JP4210143B2 - 電気部品用樹脂成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電磁開閉器等の接点支持用の部材やハウジング、半導体デバイス等の電子部品の封止剤として好適に用いられる、耐熱性、難燃性、寸法安定性等の熱的特性、耐磨耗性等の機械的特性に優れる電気部品用の樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルやポリアミド等の熱可塑性樹脂や、エポキシ等の熱硬化性樹脂は、汎用樹脂、エンジニアリングプラスチックとして優れた成形加工性、機械的強度、電気特性を有していることから、電気部品用樹脂成形品として広く用いられている。そして、これらの樹脂成形品等の製品は、高温による火災防止を目的とした安全上の観点から難燃性が要求されており、例えば、難燃グレードとしてUL94のような規格が設けられている。
【0003】
例えば、上記の電気部品の一例である電磁開閉器は、制御システムの重要な構成部品として、PLCやインバータなど電子応用装置の使用回路やコンデンサ負荷開閉など幅広い分野で使用されており、この成形品は、接点で発生する熱及び接点の繰り返し運動による負荷に耐える必要があることから、難燃性に加えて、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、電気的特性に関して高度の物性が要求される部品の一つである。
【0004】
一般に、このような樹脂成形品の難燃化としては、特にハロゲン物質の添加が有効であることが知られており、樹脂に添加させて使用されている。このハロゲン系難燃剤のメカニズムは、主に熱分解によりハロゲン化ラジカルが生成し、このハロゲン化ラジカルが燃焼源である有機ラジカルを捕捉することで、燃焼の連鎖反応を停止させ、高難燃性を発現させると言われている。
【0005】
しかし、ハロゲン化合物を大量に含む難燃剤は、燃焼条件によってはダイオキシン類が発生する可能性があり、環境への負荷を低減する観点から、近年ハロゲン量を低減させる要求が高まっている。したがって、ハロゲン系化合物を含有しない非ハロゲン系難燃剤が各種検討されている。
【0006】
このような非ハロゲン系難燃剤としては、金属水和物や赤リン等の無機難燃剤、リン酸エステル等の有機リン系難燃剤等が検討されているが、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムといった金属水和物の場合、難燃性付与効果があまり高くないので、樹脂に多量に配合する必要がある。したがって、樹脂の成形性が悪くなったり、得られる成形品等の機械的強度が低下しやすく、使用可能な成形品等の用途が限定されるという問題がある。また、赤りんは、難燃効果は高いが、分散不良により電気特性を阻害したり、危険ガスが発生したり、成形性を低下するとともにブリード現象を起こしやすい。
【0007】
一方、リン酸エステル等のリン系難燃剤としては、例えば、特開2002−20394号公報には、ホスホリナン構造を有する酸性リン酸エステルのピペラジン塩もしくはC1〜6のアルキレンジアミン塩を難燃剤として使用することが開示されている。
【0008】
また、特開2002−80633号公報には、リン酸モノフェニル、リン酸モノトリル等の芳香族リン酸エステルとピペラジン等の脂肪族アミンとからなる塩を主成分とする樹脂用難燃剤が開示されている。
【0009】
更に、特開2002−138096号には、ハロゲンフリーの難燃処方として優れた難燃効果を発現させると共に、成形品の耐熱性、耐水性の物性に優れ、また電気積層板用途における密着性に優れる難燃エポキシ樹脂を得るための難燃剤としてリン含有フェノール化合物を用いることが開示されている。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−20394号公報
【特許文献2】
特開2002−80633号公報
【特許文献3】
特開2002−138096号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特開2002−20394号公報、特開2002−80633号公報、特開2002−138096号公報に用いられているようなリン酸エステル化合物においては、その難燃性が不充分であるため高濃度で配合する必要があった。
【0012】
また、分子内に樹脂成分と反応するための反応基を有していないために、難燃剤成分が樹脂中を移行しやすく、成型時に揮発して金型を汚染したり、樹脂の表面に難燃剤がブリードアウトするという問題があった。
【0013】
したがって、本発明の目的は、樹脂への少量の添加でも難燃性、耐熱性に優れるとともに難燃剤のブリードアウト等を防止でき、加えて、成形品の機械特性、電気特性、寸法安定性、成形性にも優れ、特に電磁開閉器等の接点支持用部材やハウジング等として好適に用いることができる電気部品用樹脂成形品を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の電気部品用樹脂成形品は、樹脂と、下記の一般式(I)で示される有機リン化合物からなる反応性難燃剤と、末端に少なくとも1つ以上の不飽和基を有する環状の含窒素化合物からなる難燃剤と、無機充填剤とを含有する樹脂組成物を成形固化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られることを特徴とする。
【0015】
【化2】
【0016】
(式(I)中、R1〜R3はそれぞれ、−O−R4、−NH−R5、−NHCH2CH=CH2、−NR6CH2CH=CH2、−N(CH2CH=CH2)2より選ばれる基を表し、式(I)中に少なくとも1つのアリル基(−CH2CH=CH2基)を有する。R1〜R3は同一又は異なっていてもよい。R4〜R6はそれぞれ、フェニル、ヒドロキシフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、フェニルフェニル、ヒドロキシフェニルフェニル、ベンジルフェニル、ヒドロキシベンジルフェニル、ベンゾイルフェニル、ヒドロキシベンゾイルフェニル、フェノキシフェニル、ヒドロキシフェノキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、フェニルイソプロピリデンフェニル、ヒドロキシフェニルイソプロピリデンフェニル、2,6−ジフェニルフェニルより選ばれる基を表す。R4〜R6は同一又は異なっていてもよい。)
【0017】
本発明の電気部品用樹脂成形品によれば、1分子内に少なくとも1つの末端不飽和結合を有しているリン化合物を用い、この末端不飽和結合を、加熱又は放射線の照射によって反応させ、樹脂と結合させることができる。これにより、難燃剤成分が樹脂中に安定して存在するので、難燃剤のブリードアウトを防止して、少量の添加でも難燃性を長期間付与できる。
【0018】
また、難燃剤と樹脂との結合によって、樹脂が3次元網目構造に架橋化するので、得られる樹脂成形品の化学的安定性、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、難燃性、及び成形性の全てに優れる樹脂成形品を得ることができ、特に耐熱性と機械強度を向上させることができる。
また、上記環状の含窒素化合物を併用することで、該環状の含窒素化合物と樹脂との結合によって、樹脂が3次元網目構造に架橋できるので、コストダウンを図りつつ、得られる樹脂成形品の化学的安定性、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、難燃性、及び成形性の全てに優れる樹脂成形品を得ることができる。また、樹脂としてポリアミド系樹脂を用いた場合には、樹脂との相溶性がより向上する。
【0019】
本発明においては、前記電気部品用樹脂成形品全体に対して、前記反応性難燃剤を1〜20質量%含有することが好ましい。この態様によれば、上記のように、樹脂と難燃剤との結合によってブリードアウトを防止できるので、上記範囲の少量の添加でも充分な難燃性を有する樹脂成形品を得ることができる。
【0020】
また、本発明においては、前記反応性難燃剤を2種類以上含有し、少なくとも1種類が多官能性の前記反応性難燃剤であることが好ましい。この態様によれば、反応性の異なる難燃剤の併用によって架橋に要する反応速度を制御できるので、急激な架橋反応の進行による樹脂の収縮等を防止することができる。更に、アリル基の数は2以上である多官能性の難燃剤を用いるので、より均一な3次元網目構造が形成でき、耐熱性、難燃性がより一層向上するとともに、より安定した樹脂物性が得られる。
【0022】
また、本発明においては、前記反応性難燃剤1質量部に対して、前記環状の含窒素化合物を0.5〜10質量部含有することが好ましい。
【0023】
更に、本発明においては、前記電気部品用樹脂成形品全体に対して5〜40質量%の強化繊維を含有することが好ましい。この態様によれば、強化繊維の含有により、樹脂成形品の引張り、圧縮、曲げ、衝撃等の機械的強度を向上させることができ、更に水分や温度に対する物性低下を防止することができる。
【0024】
また、本発明においては、前記電気部品用樹脂成形品全体に対して1〜35質量%の前記無機充填剤を含有することが好ましい。この態様によれば、架橋に伴う収縮や分解を抑え、寸法安定性に優れる樹脂成形品を得ることができる。
【0025】
更に、本発明においては、前記電気部品用樹脂成形品が、前記無機充填剤及び前記強化繊維を含有し、前記電気部品用樹脂成形品全体に対して、前記無機充填剤及び前記強化繊維を65質量%以下含有することが好ましい。この態様によれば、過剰の無機物の含有によって、樹脂固有の特性が得られず、樹脂の成形性が低下したり、樹脂成形品が脆くなったりするのを防止できる。
【0026】
また、本発明においては、前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、線量10kGy以上の電子線又はγ線の照射によって反応して得られることが好ましい。この態様によれば、樹脂を成形等によって固化した後に、放射線によって架橋できるので、樹脂成形品を生産性よく製造できる。また、上記範囲の線量とすることにより、線量不足による3次元網目構造の不均一な形成や、未反応の架橋剤残留によるブリードアウトを防止できる。また、線量過剰によって生じる酸化分解生成物に起因する、樹脂成形品の内部歪みによる変形や収縮等も防止できる。
【0027】
更に、本発明においては、前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、前記樹脂組成物を成形する温度より5℃以上高い温度で反応して得られることも好ましい。この態様によれば、放射線照射装置等が不要であり、特に熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物において好適に用いることができる。
【0028】
また、本発明においては、前記電気部品用樹脂成形品が、電磁開閉器、受電盤、配電盤、遮断器、変圧器、電磁接触器、サーキットプロテクタ、リレー、トランス、センサ、モーター、半導体デバイスより選択される1種に用いられるものであることが好ましい。本発明の電気部品用樹脂成形品は、上記のように、難燃性、耐熱性、機械特性、電気特性、寸法安定性、及び成形性の全てに優れるので、これらの物性が特に厳密に要求される、上記電気部品として特に好適に用いられる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0030】
本発明の電気部品用樹脂成形品は、樹脂と、後述する一般式(I)で示される有機リン化合物からなる反応性難燃剤と、末端に少なくとも1つ以上の不飽和基を有する環状の含窒素化合物からなる難燃剤と、無機充填剤とを含有する樹脂組成物を成形固化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られる。
【0031】
まず、本発明に用いる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用可能であり特に限定されない。
【0032】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリブタジエン樹脂等が挙げられる。なかでも、機械特性や耐熱性等の点から、ポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂を用いることが好ましい。
【0033】
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ケイ素樹脂等が挙げられる。なかでも、機械特性や耐熱性等の点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂を用いることが好ましい。
【0034】
次に、本発明に用いる反応性難燃剤は、樹脂との反応性を有し、該反応により前記樹脂と結合することによって難燃性を付与する反応性難燃剤であって、下記の一般式(I)で示される有機リン化合物である。
【0035】
【化3】
【0036】
(式(I)中、R1〜R3はそれぞれ、−O−R4、−NH−R5、−NHCH2CH=CH2、−NR6CH2CH=CH2、−N(CH2CH=CH2)2より選ばれる基を表し、式(I)中に少なくとも1つのアリル基(−CH2CH=CH2基)を有する。R1〜R3は同一又は異なっていてもよい。R4〜R6はそれぞれ、フェニル、ヒドロキシフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、フェニルフェニル、ヒドロキシフェニルフェニル、ベンジルフェニル、ヒドロキシベンジルフェニル、ベンゾイルフェニル、ヒドロキシベンゾイルフェニル、フェノキシフェニル、ヒドロキシフェノキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、フェニルイソプロピリデンフェニル、ヒドロキシフェニルイソプロピリデンフェニル、2,6−ジフェニルフェニルより選ばれる基を表す。R4〜R6は同一又は異なっていてもよい。)
【0037】
なお、上記のうち、フェニルは(−C6H5)を、ヒドロキシフェニルは(―C6H4−OH)を、α−ナフチルは(−α-C10H7)を、β−ナフチルは(−β-C10H7)を、フェニルフェニルは(−C6H4−C6H5)を、ヒドロキシフェニルフェニルは(−C6H4−C6H4−OH)を、ベンジルフェニルは(−C6H4−CH2−C6H5)を、ヒドロキシベンジルフェニルは(−C6H4−CH2−C6H4−OH)を、ベンゾイルフェニルは(−C6H4−C(=O)−C6H5)を、ヒドロキシベンゾイルフェニルは(−C6H4−C(=O)−C6H4−OH)を、フェノキシフェニルは(−C6H4−O−C6H5)を、ヒドロキシフェノキシフェニルは(−C6H4−O−C6H4−OH)を、ベンジルは(−CH2−C6H5)を、ヒドロキシベンジルは(−CH2−C6H4−OH)を、フェニルイソプロピリデンフェニルは(−C6H4−C(CH3)2−C6H4−OH)を、ヒドロキシフェニルイソプロピリデンフェニルは(−C6H4−C(CH3)2−C6H4−OH)を、2,6−ジフェニルフェニルは(−C6H3(C6H5)2)を意味する。
【0038】
上記の一般式(I)に含まれる1つ以上のアリル基は、後述する熱、又は放射線等の照射によって樹脂と結合するための官能基である。なお、架橋反応を円滑に進行させるため、一般式(I)中のアリル基の数は2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。
【0039】
アリル基以外の置換基となるR4〜R6の、フェニル、ヒドロキシフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、フェニルフェニル、ヒドロキシフェニルフェニル、ベンジルフェニル、ヒドロキシベンジルフェニル、ベンゾイルフェニル、ヒドロキシベンゾイルフェニル、フェノキシフェニル、ヒドロキシフェノキシフェニル、ベンジル、ヒドロキシベンジル、フェニルイソプロピリデンフェニル、ヒドロキシフェニルイソプロピリデンフェニル、2,6−ジフェニルフェニルは、一般式(I)の化合物の蒸気圧を低下させることを目的として導入している。
【0040】
これにより、芳香環を導入することで分子量が増大し、エネルギー的にも安定化することにより熱分解温度が向上するので、樹脂への混練、成形時における難燃剤の気化や、成形時の熱や剪断による難燃剤の分解を防止でき、成形性が向上する。また、炭素を多く含有することで、樹脂分解時にすすが生成、堆積することによって難燃性が向上する、いわゆるチャー効果も得られる。
【0041】
上記の置換基のうち、難燃性発現の中心的要素であるリン酸骨格部分の含量をなるべく高く保つために、上記の−O−R4でR4がフェニル基となるフェノキシ基を有していることが好ましい。フェノキシ等の導入により、難燃剤の揮発性が抑制され、プラスチックとの配合、架橋反応をより効率的に行うことができる。また、プラスチックに配合したときの自由体積分率を減らして貯蔵弾性率を高く保つことができる。
【0042】
上記の一般式(I)で示される有機リン化合物の具体例としては、N,N',N''−トリアリルホスホリックトリアミド(I−1)、N,N,N',N',N'',N''−ヘキサアリルホスホリックトリアミド(I−2)、N,N',N''−トリアリルN,N',N''−トリフェニルホスホリックトリアミド(I−3)、フェノキシホスホリック−N,N'−ジアリルジアミド(I−4)、フェノキシホスホリック−N,N,N',N'−テトラアリルジアミド(I−5)、ジ(α−ナフトキシ)ホスホリック−N,N−ジアリルモノアミド(I−6)、ジ(β−ナフトキシ)ホスホリック−N,N−ジアリルモノアミド(I−7)、p−フェニルフェノキシホスホリック−N,N,N',N'−テトラアリルジアミド(I−8)、p−ベンジルフェノキシホスホリック−N,N,N',N'−テトラアリルジアミド(I−9)、p−ベンゾイルフェノキシホスホリック−N,N,N',N'−テトラアリルジアミド(I−10)、p−フェノキシフェノキシホスホリック−N,N,N',N'−テトラアリルジアミド(I−11)、p−ベンジロキシホスホリック−N,N,N',N'−テトラアリルジアミド(I−12)、N,N,N',N'−テトラアリル−N''−αナフチルホスホリックトリアミド(I−13)、N,N,N',N'−テトラアリル−N''−βナフチルホスホリックトリアミド(I−14)、N,N,N',N'−テトラアリル−N''−(p−フェニル)フェニルホスホリックトリアミド(I−15)、N,N,N',N'−テトラアリル−N''−(p−ベンジル)フェニルホスホリックトリアミド(I−16)、N,N,N',N'−テトラアリル−N''−(p−ベンゾイル)フェニルホスホリックトリアミド(I−17)、N,N,N',N'−テトラアリル−N''−(p−フェノキシ)フェニルホスホリックトリアミド(I−18)、N,N,N',N'−テトラアリル−N''−ベンジルホスホリックトリアミド(I−19)、N−アリルジフェノキシホスホリックモノアミド(I−20)、N,N,N',N’−テトラアリル−(p−ヒドロキシフェノキシ)ホスホリックジアミド(I−21)等の化合物が例示できる。これらの構造式は以下の通りである。
【0043】
【化4】
【0044】
【化5】
【0045】
【化6】
【0046】
上記の一般式(I)で示される化合物のうち、本発明においては、反応性の異なる2種類以上の化合物、すなわち、1分子中の上記官能基の数が異なる2種類以上の化合物を併用することが好ましい。これによって、架橋に要する反応速度を制御できるので、急激な架橋反応の進行による樹脂成形品の収縮を防止することができる。
【0047】
上記の一般式(I)で示される化合物の合成は、例えば、オキシ塩化リン(塩化ホスホリル)と、アリルアミン、ジアリルアミン、N−アリルアニリン、α−ナフチルアミン、β−ナフチルアミン、フェニルアニリン、ベンジルアニリン、ベンゾイルアニリン、フェノキシアニリン、ベンジルアミンの中から選ばれた該当するアミンと、フェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、ベンゾイルフェノール、フェノキシフェノール、ベンジルアルコールの中から選ばれた芳香族化合物とを、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン等の脱塩酸剤存在下に反応させて得ることができる。
【0048】
例えば、上記のN,N',N''−トリアリルホスホリックトリアミドは、蒸留したジエチルエーテル、トリエチルアミン、アリルアミンの混合溶液を冷却し、撹拌しながらオキシ塩化リンを滴下し、続いて0〜5℃で3時間、室温で12時間反応させ、析出したアミン塩酸塩をろ去し、減圧濃縮して得ることができる。
【0049】
上記反応性難燃剤の含有量は、前記電気部品用樹脂成形品全体に対して、前記反応性難燃剤を1〜20質量%含有することが好ましく、1〜15質量%含有することがより好ましい。反応性難燃剤の含有量が1質量%未満の場合、反応による架橋が不充分であり、得られる樹脂成形品の機械的物性、熱的物性、電気的物性が好ましくなく、また、20質量%を超えると、反応性難燃剤が過剰となり、反応性難燃剤の未反応のモノマーや分解ガスが発生したり、オリゴマー化したものがブリードアウトするので好ましくない。
【0050】
また、本発明においては、更に上記反応性難燃剤以外の難燃剤として、末端に少なくとも1つ以上の不飽和基を有する環状の含窒素化合物を含有する。
【0051】
上記環状の含窒素化合物は、前記反応性難燃剤1質量部に対して、0.5〜10質量部含有することがより好ましい。また、末端の不飽和基は2以上であることがより好ましい。
【0052】
上記の末端に不飽和基を有する基としては、具体的にはジアクリレート、ジメタクリレート、ジアリレート、トリアクリレート、トリメタクリレート、トリアリレート、テトラアクリレート、テトラメタクリレート、テトラアリレート等が挙げられるが、反応性の点からはジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレート等のアクリレートであることがより好ましい。
【0053】
また、環状の含窒素化合物としては、イソシアヌル環、シアヌル環等が挙げられる。
【0054】
上記の末端に少なくとも1つの不飽和基を有する環状の含窒素化合物の具体例としては、上記のシアヌル酸又はイソシアヌル酸の誘導体が挙げられ、例えば、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、トリイソシアヌールトリアクリレート等の多官能性モノマー又はオリゴマーが例示できる。
【0055】
本発明に用いる樹脂組成物には、上記の樹脂と難燃剤の他、無機充填剤を含有する。これによって、樹脂成形品の機械的強度が向上するとともに、寸法安定性を向上させることができる。また、反応性難燃剤を吸着させる基体となって、反応性難燃剤の分散を均一化する。
【0056】
無機充填剤としては、従来公知のものが使用可能であり、代表的なものとしては、銅、鉄、ニッケル、亜鉛、錫、ステンレス鋼、アルミニウム、金、銀等の金属粉末、ヒュームドシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸、含水珪酸カルシウム、含水珪酸アルミニウム、ガラスビーズ、カーボンブラック、石英粉末、雲母、タルク、マイカ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、硫酸マグネシウム、チタン酸カリウム、ケイソウ土等が挙げられる。これらの充填剤は、単独でも、2種以上を併用して用いてもよく、また、公知の表面処理剤で処理されたものでもよい。
【0057】
無機充填剤の含有量は、電気部品用樹脂成形品全体に対して1〜35質量%含有することが好ましく、1〜20質量%がより好ましい。含有量が1質量%より少ないと、電気部品用樹脂成形品の機械的強度が不足し、寸法安定性が不充分であり、更に反応性難燃剤の吸着が不充分となるので好ましくない。また、35質量%を超えると、電気部品用樹脂成形品が脆くなるので好ましくない。
【0058】
また、本発明においては、更に強化繊維を含有することが好ましい。これによって、例えば成形品の場合には機械的強度が向上するとともに、寸法安定性を向上させることができる。強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維が挙げられ、強度、及び樹脂や無機充填剤との密着性の点からガラス繊維を用いることが好ましい。これらの強化繊維は、単独でも、2種以上を併用して用いてもよく、また、シランカップリング剤等の公知の表面処理剤で処理されたものでもよい。
【0059】
また、ガラス繊維は、表面処理されており、更に樹脂で被覆されていることが好ましい。これにより、熱可塑性ポリマーとの密着性を更に向上することができる。
【0060】
表面処理剤としては、公知のシランカップリング剤を用いることができ、具体的には、メトキシ基及びエトキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種のアルコキシ基と、アミノ基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、イソシアネート基よりなる群から選択される少なくとも一種の反応性官能基を有するシランカップリング剤が例示できる。
【0061】
また、被覆樹脂としても特に限定されず、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0062】
強化繊維の配合量は、電気部品用樹脂成形品に対して5〜40質量%含有することが好ましく、10〜35質量%がより好ましい。含有量が5質量%より少ないと、電気部品用樹脂成形品の機械的強度が低下するとともに、寸法安定性が不充分であるので好ましくなく、また、40質量%を超えると、樹脂の加工が困難になるので好ましくない。
【0063】
また、上記の無機充填剤及び強化繊維を含有し、電気部品用樹脂成形品全体に対して、無機充填剤及び強化繊維を65質量%以下含有することが好ましく、55質量%以下含有することがより好ましい。無機充填剤及び強化繊維の含有量が65質量%を超えると、樹脂成分の割合が減少して成形性が低下したり、得られる樹脂成形品が脆くなったりして物性が低下するので好ましくない。
【0064】
なお、本発明に用いる樹脂組成物には、本発明の目的である耐熱性、耐候性、耐衝撃性等の物性を著しく損わない範囲で、上記以外の常用の各種添加成分、例えば結晶核剤、着色剤、酸化防止剤、離型剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤などの添加剤を添加することができる。また、後述するように、例えば紫外線によって樹脂と反応性難燃剤とを反応させる場合には、紫外線開始剤等を用いることができる。また、加熱によって樹脂と反応性難燃剤とを反応させる場合には、高温ラジカル重合開始剤等を用いることができる。
【0065】
着色剤としては特に限定されないが、後述する放射線照射によって褪色しないものが好ましく、例えば、無機顔料である、ベンガラ、鉄黒、カーボン、黄鉛等や、フタロシアニン等の金属錯体が好ましく用いられる。
【0066】
本発明の電気部品用樹脂成形品は、上記の樹脂組成物を固化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られる。
【0067】
樹脂組成物の固化は従来公知の方法が用いられ、例えば、熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物の場合には、熱可塑性樹脂と反応性難燃剤とを溶融混練してペレット化した後、従来公知の射出成形、押出成形、真空成形、インフレーション成形等によって成形することができる。溶融混練は、単軸或いは二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどの通常の溶融混練加工機を使用して行うことができる。混練温度は熱可塑性樹脂の種類によって適宜選択可能であり、例えばポリアミド系樹脂の場合には240〜280℃で行なうことが好ましい、また、成形条件も適宜設定可能であり特に限定されない。なお、この段階では全く架橋は進行していないので、成形時の余分のスプール部は、熱可塑性樹脂としてのリサイクルが可能である。
【0068】
一方、熱硬化性樹脂の場合には、上記と同様に、熱硬化性樹脂と反応性難燃剤とを溶融混練してペレット化した後、例えば、従来公知の射出成形、圧縮成形、トランスファー成形等を用いて成形することができる。
【0069】
上記の樹脂組成物は、加熱又は放射線の照射によって、反応性難燃剤の末端の不飽和結合が、樹脂と反応して架橋反応し、樹脂中に安定に存在する。
【0070】
反応性難燃剤と樹脂とを反応させる手段として熱を用いる場合、反応させる温度は、樹脂の成形温度より5℃以上高い温度とすることが好ましく、10℃以上高い温度とすることがより好ましい。
【0071】
また、架橋の手段として放射線を用いる場合には、電子線、α線、γ線、X線、紫外線等が利用できる。なお、本発明における放射線とは広義の放射線を意味し、具体的には、電子線やα線等の粒子線の他、X線や紫外線等の電磁波までを含む意味である。
【0072】
上記のうち、電子線又はγ線の照射が好ましい。電子線照射は公知の電子加速器等が使用でき、加速エネルギーとしては、2.5MeV以上であることが好ましい。γ線照射は、公知のコバルト60線源等による照射装置を用いることができる。
【0073】
γ線照射は、公知のコバルト60線源等による照射装置を用いることができる。γ線は電子線に比べて透過性が強いために照射が均一となり好ましいが、照射強度が強いため、過剰の照射を防止するために線量の制御が必要である。
【0074】
放射線の照射線量は10kGy以上であることが好ましく、10〜45kGyがより好ましい。この範囲であれば、架橋によって上記の物性に優れる樹脂成形品が得られる。照射線量が10kGy未満では、架橋による3次元網目構造の形成が不均一となり、未反応の架橋剤がブリードアウトする可能性があるので好ましくない。また、45kGyを超えると、酸化分解生成物による樹脂成形品に内部歪みが残留し、これによって変形や収縮等が発生するので好ましくない。
【0075】
このようにして得られた本発明の電気部品用樹脂成形品は、成形品として、耐熱性、難燃性に加えて、機械特性、電気特性、寸法安定性、及び成形性に優れる。したがって、高度な耐熱性、難燃性が要求される電気部品として、接点支持用の部材やハウジングとして好適に用いることができる。
【0076】
このような電気部品の具体例としては、受電盤、配電盤、電磁開閉器、遮断器、変圧器、電磁接触器、サーキットプロテクタ、リレー、トランス、各種センサー類、各種モーター類、ダイオード、トランジスタ、集積回路等の半導体デバイス等が挙げられる。なお、本発明における電気部品とは、上記の半導体デバイス等の電子部品を含む意味である。
【0077】
また、本発明の樹脂成形品は、上記の半導体デバイス等の封止、被覆、絶縁等としても用いることができる。例えば、上記の樹脂組成物を封止して樹脂を硬化させ、更に上記の加熱又は放射線照射による反応を行なうことにより、半導体チップやセラミックコンデンサ等の電子部品や電気素子を封止する難燃性封止剤として用いることができる。封止の方法としては、注入成形、ポッティング、トランスファー成形、射出成形、圧縮成形等による封止が可能である。また、封止対象となる電気部品としては特に限定されないが、例えば、液晶、集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、コンデンサ等が挙げられる。
【0078】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、化合物の構造は、TOF−Mass(飛行時間型質量分析)スペクトル及び元素分析によって決定した。
【0079】
合成例1
蒸留したジエチルエーテル800ml、トリエチルアミン404.8g(4.00モル)、アリルアミン199.8g(3.50モル)の混合溶液を0〜5℃に冷却し、撹拌しながらオキシ塩化リン153.3g(1.00モル)を1時間かけて滴下した。続いて、0〜5℃で3時間、室温で12時間反応させ、析出したアミン塩酸塩をろ去し、減圧濃縮して、下記構造式(I−1)のN,N',N''−トリアリルホスホリックトリアミド206.6g(収率約96%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0080】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=216,217,218(分子量計算値=215.23)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−NH−2.95(3H),−CH2−3.55(6H),−CH=5.85(3H),=CH25.05〜5.45(6H)
【0081】
【化7】
【0082】
合成例2
トリエチルアミンの代わりにピリジン316.4g(4.00モル)、アリルアミンの代わりにジアリルアミン340.1g(3.50モル)を用いた以外は、合成例1と同様にして、下記構造式(I−2)のN,N,N',N',N'',N''−ヘキサアリルホスホリックトリアミド315.3g(収率約94%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0083】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=336,337,338(分子量計算値=335.43)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH−3.45〜3.6(12H),−CH=5.60〜5.75(6H),=CH24.95〜5.05(12H)
【0084】
【化8】
【0085】
合成例3
トリエチルアミンの代わりに400メッシュの無水炭酸カリウム396.4g(4.00モル)、アリルアミンの代わりにN−アリルアニリン466.2g(3.50モル)を用いた以外は、上記合成例1と同様にして、下記構造式(I−3)のN,N',N''−トリアリルN,N',N''−トリフェニルホスホリックトリアミド430.2g(収率約97%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0086】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=444,445,446(分子量計算値=443.53)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.6(6H),−CH=5.85(3H),=CH25.05〜5.45(6H),フェニルC−H7.02〜7.45(15H)
【0087】
【化9】
【0088】
合成例4
オキシ塩化リン153.3g(1.00モル)の蒸留ジエチルエーテル300ml溶液を0〜5℃に冷却し、撹拌しながらトリエチルアミン111.3g(1.10モル)とフェノール94.1g(1.00モル)の蒸留ジエチルエーテル300mlの混合溶液を1時間かけて滴下した後、0〜5℃で3時間、室温で12時間反応させた。反応混合物を再び0〜5℃に冷却し、撹拌しながらトリエチルアミン303.6g(3.00モル)とアリルアミン171.3g(3.00モル)の蒸留ジエチルエーテル300mlの混合溶液を1時間かけて滴下し、その後、0〜5℃で3時間、室温で12時間反応させた。析出したアミン塩酸塩をろ去し、減圧濃縮して、下記構造式(I−4)のフェノキシホスホリック−N,N'−ジアリルジアミド232.1g(収率約92%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0089】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=254,255,256(分子量計算値=252.26)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−NH−2.95(2H),−CH2−3.55(4H),−CH=5.80(2H),=CH25.05〜5.45(4H),フェニルC−H7.05〜7.40(5H)
【0090】
【化10】
【0091】
合成例5
アリルアミンの代わりにジアリルアミン291.5g(3.00モル)を用いた以外は、上記合成例4と同様にして、下記構造式(I−5)のフェノキシホスホリック−N,N,N',N'−テトラアリルジアミド315.8g(収率約95%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0092】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=334,335,336(分子量計算値=332.38)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.60(8H),−CH=5.80(4H),=CH25.05〜5.45(8H),フェニルC−H7.05〜7.40(5H)
【0093】
【化11】
【0094】
合成例6
オキシ塩化リン153.3g(1.00モル)の蒸留テトラヒドロフラン(THF)300ml溶液を0〜5℃に冷却し、撹拌しながらトリエチルアミン222.6g(2.20モル)とα−ナフトール288.3g(2.00モル)の蒸留THF500mlの混合溶液を1時間かけて滴下し、その後0〜5℃で3時間、室温で12時間反応させた。反応混合物を再び0〜5℃に冷却し、撹拌しながらトリエチルアミン101.2g(1.00モル)とジアリルアミン145.7g(1.50モル)の蒸留THF300mlの混合溶液を1時間かけて滴下し、その後0〜5℃で3時間、室温で12時間反応させた。析出したアミン塩酸塩をろ去し、減圧濃縮して溶媒を乾燥酢酸エチルに換え、少量のアミン塩酸塩沈殿を再びろ去し、減圧濃縮して、下記構造式(I−6)のジ(α−ナフトキシ)ホスホリック−N,N−ジアリルモノアミド416.3g(収率約97%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0095】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=431,432,433(分子量計算値=429.23)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.55(4H),−CH=5.80(2H),=CH25.05〜5.45(4H),ナフチルC−H6.95〜7.55(7H)
【0096】
【化12】
【0097】
合成例7
α−ナフトールの代わりにβ−ナフトールを用いた以外は、上記合成例6と同様にして、下記構造式(I−7)のジ(β−ナフトキシ)ホスホリック−N,N−ジアリルモノアミド407.8g(収率約95%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0098】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=431,432,433(分子量計算値=429.23)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH23.55(4H),−CH=5.80(2H),=CH25.05〜5.45(4H),ナフチルC−H6.90〜7.55(7H)
【0099】
【化13】
【0100】
合成例8
フェノールの代わりにp−フェニルフェノール170.21g(1.00モル)を用いた以外は、合成例5と同様にして、下記構造式(I−8)のp−フェニルフェノキシホスホリック−N,N,N',N'−テトラアリルジアミド384.0g(収率94%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0101】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=410,411,412(分子量計算値=408.477)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.55(8H),−CH=5.80(4H),=CH25.05〜5.45(8H),p−フェニルフェノキシC−H6.95〜7.65(9H)
【0102】
【化14】
【0103】
合成例9
フェノールの代わりにp−ベンジルフェノール184.21g(1.00モル)を用いた以外は、合成例5と同様にして、下記構造式(I−9)のp−ベンジルフェノキシホスホリック−N,N,N',N'−テトラアリルジアミド401.4g(収率95%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0104】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=424,425,426(分子量計算値=422.504)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.55(8H),ベンジルフェノキシの−CH2−3.22(2H),−CH=5.80(4H),=CH25.05〜5.45(8H),フェニル環C−H6.95〜7.65(9H)
【0105】
【化15】
【0106】
合成例10
フェノールの代わりにp−ベンゾイルフェノール198.21g(1.00モル)を用いた以外は、合成例5と同様にして、下記構造式(I−10)のp−ベンゾイルフェノキシホスホリック−N,N,N',N'−テトラアリルジアミド415.2g(収率96%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0107】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=424,425,426(分子量計算値=432.499)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.50(8H),−CH=5.80(4H),=CH25.10〜5.50(8H),フェニル環C−H7.05〜7.85(9H)
【0108】
【化16】
【0109】
合成例11
フェノールの代わりにp−フェノキシフェノール186.21g(1.00モル)を用いた以外は、合成例5と同様にして、下記構造式(I−11)のp−フェノキシフェノキシホスホリック−N,N,N',N'−テトラアリルジアミド399.0g(収率94%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0110】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=426,427,428(分子量計算値=424.477)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.50(8H),−CH=5.80(4H),=CH25.10〜5.50(8H),フェニル環C−H7.00〜7.80(9H)
【0111】
【化17】
【0112】
合成例12
フェノールの代わりにベンジルアルコール108.14g(1.00モル)を用いた以外は、合成例5と同様にして、下記構造式(I−12)のp−ベンジロキシホスホリック−N,N,N',N'−テトラアリルジアミド332.6g(収率96%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0113】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=348,349,350(分子量計算値346.407)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.50(8H),ベンジル−CH2−3.20(2H),−CH=5.80(4H),=CH25.10〜5.50(8H),フェニル環C−H6.85〜7.65(5H)
【0114】
【化18】
【0115】
合成例13
フェノールの代わりにα−ナフチルアミン143.19g(1.00モル)を用いた以外は、合成例5と同様にして、下記構造式(I−13)のN,N,N',N'−テトラアリル−N''−αナフチルホスホリックトリアミド350.9g(収率92%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0116】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=382,383,384(分子量計算値=381.454)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.50(8H),−CH=5.80(4H),=CH25.10〜5.50(8H),ナフチルC−H6.95〜7.75(7H),アミド−NH−3.70(1H)
【0117】
【化19】
【0118】
合成例14
フェノールの代わりにβ−ナフチルアミン143.19g(1.00モル)を用いた以外は、合成例5と同様にして、下記構造式(I−14)のN,N,N',N'−テトラアリル−N''−βナフチルホスホリックトリアミド350.9g(収率92%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0119】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=382,383,384(分子量計算値=381.454)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.50(8H),−CH=5.80(4H),=CH25.10〜5.50(8H),ナフチルC−H7.00〜7.80(7H),アミド−NH−3.65(1H)
【0120】
【化20】
【0121】
合成例15
フェノールの代わりにp−フェニルアニリン169.23g(1.00モル)を用いた以外は、合成例5と同様にして、下記構造式(I−15)のN,N,N',N'−テトラアリル−N''−(p−フェニル)フェニルホスホリックトリアミド391.2g(収率96%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0122】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=409,410,411(分子量計算値=407.492)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.50(8H),−CH=5.80(4H),=CH25.10〜5.50(8H),フェニル環C−H7.00〜7.80(9H),アミド−NH−3.65(1H)
【0123】
【化21】
【0124】
合成例16
フェノールの代わりにp−ベンジルアニリン183.23g(1.00モル)を用いた以外は、合成例5と同様にして、下記構造式(I−16)のN,N,N',N'−テトラアリル−N''−(p−ベンジル)フェニルホスホリックトリアミド408.9g(収率97%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0125】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=423,424,425(分子量計算値=421.519)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.50(8H),ベンジルの−CH2−3.65(2H),−CH=5.80(4H),=CH25.10〜5.50(8H),フェニル環C−H7.00〜7.80(9H),アミド−NH−3.75(1H)
【0126】
【化22】
【0127】
合成例17
フェノールの代わりにp−ベンゾイルアニリン197.23g(1.00モル)を用いた以外は実施例5と同様にして、下記構造式(I−17)のN,N,N',N'−テトラアリル−N''−(p−ベンゾイル)フェニルホスホリックトリアミド409.4g(収率94%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0128】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=437,438,439(分子量計算値=435.503)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.50(8H),−CH=5.80(4H),=CH25.10〜5.50(8H),フェニル環C−H7.05〜7.85(9H),アミド−NH−3.75(1H)
【0129】
【化23】
【0130】
合成例18
フェノールの代わりにp−フェノキシアニリン185.23g(1.00モル)を用いた以外は、合成例5と同様にして、下記構造式(I−18)のN,N,N',N'−テトラアリル−N''−(p−フェノキシ)フェニルホスホリックトリアミド389.6g(収率92%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0131】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=425,426,427(分子量計算値=423.485)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.50(8H),−CH=5.80(4H),=CH25.10〜5.50(8H),フェニル環C−H7.00〜7.80(9H),アミド−NH−3.65(1H)
【0132】
【化24】
【0133】
合成例19
フェノールの代わりにベンジルアミン105.13g(1.00モル)を用いた以外は、合成例5と同様にして、下記構造式(I−19)のN,N,N',N'−テトラアリル−N''−ベンジルホスホリックトリアミド315.9g(収率92%)を得た。生成物の分析結果は以下の通りであった。
【0134】
TOF質量分析スペクトル(Z/e)=345,346,347(分子量計算値=343.405)
核磁気共鳴スペクトル(CDCl3中,δ,ppm):−CH2−3.50(8H),ベンジルの−CH2−3.60(2H),−CH=5.80(4H),=CH25.10〜5.50(8H),フェニル環C−H7.00〜7.80(5H),アミド−NH−3.65(1H)
【0135】
【化25】
【0136】
参考例1
熱可塑性樹脂として66/6ナイロン(宇部興産社製:2123B)67.5質量部、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)25質量部、着色剤としてカーボンブラック0.2質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)を0.3質量部、難燃剤として合成例5の化合物(上記の構造式(I−5))8質量部を配合し、サイドフロー型2軸押出機(日本製鋼社製)で250℃で混練して樹脂ペレットを得て105℃、4時間乾燥した後、上記ペレットを射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いて樹脂温度270℃、金型温度80℃の条件で成形した。
【0137】
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を25kGy照射して参考例1の樹脂成形品を得た。
【0138】
参考例2
熱可塑性樹脂として、66ナイロン(宇部興産社製:2020B)61.4質量部に、無機充填剤として約2μ径のタルク5質量部、着色剤として鉄黒を1.5質量部、難燃剤として、4官能性の合成例5の化合物(上記の構造式(I―5))6質量部、単官能性の上記の構造式(I―20)の化合物3質量部、酸化防止剤(チバガイギー社製:イルガノックス1010)を0.1質量部を加えて混合し、270℃に設定したサイドフロー型2軸押出し機を用いて、強化繊維としてシランカップリング剤で表面処理した繊維長約3mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:03.JAFT2Ak25)25質量部を、押出し混練を用いてサイドから溶融した混合樹脂系に混ぜ込み、本組成の樹脂組成からなるコンパウンドペレットを得た後、上記ペレットを105℃で4時間乾燥させた。
【0139】
射出成形機(FUNUC社製:α50C)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度80℃、射出圧力800kg・f/cm2、射出速度120mm/s、冷却時間15秒の一般的な条件で、電気・電子部品並びに自動車用の成形品を成形した。
【0140】
その後、上記成形品に、コバルト60を線源としたγ線を30kGy照射して参考例2の樹脂成形品を得た。
【0141】
参考例3
熱可塑性樹脂として66ナイロン(宇部興産社製:2020B)58.5質量部、難燃剤として合成例8の化合物(上記の構造式(I―8))6質量部、及び、非反応型の有機りん系難燃剤(三光化学社製:HCA−HQ)4質量部を用いた以外は、参考例2と同様の条件で参考例3の樹脂成形品を得た。
【0142】
参考例4
熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレート樹脂(東レ株式会社製:トレコン1401X06)61.1質量部、難燃剤として、合成例5の化合物(上記の構造式(I―5))6質量部を用い、混練温度を245℃で混練りして樹脂コンパウンドペレットを得て、130℃で3時間乾燥させ、成形時のシリンダー温度を250℃の条件に変更した以外は参考例2と同様の条件で成形品を成形した。
【0143】
その後、上記成形品に、住友重機社製の加速器を用い、加速電圧4.8MeVで、照射線量25kGyの電子線を照射して参考例4の樹脂成形品を得た。
【0144】
実施例1
難燃剤として、合成例5の化合物(上記の構造式(I―5))6質量部、環状3官能性のイソシアヌル酸トリアクリレート(日本化成社製:TAIC)2質量部を併用して用いた以外は、参考例3と同様の条件で実施例1の樹脂成形品を得た。
【0145】
参考例5
参考例2の系に熱触媒(日本油脂社製:ノフマーBC)を2質量部、更に添加した以外は参考例2と同様の条件で成形品を成形した。
【0146】
その後、上記成形品を、245℃、8時間加熱によって反応して参考例5の樹脂成形品を得た。
【0147】
参考例6
参考例2の系に、紫外線開始剤(チバガイギー社製イルガノックス651とイルガノックス369とを2:1で併用)7質量部添加した以外は参考例2と同様の条件で成形品を成形した。
【0148】
その後、上記成形品を、超高圧水銀灯で365nmの波長で150mW/cm2の照度で2分間照射して参考例6の樹脂成形品を得た。
【0149】
参考例7
熱硬化性エポキシ系モールド樹脂(長瀬ケミカル社製、主剤XNR4012:100、硬化剤XNH4012:50、硬化促進剤FD400:1)45質量部にシリカ45質量部を分散した系に、難燃剤として上記の構造式(I−21)の化合物5質量部、有機りん系化合物(三光化学社製:HCA−HQ)を5重量部添加してモールド成形品を得た後、100℃、1時間反応させて参考例7の樹脂成形品(封止剤)を得た。
【0150】
参考例8
半導体封止用エポキシ樹脂(信越化学社製:セミコート115)96質量部に、難燃剤として上記の合成例19の化合物(上記の構造式(I―19))6質量部添加してモールド成形品を得た後、150℃、4時間反応させて参考例8の樹脂成形品(封止剤)を得た。
【0151】
比較例1〜9
参考例1〜4、実施例1、参考例5〜8において、本発明に用いられる反応性難燃剤を配合しなかった以外は、参考例1〜4、実施例1、参考例5〜8と同様な方法で、それぞれ比較例1〜9の樹脂成形品を得た。
【0152】
比較例10
参考例3に対して、難燃剤として、非反応性の有機りん系難燃剤(三光化学社製:HCA−HQ)17質量部のみ添加した以外は、参考例3と同様の条件で比較例10の樹脂成形品を得た。
【0153】
試験例
参考例1〜4、実施例1、参考例5〜8、比較例1〜10の樹脂成形品について、難燃性試験であるUL−94に準拠した試験片(長さ5インチ、幅1/2インチ、厚さ3.2mm)と、IEC60695−2法(GWFI)に準拠したグローワイヤー試験片(60mm角、厚さ1.6mm)を作製し、UL94試験、グローワイヤ試験(IEC準拠)、はんだ耐熱試験を行なった。また、すべての樹脂成形品について300℃×3時間のブリードアウト試験を行った。その結果をまとめて表1に示す。
【0154】
なお、UL94試験は、試験片を垂直に取りつけ,ブンゼンバーナーで10秒間接炎後の燃焼時間を記録した。更に、消火後2回目の10秒間接炎し再び接炎後の燃焼時間を記録し、燃焼時間の合計と2回目消火後の赤熱燃焼(グローイング)時間と綿を発火させる滴下物の有無で判定した。
【0155】
また、グローワイヤ試験は、グローワイヤとして先端が割けないように曲げた直径4mmのニクロム線(成分:ニッケル80%、クロム20%)、温度測定用熱電対として直径0.5mmのタイプK(クロメル−アルメル)を用い、熱電対圧着荷重1.0±0.2N、温度850℃で行った。なお、30秒接触後の燃焼時間が30秒以内のこと、サンプルの下のティッシュペーパーが発火しないことをもって燃焼性(GWFI)の判定基準とした。
【0156】
また、はんだ耐熱試験は、350℃のはんだ浴に10秒浸漬後の寸法変形率を示した。
【0157】
【表1】
【0158】
表1の結果より、実施例、参考例の樹脂成形品においては、難燃性はいずれもV−0と優れ、グローワイヤ試験においてもすべて合格しており、更に、はんだ耐熱試験後の寸法変形率も13%以下と小さいことがわかる。また、300℃×3時間後においても難燃剤のブリードアウトは認められなかった。
【0159】
一方、難燃剤を含有しない比較例1〜9においては、難燃性はHBと不充分であり、グローワイヤ試験においてもすべて不合格、更に、はんだ耐熱試験後の寸法変形率も比較例5では35%、それ以外の比較例では浸漬直後に変形しており、実施例、参考例に比べて劣ることがわかる。また、難燃剤として非反応型の有機りん系難燃剤を用いた比較例10においては、難燃性はV−2で不充分であり、300℃×3時間後において難燃剤のブリードアウトが認められた。
【0160】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、非ハロゲン系の反応性難燃剤を用い、樹脂への少量の添加でも難燃性、耐熱性に優れるとともに難燃剤のブリードアウト等を防止でき、加えて、成形品の機械特性、電気特性、寸法安定性、成形性にも優れる電気部品用樹脂成形品を提供することができる。したがって、この電気部品用樹脂成形品は、例えば電磁開閉器等の接点支持用部材やハウジング等として好適に用いることができる。
Claims (10)
- 樹脂と、下記の一般式(I)で示される有機リン化合物からなる反応性難燃剤と、末端に少なくとも1つ以上の不飽和基を有する環状の含窒素化合物からなる難燃剤と、無機充填剤とを含有する樹脂組成物を成形固化した後、加熱又は放射線の照射によって前記樹脂と前記反応性難燃剤とを反応させて得られる電気部品用樹脂成形品。
- 前記電気部品用樹脂成形品全体に対して、前記反応性難燃剤を1〜20質量%含有する請求項1に記載の電気部品用樹脂成形品。
- 前記反応性難燃剤を2種類以上含有し、少なくとも1種類が多官能性の前記反応性難燃剤である請求項1又は2に記載の電気部品用樹脂成形品。
- 前記反応性難燃剤1質量部に対して、前記環状の含窒素化合物を0.5〜10質量部含有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の電気部品用樹脂成形品。
- 前記電気部品用樹脂成形品全体に対して5〜40質量%の強化繊維を含有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の電気部品用樹脂成形品。
- 前記電気部品用樹脂成形品全体に対して1〜35質量%の前記無機充填剤を含有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の電気部品用樹脂成形品。
- 前記電気部品用樹脂成形品が、前記無機充填剤及び前記強化繊維を含有し、前記電気部品用樹脂成形品全体に対して、前記無機充填剤及び前記強化繊維を65質量%以下含有する請求項5又は6に記載の電気部品用樹脂成形品。
- 前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、線量10kGy以上の電子線又はγ線の照射によって反応して得られる請求項1〜7のいずれか1つに記載の電気部品用樹脂成形品。
- 前記樹脂と前記反応性難燃剤とが、前記樹脂組成物を成形する温度より5℃以上高い温度で反応して得られる請求項1〜8のいずれか1つに記載の電気部品用樹脂成形品。
- 前記電気部品用樹脂成形品が、電磁開閉器、受電盤、配電盤、遮断器、変圧器、電磁接触器、サーキットプロテクタ、リレー、トランス、センサ、モーター、半導体デバイスより選択される1種に用いられるものである請求項1〜9のいずれか1つに記載の電気部品用樹脂成形品。
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