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JP4215967B2 - 音響装置 - Google Patents

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JP4215967B2
JP4215967B2 JP2001160195A JP2001160195A JP4215967B2 JP 4215967 B2 JP4215967 B2 JP 4215967B2 JP 2001160195 A JP2001160195 A JP 2001160195A JP 2001160195 A JP2001160195 A JP 2001160195A JP 4215967 B2 JP4215967 B2 JP 4215967B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チャンネル数の異なるソースを再生する際のバランス/フェーダ調整をしやすくした音響装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD、MD等から出力される2チャンネル対応されたオーディオソース(以下2チャンネルソース)を2チャンネルで出力するには、2チャンネル分のスピーカ、すなわち、左側と右側から成る2つのスピーカが必要となる。
【0003】
車載用の音響装置では、この2チャンネル分のスピーカを車室内の前側と後側にそれぞれ配置し、2チャンネルソースを前側と後側の両方から2チャンネルでそれぞれ出力する構成となっている。また、音響装置は、前後のスピーカから出力される2チャンネルソースの音量バランスを調整するフェーダ調整部と、左右のスピーカから出力される2チャンネルソースの音量バランスを調整するためのバランス調整部とを有している。視聴者はこれら2つの調整部を用いてスピーカから出力される2チャンネルソースを自分の好みに合った音場(定位)に設定することができる。
【0004】
すなわち、バランス調整部は、左右のスピーカから出力される音量バランスを調整することにより、2チャンネルソースの音の定位を運転席側にしたり、助手席側にしたりと、音の定位を左右方向に移動させることができる。フェーダ調整部は、前後のスピーカから出力される音量バランスを調整することにより、2チャンネルソースの音の定位を車室内の前側にしたり、後側にしたりと、音の定位を前後方向に移動させることができる。
【0005】
一方、音響装置としては、記録メディアの高容量化にともない、2チャンネルソースに加えて、3チャンネル以上の多チャンネルオーディオソース(以下マルチチャンネルソース)を出力するものも増えてきている。
例えば、DVDには、より臨場感のあるオーディオを視聴する目的で、5.1チャンネルのオーディオソースが記録されている。すなわち、前方左右スピーカと後方左右スピーカとセンタースピーカと低音スピーカから成る6チャンネル分のオーディオソースが独立して記録されている。そこで、車載用の音響装置は、マルチチャンネルソースに対応すべく車室内にセンタースピーカと低音スピーカを新たに設け、2チャンネルソースとマルチチャンネルソースの両方に対応可能な構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ステレオの2チャンネルソースと5.1チャンネル等のマルチチャンネルソースとでは、ソースコンテンツの作成過程における前提が異なっているため、視聴するオーディオソースが2チャンネルソースか5.1チャンネルソースかで、バランス・フェーダの設定条件をその都度変更する必要があった。すなわち、2チャンネルソースは、ソースコンテンツ側から最適設定を要求されるものでなく、基本的に視聴者の好みでバランス・フェーダの設定が行われる。一方、マルチチャンネルソースは、視聴位置で各チャンネルの再生音量が同一であることを前提に作成されているため、視聴位置に音の定位がくるようにバランス・フェーダの設定が行われる必要がある。
【0007】
例えば、2チャンネルソースでは、視聴者の好みによりバランス/フェーダの調整がなされるため、フェーダ調整が極端に前側若しくは後側にズラして調整される場合がある。しかし、このフェーダ調整のままマルチチャンネルソースを再生すると、マルチチャンネルソースは、音の定位が視聴位置に対して前側若しくは後側に極端にズレて再生されることになるため、再生されるオーディオの臨場感が大きく損なわれることになる。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み,成されたものであり、その目的は、2チャンネルソースを再生する場合でも、マルチチャンネルソースを再生する場合でも、最適な音場設定が可能な音響装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る音響装置は、2チャンネルのオーディオ信号である第1オーディオ信号と、マルチチャンネルのオーディオ信号である第2オーディオ信号とが入力される音響装置において、音場制御をするための調整値を入力する入力部と、前記調整値に基づいて、少なくとも入力されたオーディオ信号の左右方向の音量バランス調整または前後方向の音量バランス調整のいずれかを行う音場制御部と、前記入力されたオーディオ信号が前記第1オーディオ信号または前記第2オーディオ信号のいずれであるかを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、少なくとも前記左右方向の音量バランス調整または前後方向の音量バランス調整のいずれかに関する前記入力部による調整値の入力範囲を可変する制御部と、を備え、前記制御部は、前記入力されたオーディオ信号が前記第1オーディオ信号である場合の前記調整値の入力範囲よりも、前記入力されたオーディオ信号が前記第2オーディオ信号である場合の前記調整値の入力範囲を狭くする、ことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明に係る音響装置は、請求項1に記載の音響装置において、前記制御部は、前記入力されたオーディオ信号が第1オーディオ信号である場合に対して、前記入力されたオーディオ信号が前記第2オーディオ信号である場合に、前記入力部による調整値の調整ステップを小さくする、ことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態による音響装置10を図面に基づき以下に説明する。本発明は、例えば5.1チャンネルのマルチチャンネルソースを再生可能とするため前方左右スピーカFL、FRと後方左右スピーカRL、RRに加えて、前方中央に配置されるセンタースピーカFCと低音補強用の低音スピーカSWを装備した車載用の音響装置10に適用した時の実施形態として説明する。
【0012】
先ず、本実施形態の音響装置10の構成と概略動作を図1乃至図4を用いて説明する。尚、図1は音響装置10の要部構成と信号の流れを原理的に示した図で、図2は車内の各スピーカの配置図で、図3はバランス/フェーダ調整釦の構成図で、図4は表示部7のバランス/フェーダ調整時の表示画面を示す図である。
【0013】
本実施形態の音響装置10は、図1に示すように、複数のオーディオソースを有する再生部1と、再生部1のいずれか1つのオーディオソースを選択する選択部2と、選択部2より選択されたオーディオソースのオーディオ信号の音場を制御する音場制御部3と、音場制御されたオーディオ信号を出力するスピーカ9と、選択部2で選択するソースを指定するソース指定部4と、視聴者により音場制御部3で音場制御するための調整値が入力される入力部5と、音場制御部3で音場制御するための音場制御データを記憶するメモリ6と、各種表示を行う表示部7と、装置全体の制御を行う制御部8と有している。
【0014】
再生部1は、MD再生部1a、チューナ受信部1b、DVD/CD再生部1c等の複数のオーディオソースを有し、それぞれのオーディオ信号出力が選択部2に入力されている。選択部2は、制御部8から供給される選択信号Scで指定されるオーディオソースに対応するオーディオ信号を選択し、選択したオーディオ信号を後段の音場制御部3に供給する。音場制御部3は、前後の左右スピーカから出力されるオーディオ信号の音場制御を行うメインチャンネル音場制御部3aと、センタースピーカFCから出力されるオーディオ信号の音場制御を行うセンターチャンネル音場制御部3bと、低音スピーカSWから出力されるオーディオ信号の音場制御を行う低音チャンネル音場制御部3cからなり、制御部8から供給される音場制御データSvに基づいて各オーディオ信号の音場制御が行われる。また、メインチャネル音場制御部3aは、電子ボリュームで構成されるバランス調整部3aaとフェーダ調整部3abを有してる。
【0015】
スピーカ9は、図2に示すように、前方の左右スピーカFL・FRと、後方の左右スピーカRL・RRと、前方中央スピーカFCと、低音スピーカSWからなり、選択したオーディオ信号のチャンネル数に応じてオーディオ信号が入力される。すなわち、スピーカ9は、2チャンネルソースが選択された場合には、前後の左右スピーカにオーディオ信号が入力され、5.1チャンネルソースが選択された場合には、前後の左右スピーカに加えて、センタースピーカFCと、低音スピーカSWにオーディオ信号が入力される。
【0016】
ソース指定部4は、視聴者により所望のオーディオソースを指定するための手段で、視聴者が指定したオーディオソースに関する情報を指定信号Ssとして制御部8に供給する。制御部8は、指定信号Ssが供給されると、指定信号Ssに基づいて選択信号Scを生成し、選択部2に対してオーディオソースの切替を指示する。入力部5は、ソース指定部4で指定したオーディオ信号の音場制御を行うため調整値を入力するための手段で、少なくとも、図3に示す十字状に形成されたバランス/フェーダ調整釦5aと、低音スピーカSWの音量調整用の入力釦(図示せず)を有している。入力部5は、視聴者によりいずれかの釦が操作された場合、操作された釦の操作量に応じて調整データSoを制御部8に出力する。制御部8は、取得した調整データSoに基づいて、音場制御データSvを生成し、音場制御部3に対してオーディオソースの音場制御を指示する。メモリ6は、2チャンネルソースにおける音場制御部3の音場制御データを記憶する2チャンネルデータ記憶領域6aとマルチチャンネルソースにおける音場制御部3の音場制御データを記憶する5.1チャンネルデータ記憶領域6bを有してる。したがって、制御部8は、メモリ6に対して、2チャンネルソース用の音場制御データとマルチチャンネルソース用の音場制御データとを別個に読み書きすることができる。
【0017】
表示部7は、制御部8から供給される表示データSiに基づいて、選択しているオーディオソースに関する情報や音場制御部3における音場設定状態等を表示するための表示手段である。制御部8は、装置全体の制御に加えて、DVD/CD再生部1より供給されるコンテンツ情報Sdに基づいてオーディオ信号のチャンネル数を認識し、チャンネル数に応じた制御を実行する構成となっている。すなわち、制御部8は、5.1チャンネルのオーディオ信号を記録したDVDが再生されると、コンテンツ情報Sdより選択しているオーディオソースが5.1チャンネルソースであることを認識し、2チャンネル用の制御から5.1チャンネル用の制御に切り換わる構成となっている。
【0018】
次に、音場制御部3で行われるオーディオソースの定位の調整方法を各スピーカ毎に説明する。なお、定位の調整は、視聴位置における、各スピーカから出力される音量のバランスの調整に相当するため、以下、スピーカ毎の音量の調整方法として説明する。
先ず、メインチャンネルとなる前側の左右スピーカと後側の左右スピーカの音量の調整方法を図4及び図5を用いて説明する。なお、メインチャンネルの音量調整は、バランス調整部3aaによる左右方向の音量バランスとフェーダ調整部3abによる前後方向の音量バランスとの組合せ調整により行われる。
【0019】
音響装置10は、視聴者により、図示せぬ調整モード釦が押されると調整モードとなり、バランス/フェーダ調整が可能な状態となる。これにより、視聴者は、図2に示すような十字状に形成されたバランス/フェーダ調整釦5aと表示部7を用いてバランス/フェーダの調整が可能となる。バランス/フェーダ調整釦5aは、上下方向に配置された「Front」釦と「Rear」釦がフェーダ調整手段に対応し、左右方向に配置された「Left」釦と「Right」釦がバランス調整手段に対応している。表示部7は、調整モードになると、図4に示すように、縦方向に20ステップと、横方向に20ステップが格子状に区分けされた表示画面7aとなり、現在のメインチャンネルの定位位置が発光点7bで表示される。表示画面7a上の1ステップは、バランス/フェーダ調整釦5aの釦操作の1回分に相当しており、操作された釦の方向に操作された回数分だけ発光点7bが移動する構成となっている。なお、発光点7bは、バランス/フェーダ調整が無調整の状態では、太線の交わる中心位置に配置される。
【0020】
次に、視聴者により、バランス/フェーダ調整釦5aが操作された場合の具体的な動作について説明する。視聴者により、バランス/フェーダ調整が無調整の状態で「Right」釦が6回、「Front」釦が2回押された場合、バランス/フェーダ調整釦5aは、その操作に応じた信号を操作データSoとして制御部8に出力する。制御部8は、取得した操作データSoに基づいて、音場制御データSvを生成し音場制御部3に対して音場制御を指示する。また、制御部8は、取得した操作データSoに基づいて、表示データSiを生成し、図4に示すように、バランス/フェーダ釦の5aの操作に応じて発光点7bを移動させる。
【0021】
なお、音響装置10は、バランス/フェーダ調整釦5aによるバランス/フェーダの調整を行う際、オーディオソースのチャンネル数に応じてバランス/フェーダの調整値の入力範囲の切替を行っている。すなわち、制御部8は、コンテンツ情報Sdより、音場制御を行うオーディオ信号が2チャンネルソースか5.1チャンネルソースかを判断し、この判断結果に基づいて、バランス/フェーダの入力範囲を可変する構成となっている。
【0022】
図5は、音響装置10のフェーダの調整範囲を説明するための原理図で、図5(A)はフェーダ調整部3abが物理的に調整可能な最大調整範囲を示し、図5(B)は2チャンネルソースの場合のフェーダ調整範囲を示し、図5(C)は5.1チャンネルソースの場合のフェーダ調整範囲を夫々示したものである。なお、説明は行わないが、バランス調整部3aaに関しても同様な制御が成されるものとする。
【0023】
フェーダ調整部3aaは、図5(A)に示すように、最大でフロント側が−無限大(−∞)からリア側が−無限大(−∞)まで減衰可能な最大調整範囲を有している。制御部8は、2チャンネルソースのフェーダ調整を行う場合、図5(B)に示すように、最大調整範囲をフェーダ調整範囲とし、従来の2チャンネルソースのフェーダ調整と同様に前方向又は後方向に無限大の減衰が可能な構成としている。
【0024】
一方、制御部8は、5.1チャンネルソースのフェーダ調整を行う場合、図5(C)に示すように、調整範囲をフロント側−10dBからリア側−10dBまでと可変減衰量を狭め、0dB近辺での細かい調整が可能な構成となっている。この調整範囲の切替は、5.1チャンネルソースでは各チャンネルの再生音量が視聴位置において同一であることを前提にオーディオ信号が作成されている点に鑑み成されている。すなわち、5.1チャンネルソースの調整範囲としては、各チャンネルの音量の差が極端に大きくなってしまうような広い調整範囲まで必要としない。視聴者にとって、広い調整範囲は、1ステップの減衰量が大きくなり、粗いフェーダ調整となってしまう。一方、狭い調整範囲は、1ステップの減衰量が小さくできるため、前後方向の音量差が同一となるようにきめ細かなフェーダ調整を行うことができる。
【0025】
図5(b)は、2チャンネルソースの場合で、10ステップ目の減衰量が−∞となるように1ステップを−10dB間隔としている。図5(c)は、マルチチャンネルソースの場合で、10ステップ目が−10dBの減衰量となるよう、1ステップで−1dB減衰する構成となっている。これにより、視聴者は、2チャンネルソースの場合には広い調整範囲から好みの定位を選択することができ、5.1チャンネルソースの場合には狭い調整範囲から最適な定位をより選択しやすい構成となっている。
【0026】
次に、センタースピーカFCの音量調整について説明する。
センタースピーカFCの音量調整値は、バランス/フェーダ調整値より自動的に算出される構成となっている。センタースピーカFCは、図2に示すように、基本的に前側の左右スピーカの間に配置されるため、前側の左右スピーカのバランス/フェーダ調整値を利用して仮想的に算出することがきる。すなわち、センタースピーカFCは、前側の左右スピーカと同様に前側に配置されるため、前側の左右スピーカのフェーダ調整値と同等の減衰量がすくなくとも必要となる。また、センタースピーカFCは、前側の左右スピーカの間に配置されるため、前側の左スピーカのバランス調整値と前側の右スピーカのバランス調整値との間の減衰量がその配置位置に応じて必要となる。具体的な算出方法を図4を例に説明する。
【0027】
先ず、センターチャンネル音場制御部3bは、音場制御データSvより、前側の左右スピーカのバランス/フェーダ調整値を読み取り、前側の左スピーカと右スピーカそれぞれの減衰量を求める。すなわち、センターチャンネル音場制御部3bは、バランス/フェーダ調整値から右側が−6dB、前側が−2dB減衰していることを読み取ると、前側の左スピーカの減衰量が−2dB、前側の右スピーカの減衰量が−8dBであることを求める。次に、センターチャンネル音場制御部3bは、センタースピーカFCが前側の左右スピーカの中間地点に配置されているため、前側の左スピーカの減衰量と前側の右スピーカの減衰量の中間値をセンタースピーカFCの音量として割り当てを行う。すなわち、センターチャンネル音場制御部3bは、−8dBと−2dBの中間値である−5dBをセンタースピーカの音量として割り当てを行う。
【0028】
なお、音響装置10では、センターチャンネル音場制御部3bは、前側の左右スピーカの減衰量の中間値をセンタスピーカの音量調整値に割当てる制御を行っているが、センタースピーカFCが前側の左右スピーカの中間地点に配置されていない場合にはこの限りでない。すなわち、センターチャンネル音場制御部3bは、センタースピーカFCが前側の左右スピーカの中間地点からズレて配置されている場合には、中間地点からのズレ量に応じて減衰量を補正する構成にしてもよい。例えば、センターチャンネル音場制御部3bは、センタースピーカFCが前側の左右スピーカの間を1:2の割合で分割する位置に配置された場合、前側の左右スピーカの相対減衰量を1:2で分割した減衰量をセンタースピーカの減衰量とする。なお、制御部8は、前側の左右スピーカとセンタスピーカFCの位置関係を予め設定された値より認識しても良いし、視聴者により入力される情報に基づいて認識する構成にしても良い。
低音スピーカSWの音量レベルは、別に設けられた図示しない調整釦により個別に調整される。
【0029】
次に、音響装置10の音場制御の全体動作を図6に示す動作フローに基づき説明する。尚、図6は、予め図示しないROMに記録されている動作プログラムであり、視聴者によるソースの指定、例えばDVD/CD再生部1cを選択すると自動的に実行される。
【0030】
音響装置10の制御部8は、ソース指定部4によりいずれかのオーディオソースが視聴者により選択されると、ステップS1に移行する。ステップ1では、制御部8は、選択されたオーディオソースが5.1チャンネルのオーディオソースか否かを判断する。すなわち、制御部8は、DVD/CD再生部1cが選択され、且つDVD/CD再生部1cより供給されるコンテンツ情報Sdより5.1チャンネルのオーディオソースであることが判断できた場合には、5.1チャンネルのオーディオソース用の制御を行うためS5に移行する。一方、それ以外の場合には、2チャンネルのオーディオソースが選択されたものと判断し、2チャンネルのオーディオソース用の制御を行うためS2に移行する。
【0031】
S2に移行すると、制御部8は、メモリ6にアクセスし、2チャンネルデータ記憶領域6aから2チャンネルソース用のバランス/フェーダ調整値を取得し、各スピーカの音場制御を実施する。すなわち、制御部8は、取得した2チャンネルソース用のバランス/フェーダ調整値に基づいて、音場制御データSvを生成し、音場制御部3に対して音場制御を指示した後、S3に移行する。音場制御部3は、取得した音場制御データSvに基づいて、バランス/フェーダの調整を行い、メインチャンネルの定位の調整が完了する。
【0032】
S3では、制御部8は、視聴者により新たにバランス/フェーダの調整がなされたか否かを判断する。すなわち、制御部8は、上述した図示せぬ調整モード釦が押されたか否かを判断する。押されなかった場合には、視聴者による再調整の意志がないものと判断し、S3に戻り、調整モード釦が押されたか否かを継続して監視する。一方、制御部8は、調整モード釦が押されると、視聴者による再調整の意志ありと判断し、S4に移行する。
【0033】
S4では、制御部8は、上述した2チャンネルソースのバランス/フェーダ調整を実行する。すなわち、音響装置10は、表示部7が図4の表示画面に切り換わり、バランス/フェーダ調整釦5aによるメインチャンネルのバランス/フェーダ調整が可能な状態となる。制御部8は、新たな調整値が入力されると、新たな調整値に基づき音場制御データSvを生成し、音場制御部3に対して新たな調整値に基づくバランス/フェーダの調整を指示する。また、制御部8は、新たな調整値に基づき表示データSiを生成し、新たな調整値に対応させて表示画面上の発光点7bを移動させる。なお、制御部8は、視聴者により、再度調整モード釦が押された場合には再調整が終了したものと判断し、バランス/フェーダ調整モードを終了させると共に、新たな調整値をメモリ6の2チャンネルデータ記憶領域6aに更新記憶して、S2に移行する。
【0034】
S5では、制御部8は、メモリ6にアクセスして、5.1チャンネルデータ記憶領域6bから5.1チャンネルソース用のバランス/フェーダ調整値と、低音スピーカ用の音量調整値を取得し、音場制御部3に対し、各スピーカの音量設定を指示する。すなわち、メインチャンネル音場制御部3aでは、取得したバランス/フェーダ調整値に基づいて、メインチャンネルのバランス/フェーダ調整が行われ、メインチャンネルの音量調整が成される。また、センターチャンネル音場制御部3bでは、取得したバランス/フェーダ調整値に基づいて、センタースピーカFCの音量調整値が求められ、センタースピーカFCの音量調整がなされる。また、低音チャンネル音場制御3cでは、取得した低音スピーカ用の音量調整値に基づいて、低音スピーカSWの音量調整がなされる。制御部8は、音場制御部3による各スピーカの音量設定が完了すると、S6に移行する。
【0035】
S6では、制御部8は、視聴者により新たにバランス/フェーダの調整がなされたか否かを判断する。すなわち、制御部8は、上述した図示せぬ調整モード釦が押されたか否かを判断する。押されなかった場合には、視聴者による再調整の意志がないものと判断し、S6に戻り、調整モード釦が押されたか否かを継続して監視する。一方、制御部8は、調整モード釦が押されると、視聴者による再調整の意志ありと判断し、S7に移行する。
【0036】
S7では、制御部8は、視聴者による5.1チャンネルソースの音場調整プログラムを実行する。すなわち、音響装置10は、表示部7が図4の表示画面に切り換わり、バランス/フェーダ調整釦5aによるメインチャンネルのバランス/フェーダ調整が可能な状態となる。さらに、音響装置10は、低音スピーカSWの音量調整用の入力釦による音量調整が可能な状態となる。制御部8は、新たな調整値が入力されると、新たな調整値に基づき音場制御データSvを生成し、音場制御部3に対して新たな調整値に基づく音場制御を指示する。例えば、制御部8は、新たなバランス/フェーダ調整値が入力されると、新たな調整値に基づいて、バランス/フェーダ調整によるメインチャンネルの音量調整と、センタースピーカFCの音量調整を行う。一方、制御部8は、新たな低音スピーカSWの音量調整値が入力された場合には、新たな調整値に基づいて、低音スピーカの音量のみを調整する。
【0037】
また、制御部8は、新たな調整値に基づき表示データSiを生成し、表示画面上の発光点7bを移動させるなど、新たな調整値に対応した表示画面に表示内容を変更する。なお、制御部8は、視聴者により、再度調整モード釦が押された場合には再調整が終了したものと判断し、調整モードを終了させると共に、新たな調整値をメモリ6の5.1チャンネルデータ記憶領域6bに更新記憶して、S5に移行する。
なお、音響装置10は、調整モードになると、各スピーカから順次に調整用信号(ピンクノイズ等)が出力される。これにより、視聴者は、視聴位置において各スピーカからの音量が同一となるように調整を行う。
【0038】
以上、述べたように本発明の音響装置10では、予め、2チャンネルの音場制御データ記憶用メモリと、マルチチャンネルの音場制御データ記憶用メモリを別個に有するため、再生するオーディオのチャンネルに応じて音場設定を設定し直す必要が生じない。また、本発明の音響装置10では、視聴者は、2チャンネルソースの場合も、マルチチャンネルソースの場合も、共通の入力手段及び表示画面を用いてバランス/フェーダ調整を実施できるため、バランス/フェーダ調整操作を単純化できる。しかも、2チャンネルソースの場合とマルチチャンネルソースの場合とで、バランス/フェーダの調整範囲を切替ているため、視聴者は、コンテンツに合った音場に調整しやすい構成となっている。また、本発明の音響装置10は、バランス/フェーダ調整値からセンタースピーカの音量を調整するため、新たにセンタスピーカの音量調整値を入力する手段を設ける必要がなく、マルチチャンネルソースにおける音場設定処理を簡略化することができる。
【0039】
尚、本実施形態の音響装置10は、オーディオソースのチャンネル数毎に音の定位を決める各スピーカの音量設定値に関するデータをメモリ6に記憶するように説明したが、グラフィックイコライザーの調整値をオーディオソースのチャンネル数毎にメモリ6に記憶するようにしても良い。このように構成すれば、2チャンネルソースを選択した場合は、好みの音質に自動的に設定され、5.1チャンネルを選択した場合は、各スピーカからの音質が同じとなるように自動的に設定することができる。
【0040】
また、本実施形態の音響装置10は、オーディオ信号が2チャンネルと5.1チャンネルの場合について説明したが、2チャンネルとマルチチャンネルであれば良く、5.1チャンネル方式に限定されない。また、5.1チャンネルは、DVD/CD再生部1cから供給される例で説明したが、チューナ受信部1b等他のオーディオソースから供給される場合でも良い。また、音響装置10は、2チャンネル又は5.1チャンネルの検出をマルチチャンネル対応されたDVDディスクを再生する際にDVD/CD再生部1cから出力されるコンテンツ情報で行う例で説明したが、これに限定されず、チャンネル数を計数して行うようにしても良い。また、音響装置10は、車載用として説明したが、これに限定されない。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、オーディオソースのチャンネル数毎に音場制御データを記憶するため、再生するオーディオソースのチャンネル数が切り替わっても、再度音場制御データを設定する必要が生じない。また、調整するオーディオソースのチャンネル数に応じて音場制御データの入力範囲を可変しているため、チャンネル数に合った音場設定が簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態による音響装置10の要部構成図。
【図2】車内の各スピーカの配置図。
【図3】バランス/フェーダ調整釦の構成図
【図4】バランス/フェーダ調整時の表示画面を示す図
【図5】フェーダ調整部のフェーダ調整範囲をための原理図。
【図6】音響装置10の音場制御の動作フロー図。
【符号の説明】
1・・・再生部
1a・・MD再生部
1b・・チューナ受信部
1c・・DVD/CD再生部
2・・・選択部
3・・・音場制御部
4・・・ソース指定部
5・・・入力部
6・・・メモリ(記憶手段)
7・・・表示部
8・・・制御部
9・・・スピーカ
10・・音響装置

Claims (3)

  1. 2チャンネルのオーディオ信号である第1オーディオ信号と、マルチチャンネルのオーディオ信号である第2オーディオ信号とが入力される音響装置において、
    音場制御をするための調整値を入力する入力部と、
    前記調整値に基づいて、少なくとも入力されたオーディオ信号の左右方向の音量バランス調整または前後方向の音量バランス調整のいずれかを行う音場制御部と、
    前記入力されたオーディオ信号が前記第1オーディオ信号または前記第2オーディオ信号のいずれであるかを検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、少なくとも前記左右方向の音量バランス調整または前後方向の音量バランス調整のいずれかに関する前記入力部による調整値の入力範囲を可変する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記入力されたオーディオ信号が前記第1オーディオ信号である場合の前記調整値の入力範囲よりも、前記入力されたオーディオ信号が前記第2オーディオ信号である場合の前記調整値の入力範囲を狭くする、
    ことを特徴とする音響装置。
  2. 前記制御部は、前記入力されたオーディオ信号が第1オーディオ信号である場合に対して、前記入力されたオーディオ信号が前記第2オーディオ信号である場合に、前記入力部による調整値の調整ステップを小さくする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の音響装置。
  3. 前記調整値を記憶する記憶部を更に備え、
    前記制御部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記第1オーディオ信号に対する前記調整値と前記第2オーディオ信号に対する前記調整値とを別個に前記記憶部に記憶する、
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の音響装置。
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