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JP4224449B2 - 画像抽出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の撮像手段により撮像した画像同士を比較して同一の対象物の画像を抽出する画像抽出装置に関する。
例えば、車両に2台の撮像手段を搭載し、これらの撮像手段を用いて同一の対象物を撮像し、撮像された対象物の画像間の視差を利用して車両から対象物までの距離を計測し、あるいは、車両に対する対象物の実空間位置を計測し、ドライバに前方の障害物の有無等を報知するようにした車両周辺監視装置が開発されている(特許文献1参照)。
この場合、2台の撮像手段によって撮像された2つの画像から同一の対象物を抽出するため、例えば、一方の画像において特定した対象物領域の画像データと、他方の画像の画像データとの絶対値誤差の総和値(SAD:Sum of Absolute Difference)を求め、この総和値が最小となる領域を他方の画像における対象物領域とする相関演算が利用されている。
特開2003−216937号公報
ところで、CCDカメラ等により構成される各撮像手段は、光学的特性や各画素の光電変換特性等にばらつきがあったり、光電変換された映像信号にノイズが含まれる場合があり、必ずしも映像特性が一致しているとは限らない。この場合、2台の撮像手段の特性が一致していない状態で前記の相関演算を行うと、例えば、対象物の背景を誤認識し、異なる対象物を同一物と判断してしまうおそれがある。
本発明は、前記の不具合に鑑みなされたものであり、複数の撮像手段間に特性のばらつきがある場合であっても、同一の対象物を確実に抽出することのできる画像抽出装置を提供することを目的とする。
本発明の画像抽出装置は、基準撮像手段により撮像した基準画像に含まれ、背景画像よりも高輝度である特定の対象物の画像の輝度信号が、探索撮像手段により撮像した探索画像に含まれる前記特定の対象物の画像の輝度信号よりも大きくなるように調整し、その状態において、基準画像に対して設定した特定の対象物領域の画像と探索画像との相関演算を行い、相関演算の結果が最小となる画像を、特定の対象物に係る画像として探索画像から抽出する。この場合、基準画像又は探索画像の背景を誤検出することなく、基準画像の特定の対象物に対応する画像を探索画像から確実に抽出することができる。
また、本発明の画像抽出装置は、複数の撮像手段により撮像された画像から、背景画像よりも高輝度である特定の対象物の画像の輝度信号が最も大きな画像を選択し、選択した画像に対して設定した特定の対象物領域の画像と他の撮像手段の画像との相関演算を行い、相関演算の結果が最小となる画像を特定の対象物に係る画像として確実に抽出することができる。
本発明の画像抽出装置では、複数の撮像手段間に特性のばらつきがある場合であっても、同一の対象物を確実に抽出することができる。
以下、本発明に係る画像抽出装置について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るナイトビジョンシステム(車両用周辺監視装置)10は、車両12に搭載されたシステムであって、主要な制御部であるECU(Electric Control Unit)14と、左右一対の赤外線カメラ(撮像手段)16R、16Lと、検出結果画像を表示するためのHUD(Head Up Display)18と、警報音等を発するスピーカ20と、走行速度を検出する速度センサ22と、走行時のヨーレートを検出するヨーレートセンサ24と、日射センサ26と、ヘッドライトスイッチ28と、システムを起動又は停止させるメインスイッチ30と、外部コンピュータシステムとの接続部32とを有する。ナイトビジョンシステム10を構成するこれらの機器間の接続には、他のシステムと兼用の車内通信網を用いてもよい。
赤外線カメラ16R及び16Lは、バンパ下部における横長グリル孔の右端部及び左端部に並行配置され、左右対称位置でそれぞれ前方を指向し、カメラ間距離(以下、基線長ともいう。)Bの間隔で設けられている。赤外線カメラ16R及び16Lは遠赤外線を検出することにより高温部ほど高輝度となる赤外線画像を撮像して、それぞれECU14に供給する。
HUD18はインスツルメントパネル上部のドライバ正面位置において前方視界を妨げないように設けられている。HUD18はシステムオフ状態ではインスツルメントパネル内に格納されており、日射センサ26の情報から夜であると判断し、且つ、ヘッドライトスイッチ28の情報からヘッドライト(又はフォグライト)が点灯していると判断される状態でメインスイッチ30をオンにするとポップアップする。HUD18の映像表示部は凹面ミラーで構成され、インスツルメントパネル内部からの映像を反射・投影する。ナイトビジョンシステム10はメインスイッチ30の操作に拘わらず、オートライト機能に連動して自動起動させてもよい。HUD18の表示輝度は適当なスイッチ操作によって調整可能としてもよい。
ECU14は、赤外線カメラ16R、16Lから得られた2つの赤外線画像に基づいて、両画像の視差から熱源対象物を検出してHUD18上で白いシルエットとして映し出す。さらに、熱源対象物の中から歩行者を特定すると、注意喚起のためにスピーカ20から音を発すると同時に、HUD18上に映し出された歩行者を目立つ色の枠で囲んで強調表示する。この注意喚起機能は、所定の速度域において歩行者の位置に到達するまでの時間を予測し、充分な回避操作が行えるタイミングで注意喚起を行う。
赤外線カメラ16R、16Lは、遠方の熱源対象物の位置、距離及び形状を正確に判定するため、製作所における製造時、あるいは、定期点検時等において、後述する調整処理であるエイミングが行われる。
図2に示すように、ECU14は、赤外線カメラ16R、16Lにより撮像された赤外線画像をA/D変換してグレースケール画像を生成する画像入力部40と、閾値に基づいてグレースケール画像から二値化画像を生成する二値化処理部42と、グレースケール画像及び二値化画像を記憶する画像記憶部44と、エイミングを行った処理結果であるカメラパラメータをカメラパラメータ記憶部46に記憶するエイミングモード実行部48と、速度センサ22等のセンサ及びカメラパラメータ記憶部46を参照しながら通常の画像処理を行うとともにHUD18及びスピーカ20を制御する通常モード実行部50と、接続部32を介して外部のコンピュータシステムからの指示に基づき、エイミングモードか通常モードのいずれか一方を選択するモード選択部52とを有する。
エイミングモード実行部48は、車両12を製造する製作所内において外部コンピュータシステムとしてエイミングターゲット制御装置100(図4参照)を用いてエイミングを行う製作所モード部70と、サービスエイミング調整装置120(図5参照)を用いてサービス工場等でエイミングを行うサービスモード部72とを有し、これらの外部コンピュータシステムからの指示に基づいて製作所モード部70又はサービスモード部72のいずれか一方が選択実行される。
また、エイミングモード実行部48は、エイミングの開始時に外部コンピュータシステムから所定のパラメータを入力するパラメータ入力部74と、エイミングに必要な初期設定を行う初期設定部76と、画像記憶部44に記憶された左右のグレースケール画像に対してテンプレートマッチングを行うテンプレートマッチング部78と、赤外線カメラ16R、16Lにより撮像して得られた画像信号の輝度を調整するための輝度調整LUTを設定する輝度調整LUT設定部80と、赤外線カメラ16R、16Lの焦点距離、画素ピッチ等の固体差に起因して発生する映像歪みを補正する左右カメラ映像歪補正部82と、赤外線カメラ16R、16Lの取付角(パン角、ピッチ角)を算出する左右カメラ取付角算出部84と、画像から演算範囲を切り出すための基準となる切り出し座標を算出する左右カメラ映像切出座標算出部86と、赤外線カメラ16R、16Lの光軸が平行に設定されていないことに起因する対象物画像の視差に含まれる誤差である視差オフセット値を算出する視差オフセット値算出部88とを有する。
初期設定部76は、対象物までの距離に応じて用意された6つのテンプレートTP1、TP2、TP3、TP4、TP5、TP6(代表的にテンプレートTPとも示す。)から1つを選択するテンプレート設定部94を有する。また、ECU14は、対象物の位置を求めるための透視変換モデルを数式として記憶するモデル記憶部96を有し、エイミングモード実行部48及び通常モード実行部50は該透視変換モデルを用いて被撮像体の位置を算出する。なお、モデル記憶部96には、対象物が近距離にある場合の近距離用モデルと遠距離にある場合の遠距離用モデルとが記憶されている。
図3は、通常モード実行部50における画像抽出機能の要部構成ブロック図である。この場合、通常モード実行部50は、赤外線カメラ16R(基準撮像手段)により撮像されて画像記憶部44に記憶された二値画像DRから対象物の領域を切り出して設定する対象物領域設定部140(対象物領域設定手段)と、赤外線カメラ16Rにより撮像された画像(グレースケール画像YR(IN))の輝度信号が赤外線カメラ16L(探索撮像手段)により撮像された画像(グレースケール画像YL)の輝度信号よりも所定量大きくなるように、カメラパラメータ記憶部46に設定された輝度調整LUTを用いて赤外線カメラ16Rにより撮像された画像(グレースケール画像YR(IN))の輝度信号を調整する輝度信号調整部142(輝度信号調整手段)と、赤外線カメラ16Rにより撮像され輝度調整された画像(グレースケール画像YR(OUT))の対象物領域をテンプレートとして、赤外線カメラ16Lにより撮像された画像(グレースケール画像YL)から対応する画像を相関演算を用いて抽出するテンプレートマッチング部144(画像比較手段、画像抽出手段)とを備える。
ECU14は、主たる制御部としてのCPU(Central Processing Unit)と、記憶部としてのRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を有しており、上記の各機能部は、CPUがプログラムを読み込み、記憶部等と協動しながらソフトウェア処理を実行することにより実現される。
図4に示すように、エイミングターゲット制御装置100は、車両12の位置決め装置102と、車両12が位置決めされた状態で赤外線カメラ16R、16Lの前方の所定位置に設けられたゲート104と、前記接続部32を介してECU14と通信を行うとともにゲート104を制御する主制御装置106とを有する。ゲート104は、車幅よりやや広い間隔で設けられた2本の支柱108と、左右端を支柱108に支持された横長のエイミングターゲット板110とを有し、該エイミングターゲット板110は、主制御装置106の作用下に支柱108に沿って昇降可能である。エイミングターゲット板110には、熱源である8つのエイミングターゲット112a〜112h(代表的にエイミングターゲット112とも示す。)が左から順に水平に配列されている。
左側のエイミングターゲット112a〜112dは比較的小さい間隔Wで並んでおり左ターゲット群114を形成する。同様に、右側のエイミングターゲット112e〜112hは間隔Wで並んでおり右ターゲット群116を形成する。左ターゲット群114の右端であるエイミングターゲット112dと右ターゲット群116の左端であるエイミングターゲット112eの間隔は基線長B(W<B)に等しく、エイミングターゲット112d及び112eは、赤外線カメラ16R及び16Lの正面位置に配置される。
図5に示すように、サービスエイミング調整装置120は、車両12の位置マーク122と、該位置マーク122に基づいて車両12が位置決めされた状態で赤外線カメラ16R、16Lの前方所定距離の位置に設けられたヘッドライトテスタ124と、前記接続部32を介してECU14と通信を行う主制御装置126とを有する。ヘッドライトテスタ124は、レール128に沿って車幅方向と並行に移動可能であるとともに、昇降台130が昇降可能な構成となっている。昇降台130には、ターゲット板132が設けられ、該ターゲット板132には間隔W(W<B)で水平に並んだ3つの熱源であるエイミングターゲット134a〜134c(代表的にエイミングターゲット134とも示す。)が設けられている。エイミングターゲット134は、前記エイミングターゲット112と同じもの、あるいは、略同じものを用いることができる。
次に、このように構成されるエイミングターゲット制御装置100又はサービスエイミング調整装置120を用いたナイトビジョンシステム10のエイミングについて説明する。
エイミングには、製作所内でエイミングターゲット制御装置100を用いる製作所エイミングモードと、サービスエイミング調整装置120を用いるサービスエイミングモードとがある。
製作所エイミングモードでは、位置決め装置102により車両12の位置決めを行うとともに、主制御装置106を車両12の接続部32に接続しておく。主制御装置106は、ECU14に対して、エイミングターゲット制御装置100を用いた製作所エイミングを実行するように指示を送出する。また、エイミングターゲット112a〜112hは、車両12の種類に応じて赤外線カメラ16R及び16Lと同じ高さとなるように調整されている。
サービスエイミングモードでは、位置マーク122に各車輪を合わせて車両12を位置決めし、主制御装置126を車両12の接続部32に接続しておく。主制御装置126は、ECU14に対して、サービスエイミング調整装置120を用いたサービスエイミングを実行するように指示を送出する。エイミングターゲット134a〜134cは、規定高さとなるように調整されている。
図6〜図10に示す処理は、ECU14において主にエイミングモード実行部48で実行される処理である。
先ず、図6のステップS1において、赤外線カメラ16R、16Lからステレオ赤外線画像を入力し、画像入力部40においてA/D変換してグレースケール画像を得る(ステップS2)。このグレースケール画像は、画像記憶部44に記憶される。また、グレースケール画像は、二値化処理部42で二値化されて画像記憶部44に記憶される。
ステップS3において、モード選択部52は、主制御装置106又は126からの指示に従い、エイミングモード又は通常モードのいずれを実行するのかを判断する。通常モードを実行する場合にはステップS5へ移り、エイミングモードを実行する場合にはステップS4へ移る。
ステップS5の通常モードでは、通常モード実行部50の作用下に、カメラパラメータ記憶部46に記憶されたカメラパラメータを参照し、後述するようにHUD18及びスピーカ20を制御して対象物の探索及び必要に応じた注意喚起を行う通常のモードを実行し、この後、ステップS1へ戻る。
ステップS4においては、モード選択部52がエイミングターゲット制御装置100又はサービスエイミング調整装置120のいずれの装置を用いるのかを判断し、エイミングターゲット制御装置100を用いると判断した場合には、ステップS6へ移り、製作所モード部70の作用下に製作所エイミングモードを実行する。また、サービスエイミング調整装置120を用いると判断した場合には、ステップS30(図8参照)へ移り、サービスモード部72の作用下にサービスエイミングモードを実行する。以下、製作所エイミングモード及びサービスエイミングモードを順に説明する。
製作所エイミングモードでは、先ず、ステップS6において、赤外線カメラ16R、16Lからエイミングターゲット板110までの距離を設定する。
ステップS7において、テンプレート設定部94の作用下に、エイミングターゲット112に対応した1つの基準テンプレートをテンプレートTP1〜TP6から選択する。
ステップS8においては、近距離に配設されたエイミングターゲット112までの距離に対応した透視変換モデルを用いてエイミングターゲット112の位置を算出するため、この透視変換モデルに適応した赤外線カメラ16R、16Lの結像距離(焦点距離)を設定する。
ステップS9において、前記ステップS7で選択したテンプレートTPに基づいてテンプレートマッチング処理を行う。すなわち、赤外線カメラ16R、16Lにより撮像されたエイミングターゲット112のグレースケール画像と、テンプレートTPとの相関演算を行い、相関演算の結果が最小となるグレースケール画像の座標を算出して記憶する(ステップS10)。
ステップS11では、取得したグレースケール画像が所定枚数Nに達したか否かを確認し、N枚に達した場合には、ステップS12へ移り、N枚未満である場合には、ステップS1へ戻り、グレースケール画像の取得を継続してターゲット座標の算出記憶処理を繰り返す。
ステップS12において、算出されたN組のターゲット座標の平均値を算出する処理を行い、ターゲット座標が正常に算出された場合にはステップS14へ移り、算出されなかった場合にはステップS3へ戻るという分岐処理(ステップS13)を行う。
ステップS14において、輝度調整LUTの設定処理を行う。この処理では、相関演算によるテンプレートマッチングを確実に実行できるよう、例えば、赤外線カメラ16R及び16Lにより検出されたエイミングターゲット112の輝度信号同士のレベルを比較し、各輝度レベルにおいて、相関演算の基準とする赤外線カメラ16Rからの輝度信号が赤外線カメラ16Lからの輝度信号よりも常に大きくなるように調整する輝度調整LUTを設定する。該輝度調整LUT設定処理が正常に実行された場合にはステップS16へ移る(ステップS15)。
ステップS16において、赤外線カメラ16R、16Lの焦点距離、画素ピッチ等の個体差に起因して発生する映像歪みを補正する映像歪補正値の算出処理を行う。映像歪補正値が正常に算出された場合にはステップS18へ移る(ステップS17)。
ステップS18において、左右カメラ取り付け角であるパン角及びピッチ角の算出処理を行い、左右カメラ取り付け角が正常に算出された場合にはステップS20へ移る(ステップS19)。
ステップS20において、赤外線カメラ16R、16Lにより撮像された各画像から画像処理に用いられる範囲を切り出す基準とする切り出し座標の算出処理を行い、切り出し座標が正常に算出された場合にはステップS22へ移る(ステップS21)。
ステップS22において、赤外線カメラ16R、16Lの光軸が平行に設定されていないことに起因する対象物画像の視差に含まれる誤差である視差オフセット値の算出処理を行う。視差オフセットが正常に算出された場合にはステップS24へ移る(ステップS23)。
ステップS24において、ステップS14、S16、S18、S20及びS22での処理で求められた輝度調整LUT、映像歪補正値、パン角及びピッチ角、切り出し座標、視差オフセット値をカメラパラメータ記憶部46に記憶し、これらのカメラパラメータが正しく記憶された場合には製作所エイミングの処理を終了する。このとき、ECU14は主制御装置106に対して製作所エイミングが終了した旨の信号を送出する。この後に通常モードを実行する場合には所定の再起動処理を行えばよい。なお、ステップS17、S19、S21、S23及びS25における各分岐処理において判定結果が否定的であった場合には、ステップS13の分岐処理における否定的な結果時と同様にステップS3へ戻ることになる。
次に、サービスエイミングモードの処理について説明する。サービスエイミングモードにおいては、前記の製作所エイミングと同様にステップS1〜S3の処理(図6参照)が実行され、次のステップS4からステップS30へ分岐処理が行われ、サービスモード部72の作用下に図8〜図10に示す処理が実行される。
図8のステップS30において、赤外線カメラ16R、16Lからターゲット板132までの距離を設定する。この場合、ターゲット板132までの距離は、サービスエイミングを行う作業所に設置されたエイミングターゲット134の位置によって決定される。この距離は、主制御装置126から入力され、ECU14に供給される。
ステップS31において、赤外線カメラ16R、16Lの高さH(図1参照)を確認して入力する。
ステップS32において、テンプレート設定部94の作用下に、ステップS30で設定したエイミングターゲット134までの距離に対応したテンプレートTP1〜TP6のうちの1つを選択する。
ステップS33においては、ステップS8と同様に、エイミングターゲット134までの距離に対応した透視変換モデルに適応した結像距離が設定される。
ステップS34において、ターゲット板132の位置確認が行われる。つまり、サービスエイミングモードでは、ターゲット板132を中心位置PC、左位置PL及び右位置PR(図5参照)の順に配置してエイミングを行うため、ステップS34が最初に実行されたときには、主制御装置126に対してターゲット板132を中心位置PCに設定するように確認指示の信号を送出する。この信号を受けた主制御装置126では、モニタ画面上に「ターゲットを中心位置PCに配置して、『Y』キーを押してください。」等のメッセージを表示する。調整員はこのメッセージに応じてヘッドライトテスタ124を手動又は所定の駆動装置によってレール128に沿って移動させ、ターゲット板132を中心位置PCに配置する。
ステップS35においては、その時点のターゲット板132の位置に応じて分岐処理が行われる。つまり、ターゲット板132が中心位置PCに配置されているとき(初回〜30回目)にはステップS36へ移り、左位置PLに配置されているとき(31回目〜60回目)にはステップS41へ移り、右位置PRに配置されているとき(61回目以降)にはステップS46へ移る。
ステップS36においては、ステップS9と同様に、テンプレートマッチング処理を行う。
ステップS37においては、ステップS10と同様に、エイミングターゲット134のターゲット座標を算出して記憶する。
ステップS38においては、ステップS11と同様に、取得したグレースケール画像の枚数を確認し、30枚以上である場合にはステップS39へ移り、30枚未満である場合にはステップS1へ戻る。なお、2回目以降は、ステップS3〜S8及びS30〜S35の処理をスキップする。
ステップS39においては、中心位置PCについて、ステップS12と同様に、ターゲット座標の平均値算出処理を行い、ターゲット座標が正常に算出された場合にはステップS1へ移り、算出されなかった場合にはステップS3へ戻るという分岐処理(ステップS40)を行う。
同様にして、ターゲット板132を左位置PLに配置し、図9に示すステップS41〜S45が実行される。
また、ターゲット板132を右位置PRに配置し、図10に示すステップS46〜S50が実行される。
最後のステップS50において、ターゲット座標が正常に算出されたと判断されたときには、ステップS14(図7参照)へ移り、それ以降は製作所エイミングモードと同様の処理が行われ、各カメラパラメータがカメラパラメータ記憶部46に記憶される。
以上のようにして、エイミングモードにより各カメラパラメータが設定された後、このカメラパラメータを用いて通常モードでの処理が行われる。
そこで、通常モードでの対象物の探索処理及び必要に応じた注意喚起処理につき、図11に示すフローチャートに従って説明する。
赤外線カメラ16Rにより車両12の前方を基準画像として撮像するとともに、赤外線カメラ16Lにより車両12の前方を探索画像として撮像し、各画像をグレースケール画像YR(IN)及びYLとして画像記憶部44に記憶させるとともに、二値化処理部42によりグレースケール画像YR(IN)を二値化処理し、二値化画像DRとして画像記憶部44に記憶させる(ステップS101、102)。
通常モード実行部50の対象物領域設定部140(図3)は、赤外線カメラ16Rにより撮像した基準画像146の二値化画像DRを用いて、対象物148を含む対象物領域150、例えば、「1」となる二値化画像DRがx方向(水平方向)及びy方向(鉛直方向)に連続する四角形の範囲を対象物領域150に設定する(ステップS103、図12参照)。次いで、基準画像146の対象物148に対応する探索画像152の対象物154を、グレースケール画像同士の相関演算によって探索し、探索された対象物148、154間の画像上での視差を算出して車両12から対象物までの距離を求める(ステップS104)。
この場合、相関演算に先立ち、輝度信号調整部142において、カメラパラメータである輝度調整LUTを用いて、赤外線カメラ16Rにより取得した対象物領域150の基準画像146(グレースケール画像YR(IN))の輝度信号が、赤外線カメラ16Lにより取得した探索画像152(グレースケール画像YL)の対象物領域156の輝度信号より大きくなるように調整される。次いで、テンプレートマッチング部144において、調整された基準画像146(グレースケール画像YR(OUT))と、探索画像152(グレースケール画像YL)との相関演算が行われ、探索画像152から対象物154が探索される。
また、基準画像146及び探索画像152における対象物148及び154の座標は、カメラパラメータである映像歪み係数によって補正され、探索された対象物148及び154間の視差が、相対パン角に起因するカメラパラメータである視差オフセット値により高精度に補正され、車両から実際の対象物までの距離も高精度に算出される。
次いで、基準画像146における対象物148の二次元座標をステップS18で算出した赤外線カメラ16R、16Lの絶対パン角、絶対ピッチ角により補正し、ステップS104で算出した距離を含む対象物148の実空間における三次元座標である相対位置を算出する(ステップS105)。
ステップS105における対象物148の実空間三次元座標は、微小時間間隔で繰り返し算出され、対象物148の移動ベクトルが算出される(ステップS106)。この移動ベクトルを用いて、対象物148から道路構造物や車両を除外する処理を行い(ステップS107)、残余の対象物148の形状から歩行者の有無を判定する(ステップS108)。
ステップS108において、歩行者有りとの判定がなされた場合、赤外線カメラ16Rにより撮像された基準画像をHUD18に表示させるとともに、歩行者の画像を強調枠で囲み(ステップS109)、且つ、スピーカ20を鳴動させてドライバに注意喚起を行う(ステップS110)。
次に、基準画像146の輝度信号が探索画像152の輝度信号よりも大きくなるように輝度調整LUTを設定する理由について説明する。
図12において、基準画像146の座標(x,y)における輝度信号をYR(x,y)、探索画像152の座標(x,y)における輝度信号をYL(x,y)、対象物領域150のx方向及びy方向の画素数をM、N、対象物領域150に対する対象物領域156のx方向及びy方向に対するずれ量をp、qとして、テンプレートマッチング部144では、相関関数SAD(p,q)が、
Figure 0004224449
として算出される。そして、この相関関数SAD(p,q)が最小となる対象物領域156が探索画像152から抽出される。
この場合、赤外線カメラ16Rと16Lとの感度特性の差異やノイズ等の影響により、相関関数SAD(p,q)が最小となる場合であっても、対象物148、154の回りの背景画像を対象物として誤検出してしまうおそれがある。
そこで、赤外線カメラ16Rにより撮像された対象物148の輝度信号をa1、対象物148の背景の輝度信号をb1とし、赤外線カメラ16Lにより撮像された対象物154の輝度信号をa2、対象物154の背景の輝度信号をb2とし、対象物148、154がマッチングする場合の相関関数SAD(p,q)の評価値MAD1と、対象物148、154がマッチングしない場合の相関関数SAD(p,q)の評価値MAD2とを導入する。
MAD1=|a1−a2|+|b1−b2| …(2)
MAD2=|a1−b2|+|b1−b2| …(3)
そして、
MAD2−MAD1=|a1−b2|−|a1−a2|>0 …(4)
の関係が常時成立する条件を設定することにより、背景画像を誤検出することなく対象物154を探索することができる。
この場合、a1>b1、a2>b2であり、a1>a2であれば、
MAD2−MAD1=a2−b2>0 …(5)
となって(4)式が常に成立する(図12参照)。
また、a2>a1且つa1>b2であれば、
MAD2−MAD1=2・a1−(a2+b2)>0 …(6)
となる場合にのみ(4)式が成立する(図13参照)。
さらに、a2>a1且つb2>a1であれば、
MAD2−MAD1=b2−a2>0 …(7)
となる場合に(4)式が成立するが、b2>a2となることはない(図14参照)。
従って、背景画像を誤検出することなく相関演算によって対象物154を常に探索できるためには、赤外線カメラ16Rから得られる画像の輝度信号が赤外線カメラ16Lから得られる画像の輝度信号よりも常に大きくなるように設定すればよいことになる。
そこで、エイミングモード実行部48の輝度調整LUT設定部80では、例えば、赤外線カメラ16Rによりエイミングターゲット112a〜112h又は134a〜134cを撮像して得られる輝度信号YR(IN)が、赤外線カメラ16Lによりエイミングターゲット112a〜112h又は134a〜134cを撮像して得られる輝度信号YLよりも常に大きくなるように、輝度信号をレベルに応じて調整する輝度調整LUTを設定し、カメラパラメータ記憶部46に記憶させる(図15参照)。
輝度信号調整部142は、画像記憶部44から読み出した輝度調整前の赤外線カメラ16Rからの輝度信号YR(IN)をカメラパラメータである輝度調整LUTにより調整し、輝度信号YR(OUT)としてテンプレートマッチング部144に出力する。テンプレートマッチング部144では、調整後の赤外線カメラ16Rからの輝度信号YR(OUT)と、赤外線カメラ16Lからの輝度信号YLとを用いて相関演算を行い、対象物154を探索する。この場合、(4)式の関係が常時成立しているため、背景画像を誤検出することなく、対象物154が確実に探索されることになる。
なお、輝度調整LUTは、段階的な輝度を有するグレースケールを赤外線カメラ16R、16Lによりエイミングターゲットとして読み取り、得られた輝度信号YR(IN)が各輝度レベルにおいて輝度信号YLよりも大きくなるように設定することができる。また、単一の輝度からなるエイミングターゲットを赤外線カメラ16R、16Lにより読み取り、YR(IN)>YLとすることのできる単一の補正値を設定し、この補正値を用いて輝度信号YR(IN)を調整するようにしてもよい。
また、赤外線カメラ16Rを予め基準撮像手段に固定しておき、赤外線カメラ16Rによって撮像された画像を基準画像として輝度調整LUTを設定するのではなく、赤外線カメラ16R、16Lのうち、得られる輝度信号が大きい方を基準撮像手段として選択し、選択された基準撮像手段からの画像を基準画像として相関演算を行うようにしてもよい。この場合、画像の輝度を調整することなく、対象物154を確実に抽出することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
本発明の画像抽出装置が適用されるナイトビジョンシステムの構成図である。 図1に示すナイトビジョンシステムを構成するECUの機能構成ブロック図である。 図2に示すECUにおける通常モード実行部の要部構成ブロック図である。 製作所に設置されるエイミングターゲット制御装置の構成図である。 サービス工場等に設置されるサービスエイミング調整装置の構成図である。 エイミング処理のフローチャートである。 エイミング処理のフローチャートである。 エイミング処理のフローチャートである。 エイミング処理のフローチャートである。 エイミング処理のフローチャートである。 通常モードでの対象物探索処理のフローチャートである。 通常モードにおける対象物抽出処理と、抽出に際して設定された輝度調整LUTの説明図である。 輝度調整LUTを設定するための説明図である。 輝度調整LUTを設定するための説明図である。 輝度調整LUTの説明図である。
符号の説明
10…ナイトビジョンシステム 12…車両
14…ECU 16R、16L…赤外線カメラ
18…HUD 20…スピーカ
46…カメラパラメータ記憶部 48…エイミングモード実行部
50…通常モード実行部 52…モード選択部
70…製作所モード部 72…サービスモード部
74…パラメータ入力部 76…初期設定部
78…テンプレートマッチング部 80…輝度調整LUT設定部
82…左右カメラ映像歪補正部 84…左右カメラ取付角算出部
86…左右カメラ映像切出座標算出部 88…視差オフセット値算出部
100…エイミングターゲット制御装置 120…サービスエイミング調整装置

Claims (4)

  1. 複数の撮像手段により撮像した画像同士を比較して同一の対象物の画像を抽出する画像抽出装置において、
    複数の前記撮像手段の1つを基準撮像手段とし、前記基準撮像手段を除く他の前記撮像手段を探索撮像手段とし、前記基準撮像手段により撮像した基準画像に含まれ、背景画像よりも高輝度である特定の対象物の画像の輝度信号が、前記探索撮像手段により撮像した探索画像に含まれる前記特定の対象物の画像の輝度信号よりも大きくなるよう、前記基準撮像手段又は前記探索撮像手段を調整する輝度信号調整手段と、
    前記基準画像に対して、前記特定の対象物を含む対象物領域を設定する対象物領域設定手段と、
    前記基準画像に設定した前記対象物領域の画像と前記探索画像との相関演算を行い、前記相関演算の結果が最小となる画像を、前記特定の対象物に係る画像として前記探索画像から抽出する画像抽出手段と、
    を備えることを特徴とする画像抽出装置。
  2. 複数の撮像手段により撮像した画像同士を比較して同一の対象物の画像を抽出する画像抽出装置において、
    前記複数の撮像手段により撮像された画像の1つを基準画像として選択する画像選択手段と、
    前記画像選択手段により選択された前記基準画像に対して、特定の対象物を含む対象物領域を設定する対象物領域設定手段と、
    前記基準画像に設定した前記対象物領域の画像と前基準画像を除く他の画像との相関演算を行い、前記相関演算の結果が最小となる画像を、前記特定の対象物に係る画像として前記他の画像から抽出する画像抽出手段と、
    を備え、前記画像選択手段は、前記複数の撮像手段により撮像された複数の画像のうち、背景画像よりも高輝度である特定の対象物の画像の輝度信号が最も大きな画像を選択することを特徴とする画像抽出装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記輝度信号調整手段は、前記基準撮像手段又は前記探索撮像手段により撮像した画像の輝度信号を前記輝度信号のレベルに応じて調整する調整テーブルを備えることを特徴とする画像抽出装置。
  4. 請求項1〜の何れか1項に記載の装置において、
    前記複数の撮像手段は、車両に搭載されることを特徴とする画像抽出装置。
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