROM112は、転写紙4の大きさに対応した中間転写ベルト31上の画像形成可能範囲のサイズごとに各々の画像形成可能範囲に含まれる総画素数を記憶するとともに、図8に示す関係を記憶している。
【0105】
また、CPU111は、主制御部100からのジョブデータに基づき中間転写ベルト31に形成する画像のサイズを判定し、そのサイズに対応する総画素数をROM112から抽出する。そして、その抽出した総画素数に対するオンドットカウンタ118によるドット計数値の比率を当該顕像の画素比率として算出し、その算出した画素比率に対応するドット計数値の低減量を先の画素比率と低減比率との関係に基づいて求め、その求めた低減量だけドット計数値から低減した値を変換値とし、その変換値を積算する。なお、ROM112からの総画素数の抽出タイミングは、主制御部100からジョブデータが入力された時点でもよいし、ドット計数値が確定した時点でもよい。CPU111は比率演算手段、変換手段に対応し、ROM112は第1記憶手段に対応する。
【0106】
図9は第2実施形態におけるドット計数値の積算手順を示すフローチャートである。同図において、#20,#22は図6の#10,#12と同様である。#22に続く#24において、ジョブデータに基づき中間転写ベルト31上に形成される画像サイズが判定され、そのサイズに対応する総画素数と確定したドット計数値とを用いて当該顕像の画素比率が求められる。
【0107】
次いで、画素比率と低減比率との関係(図8)に基づき低減量が求められ(#26)、次いで、確定したドット計数値から低減量だけ減算した変換値を積算値に加算することで積算が行われる(#28)。#28に続く#30,#32は図6の#16,#18と同様である。
【0108】
図10は、同一画素比率のA4サイズ画像を形成し続けたときの画像形成条件制御の実行タイミングと判定される枚数間隔と画素比率との関係の一例を示している。なお、破線▲3▼については後述する。
【0109】
第2実施形態の画像形成条件制御周期を示す実線▲1▼は、画素比率が5%以下では破線▲2▼で示す第1実施形態と一致し、画素比率が5%を超えると破線▲2▼に比べて長くなっている。特に画素比率100%(べた画像)では、積算値に加算される変換値がドット計数値の1/3になるため、画像形成条件制御周期は破線▲2▼の3倍になっている。
【0110】
このように、第2実施形態によれば、画素比率を算出し、その画素比率に応じてドット計数値を低減するように変換し、その変換値を積算して積算値を求めているので、画素比率が大きい場合には、画像形成条件制御の実行タイミングと判定される間隔が増大することから、画像形成条件制御の実行によるスループットの低下を抑制することができる。この場合、画素比率が大きい場合には比較的ロータリー現像部20の疲労が少ないことから、形成画像の画質劣化を招くことはない。
【0111】
また、第2実施形態によれば、転写紙4の大きさに対応した画像形成可能範囲のサイズ毎に各々の画像形成可能範囲に含まれる総画素数をROM112に記憶しておき、中間転写ベルト31上に形成中の画像の画像形成範囲に対応する総画素数を分母とし、オンドットカウンタ118の計数値を分子として画素比率を求めるようにしているので、例えばいわゆるべた画像であればサイズに関わりなく100%となるなど、画像形成範囲に関わりなく、形成中の顕像の態様に応じた比率を容易に求めることができる。
【0112】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る画像形成装置の第3実施形態について説明する。第3実施形態のプリンタの内部構成および電気的構成は、第1実施形態と同一であり、一部の機能および動作のみ異なるので、その異なる点について説明する。
【0113】
この第3実施形態では、CPU111は、画像形成条件制御の実行に先だって、予め設定された非転写用の画像を中間転写ベルト31(感光体11)に形成させることにより現像ユニット2Y,2C,2M,2Kの疲労状態を回復させるリフレッシュ動作を行う。
【0114】
この非転写用の画像の回転軸方向73の寸法は、例えば、中間転写ベルト31上に形成可能な最大画像範囲(本実施形態では例えば転写許可領域76)に等しく、この非転写用の顕像を構成する画素数の上記最大画像範囲に含まれる総画素数に対する比率は、比較的大きい値(例えば50%以上の予め設定された値)に設定されている。なお、この非転写用の顕像を構成する画素は、回転軸方向73に亘ってほぼ均等に配置されているのが好ましい。CPU111はリフレッシュ制御手段に対応する。
【0115】
現像ユニット2Y,2C,2M,2Kは、トナーを収容する容器から現像ローラ20Y,20C,20M,20Kにトナーを供給し、現像ローラ20Y,20C,20M,20K上に形成されるトナーの層の厚さを規制ブレードにより一定にするように構成されている。なお、図1では、便宜上、現像ユニット2Mの規制ブレード21Mのみ符号を付している。そして、画素比率の低い画像形成が続くと、現像ユニット2Y,2C,2M,2K内で同一箇所に滞留するトナーが増えることにより、現像ローラや規制ブレードの表面にトナーの外添剤やトナー自体が固着する現象であるフィルミングが発生する虞が増大する。
【0116】
しかし、第3実施形態によれば、現像ユニット2Y,2C,2M,2Kのリフレッシュ動作として上記非転写用の画像形成を画像形成条件制御の実行に先立って行うようにしているので、トナーの強制消費により現像ユニット2Y,2C,2M,2K内でのトナーの滞留を解消することができ、これによって、フィルミングの発生による画質劣化を未然に防止することができる。
【0117】
なお、本発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能であり、例えば以下の変形形態(1)〜(14)を採用することができる。
【0118】
(1)上記各実施形態では、オンドットカウンタ118は、顕像を構成する画素数のカウントとして全ての色の総数をカウントするようにしているが、これに限られず、各色ごとにカウントするようにしてもよい。この場合、上記所定値N1は、各色で同一値を設定し、各色ごとに異なる値を設定し、あるいはY,C,Mは同一値でKのみ異なる値を設定してもよい。そして、CPU111は、いずれかの色で積算値が所定値に達すると画像形成条件制御の実行タイミングと判定するとともに、各積算値を0にリセットすればよい。この形態によれば、各色のトナー消費に応じてタイミング良く画像形成条件制御を実行することができる。
【0119】
このようにオンドットカウンタ118により各色ごとに顕像を構成する画素の数をカウントする場合には、上記第2実施形態のように画素比率に応じてドット計数値を低減する場合には、ドット計数値の低減比率は、現像ユニットの寿命を考慮して設定すればよい。図10に現像ユニットの寿命の一例を破線▲3▼により示しており、画素比率100%(べた画像)のA4サイズ画像が300枚でトナー残量が0になっている。
【0120】
この場合、図10の例では画素比率が100%のときに、現像ユニットの寿命(300枚)となるタイミングの半分である150枚で画像形成条件制御のタイミングに到達するように設定されることになる。従って、画像形成条件制御の実行前の期間と実行後の寿命に至るまでの期間とが等しくなることから、画像形成条件制御による画質安定の効果を最大限に利用することが可能となる。なお、画素比率100%での画像形成条件制御のタイミングを現像ユニットの寿命の1/n(nは整数)に設定することにより同様の効果を得ることができる。
【0121】
(2)上記各実施形態では、オンドットカウンタ118によるドット計数値をそのまま積算するようにしているが、これに限られず、例えば所定数の下位ビットを省略して上位ビットのみで積算するなど、ドット計数値の分解能を粗くして積算するようにしてもよい。この形態によれば、積算値をRAM113に格納するのに必要なメモリ容量を削減することができる。特に上記変形形態(1)のように各色ごとにドット計数値をカウントする場合に採用すると利点が大きい。
【0122】
(3)パッチセンサ8の構成は、上記実施形態に限られない。例えば赤色LED、緑色LED、青色LEDのうちの2つまたは3つのLEDを備え、各色ごとに画像濃度を検出するようにしてもよい。
【0123】
(4)画素比率の算出方法は、上記第2実施形態に限られない。例えば、中間転写ベルト31上に形成可能な最大画像形成範囲(上記実施形態では転写許可領域76)に含まれる総画素数を分母とし、中間転写ベルト31上に形成中の顕像を構成する画素の数を分子とした値を画素比率としてもよい。
【0124】
この形態では、ROM112は、中間転写ベルト31上に形成可能な最大画像形成範囲に含まれる総画素数を制御プログラムの一部として記憶している。そして、CPU111は、上記最大画像形成範囲(転写許可領域76)に対する画像形成が終了するまでにオンドットカウンタ118により計数されるドット計数値(すなわち1枚のみの画像形成が行われる場合には1枚の画像形成におけるドット計数値、2枚の画像形成が行われる場合には双方の画像形成におけるドット計数値の合計)を分子とし、ROM112に格納されている上記総画素数を分母として、比率を算出する。この形態では、CPU111は比率演算手段、変換手段に対応し、ROM112は第2記憶手段に対応する。
【0125】
この形態によれば、中間転写ベルト31上に形成可能な最大画像形成範囲に含まれる総画素数に対する当該最大画像形成範囲に形成される顕像を構成する画素の数の比率を画素比率としているので、最大画像形成範囲において、例えばA4サイズのべた画像が2枚形成される場合の比率は、同画像が1枚形成される場合の比率の2倍の値となるなど、中間転写ベルト31上に形成される顕像の数をカウントすることなく、その数に応じた比率を正確に求めることができる。
【0126】
また、中間転写ベルト31上に形成可能な最大画像形成範囲に含まれる総画素数を用いているので、例えば定形外サイズの封筒などのような任意サイズの転写紙4が用いられた場合でも、比率を正確に求めることができる。
【0127】
また、得られる画素比率の値は、例えばA4サイズのべた画像に比べてA5サイズのべた画像の方が小さい値になるなど、中間転写ベルト31上に形成中の画像の画像形成範囲に応じた比率を求めることができる。これによって画像形成条件制御の実行タイミングをさらに良好なものにすることができる。
【0128】
(5)さらに異なる画素比率の算出手順について説明する。図11は画素比率の異なる算出手順を説明するための要部ブロック図、図12は同手順を説明するためのタイミングチャートである。この形態では、図11に示すように、オフドットカウンタ121および比率演算部122をさらに備えている。
【0129】
オフドットカウンタ121は、CPU111からレーザ光源51に送られる書込み画素データのうちトナーが付着する画素以外の画素、すなわちトナーが付着されない画素の数をリアルタイムで計数する論理回路で、本変形形態では色に関係なく全てのトナーが付着されない画素の数をカウントする。上述したように、上記書込み画素データは感光体11の静電潜像を形成するもので、この静電潜像に基づきトナー像(顕像)が形成されており、オフドットカウンタ121により計数されるオフドット計数値は、当該顕像を構成する画素以外の画素の数を表すこととなる。
【0130】
比率演算部122は、オンドットカウンタ118の計数値を分子とし、オンドットカウンタ118の計数値およびオフドットカウンタ121の計数値の和を分母とする値をリアルタイムに算出する論理回路で、その算出結果をリアルタイムにCPU111に送出する。
【0131】
本形態における画素比率の算出手順について説明する。図12に示すように、画像信号がオンになる時刻t1に各カウンタ118,121の計数値を0にリセットすると、画像データの送出に伴って、各カウンタ118,121の計数値が増大し、この間、各計数値が比較演算部122に送られ、画素比率が算出されてCPU111に送出される。そして、例えば画像信号がオフになる時刻t2における画素比率が求める値としてCPU111によりRAM113に格納される。そして、さらに次の画像信号がオンになる時刻t3に各カウンタ118,121の計数値が0にリセットされて、その画像の各カウンタ118,121の計数が行われる。
【0132】
この形態では、各カウンタ118,121はリアルタイムに計数し、比率演算部122はリアルタイムにCPU111に算出結果を送出しているので、CPU111に入力される値は常にその時点での画素比率を表している。従って、この形態によれば、任意の範囲における画素比率を求めることができる。
【0133】
例えば図12では画像信号毎に計数値をリセットしているので、回転軸方向73の寸法が中間転写ベルト31に形成可能な最大画像形成範囲(本実施形態では転写許可領域76)の寸法で、回転駆動方向72の寸法が実際に中間転写ベルト31に形成されている画像の範囲における画素比率が求められている。
【0134】
これに代えて、例えば転写許可領域76の先端(図3(A)における転写許可領域76の右端)に対応する時点で計数値をリセットし、転写許可領域76の後端(図3(A)における転写許可領域76の左端)に対応する時点のCPU111への入力値を用いると、上記変形形態(4)と同様の画素比率を得ることができる。
【0135】
また、中間転写ベルト31の一周または所定の周回ごとに計数値をリセットしたり、予め設定された枚数(例えば10枚)ごとに計数値をリセットすることによって、画素比率の平均値を求めることができる。
【0136】
この形態では、オフドットカウンタ121はオフドット計数手段に対応し、比率演算部122は比率演算手段に対応する。なお、図11において、比率演算部122を省略し、オンドットカウンタ118の計数値を分子とし、オンドットカウンタ118の計数値およびオフドットカウンタ121の計数値の和を分母とする値をCPU111により算出するようにしてもよい。この場合にはCPU111が比率演算手段に対応する。
【0137】
(6)上記第3実施形態では、画像形成条件制御を行う際に現像ユニットのリフレッシュ動作を常に行うようにしているが、これに限られない。例えば画像形成条件制御の実行タイミングと判定された(積算値が所定値に達した)ときに中間転写ベルト31上に形成された画像の画素比率が予め設定されたしきい値(例えば60%)以上のときは、上記非転写用の画像の形成によるリフレッシュ動作を中止させるようにしてもよい。ここで、画像形成条件制御タイミングとなったときの画像の画素比率とは、そのときの1回の画素比率でもよく、あるいは直前の所定回数を含む画素比率の平均値であってもよい。
【0138】
この形態によれば、高画素比率の画像形成が行われていれば、トナーの滞留が生じ難いので、現像ユニットのリフレッシュ動作が不要になることから、転写用の画像形成に無関係なトナー消費量を抑制することができる。
【0139】
(7)上記実施形態では、オンドットカウンタ118によるドット計数値をそのまま積算するようにしているが、これに限られず、トナーの各色に応じて予め設定されたオフセット値を加算するようにしてもよい。この形態によれば、ドット計数値の積算値をさらに精度良くトナー消費量に比例したものとすることができる。
【0140】
(8)上記実施形態では、顕像を構成する画素の数をオンドットカウンタ118によりそのまま計数するようにしており、上記変形形態(5)では、顕像を構成する画素以外の画素の数をオフドットカウンタ121によりそのまま計数するようにしているが、これに限られない。例えば、離散ドットや連続ドットなどの画像形態によって区別して各画像形態について設定された係数を乗算した上で計数することにより隣接画素の影響を考慮するようにしてもよい。また、各色に対して異なる係数を設定しておき、各色の画素の数については対応する係数を乗算した上で計数するようにしてもよい。この形態によればドット計数値の積算値をさらに精度良く実際のトナー消費量に比例したものとすることができる。また、この形態において、上記変形形態(7)のオフセット値をさらに加算するようにしてもよい。
【0141】
(9)上記実施形態では、オンドットカウンタ118により顕像を構成する画素の数をリアルタイムに計数するようにしているが、画素数の計数方法はこれに限られない。例えばCPU101により画像メモリ103に格納されている画像信号を走査して画素数を計数し、その計数値をCPU111に送出するようにしてもよい。また、上記実施形態では、CPU111はCPU101を介して送られた画像信号に関するデータをRAM113に格納するようにしているが、このRAM113に格納された状態の画像信号を走査して画素数を計数するようにしてもよい。これらの場合には、オンドットカウンタ118は不要になり、CPU101またはCPU111がオンドット計数手段に対応する。
【0142】
また、上記変形形態(7)についても同様であり、例えばCPU101により画像メモリ103に格納されている画像信号を走査してトナーが付着されない画素の数を計数し、その計数値をCPU111に送出するようにしてもよい。また、CPU111によりRAM113に格納された状態の画像信号を走査してトナーが付着されない画素の数を計数するようにしてもよい。これらの場合には、オフドットカウンタ121は不要になり、CPU101またはCPU111がオフドット計数手段に対応する。
【0143】
(10)上記第2実施形態では、画素比率が5%以下の場合はドット計数値をそのまま積算し、画素比率が5%を超える場合は、画素比率が100%のときに低減比率が66.7%になるように直線的に変化させているが、ドット計数値の低減比率は、これに限られない。上記実施形態ではドット計数値をそのまま積算するしきい値を5%としているが、例えば画像形成プロセスの特性に応じて上記しきい値を異なる値に設定してもよい。また、上記実施形態では低減比率を直線的に変化させているが、画像形成プロセスの特性によっては、例えば画素比率が大きくなるほど低減比率の増加が緩やかになるように設定するなど、非線形的に変化させるようにしてもよい。
【0144】
(11)上記実施形態では像担持体として継ぎ目71のある中間転写ベルト31としているが、これに限られず、例えばシームレスの中間転写ベルトや中間転写ドラムでもよい。
【0145】
(12)上記実施形態では1つの感光体を備え、中間転写ベルト31を回転させることで4色のトナーを重ね合わせるカラープリンタとしているが、これに限られず、例えば中間転写ベルト31に沿って並んで配設される4個の感光体を備えたいわゆるタンデム方式のカラープリンタでもよい。
【0146】
(13)上記実施形態では中間転写ベルト31を備えたカラープリンタとしているが、これに限られず、例えば中間転写ベルト31を備えず、感光体11に形成したトナー像を転写紙4に直接転写するモノクロプリンタでもよい。この場合には基準画像は感光体11に形成すればよい。この形態では感光体11が像担持体に対応する。
【0147】
(14)上記実施形態では、ホストコンピュータなどの外部装置より与えられた画像を転写紙に印刷するプリンタを用いて説明しているが、本発明はこれに限られず、複写機やファクシミリ装置などを含む一般の電子写真方式の画像形成装置に適用することができる。
【0148】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1,8の発明によれば、像担持体上に形成される顕像を構成する画素数を計数し、この計数に基づく値を積算し、算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより画像形成条件制御の実行タイミングと判定するようにしているので、上記顕像を構成する画素数は現像剤の消費量にほぼ比例することから、この計数に基づく値を積算することで、画像形成条件制御が必要になる時点を推定することができ、その積算値が設定値に達すると画像形成条件制御の実行タイミングと判定することで、タイミング良く画像形成条件制御を実行することができる。
【0149】
また、像担持体上に設定される範囲に占める顕像の比率を求め、計数値を比率に応じて変換した変換値を出力し、変換値を積算するようにしているので、得られる積算値は現像剤の消費の仕方を考慮したものとなることから、画像形成条件制御が必要になる時点をより精度良く推定することができる。
また、像担持体に形成可能な最大画像形成範囲に占める顕像の比率を求めるようにしているので、像担持体上に形成中の画像形成範囲に応じた比率を求めることができる。
【0150】
また、請求項4の発明によれば、像担持体上に形成中の画像の画像形成範囲に占める顕像の比率を求めるようにしているので、画像形成範囲に関わりなく形成中の顕像の態様に応じた比率を求めることができる。
【0151】
また、請求項5の発明によれば、出力媒体の大きさに対応した画像形成可能範囲のサイズ毎に各々の画像形成可能範囲に含まれる総画素数を記憶しておき、像担持体上に形成中の画像の画像形成範囲に対応する総画素数を分母とし、計数された画素数を分子として比率を求めるようにしているので、形成中の顕像の態様に応じた比率を容易に算出することができる。
【0153】
また、請求項2の発明によれば、像担持体上に形成可能な最大画像形成範囲に含まれる総画素数を記憶しておき、この総画素数を分母とし、最大画像形成範囲に対する画像形成が終了するまでに計数された画素数を分子として、比率を求めるようにしているので、像担持体上に形成中の画像形成範囲に応じた比率を容易に算出することができる。また、像担持体上に形成可能な最大画像形成範囲に含まれる総画素数を用いているので、任意サイズの出力媒体が用いられた場合でも、比率を正確、かつ容易に求めることができる。
【0155】
また、請求項6の発明によれば、比率が所定値未満のときはオンドット計数手段の計数値をそのまま変換値として出力するようにしているので、現像剤の消費量にほぼ比例する計数値を用いて画像形成条件制御が必要になる時点の推定を行うことができる。
【0156】
また、請求項7の発明によれば、比率に応じて予め定められた割合分をオンドット計数手段の計数値から減算した値を変換値とするようにしているので、比率が高いときは画像形成条件制御の頻度が低下することになるが、上記比率が高いときは現像剤の消費量に比べて画像形成条件制御の必要性が低くなることから、画質の低下を招くことなく、スループットの低下を抑制することができる。
【0158】
また、請求項3,9の発明によれば、像担持体上に形成される顕像を構成する画素数を計数し、この計数に基づく値を積算し、算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより画像形成条件制御の実行タイミングと判定するようにしているので、上記顕像を構成する画素数は現像剤の消費量にほぼ比例することから、この計数に基づく値を積算することで、画像形成条件制御が必要になる時点を推定することができ、その積算値が設定値に達すると画像形成条件制御の実行タイミングと判定することで、タイミング良く画像形成条件制御を実行することができる。
また、像担持体上に設定される範囲に占める顕像の比率を求め、計数値を比率に応じて変換した変換値を出力し、変換値を積算するようにしているので、得られる積算値は現像剤の消費の仕方を考慮したものとなることから、画像形成条件制御が必要になる時点をより精度良く推定することができる。
また、像担持体上に所定の画像を形成することにより画像形成手段の疲労状態を解消するリフレッシュ制御を画像形成条件制御の実行に先立って実行するようにしているので、現像剤が強制消費されることとなり、画像形成手段における現像剤の滞留を解消し、これによってフィルミングの発生による画質劣化を未然に防止することができる。一方、リフレッシュ制御の実行直前に求められた顕像の比率が予め設定されたしきい値以上のときは、画像形成手段における現像剤の滞留が生じ難いため、このときはリフレッシュ制御の実行を中止することにより、フィルミングの発生を招くことなく、転写に使用されない現像剤の無駄な消費を抑制し、画像形成手段の現像剤消費による寿命短縮を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるプリンタの内部構成を示す図である。
【図2】 同プリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】 (A)(B)は中間転写ベルトの展開図である。
【図4】 エンジン部の各部の状態の時間変化を示すタイミングチャートである。
【図5】 CPUによるドット計数値の積算タイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】 ドット計数値の積算手順を示すフローチャートである。
【図7】 同一画素比率の画像を形成し続けたときの画像形成条件制御が実行される枚数間隔と画素比率との関係の一例を示す図である。
【図8】 第2実施形態におけるドット計数値の低減比率の一例を示す図である。
【図9】 第2実施形態におけるドット計数値の積算手順を示すフローチャートである。
【図10】 同一画素比率の画像を形成し続けたときの画像形成条件制御が実行される枚数間隔と画素比率との関係の異なる例を示す図である。
【図11】 画素比率の異なる算出手順を説明するための要部ブロック図である。
【図12】 同手順を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
4 転写紙(出力媒体)
8 パッチセンサ(検知手段)
11 感光体(像担持体)
12 帯電部(画像形成手段)
20 ロータリー現像部(画像形成手段)
31 中間転写ベルト(像担持体)
35 2次転写ローラ(転写手段)
38 バイアス印加部材(画像形成手段)
50 露光ユニット(画像形成手段)
51 レーザ光源
110 エンジン制御部
111 CPU(画像形成条件制御手段、積算手段、画像形成条件タイミング判定手段、比率演算手段、変換手段)
112 ROM(第1記憶手段、第2記憶手段)
114 帯電バイアス生成回路(画像形成手段)
115 現像バイアス生成回路(画像形成手段)
116 1次転写バイアス生成回路(画像形成手段)
117 2次転写バイアス生成回路(転写手段)
118 オンドットカウンタ(オンドット計数手段)
121 オフドットカウンタ(オフドット計数手段)
122 比率演算部(比率演算手段)
Claims (9)
- 現像剤を用いて予め設定された画像形成条件に従って画像信号に応じた画像を像担持体上に形成する画像形成手段と、前記像担持体上に形成された前記画像を出力媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、
前記像担持体上の画像濃度に応じた出力信号を出力する検知手段と、
前記画像形成手段により前記像担持体上に予め設定された基準画像を形成させ、この基準画像が前記検知手段から出力される出力信号に応じて前記画像形成条件の設定を調整する画像形成条件制御手段と、
前記像担持体上に形成される顕像を構成する画素数を前記画像信号に基づき計数するオンドット計数手段と、
前記オンドット計数手段に基づく値を積算する積算手段と、
前記積算手段により算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより前記画像形成条件制御手段の実行タイミングと判定する画像形成条件制御タイミング判定手段と、
前記像担持体上に設定される範囲に占める前記顕像の比率を求める比率演算手段と、
前記オンドット計数手段の計数値を前記比率に応じて変換した変換値を出力する変換手段と
を備え、
前記積算手段は、前記変換手段により出力される前記変換値を積算し、
前記比率演算手段は、前記画像形成手段により前記像担持体上に形成可能な最大画像形成範囲に占める前記顕像の比率を求める
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記像担持体上に形成可能な最大画像形成範囲に含まれる総画素数を記憶する第2記憶手段をさらに備え、
前記比率演算手段は、前記第2記憶手段に記憶された総画素数を分母とし、前記画像形成手段による前記像担持体上の前記最大画像形成範囲に対する画像形成が終了するまでに前記オンドット計数手段により計数された計数値を分子として、前記比率を求めることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 現像剤を用いて予め設定された画像形成条件に従って画像信号に応じた画像を像担持体上に形成する画像形成手段と、前記像担持体上に形成された前記画像を出力媒体に転写する転写手段とを備えた画像形成装置において、
前記像担持体上の画像濃度に応じた出力信号を出力する検知手段と、
前記画像形成手段により前記像担持体上に予め設定された基準画像を形成させ、この基準画像が前記検知手段から出力される出力信号に応じて前記画像形成条件の設定を調整する画像形成条件制御手段と、
前記像担持体上に形成される顕像を構成する画素数を前記画像信号に基づき計数するオンドット計数手段と、
前記オンドット計数手段に基づく値を積算する積算手段と、
前記積算手段により算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより前記画像形成条件制御手段の実行タイミングと判定する画像形成条件制御タイミング判定手段と、
前記像担持体上に設定される範囲に占める前記顕像の比率を求める比率演算手段と、
前記オンドット計数手段の計数値を前記比率に応じて変換した変換値を出力する変換手段と、
前記像担持体上に所定の画像を形成することにより前記画像形成手段の疲労状態を解消するリフレッシュ制御手段とを備え、
前記積算手段は、前記変換手段により出力される前記変換値を積算し、
前記画像形成手段は、前記現像剤を収容する容器から現像ローラに前記現像剤を供給し、前記現像ローラ上に形成される前記現像剤の層の厚さを規制ブレードにより一定にするように構成された現像手段を含み、
前記リフレッシュ制御手段は、前記像担持体上に所定の画像を形成することにより、前記疲労状態として前記容器内で前記現像剤が滞留した状態を解消するもので、
前記リフレッシュ制御手段は、前記画像形成条件制御手段の実行に先立って実行されるが、当該リフレッシュ制御手段の実行直前に前記比率演算手段により求められた比率が予め設定されたしきい値以上のときは、その実行が中止されることを特徴とする画像形成装置。 - 前記比率演算手段は、前記画像形成手段により前記像担持体上に形成中の画像の画像形成範囲に占める前記顕像の比率を求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記出力媒体の大きさに対応した画像形成可能範囲のサイズ毎に各々の画像形成可能範囲に含まれる総画素数を記憶する第1記憶手段をさらに備え、
前記比率演算手段は、前記画像形成手段により前記像担持体上に形成中の画像の画像形成範囲に対応して前記第1記憶手段から抽出した総画素数を分母とし、前記オンドット計数手段の計数値を分子として、前記比率を求めることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記変換手段は、前記比率演算手段により求められた前記比率が所定値未満のときは、前記オンドット計数手段の計数値をそのまま前記変換値として出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記変換手段は、前記比率演算手段により求められる前記比率に応じて予め定められた割合分を、前記オンドット計数手段の計数値から減算した値を前記変換値とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 現像剤を用いて像担持体上に予め設定された画像形成条件に従って画像信号に応じた画像を形成し、前記像担持体上に形成された前記画像を出力媒体に転写するようにした画像形成方法において、
前記像担持体上の画像濃度に応じた出力信号を出力する検知工程と、
前記像担持体上に予め設定された基準画像を形成させ、この基準画像を前記検知工程において出力される出力信号に応じて前記画像形成条件の設定を調整する画像形成条件制御工程と、
前記像担持体上に形成される顕像を構成する画素数を前記画像信号に基づき計数するオンドット計数工程と、
前記オンドット計数工程に基づく値を積算する積算工程と、
前記積算工程により算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより前記画像形成条件制御工程の実行タイミングと判定する画像形成条件制御タイミング判定工程と、
前記像担持体上に設定される範囲に占める前記顕像の比率を求める比率演算工程と、
前記オンドット計数工程の計数値を前記比率に応じて変換した変換値を出力する変換工程と
を備え、
前記積算工程は、前記変換工程により出力される前記変換値を積算し、
前記比率演算工程は、前記像担持体上に形成可能な最大画像形成範囲に占める前記顕像の比率を求める
ことを特徴とする画像形成方法。 - 現像剤を用いて像担持体上に予め設定された画像形成条件に従って画像信号に応じた画像を画像形成手段により形成し、前記像担持体上に形成された前記画像を出力媒体に転写するようにした画像形成方法において、
前記像担持体上の画像濃度に応じた出力信号を出力する検知工程と、
前記像担持体上に予め設定された基準画像を形成させ、この基準画像を前記検知工程において出力される出力信号に応じて前記画像形成条件の設定を調整する画像形成条件制御工程と、
前記像担持体上に形成される顕像を構成する画素数を前記画像信号に基づき計数するオンドット計数工程と、
前記オンドット計数工程に基づく値を積算する積算工程と、
前記積算工程により算出される積算値が予め設定された設定値に達することにより前記画像形成条件制御工程の実行タイミングと判定する画像形成条件制御タイミング判定工程と、
前記像担持体上に設定される範囲に占める前記顕像の比率を求める比率演算工程と、
前記オンドット計数工程の計数値を前記比率に応じて変換した変換値を出力する変換工程と、
前記像担持体上に所定の画像を形成することにより前記画像形成手段の疲労状態を解消するリフレッシュ制御工程と
を備え、
前記積算工程は、前記変換工程により出力される前記変換値を積算し、
前記画像形成手段は、前記現像剤を収容する容器から現像ローラに前記現像剤を供給し、前記現像ローラ上に形成される前記現像剤の層の厚さを規制ブレードにより一定にするように構成された現像手段を含み、
前記リフレッシュ制御工程は、前記像担持体上に所定の画像を形成することにより、前記疲労状態として前記容器内で前記現像剤が滞留した状態を解消するもので、
前記リフレッシュ制御工程は、前記画像形成条件制御工程の実行に先立って実行されるが、当該リフレッシュ制御工程の実行直前に前記比率演算工程により求められた比率が予め設定されたしきい値以上のときは、その実行が中止される
ことを特徴とする画像形成方法。
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