JP4221850B2 - 熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱硬化性樹脂組成物およびそれを熱硬化してなる硬化物に関する。より詳細には、相溶性に優れた熱硬化性樹脂組成物、およびその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘電特性に優れていることから、回路基板材料等として、ノルボルネン系重合体からなる熱硬化性樹脂が提案されている。このような熱硬化性樹脂組成物は、例えば、特開平10−158367号公報に開示されており、ノルボルネン系モノマーの開環重合体中の主鎖構造中にエポキシ基を有し、かつ主鎖構造中の炭素−炭素二重結合含有率が30モル%以下であって、数平均分子量(Mn)が500〜500,000であるエポキシ基含有ノルボルネン系樹脂と、エポキシ硬化剤とから構成してある。
また、特開昭48−114132号公報や、特開平1−240517号公報等には、極性基を有するノルボルネン系樹脂が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−158367号公報に開示されているノルボルネン系樹脂は、エポキシ樹脂との相溶性に乏しく、熱硬化性樹脂組成物を構成するにあたり、予めエポキシ基化したノルボルネン系樹脂を作成しなければならなかった。したがって、熱硬化性樹脂組成物を構成するために、製造工程が多くかかり、しかも、製造コストが高いという問題が見られた。
また、特開昭48−114132号公報や、特開平1−240517号公報等に開示されているノルボルネン系樹脂は、熱可塑性のノルボルネン系樹脂あるいはそれを含む熱可塑性組成物を提供することを目的としており、エポキシ樹脂等と組み合わせて熱硬化性樹脂組成物を提供することについては、何ら開示されていなかった。
【0004】
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、一分子中に反応性不飽和結合およびカルボン酸無水物構造を有する化合物を添加することにより、特定の開環ノルボルネン系樹脂および、エポキシ系樹脂等とそれぞれ反応させることができるとともに、エポキシ基を分子内に導入することなく特定の開環ノルボルネン系樹脂が、エポキシ系樹脂等と良好に相溶する熱硬化性樹脂組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、混合するだけで容易に製造することができ、しかも、構成成分の相溶性や、反応性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供すること、およびこのような熱硬化性樹脂組成物を熱硬化してなる、誘電特性に優れた硬化物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
(A)下記一般式(1)および一般式(2)あるいはいずれか一方の一般式で表わされる開環ノルボルネン系樹脂と、
(B)一分子中に少なくとも二以上のエポキシ基を有する化合物と、
(C)一分子中に反応性不飽和結合およびカルボン酸無水物構造を有する化合物と、
(D)ラジカル発生剤と、
を含有する熱硬化性樹脂組成物が提供され、上述した問題を解決することができる。
【0006】
【化5】
【0007】
[一般式(1)中、R1〜R4は、相互に独立であり、水素原子、アルキル基、アリール基、またはCOOR5(R5は、水素原子、アルキル基またはアリール基である。)で表わされる基であり、そのうち少なくとも1つはCOOR5で表わされる基であり、繰り返し数nは、0、1または2である。]
【0008】
【化6】
【0009】
[一般式(2)中、R1〜R4および繰り返し数nは、一般式(1)の内容と同様であり、aおよびbは、aとbとの成分比率の合計を100モル%としたときに、それぞれ1〜99モル%の範囲内の値である。。]
【0010】
すなわち、誘電特性に優れた(A)成分を含むことにより、得られる硬化物の誘電特性について向上させることができる。また、機械的特性や耐熱性に優れた(B)成分を含むことにより、得られる硬化物の機械的特性等についても向上させることができる。さらに、(A)成分および(B)成分に対して、それぞれ反応可能な(C)成分を含むことにより、(A)成分および(B)成分との間の相溶性や、得られる硬化物の耐溶剤性あるいは機械的特性についても向上させることができる。
【0011】
また、本発明の別の態様は、上述した熱硬化性樹脂組成物を、熱硬化してなる硬化物である。
このように硬化物を得ることにより、(C)成分を介して、(A)成分と(B)成分とを良好に相溶させることができるとともに、両者を均一に反応させることができる。したがって、優れた誘電特性や相溶性を有する硬化物を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明における熱硬化性樹脂組成物に関する実施形態について、それぞれ具体的に説明する。
本発明の実施形態は、下記(A)〜(F)成分を含有するの熱硬化性樹脂組成物およびその硬化物に関する。なお、下記(A)〜(D)成分は必須成分であり、(E)〜(F)成分は任意成分であるが、好ましい熱硬化性樹脂組成物の態様として(E)〜(F)成分を含んでいる。
(A)一般式(1)および一般式(2)あるいはいずれか一方の一般式で表わされる開環ノルボルネン系樹脂
(B)一分子中に少なくとも二以上のエポキシ基を有する化合物
(C)一分子中に反応性不飽和結合およびカルボン酸無水物構造を有する化合物(D)ラジカル発生剤
(E)ゴム成分
(F)有機溶媒
【0013】
(1)(A)成分
▲1▼種類
(A)成分は、一般式(1)および一般式(2)あるいはいずれか一方の一般式で表わされる開環ノルボルネン系樹脂である。一般式(1)で表わされる極性基を有する開環ノルボルネン系樹脂は、非水添タイプであり、一般式(2)で表わされる開環ノルボルネン系樹脂は、耐熱性を向上させるために不飽和結合を部分水添処理したタイプである。
また、このような一般式(1)および一般式(2)で表わされる開環ノルボルネン系樹脂を混合使用することもできる。
【0014】
また、(A)成分の開環ノルボルネン系樹脂を構成するノルボルネン誘導体モノマーとしては、例えば、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチル−8−エトキカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−i−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチル−8−i−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸アミド、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸ブチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸アミド、3−フェニル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、3−フェニル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、3−フェニル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸ブチル、3−フェニル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸アミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジメチル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジエチル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジブチル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジアミド等の一種単独または二種以上の組合わせが挙げられる。
さらに、(A)成分は、上記の極性基を有するノルボルネン誘導体モノマーと極性基を有しないノルボルネン誘導体モノマーとからなる共重合体とすることも好ましい。このような極性基を有しないノルボルネン誘導体モノマーとしては、5−ノルボルネン、3−フェニル−5−ノルボルネン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0015】
したがって、(A)成分の開環ノルボルネン系樹脂を、上述したノルボルネン誘導体モノマーから得るには、メタセシス触媒、例えば、六塩化タングステン等の金属ハロゲン化物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて、例えば、温度−50〜120℃、1〜10時間の条件で、開環重合すれば良い。
さらに、開環ノルボルネン系樹脂を水添する場合には、例えば、水素添加触媒の存在下に、ゲージ圧で水素ガス圧力4.9×106〜2.0×107Pa、温度100〜180℃、1〜10時間の条件で容易に実施することができる。
【0016】
▲2▼部分水添処理
また、(A)成分は、一般式(1)で表わされる開環ノルボルネン系樹脂を部分水添処理し、一般式(2)で表わされる開環ノルボルネン系樹脂とすることが好ましい。すなわち、(A)成分は、開環ノルボルネン系樹脂に含まれる不飽和結合の一部を水添し、飽和結合とすることが好ましい。このような部分水添化物であれば、(A)成分の耐熱性や耐候性をより向上させることができる。
【0017】
▲3▼分子量
また、(A)成分の分子量についても特に制限されるものではないが、GPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量を、例えば、1,000〜1,000,000の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる重量平均分子量が1,000未満となると、得られる熱硬化性樹脂組成物の粘度が低すぎて取り扱いが困難となったり、硬化物の機械的特性が低下する場合があるためであり、一方、重量平均分子量が1,000,000を超えると、得られる熱硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて、逆に取り扱いが困難となったり、あるいは(B)成分との相溶性が低下する場合があるためである。
したがって、得られる熱硬化性樹脂組成物の取り扱い性がより良好となることから、(A)成分の重量平均分子量を、2,000〜500,000の範囲内の値とすることがより好ましく、5,000〜100,000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、このように重量平均分子量を調節するために、(A)成分の重合時に、例えば、1−ヘキセン等の分子量調整剤を用いることが好ましい。
【0018】
(2)(B)成分
▲1▼種類
(B)成分は、一分子中に少なくとも二以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限されないが、耐熱性が比較的良好なエポキシ樹脂が好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、フェノールノボラック樹脂型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック樹脂型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、テトラフェノール型エポキシ樹脂、フェノール−キシリレン型エポキシ樹脂、ナフトール−キシリレン型エポキシ樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0019】
▲2▼添加量
また、(B)成分の添加量を、(A)成分100重量部に対して、1〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる(B)成分の添加量が1重量部未満となると、熱硬化性が不充分となり、所定の耐熱性や機械的特性が得られない場合があるためである。一方、(B)成分の添加量が100重量部を超えると、得られた硬化物の誘電特性等が低下したり、開環ノルボルネン系樹脂と均一に相溶しない場合があるためである。
したがって、得られた硬化物の機械的特性と、誘電特性等とのバランスがより良好となるため、かかる(B)成分の添加量を、5〜100重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜50重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0020】
(3)(C)成分
▲1▼種類
(C)成分は、一分子中に反応性不飽和結合およびカルボン酸無水物構造を有する化合物である。このように(A)成分および(B)成分と反応可能な化合物である(C)成分を添加することにより、(A)成分および(B)成分との間の相溶性を向上させることができ、しかも、(C)成分を介して、(A)成分と(B)成分とを反応させることができる。
このような化合物としては、例えば、下記式(3)〜(4)で表わされる化合物等が挙げられる。
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
▲2▼添加量
また、(C)成分の添加量についても、特に制限されるものではないが、例えば、(A)成分と(B)成分の合計量を100重量部としたときに、かかる硬化剤の添加量を0.1〜50重量部の範囲内の値とするのが好ましい。
この理由は、(C)成分の添加量が0.1重量部未満となると、(A)成分や(B)成分に対する反応性が著しく低下し、得られる硬化物の耐溶剤性等が向上しない場合があるためである。一方、(C)成分の添加量が50重量部を超えると、(A)成分や(B)成分に対する反応性を制御することが困難となり、得られる熱硬化性樹脂組成物の保存安定性が低下したり、相溶性が低下し、透明な膜が得られない場合があるためである。
したがって、(A)成分や(B)成分に対する硬化性と、保存安定性等とのバランスがより良好な観点から、(C)成分の添加量を、(A)成分と(B)成分の合計量を100重量部としたときに、0.5〜40重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜30重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0024】
▲3▼硬化剤
また、(C)成分とともに、硬化剤や硬化促進剤を使用することも好ましい。このような硬化剤としては、例えば、アミン類、フェノール類、(C)成分以外のカルボン酸無水物類等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、硬化促進剤としては、例えば、有機ボロン、有機ホスフィン、三級アミン類、イミダゾール類、グアニジン類、およびこれらの塩等が挙げられる。
また、硬化剤や硬化促進剤の使用量を、(C)成分100重量部に対して、10重量部以下の値とするのが好ましく、0〜5重量部の範囲内の値(但し、0は除く。)とするのがより好ましい。
【0025】
(4)(D)成分
▲1▼種類
(D)成分は、ラジカル発生剤であり、加熱することにより分解して、ラジカルを発生し、(A)成分が有する不飽和結合と、(C)成分が有する不飽和結合とを反応させることができる。
このようなラジカル発生剤としては、例えば、ジアシルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、アゾ系化合物、過硫酸塩の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、必要に応じて亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムなどの無機還元剤、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリンなどの有機還元剤を併用することも好ましい。このように組み合わせて使用することにより、さらに素早いラジカル反応を生じさせることができる。
さらに、ヨウ素含有フッ素化合物を単独、もしくは上述した有機過酸化物、アゾ系化合物あるいは過硫酸塩と併用して好適に用いることができる。
【0026】
▲2▼添加量
また、(D)成分のラジカル発生剤の添加量についても、特に制限されるものではないが、例えば、(A)成分と(B)成分の合計量を100重量部としたときに、かかる(D)成分の添加量を0.1〜10重量部の範囲内の値とするのが好ましい。
この理由は、(D)成分の添加量が0.1重量部未満となると、(A)成分や(B)成分に対する反応性が著しく低下する場合があるためであり、一方、(D)成分の添加量が10重量部を超えると、(A)成分や(B)成分に対する反応性を制御することが困難となり、得られる熱硬化性樹脂組成物の保存安定性が低下する場合があるためである。
したがって、(A)成分や(B)成分に対する硬化性と、保存安定性等とのバランスがより良好な観点から、(D)成分の添加量を、(A)成分と(B)成分の合計量を100重量部としたときに、0.5〜5重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜3重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0027】
(5)(E)成分
▲1▼種類
(E)成分は、ゴム成分であり、酸化剤による表面粗化処理を可能とし、金属箔との密着力を向上させるためや、あるいは、得られる硬化物の柔軟性や靭性を向上させるために添加される。例えば、表面粗化処理する場合、添加したゴム成分を、酸化剤により低分子化して取り出し、表面に、例えば0.1〜3μm程度の微細な凹凸を形成するものである。また、ゴム成分は、硬化時に、一部相分離して、微細な凹凸を表面に形成する場合があるという働きも有している。
このようなゴム成分としては、ポリブタジエンゴム、ウレタン変性ポリブタジエンゴム、エポキシ変性ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基含有ブタジエンゴム、およびそれらの架橋ゴム粒子等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0028】
▲2▼添加量
また、(E)成分のゴム成分の添加量についても、特に制限されるものではないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物の固形分の全体量を100重量部としたときに、(E)成分の添加量を100重量部以下の値とするのが好ましい。
この理由は、(E)成分の添加量が100重量部を超えると、得られる硬化物の耐熱性や、耐薬品性が低下する場合があるためである。
したがって、酸化剤による表面粗化処理性や、硬化物の耐熱性等とのバランスがより良好なことから、(E)成分の添加量を、熱硬化性樹脂組成物の固形分の全体量を100重量部としたときに、0〜50重量部の範囲内の値(但し、0は除く。)とするのがより好ましく、0〜30重量部の範囲内の値(但し、0は除く。)とするのがさらに好ましい。
なお、表面粗化処理に使用する酸化剤の種類は特に制限されるものではないが、例えば、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素、硝酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。
【0029】
(6)(F)成分
▲1▼種類
(F)成分としての有機溶媒は、熱硬化性樹脂組成物の取り扱い性を向上させたり、粘度や保存安定性を調節するために添加される。このような有機溶媒の種類は、特に制限されるものではないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、ブチルカルビトール等のカルビトール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクン等のラクトン類を挙げることができる。これらの有機溶媒は、一種単独で使用することも好ましいが、あるいは二種以上を混合して使用することも好ましい。
【0030】
▲2▼使用量
また、(F)成分としての有機溶媒の使用量についても、特に制限されるものではないが、熱硬化性樹脂組成物の固形分の全体量を100重量部としたときに、有機溶媒の使用量を1,000重量部以下の値とすることが好ましい。
この理由は、有機溶媒の使用量が1,000重量部を超えると、熱硬化性樹脂組成物を塗布した場合の乾燥性が乏しくなる場合があるためである。
したがって、かかる熱硬化性樹脂組成物の塗布性や乾燥性とのバランスがより良好なことから、有機溶媒の使用量を、熱硬化性樹脂組成物の固形分の全体量を100重量部としたときに、20〜900重量部の範囲内の値とするのがより好ましく、30〜800重量部の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0031】
(7)添加剤
熱硬化性樹脂組成物中に、添加剤として、高分子添加剤、反応性希釈剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、無機充填剤、防カビ剤、調湿剤、染料溶解剤、緩衝溶液、キレート剤、難燃剤、硬化剤、硬化促進剤等の一種単独または二種以上の組合せを含有させることも好ましい。
例えば、一般的なエポキシ硬化剤、例えばアミン系化合物を添加することにより、(B)成分と、(C)成分との間の反応をより効率良く生じさせることができる。
【0032】
(8)硬化方法
▲1▼使用形態
熱硬化性樹脂組成物の使用形態としては、例えば、ワニスやドライフィルムとして用いる場合が考えられるが、ワニスとして用いる場合、硬化させるにあたり、調整された熱硬化性樹脂組成物の粘度を10〜10,000cP(測定温度:25℃、以下、同様である。)の範囲内の値とするのが好ましい。
この理由は、粘度がこの範囲外となると、熱硬化性樹脂組成物の取り扱い性や保存安定性が低下したり、あるいは、均一な厚さを有する塗膜を形成することが困難となる場合があるためである。例えば、ガラス布に含浸させる場合、この範囲外の粘度となると、ガラス布に均一に付着させることが困難となったり、あるいはプリプレグに気泡を巻き込むなどの問題が生じる場合がある。
したがって、熱硬化性樹脂組成物の粘度を、100〜8,000cPの範囲内の値とするのがより好ましく、100〜5,000cPの範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0033】
▲2▼塗布
熱硬化性樹脂組成物を硬化させるにあたり、粘度を調整した熱硬化性樹脂組成物を、基材等に塗布することが好ましい。このような塗布方法としては、公知の塗布方法を使用することができ、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、またはインクジェット法等の塗布方法を用いることが好ましい。
【0034】
▲3▼硬化条件
また、熱硬化性樹脂組成物の硬化条件についても特に制限されるものではないが、硬化物の用途に応じて、例えば、80〜200℃の温度で、10分〜48時間の条件で硬化することが好ましい。
このような硬化条件であれば、加熱設備として一般的なオーブンや、赤外線炉等を使用することができ、しかも、硬化時間が過度に長くなることがない。
ただし、より短時間で加熱硬化させるためには、例えば、130〜200℃の温度で、10分〜12時間の条件で硬化することが好ましい。
また、硬化を十分に行ったり、あるいは気泡の発生を効率的に防止するために、二段階で加熱することも好ましい。例えば、第一段階では、80〜130℃未満の温度で、2〜48時間の条件で加熱し、第二段階では、130〜200℃の温度で、10分〜12時間の条件で加熱することが好ましい。
【0035】
(9)硬化物の特性
▲1▼電気絶縁性(体積抵抗率)
熱硬化性樹脂組成物から得られる硬化物の電気絶縁性(体積抵抗率)を1×1014〜1×1017Ω・cmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる体積抵抗率が1×1014Ω・cm未満となると、電気絶縁性が低下し、熱硬化性樹脂組成物の層間絶縁膜用材料や半導体封止用材料、あるいは半導体アンダーフィル用材料等の用途への使用が制限される場合があるためである。一方、かかる体積抵抗率が1×1017Ω・cmを超えると、熱硬化性樹脂組成物に使用可能な材料の種類が過度に制限される場合があるためである。
したがって、電気絶縁性と、使用材料の制限とのバランスがより良好な点から、硬化物の体積抵抗率を1×1015〜1×1017Ω・cmの範囲内の値とすることがより好ましく、5×1015〜5×1016Ω・cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、ガラスクロスに含浸させたビスフェノールタイプのエポキシ樹脂およびアミン化合物からなる熱硬化樹脂を硬化させた場合、得られる硬化物の体積抵抗率は、通常、1×1014〜1×1016Ω・cmの範囲内の値であることが知られている。
【0036】
▲2▼比誘電率
また、熱硬化性樹脂組成物から得られる硬化物の比誘電率(周波数1MHz)を2.0〜3.5の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる比誘電率が2.0未満となると、熱硬化性樹脂組成物に使用可能な材料の種類が過度に制限される場合があるためであり、一方、3.5を超えると、高周波損失が大きくなったり、インピーダンスマッチングが困難となり、熱硬化性樹脂組成物を層間絶縁膜用材料や半導体封止用材料等に使用できない場合があるためである。
したがって、高周波損失等と、使用材料の制限とのバランスがより良好な点から、硬化物の比誘電率(周波数1MHz)を2.0〜3.4の範囲内の値とすることがより好ましく、2.0〜3.3の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、ガラスクロスに含浸させたビスフェノールタイプのエポキシ樹脂およびアミン化合物からなる熱硬化樹脂を硬化させた場合、得られる硬化物の比誘電率(周波数1MHz)は、通常、4.4〜4.8の範囲内の値であることが知られている。
【0037】
▲3▼誘電正接
熱硬化性樹脂組成物から得られる硬化物の誘電正接(周波数1MHz)を0.001〜0.03の範囲内の値とすることが好ましい好ましい。
この理由は、誘電正接の値が0.001未満となると、熱硬化性樹脂組成物に使用可能な材料の種類が過度に制限される場合があるためであり、一方、0.03を超えると、高周波損失が大きくなったり、インピーダンスマッチングが困難となり、層間絶縁膜用材料や半導体封止用材料に使用できない場合があるためである。
したがって、高周波損失等と、使用材料の制限とのバランスがより良好な点から、硬化物の誘電正接(周波数1MHz)を0.002〜0.02の範囲内の値とすることがより好ましく、0.002〜0.01の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、ガラスクロスに含浸させたビスフェノールタイプのエポキシ樹脂およびアミン化合物からなる熱硬化樹脂を硬化させた場合、得られる硬化物の誘電正接(周波数1MHz)は、通常、0.017〜0.15の範囲内の値であることが知られている。
【0038】
(10)硬化物の形態
硬化物の形態は特に制限されるものでなく、用途に応じて、シート状、塊状、線状等の種々の形態を採ることができる。
例えば、半導体保護膜用材料、回路保護用材料、回路基材材料、平坦化膜材料、電気絶縁用フィルム、コンデンサフィルム等の用途に使用する場合には、0.1μm〜10mm程度の厚さを有するシート状とすることが好ましい。
また、半導体封止用材料、半導体アンダーフィル用材料、液晶封止用材料等の用途に使用する場合には、半導体素子や液晶ディスプレイ等を覆うような塊状や線状とすることが好ましい。
【0039】
【実施例】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り重量部および重量%である。
【0040】
[合成例1]
▲1▼開環ノルボルネン系樹脂の合成
攪拌機、還流冷却器、および三方コックを備えたセパラブルフラスコ内を窒素置換した後、窒素気流下に、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン100重量部と、分子量調整剤としての1−ヘキセン33重量部と、トルエン200重量部とを仕込み、80℃に加熱した。次いで、セパラブルフラスコ内に、メタセシス触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(濃度1.5モル/リットル)0.17重量部と、六塩化タングステンのトルエン溶液(濃度0.05モル/リットル)1.0重量部とをそれぞれ加え、攪拌しながら、80℃、3時間の条件で反応させ、下記式(5)で表わされる開環ノルボルネン系樹脂(A−1と称する。)を得た。なお、A−1の収率は67重量%であった。
【0041】
【化9】
【0042】
▲2▼開環ノルボルネン系樹脂の部分水添処理
オートクレーブ内に、得られたA−1 400重量部と、水素添加触媒としてクロロヒドロカルボニルトリフェニルホスフィンルテニウム0.075重量部とを添加した後、ゲージ圧で水素ガス圧力4.9×106〜2.0×107Pa、温度165℃、4時間の条件で開環ノルボルネン系樹脂に対して部分水添処理を行い、反応溶液とした。
次いで、この反応溶液400重量部と、トルエン100重量部と、乳酸0.71重量部と、水1.15重量部とを別の反応容器に仕込み、温度60℃で、30分間攪拌した後、メチルアルコールを260重量部添加して、温度60℃で、さらに60分間攪拌した。その後、反応容器内の温度を室温まで冷却し、メチルアルコール相(貧溶媒相)と、樹脂溶液相(良溶媒相)とに分離させた。この樹脂溶液相のみを抜き取った後、抜き取ったメチルアルコールの45重量%に相当するメチルアルコールと、55重量%に相当するトルエンとを反応容器内に添加するとともに、容器内の温度を60℃に保持しながら、1時間攪拌を続けた。次いで、容器内の温度を室温まで冷却して、メチルアルコール相(貧溶媒相)と、樹脂溶液相(良溶媒相)とに再び分離させ、樹脂溶液相のみを抜き出した。このメチルアルコールによる抽出操作を5回繰り返し、樹脂のみを回収した。次いで、得られた樹脂をテトラヒドロフランに再溶解させた後、大量のメチルアルコールにより、再凝固させ、さらに減圧下に乾燥して、精製樹脂を得た。
この精製樹脂につき、NMR測定を行い、不飽和結合に対する水素添加率が90%であり、下式(6)で表わされる化合物が生成していることを確認した。また、GPCにより、ポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したところ、14,000であった。この精製樹脂をA−2とする。
【0043】
【化10】
【0044】
[実施例1]
合成例1で得られたA−1 100重量部と、o−クレゾールノボラック樹脂型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名EOCN−104S、エポキシ樹脂1と略記する。)20重量部と、無水マレイン酸(無水物1と略記する。)10重量部と、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン(ラジカル発生剤1と略記する。)2重量部とを、トルエン65重量部に対して溶解させた。得られた溶液をSUS基板に乾燥後の厚さが、20μmになるように均一に塗布した後、オーブンを用いて、80℃で30分間加熱し、さらに150℃で、3時間加熱し、透明な硬化膜を得た。得られた硬化膜につき、JIS C6481に準拠して、体積抵抗率、比誘電率(周波数1MHz)、および誘電正接(周波数1MHz)をそれぞれ測定した。また、得られた硬化膜を50℃に加熱したトルエンに30分間浸漬させ、目視で塗膜の状態を観察することにより、硬化膜の耐溶剤性を評価した。得られた結果を表1(表1−1,表1−2および表1−3、以下同様である。)に示す。なお、表1中、耐溶剤性の項目において、○は塗膜に変化がなかった場合を意味し、×は塗膜が一部溶解、または剥離した場合を意味する。
【0045】
[実施例2]
合成例1で得られたA−1 100重量部と、ジシクロペンタジエン−フェノール縮合物のエポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名XD−1000L、エポキシ樹脂2と略記する。)30重量部と、無水マレイン酸10重量部と、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン2重量部とを、トルエン70重量部に対して溶解させた。得られた溶液をSUS基板に乾燥後の厚さが、20μmになるように均一に塗布した後、オーブンを用いて、80℃で30分間加熱し、さらに150℃で、3時間加熱し、透明な硬化膜を得た。得られた硬化膜は実施例1と同様に評価した。得られた結果を表1に示す。
【0046】
[実施例3]
合成例2で得られたA−2 100重量部と、ジシクロペンタジエン−フェノール縮合物のエポキシ樹脂30重量部と、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(無水物2と略記する。)10重量部と、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン2重量部とを、トルエン70重量部に対して溶解させた。得られた溶液をSUS基板に乾燥後の厚さが、20μmになるように均一に塗布した後、オーブンを用いて、80℃で30分間加熱し、さらに150℃で、3時間加熱し、透明な硬化膜を得た。得られた硬化膜は実施例1と同様に評価した。得られた結果を表1に示す。
【0047】
[比較例1]
実施例1で用いた無水マレイン酸(無水物1)を加えず、またトルエンを65重量部から60重量部にした以外は、実施例1と同様に硬化膜を得た。得られた硬化膜は実施例1と同様に評価した。得られた結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】
本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、(A)開環ノルボルネン系樹脂、および(B)一分子中に少なくとも二以上のエポキシ基を有する化合物に対して、それぞれ反応可能な(C)一分子中に反応性不飽和結合およびカルボン酸無水物構造を有する化合物、および(D)ラジカル発生剤を含有することにより、(A)成分と、(B)成分との間の相溶性や反応性を向上させることができるようになった。したがって、エポキシ基を開環ノルボルネン系樹脂内に導入することなく、(C)成分を添加するだけで、反応性や相溶性に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られるようになった。
【0052】
また、本発明によれば、このような熱硬化性樹脂組成物を熱硬化することにより、誘電特性に優れ、しかも透明な硬化物が得られるようになった。したがって、半導体封止用材料や、多層回路基板における層間絶縁膜等に用いた場合にも、優れた電気絶縁性が得られるとともに、優れた誘電特性が得られ、高周波損失を低下させることが期待できる。
なお、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、半導体封止用材料や層間絶縁膜用材料のみならず、優れた誘電特性や電気絶縁性等の特性をいかして、電子部品用材料として広く使用することができる。したがって、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、半導体アンダーフィル用材料、半導体保護膜用材料、液晶封止用材料、回路保護用材料、回路基材材料、平坦化膜材料、電気絶縁用プリプレグ、電気絶縁用フィルム、コンデンサフィルム等の用途に好適に使用することができる。
Claims (3)
- (A)下記一般式(1)および一般式(2)あるいはいずれか一方の一般式で表わされる開環ノルボルネン系樹脂と、
(B)一分子中に少なくとも二以上のエポキシ基を有する化合物と、
(C)一分子中に反応性不飽和結合およびカルボン酸無水物構造を有する化合物と、
(D)ラジカル発生剤と、を含有し、
前記(A)成分100重量部に対して、前記(B)成分を5〜100重量部配合し、前記(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、前記(C)成分を0.5〜40重量部配合することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
- 前記(B)成分が、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
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