JP4213971B2 - 空冷エンジンの遮音カバー構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空冷エンジンの遮音カバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空冷式エンジンにおいて、シリンダヘッドの側方にマフラーや燃料タンク、エアクリーナなどの各装置を配置した構成のものが知られている。例えば、特許文献1に示される技術である。特許文献1に示される技術では、前記のような各装置の配置構成において、シリンダの一側に設けた冷却ファンからの冷却風を、反冷却ファン側のシリンダ側面にまで通過するようにして、冷却機能の向上を図るものとしている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−232654号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術ではシリンダヘッド及びシリンダを囲むように排風フランジを設けた構成であるため、冷却風のみガイドする構成であり、遮音性は考慮に入れられていなかった。一方、エンジンに遮音カバーを設け、エンジンの駆動による振動や騒音の放散を防止することは、一般に行われており、エンジン全体を覆うように構成していた。しかし、エンジン全体を覆う場合、筐体自体が大きくなり、また、作業機に付設して動力を伝達する場合には、筐体の構造を変更する必要があった。そこで、エンジンの遮音効果を高めるためには、そのエンジンにおける各装置の配置構成の違いを考慮して、その配置構成に特化した遮音カバーを設ける必要がある。本発明は、シリンダヘッドの側方にマフラーや燃料タンク、エアクリーナなどの各装置を配置した構成の空冷式エンジンにおいて、その配置構成に特化した遮音カバーを設けることで、遮音効果の向上を図るものとしている。また、冷却ファンを設けた空冷式の構成の場合に、冷却風の導風板を遮音カバーと兼用させるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段は、以下に示すとおりである。
【0006】
請求項1においては、クランク軸(12)が外部に突出している側を、エンジン(100)の前側とすると、シリンダヘッド(7)とシリンダヘッドカバー(8)を、エンジン(100)上部に配置し、該シリンダヘッド(7)の左右側方を、燃料タンク(19)と排気マフラー(10)により囲み、該シリンダヘッド(7)の後方を、エアクリーナ(9)により囲むように構成し、該エンジン(100)の後方でエアクリーナ(9)の下方に、ファンケース(18)を配置し、該ファンケース(18)内に冷却ファン(17)を内蔵した構成において、前記シリンダヘッド(7)とシリンダヘッドカバー(8)の少なくとも上方または前方の露出部分を被覆する遮音カバー(60)を設け、該遮音カバー(60)を略逆L字状の断面形状に構成し、該シリンダヘッド(7)とシリンダヘッドカバー(8)の上方を覆う上板(61)、およびシリンダヘッド(7)とシリンダヘッドカバー(8)の露出する前方を覆う前板(62)により構成し、該前板(62)は、上下方向中途部でシリンダ(2)側に階段状に折曲形成されると共に、反冷却ファン(17)側のシリンダ(2)の前方を覆うように、該シリンダヘッド(7)よりも下方まで延設し、該冷却ファン(17)の冷却風は、前記ファンケース(18)の上端部より送出され、前記シリンダヘッド(7)とエアクリーナ(9)との間を通過して上方へ流れ、次に、該上板(61)とシリンダヘッドカバー(8)との間を通過して前方へ流れ、前記前板(62)とシリンダヘッド部との間を通過して下方へ流れ、前記シリンダヘッド(7)からシリンダ(2)の前方を冷却するものである。
【0007】
請求項2においては、請求項1記載の空冷エンジンの遮音カバー構造において、前記遮音カバー(60)部分にデコンプ装置を備え、該デコンプ装置の操作軸(65)は、前記遮音カバー(60)の上板(61)より下方に設け、前記遮音カバー(60)の前板(62)に、該操作軸(65)の挿通孔(62a)を設け、デコンプレバー(64)を遮音カバー(60)の外側へ突出させたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るエンジンおよび遮音カバーを図面に基づき具体的に説明する。
【0009】
なお、本実施の形態に係るエンジンおよび遮音カバーは本発明の一例にすぎず、本発明の構成がこのエンジンおよび遮音カバーに限定されるものでない。
【0010】
図1は遮音カバー60を設けたエンジン100の正面図であり、図2は同じく側面図であり、図3は同じく平面図、図4は遮音カバー60の分解斜視図である。
【0011】
図1に示すように、空冷式のエンジン100は、シリンダブロック1及びシリンダヘッド7等からなっており、シリンダブロック1はシリンダ2及びクランクケース部3を一体に備えている。また、シリンダヘッド7の上面には、弁腕部を内蔵するシリンダヘッドカバー8(ボンネット)が固設されている。このシリンダヘッド7をシリンダヘッドカバー8で覆った状態の構成をシリンダヘッド部とする。つまり、シリンダヘッド部はシリンダヘッド7やシリンダヘッドカバー8や弁腕室等から構成される。
【0011】
クランクケース部3からはクランク軸12が突出しており、該クランク軸12の外部に突出側を、エンジン100の前側とし、作業機等に動力を伝達できるようにしている。
【0013】
エンジン100の上部に配置されるシリンダヘッド部(シリンダヘッド7)の左右両側方には、排気マフラー10と燃料タンク19とが配置される。また、図2に示すように、シリンダヘッド7の前方にはエグゾーストパイプ41が設けられ、シリンダヘッド7の前面に開口する排気ポート34からの排気が、該エグゾーストパイプ41を介して排気マフラー10へ流れるようにしている。なお、シリンダヘッド7の後面側には吸気ポート36が開口しており、該吸気ポート36内へ後方のエアクリーナ9からのクリーンエアが、吸気管を介して吸入される。
【0014】
クランクケース部3内において、燃料タンク19側(右側)には、燃料噴射ポンプ112駆動用のカム軸14が配置される。
【0015】
図2、図3に示すように、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)の一側方である後方には、エアクリーナ9が配置されている。そして、クランク軸12突出側(前側)を除いてシリンダヘッド7(シリンダヘッド部)の側方が、左右方向は排気マフラー10および燃料タンク19で、後方がエアクリーナ9により囲まれる構成としている。但し、シリンダヘッド部の側部を囲む排気マフラー10と燃料タンク19は左右逆に配置することもでき、エアクリーナ9は前側に配置することもできる。また、エアクリーナ9の下方には、ファンケース18が配置されており、該ファンケース18内には、フライホイール外周外側面に形成した冷却ファン17が内蔵されている。つまり、ファンケース18の配設位置は、シリンダブロック1(シリンダ2)に対しては、その後側(反クランク軸12突出側)となっており、フライホイールは前記クランク軸12端部に固設されている。
【0016】
次に、エンジン100に設ける遮音カバー60について説明する。図2に示すように、エンジン100は、シリンダヘッド部の側部が排気マフラー10と燃料タンク19とエアクリーナ9とにより囲まれ、残りのシリンダヘッド部が露出する上方と側方(前側)が遮音カバー60により覆われている。該遮音カバー60は断面視略逆L字状に構成されて、シリンダヘッド部が露出せず、騒音や冷却風ができるだけ漏れない構成としている。遮音カバー60は、本実施の形態では、図4に示すように、上部で水平方向に位置する上板61と、前部で鉛直方向に配置される前板62とから構成される。上板61は平面視矩形状に形成されて、左右両側は下方に折り曲げられて縁部を形成し、遮音効果を高めるために制振鋼板等で構成されている。一方、前板62は、上下方向中途部でシリンダ側に二回折曲されて階段状に形成されると共に、前板62上部には挿通孔62a(後述)が形成されて、正面視ではL字状となっている。また、遮音カバー60は、上板61と前板62との別体構成として、ボルト締結等により相互を連結する構成としてもよく、一体物に構成することもできる。
【0017】
この遮音カバー60は、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)の露出部分を被覆して保護し、シリンダヘッド7や弁腕室等から発生する騒音を低減させる手段としている。
【0018】
本実施の形態では、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)の少なくとも上方または側方、またはその両方を、遮音カバー60により閉じることで、シリンダヘッド7から発生する騒音を低減している。なお、シリンダヘッド部の露出部分に限らず、もっと広い領域を覆うカバーを設ける構成でも良い。また、排気マフラー10および燃料タンク19は、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)よりも上方および前方に突出するように配置されているが、遮音カバー60の上面は少なくとも排気マフラー10または燃料タンク19またはエアクリーナ10の一者または二者の上面と、または全ての上面と揃うように配置され、遮音カバー60の側面は少なくとも排気マフラー10または燃料タンク19の側方(前面)と、または両者の側面とが揃うように、遮音カバー60をシリンダヘッド7より離間して配設することで、エンジン100外面の凹凸を減少して、外観を向上する構成としている。
【0019】
次に、遮音カバー60の支持構成について説明する。エンジン100に取付けられる遮音カバー60は、燃料タンク19およびエアクリーナ9の筐体部分と、シリンダブロック1の外面とで、支持されるものとなっている。更に、遮音カバー60の上部はボンネット(シリンダヘッドカバー8)またはシリンダヘッド7で支持する構成とすることもできる。前述したように、エアクリーナ9は、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)の側方のうち、排気マフラ−10および燃料タンク19を設けない側の一側方、つまり後方に、設けられるものとなっている。そして、シリンダヘッド部(の三側方)は、エアクリーナ9と排気マフラー10と燃料タンク19とで囲まれる。
【0020】
まず、燃料タンク19の筐体部分による、遮音カバー60の支持構成について説明する。図1、図2に示すように、燃料タンク19には、遮音カバー60を支持するための凹状支持部19aが、筐体より突出して形成されている。凹状支持部19aの凹部には、防振ゴム63が嵌め込まれており、該防振ゴムの上端には、遮音カバー60の端部を挿入するための切込みが形成されている。或いは、凹状支持部19a自体が防振部材で構成されている。上板61は前記三つの端部が直角に折曲して下方に延出しており、このうち燃料タンク19側の端部の下方延出部が、上方に開口する凹状支持部19aに嵌め込まれる。また、図1、図2に示すように、燃料タンク19の前側にも、凹状支持部19aが筐体より突出して形成されている。前板62においても、左右両端部が直角に折曲して後側に延出しており、燃料タンク19側の端部の後方延出部が、前方に開口する凹状支持部19aに対応する。そして、遮音カバー60を前上方よりエンジン100に押し込むことで、遮音カバー60を、燃料タンク19に取付けることができる。
【0021】
次に、エアクリーナ9の筐体部分による、遮音カバー60の支持構成について説明する。図2に示すように、エアクリーナ9の筐体の上面には、遮音カバー60取付用の取付部9a・9aが突出形成されており、該取付部9aには、上面から下側に向けて螺子孔が形成されている。一方、遮音カバー60の上板61には、遮音カバー60のエンジン100への取付状態において、平面視で取付部9aに形成した螺子孔と重複する部位に、挿通孔61a・61a(図4に図示)が形成されている。そして、締結ボルト20を、上板61の挿通孔61aおよび介設部材としての防振ゴム21を介して、取付部9aの螺子孔に螺合させて締結して、遮音カバー60をエアクリーナ9が支持するものとしている。なお、防振ゴム21にも、締結ボルト20を挿通自在とする挿通孔が形成されている。
【0022】
次に、シリンダブロック1による遮音カバー60の支持構成について説明する。図2に示すように、シリンダ2(シリンダブロック1の一部)の前面には、遮音カバー60取付用の取付部2aが突出形成されており、該取付部2aには、前面から後側に向けて螺子孔が形成されている。一方、遮音カバー60の前板62には、遮音カバー60のエンジン100への取付状態において、正面視で前方取付部2aに形成した螺子孔と重複する部位に、挿通孔62b・62b(図4に図示)が形成されている。そして、締結ボルト20を、前板62の挿通孔62bおよび介設部材としての防振ゴム21を介して、取付部2aの螺子孔に螺合させて締結して、遮音カバー60をシリンダブロック1に強固に支持することができる。
【0023】
以上のようにして、遮音カバー60が、燃料タンク19およびエアクリーナ9の筐体部分と、シリンダブロック1の外面とで、支持されるものとなっている。このため、遮音カバー60をエンジン100本体に対して防振支持することができ、遮音性を向上させることができる。さらに、詳しくは後述するが、シリンダ2の後方に冷却ファン17を設ける構成において、該冷却ファン17からの冷却風を、遮音カバー60によりガイドしてシリンダヘッド部(シリンダヘッド7)上方および前方の空気層を通過させて、シリンダヘッド部の上面および前面の冷却を行うことができ、冷却性が向上する。加えて、シリンダヘッド部の露出側、つまり排気マフラー10等の各装置を配置しない側にエグゾーストパイプ41を設ける構成であっても、遮音カバー60がエグゾーストパイプ41をカバーすることで、ユーザが誤ってエグゾーストパイプ41に接触して火傷することが防止されると共に、遮音カバー60は排気マフラー10の基部(エグゾーストパイプ41との連結部)のカバー手段も兼用する。
【0024】
なお、遮音カバー60を前記各装置の筐体部分に支持する構成としては、前述のように、弾性部材である防振ゴム21・63を介して支持する構成に限定されるものではない。例えば、遮音性を図る目的としては、防振性を有する介装部材を設けることなく、直接ボルト締結等の固定方法で、遮音カバー60のエンジン100側への固設を行う構成であってもよい。
【0025】
また、遮音カバー60支持における振動低減構成について、具体的に説明する。本実施の形態では、遮音カバー60は、金属の板状部材の折曲加工で構成されるものとなっている。そこで、遮音カバー60が、エンジン100の駆動に連動して金属音の発生源となることを防止するように、遮音カバー60がエンジン100本体に防振支持される。
【0026】
なお、本実施の形態では、金属の板状部材で構成した遮音カバー60を、弾性部材である防振ゴム63を介して、エンジン100本体に防振支持する構成としたが、この構成に限定されるものではない。エンジン100に設ける遮音カバーとしては、カバー自体を例えば樹脂等の弾性部材で形成して振動吸収効果を与えるようにしたものでもよく、エンジン100に取り付け可能なカバーであれば、他の構成であってもよい。
【0027】
次に、シリンダ2の冷却構造に関して説明する。図3に示すように、シリンダ2の一側(後側)には冷却ファン17を備えるファンケース18が設けられており、冷却ファン17からの冷却風が、ファンケース18にガイドされて他側(前記一側に対する対向側、つまり前側)および上側に向けて送出されるようになっている。該冷却風は、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)の後面を冷却すると共に、シリンダ2およびシリンダヘッド部と排気マフラー10や燃料タンク19との隙間を介して通過し、シリンダ2やシリンダヘッド7の側面をも冷却する。
【0028】
一方、図1、図3に示すように、遮音カバー60の前板62は、シリンダ2の前側(反冷却ファン17側)を覆うように、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)の下方まで延設されている。前板62は、シリンダヘッド部に対して、冷却ファン17と反対側に位置している。
【0029】
このため、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)の上方と一側方(前方)とを覆うように配置された遮音カバー60が、冷却ファン17の冷却風の導風板として機能し、反冷却ファン17側のシリンダ2の外面まで冷却風を導くことができる。図2に示すように、冷却ファン17の冷却風は、ファンケース18の上端部より送出され、まず、シリンダヘッド部とエアクリーナ9との間を通過して上方へ流れ、次に、該冷却風は、上板61とシリンダヘッドカバー8との間を通過して前方へ流れ、その後、前板62とシリンダヘッド部との間を通過して下方へ流れる。したがって、冷却ファン17の冷却風が遮音カバー60にガイドされて、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)の上方から前方を冷却することができる。なお、排気マフラー10と燃料タンク19とシリンダブロック1の間も冷却風が通過してシリンダブロック1を冷却する。
【0030】
次に、遮音カバー60の取付け状態でデコンプ装置を操作可能とする構成について説明する。エンジン100にはデコンプ装置(始動時減圧装置)が設けられており、該デコンプ装置は、エンジン始動時に吸気または排気バルブを強制的に開いてシリンダ内の圧縮力を低下させることによりクランキング力を弱めて始動性を高める。このデコンプ装置を操作するためのデコンプレバー64が、シリンダヘッドカバー8の前面に設けられている。デコンプレバー64は、排気バルブ7a(または排気バルブ7b)を開閉させるための操作軸65に取付けられて回動可能とされて、外部操作可能である。そして、デコンプレバー64および操作軸65により、デコンプ装置の操作部が構成されている。一方、遮音カバー60の前板62の上部には、デコンプレバーの操作軸65を挿入するための挿通孔62aが設けられ、該挿通孔62aより操作軸65を外方向に突出し、デコンプレバー64がエンジン100外側へ突出するようになっている。挿通孔62aの径は操作軸65の外径と略同径で、該挿通孔62aにおけるシリンダヘッド7の露出はほとんど無視できるほど小さなものである。
【0031】
以上構成により、遮音カバー60をエンジン100に取付けた状態、つまり、遮音した状態で、デコンプレバー64の操作が可能である。
【0032】
また、デコンプ装置の操作部は、遮音カバー上面より下方に設けられるものとなっている。本実施の形態では、前述したように、デコンプレバー64および操作軸65により、デコンプ装置の操作部が構成されている。
【0033】
このため、遮音カバー60の上方に操作部が突出しない。したがって、エンジン100上面の外観を損なうことが無い。
【0034】
次に、エンジン100に設けるエアクリーナ9等の各装置と、遮音カバー60とのレイアウトによる作用について、説明する。前述したように、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)の左右両側方には、排気マフラー10および燃料タンク19が配置される。そして、シリンダヘッド7の後方(排気マフラー10および燃料タンク19を設けない側の一側方)には、エアクリーナ9が配置される。また、逆L字状の断面形状の遮音カバー60は上板61と前板62とからなり、前板62は、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)に対してエアクリーナ9と反対側(つまりシリンダヘッド7の前側)に配置される。
【0035】
このため、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)は、左右側方では排気マフラー10および燃料タンク19により覆われ、前後はエアクリーナ9および前板62により覆われ、上方は上板61で覆われて、シリンダヘッド部の上方及び側方は全て覆われることになる。なお、シリンダ部下方にはシリンダブロック1が位置する。したがって、シリンダヘッド部から発生する騒音は遮音カバー60により遮られて遮音性が向上している。加えて、シリンダヘッド部(シリンダヘッド7)を全体的に覆うことで、ユーザがシリンダヘッド7、マフラー10、エグゾーストパイプ41に誤って接触するなどの火傷の発生を防止できると共に、エンジン100の外観が向上する。
【0036】
【発明の効果】
請求項1記載の如く、クランク軸(12)が外部に突出している側を、エンジン(100)の前側とすると、シリンダヘッド(7)とシリンダヘッドカバー(8)を、エンジン(100)上部に配置し、該シリンダヘッド(7)の左右側方を、燃料タンク(19)と排気マフラー(10)により囲み、該シリンダヘッド(7)の後方を、エアクリーナ(9)により囲むように構成し、該エンジン(100)の後方でエアクリーナ(9)の下方に、ファンケース(18)を配置し、該ファンケース(18)内に冷却ファン(17)を内蔵した構成において、前記シリンダヘッド(7)とシリンダヘッドカバー(8)の少なく とも上方または前方の露出部分を被覆する遮音カバー(60)を設け、該遮音カバー(60)を略逆L字状の断面形状に構成し、該シリンダヘッド(7)とシリンダヘッドカバー(8)の上方を覆う上板(61)、およびシリンダヘッド(7)とシリンダヘッドカバー(8)の露出する前方を覆う前板(62)により構成し、該前板(62)は、上下方向中途部でシリンダ(2)側に階段状に折曲形成されると共に、反冷却ファン(17)側のシリンダ(2)の前方を覆うように、該シリンダヘッド(7)よりも下方まで延設し、該冷却ファン(17)の冷却風は、前記ファンケース(18)の上端部より送出され、前記シリンダヘッド(7)とエアクリーナ(9)との間を通過して上方へ流れ、次に、該上板(61)とシリンダヘッドカバー(8)との間を通過して前方へ流れ、前記前板(62)とシリンダヘッド部との間を通過して下方へ流れ、前記シリンダヘッド(7)からシリンダ(2)の前方を冷却するので、シリンダヘッド部の露出部を、遮音カバーで覆って保護するとともに、シリンダヘッドから発生する騒音を低減することができる。
【0037】
また、前記遮音カバーを略逆L字状の断面形状に構成し、シリンダヘッド部の上方およびシリンダヘッド部の露出する前部を覆うようにしたので、シリンダヘッド部を、全体的に覆うことができる。したがって、シリンダヘッドから発生する騒音の遮音性が向上している。
さらに、シリンダの後方に設けた冷却ファンからの冷却風を案内して、シリンダヘッド部の上面および前面(前記一側面の対向面)の冷却を行うことができ、冷却性能が向上する。
加えて、シリンダヘッド部の露出側、つまりマフラー等の各装置を配置しない側にエグゾーストパイプを設ける構成であっても、該エグゾーストパイプを遮音カバーによりカバーすることで、ユーザが誤ってエグゾーストパイプに接触して火傷することが防止されると共に、遮音カバーは排気マフラーの基部(エグゾーストパイプとの連結部)のカバー手段も兼用する。
【0038】
また、シリンダの一側方に冷却ファンを設けた構成において、遮音カバーの前板を、反冷却ファン側のシリンダ側方を覆うようにシリンダヘッド部の下方まで延設したので、シリンダヘッド部の上方と前方とを覆うように配置された遮音カバーが、冷却ファンの冷却風の導風板として機能し、反冷却ファン側のシリンダの外面まで冷却風を導くことができる。
したがって、冷却ファンからの冷却風を反対側のシリンダブロックまで導くことができ、シリンダヘッド全体を冷却し、更に冷却ファンと反対側のシリンダブロック面を冷却することができ、遮音カバーは導風板としても兼用することができる。
【0039】
また、前記遮音カバーに形成する前板を、シリンダヘッド部に対してエアクリーナと反対側に配置したので、シリンダヘッド部の前後と左右の側方は、排気マフラーと、燃料タンクと、エアクリーナと、遮音カバーの前板とにより覆われ、上方は遮音カバーの上板で覆われて、全体的に覆われることになる。
したがって、シリンダヘッドから発生する騒音の遮音性が向上する。加えて、シリンダブロックが露出する部分を前板で覆うことができるようになり、ユーザがシリンダブロックに誤って接触するなどの火傷の発生を防止できると共に、エンジンの外観が向上する。
【0040】
請求項2記載の如く、デコンプ装置を備えた構成において、デコンプ装置の操作部は、前記遮音カバー上面より下方に設けたので、遮音カバーの上方に操作部が突出しない。したがって、エンジン上面の外観を損なうことが無い。
【0041】
また、前記遮音カバーの前板にデコンプレバーの操作軸の挿通孔を設け、デコンプレバーを遮音カバーの外側へ突出させたので、遮音カバーをエンジンに取付けた状態、つまり、遮音した状態で、デコンプレバーの操作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 遮音カバー60を設けたエンジン100の正面図である。
【図2】 同じく側面図である。
【図3】 同じく平面図である。
【図4】遮音カバー60の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 シリンダブロック
2 シリンダ
7 シリンダヘッド
9 エアクリーナ
10 排気マフラー
19 燃料タンク
60 遮音カバー
17 冷却ファン
60 遮音カバー
61 上板
62 前板
62a 開口部
64 デコンプレバー
100 エンジン
Claims (2)
- クランク軸(12)が外部に突出している側を、エンジン(100)の前側とすると、シリンダヘッド(7)とシリンダヘッドカバー(8)を、エンジン(100)上部に配置し、該シリンダヘッド(7)の左右側方を、燃料タンク(19)と排気マフラー(10)により囲み、該シリンダヘッド(7)の後方を、エアクリーナ(9)により囲むように構成し、該エンジン(100)の後方でエアクリーナ(9)の下方に、ファンケース(18)を配置し、該ファンケース(18)内に冷却ファン(17)を内蔵した構成において、前記シリンダヘッド(7)とシリンダヘッドカバー(8)の少なくとも上方または前方の露出部分を被覆する遮音カバー(60)を設け、該遮音カバー(60)を略逆L字状の断面形状に構成し、該シリンダヘッド(7)とシリンダヘッドカバー(8)の上方を覆う上板(61)、およびシリンダヘッド(7)とシリンダヘッドカバー(8)の露出する前方を覆う前板(62)により構成し、該前板(62)は、上下方向中途部でシリンダ(2)側に階段状に折曲形成されると共に、反冷却ファン(17)側のシリンダ(2)の前方を覆うように、該シリンダヘッド(7)よりも下方まで延設し、該冷却ファン(17)の冷却風は、前記ファンケース(18)の上端部より送出され、前記シリンダヘッド(7)とエアクリーナ(9)との間を通過して上方へ流れ、次に、該上板(61)とシリンダヘッドカバー(8)との間を通過して前方へ流れ、前記前板(62)とシリンダヘッド(7)との間を通過して下方へ流れ、前記シリンダヘッド(7)からシリンダ(2)の前方を冷却することを特徴とする空冷エンジンの遮音カバー構造。
- 請求項1記載の空冷エンジンの遮音カバー構造において、前記遮音カバー(60)部分にデコンプ装置を備え、該デコンプ装置の操作軸(65)は、前記遮音カバー(60)の上板(61)より下方に設け、前記遮音カバー(60)の前板(62)に、該操作軸(65)の挿通孔(62a)を設け、デコンプレバー(64)を遮音カバー(60)の外側へ突出させたことを特徴とする空冷エンジンの遮音カバー構造。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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