JP4213855B2 - 捩り疲労特性に優れた肌焼用鋼ならびに肌焼部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、肌焼用鋼に関わり、さらに詳しくは、自動車の変速機のシャフト部品等の素材として好適な捩り疲労特性に優れた肌焼用鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の変速機のシャフト部品やCVJ部品は、通常、例えばJIS G 4052、JIS G 4104、JIS G 4105、JIS G 4106などに規定されている中炭素の機械構造用合金鋼を使用し、冷間鍛造(転造も含む)−切削により所定の形状に加工された後、浸炭焼入れを行う工程で製造されている。これらの各種シャフト類は、近年の自動車エンジンの高出力化あるいは環境規制対応にともない、高強度化の指向が強い。これらの部品の主たる所要特性は捩り疲労特性である。
【0003】
浸炭材の高強度化に関する先行技術としては、曲げ疲労強度の向上を図った技術が多数認められる。例えば、特開平9−176784号公報には、S:0.003〜0.070%ほか特定組成の鋼材からなり、線状または棒状圧延材の軸心を通る縦断面において、該軸心と平行で且つ該軸心から1/4・D(Dは圧延材の直径を表す)離れた仮想線を中心線として含む被検面積100mm2中に存在する、酸化物系と硫化物系からなる直径10μm以上の複合介在物が20個以下であり、且つ上記と同一の被検面積中に存在する直径3μm以上10μm未満の硫化物系介在物が50個以上であることを特徴とする疲労特性および被削性に優れた肌焼用鋼が示されている。該発明は縦目と横目の曲げ疲労強度を向上させるために、酸化物系と硫化物系の複合介在物の数を規定した点が特徴である。該発明では、選択元素として、B:0.0003〜0.005%、Ca:0.0005〜0.01%、Te:0.1%以下、Zr:0.1%以下を含有することができるとしている。該発明のCa、Te、Zrの添加の狙いはMnSを球状化して異方性を改善することと、靭性や曲げ疲労特性を劣化させずに被削性を向上させることにある。該発明は疲労特性として曲げ疲労特性にのみ着目しており、捩り疲労特性に関しては全く言及されていない。曲げ疲労は、表面または表面近傍において、引張応力により、軸方向と垂直な断面でき裂が発生伝播し、破壊に至る現象である。これに対して、本発明で取り上げている、捩り疲労は、表面または表面近傍において、剪断応力により、軸方向に平行な面でき裂が発生し、その後軸方向と45度をなす面で伝播する現象である。つまり、捩り疲労破壊と曲げ疲労破壊では、破壊の原因となる作用応力、き裂の発生する断面、破壊の形態がいずれも異なる。以上から、特開平9−176784号公報における曲げ疲労特性に関する記述は、本発明で取り上げた捩り疲労強度に関して何ら示唆を与えるものではない。
【0004】
次に、本発明では、ボロン添加を特徴としているが、ボロン鋼は浸炭加熱時に一部のオーステナイト結晶粒が粗大化する現象を起こしやすい。そのため、肌焼ボロン鋼の浸炭加熱時の粗大粒の発生を防止するための技術についてはいくつか提案されている。例えば、特開昭61−217553号公報には、TiとNの量を0.02<Ti−3.42NとすることによってTiCを生成し、結晶粒界をピン止めすることを目的としている。しかしながら、該鋼の粗大粒抑制の能力は不安定であり、鋼材の製造工程によっては、浸炭時の粗大粒の発生を抑制できないのが現実である。また、該鋼はN量に対して多量のTiを添加するために、多量のTiCが生成し、そのために鋼材の製造時に割れやキズが発生しやすく、また素材の状態で硬くて冷間加工性が良くない等の欠点を有している。
【0005】
また、特開昭63−103052号公報には、Si、Mn量を低減し、N量:0.008%以下、Nb:0.01〜0.20を含んだ冷間鍛造用肌焼用鋼が示されている。しかしながら、該鋼もやはり、粗大粒抑制の能力は不安定であり、鋼材の製造工程によっては、粗大粒の発生を抑制できる場合もあればできない場合もあり、浸炭時の粗大粒の発生を確実には抑制できないのが現実である。また、該鋼はその実施例から明らかな通り、1鋼種を除いて、そのN量は0.005〜0.008の範囲であり、このレベルのN量でも後ほど述べるように結晶粒粗大化特性には悪影響を及ぼす。また、該発明の実施例の1鋼種はN量が0.002%と低Nであるが、Nbが0.05%と多量添加されており、多量のNbCが生成し、そのために素材の状態で硬くて冷間加工性が良くないものと考えられる。
【0006】
以上のように肌焼ボロン鋼に関しては、粗大粒防止に関して、問題はあるものの、いくつかの先行技術は提示されている。しかしながら、これらの先行技術では、捩り疲労特性に関して全く言及されていない。つまり、浸炭シャフト部品に関して、捩り疲労特性の向上の視点から検討した先行技術は認められない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
シャフト等の肌焼部品に関して、捩り疲労特性の向上技術はこれまでに検討すらされていないのが現状であるが、本発明は肌焼部品の捩り疲労特性の向上技術を明確にし、捩り疲労特性に優れた肌焼用鋼を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、以下の手段を用いて上記の課題を解決した。
【0009】
すなわち、質量%で、
C:0.1〜0.4%、
Si:0.01〜1.2%、
Mn:0.2〜0.65%、
S:0.005〜0.15%、
Cr:0.5〜1.6%、
B:0.0005〜0.006%、
Al:0.015〜0.1%
を含有し、さらに、
Te:0.0005〜0.02%、
Ca:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0003〜0.01%、
Mg:0.001〜0.035%、
Y:0.001〜0.1%、
希土類元素:0.001〜0.15%
のうち1種または2種以上を含有し、またはさらに、
Ti:0.05%以下
を含有し、またはさらに、
Nb:0.05%以下、
V:0.4%以下、
のうち1種または2種を含有し、またはさらに、
Mo:1%以下、
Ni:2.5%以下
のうち1種または2種を含有し、
P:0.025%以下、
N:0.007%以下、
O:0.0025%以下
に各々制限し、
残部が鉄および不可避的不純物からなり、
且つ、ベイナイトの組織分率を15%以下に制限し、フェライト結晶粒度が8番以上であることを特徴とする捩り疲労特性に優れた肌焼用鋼である。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1〜4記載の成分を有し、MnSのアスペクト比が10以下であることを特徴とする捩り疲労特性に優れた肌焼部品である。
【0011】
本発明の鋼を用いることにより、浸炭後に優れた捩り疲労特性を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、浸炭シャフト部品の製造において、浸炭焼入れ後に優れた捩り疲労特性を実現するために鋭意調査し、次の点を明らかにした。
【0013】
(1)浸炭焼入れ部材の捩り疲労破壊は次の過程で起きる。
A.表面または硬化層と芯部の境界で軸方向に平行な面でき裂が発生する。
B.軸方向に平行な面でき裂が初期伝播する。これを以下モードIII破壊と呼ぶ。
C.モードIII破壊の後、軸方向に45度の面で粒界割れをともなって脆性破壊を起こし、最終破壊を起こす。これを以下モードI破壊と呼ぶ。
【0014】
(2)捩り疲労き裂の発生、初期伝播は軸方向に平行な面で起きるが、この際、軸方向に伸長MnSが存在すると、き裂の発生と初期伝播は促進される。そのため、MnSを粒状化、微細化することによって、き裂の発生・初期伝播は抑制され、捩り疲労強度が飛躍的に向上する。伸長MnSの生成防止、MnSの粒状化、微細化のためにはTe、Ca、Zr、Mg、Y、希土類元素の添加が有効である。なおこれらの元素の多量添加は、粗大ZrN等の窒化物、酸化物生成の原因となり、冷間加工性を阻害するので、不適正である。これらの元素の添加によるMnSの粒状化は高周波焼入れ時の焼き割れ防止にも有効である。なお、先行技術のところで述べたように、特開平9−176784号公報には、MnSを球状化して異方性を改善することと、被削性を向上させることを狙いとして、Ca、Te、Zrを添加することが記述されている。しかしながらCa、Te、Zr添加してMnSを粒状化する狙いは、該公報では異方性を改善することと靭性や曲げ疲労特性を劣化させずに被削性を向上させることであるが、これに対して本発明では捩り疲労特性の向上と、両者で明らかに異なっている。また、該発明には曲げ疲労には言及しているものの、捩り疲労特性に関しては一切言及しておらず、上記のように、捩り疲労破壊と曲げ疲労破壊では、破壊の原因となる作用応力、き裂の発生する断面、破壊の形態がいずれも大きく異なることから、特開平9−176784号公報には本発明の上記の技術思想を示唆するような情報は全く含まれていない。
【0015】
(3)次に、素材の段階で、ベイナイト組織が混入すると、浸炭焼入れ後、元々ベイナイト組織の部分で粗大粒が発生するか混粒となりその近傍で硬さムラが生じる。この領域は軸方向に平行にバンド状に存在する。そのため、ベイナイト組織に起因するこの硬さムラの領域において、モードIIIの捩り疲労き裂の発生、初期伝播が促進される。以上の理由から、浸炭後の捩り疲労特性を改善するためには、素材の段階でベイナイト分率を規制する必要がある。
【0016】
(4)素材のフェライト粒度を微細化すると浸炭後も組織が均一に微細化し、硬さムラも少なくなり、モードIIIの捩り疲労き裂の発生、初期伝播が抑制される。
【0017】
(5)次に、上記捩り疲労破壊過程「C.」の欄で述べた、軸方向に45度の面で粒界割れを伴う脆性破壊モードIを抑制するためには、次の方法による粒界強化が有効である。
▲1▼必須元素としてBを添加。Bは粒界偏析Pを粒界から追い出す効果による。
▲2▼粒界偏析元素であるP、O量の低減。
▲3▼素材のベイナイト組織分率規制による浸炭時の粗大粒の抑制、および素材のフェライト組織の微細化による浸炭時のオーステナイト粒組織の微細化。
▲4▼冷鍛−浸炭工程のような粗大粒が発生しやすい場合に、粗大粒の発生を防止するには、Ti、Nbを添加し、Ti(CN)、Nb(CN)を微細分散させることが有効である。
▲5▼より一層捩り疲労強度の向上を図るためには、Si増量による粒界炭化物の微細化が有効。
【0018】
(6)なお、本発明で対象としている部品は切削や冷鍛等の冷間加工により製造されるものが多いために、冷間加工性の確保も重要な課題である。素材の段階で硬さの向上を抑えて、焼入れ性を向上させるためには、必須元素としてBを添加することが有効である。Bを焼入れ性に効かせるためには、Nの低減が必要であり、 本発明では、N量を0.0070%以下に低減する。
【0019】
本発明は以上の新規なる知見にもとづいてなされたものである。
【0020】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0021】
まず、成分の限定理由について説明する。
【0022】
Cは鋼に必要な強度を与えるのに有効な元素であるが、0.10%未満では必要な引張強さを確保することができず、0.4%を超えると硬くなって冷間加工性が劣化するとともに、浸炭後の芯部靭性が劣化するので、0.1〜0.4%の範囲内にする必要がある。
【0023】
Siは鋼の脱酸に有効な元素であるとともに、鋼に必要な強度、焼入れ性を与え、焼戻し軟化抵抗を向上するのに有効な元素であるが、0.01%未満ではその効果は不十分である。一方、1.2%を超えると、硬さの上昇を招き冷間鍛造性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.01〜1.2%の範囲内にする必要がある。冷間加工性を重視する場合の好適範囲は0.01〜0.5%であり、特別に冷間加工性を重視する場合の好適範囲は0.01〜0.15%である。また、捩り疲労特性を重視する場合の好適範囲は0.35超〜1.2%であり、特に高強度化を指向する場合は、0.5〜1.2%の範囲の添加が望ましい。
【0024】
Mnは鋼に必要な焼入れ性と強度を与えるのに有効な元素であるが、0.2%未満では効果は不十分であり、0.65%を超えるとその効果は飽和するのみならず、硬さの上昇を招き冷間鍛造性が劣化するので、0.2%〜0.65%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.3〜0.65%である。
【0025】
Sは鋼中でMnSを形成し、これによる被削性の向上を目的として添加するが、0.005%未満ではその効果は不十分である。一方、0.15%を超えるとその効果は飽和し、むしろ粒界偏析を起こし粒界脆化を招く。以上の理由から、Sの含有量を0.005〜0.15%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.005〜0.04%である。
【0026】
Crは鋼に強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であるが、0.5%未満ではその効果は不十分であり、1.6%を超えて添加すると硬さの上昇を招き冷間鍛造性が劣化する。以上の理由から、その含有量を0.5〜1.6%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.7〜1.5%であり、特に高い焼入れ性を指向する場合は、1.0〜1.5%の範囲の添加が望ましい。
【0027】
Bは次の3点を狙いとして添加する。▲1▼棒鋼・線材圧延において、圧延後の冷却過程でボロン鉄炭化物を生成することにより、フェライトの成長速度を増加させ、圧延ままでの軟質化を促進する。▲2▼浸炭焼入れに際して、鋼に焼入れ性を付与する。▲3▼浸炭材の粒界強度を向上させることにより、浸炭部品としての疲労強度・衝撃強度を向上させる。0.0005%未満の添加では、上記の効果は不十分であり、0.006%を超えるとその効果は飽和するので、その含有量を0.0005〜0.006%の範囲内にする必要がある。好適範囲は0.002〜0.004%である。
【0028】
Alは脱酸剤として有用であるとともに、鋼中に存在する固溶NをAlNとして固定し、固溶Bを確保するのに有用である。しかしAl量が多すぎるとAl2O3が過度に生成することとなり、内部欠陥が増大するとともに冷間加工性を劣化することとなる。したがって、本発明では0.0015〜0.1%とした。また固溶Nを固定する作用を有するTi無添加の場合には、Alは0.04〜0.1%とすることが好ましい。
【0029】
次に、本発明では、Te、Ca、Zr、Y、Mg、希土類元素のうち1種または2種以上を必須元素として含有させる。これらの元素は各々酸化物を生成し、この酸化物がMnSの生成核となるとともに、MnSが(Mn,Ca)Sや(Mn,Mg)Sのように組成改質される。これにより熱間圧延時にこれらの硫化物の延伸性が改善され、粒状MnSが微細分散するため、高周波焼入れ後の捩り疲労特性が向上する。このような効果は、Te:0.0005%未満、Ca:0.0005%未満、Zr:0.0003%未満、Mg:0.001%未満、Y:0.001%未満、希土類元素:0.001%未満の添加は不十分である。一方、Te:0.02%超、Ca:0.02%超、Zr:0.01%超、Mg:0.035%超、Y:0.1%超、希土類元素:0.15%超を添加すると、上記のような効果は飽和し、これらの過剰添加はむしろCaO、MgO等の粗大酸化物やそのクラスターを生成したり、ZrN等の硬質析出物を生成し、冷間加工性の劣化を招く。以上の理由から、これらの含有量をTe:0.0005〜0.02%、Ca:0.0005〜0.02%、Zr:0.0003〜0.01%、Mg:0.001〜0.035%、Y:0.001〜0.1%、希土類元素:0.001〜0.15%とした。なお、本発明でいう希土類元素とは原子番号57〜71番の元素を指す。
【0030】
Pは冷間鍛造時の変形抵抗を高め、靭性を劣化させる元素であるため、冷間鍛造性が劣化する。また、焼入れ、焼戻し後の部品の結晶粒界を脆化させることによって、疲労強度を劣化させるのでできるだけ低減することが望ましい。したがってその含有量を0.025%以下に制限する必要がある。好適範囲は0.015%以下である。
【0031】
Nは以下次の理由から極力制限することが望ましい。Bは上記のように焼入れ性向上、粒界強化等を目的として添加するが、これらのBの効果は鋼中で固溶Bの状態で初めて効果を発現するため、N量を低減してBNの生成を抑制することが必須である。また、Ti添加鋼やNb添加鋼において、Nは鋼中のTiと結びつくと粒制御にほとんど寄与しない粗大なTiNを生成し、これがNbC、NbC主体のNb(CN)とTiC、TiC主体のTi(CN)の析出サイトとなり、これらのTiの炭窒化物、Nbの炭窒化物の微細析出を阻害し粗大粒の生成を促進する。上記の悪影響はN量が0.007%超の場合特に顕著である。以上の理由から、その含有量を0.007%以下にする必要がある。
【0032】
また、Oは鋼中でAl2O3のような酸化物系介在物を形成する。酸化物系介在物が鋼中に多量に存在すると、 Ti添加鋼やNb添加鋼においては、Nbの析出物、Tiの析出物の析出サイトとなり、熱間加工時にNbの析出物、Tiの析出物が粗大に析出し、浸炭時に結晶粒の粗大化を抑制できなくなる。O含有量が0.0025%を超えるとこのような悪影響が顕著になるため、その含有量を0.0025%以下に制限する必要がある。好適範囲は0.002%以下である。
【0033】
以上が本発明が対象とする鋼の基本成分であるが、本発明の第2請求項ではさらに、Tiを添加することにより、TiによりNをTiNとして固定し、Nを無害化することにした。また、Tiは脱酸作用を有する元素である。但し、Tiを0.1%を超えて添加すると、TiCによる析出硬化が顕著になり、冷間加工性が顕著に劣化する。このため、必要に応じて、Ti:0.1%以下含有させることとした。冷間加工性を重視する場合の好適範囲は0.05%以下である。
【0034】
次に、本発明第3請求項では、Nb、Vの1種または2種を含有する。
【0035】
Nbは浸炭加熱の際に鋼中のC、Nと結びついてNb(CN)を形成し、結晶粒の粗大化抑制に有効な元素である。但し、0.05%を超えると、素材の硬さが硬くなって冷間加工性が劣化するとともに、棒鋼・線材圧延加熱時の溶体化が困難になる。以上の理由から、その含有量を0.05%以下にする必要がある。好適範囲は、0.03%以下である。
【0036】
VもNbと同様の効果を狙いとして添加する。但し、0.4%を超えると、素材の硬さが硬くなって冷間加工性が劣化するとともに、棒鋼・線材圧延加熱時の溶体化が困難になる。以上の理由から、その含有量を0.4%以下にする必要がある。好適範囲は、0.3%以下である。
【0037】
次に、本発明第4請求項では、Mo、Niの1種または2種を含有する。
【0038】
Moは鋼に強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であるが、1%を超えて添加すると硬さの上昇を招き冷間加工性が劣化する。以上の理由から、その含有量を1%以下の範囲内にする必要がある。
【0039】
Niも鋼に強度、焼入れ性を与えるのに有効な元素であるが、2.5%を超えて添加すると硬さの上昇を招き冷間鍛造性が劣化する。以上の理由から、その含有量を2.5%以下の範囲内にする必要がある。
【0040】
次に、本発明では、熱間加工後のベイナイトの組織分率を15%以下に制限するが、このように限定した理由を以下に述べる。
【0041】
熱間加工後の鋼材にベイナイト組織が混入すると、浸炭加熱時の粗大粒発生の原因になる。ベイナイトの組織分率が15%を超えると粗大粒の発生が特に顕著になる。また、ベイナイトの混入の抑制は冷間加工性改善の視点からも望ましい。以上の理由から、熱間加工後のベイナイトの組織分率を15%以下に制限する必要がある。好適範囲は10%以下である。
【0042】
次に、本発明では、フェライト結晶粒度番号を8番以上とするが、このように限定した理由を以下に述べる。熱間加工後のフェライト粒が8番未満の粗粒にすると、熱間加工材の延性が劣化し、冷間加工性・冷間鍛造性が劣化する。また、浸炭後の粒も粗大になり、硬さムラを生じ、モードIIIき裂が発生しやすくなるとともに、粒界強度が低下し、モードI破壊も起こしやすくなり、捩り疲労特性が劣化する。以上の理由から、フェライト結晶粒度番号を8番以上にする必要がある。
【0045】
次に、請求項5の発明は、捩り疲労特性に優れた肌焼部品についての発明である。請求項1〜4記載の上記成分を有し、MnSのアスペクト比が10以下に制限する。図1に肌焼軸部品について、MnSのアスペクト比と捩り疲労における時間強度の関係を調査した結果を示す。MnSのアスペクト比が10を超えると捩り疲労特性は顕著に劣化する。以上の理由から、MnSのアスペクト比を10以下に制限した。
【0046】
本発明では、鋳片のサイズ、凝固時の冷却速度、分塊圧延条件については特に限定するものではなく、本発明の要件を満足すればいずれの条件でも良い。また、本発明鋼は、圧延ままの棒鋼を冷間鍛造で部品に成形する工程だけでなく、冷間鍛造の前に焼鈍工程や温・熱間鍛造を経由する場合、温・熱間鍛造工程で部品に成形される場合、切削工程で部品に成形される場合にも適用できる。
【0047】
【実施例】
以下に、本発明の効果を実施例により、さらに具体的に示す。
【0048】
(実施例1)
表1に示す組成を有する鋼を溶製した。ここで、鋼中のZrの分析方法であるが、JIS G 1237−1997付属書3と同様の方法でサンプル処理した後、鋼中Nb量の分析同様に鋼中Zr量をICP(誘導結合プラズマ発光分光分析法)によって測定した。但し本発明での実施例の測定に供したサンプルは2gで、ICPにおける検量線も微量Zrに適するように設定して測定した。すなわちZr濃度が1〜200ppmとなるようにZr標準液を希釈して異なるZr濃度の溶液を作成し、そのZr量を測定することで検量線を作成した。なおこれらのICPに関する共通的な方法についてはJIS K 0116−1995(発光分光分析方法通則)およびJIS Z 8002−1991(分析、試験の許容差通則)による。
【0049】
162mm角の圧延素材としたのち、熱間圧延により、直径34〜42mmの棒鋼を製造した。熱間圧延後の冷却は、一部の材料は空冷、また一部の材料は冷却床に設置した保温カバーを用いて冷却速度を空冷よりも遅くした。
【0050】
圧延後の棒鋼の組織観察を行い、ベイナイトの組織分率、フェライト結晶粒度を求めた。
【0051】
また、圧延後の棒鋼のビッカース硬さを測定した。さらに、圧延ままの棒鋼から、据え込み試験片を作成し、冷間加工性の指標として、冷間変形抵抗と限界据え込み率を求めた。冷間変形抵抗は相当歪み1.0における変形抵抗で代表させた。
【0052】
さらに、圧延材から平行部直径20mmの静的捩り試験片、捩り疲労試験片を採取した。本試験片を930℃×5時間の条件で浸炭焼入れを行い、その後170℃×1時間の条件で焼戻しを行った。その後、静的捩り試験、捩り疲労試験を行った。捩り疲労特性は1×105サイクルでの時間強度で評価した。また、捩り試験片の長手方向の断面において、画像解析装置を用いて、MnSのアスペクト比を求めた。これらの調査結果を表2、3に示す。
【0053】
比較例25はJISのSCr420相当鋼の特性、比較例26はJISのSCM420相当鋼の特性である。また、比較例27、28はボロン鋼の特性である。これらの比較例では、いずれもMnSのアスペクト比が本発明規定の範囲を上回っている。そして、本発明例と比較例を比較すると、本発明例の捩り疲労強度は比較例に比べて顕著に優れている。
【0054】
次に、比較例29は圧延後、引き続いて650℃の炉において焼鈍を行った場合であり、フェライト結晶粒度が本発明規定の範囲を下回った場合である。また、比較例30、31は圧延後、引き続いて水冷による加速冷却を行った場合であり、ベイナイト組織分率が本発明規定の範囲を上回った場合である。比較例29〜31は、いずれも捩り疲労特性が本発明例に比べて劣っている。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0061】
【発明の効果】
本発明の捩り疲労特性に優れた肌焼用鋼ならびに肌焼き部品を用いれば、各種シャフト部品として優れた捩り疲労特性を有する製品を得ることができる。本発明鋼と本発明部品を用いることによって、各種シャフト類の捩り疲労強度の向上が可能になり、自動車の高出力化や軽量化が可能になる。以上のように、本発明による産業上の効果は極めて顕著なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 捩り疲労試験における時間強度とMnSのアスペクト比の関係を示す図である。
Claims (5)
- 質量%で、
C:0.1〜0.4%、
Si:0.01〜1.2%、
Mn:0.2〜0.65%、
S:0.005〜0.15%、
Cr:0.5〜1.6%、
B:0.0005〜0.006%、
Al:0.015〜0.1%、
を含有し、さらに、
Te:0.0005〜0.02%、
Ca:0.0005〜0.02%、
Zr:0.0003〜0.01%、
Mg:0.001〜0.035%、
Y:0.001〜0.1%、
希土類元素:0.001〜0.15%
のうち1種または2種以上を含有し、
P:0.025%以下、
N:0.007%以下、
O:0.0025%以下
に各々制限し、
残部が鉄および不可避的不純物からなり、
且つ、ベイナイトの組織分率を15%以下に制限し、フェライト結晶粒度が8番以上であることを特徴とする捩り疲労特性に優れた肌焼用鋼。 - さらに、質量%で、Ti:0.1%以下を含有することを特徴とする請求項1記載の捩り疲労特性に優れた肌焼用鋼。
- さらに、質量%で、Nb:0.05%以下V:0.4%以下のうち1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の捩り疲労特性に優れた肌焼用鋼。
- さらに、質量%で、Mo:1%以下、Ni:2.5%以下のうち1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の捩り疲労特性に優れた肌焼用鋼。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の成分を有し、MnSのアスペクト比が10以下であることを特徴とする捩り疲労特性に優れた肌焼部品。
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