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JP4208392B2 - Liquid composition for ejecting probe by inkjet method - Google Patents

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JP4208392B2
JP4208392B2 JP2000232206A JP2000232206A JP4208392B2 JP 4208392 B2 JP4208392 B2 JP 4208392B2 JP 2000232206 A JP2000232206 A JP 2000232206A JP 2000232206 A JP2000232206 A JP 2000232206A JP 4208392 B2 JP4208392 B2 JP 4208392B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプローブを固相にスポッティングする方法、プローブアレイ、その製造方法、そしてプローブアレイを用いた標的一本鎖核酸の検出方法、及び標的一本鎖核酸の塩基配列の特定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
核酸の塩基配列の決定やサンプル中の標的核酸の検出、各種細菌の同定を迅速、正確に行ない得る技術の一つとして、例えば該標的核酸と特異的に結合し得る物質、いわゆるプローブを固相上に多数並べたプローブアレイの使用が提案されている。
【0003】
このようなプローブアレイの一般的な製造方法としては、例えばヨーロッパ特許第373203号公報(EP0373203B1)に記載されている様に(1)固相上で核酸プローブを合成していく方法、や(2)予め合成した核酸プローブを固相上に供給する方法等が知られている。上記の(1)の方法の詳細が開示されている先行技術としては例えば米国特許第5405783号公報(USP5405783)が挙げられる。
【0004】
また上記(2)の方法としては、例えば米国特許第5601980号公報(USP5601980)や「サイエンス(Science)」、第270巻、467頁、(1995)にはマイクロピペッティングを用いてcDNAをアレイ状に並べる方法が開示されている。
【0005】
ところで上記(1)の方法は、固相上で直接核酸プローブを合成させている為、予め核酸プローブを合成する必要がない。しかし固相上で合成されたプローブ核酸を精製することは困難である。プローブアレイを用いた核酸塩基の配列決定や、サンプル中の標的核酸の検出等の精度は、核酸プローブの塩基配列の精度に大きく依存する。従って上記(1)の方法は、より高品質なプローブアレイの製法としては核酸プローブの精度の向上に更なる改良が求められるところである。
【0006】
一方、上記(2)の方法は、核酸プローブの固相への固定に先立って核酸プローブの合成ステップが必要となる反面、固相への結合に先立って核酸プローブを精製することができる。この理由により現段階においては、より高品質なプローブアレイの製法としては上記(2)の方法は、上記(1)の方法よりも好ましいと考えられる。
【0007】
しかし上記(2)の方法の課題は、核酸プローブを固相に高密度にスポッティングする方法にある。例えばプローブアレイを用いて核酸の塩基配列決定を行なう場合、できる限り多種の核酸プローブを固相上に配置しておくことが好ましい。また遺伝子の変異の検出を効率的に行なう場合には、それぞれの変異に対応した配列を有する核酸プローブを固相上に配置させておく事が好ましい。さらに、サンプル中の標的核酸の検出や、遺伝子の変異、欠損の検出に当たっては、被験者からのサンプルの採取、具体的には血液等の採取はできる限り少量に止めておくことが好ましく、よって少量の検体でできる限り多くの塩基配列の情報を獲得できることが好ましい。これらの点から考えるとプローブアレイには例えば、1インチ角に10000以上の核酸プローブが配置されていることが好ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らはこのような状況の下で種々検討を行なった結果、インクジェット吐出技術を用いて、極めて高密度にプローブをスポッティングすることが出来ることを見出し本発明を為すに至った。
【0009】
そして本発明の目的は、極めて微量のプローブを、該プローブに損傷を与える事なく且つ効率的に固相上に正確にスポッティングする方法を提供することにある。
【0010】
また本発明の他の目的は、少量の検体からでも核酸に関するより多くの情報をより正確に検査可能なプローブアレイを提供することにある。
【0011】
また本発明の更に他の目的は、プローブが固相上に多数結合しているプローブアレイを、プローブを損傷することなく、また効率良く製造する方法を提供することにある。
【0012】
更に本発明の他の目的は、サンプル中に含まれている可能性のある標的物質を効率的に検出する方法を提供することにある。
【0013】
更にまた本発明の他の目的は、少量の検体からでも標的物質の構造に関する情報を獲得可能な標的物質の構造の特定化方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成することのできる、本発明の一実施態様にかかるプローブをインクジ
ェット法で吐出させるための液体組成物は、標的物質に対して特異的に結合可能なプローブ核酸をインクジェット法で吐出させるための液体組成物であって、プローブ核酸、尿素、グリセリン、及び下記一般式(I)で示されるアセチレンアルコールとを含んでおり、該液体組成物中のプローブ核酸の濃度が0 . 05〜500μMであり、該液体組成物に対して尿素を5〜10wt%、グリセリンを5〜10wt%及び上記一般式(I)で示されるアセチレンアルコールを0 . 02〜5wt%の割合で含んでいることを特徴とするものである:
【0015】
【化2】

Figure 0004208392
【0016】
(上記式中、R1、R2、R3及びR4はアルキル基を表わし、mおよびnは夫々整数を表わし、m=0かつn=0、もしくは1≦m+n≦30であって、m+n=1の場合はmまたはnは0である。)
上記態様にかかるスポッティング方法を用いることによってプローブを固相上に正確に、且つ効率的に付与することができ、プローブアレイを効率的に製造することが出来るものである。
【0021】
なおUSP5601980号公報には核酸プローブのスポッティングにはコンベンショナルなインクジェット技術を用いることは適当でないと認定されている。即ちUSP5601980号公報の第2欄の第31行〜第52行目には、圧力波(pressure wave)によって少量のインクを吐出させるインクジェットプリンタ技術の利用が適当でないと記載され、その理由としてインク吐出の為の圧力波がインク温度の急激な温度上昇を招き、核酸プローブに損傷を与える可能性が有り、また吐出時のインクの飛び散りが隣接する核酸プローブのスポット同士のコンタミネーションを引き起こす危険性を挙げている。その上でUSP5601980号公報においては、ガス圧を利用してマイクロピペットの先端に核酸プローブを含む液体の滴を、該滴のサイズをモニターしつつ形成させ、所定のサイズに達した時点で圧力印加を止め、該滴を固相上に供給してプローブアレイを製造する方法を開示している。
【0022】
またUSP5474796号公報には、固相表面に疎水性及び親水性のマトリクスを形成し、その親水性部分に4種類の塩基をピエゾエレクトリックインパルスジェットポンプ装置(Piezoelectric Impulse Jet Pump Apparatus)を用いて順次吐出せしめて、オリゴヌクレオチドアレイを製造すること、そしてそれを用いて標的核酸の塩基配列を決定する方法が開示されている。
【0023】
しかしこれらの先行技術には、予め所定の長さの塩基配列を有する核酸プローブをインクジェット技術を用いて吐出させて、核酸プローブを高密度に、且つ正確に配列せしめる技術については何ら開示されていない。
【0024】
【発明の実施の形態】
(プローブアレイ製法概略)
図1及び図2は本発明に係るプローブアレイ、例えば核酸プローブアレイの製造方法の概略説明図である。図1において101は吐出液としてのプローブ、例えば核酸プローブを含む液体を吐出可能に保持している液体供給系(ノズル)、103は該核酸プローブが結合されるべき固相(例えば透明ガラス板等)、105はインクジェットヘッドの一種である、該液体に熱エネルギーを付与して吐出させる機構を備えるバブルジェットヘッドである。104はバブルジェットヘッド105から吐出された核酸プローブを含む液体である。また図2は、図1のバブルジェットヘッド105のA−A線断面図であり、図2において105はバブルジェットヘッド、107は吐出されるべき核酸プローブを含む液体、そして117は該液体に吐出エネルギーを付与する発熱部を有する基板部分である。基板部分117は、酸化シリコン等で形成されている保護膜109、アルミニウム等で形成されている電極111−1、111−2、ニクロム等で形成されている発熱抵抗体層113、蓄熱層115及び放熱性の良好なアルミナ等で形成されている支持体116を含んでいる。
【0025】
核酸プローブを含む液体107は吐出オリフィス(吐出口)119まできており、所定の圧力によってメニスカス121を形成している。ここで電極111−1、111−2に電気信号が加わると、123で示す領域(発泡領域)が急激に発熱し、ここに接している液体107に気泡が発生し、その圧力でメニスカスが吐出し、オリフィス119から液体107が吐出し、固相103の表面に向って飛翔する。このような構造を備えるバブルジェットヘッドを用いて吐出可能な液体の量は、そのノズルのサイズ等によって異なるが、例えば4〜50ピコリットル程度に制御することが可能であり、高密度に核酸プローブを配置させる手段として極めて有効である。
(吐出液と固相の関係)
(固相上でのスポット直径)
核酸プローブの固相上での密度を上記した様な値(例えば1インチ各に10000個以上、上限としては1×106 個程度)にするためには各々の核酸プローブのスポット径は、例えば20〜100μm程度であることが好ましく、また互いのスポットが互いに独立していることが好ましい。そしてこのようなスポットは、バブルジェットヘッドから吐出される液体の特性、及び該液体が付着する固相の表面特性等によって決定される。
【0026】
(吐出液の特性)
吐出用の液体としては、バブルジェットヘッドから吐出可能であって、且つヘッドから吐出された該液体が固相上の所望の位置に着弾し、更に核酸プローブとの混合状態、及び吐出時において該核酸プローブが損傷を受けなければいかなる液体でも用いることができる。
【0027】
そしてバブルジェットヘッドからの吐出性という観点からは、該液体の特性としては例えば、その粘度が1〜15cps、表面張力が30dyn/cm以上が好ましい。また粘度を1〜5cps、表面張力を30〜50dyn/cmとした場合、固相上での着弾位置が極めて正確なものとなり特に好適に用いられる。
【0028】
次に該液体のインクジェット吐出特性、及び液体中及びバブルジェット吐出時の核酸プローブの安定性を考慮すると、液体中には例えば2mer〜5000mer、特には2mer〜60merの核酸プローブを、0.05〜500μM、特には2〜50μMの濃度で含有させることが好ましい。
【0029】
(吐出液組成)
バブルジェットヘッドから吐出される液体の組成としては、上記した様に核酸プローブと混合したとき、及びバブルジェットヘッドから吐出させたときに核酸プローブに対して影響を実質的に与えないものであって、且つバブルジェットヘッドを用いて固相に対して正常に吐出可能である液体組成が好ましい条件を満たせば、特に限定されるものでないが、例えばグリセリン、尿素、チオジグリコール又はエチレングリコール、イソプロピルアルコール及び下記式(I)で示されるアセチレンアルコールを含む液体は好ましいものである。
【0030】
【化3】
Figure 0004208392
【0031】
(上記式(I)中、R1、R2、R3及びR4はアルキル基、具体的には例えば炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を表わし、m及びnは各々整数を表わし、m=0且つn=0、もしくは1≦m+n≦30であって、m+n=1の場合はmまたはnは0である。)
更に具体的には尿素を5〜10wt%、グリセリンを5〜10wt%、チオジグリコールを5〜10wt%、及び上記式(I)で示されるアセチレンアルコールを0.02〜5wt%、より好ましくは0.5〜1wt%を含む液体が好適に用いられる。
【0032】
この液体を用いた場合、バブルジェットヘッドから核酸プローブを含む液体を吐出させて固相上に付着させたときのスポットの形状が円形で、また吐出された範囲が広がることがなく、高密度に核酸プローブをスポッティングした場合にも、隣接するスポットとの連結を有効に抑えることができる。更に固相上にスポッティングされた核酸プローブの変質も認められない。なお本発明の核酸プローブアレイの製造に用いる液体の特性は上記のものに限定されるものではない。例えば固相表面に、バブルジェットヘッドで固相上に付与した液体が、該固相上で広がり、そして隣接するスポットとの間で混合してしまうのを防ぐような、ウェルのような構造を設けた場合には、液体の粘度や表面張力、更には核酸プローブの塩基長や濃度も上記の範囲外であっても用いることができる。
【0033】
(固相と核酸の官能基の種類)
固相上に付着せしめた核酸プローブのスポットを更に限定された位置に止めさせ、隣接するスポットとのコンタミネーションをより確実に防ぐ為に有効であり、かつ核酸プローブを固相上に強固に結合させるのに有効な手段として、核酸プローブと固相との双方に互いに反応可能な官能基を結合させる方法が挙げられる。
【0034】
(SH基とマレイミド基)
好ましい例としては例えば、マレイミド基とチオール(−SH)基との組合わせを用いる例が挙げられる。即ち核酸プローブの末端にチオール(−SH)基を結合させておき、固相表面がマレイミド基を有するように処理しておくことで、固相表面に供給された核酸プローブのチオール基と固相表面のマレイミド基とが反応して核酸プローブを固定化し、その結果核酸プローブのスポットを固相上の所定の位置に形成することができる。特に末端にチオール基を有する核酸プローブを上記した組成の液体に溶解させたものをバブルジェットヘッドを用いてマレイミド基を導入した固相表面に付与した場合、核酸プローブ溶液は固相上に極めて小さなスポットを形成する。その結果、核酸プローブの小さなスポットを固相表面の所定の位置に形成することができる。この場合、固相表面に例えば親水性及び疎水性のマトリクスからなるウェルを形成し、スポット間の連結を防止する様な構成を予め設けておく必要性は認められない。
【0035】
例えば塩基長18merの核酸プローブを濃度8μMで含む、粘度や表面張力が前記した範囲内となるように調整した液体を、バブルジェットプリンタ(商品名:BJC620;キヤノン(株)社製、但し平板に印字可能に改造したもの)を用いて、固相とバブルジェットヘッドのノズルの間隔を1.2〜1.5mm程度に設定し、該ノズルから吐出させた場合(吐出量は約24ピコリットル)、固相上には直径約70〜100μm程度のスポットを形成することができ、また液体が固相表面に着弾したときの飛沫に由来するスポット(以降「サテライトスポット」と称する)は目視では全く認められなかった。該固相上のマレイミド基と核酸プローブ末端のSH基との反応は、吐出される液体の条件にもよるが、室温(25℃)下で30分程度で完了する。なおこの時間は液体の吐出にピエゾジェットヘッドを用いた場合と比較して短い。その理由は明らかでないが、バブルジェット法ではその原理によりヘッド内の核酸プローブを含む液体の温度が上昇し、その結果マレイミド基とチオール基の反応効率が上昇して反応時間が短縮されるものと考えられる。
【0036】
なお、マレイミド基とチオール基との組合せを用いる場合、核酸プローブを含む溶液にチオジグリコールを含有させることが好ましい。チオール基は中性及び弱アルカリ性条件下ではジスルフィド結合(−S−S−)を形成し、二量体をなることがある。しかし、チオジグリコールを加えることで、二量体形成によるチオール基とマレイミド基との反応性の低下を防ぐことができる。
【0037】
固相表面へのマレイミド基の導入方法としては、種々の方法が利用できるが、例えばガラス基板にアミノシランカップリング剤を反応させ、次にそのアミノ基と下記構造式で示されるN−(6−マレイミドカプロイロキシ)スクシイミド(N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimide)を含む試薬(EMCS試薬:Dojin社製)とを反応させることで可能である。
【0038】
【化4】
Figure 0004208392
【0039】
またチオール基が結合した核酸プローブは、例えばDNA自動合成機を用いてDNAを自動合成する際に5’末端の試薬として5’−Thiol−ModifierC6(Glen Research社製)を用いる事により合成することができ、通常の脱保護反応の後、高速液体クロマトグラフィーにより精製することで得られる。
【0040】
(アミノ基とエポキシ基)
固定化に利用する官能基の組合わせとしては、上記したチオール基とマレイミド基の組合わせ以外にも、例えばエポキシ基(固相上)とアミノ基(核酸プローブ末端)の組合わせ等が挙げられる。固相表面へのエポキシ基の導入は、例えばエポキシ基を有するポリグリシジルメタクリレートを樹脂からなる固相表面に塗布したり、エポキシ基を有するシランカップリング剤をガラス製の固相表面に塗布してガラスと反応させる方法等が挙げられる。
【0041】
上記したように固相表面と一本鎖核酸プローブの末端とに互いに反応して共有結合を形成するような官能基を導入した場合、該核酸プローブと固相とがより強固に結合される。また該核酸プローブの固相との結合部位を常に末端とすることができる為、各々のスポットでの核酸プローブの状態を均一にすることができる。その結果各々のスポットにおける核酸プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションの条件が揃うこととなり、より一層精度の向上した標的核酸の検出や塩基配列の特定が可能となるものと考えられる。更に末端に官能基のついた核酸プローブと固相とを共有結合させる事は、非共有結合(例えば静電的な結合等)によって固相上に固定した核酸プローブに比べ、配列や長さの違いによるプローブDNAの結合量の差を生じることなく定量的にプローブアレイを作製できる。更にまた核酸の塩基配列部分が全てハイブリダイゼーション反応に寄与する為、ハイブリダイゼーション反応の効率を著しく上昇させる事ができる。また一本鎖核酸プローブの標的核酸とのハイブリダイゼーションに関与する部分と固相との反応に関与する官能基との間にリンカー部分として例えば炭素数1〜7程度のアルキレン基を導入しておいても良い。これによって固相に核酸プローブを結合させたときに該固相表面と該核酸プローブとの間に所定の距離を設けることができ、核酸プローブと標的核酸との反応効率のより一層の向上が期待できる。
【0042】
(アレイの製法)
次に本発明に係るプローブアレイの製造方法の、現状における最も好ましい態様の一つについて説明する。まず核酸プローブを分散させる液体としてグリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、上記一般式(I)で示される構造のアセチレンアルコール(例えば商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)社製)1wt%を含む液体を用意する。次に末端にチオール基が結合している、長さが例えば2〜5000mer程度、特には2〜60mer程度の一本鎖核酸プローブをDNA自動合成機を用いて合成する。次いでこの核酸プローブを上記液体に、例えば濃度が0.05〜500μM、特には2〜50μMの範囲で、該液体の粘度が1〜15cps、特には1〜5cps、また表面張力が30dyn/cm以上、特には30〜50dyn/cmとなるように混合し、吐出用の液体とする。そしてこの吐出用液体を例えばバブルジェットヘッドのノズル内に充填する。また固相には上記の方法に従って表面にマレイミド基を導入しておく。そして該固相と該バブルジェットヘッドを、該固相のマレイミド基が結合している面とバブルジェットヘッドのノズル面との距離が1.2〜1.5mm程度にまで近接させ、該バブルジェットヘッドを駆動させて該液体を吐出させる。ここで吐出条件としては固相上のスポットが互いに連結することがないような印字パターンに設定することが好ましい。例えばスポッティングに用いるバブルジェットヘッドの解像度が360×720dpiの場合には、360dpiの方向には1回吐出後2回空吐出させ、720dpiの方向には1回吐出後5回空吐出させるという条件でスポッティングした場合、各々のスポット間のスペースは約100μmとなり、隣接するスポットとのコンタミネーションを十分に防ぐことが可能である。
【0043】
次いで固相上のマレイミド基と液体中の核酸プローブのチオール基の反応が進み、該核酸プローブが固相に確実に固定されるまで該固相を例えば加湿チャンバー内に静置する。この時間は上記したように例えば室温(約25℃)で30分程度で十分である。その後固相上にあって未反応の核酸プローブを洗い流して核酸プローブアレイが得られる。
【0044】
ここでこの核酸プローブアレイを用いて、例えば標的核酸の検出等を行なう場合の検出精度(S/N比)の向上を図ることを目的として、該核酸プローブを固相表面に固定した後、該固相の核酸プローブ非結合部分がサンプル中に含まれる標的核酸等と結合しないようにブロッキングを行なうことが好ましい。ブロッキングは例えば、該固相を2%ウシ血清アルブミン水溶液中に、例えば2時間程度浸したり、固相表面の核酸プローブと結合していないマレイミド基を分解させることによって可能である。例えばDTT(ジチオスレイトール)、β−メルカプトエタノール等を用いても可能である。しかし、標識DNAの吸着を防ぐ効果からすると、ウシ血清アルブミン水溶液が最も適する。尚このブロッキングの工程は必要に応じて行なえば良く、例えばサンプルの該プローブアレイへの供給を各々のスポットに対して限定的に行ない、スポット以外の部位へのサンプルの付着が実質的にない場合には行なわなくても良い。また固相に予めウェルが形成され、そのウェル以外の部分が核酸プローブが付着し難い様に加工されている場合にもブロッキングの工程を省略することができる。
【0045】
この様にして作製するプローブアレイはその用途に応じて、例えば同じ核酸プローブを含む複数のスポットを有するように構成してもよく、また異種の核酸プローブを各々含む複数のスポットを有する様に構成してもよい。そしてこの様な方法によって核酸プローブが高密度に配置されたプローブアレイは、その後標的一本鎖核酸の検出や、塩基配列の特定等に用いられる。例えばサンプル中に含まれている可能性のある、塩基配列が既知の標的一本鎖核酸の検出に用いる場合には、該標的一本鎖核酸の塩基配列に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸をプローブとして用い、該プローブを含む複数のスポットが固相上に配置されているプローブアレイを用意し、該プローブアレイの各々のスポットに、サンプルを供給して該標的一本鎖核酸と核酸プローブとがハイブリダイズするような条件下に置いた後、各々のスポットにおけるハイブリッドの有無を蛍光検出等の既知の方法で検出する。それによってサンプル中の標的物質の有無の検出を行なうことができる。またサンプル中に含まれている標的一本鎖核酸の塩基配列の特定に用いる場合には、該標的一本鎖核酸の塩基配列の複数の候補を設定し、該塩基配列群に対して各々相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸をプローブとして該固相にスポッティングする。次いで各々のスポットにサンプルを供給して該標的一本鎖核酸と核酸プローブとがハイブリダイズするような条件下に置いた後、各々のスポットにおけるハイブリッドの有無を蛍光検出等の既知の方法で検出する。これにより標的一本鎖核酸の塩基配列の特定を行なうことができる。また本発明に係わるプローブアレイの他の用途としては、例えばDNA結合蛋白質が認識する特異的な塩基配列のスクリーニングやDNAに結合する性質を有する化学物質のスクリーニングへの適用が考えられる。
【0046】
(インクジェットヘッドの種類)
なお上記の説明においては、核酸プローブの固相への付与をバブルジェットヘッドで行なう構成のみを説明したが、本発明においてはピエゾ素子の振動圧を利用してノズル内の液体を吐出せしめるピエゾジェットヘッドを用いることも可能である。しかし前記した様にバブルジェットヘッドを用いた場合、固相への結合反応が短時間で完了し、またDNAの二次構造も熱により解消されるため、次に続くハイブリダイゼーション反応の効率をも上昇させることができるという点で、バブルジェットヘッドは本発明にとってより好適に用いられるインクジェットヘッドである。
【0047】
更に2以上のスポット間で含有される核酸プローブが異なる様に複数のヘッドを備えたインクジェットヘッドを用いて複数のスポットを同時に固相上に形成しても良い。
(PNA/DNA)
ここまで、プローブの一例として核酸プローブを用いて本発明を説明した。核酸プローブの例としては、デオキシリボ核酸(DNA)プローブ、リボ核酸(RNA)プローブ及びペプチド核酸(PNA)プローブを含むものである。PNAはDNAに含まれる4種の塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシン)が糖−リン酸エステル主鎖ではなくてペプチド主鎖に結合し、下記式(II)に示される様な構造を有する合成オリゴヌクレオチドである。
【0048】
【化5】
Figure 0004208392
【0049】
(式中「Base」はDNAを構成する4種類の塩基(アデニン、シトシン、チミン、グアニン)の何れかを示す。またpはPNAの塩基長を表わす。)
PNAは、例えばtBOC型固相合成法やFmoc型固相合成法として知られている方法によって合成することができる。そしてPNAはDNAやRNA等の天然のオリゴヌクレオチドと比較してヌクレアーゼやプロテアーゼ等の酵素に対する強い耐性を有し、血清中でも酵素的開裂が殆ど、若しくは全く起らず安定である。また糖部やリン酸基を有していない為、溶液のイオン強度の影響を殆ど受けず、従ってPNAと標的一本鎖核酸とを反応させる際の塩濃度等の調整を行なう必要がなく、更には静電的な反発が無いためにDNAプローブと標的一本鎖核酸とのハイブリッドやRNAプローブと標的一本鎖核酸とのハイブリッドと比較してPNAと標的一本鎖核酸とのハイブリッドのほうが熱安定性に優れているとも考えられている。そしてこれらの特性から標的核酸の検出や塩基配列の決定に用いるプローブとして有望なものである。そして前記した本発明に係る核酸プローブアレイの製造方法は、核酸プローブとしてPNAプローブを適用した場合にも有効であり、PNAプローブが高密度に、且つ高精度に配置されたPNAプローブアレイを容易に製造することができる。具体的には、例えばPNAプローブを固相上の限定された位置に止めさせてプローブアレイの高密度化を図る方法としてはDNAプローブやRNAプローブと同様に、PNAプローブの末端と固相表面との各々に互いに反応性を有する官能基を導入する方法を用いることができ、反応性の基の好ましい組合わせの一つは上述したのと同様のチオール基(PNA末端)とマレイミド基(固相表面)の組合わせである。PNA末端へのチオール基の導入は、例えばPNAプローブのN末端(DNAの5’末端に相当)にチオール基を含むシステイン(CH(NH2)(COOH)CH2SH)基等を導入することで達成される。PNAプローブのN末端へのシステインの導入は、例えばPNAプローブのN末端のアミノ基とシステインのカルボキシル基を反応させることによって行なうことができる。またPNAプローブのN末端のアミノ基と例えばN2H(CH2)2O(CH2)2OCH2COOHのようにアミノ基及びカルボキシル基を有している様な適当なリンカーのカルボキシル基とを反応させ、次いで該リンカーのアミノ基とシステインのカルボキシル基とを反応させることでリンカーを介してPNAプローブのN末端にシステインを結合させることもできる。この様にリンカーを介して固相との結合基を導入した場合、PNAプローブの標的物質との反応部位を固相から所定の距離だけ離間させることができ、ハイブリダイゼーション効率のより一層の向上が期待される。
【0050】
またPNAはその塩基長によっては水に対する溶解性が同じ塩基長のDNAと比較すると低い場合があり、インクジェット吐出用の液体を調製する際にはPNAを予めトリフルオロ酢酸(例えば0.1wt%トリフルオロ酢酸水溶液等)等に溶解させた後、前記した種々の溶媒を用いてインクジェット吐出に適合する特性に調製することが好ましい。特にトリフルオロ酢酸に溶解させておくことは、PNA末端のシステイン残基中のチオール基の酸化によるシスチンへの変性を防ぎ、PNAのチオール基と固相表面のマレイミド基との反応効率のより一層の向上を図る上で好ましい。またDNAプローブやRNAプローブの末端に導入したチオール基と固相表面のマレイミド基の反応時間は前記した様に30分(バブルジェットヘッドを用いた場合)で十分であるが、PNAの場合にはバブルジェットヘッドを用いた場合であっても2時間程度反応させることが好ましい。
【0051】
更にプローブとしては核酸プローブに限定されず、検出・分析対象となるサンプル中の標的物質と特異的に結合し得る物質、例えばレセプターと特異的に結合可能なリガンド、リガンドと特異的に結合可能なレセプター、特定のアミノ酸配列を有するオリゴペプチドまたはポリペプチドと結合可能なオリゴペプチドやポリペプチド、更にはタンパク質(例えば抗体、抗原、酵素等)等をプローブとして用いることができる。この場合、いずれも蛋白質に含まれているシステイン残基のSH基を反応に利用することができる。
【0052】
以上説明した様にインクジェット吐出プロセスを用いてプローブ溶液を固相に供給する工程を含むプローブアレイの製造方法によれば、プローブアレイを極めて容易に形成することができる。特に核酸プローブと固相表面との間で共有結合が形成される様に各々に官能基を導入した場合には、固相表面に予めウェル等を有しない、即ち実質的に平坦で且つ表面特性(水に対する濡れ易さ等)が均一な固相を用いても隣接するスポット同士が連結してしまうことがない。その結果核酸プローブが精度良く、且つ高密度に配列された核酸プローブアレイを極めて効率的に、しかも低コストで製造することができる。
【0053】
なおこのことは本発明において表面にウェルを備えた固相を用いることを何ら排除するものではない。例えばプローブ溶液が供給されるウェルの間に光不透過性のマトリクスパターン(以降「ブラックマトリクス」と称する)を予め形成しておいた場合、固相上でのプローブと標的物質とのハイブリダイゼイションを光学的に検出(例えば蛍光の検出)する様な場合の検出精度(SN比)をより一層向上させることができる。また隣接するウェルの間に、表面がプローブ溶液に対する親和性の低いマトリクスを設けておいた場合、プローブ溶液のウェルへの供給にあたって多少の位置ずれが生じたとしても所望のウェルにスムーズにプローブ溶液を供給することができる。このような効果を利用することを目的として表面にウェルを備えた固相を用いてもよい。以下に表面にマトリクスを有する固相、その製造方法及び該固相の本実施態様における使用方法について説明する。
【0054】
図5に、本態様におけるプローブアレイの一例を示す。図5(A)は平面図であり、図5(B)はそのBB断面図である。このプローブアレイは、固相103上にマトリクス状に配置された凹部(ウェル)127を形成した枠体構造を有するマトリクスパターン125を設けた構造を有する。マトリクス125(凸部)によって互いに隔離されたウェル127は、マトリクスパターン中の貫通孔(くり抜き部)として設けられたもので、その側壁は凸部からなり、その底面129には固相103の表面が露出した状態にある。固相103の表面露出部分は、プローブと結合可能な表面を形成しており、所定の凹部にプローブ(不図示)が固定されている。
【0055】
マトリクスパターンを形成する材料は、プローブと標的物質との反応物を光学的に検出、例えば、反応物の発する蛍光を測定して検出する方法を用いる場合には、検出感度、S/N比及び信頼性の向上を考慮すると遮光性を有するものが望ましい。そのような材料としては、例えば金属(クロム、アルミ、金等)及び黒色の樹脂等が挙げられる。該黒色の樹脂としては、アクリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、アクリル酸モノマー、ウレタンアクリレート等の樹脂や、フォトレジスト等の感光性の樹脂に黒色の染料や黒色の顔料を含有させたものが挙げられる。感光性樹脂の具体例としては、例えばUVレジスト、DEEP−UVレジスト、紫外線硬化樹脂等を用いることができる。UVレジストとしては、環化ポリイソプレン−芳香族ビスアジド系レジスト、フェノール樹脂−芳香族アジド化合物系レジスト等のネガレジスト、ノボラック樹脂−ジアゾナフトキノン系レジスト等のポジレジストを挙げることができる。
【0056】
DEEP−UVレジストとしては、ポジ型レジストとして、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリメチレンスルホン、ポリヘキサフルオロブチルメタクリレート、ポリメチルイソプロペニルケトン、および、臭化ポリ1−トリメチルシリルプロピン等の放射線分解型ポリマーレジスト、コール酸o−ニトロベンジルエステル等の溶解抑制剤系レジスト等を挙げることができ、ネガ型レジストとして、ポリビニルフェノール−3,3’−ジアジドジフェニルスルホン、および、ポリメタクリル酸グリシジル等を挙げることができる。
【0057】
紫外線硬化樹脂としては、ベンゾフェノン、および、その置換誘導体、ベンゾイン、および、その置換誘導体、アセトフェノン、および、その置換誘導体、ベンジル等のオキシム系化合物等のなかから選ばれる、1種、または、2種以上の光重合開始剤を2〜10重量%程度含有した、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、および、ウレタンジアクリレート等を挙げることができる。黒色の顔料としては、カーボンブラックや黒色有機顔料を用いることができる。
【0058】
なお、プローブと標的物質の反応物の検出を、光学的に行なわない場合や、マトリクスからの光が反応物の光学的検出に影響を与えない場合には、マトリクスパターン形成材料として非遮光性の物を用いる事は何ら妨げられるものではない。
【0059】
次に上記した様な材料を用いてマトリクスパターンを形成する一つの方法としては基板表面にコートした樹脂や金属上にフォトレジストをコートしパターニングの後に樹脂をエッチング等の工程によりパターニングする方法が挙げられる。また、感光性の樹脂であれば、樹脂そのものをフォトマスクを用いたフォトリソグラフィーのプロセスにより露光、現像、必要に応じて硬化することによりパターニングすることも可能である。
【0060】
ここでマトリクス125を樹脂製とした場合、マトリクス125の表面は疎水性となる。この構成はウェルに供給するプローブを含む溶液として水系の溶液を用いる場合に好ましいものである。即ちウェルにプローブ溶液をインクジェット法を用いて供給する際に多少の位置ずれを伴ってプローブ溶液が供給されたとしても、所望のウェルにプローブ溶液が極めてスムーズに供給されることになる。また、同時に隣接するウェル間で、異なる種類のプローブを供給した場合でも、これらウエル間に供給された異なるプローブ溶液間での交じり合い(クロスコンタミネーション)を防ぐことも可能となる。
【0061】
通常、ペプチド、核酸等の生体関連物質のプローブ溶液は水系の溶液であることが多いので、このような場合にはマトリクスパターンが撥水性となるこの構成を好適に利用できる。
【0062】
次にウェルの底面(固相表面の露出部)をプローブと結合可能な構成とする方法について説明する。ウェルの底面に保持させる官能基は、プローブに担持させる官能基との組合わせによって異なる。例えばプローブとして末端にチオール基を導入した核酸プローブを用いる場合には、前述したように固相表面にマレイミド基を導入しておくことでウェルに供給した核酸プローブのチオール基は固相表面のマレイミド基と共有結合を形成し、核酸プローブが固相表面に固定される。同様にアミノ基を核酸プローブ末端に有する核酸プローブに対しては固相表面へのエポキシ基の導入が好ましい。この様な官能基の他の組合わせとしては、例えばカルボキシル基(スクシンイミド誘導体の核酸プローブ末端への導入による)を末端に有する核酸プローブに対しては固相表面へのアミノ基の導入が好ましい。このアミノ基とエポキシ基の組合わせは、チオール基とマレイミド基の組合わせと比較すると核酸プローブ溶液をインクジェット吐出方法で吐出した際の固相上への定着性は良好でないが、固相にウェルを設けてある場合には無視し得る程度のものである。
【0063】
アミノ基やエポキシ基の固相表面への導入は、前述した様に固相としてガラス板を用いる場合には、まず水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリで該ガラス板表面を処理して水酸基(シラノール基)を表面に露出させた後、アミノ基を導入したシラン化合物(例えばN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等)やエポキシ基を導入したシラン化合物(例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)を含むシランカップリング剤を該ガラス板表面の水酸基と反応させることによって行なうことができる。またマレイミド基は、上記の方法によってガラス板表面にアミノ基を導入した後にN−マレイミドカプロイロキシスクシンイミドやスクシイミジル−4−(マレイミドフェニル)ブチレート等を該アミノ基と反応させることでガラス板表面に導入することができる。
【0064】
なおN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びスクシイミジル−4−(マレイミドフェニル)ブチレートの構造は下記の通りである。
▲1▼N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン:
(CH3O)2SiC36NHC24NH2
▲2▼γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:
【0065】
【化6】
Figure 0004208392
【0066】
▲3▼スクシイミジル−4−(マレイミドフェニル)ブチレート:
【0067】
【化7】
Figure 0004208392
【0068】
上記した固相の表面処理においてエポキシ基を固相表面に導入した場合、該エポキシ基とプローブとを結合させた後、未反応のエポキシ基をエタノールアミン水溶液等を用いて開環させて水酸基に変えることにより、ウェルの底面を親水性にすることができる。この操作はプローブを結合させたウェルに該プローブと特異的に反応する標的物質を含む水系溶媒を供給する場合に好ましいものである。
【0069】
また固相として樹脂基板を用いる場合、例えばOrganic Thin Films and Surface, Vol.20, Academic Pressの第5章に記載の方法により樹脂基板表面に水酸基、カルボキシル基またはアミノ基等を導入することができる。或いはこの方法により水酸基を導入した後に上記したガラス板の場合と同様にアミノ基やエポキシ基を有するシラン化合物を用いてアミノ基やエポキシ基を導入したり、更にはマレイミド基を導入することも可能である。ところで上記した固相への官能基の導入は、固相表面へのマトリクスの形成前に行なってもよく、或いはマトリクス形成後に行なってもよい。マトリクス形成前であれば固相表面にスピンコートやディップコート等の方法によって官能基の導入に必要な反応溶液を固相表面に供給すればよく、またマトリクス形成後であればインクジェット法等によって各ウェルに反応溶液を供給すればよい。
【0070】
また、樹脂基板にプローブを結合する方法としては例えば、特開昭60−015560号公報に記載されている様に、樹脂基板表面を酸化処理して水酸基を導入し、次いでアミノ基を有するシラン化合物を含むシランカップリング剤と該水酸基とを反応させてアミノ基を導入し、このアミノ基とプローブの官能基を反応させる方法が挙げられる。
【0071】
また、前処理後の基板が親水性の場合、他方の、マトリクスパターンを形成する相対的に撥水性の材料は、先に延べた樹脂製のマトリクス形成用の樹脂をそのまま用いることができる。また、さらなる撥水性が必要とされる場合にはマトリクス材料中に撥水剤を添加しておくこともできる。また、マトリクスパターンがフォトレジスト等の感光性樹脂で形成される場合には、露光、現像後にポストベークを適当な条件で行なうことによりマトリクスパターンにより強い撥水性を付与することも可能である。
【0072】
ここまでは、どちらかといえばプローブ溶液が親水性の場合について述べたが、プローブ溶液が親油的な場合には逆の処理をすればよいことになる。
【0073】
マトリクスパターンのウエルのサイズや形状は、基板のサイズ、最終的に作製されるアレイ全体のサイズ、アレイを構成するプローブ種類数、あるいは、マトリクスパターンの形成方法、マトリクスパターン間隙へのプローブ溶液等の供給方法、検出方法等によって適宜選択することができる。
【0074】
形状としては、図5に示す基板と平行な面の断面が正方形形状のものに加えて、長方形、各種多角形、円形、楕円形等種々の形状とすることができる。
【0075】
ウェルのサイズとしては、反応種の数、アレイ全体のサイズを考慮した場合、その最長幅が300μm以下が望ましい。例えば、図5に示すように、ウエルの基板と平行な方向での断面を正方形とする場合にはその1辺の長さを200μm以下とすることができる。更に、ウェルを長方形とする場合には、その長辺を200μm以下、円形とする場合はその直径を200μm以下とするのがより望ましい。その大きさの下限は例えば1μm程度とすることができる。
【0076】
各ウェルの配列形態は、図5のように平面図における上下方向で等間隔で配置する態様、隣り合う列でウェルの位置をずらして配置する態様等所望に応じて適宜変更可能である。
【0077】
隣接するウェル間の距離は、例えばインクジェット法でプローブ溶液をウェルに供給する際に吐出位置と供給されるべきウェルとの間に多少の位置ずれが生じてもそれがクロスコンタミネーションを生じさせないような間隔に設定することが好ましく、またアレイ全体のサイズ等とクロスコンタミネーションや、各種溶液の供給の際における操作性を考慮すると、隣接するウェル間の距離がウェルの最長幅の1/2〜2倍の範囲にあることが好ましい。
【0078】
例えば、ウェルを正方形形状とする場合で、基板の大きさを、プローブ固定、試料供給、検出等の操作を自動化する場合に好適な大きさ(1インチ×1インチ、あるいは1cm×1cm)とすると、コンビナトリアルケミストリーとしての機能を十分に果たす必要性から100個×100個、あるいは、1000個×1000個以上のプローブ種類が存在することが望ましいので、マトリクス自体のサイズをも考慮して、ウェルの正方形形状の一辺を1〜200μm、隣接するウェル間の距離を200μm以下とするのが望ましい。
【0079】
またマトリクスの厚さ(固相表面からの高さ)は、マトリクスパターンの形成方法やウェルの容量、供給するプローブ溶液の量等を考慮して決定されるが、好ましくは1〜20μmとすることが好ましい。即ちこのような厚さとすることによって、例えばインクジェット吐出法を用いてプローブ溶液を各ウェルに供給する場合、インクジェット吐出条件との関連においてプローブ溶液の特性を、該プローブ溶液が該固相表面上に小さなスポットを形成することが困難な特性にしか調整し得ない場合であっても、該プローブ溶液を固相上の所定の位置に止めさせることができ、クロスコンタミネーションを極めて有効に防止することができる。
【0080】
仮に、上記の望ましい範囲の上限でのウェルの容積は、200μm×200μm×20μm、すなわち、800plとなる。また、このサイズで、隣接するウェル間の距離(図1のx)も同様に200μmとすると625個/cm2のウェル密度が得られる。すなわちオーダーとして102個/cm2以上のウェル密度を有するアレイが得られる。また、ウエルを1辺が5μmの正方形形状とし、隣接するウェル間の距離も5μmとし、マトリクスパターンの厚さを4μmとすると、ウェルの容積は0.1plとなり、その数は1000000個/cm2となる。5μm×5μm×4μmのパターニングは現在の微細加工技術では現実的なサイズであるのでオーダーとして106個/cm2以上のウエル密度のアレイも本発明の発明の範囲となりうる。
【0081】
本態様においてプローブ溶液、あるいは、プローブと反応すべき物質のウェルへの供給液量は、例えばウェルの容積とほぼ同量とする場合には、上記の計算から、概ね0.1ピコリットル(pl)から1ナノリットル(nl)となる。また、マトリクスを供給される溶液に対して非親和性とした場合に、液種によっては、その表面張力によりウェルの容積を上回る量の液をウェルの開口上部に留めることが可能となる。そのような場合、例えば、ウェルの10倍から数10倍の液量を供給し、保持させることができる。すなわち、数plから数10nlの液を供給することになる。いずれの場合にも、このような少量の液のウェルへの供給は、一般的なマイクロディスペンサーやマイクロピペットでも可能であるが、位置精度と供給量精度を良好に供給することのできるインクジェット法を用いてプローブ溶液をウェルに供給することが好ましい。インクジェットプリントではμmオーダーで高精度に位置決めをしてインクを吐出するので、ウェルへの溶液の供給にはきわめて適しているといえる。また、吐出されるインクの量は一般的に数plから数10nlであるので、この点でもウェルへの溶液の供給に適しているといえる。
【0082】
本態様によれば、液滴の広がりは、核酸プローブと固相表面との反応とウェルにより定量的に制御され、また、吐出方向に多少の乱れがあっても、ウェルを含む領域に液滴が付着すれば、液滴のマトリクスにかかる部分は、マトリクスが吐出液に対して非親和性となっていることによって、その部分がはじかれ、ウェル内にスムーズに収納される。
【0083】
本発明に用いるインクジェット法は特に制限されないが、例えばピエゾジェット法、熱的な発泡を利用するバブルジェット法等が利用できる。
【0084】
ところで本発明において固相103として用いることのできる材料としては、固相表面に上記した様な種々の官能基を導入できるものであれば良く、更には第2の態様においては表面にマトリクスを形成できるものが好ましい。そしてプローブと標的物質との反応物の検出を光学的に行なう場合、固相を介した検出系を組む場合には固相を光学的に透明な固相とすることが好ましい。そのような材料としては例えば、合成石英、溶融石英等を含むガラス、シリコン、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。また該反応物の光学的な検出を固相を介さないで検出する場合には光学的に黒色の固相を用いることが好ましく、カーボンブラック等の黒色の染顔料を含む樹脂基板等が用いられる。
【0085】
本発明ではこれらプローブアレイに反応すべき物質の溶液を供給し、適当な反応条件に置き、反応を行なう。個別のウェルに異なる反応すべき物質の溶液を供給する必要がある場合には、プローブアレイの複数のウェルのそれぞれに、プローブに反応させるべき少なくとも1種の物質が溶解した溶液を少なくとも1種供給する。この場合、上述のように、供給される溶液が、すでに形成されているプローブアレイのプローブが結合されているウェルに対して親和的であり、マトリクスパターンに非親和的であれば、供給領域を限定した、クロスコンタミネーションのない、定量的な液の供給が可能となる。表1に示した物質のように生体関連の物質の多くは水溶性なので、この場合にはウェルは親水性、マトリクスパターンは撥水性となる。また、これら反応すべき物質の供給にも、上述のように、インクジェット法を用いれば、微量な液量を、定量的に供給可能となる。
【0086】
本発明では、基板に結合するために供給するプローブの液量、または、反応すべき物質の液量が微量であるので、双方の反応条件が、供給された溶液の蒸発、気散を防ぐ条件を含んでいることが望ましい。
【0087】
以下実施例をもって本発明を更に詳細に説明する。
【0088】
実施例1
(バブルジェットプリンターを用いた核酸プローブアレイの製法、及びそのプローブアレイの評価)
(1)基板洗浄
1インチ角のガラス板をラックに入れ、超音波洗浄用洗剤に一晩浸した。その後、洗剤中で20分間超音波洗浄を行い、その後、水洗により洗剤を除去した。蒸留水ですすいだ後、蒸留水の入った容器中でさらに超音波処理を20分間行った。次に、予め80℃に加温した1N水酸化ナトリウム溶液にガラス板を10分間浸した。引き続き水洗、蒸留水洗浄を行って、プローブアレイ用のガラス板を用意した。
【0089】
(2)表面処理
アミノ基を結合したシラン化合物(N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:KBM603;信越化学工業(株)社製)の1wt%水溶液を室温下で2時間攪拌し、上記シラン化合物の分子内のメトキシ基を加水分解した。次いでこの溶液に上記(1)で得た基板を室温(25℃)で20分間浸した後、引き上げて、窒素ガスをガラス板の両面に吹き付けて乾燥させた。次にガラス板を120℃に加熱したオーブン中で1時間ベークしてシランカップリング処理を完結させ、基板表面にアミノ基を導入した。次いでN−マレイミドカプロイロキシスクシンイミド(N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimide;Dojin社製)(以降EMCSと略)を2.7mg秤量し、ジメチルスルホキシド(DMSO)/エタノールの1:1溶液に最終濃度が0.3mg/mlとなる様に溶解したEMCS溶液を用意した。シランカップリング処理を行ったガラス板をこのEMCS溶液に室温で2時間浸して、シランカップリング処理によってガラス板表面に担持されているアミノ基とEMCS溶液のカルボキシル基を反応させた。この状態でガラス板表面にはEMCS由来のマレイミド基が表面に存在することになる。EMCS溶液から引き上げたガラス板はDMSO及びエタノールの混合溶媒及びエタノールで順次洗浄した後、窒素ガス雰囲気下で乾燥させた。
【0090】
(3)プローブDNAの合成
DNA自動合成機を用いて配列番号1の一本鎖核酸を合成した。なお配列番号1の一本鎖DNA末端にはDNA自動合成機での合成時にチオールモディファイア(Thiol−Modifier)(グレンリサーチ(GlenResearch)社製)を用いる事によってチオール(SH)基を導入した。続いて通常の脱保護を行いDNAを回収し、高速液体クロマトグラフィーにて精製し、以下の実験に用いた。
配列番号:1
5'HS-(CH2)6-O-PO2-O-ACTGGCCGTCGTTTTACA3'
(4)BJプリンターによるDNA吐出、および基板への結合
上記配列番号1の一本鎖DNAを最終濃度が約400mg/mlになるようにTE溶液(10mM Tris−HCl(pH8)/1mM EDTA水溶液)に溶解し、一本鎖DNA溶液を調製した(正確な濃度は吸収強度から算出)。
【0091】
グリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、及び上記一般式(I)で示されるアセチレンアルコール(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)社製)1wt%を含む水溶液を用意し、上記DNA溶液に加え、一本鎖DNAの最終濃度が8μMとなるように調整した。この液体の表面張力は30〜50dyne/cmの範囲内であり、また粘度は1.8cps(E型粘度計:東京計器(株)社製)であった。この液体をバブルジェットプリンター(商品名:BJC620;キヤノン(株)社製)用インクタンクに充填しバブルジェットヘッドに装着した。なおここで用いたバブルジェットプリンター(商品名:BJC620;キヤノン(株)社製)は平板への印刷が可能な様に改造を施したものである。またこのバブルジェットプリンターは360×720dpiの解像度で印字可能である。次いでこのプリンターに上記(2)で処理したガラス板を装着し、プローブ核酸を含む液体をガラス板上にスポッティングした。ここでバブルジェットヘッドの液体吐出面とガラス板の液体付着面との距離は1.2〜1.5mmであった。またスポッティングは、360dpiの方向には1回のスポッティングの後2回の空吐出を行ない、720dpiの方向には1回のスポッティングの後5回の空吐出を行なう様に条件設定した。スポッティング終了後、ガラス板を30分間加湿チャンバー内に静置し、ガラス板表面のマレイミド基と核酸プローブ末端のチオール基とを反応させた。なお上記プリンタの1吐出動作あたりのDNAプローブ溶液の吐出量は約24plであった。
【0092】
(5)ブロッキング反応
マレイミド基とチオール基との反応終了後、ガラス板を1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄し、ガラス板表面のDNAを含む液体を完全に洗い流した。次いでガラス板を2%ウシ血清アルブミン水溶液中に浸して2時間放置し、ブロッキング反応を行った。
【0093】
(6)ハイブリダイゼーション反応
配列番号1のDNAと相補的な塩基配列を有する一本鎖DNAをDNA自動合成機で合成し、5’末端にローダミンを結合させて標識化した一本鎖DNAを得た。この標識化一本鎖DNAを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に最終濃度1μMとなるように溶解し、この溶液中に上記(5)で得たブロッキング処理したプローブアレイを浸漬し、室温(25℃)で3時間ハイブリダイゼーション反応を行った。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAを洗い流した。次に該プローブアレイのスポットの蛍光量を、画像解析装置(商品名:ARGUS 50;浜松ホトニクス(株)社製)を接続し、ローダミンBに適するフィルターセットを装着した倒立型蛍光顕微鏡を用いて定量した。
【0094】
(7)結果
標識化一本鎖DNAと完全マッチである配列番号1の核酸プローブのスポットでは4600の蛍光量であった。またハイブリダイゼーション後の、各スポットが蛍光発光している状態のプローブアレイを蛍光顕微鏡(ニコン(株)社製)を用いて観察した。その結果本実施例にかかるプローブアレイでは、
a)各々のスポットがほぼ円形であって、またその直径が約70〜100μmの範囲内にあること、
b)隣接するスポットとの間には各々のスポットの直径と略等しい、約100μmのスペースが有り、各々のスポットが互いに明確に独立していること、
c)スポットの行と列が揃っていること
が明らかとなった。
【0095】
このことはプローブアレイ上でハイブリダイズしたスポットの自動検出等を行わせる上で極めて有効である。
【0096】
実施例2
(バブルジェットプリンタを用いた核酸プローブアレイの製造、及びそのプローブアレイを用いた標的核酸の検出)
(1)上記実施例1の(1)及び(2)と全く同様にしてプローブアレイ用の表面処理を施したガラス板を用意した。
【0097】
(2)プローブDNAの合成
DNA自動合成機を用いて配列番号1〜4の一本鎖核酸を合成した。なお配列番号1〜4の一本鎖核酸は、実施例1で用いた配列番号1を基本とし、1塩基変化させたものを配列番号2、3塩基変化させたものを配列番号3、そして6塩基変化させたものを配列番号4とした。また配列番号1〜4の一本鎖DNA末端にはDNA自動合成機での合成時にThiol−Modifier(GlenResearch社製)を用いる事によってチオール(SH)基を導入した。続いて通常の脱保護を行いDNAを回収し、高速液体クロマトグラフィーにて精製し、以下の実験に用いた。配列番号2〜4の配列を以下に示す。
配列番号:2
5'HS-(CH2)6-O-PO2-O-ACTGGCCGTTGTTTTACA3'
配列番号:3
5'HS-(CH2)6-O-PO2-O-ACTGGCCGCTTTTTTACA3'配列番号:4
5'HS-(CH2)6-O-PO2-O-ACTGGCATCTTGTTTACA3'(3)BJプリンターによるDNAプローブの吐出、および基板への結合
上記配列番号1〜4の一本鎖DNAを用いて、上記実施例1の(4)に記載した方法と同様の方法で4種類の吐出用液体を調製し、実施例1で用いたバブルジェットプリンタ用の4つのインクタンクに各々の液体を充填し、各々のインクタンクをバブルジェットヘッドに装着した。次いで該プリンタに上記(1)と同じ方法で作成したガラス板を装着し、該ガラス板上に4種の核酸プローブの各々を該ガラス板の3×3mmの4つのエリアの各々にスポッティングした。なお各エリア内でのスポッティングのパターンは実施例1と同様とした。スポッティング終了後、ガラス板を30分間加湿チャンバー内に静置し、マレイミド基とチオール基とを反応させた。
【0098】
(4)ブロッキング反応
マレイミド基とチオール基との反応終了後、ガラス板を1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄し、ガラス板表面のDNA溶液を完全に洗い流した。次いでガラス板を2%ウシ血清アルブミン水溶液中に浸して2時間放置し、ブロッキング反応を行った。
【0099】
(5)ハイブリダイゼーション反応
配列番号1のDNAと相補的な塩基配列を有する一本鎖DNAをDNA自動合成機で合成し、5’末端にローダミンを結合させて標識化一本鎖DNAを得た。この標識化一本鎖DNAを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に最終濃度1μMとなるように溶解し、(4)で得られたプローブアレイとハイブリダイゼーション反応を3時間行った。その後、プローブアレイを1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液にて洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAを洗い流した。次に該プローブアレイの各々のスポットを蛍光顕微鏡(ニコン(株)社製)で観察し、その蛍光量を、画像解析装置(商品名:ARGUS 50;浜松ホトニクス(株)社製)を接続し、ローダミンBに適するフィルターセットを装着した倒立型蛍光顕微鏡を用いて定量した。
【0100】
(6)結果
標識化一本鎖DNAと完全マッチである配列番号1のDNAプローブのスポットでは4600の蛍光量であるのに対し、1塩基のミスマッチ配列を有する配列番号2のDNAプローブのスポットでは、2800の蛍光量が得られた。また、3塩基ミスマッチを有する配列番号3のDNAプローブのスポットでは、2100と完全マッチの半分以下の蛍光量しか得られず、6塩基ミスマッチの配列番号4のDNAでは蛍光は観測されなかった。以上の事から、DNAアレイ基板上で完全相補性の一本鎖DNAを特異的に検出することができた。
【0101】
実施例3
(液体中のDNAプローブの濃度とバブルジェット吐出特性)
(1)DNAプローブの合成
以下に示す配列番号5の配列を有する一本鎖DNAをDNA自動合成機を用いて合成し、それを濃度が各々約0.2mg/ml、2mg/ml、15mg/mlになるようにTE溶液(10mM Tris−HCl(pH8)/1mM EDTA水溶液)に溶解し、濃度の異なる3種類のDNAプローブ溶液を調製した(正確な濃度は吸収強度から算出した)。
配列番号:5
5'GCCTGATCAGGC3'
(2)BJプリンターによる吐出
グリセリン7.5%、尿素7.5%、チオジグリコール7.5%、上記一般式(I)で示される構造を有するアセチレンアルコール(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)社製)1%を含む水溶液を用意し、この水溶液を上記(1)で調整した濃度0.2mg/mlのプローブ溶液に加えて、最終濃度が約0.02mg/ml(3μM)に希釈した。この液体を上記実施例1で用いたバブルジェットプリンタ用のインクタンクに充填し、このインクタンクを実施例1で用いたバブルジェットプリンタのヘッドに装着した。
【0102】
次に該プリンタにA4サイズのアルミ板を装着し、該アルミ板の3×5平方インチのエリアに対してスポッティングを行った。ここでのスポッティングは、上記エリアに360×720dpiの密度でスポッティングされるように設定した。また最初にコントロールとしてBJ620用の市販のインクを該アルミ板上に印字した。この操作を計4枚のアルミ板に対して行った。
【0103】
次に各々のアルミ板上にスポットされた核酸プローブをTE溶液を用いて回収し、ゲル濾過法により精製し、精製された回収核酸プローブの量を吸収スペクトルにより測定した。ここで理論的に求められる核酸プローブの回収量は以下の通りである。即ち本実施例に用いたプリンターのヘッドから吐出される液滴1つあたりの体積は24ピコリットルである。そして360×720dpiの密度で3×5平方インチのエリアにスポッティングしたアルミ板が4枚であるから、
24(ピコリットル)×(720×360)×(3×5)×4枚=373μl
となる。この量のプローブ核酸が示す260nmにおける吸光度と回収された核酸プローブの260nmにおける吸光度を図3に示す。
【0104】
上記(2)と全く同様の操作を、濃度2mg/ml、15mg/ml各々のプローブ溶液について行った。なお各々の吐出用液体の核酸プローブの最終濃度は30μM(0.2mg/ml)及び225μM(1.5mg/ml)とした。各溶液から回収されたプローブ核酸が示す吸光度及び理論的に求められたプローブ核酸量が示す吸光度の結果を図3に示す。
【0105】
(3)結果
図3から分かるように核酸プローブの実際の吐出量は理論的に予想される値に近い値であった。この事からバブルジェット法を用いての核酸プローブの吐出において、バブルジェットヘッドのヒータ部への核酸プローブの焦げ付きなどによる核酸プローブの量的損失は認められない。また各々の濃度の液体を用いてのアルミ板へのスポッティング工程中、ヘッドのトラブル、例えば不吐出等は一切発生しなかった。またコントロールとしてアルミ板にスポッティングしたバブルジェットプリンター用インクのスポットと核酸プローブのスポットを目視にて対比したところ、濃度3μM及び30μMの液体を用いて作成したスポットのスポッティング状況は、インクスポットのそれと殆ど同様であった。また濃度225μMの液体を用いて作成したスポットはインクスポットと比較して若干の乱れが認められた。
【0106】
実施例4
(バブルジェットプロセスが核酸プローブに与える影響の検討)
(1)核酸プローブの合成
アデニン(以降「A」と記載)からなる塩基長10mer(合成品)、oligoA(40−60mer;ファルマシア社製)、poly(dA)(300〜400mer;ファルマシア社製)をそれぞれTE溶液で希釈して最終濃度が1mg/mlになるよう調製し、長さの異なる核酸プローブ溶液を用意した。なお10merの塩基配列(配列番号:6)は以下の通りである。
配列番号:6
5'AAAAAAAAAA3'
(2)バブルジェットプリンターによるDNA溶液の吐出
グリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%及び上記一般式(I)で示されるアセチレンアルコール(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル)1wt%を含む水溶液を用意し、この水溶液で上記(1)で作成した各々の核酸プローブ溶液を最終濃度が約0.1mg/mlとなるように希釈した。
【0107】
実施例3と同様カートリッジに充填した各々の核酸プローブ溶液をアルミ板上に吐出させ、スポッティング状況を目視にて観察した。その結果塩基長10mer及び40〜60merの核酸プローブに関しては、アルミ板上に独立したスポットが整然と並んだプローブアレイが得られた。また300〜400merの核酸プローブに関しても、基本的には同様のプローブアレイが得られたが、隣接するスポット同士が繋がっている部分が認められた。これは核酸プローブの塩基鎖が長いことに起因する液体の物性変化が生じ、バブルジェットヘッドからの吐出の方向性が若干不正確になった為と考えられる。
【0108】
次に各々の核酸プローブ溶液を用いて作成したプローブアレイ上のスポットを実施例3と同様にして回収した。回収した核酸プローブ溶液100μlを逆相HPLCで分析し、吐出前の溶液との比較によって核酸プローブの切断の有無を調べた。なお逆相HPLCの溶出は1Mトリエチルアミンアセテートを含む7〜70%アセトニトリル濃度勾配により行った。その結果、切断されたと考えられる様なDNA断片は観測されず、よって核酸プローブはバブルジェット法での吐出によっても変質を受けなかったことが確認できた。また回収した核酸プローブの定量を実施例3と同様にして行った結果、図4に示すように3種類の長さの核酸プローブはほぼ理論値通りの量が回収された。
【0109】
実施例5
(反応時間の検討)
実施例1の(4)において、核酸プローブがスポッティングされた表面処理ガラス板を加湿チャンバー中に10分、90分、一晩室温(25℃)放置した以外は実施例1と同様にしてプローブアレイを製造し、各々のプローブアレイをハイブリダイゼーション反応に供した。その結果90分、及び一晩反応させたプローブアレイについては、全て実施例1で得られたプローブアレイが示す蛍光強度と同程度の蛍光強度を与えた。このことからガラス板表面のマレイミド基と核酸プローブ末端のチオール基との結合反応は30分でほぼ終了している事が明らかになった。一方反応時間が10分のプローブアレイは実施例1のそれに比べて、70%程度の蛍光量であった。
【0110】
実施例6
(バブルジェットプリンタを用いたPNAプローブアレイの製造、及びそのプローブアレイを用いた標的核酸の検出)
(1)上記実施例1の(1)及び(2)と全く同様にしてプローブアレイ用の表面処理を施したガラス板を用意した。
【0111】
(2)プローブPNAの合成
下記配列番号7及び8の塩基配列を有するプロテイン核酸(PNA)(日本パーセプティブ(株)社製)を用意した。このPNAはN末端(DNAの5’末端に相当)にシステイン残基(Cysと表記)が結合され、その結果としてN末端にチオール基が導入されている。また配列番号8のPNAプローブは配列番号7のPNAプローブを一塩基変化させたものである。
配列番号:7
NCys-NH(CH2)2-O-(CH2)2-O-CH2CONH-ACTGGCCGTCGTTTTACAC
配列番号:8
NCys-NH(CH2)2-O-(CH2)2-O-CH2CONH-ACTGGCCGTTGTTTTACAC
(3)BJプリンターによるPNAプローブの吐出、および基板への結合
上記各々のPNAプローブを100μlの0.1wt%トリフルオロ酢酸に最終濃度が80μMとなる様に溶解し、次いでグリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、及び上記一般式(I)で示されるアセチレンアルコール(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)社製)1wt%を含む水溶液を上記PNAのトリフルオロ酢酸溶液に加えて、PNAプローブの最終濃度が8μMとなるように調整した。この液体の表面張力は30〜50dyn/cmの範囲内であり、また粘度は1〜5cpsの範囲内であった。
【0112】
このPNAプローブ溶液各々を、実施例2の(3)に記載したのと同様にして上記(1)で作成したガラス板上の各々のエリアにスポッティングした。スポッティング終了後、3時間加湿チャンバー内に静置し、マレイミド基とチオール基とを反応させた。
【0113】
なお上記プリンタの1吐出動作あたりのPNAプローブ溶液の吐出量は約24plであった。
【0114】
(4)ブロッキング反応
マレイミド基とチオール基との反応終了後、ガラス板を1M NaCl/50mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄し、ガラス板表面のPNAを含む液体を完全に洗い流した。次いでガラス板を2%ウシ血清アルブミン水溶液中に浸して3時間放置し、ブロッキング反応を行った。
【0115】
(5)ハイブリダイゼーション反応
配列番号7のPNAと相補的な塩基配列を有する一本鎖DNAをDNA自動合成機で合成し、5’末端にローダミンを結合させて標識化した一本鎖DNAを得た。この標識化一本鎖DNAを10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に最終濃度5nMとなるように溶解し(溶液量1ml)、このDNA溶液中に上記(4)で得たブロッキング処理したPNAプローブアレイを浸漬し、室温(25℃)で12時間ハイブリダイゼーション反応を行った。その後、プローブアレイを10mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液で洗浄してPNAプローブとハイブリダイズしなかった一本鎖DNAを洗い流した。次に該プローブアレイのスポットの蛍光量を、画像解析装置(商品名:ARGUS 50;浜松ホトニクス(株)社製)を接続し、ローダミンBに適するフィルターセットを装着した倒立型蛍光顕微鏡を用いて定量した。
【0116】
(6)結果
標識化一本鎖DNAと完全マッチである配列番号7のPNAプローブでは2400の蛍光量であったのに対して1塩基ミスマッチ配列を有する配列番号8のPNAプローブでは約半分の1100であった。以上のことからPNAアレイ上で完全相補性の一本鎖DNAを特異的に検出することができた。
【0117】
またハイブリダイゼーション後の、各スポットが蛍光発光している状態のプローブアレイを蛍光顕微鏡(ニコン(株)社製)を用いて観察した。その結果本実施例にかかるプローブアレイでは、
a)各々のスポットがほぼ円形であって、またその直径が約200μmの範囲内にあること、
b)隣接するスポットとの間には、約50μmのスペースが有り、各々のスポットが互いに明確に独立していること、
c)スポットの行と列が揃っていること
が明らかとなった。
【0118】
このことはプローブアレイ上でハイブリダイズしたスポットの自動検出等を行わせる上で極めて有効である。
【0119】
更にハイブリダイゼーション反応時、及びその後の未反応の一本鎖DNAの除去に用いる溶液に塩化ナトリウムを含有させる必要が無いため、蛍光の観察中に塩化ナトリウムの析出に注意する必要がなく、プローブアレイ上のハイブリッドの検出をより容易に行うことができた。また保存上も密封の必要がなく、取扱いが容易であった。
【0120】
なおPNAプローブのスポット径が実施例1で得たプローブアレイのスポットよりも大きい理由は明らかでないが、本発明者らはPNAプローブはDNAプローブと比較して若干水溶性が劣るとの知見を得ており、両者の水溶性の差が各々のインクジェット吐出液の表面張力に差異を生じさせる結果、スポット径が異なっているものと推測される。
【0121】
実施例7
(表面にエポキシ基を導入したプローブアレイ用ブラックマトリクス付ガラス基板の調製及びその評価)
(1)合成石英からなるガラス基板(50mm×50mm)を、2wt%水酸化ナトリウム水溶液を用いて超音波洗浄し、次いでUVオゾン処理を行なって表面を清浄化した。エポキシ基を結合したシラン化合物(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:KBM403;信越化学工業株式会社製)を1wt%含有する50wt%メタノール水溶液を室温下で3時間攪拌し、上記シラン化合物中のメトキシ基を加水分解した。ついでこの溶液を上記基板表面にスピンコーターで塗布し、100℃で5分間加熱、乾燥して基板表面にエポキシ基を導入した。
(2)次にカーボンブラックを含有するDEEP−UVレジスト(ブラックマトリクス用ネガ型レジスト)(商品名:BK−739P;新日鉄化学株式会社製)をスピンコータで硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、この基板をホットプレートで80℃で5分間加熱して硬化させた。DEEP−UV露光装置を用いて1cm×1cmの領域に、図5における隣接ウェル間の距離(X)が100μm、及びウェルの形状が100μm×100μmの正方形となるようにパターニングされたマスクを用いてプロキシミティ露光し、次いで無機アルカリ水溶液の現像液で、スピン現像機を用いて現像し、更に純水で洗浄して現像液を完全に除去した。次にスピン乾燥機を用いて簡単に乾燥し、その後クリーンオーブン中で180℃で30分間加熱してレジストを本硬化させ、所定の配列でウェルが2500個配置され、隣接するウェルがブラックマトリクスで隔離された基板を得た。なお各ウェルの容積は50ピコリットル(pl)と計算される。この時点でブラックマトリクス表面の水に対する接触角は93°と濡れにくく、またウェル底面の水に対する接触角は35°と濡れやすかった。
【0122】
(3)10μMのローダミンB水溶液をバブルジェットプリンター(商品名:BJC620:キヤノン(株)社製)用インクタンクに充填し、前記実施例1で用いたバブルジェットプリンタのバブルジェットヘッドに装着した。そして上記(1)及び(2)で用意した固相をプリンタに装着し、該固相のウェルに、市松パターン(ひとつおき)にローダミンB水溶液を供給した。なお1ウェルあたりの供給量は約50plである。またこのプリンタの吐出位置決め精度は±2.5μmである。次に10μMのアミノFITCの水溶液を別のインクタンクに充填し、上記プリンタのバブルジェットヘッドに装着して、先にローダミンB水溶液を供給したウェルに隣接する別のウェルに供給した。ここでローダミンB及びアミノFITCを用いたのは水溶性でありインクジェットヘッドからの吐出が容易に行なえること、及び蛍光の観察によってウェルに供給された液体の状態やクロスコンタミネーションを確認できる為である。
【0123】
(4)蛍光顕微鏡(ニコン(株)社製)にG励起フィルター(ローダミンB用)、B励起フィルター(アミノFITC用)を装着し、倍率100倍にてウェルに供給された各々の水溶液の状態を蛍光で観察した。その結果各々の水溶液とも、液滴を形成することなくウェル内に均一に供給されていた。また各々のウェルからは互いに他の色素の蛍光は観察されず、クロスコンタミネーションは認められなかった。
【0124】
実施例8
(実施例7の基板を用いたプローブアレイの調製及びそれを用いた標的核酸の検出)
(1)実施例7と同様の方法によりブラックマトリクス(BM)付の基板を作成した。
(2)DNAプローブとして5’末端の水酸基にリン酸基とヘキサメチレンを介してアミノ基を結合した18量体のオリゴマー(配列番号:9)、配列番号9のオリゴマーに対して1個のヌクレオチドがミスマッチのプローブ(配列番号:10)、及び配列番号9のオリゴマーに対して2個のヌクレオチドがミスマッチのプローブ(配列番号:11)(全て日本製粉株式会社製、HPLCグレード)を用意した。配列番号9のオリゴマーの塩基配列は、一本鎖DNAであるM13mp18−ssDNAのマルチプルクローニングサイトの一部の塩基配列に相補的な配列である。以下に配列番号:9〜11の塩基配列とリンケージの構造を示す。
配列番号:9
5'NH2-(CH2)6-O-PO2-O-TGTAAAACGACGGCCAGT3'
配列番号:10
5'NH2-(CH2)6-O-PO2-O-TGTAAAACCACGGCCAGT3'
配列番号:11
5'NH2-(CH2)6-O-PO2-O-TGTATAACCACGCCCAGT3'
(3)上記配列番号9〜11のDNAプローブに対して完全相補的な一本鎖DNAを合成した。次にNaClを50mMの濃度で含むTE溶液(pH8)に、各DNAプローブ及び一本鎖DNAを最終濃度が100μMとなるように溶解し、DNAプローブ溶液及び一本鎖DNA溶液を調製した。そしてDNAプローブを含む溶液100μlに対して各々のDNAプローブに相補的な一本鎖DNAを含む溶液を100μl加えて混合し、各々の混合溶液を90℃から25℃まで直線的に2時間かけて冷却し、各々のDNAプローブと各々の一本鎖核酸とのハイブリッドを形成させた。次に上記配列番号:9〜11の各DNAプローブのハイブリッドを含む溶液を、グリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、及び前記一般式(I)で示されるアセチレンアルコール(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)社製)1wt%を含む水溶液に加え、ハイブリッドの最終濃度が8μMとなるように調整した。各々のDNAプローブのハイブリッドを含むこれらの液体の表面張力は何れも30〜50dyne/cmの範囲内であり、また粘度も1〜5cps(E型粘度計:東京計器(株)社製)の範囲内であった。
【0125】
次にバブルジェットプリンター(商品名:BJC620;キヤノン(株)社製)用インクタンクを3個用意し、各々のインクタンクに上記の3種のハイブリッド溶液を充填し、実施例1で用いたバブルジェットプリンタのヘッドに装着した。また上記(1)及び(2)で作成したBM付ガラス基板をセットし、まず配列番号9のDNAプローブのハイブリッドを含む溶液を1列目のウェル(図6の131)に供給した。次に配列番号10のDNAプローブのハイブリッドを含む溶液を上記1列目のウェルに隣接する2列日目ウェル(図6の133)に供給し、更に配列番号11のDNAプローブのハイブリッドを含む溶液を上記2列目のウェルに隣接する3列目のウェル(図6の135)に供給した。なお1つのウェルに対して何れのハイブリッド溶液を4回吐出して約100pl供給した。この量は1つのウェルの容積の約2倍であるが、顕微鏡で各ウェルを観察したところ、供給されたハイブリッド溶液はウェルの開口部からは盛り上がって存在しているが、疎水性のマトリクスによってウェル内に止まっており、ウェル間でのクロスコンタミネーションは観察されなかった。
【0126】
次に基板を25℃、湿度100%の恒温恒湿槽に12時間置き、プローブのアミノ基とウェルのエポキシ基とを反応させた。なおプローブの塩基のアミノ基は完全相補的な一本鎖DNAとハイブリッドを形成しているため、各ウェルのエポキシ基と反応することはない。
【0127】
(4)次に基板を80℃の純水で10分間洗浄し、基板に結合しているプローブとハイブリッドを組んでいる相補鎖をプローブから解離させると共に洗い流した。次いで基板を1%エタノールアミン水溶液で室温下で1時間処理し、各ウェル内の未反応のエポキシ基を開環させた。次に基板を純水で洗浄、乾燥した。
【0128】
上記(4)の繰作によってウェル内のDNAプローブと反応しなかったエポキシ基は開環して水酸基となり、また反応させたエタノールアミンにも水酸基が存在するためウェルの底面はより親水性が高くなり、後述の標的一本鎖DNAを含む溶液のウェルへの供給の際に有利となる。
【0129】
(5)次にNaClを50mMの濃度で含むTE溶液(pH8)に配列番号9のDNAプローブに対する完全相補性の一本鎖DNAを最終濃度が10μMとなるように溶解し、この溶液に上記(4)で得たウェルにエポキシ基を導入したプローブアレイを浸漬し、80℃から25℃まで2時間かけて降温しハイブリタイゼーション反応を行なった。ついで20℃で10mMのNaClを含むTE緩衝液(pH8)で基板を20分間洗浄したのちスピン転燥機で表面の洗浄液を除去した。
【0130】
(6)次にNaClを50mMの濃度で含むTE溶液(pH8.0)に、二本鎖核酸にインターカレートして初めて蛍光を発する、2−メチル−4、6−ビス(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)ピリリウムアイオタイド(以下「P2」と略)をその濃度が10μMとなるように溶解し、この溶液を上記インクジェットプリンタ用のインクタンクに充填して上記インクジェットプリンタのヘッドに取り付けた。また上記(5)にてハイブリダイゼーションを行なった基板を上記プリンタにセットし、各々のウェルに対してP2溶液を100plづつ供給したのち、乾燥を防止するために湿度100%の専用チャンバー内で5分間放置し、チャンバー内に保持したまま倒立型の顕微鏡(商品名:IMT2;オリンパス光学株式会社製、倍率:100倍、蛍光顕微鏡用のフィルターキューブ(励起用フィルター455nmから595nm(透過)、ダイクロイックミラー620nm、蛍光用バリアーフィルター610nmから725nm(透過))を使用)にICCDカメラ(商品名:C2400−87;浜松ホトニクス社製)とイメージプロセッサ(商品名:ARGUS 50;浜松ホトニクス社製)を接続し、蛍光を観察定量した。なお観察エリアは25μm×25μm、インテグレーション×64、ARGUS 50の増幅レベルは適宜設定した。
【0131】
その結果、配列番号11のDNAプローブを結合させたウェルからは、バックグラウンドとほぼ同様の、1200〜1500の蛍光強度が観察された。一方配列番号9のDNAプローブを結合させたウェルからは、9800〜10300の蛍光強度が観察され、また配列番号10のDNAプローブを結合させたウェルからは、3500〜3900の蛍光強度が観察された。更に各固相をTE緩衝液を用いて35℃で10分間洗浄して再度蛍光強度を測定したところ、配列番号10のDNAプローブを結合させたウェルからはバックグラウンドと同程度の蛍光強度しか観察されなくなった。
【0132】
これらの結果から、本実施例に係るプローブアレイを用いることで、各ウェルにおいてハイブリダイゼーション反応を行なうことができ、更に配列番号9と完全相補的な標的核酸を特異的に検出できることが分かった。
【0133】
実施例9
(実施例8のプローブアレイの各ウェルへの反応物質の選択的供給及びプローブとの反応)
(1)実施例8と同様にして配列番号9〜11のDNAプローブを結合させた基板を用意した。
【0134】
(2)配列番号9〜11のDNAプローブに対して完全相補的な3種類の一本鎖DNAを合成した。NaClを50mMの濃度で含むTE溶液(pH8)に上記3種類の一本鎖DNAを各々の濃度が100μMとなるように溶解した。バブルジェットプリンター(商品名:BJC620;キヤノン(株)社製)用インクタンクを3個用意し、各々のインクタンクに上記の3種の一本鎖DNA溶液を充填し、実施例1で用いたバブルジェットプリンタのヘッドに装着した。また上記(1)で用意した基板もプリンタにセットし、配列番号9〜11のDNAプローブが結合しているウェルに対して各々完全相補的な一本鎖DNAを含む溶液を1つのウェルにつき100plづつ供給した。この時点で各ウェルの状態を顕微鏡で観察したところ、液のにじみ、クロスコンタミネーションは観察されず、またプローブアレイの各ウェルに個別に反応させるべき物質の溶液を供給できることが分かった。
【0135】
(3)次に実施例8と同様にして各ウェルにおいてハイブリダイゼーション反応を行なわせた後、実施例8と同様にしてP2溶液を各ウェルに供給し、蛍光を観察することでハイブリッドの検出を行なった。その結果、全てのウェルから9800〜10300の強度の蛍光が観察された。このことから固相プローブアレイの各ウェルに個別に反応物質を供給し、各ウェルにおいてプローブと反応物質を反応させ、そして反応の結果物を検出できることが確認された。
【0136】
実施例10
(実施例7の基板のウェル底面の親水化処理)
(1)実施例7と同様にしてブラックマトリックスパターンを有するガラス基板を用意した。
【0137】
(2)この基板のブラックマトリックスが形成されている側の表面にUVオゾン処理を行なった。この時点でブラックマトリックス表面の水に対する接触角は93°と濡れにくい状態であり、ウェル底面の水に対する接触角は22°であって実施例7で得たブラックマトリクス付基板のウェル底面のそれと比較して濡れやすい状態であった。これは上記UVオゾン処理による効果と考えられる。
【0138】
(3)次に実施例7と同様にしてローダミンB、及びアミノFITCの水溶液を用いてウェルへのインクジェット吐出液の供給状況を観察したところ、各々の水溶液は共にウェル内で液滴を形成することなくウェル内に均一に供給されていた。プローブアレイの固相として表面にウェルを備えた固相を用いる場合には、表面にウェルを有しない、平坦且つ均一な表面特性を有する固相を用いる場合と異なり、インクジェット吐出液を出来るだけ限定された位置に留めなくてもよく、むしろウェル底面に十分にインクジェット吐出液を行き亘らせることが、後に行なうプローブと標的物質との反応の検出にはより有利となる。本実施例に記載したウェル底面の親水化処理はその一実施態様として好ましい方法である。また各々の色素が供給されるウェルからは互いに他の色素は観察されず、クロスコンタミネーションを生じさせることなしに、各々のウェルに各々の色素水溶液をインクジェットプロセスを用いて供給できたことが分かった。
【0139】
実施例11
(BM形成基板の各ウェルにプローブ固定用官能基導入の為の液体をインクジェット法にて供給して得た固相を用いたプローブアレイの製法及びその使用)
(1)実施例7と同様にしてブラックマトリックスを備えた基板を用意した。
【0140】
(2)アミノ基を結合したシラン化合物(N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:KBM603;信越化学工業株式会社製)を1wt%含有する10wt%メタノール水溶液を室温下で3時間攪拌し、上記シラン化合物中のメトキシ基を加水分解した。ついでこの溶液をバブルジェットプリンター(商品名:BJC620;キヤノン(株)社製)用インクタンクに充填し、実施例1で用いたバブルジェットプリンタのヘッドに装着した。また上記(1)で用意した基板もプリンタにセットし、ウェルに対してメトキシ基が加水分解されたシラン化合物を含むシランカップリング剤溶液を実施例8と同様にして供給した。この基板を25℃、湿度100%の恒温恒湿槽に30分放置したのち、純水で洗浄、スピン乾燥し、その後100℃で30分間ベークして、各ウェルの底面にアミノ基を導入した。
【0141】
(3)次にスクシイミジル−4−(マレイミドフェニル)ブチレート(アルドリッチ社製)を5wt%DMSO溶液に最終濃度が5wt%となるように溶解し、この溶液を上記(2)と同様にしてインクジェットプリンタで各ウェルに100plづつ供給し、ついで30℃、湿度100%の恒温恒湿槽に基板を2時間放置した。次に基板を純粋で洗浄し、スピン乾燥させて各ウェルの底面にマレイミド基を導入した。
【0142】
(4)DNAプローブとして5’末端の水酸基にリン酸基とヘキサメチレンを介してチオール基を結合した18量体のオリゴマー(配列番号:12)、配列番号12のオリゴマーに対して1個のヌクレオチドがミスマッチのプローブ(配列番号:13)、及び配列番号12のオリゴマーに対して2個のヌクレオチドがミスマッチのプローブ(配列番号:14)(全て日本製粉株式会社製、HPLCグレード)を用意した。以下に配列番号:12〜14の塩基配列とリンケージの構造を示す。
配列番号:12
5'HS-(CH2)6-O-PO2-O-TGTAAAACGACGGCCAGT3'
配列番号:13
5'HS-(CH2)6-O-PO2-O-TGTAAAACCACGGCCAGT3'
配列番号:14
5'HS-(CH2)6-O-PO2-O-TGTATAACCACGCCCAGT3'
(5)10mMのリン酸緩衝液に上記配列番号12〜14の各々のDNAプローブを最終濃度が10μMとなるように溶解させた。各々のDNAプローブ溶液を上記実施例8と同様にして上記(3)で作成した基板のウェルに供給した。各ウェルを顕微鏡で観察したところ、供給されたDNAプローブ溶液は、ウェルの開口部から盛り上がって存在しているが疎水性のマトリクスによってウェル内に止まっており、クロスコンタミネーションは観察されなかった。この基板を30℃、湿度100%の恒温恒湿槽に2時間放直し、その後純水で洗浄、スピン乾燥を行ない、各々のDNAプローブのチオール基を各ウェルのマレイミド基と反応させ、DNAプローブを基板に結合させた。
【0143】
(6)配列番号12のDNAプローブに対して完全相補的な一本鎖DNAを合成し、NaClを50mMの濃度で含むTE溶液に、この一本鎖DNAを最終浪度が10μMとなるように溶解した。この溶液に上記(5)で得たDNAプローブ結合基板を浸漬し、80℃〜25℃まで2時間かけて降温し、ハイブリダイゼーションを行なった。次にNaClを10mMの濃度で含むTE溶液(pH8)を用いて20℃で20分間基板を洗浄したのち、スピン乾燥機で基板表面の洗浄液を除去した。
【0144】
(7)ハイブリッドにインターカレートしてはじめて蛍光を発する試薬であるYOYO−1をNaClを濃度50mMで含むTE溶液に、最終濃度が10μMとなるように溶解した(pH8)。この溶液を上記(2)と同様にしてインクジェットプリンタを用いて上記(6)の処理を行なった基板の各ウェルに、100plづつ供給し、実施例8と同様にして蛍光を観察定量した(B励起フィルターを使用)。なおArgus50の信号増幅レベルは実施例8と同一である。
【0145】
その結果、配列番号14のDNAプローブを結合させたウェルからは、バックグラウンドとほぼ同様の、1800〜2000の蛍光強度が観察された。一方配列番号12のDNAプローブを結合させたウェルからは、7500〜8000の蛍光強度が観察され、また配列番号13のDNAプローブを結合させたウェルからは、3100〜3300の蛍光強度が観察された。更に固相をTE緩衝液を用いて35℃で10分間洗浄して再度蛍光強度を測定したところ、配列番号13のDNAプローブを結合させたウェルからはバックグラウンドと同程度の蛍光強度しか観察されなくなった。
【0146】
これらの結果から、本実施例に係るプローブアレイを用いることで、各ウェルにおいてハイブリダイゼーション反応を行なうことができ、更に配列番号9と完全相補的な標的核酸を特異的に検出できることが分かった。
【0147】
実施例12
(1)実施例11と同様にして配列番号12〜14のDNAプローブを結合させた基板を用意した。
【0148】
(2)配列番号12〜14のDNAプローブに対して完全相補的な3種類の一本鎖DNAを合成した。NaClを50mMの濃度で含むTE溶液に上記3種類の一本鎖DNAを各々の濃度が10μMとなる様に溶解した。なお各々の一本鎖DNA溶液のpHは8である。バブルジェットプリンター(商品名:BJC620;キヤノン(株)社製)用インクタンクを3個用意し、各々のインクタンクに上記の3種の一本鎖DNA溶液を充填し、実施例1で用いたバブルジェットプリンタのヘッドに装着した。また上記(1)で用意した基板もプリンタにセットし、配列番号12〜14のDNAプローブが結合しているウェルに対して各々完全相補的な一本鎖DNAを含む溶液を1つのウェルにつき100plづつ供給した。この時点で各ウェルの状態を顕微鏡で観察したところ、液のにじみ、クロスコンタミネーションは観察されず、またプローブアレイの各ウェルに個別に反応させるべき物質の溶液を供給できることが分かった。
【0149】
(3)次に実施例11と同様にして各ウェルにおいてハイブリダイゼーション反応を行なわせた後、実施例11と同様にしてYOYO−1溶液を各ウェルに供給し、蛍光を観察することでハイブリッドの検出を行なった。その結果、全てのウェルから7500〜8000の強度の蛍光が観察された。このことから固相プローブアレイの各ウェルに個別に反応物質を供給し、各ウェルにおいてプローブと反応物質を反応させ、そして反応の結果物を検出できることが確認された。
【0150】
実施例13
(BM形成基板をエポキシ基導入用の溶液に浸漬してウェルにエポキシ基を導入した基板を用いたプローブアレイの製法)
(1)実施例7の(2)の記載に従ってブラックマトリックス付基板を作成した。
【0151】
(2)実施例7の(1)の記載に従って、エポキシ基を結合したシラン化合物(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:KBM403;信越化学工業株式会社製)の1wt%水溶液を室温下で1時間攪拌して、該シラン化合物の分子内のメトキシ基を加水分解した。次いでこの溶液中に上記(1)で用意した固相を室温下で30分間浸漬し、その後純水で該固相を洗浄し、窒素ガス流で水を除去し、120℃で5分間ベークし、ウェル底面にエポキシ基を導入した。この時点でBM表面の水に対する接触角は95°と濡れにくい状態で有り、またウェル底部の水に対する接触角は33°と濡れやすい状態であった。この様にBM形成後の固相をシランカップリング剤で処理することによってもウェル底面へのエポキシ基の導入は可能である。
【0152】
(3)上記実施例8の(3)及び(4)に記載した方法に従って、配列番号:9〜11のDNAプローブをウェルの底面に結合させた。
【0153】
(4)配列番号9に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖DNAをDNA自動合成橡で合成し、5’末端にヘキサノールアミンリンカーを介してテトラメチルローダミンを結合した標識化一本鎖DNAを得た。この標識化一本鎖DNAをNaClを50mMの濃度で含むTE溶液(pH8)に最終濃度が2μMとなるように溶解した。この溶液に上記(3)で得たDNAプローブ結合基板を浸漬し、80℃から25℃まで2時間かけて降温してハイブリダイゼーション反応を行なった。その後プローブアレイを10mM NaCl/TE緩衝液(pH8)を用いて29℃で20分間洗浄してプローブ核酸とハイブリダイズしなかった一本鎖DNAを洗い流した。
次に実施例8と同様にして各ウェルからの蛍光量を定量した。
【0154】
(5)結果
標識化一本鎖DNAと完全マッチである配列番号9のDNAプローブを結合させたウェルからは8500〜9400の蛍光量が確認された。また配列番号10のDNAプローブを結合させたウェルからは2800〜3400の蛍光量が観察されまた配列番号11のDNAプローブを結合させたウェルからは1200〜1500程度の蛍光量しか観察されなかった。また上記プローブアレイを10mMNaCl/TE緩衝液(pH8)を用いて更に35℃で10分間洗浄したところ、配列番号10のDNAプローブを結合させたウェルからの蛍光量は、バックグラウンドのレベルにまで低下した。よって本来施例にかかるプローブアレイを用いてもハイブリッドの標的物質の特異的な検出が可能であることが分かる。
【0155】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によればインクジェット技術を用いることによって固相上にプローブを含むスポットを、該プローブにダメージを与えることなしに、且つサテライトスポットを生じさせることなしにスポッティングすることができる。またこの方法を用いることによってプローブスポットを互いに独立に、且つ高密度に備えた高品質なプローブアレイを効率良く製造することができる。
【0156】
更に本発明によれば少量の検体からでも標的物質に関するより多くの情報を、より正確に検査可能なプローブアレイを得ることができ、またそれを用いることでサンプル中に標的物質が存在するか否かをより正確、且つ迅速に判定できる。同様にこのプローブアレイを用いることでサンプル中の標的物質の構造をより正確に、且つ迅速に特定することができる。
【0157】
また本発明によれば、プローブアレイの固相として表面にマトリクスパターンを形成し、ウェルを設けた固相を用いることで、固相へのプローブ溶液の供給、若しくは固相へのサンプルの供給の多少の位置ずれにも対処することができる。またマトリクスに種々の機能を担持させることで標的物質の検出、構造の特定等のより一層の高精度化が可能になった。
【0158】
【配列表】
Figure 0004208392
Figure 0004208392
Figure 0004208392
Figure 0004208392
Figure 0004208392

【図面の簡単な説明】
【図1】バブルジェットヘッドを用いてプローブアレイを製造する方法の概略説明図である。
【図2】図1のバブルジェットヘッドのA−A線断面図である。
【図3】実施例3においてバブルジェット法によってアルミ板上にスポッティングした核酸プローブの量の理論値と、実際の回収量とを対比するグラフである。
【図4】実施例4においてバブルジェット法によってアルミ板上にスポッティングした核酸プローブの量の理論値と、実際の回収量とを対比するグラフである。
【図5】(a)本発明にかかるプローブアレイの一実施態様の概略平面図である。
(b)図5(a)のBB線断面図である。
【図6】実施例8におけるスポッティング方法の説明図である。
【符号の説明】
101 ノズル
103 固相
104 液滴
105 バブルジェットヘッド
107 核酸プローブを含む吐出される液体
109 保護膜
111−1、111−2 電極
113 発熱抵抗体層
115 蓄熱層
116 放熱性の良好なアルミナ等で形成されている基板
117 発熱ヘッド
119 吐出オリフィス
121 メニスカス
123 発泡領域[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for spotting a probe on a solid phase, a probe array, a method for producing the same, a method for detecting a target single-stranded nucleic acid using the probe array, and a method for specifying the base sequence of the target single-stranded nucleic acid.
[0002]
[Prior art]
As one of techniques that can quickly and accurately determine the base sequence of a nucleic acid, detect a target nucleic acid in a sample, and identify various bacteria, for example, a substance that can specifically bind to the target nucleic acid, a so-called probe is used as a solid phase. The use of a large number of probe arrays arranged on top has been proposed.
[0003]
As a general method for producing such a probe array, for example, as described in European Patent No. 373203 (EP0373203B1), (1) a method of synthesizing a nucleic acid probe on a solid phase, (2 A method for supplying a pre-synthesized nucleic acid probe onto a solid phase is known. For example, US Pat. No. 5,405,783 (US Pat. No. 5,405,783) is an example of the prior art in which details of the method (1) are disclosed.
[0004]
As the method of (2) above, for example, US Pat. No. 5,601,980 (USP 5601980), “Science”, Vol. 270, page 467, (1995) uses micropipetting to form an array of cDNA. Are disclosed.
[0005]
By the way, in the method (1), since the nucleic acid probe is directly synthesized on the solid phase, it is not necessary to synthesize the nucleic acid probe in advance. However, it is difficult to purify the probe nucleic acid synthesized on the solid phase. The accuracy of nucleobase sequencing using a probe array, detection of a target nucleic acid in a sample, etc. greatly depends on the accuracy of the nucleic acid probe base sequence. Therefore, the method (1) is required to further improve the accuracy of the nucleic acid probe as a method for producing a higher quality probe array.
[0006]
On the other hand, the method (2) above requires a nucleic acid probe synthesis step prior to the fixation of the nucleic acid probe to the solid phase, but the nucleic acid probe can be purified prior to binding to the solid phase. For this reason, at the present stage, the method (2) is considered to be preferable to the method (1) as a method for producing a higher quality probe array.
[0007]
However, the problem of the method (2) is a method of spotting nucleic acid probes on a solid phase with high density. For example, when nucleic acid base sequencing is performed using a probe array, it is preferable to arrange as many nucleic acid probes as possible on a solid phase. For efficient detection of gene mutations, it is preferable to place nucleic acid probes having sequences corresponding to the respective mutations on a solid phase. Furthermore, when detecting a target nucleic acid in a sample, or detecting a gene mutation or deletion, it is preferable to collect a sample from a subject, specifically, to collect blood or the like as little as possible. It is preferable that information on as many base sequences as possible can be obtained from these samples. Considering these points, it is preferable that 10,000 or more nucleic acid probes are arranged in a 1-inch square, for example.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
As a result of various studies under these circumstances, the present inventors have found that a probe can be spotted at an extremely high density by using an ink jet discharge technique, and have led to the present invention.
[0009]
An object of the present invention is to provide a method for accurately spotting a very small amount of a probe on a solid phase efficiently and without damaging the probe.
[0010]
Another object of the present invention is to provide a probe array capable of more accurately examining more information about nucleic acids even from a small amount of specimen.
[0011]
Still another object of the present invention is to provide a method for efficiently producing a probe array in which a large number of probes are bound on a solid phase without damaging the probes.
[0012]
Still another object of the present invention is to provide a method for efficiently detecting a target substance that may be contained in a sample.
[0013]
Still another object of the present invention is to provide a method for specifying the structure of a target substance that can acquire information on the structure of the target substance even from a small amount of specimen.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
  A probe according to an embodiment of the present invention capable of achieving the above object is provided with an ink jet.
The liquid composition to be discharged by the jet method is a probe that can specifically bind to the target substance.Nucleic acidIs a liquid composition for discharging a probe by an ink jet method, and a probeNucleic acid, Urea, glycerin, and acetylene alcohol represented by the following general formula (I)And the concentration of the probe nucleic acid in the liquid composition is 0 . 0.5 to 500 μM, 5 to 10 wt% urea, 5 to 10 wt% glycerol and 0 to acetylene alcohol represented by the above general formula (I) with respect to the liquid composition . At a rate of 02-5 wt%It is characterized by containing:
[0015]
[Chemical formula 2]
Figure 0004208392
[0016]
(In the above formula, R1, R2, RThreeAnd RFourRepresents an alkyl group, m and n each represent an integer, m = 0 and n = 0, or 1 ≦ m + n ≦ 30, and m or n is 0 when m + n = 1. )
By using the spotting method according to the above aspect, the probe can be accurately and efficiently applied on the solid phase, and the probe array can be efficiently manufactured.
[0021]
In US Pat. No. 5,601,980, it is recognized that it is not appropriate to use a conventional inkjet technique for spotting a nucleic acid probe. That is, in US Pat. No. 5,601,980, the second column, lines 31 to 52, describes that it is not appropriate to use an ink jet printer technique that ejects a small amount of ink by pressure waves. The pressure wave caused by this could cause a sudden rise in the ink temperature, possibly damaging the nucleic acid probe, and the scattering of ink during ejection could cause contamination between adjacent nucleic acid probe spots. Cite. In addition, in US Pat. No. 5,601,980, a liquid drop containing a nucleic acid probe is formed at the tip of a micropipette while monitoring the size of the micropipette using gas pressure, and when a predetermined size is reached, pressure is applied. And a method for producing a probe array by supplying the droplets onto a solid phase is disclosed.
[0022]
In US Pat. No. 5,547,796, a hydrophobic and hydrophilic matrix is formed on the surface of a solid phase, and four types of bases are sequentially discharged onto the hydrophilic portion using a piezoelectric electric impulse jet pump apparatus. At least, a method for producing an oligonucleotide array and using it to determine the base sequence of a target nucleic acid is disclosed.
[0023]
However, these prior arts do not disclose any technique for accurately arranging nucleic acid probes at high density by discharging a nucleic acid probe having a predetermined base sequence in advance using an ink jet technique. .
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(Summary of probe array manufacturing method)
1 and 2 are schematic explanatory views of a method for producing a probe array according to the present invention, for example, a nucleic acid probe array. In FIG. 1, 101 is a probe as a discharge liquid, for example, a liquid supply system (nozzle) holding a liquid containing a nucleic acid probe in a dischargeable manner, and 103 is a solid phase (for example, a transparent glass plate) to which the nucleic acid probe is to be bound. , 105 is a bubble jet head which is a kind of ink jet head and has a mechanism for applying thermal energy to the liquid and discharging the liquid. A liquid 104 includes the nucleic acid probe discharged from the bubble jet head 105. 2 is a cross-sectional view of the bubble jet head 105 taken along line AA in FIG. 1. In FIG. 2, 105 is a bubble jet head, 107 is a liquid containing a nucleic acid probe to be discharged, and 117 is discharged into the liquid. It is a board | substrate part which has a heat generating part which provides energy. The substrate portion 117 includes a protective film 109 made of silicon oxide or the like, electrodes 111-1 and 111-2 made of aluminum, a heating resistor layer 113 made of nichrome, a heat storage layer 115, and the like. A support 116 formed of alumina or the like having good heat dissipation is included.
[0025]
A liquid 107 containing a nucleic acid probe is provided to a discharge orifice (discharge port) 119, and a meniscus 121 is formed by a predetermined pressure. Here, when an electrical signal is applied to the electrodes 111-1 and 111-2, the region indicated by 123 (foaming region) suddenly generates heat, bubbles are generated in the liquid 107 in contact therewith, and the meniscus is discharged by the pressure. Then, the liquid 107 is discharged from the orifice 119 and flies toward the surface of the solid phase 103. The amount of liquid that can be ejected using a bubble jet head having such a structure varies depending on the size of the nozzle, etc., but can be controlled to, for example, about 4 to 50 picoliters, and the nucleic acid probe can be densely formed. It is extremely effective as a means for arranging
(Relationship between discharged liquid and solid phase)
(Spot diameter on solid phase)
The density of the nucleic acid probe on the solid phase is as described above (for example, 10,000 or more per inch, the upper limit is 1 × 106For example, the spot diameter of each nucleic acid probe is preferably about 20 to 100 μm, and the spots are preferably independent of each other. Such a spot is determined by the characteristics of the liquid discharged from the bubble jet head, the surface characteristics of the solid phase to which the liquid adheres, and the like.
[0026]
(Discharge liquid characteristics)
As the liquid for discharge, it can be discharged from a bubble jet head, and the liquid discharged from the head is landed at a desired position on the solid phase, and further in the mixed state with the nucleic acid probe and at the time of discharge. Any liquid can be used as long as the nucleic acid probe is not damaged.
[0027]
From the viewpoint of dischargeability from a bubble jet head, the liquid characteristics are preferably, for example, a viscosity of 1 to 15 cps and a surface tension of 30 dyn / cm or more. Further, when the viscosity is 1 to 5 cps and the surface tension is 30 to 50 dyn / cm, the landing position on the solid phase becomes extremely accurate, and this is particularly preferably used.
[0028]
Next, considering the ink jet ejection characteristics of the liquid and the stability of the nucleic acid probe in the liquid and during bubble jet ejection, for example, a 2 mer to 5000 mer nucleic acid probe, particularly a 2 mer to 60 mer nucleic acid probe, It is preferably contained at a concentration of 500 μM, particularly 2 to 50 μM.
[0029]
(Discharge liquid composition)
The composition of the liquid discharged from the bubble jet head has substantially no influence on the nucleic acid probe when mixed with the nucleic acid probe as described above and when discharged from the bubble jet head. In addition, the liquid composition that can be normally discharged to the solid phase using a bubble jet head satisfies the preferable conditions. However, for example, glycerin, urea, thiodiglycol or ethylene glycol, isopropyl alcohol And the liquid containing the acetylene alcohol shown by following formula (I) is preferable.
[0030]
[Chemical 3]
Figure 0004208392
[0031]
(In the above formula (I), R1, R2, RThreeAnd RFourRepresents an alkyl group, specifically, for example, a linear or branched alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, m and n each represent an integer, m = 0 and n = 0, or 1 ≦ m + n ≦ When m + n = 1, m or n is 0. )
More specifically, urea is 5 to 10 wt%, glycerin is 5 to 10 wt%, thiodiglycol is 5 to 10 wt%, and acetylene alcohol represented by the above formula (I) is 0.02 to 5 wt%, more preferably A liquid containing 0.5 to 1 wt% is preferably used.
[0032]
When this liquid is used, the spot shape when the liquid containing the nucleic acid probe is ejected from the bubble jet head and deposited on the solid phase is circular, and the ejected area does not widen and the density is high. Even when a nucleic acid probe is spotted, the connection with an adjacent spot can be effectively suppressed. Furthermore, no alteration of the nucleic acid probe spotted on the solid phase is observed. The characteristics of the liquid used for producing the nucleic acid probe array of the present invention are not limited to those described above. For example, a well-like structure that prevents the liquid applied on the solid phase with a bubble jet head from spreading on the solid phase and mixing with adjacent spots on the solid surface is formed. When provided, the viscosity and surface tension of the liquid, as well as the base length and concentration of the nucleic acid probe, can be used even outside the above ranges.
[0033]
(Types of functional groups of solid phase and nucleic acid)
It is effective in stopping the spot of the nucleic acid probe attached on the solid phase in a more limited position and preventing contamination with adjacent spots more securely, and the nucleic acid probe is firmly bonded on the solid phase. As an effective means for this, there is a method in which functional groups capable of reacting with each other are bound to both the nucleic acid probe and the solid phase.
[0034]
(SH group and maleimide group)
Preferable examples include an example using a combination of a maleimide group and a thiol (—SH) group. That is, a thiol (-SH) group is bonded to the end of the nucleic acid probe, and the solid phase surface is treated so as to have a maleimide group, so that the thiol group of the nucleic acid probe supplied to the solid surface and the solid phase The nucleic acid probe is immobilized by reaction with the maleimide group on the surface, and as a result, a spot of the nucleic acid probe can be formed at a predetermined position on the solid phase. In particular, when a nucleic acid probe having a thiol group at the terminal is dissolved in a liquid having the above composition and applied to a solid phase surface introduced with a maleimide group using a bubble jet head, the nucleic acid probe solution is extremely small on the solid phase. A spot is formed. As a result, a small spot of the nucleic acid probe can be formed at a predetermined position on the surface of the solid phase. In this case, there is no need to provide a structure that forms wells made of, for example, hydrophilic and hydrophobic matrices on the solid surface and prevents the connection between spots.
[0035]
For example, a liquid containing a nucleic acid probe having a base length of 18 mer at a concentration of 8 μM and adjusted so that the viscosity and the surface tension are within the above-mentioned ranges is used as a bubble jet printer (trade name: BJC620; manufactured by Canon Inc. When the distance between the solid phase and the bubble jet head nozzle is set to about 1.2 to 1.5 mm and the nozzle is discharged (discharge amount is about 24 picoliters) A spot having a diameter of about 70 to 100 μm can be formed on the solid phase, and a spot derived from splash when the liquid landed on the solid phase surface (hereinafter referred to as “satellite spot”) is not visually observed. I was not able to admit. The reaction between the maleimide group on the solid phase and the SH group at the end of the nucleic acid probe is completed in about 30 minutes at room temperature (25 ° C.), depending on the conditions of the liquid to be discharged. This time is shorter than when a piezo jet head is used for discharging the liquid. The reason for this is not clear, but in the bubble jet method, the temperature of the liquid containing the nucleic acid probe in the head rises due to its principle, and as a result, the reaction efficiency of maleimide groups and thiol groups increases and the reaction time is shortened. Conceivable.
[0036]
In addition, when using the combination of a maleimide group and a thiol group, it is preferable to contain thiodiglycol in the solution containing a nucleic acid probe. The thiol group forms a disulfide bond (-S-S-) under neutral and weak alkaline conditions, and may form a dimer. However, by adding thiodiglycol, it is possible to prevent a decrease in reactivity between the thiol group and the maleimide group due to dimer formation.
[0037]
Various methods can be used as a method for introducing a maleimide group onto the surface of a solid phase. For example, an aminosilane coupling agent is reacted with a glass substrate, and then the amino group and N- (6- This is possible by reacting with a reagent (EMCS reagent: manufactured by Dojin) containing maleimidocaproyloxy) succinimide (N- (6-Maleimidocaproyloxy) succinimide).
[0038]
[Formula 4]
Figure 0004208392
[0039]
In addition, a nucleic acid probe to which a thiol group is bonded is synthesized by using 5′-Thiol-Modifier C6 (manufactured by Glen Research) as a 5′-end reagent when, for example, an automatic DNA synthesizer is used to automatically synthesize DNA. It can be obtained by purification by high performance liquid chromatography after the usual deprotection reaction.
[0040]
(Amino group and epoxy group)
Examples of combinations of functional groups used for immobilization include combinations of epoxy groups (on the solid phase) and amino groups (ends of nucleic acid probes) in addition to the combinations of thiol groups and maleimide groups described above. . Epoxy groups can be introduced to the solid surface by, for example, applying polyglycidyl methacrylate having an epoxy group to a solid phase surface made of a resin, or applying a silane coupling agent having an epoxy group to a solid phase surface made of glass. Examples include a method of reacting with glass.
[0041]
As described above, when a functional group that reacts with each other to form a covalent bond is introduced between the solid phase surface and the end of the single-stranded nucleic acid probe, the nucleic acid probe and the solid phase are more firmly bonded. In addition, since the binding site of the nucleic acid probe with the solid phase can always be the end, the state of the nucleic acid probe at each spot can be made uniform. As a result, the conditions for hybridization between the nucleic acid probe and the target nucleic acid in each spot are aligned, and it is considered that the target nucleic acid can be detected and the base sequence can be specified with further improved accuracy. Furthermore, the covalent bond between a nucleic acid probe having a functional group at the end and a solid phase is more difficult than a nucleic acid probe immobilized on a solid phase by non-covalent bonding (for example, electrostatic bonding). A probe array can be produced quantitatively without causing a difference in the amount of probe DNA bound due to the difference. Furthermore, since all the base sequence portion of the nucleic acid contributes to the hybridization reaction, the efficiency of the hybridization reaction can be remarkably increased. In addition, an alkylene group having, for example, about 1 to 7 carbon atoms is introduced as a linker portion between the portion involved in the hybridization with the target nucleic acid of the single-stranded nucleic acid probe and the functional group involved in the reaction with the solid phase. May be. As a result, when the nucleic acid probe is bound to the solid phase, a predetermined distance can be provided between the solid surface and the nucleic acid probe, and further improvement in the reaction efficiency between the nucleic acid probe and the target nucleic acid is expected. it can.
[0042]
(Production method of array)
Next, one of the most preferred aspects of the present method of manufacturing a probe array according to the present invention will be described. First, glycerin 7.5 wt%, urea 7.5 wt%, thiodiglycol 7.5 wt%, and acetylene alcohol having a structure represented by the above general formula (I) (for example, trade name: acetylenol EH; river) A liquid containing 1 wt% of Ken Fine Chemical Co., Ltd. is prepared. Next, a single-stranded nucleic acid probe having a thiol group bonded to the terminal and having a length of, for example, about 2 to 5000 mer, particularly about 2 to 60 mer is synthesized using an automatic DNA synthesizer. Next, the nucleic acid probe is applied to the liquid, for example, at a concentration of 0.05 to 500 μM, particularly 2 to 50 μM, the viscosity of the liquid is 1 to 15 cps, particularly 1 to 5 cps, and the surface tension is 30 dyn / cm or more. In particular, mixing is performed so as to be 30 to 50 dyn / cm to obtain a liquid for discharge. Then, this discharge liquid is filled in, for example, a nozzle of a bubble jet head. In the solid phase, maleimide groups are introduced on the surface according to the above-described method. Then, the solid phase and the bubble jet head are brought close to a distance of about 1.2 to 1.5 mm between the surface where the maleimide group of the solid phase is bonded and the nozzle surface of the bubble jet head. The head is driven to discharge the liquid. Here, it is preferable to set a discharge pattern such that spots on the solid phase are not connected to each other. For example, when the resolution of the bubble jet head used for spotting is 360 × 720 dpi, the discharge is performed once in the 360 dpi direction and then is discharged twice, and the discharge is performed once in the 720 dpi direction and then discharged 5 times. In the case of spotting, the space between each spot is about 100 μm, and contamination with adjacent spots can be sufficiently prevented.
[0043]
Next, the reaction of the maleimide group on the solid phase and the thiol group of the nucleic acid probe in the liquid proceeds, and the solid phase is allowed to stand, for example, in a humidified chamber until the nucleic acid probe is securely fixed to the solid phase. As described above, for example, about 30 minutes at room temperature (about 25 ° C.) is sufficient. Thereafter, unreacted nucleic acid probes on the solid phase are washed away to obtain a nucleic acid probe array.
[0044]
Here, for the purpose of improving detection accuracy (S / N ratio), for example, when detecting a target nucleic acid using this nucleic acid probe array, the nucleic acid probe is immobilized on the surface of a solid phase, It is preferable to perform blocking so that the nucleic acid probe non-binding portion of the solid phase does not bind to the target nucleic acid contained in the sample. Blocking can be achieved, for example, by immersing the solid phase in a 2% bovine serum albumin aqueous solution for about 2 hours, for example, or by decomposing maleimide groups not bound to the nucleic acid probe on the surface of the solid phase. For example, DTT (dithiothreitol), β-mercaptoethanol or the like can be used. However, in view of the effect of preventing the adsorption of labeled DNA, bovine serum albumin aqueous solution is most suitable. This blocking step may be performed as necessary. For example, when the sample is supplied to the probe array in a limited manner for each spot, and the sample is not substantially attached to a site other than the spot. You don't have to. Also, the blocking step can be omitted when wells are formed in advance on the solid phase and the portions other than the wells are processed so that the nucleic acid probe does not easily adhere.
[0045]
The probe array prepared in this way may be configured to have, for example, a plurality of spots containing the same nucleic acid probe, or a plurality of spots each containing a different nucleic acid probe, depending on the application. May be. A probe array in which nucleic acid probes are arranged at high density by such a method is then used for detection of a target single-stranded nucleic acid, identification of a base sequence, and the like. For example, when used for detection of a target single-stranded nucleic acid with a known base sequence that may be contained in a sample, it has a base sequence complementary to the base sequence of the target single-stranded nucleic acid. A probe array is prepared in which a single-stranded nucleic acid is used as a probe, and a plurality of spots containing the probe are arranged on a solid phase, and a sample is supplied to each spot of the probe array to provide the target single-stranded After being placed under conditions where the nucleic acid and the nucleic acid probe are hybridized, the presence or absence of a hybrid in each spot is detected by a known method such as fluorescence detection. Thereby, the presence or absence of the target substance in the sample can be detected. In addition, when used to specify the base sequence of the target single-stranded nucleic acid contained in the sample, a plurality of candidates for the base sequence of the target single-stranded nucleic acid are set, and complementary to the base sequence group, respectively. A single-stranded nucleic acid having a specific base sequence is spotted on the solid phase as a probe. Next, a sample is supplied to each spot and placed under conditions that allow the target single-stranded nucleic acid and the nucleic acid probe to hybridize, and then the presence or absence of a hybrid in each spot is detected by a known method such as fluorescence detection. To do. Thereby, the base sequence of the target single-stranded nucleic acid can be specified. Further, as other uses of the probe array according to the present invention, for example, application to screening of a specific base sequence recognized by a DNA binding protein or screening of a chemical substance having a property of binding to DNA can be considered.
[0046]
(Type of inkjet head)
In the above description, only the configuration in which the nucleic acid probe is applied to the solid phase by the bubble jet head has been described. However, in the present invention, the piezo jet that discharges the liquid in the nozzle using the vibration pressure of the piezo element. It is also possible to use a head. However, when a bubble jet head is used as described above, the binding reaction to the solid phase is completed in a short time, and the secondary structure of DNA is also eliminated by heat, so that the efficiency of the subsequent hybridization reaction is improved. The bubble jet head is an ink jet head that is more preferably used in the present invention in that it can be raised.
[0047]
Further, a plurality of spots may be simultaneously formed on the solid phase by using an inkjet head having a plurality of heads so that the nucleic acid probes contained between two or more spots are different.
(PNA / DNA)
So far, the present invention has been described using a nucleic acid probe as an example of a probe. Examples of nucleic acid probes include deoxyribonucleic acid (DNA) probes, ribonucleic acid (RNA) probes, and peptide nucleic acid (PNA) probes. PNA has 4 DNA bases (adenine, guanine, thymine, cytosine) bonded to the peptide main chain instead of the sugar-phosphate main chain, and has a structure as shown in the following formula (II) It is a synthetic oligonucleotide.
[0048]
[Chemical formula 5]
Figure 0004208392
[0049]
(In the formula, “Base” represents one of the four types of bases (adenine, cytosine, thymine, guanine) constituting DNA. P represents the base length of PNA.)
PNA can be synthesized, for example, by a method known as a tBOC type solid phase synthesis method or an Fmoc type solid phase synthesis method. PNA has stronger resistance to enzymes such as nucleases and proteases compared to natural oligonucleotides such as DNA and RNA, and is stable with little or no enzymatic cleavage even in serum. In addition, since it does not have a sugar part or phosphate group, it is hardly affected by the ionic strength of the solution, and therefore there is no need to adjust the salt concentration when reacting PNA with the target single-stranded nucleic acid, In addition, since there is no electrostatic repulsion, the hybrid of PNA and target single-stranded nucleic acid is better than the hybrid of DNA probe and target single-stranded nucleic acid or the hybrid of RNA probe and target single-stranded nucleic acid. It is also considered excellent in thermal stability. From these characteristics, it is promising as a probe used for detection of a target nucleic acid and determination of a base sequence. The above-described method for producing a nucleic acid probe array according to the present invention is also effective when a PNA probe is applied as a nucleic acid probe, and a PNA probe array in which PNA probes are arranged with high density and high accuracy can be easily obtained. Can be manufactured. Specifically, for example, as a method of increasing the density of the probe array by stopping the PNA probe at a limited position on the solid phase, the end of the PNA probe and the surface of the solid phase are similar to those of the DNA probe or RNA probe. A method of introducing functional groups having reactivity with each other can be used, and one preferred combination of reactive groups is the same thiol group (PNA end) and maleimide group (solid phase) as described above. (Surface). For example, the introduction of a thiol group into the PNA end is performed by, for example, cysteine containing a thiol group at the N-terminus of the PNA probe (corresponding to the 5 'end of DNA) (CH (NH2) (COOH) CH2This is achieved by introducing a group such as SH). Introduction of cysteine at the N-terminus of the PNA probe can be performed, for example, by reacting the amino group at the N-terminus of the PNA probe with the carboxyl group of cysteine. The N-terminal amino group of the PNA probe and, for example, N2H (CH2)2O (CH2)2OCH2It reacts with the carboxyl group of an appropriate linker such as COOH having an amino group and a carboxyl group, and then reacts with the amino group of the linker and the carboxyl group of cysteine, thereby allowing the PNA probe to pass through the linker. Cysteine can also be bonded to the N-terminus of. In this way, when the binding group to the solid phase is introduced via the linker, the reaction site of the PNA probe with the target substance can be separated from the solid phase by a predetermined distance, thereby further improving the hybridization efficiency. Be expected.
[0050]
In addition, PNA may have lower solubility in water than DNA having the same base length depending on its base length. When preparing a liquid for ink jet ejection, PNA is preliminarily treated with trifluoroacetic acid (for example, 0.1 wt% trivalent). It is preferable to prepare a characteristic suitable for inkjet ejection using the above-mentioned various solvents after being dissolved in an aqueous solution of fluoroacetic acid or the like. In particular, dissolution in trifluoroacetic acid prevents denaturation of the thiol group in the cysteine residue at the PNA end due to oxidation to cystine, and further improves the reaction efficiency between the thiol group of PNA and the maleimide group on the solid surface. It is preferable for improving the above. In addition, the reaction time between the thiol group introduced at the end of the DNA probe or RNA probe and the maleimide group on the solid phase surface is 30 minutes as described above (when using a bubble jet head). Even when a bubble jet head is used, the reaction is preferably performed for about 2 hours.
[0051]
Furthermore, the probe is not limited to a nucleic acid probe, and can specifically bind to a substance that can specifically bind to a target substance in a sample to be detected and analyzed, such as a ligand that can specifically bind to a receptor, or a ligand. Receptors, oligopeptides and polypeptides that can bind to oligopeptides or polypeptides having a specific amino acid sequence, and proteins (eg, antibodies, antigens, enzymes, etc.) can be used as probes. In this case, the SH group of the cysteine residue contained in the protein can be used for the reaction.
[0052]
As described above, according to the probe array manufacturing method including the step of supplying the probe solution to the solid phase using the inkjet discharge process, the probe array can be formed very easily. In particular, when a functional group is introduced so that a covalent bond is formed between the nucleic acid probe and the solid-phase surface, the solid-phase surface does not have wells in advance, that is, is substantially flat and has surface characteristics. Even if a solid phase having uniform (easiness to wet with water, etc.) is used, adjacent spots are not connected. As a result, a nucleic acid probe array in which nucleic acid probes are arranged with high accuracy and high density can be manufactured extremely efficiently and at low cost.
[0053]
This does not exclude the use of a solid phase having wells on the surface in the present invention. For example, when a light-impermeable matrix pattern (hereinafter referred to as “black matrix”) is formed in advance between wells to which probe solutions are supplied, the hybridization between the probe and the target substance on the solid phase. The detection accuracy (S / N ratio) in the case of optically detecting a scene (for example, detecting fluorescence) can be further improved. In addition, when a matrix with a low affinity for the probe solution is provided between adjacent wells, the probe solution can be smoothly applied to the desired well even if a slight misalignment occurs in supplying the probe solution to the well. Can be supplied. For the purpose of using such an effect, a solid phase having a well on the surface may be used. Hereinafter, a solid phase having a matrix on the surface, a method for producing the solid phase, and a method for using the solid phase in this embodiment will be described.
[0054]
FIG. 5 shows an example of the probe array in this embodiment. FIG. 5A is a plan view, and FIG. 5B is a BB cross-sectional view thereof. This probe array has a structure in which a matrix pattern 125 having a frame structure in which recesses (wells) 127 arranged in a matrix are formed on a solid phase 103 is provided. The wells 127 separated from each other by the matrix 125 (convex portion) are provided as through holes (recessed portions) in the matrix pattern. The side walls of the well 127 are convex portions, and the bottom surface 129 has a surface of the solid phase 103. Is in an exposed state. The surface exposed portion of the solid phase 103 forms a surface that can be coupled to the probe, and a probe (not shown) is fixed to a predetermined recess.
[0055]
The material for forming the matrix pattern is optical detection of a reaction product between the probe and the target substance. For example, when a method of detecting fluorescence by measuring the fluorescence emitted from the reaction product is used, the detection sensitivity, S / N ratio, and In consideration of improvement in reliability, a light-shielding material is desirable. Examples of such materials include metals (chrome, aluminum, gold, etc.) and black resins. Examples of the black resin include resins such as acrylic, polycarbonate, polystyrene, polyethylene, polyimide, acrylic acid monomer, and urethane acrylate, and photosensitive resins such as photoresist containing a black dye or black pigment. Can be mentioned. As specific examples of the photosensitive resin, for example, a UV resist, a DEEP-UV resist, an ultraviolet curable resin, or the like can be used. Examples of the UV resist include negative resists such as cyclized polyisoprene-aromatic bisazide resists, phenol resin-aromatic azide compound resists, and positive resists such as novolac resin-diazonaphthoquinone resists.
[0056]
As the DEEP-UV resist, as a positive resist, for example, polymethyl methacrylate, polymethylene sulfone, polyhexafluorobutyl methacrylate, polymethyl isopropenyl ketone, and radiation-decomposable polymer such as poly 1-trimethylsilylpropyne bromide Resist, dissolution inhibitor type resist such as cholic acid o-nitrobenzyl ester, and the like can be mentioned. Examples of the negative resist include polyvinylphenol-3,3′-diazidodiphenylsulfone and polyglycidyl methacrylate. be able to.
[0057]
As the ultraviolet curable resin, one or two kinds selected from benzophenone and substituted derivatives thereof, benzoin and substituted derivatives thereof, acetophenone and substituted derivatives thereof, oxime compounds such as benzyl, etc. Examples thereof include polyester acrylate, epoxy acrylate, and urethane diacrylate containing about 2 to 10% by weight of the above photopolymerization initiator. Carbon black and black organic pigments can be used as the black pigment.
[0058]
If the detection of the reaction product between the probe and the target substance is not performed optically or if the light from the matrix does not affect the optical detection of the reaction product, the matrix pattern forming material is non-light-shielding. Using things is not hindered.
[0059]
Next, as one method for forming a matrix pattern using the materials as described above, there is a method in which a photoresist is coated on a resin or metal coated on the substrate surface, and the resin is patterned by a process such as etching after patterning. It is done. In the case of a photosensitive resin, the resin itself can be patterned by exposure, development, and curing as necessary by a photolithography process using a photomask.
[0060]
Here, when the matrix 125 is made of resin, the surface of the matrix 125 is hydrophobic. This configuration is preferable when an aqueous solution is used as the solution containing the probe supplied to the well. That is, even when the probe solution is supplied to the well using the ink jet method with a slight positional deviation, the probe solution is supplied to the desired well very smoothly. Further, even when different types of probes are supplied between adjacent wells at the same time, it is possible to prevent cross-contamination between different probe solutions supplied between these wells.
[0061]
In general, probe solutions of biological substances such as peptides and nucleic acids are often aqueous solutions. In such a case, this configuration in which the matrix pattern is water repellent can be used preferably.
[0062]
Next, a method for making the bottom surface of the well (exposed portion of the solid phase surface) connectable with the probe will be described. The functional group held on the bottom surface of the well differs depending on the combination with the functional group carried on the probe. For example, when using a nucleic acid probe introduced with a thiol group at the end as a probe, the thiol group of the nucleic acid probe supplied to the well by introducing a maleimide group on the solid phase surface as described above is a maleimide on the solid phase surface. A covalent bond is formed with the group, and the nucleic acid probe is immobilized on the solid surface. Similarly, for a nucleic acid probe having an amino group at the end of the nucleic acid probe, it is preferable to introduce an epoxy group to the solid surface. As other combinations of such functional groups, for example, for a nucleic acid probe having a carboxyl group (by introduction of a succinimide derivative at the end of the nucleic acid probe), introduction of an amino group onto the solid surface is preferable. This combination of amino group and epoxy group is not good in fixing on the solid phase when the nucleic acid probe solution is ejected by the ink jet ejection method as compared with the combination of thiol group and maleimide group. If it is provided, it is negligible.
[0063]
As described above, when a glass plate is used as the solid phase as described above, the amino group or epoxy group is first treated by treating the glass plate surface with an alkali such as potassium hydroxide or sodium hydroxide. After exposing the (silanol group) to the surface, an amino group-introduced silane compound (for example, N-β- (aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane) or an epoxy group-introduced silane compound (for example, γ It can be carried out by reacting a silane coupling agent containing glycidoxypropyltrimethoxysilane and the like with hydroxyl groups on the surface of the glass plate. The maleimide group is introduced into the glass plate surface by reacting N-maleimidocaproyloxysuccinimide, succinimidyl-4- (maleimidophenyl) butyrate or the like with the amino group after introducing the amino group to the glass plate surface by the above method. Can be introduced.
[0064]
The structures of N-β- (aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane and succinimidyl-4- (maleimidophenyl) butyrate are as follows.
(1) N-β (aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane:
(CHThreeO)2SiCThreeH6NHC2HFourNH2
(2) γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane:
[0065]
[Chemical 6]
Figure 0004208392
[0066]
(3) Succiimidyl-4- (maleimidophenyl) butyrate:
[0067]
[Chemical 7]
Figure 0004208392
[0068]
When an epoxy group is introduced to the solid phase surface in the above-described surface treatment of the solid phase, after bonding the epoxy group and the probe, the unreacted epoxy group is opened using an ethanolamine aqueous solution or the like to form a hydroxyl group. By changing, the bottom surface of the well can be made hydrophilic. This operation is preferable when an aqueous solvent containing a target substance that specifically reacts with the probe is supplied to the well to which the probe is bound.
[0069]
When a resin substrate is used as the solid phase, a hydroxyl group, a carboxyl group, an amino group, or the like can be introduced into the resin substrate surface by the method described in Chapter 5 of Organic Thin Films and Surface, Vol. 20, Academic Press, for example. . Alternatively, after introducing a hydroxyl group by this method, it is possible to introduce an amino group or an epoxy group using a silane compound having an amino group or an epoxy group as in the case of the glass plate described above, or even introduce a maleimide group. It is. By the way, the introduction of the functional group into the solid phase described above may be performed before the formation of the matrix on the surface of the solid phase, or may be performed after the formation of the matrix. Before the formation of the matrix, the reaction solution necessary for the introduction of the functional groups may be supplied to the solid phase surface by a method such as spin coating or dip coating. The reaction solution may be supplied to the well.
[0070]
In addition, as a method for bonding a probe to a resin substrate, for example, as described in JP-A-60-015560, the surface of the resin substrate is oxidized to introduce a hydroxyl group, and then a silane compound having an amino group There is a method in which an amino group is introduced by reacting a silane coupling agent containing a hydroxyl group with the hydroxyl group, and this amino group reacts with a functional group of a probe.
[0071]
In the case where the substrate after the pretreatment is hydrophilic, the other water-repellent material for forming the matrix pattern can use the resin for forming the matrix previously extended as it is. If further water repellency is required, a water repellent can be added to the matrix material. Further, when the matrix pattern is formed of a photosensitive resin such as a photoresist, it is possible to impart strong water repellency to the matrix pattern by performing post-baking under appropriate conditions after exposure and development.
[0072]
Up to this point, the case where the probe solution is hydrophilic has been described. However, if the probe solution is lipophilic, the reverse process may be performed.
[0073]
The size and shape of the matrix pattern wells are the size of the substrate, the overall size of the array to be finally produced, the number of types of probes constituting the array, the formation method of the matrix pattern, the probe solution in the matrix pattern gap, etc. It can be appropriately selected depending on the supply method, detection method, and the like.
[0074]
As the shape, in addition to the cross section of the surface parallel to the substrate shown in FIG. 5 having a square shape, various shapes such as a rectangle, various polygons, a circle, and an ellipse can be used.
[0075]
In consideration of the number of reactive species and the size of the entire array, the longest width is preferably 300 μm or less. For example, as shown in FIG. 5, when the cross section of the well in the direction parallel to the substrate is square, the length of one side can be 200 μm or less. Furthermore, when the well has a rectangular shape, the long side is preferably 200 μm or less, and when the well has a circular shape, the diameter is more preferably 200 μm or less. The lower limit of the size can be about 1 μm, for example.
[0076]
The arrangement form of the wells can be appropriately changed as desired, such as an aspect in which the wells are arranged at equal intervals in the vertical direction in the plan view as shown in FIG. 5 or an aspect in which the positions of the wells are shifted in adjacent rows.
[0077]
The distance between adjacent wells is such that, for example, when a probe solution is supplied to a well by an ink jet method, even if there is a slight misalignment between the discharge position and the well to be supplied, it does not cause cross contamination. It is preferable that the distance between adjacent wells is 1/2 to the longest width of the well, considering the size of the entire array, cross-contamination, and operability when supplying various solutions. It is preferable that it exists in the range of 2 times.
[0078]
For example, when the well has a square shape, the size of the substrate is set to a size suitable for automating operations such as probe fixing, sample supply, and detection (1 inch × 1 inch, or 1 cm × 1 cm). Since it is desirable that there are 100 × 100, or 1000 × 1000 or more probe types from the necessity of sufficiently functioning as a combinatorial chemistry, considering the size of the matrix itself, It is desirable that one side of the square shape is 1 to 200 μm, and the distance between adjacent wells is 200 μm or less.
[0079]
The thickness of the matrix (height from the solid surface) is determined in consideration of the formation method of the matrix pattern, the volume of the well, the amount of probe solution to be supplied, etc., but preferably 1 to 20 μm. Is preferred. That is, by using such a thickness, for example, when the probe solution is supplied to each well using an ink jet discharge method, the characteristics of the probe solution are related to the ink jet discharge conditions, and the probe solution is placed on the solid surface. Even when it is only possible to adjust to a characteristic where it is difficult to form a small spot, the probe solution can be stopped at a predetermined position on the solid phase, and cross-contamination can be prevented very effectively. Can do.
[0080]
Temporarily, the volume of the well at the upper limit of the above desirable range is 200 μm × 200 μm × 20 μm, that is, 800 pl. If the distance between adjacent wells (x in FIG. 1) is also 200 μm, the size is 625 / cm 2.2Well density is obtained. That is, 10 as an order2Piece / cm2An array having the above well density is obtained. Further, if the well has a square shape with a side of 5 μm, the distance between adjacent wells is 5 μm, and the thickness of the matrix pattern is 4 μm, the volume of the well is 0.1 pl, the number of which is 1000000 pieces / cm2It becomes. The patterning of 5 μm × 5 μm × 4 μm is a realistic size with the current microfabrication technology, so it is 10 as an order.6Piece / cm2An array with the above well density can also be within the scope of the present invention.
[0081]
In this embodiment, when the amount of the solution supplied to the well of the probe solution or the substance to be reacted with the probe is, for example, substantially the same as the volume of the well, from the above calculation, approximately 0.1 picoliter (pl ) To 1 nanoliter (nl). Further, when the matrix is made incompatible with the solution to be supplied, depending on the type of the liquid, it is possible to keep the amount of liquid exceeding the volume of the well in the upper portion of the well opening due to the surface tension. In such a case, for example, a liquid amount 10 to several tens of times that of the well can be supplied and held. That is, a liquid of several pl to several tens of nl is supplied. In any case, such a small amount of liquid can be supplied to a well using a general microdispenser or micropipette. However, an ink jet method that can satisfactorily supply positional accuracy and supply amount accuracy is used. Preferably used to supply the probe solution to the wells. Ink-jet printing is highly suitable for supplying a solution to a well because ink is ejected by positioning with high accuracy on the order of μm. In addition, since the amount of ejected ink is generally several pl to several tens of nl, it can be said that this is also suitable for supplying the solution to the well.
[0082]
According to this aspect, the spread of the droplet is quantitatively controlled by the reaction between the nucleic acid probe and the solid phase surface and the well, and even if there is some disturbance in the ejection direction, the droplet is spread in the region including the well. Is attached to the droplet matrix, the matrix is incompatible with the discharge liquid, so that the portion is repelled and smoothly stored in the well.
[0083]
The ink jet method used in the present invention is not particularly limited. For example, a piezo jet method, a bubble jet method using thermal foaming, or the like can be used.
[0084]
By the way, as the material that can be used as the solid phase 103 in the present invention, any material can be used as long as it can introduce various functional groups as described above into the solid phase surface. Further, in the second embodiment, a matrix is formed on the surface. What can be done is preferred. In the case of optically detecting the reaction product between the probe and the target substance, it is preferable that the solid phase is an optically transparent solid phase when a detection system via the solid phase is assembled. Examples of such materials include glass containing synthetic quartz, fused quartz, etc., silicon, acrylic resin, polycarbonate resin, polystyrene resin, vinyl chloride resin, and the like. In addition, when optical detection of the reaction product is performed without using a solid phase, an optically black solid phase is preferably used, and a resin substrate containing a black dye or pigment such as carbon black is used. .
[0085]
In the present invention, a solution of a substance to be reacted is supplied to these probe arrays, and the reaction is performed under appropriate reaction conditions. When it is necessary to supply a solution of a substance to be reacted differently to each individual well, at least one solution in which at least one substance to be reacted with the probe is dissolved is supplied to each of the plurality of wells of the probe array. To do. In this case, as described above, if the solution to be supplied is compatible with the wells to which the probes of the already formed probe array are bound and is not compatible with the matrix pattern, the supply region is set. It is possible to supply a limited amount of liquid without any cross contamination. Since many of the biological materials such as those shown in Table 1 are water-soluble, the well is hydrophilic and the matrix pattern is water-repellent in this case. Further, as described above, a small amount of liquid can be quantitatively supplied by using the ink jet method for supplying the substances to be reacted.
[0086]
In the present invention, since the amount of the probe supplied for binding to the substrate or the amount of the substance to be reacted is very small, both reaction conditions are conditions that prevent evaporation and air splattering of the supplied solution. It is desirable to contain.
[0087]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples.
[0088]
Example 1
(Production method of nucleic acid probe array using bubble jet printer and evaluation of the probe array)
(1) Substrate cleaning
A 1-inch square glass plate was placed in a rack and immersed in an ultrasonic cleaning detergent overnight. Thereafter, ultrasonic cleaning was performed in a detergent for 20 minutes, and then the detergent was removed by washing with water. After rinsing with distilled water, sonication was further performed in a container containing distilled water for 20 minutes. Next, the glass plate was immersed in a 1N sodium hydroxide solution preheated to 80 ° C. for 10 minutes. Subsequently, washing with water and washing with distilled water were performed to prepare a glass plate for a probe array.
[0089]
(2) Surface treatment
1 wt% aqueous solution of a silane coupling agent (trade name: KBM603; manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) containing a silane compound (N-β- (aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane) bonded with an amino group Was stirred at room temperature for 2 hours to hydrolyze the methoxy group in the molecule of the silane compound. Next, the substrate obtained in the above (1) was immersed in this solution at room temperature (25 ° C.) for 20 minutes, then pulled up, and dried by blowing nitrogen gas on both surfaces of the glass plate. Next, the glass plate was baked in an oven heated to 120 ° C. for 1 hour to complete the silane coupling treatment, and amino groups were introduced onto the substrate surface. Subsequently, 2.7 mg of N-maleimidocaproyloxysuccinimide (N- (6-Maleimidocaproyloxy) succinimide; manufactured by Dojin) (hereinafter abbreviated as EMCS) was weighed, and the final concentration in a 1: 1 solution of dimethyl sulfoxide (DMSO) / ethanol. An EMCS solution was prepared so as to be 0.3 mg / ml. The glass plate subjected to the silane coupling treatment was immersed in this EMCS solution at room temperature for 2 hours, and the amino group supported on the glass plate surface by the silane coupling treatment was reacted with the carboxyl group of the EMCS solution. In this state, a maleimide group derived from EMCS is present on the surface of the glass plate. The glass plate pulled up from the EMCS solution was sequentially washed with a mixed solvent of DMSO and ethanol and ethanol and then dried under a nitrogen gas atmosphere.
[0090]
(3) Synthesis of probe DNA
A single-stranded nucleic acid of SEQ ID NO: 1 was synthesized using an automatic DNA synthesizer. A thiol (SH) group was introduced into the single-stranded DNA end of SEQ ID NO: 1 by using a thiol modifier (manufactured by Glen Research) during synthesis using an automatic DNA synthesizer. Subsequently, normal deprotection was performed to recover the DNA, which was purified by high performance liquid chromatography and used in the following experiments.
SEQ ID NO: 1
Five'HS- (CH2)6-O-PO2-O-ACTGGCCGTCGTTTTACA3 '
(4) DNA ejection by BJ printer and binding to substrate
The single-stranded DNA of SEQ ID NO: 1 was dissolved in a TE solution (10 mM Tris-HCl (pH 8) / 1 mM EDTA aqueous solution) to a final concentration of about 400 mg / ml to prepare a single-stranded DNA solution (exactly The correct concentration is calculated from the absorption intensity).
[0091]
Glycerol 7.5 wt%, urea 7.5 wt%, thiodiglycol 7.5 wt%, and acetylene alcohol represented by the above general formula (I) (trade name: acetylenol EH; manufactured by Kawaken Fine Chemical Co., Ltd.) 1 wt% An aqueous solution containing was prepared, added to the above DNA solution, and adjusted so that the final concentration of single-stranded DNA was 8 μM. The surface tension of this liquid was in the range of 30 to 50 dyne / cm, and the viscosity was 1.8 cps (E-type viscometer: manufactured by Tokyo Keiki Co., Ltd.). This liquid was filled in an ink tank for a bubble jet printer (trade name: BJC620; manufactured by Canon Inc.) and mounted on a bubble jet head. The bubble jet printer used here (trade name: BJC620; manufactured by Canon Inc.) is modified so that printing on a flat plate is possible. This bubble jet printer can print at a resolution of 360 × 720 dpi. Next, the glass plate treated in (2) above was mounted on the printer, and a liquid containing probe nucleic acid was spotted on the glass plate. Here, the distance between the liquid ejection surface of the bubble jet head and the liquid adhesion surface of the glass plate was 1.2 to 1.5 mm. In addition, spotting was set in such a manner that in the direction of 360 dpi, two spot discharges were performed after one spotting, and in the direction of 720 dpi, five spot discharges were performed after one spotting. After the spotting, the glass plate was left in a humidified chamber for 30 minutes to react the maleimide group on the surface of the glass plate with the thiol group at the end of the nucleic acid probe. The discharge amount of the DNA probe solution per discharge operation of the printer was about 24 pl.
[0092]
(5) Blocking reaction
After completion of the reaction between the maleimide group and the thiol group, the glass plate was washed with a 1M NaCl / 50 mM phosphate buffer (pH 7.0) solution to completely wash away the liquid containing DNA on the surface of the glass plate. Next, the glass plate was immersed in a 2% bovine serum albumin aqueous solution and left for 2 hours to perform a blocking reaction.
[0093]
(6) Hybridization reaction
A single-stranded DNA having a base sequence complementary to the DNA of SEQ ID NO: 1 was synthesized by an automatic DNA synthesizer, and a single-stranded DNA labeled by binding rhodamine to the 5 'end was obtained. This labeled single-stranded DNA was dissolved in 1M NaCl / 50 mM phosphate buffer (pH 7.0) to a final concentration of 1 μM, and the blocking-treated probe array obtained in (5) above was immersed in this solution. The hybridization reaction was performed at room temperature (25 ° C.) for 3 hours. Thereafter, the probe array was washed with a 1M NaCl / 50 mM phosphate buffer (pH 7.0) solution to wash away single-stranded DNA that did not hybridize with the probe nucleic acid. Next, the fluorescence amount of the spot on the probe array was measured using an inverted fluorescence microscope equipped with an image analyzer (trade name: ARGUS 50; manufactured by Hamamatsu Photonics Co., Ltd.) and equipped with a filter set suitable for Rhodamine B. Quantified.
[0094]
(7) Results
The spot of the nucleic acid probe of SEQ ID NO: 1 that perfectly matched with the labeled single-stranded DNA had a fluorescence amount of 4600. In addition, the probe array in a state where each spot was fluorescent after the hybridization was observed using a fluorescence microscope (manufactured by Nikon Corporation). As a result, in the probe array according to this example,
a) each spot is approximately circular and its diameter is in the range of about 70-100 μm;
b) there is a space of about 100 μm between adjacent spots, approximately equal to the diameter of each spot, and each spot is clearly independent of each other;
c) Spot rows and columns are aligned
Became clear.
[0095]
This is extremely effective in automatically detecting spots hybridized on the probe array.
[0096]
Example 2
(Manufacture of nucleic acid probe array using bubble jet printer and detection of target nucleic acid using the probe array)
(1) A glass plate subjected to surface treatment for a probe array was prepared in exactly the same manner as in (1) and (2) of Example 1 above.
[0097]
(2) Synthesis of probe DNA
Single-stranded nucleic acids of SEQ ID NOs: 1 to 4 were synthesized using an automatic DNA synthesizer. The single-stranded nucleic acids of SEQ ID NOs: 1 to 4 are based on SEQ ID NO: 1 used in Example 1, SEQ ID NO: 2, and those obtained by changing 3 bases are SEQ ID NO: 3 and 6 The base change was designated as SEQ ID NO: 4. Moreover, the thiol (SH) group was introduce | transduced by using Thiol-Modifier (made by Glen Research) at the time of the synthesis | combination by a DNA automatic synthesizer at the single stranded DNA terminal of sequence number 1-4. Subsequently, normal deprotection was performed to recover the DNA, which was purified by high performance liquid chromatography and used in the following experiments. The sequences of SEQ ID NOs: 2 to 4 are shown below.
SEQ ID NO: 2
Five'HS- (CH2)6-O-PO2-O-ACTGGCCGTTGTTTTACA3 '
SEQ ID NO: 3
Five'HS- (CH2)6-O-PO2-O-ACTGGCCGCTTTTTTACA3 'SEQ ID NO: 4
Five'HS- (CH2)6-O-PO2-O-ACTGGCATCTTGTTTACA3 '(3) Discharge of DNA probe by BJ printer and bonding to substrate
Using the single-stranded DNAs of SEQ ID NOs: 1 to 4, four types of ejection liquids were prepared in the same manner as described in Example 1 (4), and the bubble jet used in Example 1 was used. Four ink tanks for a printer were filled with each liquid, and each ink tank was mounted on a bubble jet head. Next, a glass plate prepared in the same manner as in (1) above was mounted on the printer, and each of the four nucleic acid probes was spotted on each of the 4 × 3 mm areas of the glass plate. The spotting pattern in each area was the same as in Example 1. After the spotting, the glass plate was allowed to stand in a humidified chamber for 30 minutes to react the maleimide group and the thiol group.
[0098]
(4) Blocking reaction
After completion of the reaction between the maleimide group and the thiol group, the glass plate was washed with a 1M NaCl / 50 mM phosphate buffer (pH 7.0) solution to completely wash out the DNA solution on the surface of the glass plate. Next, the glass plate was immersed in a 2% bovine serum albumin aqueous solution and left for 2 hours to perform a blocking reaction.
[0099]
(5) Hybridization reaction
A single-stranded DNA having a base sequence complementary to the DNA of SEQ ID NO: 1 was synthesized by an automatic DNA synthesizer, and rhodamine was bound to the 5 'end to obtain a labeled single-stranded DNA. This labeled single-stranded DNA was dissolved in 1M NaCl / 50 mM phosphate buffer (pH 7.0) to a final concentration of 1 μM, and the probe array obtained in (4) was subjected to a hybridization reaction for 3 hours. . Thereafter, the probe array was washed with a 1M NaCl / 50 mM phosphate buffer (pH 7.0) solution to wash away single-stranded DNA that did not hybridize with the probe nucleic acid. Next, each spot of the probe array was observed with a fluorescence microscope (Nikon Corp.), and the amount of fluorescence was connected to an image analyzer (trade name: ARGUS 50; Hamamatsu Photonics Corp.). Quantification was performed using an inverted fluorescence microscope equipped with a filter set suitable for rhodamine B.
[0100]
(6) Results
The spot of the DNA probe of SEQ ID NO: 1 that is a perfect match with the labeled single-stranded DNA has a fluorescence amount of 4600, whereas the spot of the DNA probe of SEQ ID NO: 2 having a one-base mismatch sequence has a fluorescence of 2800. A quantity was obtained. Further, in the spot of the DNA probe of SEQ ID NO: 3 having a 3-base mismatch, only 2100 or less of the amount of fluorescence was obtained, and no fluorescence was observed in the DNA of SEQ ID NO: 4 having a 6-base mismatch. From the above, complete complementary single-stranded DNA could be specifically detected on the DNA array substrate.
[0101]
Example 3
(Concentration of DNA probe in liquid and bubble jet discharge characteristics)
(1) Synthesis of DNA probe
Single-stranded DNA having the sequence of SEQ ID NO: 5 shown below was synthesized using an automatic DNA synthesizer, and the TE solution was adjusted so that the concentrations were about 0.2 mg / ml, 2 mg / ml, and 15 mg / ml, respectively. Dissolved in (10 mM Tris-HCl (pH 8) / 1 mM EDTA aqueous solution) to prepare three types of DNA probe solutions having different concentrations (the exact concentration was calculated from the absorption intensity).
SEQ ID NO: 5
Five'GCCTGATCAGGC3 '
(2) Discharge by BJ printer
Glycerol 7.5%, urea 7.5%, thiodiglycol 7.5%, acetylene alcohol having the structure represented by the above general formula (I) (trade name: acetylenol EH; manufactured by Kawaken Fine Chemical Co., Ltd.) An aqueous solution containing 1% was prepared, and this aqueous solution was added to the probe solution having a concentration of 0.2 mg / ml prepared in the above (1) to dilute to a final concentration of about 0.02 mg / ml (3 μM). This liquid was filled in the ink tank for the bubble jet printer used in Example 1, and this ink tank was mounted on the head of the bubble jet printer used in Example 1.
[0102]
Next, an A4 size aluminum plate was mounted on the printer, and spotting was performed on a 3 × 5 square inch area of the aluminum plate. The spotting here was set so as to be spotted at a density of 360 × 720 dpi in the area. First, a commercially available ink for BJ620 was printed on the aluminum plate as a control. This operation was performed on a total of four aluminum plates.
[0103]
Next, the nucleic acid probe spotted on each aluminum plate was recovered using a TE solution, purified by gel filtration, and the amount of the purified recovered nucleic acid probe was measured by an absorption spectrum. Here, the recovery amount of the nucleic acid probe theoretically required is as follows. That is, the volume per droplet discharged from the head of the printer used in this embodiment is 24 picoliters. And since there are four aluminum plates spotted in a 3 × 5 square inch area with a density of 360 × 720 dpi,
24 (picoliter) x (720 x 360) x (3 x 5) x 4 sheets = 373 μl
It becomes. FIG. 3 shows the absorbance at 260 nm indicated by this amount of probe nucleic acid and the absorbance at 260 nm of the recovered nucleic acid probe.
[0104]
The same operation as in (2) above was carried out for each of the probe solutions with concentrations of 2 mg / ml and 15 mg / ml. The final concentration of the nucleic acid probe in each ejection liquid was 30 μM (0.2 mg / ml) and 225 μM (1.5 mg / ml). FIG. 3 shows the results of the absorbance indicated by the probe nucleic acid recovered from each solution and the absorbance indicated by the theoretically obtained amount of probe nucleic acid.
[0105]
(3) Results
As can be seen from FIG. 3, the actual discharge amount of the nucleic acid probe was close to the theoretically expected value. Therefore, in discharging the nucleic acid probe using the bubble jet method, there is no quantitative loss of the nucleic acid probe due to the burning of the nucleic acid probe to the heater portion of the bubble jet head. Further, no troubles of the head such as non-ejection occurred during the spotting process on the aluminum plate using each concentration of liquid. As a control, spot of bubble jet printer ink spotted on aluminum plate and spot of nucleic acid probe were visually compared. As a result, spot spot created using liquids with concentrations of 3μM and 30μM was almost the same as that of ink spot. It was the same. In addition, the spot created using a liquid having a concentration of 225 μM was slightly disturbed compared to the ink spot.
[0106]
Example 4
(Examination of the effect of the bubble jet process on nucleic acid probes)
(1) Synthesis of nucleic acid probe
A base length of 10 mer (synthetic product) consisting of adenine (hereinafter referred to as “A”), oligo A (40-60 mer; manufactured by Pharmacia), and poly (dA) (300 to 400 mer; manufactured by Pharmacia) were each diluted with a TE solution. The final concentration was 1 mg / ml, and nucleic acid probe solutions with different lengths were prepared. The 10-mer base sequence (SEQ ID NO: 6) is as follows.
SEQ ID NO: 6
Five'AAAAAAAAAA3 '
(2) Discharge of DNA solution by bubble jet printer
An aqueous solution containing glycerin 7.5 wt%, urea 7.5 wt% and acetylene alcohol (trade name: acetylenol EH; Kawaken Fine Chemical) represented by the above general formula (I) was prepared, and the aqueous solution (1) Each nucleic acid probe solution prepared in (1) was diluted to a final concentration of about 0.1 mg / ml.
[0107]
In the same manner as in Example 3, each nucleic acid probe solution filled in the cartridge was discharged onto an aluminum plate, and the spotting state was visually observed. As a result, for nucleic acid probes having a base length of 10 mer and 40 to 60 mer, a probe array in which independent spots were regularly arranged on an aluminum plate was obtained. In addition, regarding the 300-400 mer nucleic acid probe, basically the same probe array was obtained, but a portion where adjacent spots were connected was observed. This is presumably because the change in the physical properties of the liquid due to the long base chain of the nucleic acid probe occurred and the directionality of ejection from the bubble jet head was slightly inaccurate.
[0108]
Next, the spots on the probe array prepared using each nucleic acid probe solution were collected in the same manner as in Example 3. 100 μl of the collected nucleic acid probe solution was analyzed by reverse phase HPLC, and the presence or absence of cleavage of the nucleic acid probe was examined by comparison with the solution before discharging. Reverse phase HPLC elution was performed with a 7-70% acetonitrile concentration gradient containing 1M triethylamine acetate. As a result, it was confirmed that a DNA fragment considered to be cleaved was not observed, and thus the nucleic acid probe was not affected by ejection by the bubble jet method. Further, as a result of quantifying the collected nucleic acid probes in the same manner as in Example 3, as shown in FIG. 4, the nucleic acid probes with three lengths were collected in an amount almost as theoretical values.
[0109]
Example 5
(Examination of reaction time)
A probe array in the same manner as in Example 1 except that the surface-treated glass plate on which the nucleic acid probe was spotted was left in a humidified chamber for 10 minutes, 90 minutes, and overnight at room temperature (25 ° C.). And each probe array was subjected to a hybridization reaction. As a result, all of the probe arrays reacted for 90 minutes and overnight were given a fluorescence intensity comparable to the fluorescence intensity exhibited by the probe array obtained in Example 1. This revealed that the binding reaction between the maleimide group on the surface of the glass plate and the thiol group at the end of the nucleic acid probe was almost completed in 30 minutes. On the other hand, the probe array with a reaction time of 10 minutes had a fluorescence amount of about 70% as compared with that in Example 1.
[0110]
Example 6
(Production of PNA probe array using bubble jet printer and detection of target nucleic acid using the probe array)
(1) A glass plate subjected to surface treatment for a probe array was prepared in exactly the same manner as in (1) and (2) of Example 1 above.
[0111]
(2) Synthesis of probe PNA
Protein nucleic acids (PNA) (manufactured by Nippon Perceptive Co., Ltd.) having the base sequences of SEQ ID NOs: 7 and 8 below were prepared. In this PNA, a cysteine residue (denoted as Cys) is bonded to the N-terminus (corresponding to the 5 'end of DNA), and as a result, a thiol group is introduced into the N-terminus. The PNA probe of SEQ ID NO: 8 is obtained by changing the PNA probe of SEQ ID NO: 7 by one base.
SEQ ID NO: 7
NCys-NH (CH2)2-O- (CH2)2-O-CH2CONH-ACTGGCCGTCGTTTTACAC
SEQ ID NO: 8
NCys-NH (CH2)2-O- (CH2)2-O-CH2CONH-ACTGGCCGTTGTTTTACAC
(3) PNA probe ejection by BJ printer and bonding to substrate
Each PNA probe is dissolved in 100 μl of 0.1 wt% trifluoroacetic acid to a final concentration of 80 μM, then glycerin 7.5 wt%, urea 7.5 wt%, thiodiglycol 7.5 wt%, and the above An aqueous solution containing 1 wt% of acetylene alcohol represented by general formula (I) (trade name: acetylenol EH; manufactured by Kawaken Fine Chemical Co., Ltd.) is added to the trifluoroacetic acid solution of PNA, so that the final concentration of the PNA probe is 8 μM. It adjusted so that it might become. The surface tension of this liquid was in the range of 30-50 dyn / cm, and the viscosity was in the range of 1-5 cps.
[0112]
Each PNA probe solution was spotted on each area on the glass plate prepared in the above (1) in the same manner as described in (2) of Example 2. After the spotting was completed, the mixture was left in a humidified chamber for 3 hours to react a maleimide group and a thiol group.
[0113]
The discharge amount of the PNA probe solution per discharge operation of the printer was about 24 pl.
[0114]
(4) Blocking reaction
After completion of the reaction between the maleimide group and the thiol group, the glass plate was washed with a 1M NaCl / 50 mM phosphate buffer (pH 7.0) solution to completely wash away the liquid containing PNA on the surface of the glass plate. Next, the glass plate was immersed in a 2% bovine serum albumin aqueous solution and left for 3 hours to perform a blocking reaction.
[0115]
(5) Hybridization reaction
A single-stranded DNA having a base sequence complementary to PNA of SEQ ID NO: 7 was synthesized by an automatic DNA synthesizer, and a single-stranded DNA labeled by binding rhodamine to the 5 'end was obtained. This labeled single-stranded DNA was dissolved in 10 mM phosphate buffer (pH 7.0) to a final concentration of 5 nM (solution volume: 1 ml), and the blocking-treated PNA obtained in (4) above was dissolved in this DNA solution. The probe array was immersed and a hybridization reaction was performed at room temperature (25 ° C.) for 12 hours. Thereafter, the probe array was washed with a 10 mM phosphate buffer (pH 7.0) solution to wash away single-stranded DNA that did not hybridize with the PNA probe. Next, the fluorescence amount of the spot on the probe array was measured using an inverted fluorescence microscope equipped with an image analyzer (trade name: ARGUS 50; manufactured by Hamamatsu Photonics Co., Ltd.) and equipped with a filter set suitable for Rhodamine B. Quantified.
[0116]
(6) Results
The PNA probe of SEQ ID NO: 7 that perfectly matched with the labeled single-stranded DNA had a fluorescence amount of 2400, whereas the PNA probe of SEQ ID NO: 8 having a one-base mismatch sequence was about half of 1100. From the above, complete complementary single-stranded DNA could be specifically detected on the PNA array.
[0117]
In addition, the probe array in a state where each spot was fluorescent after the hybridization was observed using a fluorescence microscope (manufactured by Nikon Corporation). As a result, in the probe array according to this example,
a) each spot is substantially circular and its diameter is in the range of about 200 μm;
b) There is a space of about 50 μm between adjacent spots, and each spot is clearly independent of each other,
c) Spot rows and columns are aligned
Became clear.
[0118]
This is extremely effective in automatically detecting spots hybridized on the probe array.
[0119]
Further, since it is not necessary to contain sodium chloride in the solution used for the hybridization reaction and the subsequent removal of the unreacted single-stranded DNA, it is not necessary to pay attention to the precipitation of sodium chloride during the observation of fluorescence. The above hybrid could be detected more easily. In addition, it was not necessary to be sealed for storage, and it was easy to handle.
[0120]
Although the reason why the spot diameter of the PNA probe is larger than the spot of the probe array obtained in Example 1 is not clear, the present inventors have obtained the knowledge that the PNA probe is slightly insoluble in water compared to the DNA probe. Therefore, it is presumed that the spot diameters are different as a result of the difference in water solubility between the two causing a difference in the surface tension of each inkjet discharge liquid.
[0121]
Example 7
(Preparation and evaluation of glass substrate with black matrix for probe array with epoxy group introduced on the surface)
(1) A glass substrate (50 mm × 50 mm) made of synthetic quartz was subjected to ultrasonic cleaning using a 2 wt% aqueous sodium hydroxide solution, and then subjected to UV ozone treatment to clean the surface. A 50 wt% aqueous methanol solution containing 1 wt% of a silane coupling agent (trade name: KBM403; manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) containing a silane compound (γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane) bonded with an epoxy group at room temperature The mixture was stirred for 3 hours to hydrolyze the methoxy group in the silane compound. Next, this solution was applied to the substrate surface with a spin coater, heated at 100 ° C. for 5 minutes and dried to introduce epoxy groups on the substrate surface.
(2) Next, DEEP-UV resist (black matrix negative resist) containing carbon black (trade name: BK-739P; manufactured by Nippon Steel Chemical Co., Ltd.) is cured with a spin coater so that the film thickness after curing is 5 μm. After coating, the substrate was cured by heating at 80 ° C. for 5 minutes on a hot plate. Using a DEEP-UV exposure apparatus, a mask patterned in a 1 cm × 1 cm region so that the distance (X) between adjacent wells in FIG. 5 is a square of 100 μm and the shape of the well is 100 μm × 100 μm. Proximity exposure was performed, followed by development with a developer of an inorganic alkaline aqueous solution using a spin developer, and further washing with pure water to remove the developer completely. Next, it is simply dried using a spin dryer, and then the resist is fully cured by heating at 180 ° C. for 30 minutes in a clean oven. 2500 wells are arranged in a predetermined arrangement, and adjacent wells are made of a black matrix. An isolated substrate was obtained. The volume of each well is calculated to be 50 picoliters (pl). At this time, the contact angle of water on the black matrix surface with water was 93 °, and the contact angle with water on the bottom surface of the well was easy to get wet with 35 °.
[0122]
(3) 10 μM Rhodamine B aqueous solution was filled into an ink tank for a bubble jet printer (trade name: BJC620: manufactured by Canon Inc.) and mounted on the bubble jet head of the bubble jet printer used in Example 1 above. Then, the solid phase prepared in the above (1) and (2) was mounted on a printer, and a rhodamine B aqueous solution was supplied to the well of the solid phase in a checkered pattern (every other pattern). The supply amount per well is about 50 pl. Further, the discharge positioning accuracy of this printer is ± 2.5 μm. Next, an aqueous solution of 10 μM amino FITC was filled into another ink tank, mounted on the bubble jet head of the printer, and supplied to another well adjacent to the well to which the rhodamine B aqueous solution was previously supplied. Here, Rhodamine B and Amino FITC were used because they are water-soluble and can be easily discharged from the inkjet head, and the state of the liquid supplied to the well and cross-contamination can be confirmed by fluorescence observation. is there.
[0123]
(4) G excitation filter (for rhodamine B) and B excitation filter (for amino FITC) attached to a fluorescence microscope (Nikon Corp.) and the state of each aqueous solution supplied to the well at a magnification of 100 times Was observed with fluorescence. As a result, each aqueous solution was uniformly supplied into the well without forming droplets. In addition, fluorescence from other dyes was not observed from each well, and no cross-contamination was observed.
[0124]
Example 8
(Preparation of probe array using substrate of Example 7 and detection of target nucleic acid using the same)
(1) A substrate with a black matrix (BM) was prepared in the same manner as in Example 7.
(2) 18-mer oligomer (SEQ ID NO: 9) in which an amino group is bonded to the 5′-terminal hydroxyl group via a phosphate group and hexamethylene as a DNA probe, one nucleotide for the oligomer of SEQ ID NO: 9 Is a mismatch probe (SEQ ID NO: 10), and a probe in which two nucleotides are mismatched with respect to the oligomer of SEQ ID NO: 9 (SEQ ID NO: 11) (all manufactured by Nippon Flour Mills Co., Ltd., HPLC grade). The base sequence of the oligomer of SEQ ID NO: 9 is a sequence complementary to a part of the base sequence of the multiple cloning site of M13mp18-ssDNA, which is a single-stranded DNA. The nucleotide sequences of SEQ ID NOs: 9 to 11 and the linkage structure are shown below.
SEQ ID NO: 9
Five'NH2-(CH2)6-O-PO2-O-TGTAAAACGACGGCCAGT3 '
SEQ ID NO: 10
Five'NH2-(CH2)6-O-PO2-O-TGTAAAACCACGGCCAGT3 '
SEQ ID NO: 11
Five'NH2-(CH2)6-O-PO2-O-TGTATAACCACGCCCAGT3 '
(3) Single-stranded DNA that was completely complementary to the DNA probes of SEQ ID NOS: 9 to 11 was synthesized. Next, each DNA probe and single-stranded DNA were dissolved in a TE solution (pH 8) containing NaCl at a concentration of 50 mM to a final concentration of 100 μM to prepare a DNA probe solution and a single-stranded DNA solution. Then, 100 μl of a solution containing a single-stranded DNA complementary to each DNA probe is added to and mixed with 100 μl of the solution containing the DNA probe, and each mixed solution is linearly moved from 90 ° C. to 25 ° C. over 2 hours. The mixture was cooled to form a hybrid of each DNA probe and each single-stranded nucleic acid. Next, a solution containing the hybrid of each of the DNA probes of SEQ ID NOs: 9 to 11 is represented by glycerin 7.5 wt%, urea 7.5 wt%, thiodiglycol 7.5 wt%, and the general formula (I). In addition to an aqueous solution containing 1 wt% of acetylene alcohol (trade name: acetylenol EH; manufactured by Kawaken Fine Chemical Co., Ltd.), the final concentration of the hybrid was adjusted to 8 μM. The surface tension of these liquids including each DNA probe hybrid is in the range of 30 to 50 dyne / cm, and the viscosity is also in the range of 1 to 5 cps (E-type viscometer: manufactured by Tokyo Keiki Co., Ltd.). It was in.
[0125]
Next, three ink tanks for a bubble jet printer (trade name: BJC620; manufactured by Canon Inc.) were prepared. Each of the ink tanks was filled with the above three hybrid solutions, and the bubbles used in Example 1 were used. Attached to the jet printer head. Further, the glass substrate with BM prepared in the above (1) and (2) was set, and first, a solution containing the DNA probe hybrid of SEQ ID NO: 9 was supplied to the first row of wells (131 in FIG. 6). Next, a solution containing the hybrid of the DNA probe of SEQ ID NO: 10 is supplied to the second row day well (133 in FIG. 6) adjacent to the well of the first row, and a solution containing the hybrid of the DNA probe of SEQ ID NO: 11 Was supplied to the well in the third row (135 in FIG. 6) adjacent to the well in the second row. In addition, about 100 pl was supplied by discharging any hybrid solution four times to one well. This amount is about twice the volume of one well. When each well was observed with a microscope, the supplied hybrid solution was swelled from the opening of the well. It remained in the well and no cross contamination was observed between the wells.
[0126]
Next, the substrate was placed in a constant temperature and humidity chamber at 25 ° C. and 100% humidity for 12 hours to react the amino group of the probe with the epoxy group of the well. In addition, since the amino group of the base of the probe forms a hybrid with a completely complementary single-stranded DNA, it does not react with the epoxy group of each well.
[0127]
(4) Next, the substrate was washed with pure water at 80 ° C. for 10 minutes to dissociate and wash away the complementary strand that forms a hybrid with the probe bound to the substrate. Next, the substrate was treated with a 1% aqueous ethanolamine solution at room temperature for 1 hour to open the unreacted epoxy groups in each well. Next, the substrate was washed with pure water and dried.
[0128]
The epoxy group that did not react with the DNA probe in the well by the repetition of the above (4) is ring-opened to become a hydroxyl group, and the hydroxyl group is also present in the reacted ethanolamine, so the bottom surface of the well is more hydrophilic. This is advantageous when supplying a well containing a solution containing the target single-stranded DNA described later to the well.
[0129]
(5) Next, single-stranded DNA completely complementary to the DNA probe of SEQ ID NO: 9 is dissolved in a TE solution (pH 8) containing NaCl at a concentration of 50 mM so that the final concentration is 10 μM. The probe array into which the epoxy group was introduced was immersed in the well obtained in 4), and the temperature was lowered from 80 ° C. to 25 ° C. over 2 hours to perform a hybridization reaction. Next, the substrate was washed with TE buffer (pH 8) containing 10 mM NaCl at 20 ° C. for 20 minutes, and then the surface washing solution was removed with a spin dryer.
[0130]
(6) Next, 2-methyl-4,6-bis (4-N, 4-methyl-4,6-bis (4-N,) that emits fluorescence only when intercalated into a double-stranded nucleic acid in a TE solution (pH 8.0) containing NaCl at a concentration of 50 mM. N-dimethylaminophenyl) pyrylium iotide (hereinafter abbreviated as “P2”) is dissolved so that its concentration is 10 μM, and this solution is filled in the ink tank for the ink jet printer, and is then applied to the head of the ink jet printer. Attached. In addition, the substrate subjected to hybridization in (5) above is set in the printer, and after supplying 100 pl of P2 solution to each well, in order to prevent drying, it is placed in a dedicated chamber of 100% humidity. Inverted microscope (trade name: IMT2, manufactured by Olympus Optical Co., Ltd., magnification: 100 times, filter cube for fluorescence microscope (excitation filter: 455 nm to 595 nm (transmission), dichroic mirror) ICCD camera (trade name: C2400-87; manufactured by Hamamatsu Photonics) and image processor (trade name: ARGUS 50; manufactured by Hamamatsu Photonics) are connected to 620 nm and fluorescent barrier filters (610 nm to 725 nm (transmission)). The fluorescence was observed and quantified. The observation area was set to 25 μm × 25 μm, the integration × 64, and the amplification level of ARGUS 50 as appropriate.
[0131]
As a result, a fluorescence intensity of 1200 to 1500 was observed from the well to which the DNA probe of SEQ ID NO: 11 was bound, almost the same as the background. On the other hand, the fluorescence intensity of 9800 to 10300 was observed from the well to which the DNA probe of SEQ ID NO: 9 was bound, and the fluorescence intensity of 3500 to 3900 was observed from the well to which the DNA probe of SEQ ID NO: 10 was bound. . Furthermore, when each solid phase was washed with TE buffer at 35 ° C. for 10 minutes and the fluorescence intensity was measured again, only the fluorescence intensity comparable to the background was observed from the well to which the DNA probe of SEQ ID NO: 10 was bound. No longer.
[0132]
From these results, it was found that by using the probe array according to this example, a hybridization reaction can be performed in each well, and a target nucleic acid completely complementary to SEQ ID NO: 9 can be specifically detected.
[0133]
Example 9
(Selective supply of reactant to each well of probe array of Example 8 and reaction with probe)
(1) A substrate on which DNA probes of SEQ ID NOs: 9 to 11 were bound in the same manner as in Example 8 was prepared.
[0134]
(2) Three types of single-stranded DNAs that were completely complementary to the DNA probes of SEQ ID NOs: 9 to 11 were synthesized. The three types of single-stranded DNAs were dissolved in a TE solution (pH 8) containing NaCl at a concentration of 50 mM so that each concentration would be 100 μM. Three ink tanks for a bubble jet printer (trade name: BJC620; manufactured by Canon Inc.) were prepared, and each of the ink tanks was filled with the above-described three types of single-stranded DNA solutions and used in Example 1. Attached to the head of a bubble jet printer. The substrate prepared in (1) above is also set in a printer, and a solution containing single-stranded DNA that is completely complementary to each well to which the DNA probes of SEQ ID NOs: 9 to 11 are bound is 100 pl per well. It was supplied one by one. At this time, the state of each well was observed with a microscope, and it was found that no liquid bleeding or cross-contamination was observed and a solution of a substance to be reacted individually could be supplied to each well of the probe array.
[0135]
(3) Next, after carrying out the hybridization reaction in each well in the same manner as in Example 8, the P2 solution was supplied to each well in the same manner as in Example 8, and the hybrid was detected by observing the fluorescence. I did it. As a result, fluorescence having an intensity of 9800 to 10300 was observed from all wells. From this, it was confirmed that the reactants were individually supplied to each well of the solid phase probe array, the probe and the reactant were reacted in each well, and the reaction product could be detected.
[0136]
Example 10
(Hydrophilic treatment of the well bottom of the substrate of Example 7)
(1) A glass substrate having a black matrix pattern was prepared in the same manner as in Example 7.
[0137]
(2) The surface of the substrate on which the black matrix was formed was subjected to UV ozone treatment. At this time, the contact angle of water on the black matrix surface with water is 93 °, and the contact angle with water on the bottom surface of the well is 22 °, which is compared with that of the bottom surface of the well with the black matrix substrate obtained in Example 7. It was easy to get wet. This is considered to be an effect of the UV ozone treatment.
[0138]
(3) Next, when the supply state of the inkjet discharge liquid to the well was observed using an aqueous solution of rhodamine B and amino FITC in the same manner as in Example 7, each aqueous solution formed droplets in the well. It was uniformly supplied into the well without any problems. When using a solid phase with wells on the surface as the solid phase of the probe array, the inkjet discharge liquid is limited as much as possible, unlike when using a solid phase with flat and uniform surface characteristics that does not have wells on the surface. However, it is more advantageous to detect the reaction between the probe and the target substance to be performed later, by sufficiently spreading the inkjet discharge liquid to the bottom surface of the well. The hydrophilic treatment of the well bottom described in this example is a preferable method as one embodiment. In addition, no other dyes were observed from the wells to which each dye was supplied, and it was found that each dye aqueous solution could be supplied to each well using the inkjet process without causing cross contamination. It was.
[0139]
Example 11
(Production method of probe array using solid phase obtained by supplying liquid for introduction of functional group for probe fixation to each well of BM formation substrate by inkjet method and its use)
(1) A substrate provided with a black matrix was prepared in the same manner as in Example 7.
[0140]
(2) 1 wt% of a silane coupling agent (trade name: KBM603; manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) containing a silane compound (N-β- (aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane) bonded with an amino group The contained 10 wt% methanol aqueous solution was stirred at room temperature for 3 hours to hydrolyze the methoxy group in the silane compound. Next, this solution was filled in an ink tank for a bubble jet printer (trade name: BJC620; manufactured by Canon Inc.) and mounted on the head of the bubble jet printer used in Example 1. The substrate prepared in (1) above was also set in the printer, and a silane coupling agent solution containing a silane compound hydrolyzed at the methoxy group was supplied to the well in the same manner as in Example 8. The substrate was left in a constant temperature and humidity chamber at 25 ° C. and 100% humidity for 30 minutes, washed with pure water, spin-dried, and then baked at 100 ° C. for 30 minutes to introduce amino groups on the bottom surface of each well. .
[0141]
(3) Next, succinimidyl-4- (maleimidophenyl) butyrate (manufactured by Aldrich) was dissolved in a 5 wt% DMSO solution to a final concentration of 5 wt%, and this solution was used in the same manner as in (2) above. Then, 100 pl was supplied to each well, and then the substrate was left in a constant temperature and humidity chamber at 30 ° C. and 100% humidity for 2 hours. The substrate was then washed pure and spin dried to introduce maleimide groups on the bottom of each well.
[0142]
(4) 18-mer oligomer (SEQ ID NO: 12) in which a thiol group is bonded to the 5′-terminal hydroxyl group via a phosphate group and hexamethylene as a DNA probe, one nucleotide for the oligomer of SEQ ID NO: 12 Is a mismatch probe (SEQ ID NO: 13), and a probe (SEQ ID NO: 14) in which two nucleotides are mismatched with respect to the oligomer of SEQ ID NO: 12 (all manufactured by Nippon Flour Mills Co., Ltd., HPLC grade). The nucleotide sequences of SEQ ID NOs: 12 to 14 and the linkage structure are shown below.
SEQ ID NO: 12
Five'HS- (CH2)6-O-PO2-O-TGTAAAACGACGGCCAGT3 '
SEQ ID NO: 13
Five'HS- (CH2)6-O-PO2-O-TGTAAAACCACGGCCAGT3 '
SEQ ID NO: 14
Five'HS- (CH2)6-O-PO2-O-TGTATAACCACGCCCAGT3 '
(5) The DNA probes of SEQ ID NOs: 12 to 14 were dissolved in 10 mM phosphate buffer so that the final concentration was 10 μM. Each DNA probe solution was supplied to the well of the substrate prepared in (3) in the same manner as in Example 8. When each well was observed with a microscope, the supplied DNA probe solution was swelled from the well opening, but remained in the well due to the hydrophobic matrix, and no cross-contamination was observed. This substrate is allowed to stand in a constant temperature and humidity chamber at 30 ° C. and 100% humidity for 2 hours, then washed with pure water and spin-dried to react the thiol group of each DNA probe with the maleimide group in each well. Was bonded to the substrate.
[0143]
(6) A single-stranded DNA that is completely complementary to the DNA probe of SEQ ID NO: 12 is synthesized, and this single-stranded DNA is added to a TE solution containing NaCl at a concentration of 50 mM so that the final waste becomes 10 μM. Dissolved. The DNA probe binding substrate obtained in (5) above was immersed in this solution, and the temperature was lowered from 80 ° C. to 25 ° C. over 2 hours to perform hybridization. Next, the substrate was washed with a TE solution (pH 8) containing NaCl at a concentration of 10 mM at 20 ° C. for 20 minutes, and then the substrate surface washing solution was removed with a spin dryer.
[0144]
(7) YOYO-1, which is a reagent that emits fluorescence only after intercalating into a hybrid, was dissolved in a TE solution containing NaCl at a concentration of 50 mM to a final concentration of 10 μM (pH 8). 100 pl of this solution was supplied to each well of the substrate that had been treated in (6) above using the inkjet printer in the same manner as in (2) above, and fluorescence was observed and quantified in the same manner as in Example 8 (B Use excitation filter). The signal amplification level of Argus 50 is the same as that in the eighth embodiment.
[0145]
As a result, from the well to which the DNA probe of SEQ ID NO: 14 was bound, a fluorescence intensity of 1800 to 2000, which was almost the same as the background, was observed. On the other hand, the fluorescence intensity of 7500 to 8000 was observed from the well to which the DNA probe of SEQ ID NO: 12 was bound, and the fluorescence intensity of 3100 to 3300 was observed from the well to which the DNA probe of SEQ ID NO: 13 was bound. . Furthermore, when the solid phase was washed with TE buffer at 35 ° C. for 10 minutes and the fluorescence intensity was measured again, only the fluorescence intensity comparable to the background was observed from the well to which the DNA probe of SEQ ID NO: 13 was bound. lost.
[0146]
From these results, it was found that by using the probe array according to this example, a hybridization reaction can be performed in each well, and a target nucleic acid completely complementary to SEQ ID NO: 9 can be specifically detected.
[0147]
Example 12
(1) In the same manner as in Example 11, a substrate to which the DNA probes of SEQ ID NOS: 12 to 14 were bound was prepared.
[0148]
(2) Three types of single-stranded DNAs that were completely complementary to the DNA probes of SEQ ID NOS: 12 to 14 were synthesized. The above three types of single-stranded DNAs were dissolved in a TE solution containing NaCl at a concentration of 50 mM so that each concentration would be 10 μM. The pH of each single-stranded DNA solution is 8. Three ink tanks for a bubble jet printer (trade name: BJC620; manufactured by Canon Inc.) were prepared, and each of the ink tanks was filled with the above-described three types of single-stranded DNA solutions and used in Example 1. Attached to the head of a bubble jet printer. The substrate prepared in (1) above is also set in a printer, and a solution containing single-stranded DNA that is completely complementary to the wells to which the DNA probes of SEQ ID NOS: 12 to 14 are bound is added to 100 pl per well. It was supplied one by one. At this time, the state of each well was observed with a microscope, and it was found that no liquid bleeding or cross-contamination was observed and a solution of a substance to be reacted individually could be supplied to each well of the probe array.
[0149]
(3) Next, after carrying out the hybridization reaction in each well in the same manner as in Example 11, the YOYO-1 solution was supplied to each well in the same manner as in Example 11 and the fluorescence was observed. Detection was performed. As a result, fluorescence having an intensity of 7500 to 8000 was observed from all the wells. From this, it was confirmed that the reactants were individually supplied to each well of the solid phase probe array, the probe and the reactant were reacted in each well, and the reaction product could be detected.
[0150]
Example 13
(Probe array manufacturing method using a substrate in which an epoxy group is introduced into a well by immersing a BM formation substrate in an epoxy group introduction solution)
(1) A substrate with a black matrix was prepared according to the description in Example 7, (2).
[0151]
(2) A silane coupling agent (trade name: KBM403; manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) containing a silane compound (γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane) bonded with an epoxy group according to the description in (1) of Example 7. ) Was stirred at room temperature for 1 hour to hydrolyze the methoxy group in the molecule of the silane compound. Next, the solid phase prepared in (1) above is immersed in this solution at room temperature for 30 minutes, then the solid phase is washed with pure water, water is removed with a nitrogen gas flow, and baking is performed at 120 ° C. for 5 minutes. An epoxy group was introduced on the bottom of the well. At this time, the contact angle with water on the surface of the BM was 95 °, and the contact angle with water at the bottom of the well was 33 °. Thus, the epoxy group can be introduced into the bottom of the well also by treating the solid phase after BM formation with a silane coupling agent.
[0152]
(3) According to the method described in Example 8 (3) and (4) above, the DNA probes of SEQ ID NOs: 9 to 11 were bound to the bottom surface of the well.
[0153]
(4) A labeled single strand in which a single-stranded DNA having a base sequence complementary to SEQ ID NO: 9 is synthesized by automatic DNA synthesis and tetramethylrhodamine is bound to the 5 ′ end via a hexanolamine linker DNA was obtained. This labeled single-stranded DNA was dissolved in a TE solution (pH 8) containing NaCl at a concentration of 50 mM to a final concentration of 2 μM. The DNA probe binding substrate obtained in (3) above was immersed in this solution, and the temperature was lowered from 80 ° C. to 25 ° C. over 2 hours to carry out a hybridization reaction. Thereafter, the probe array was washed with 10 mM NaCl / TE buffer (pH 8) at 29 ° C. for 20 minutes to wash away single-stranded DNA that did not hybridize with the probe nucleic acid.
Next, the fluorescence amount from each well was quantified in the same manner as in Example 8.
[0154]
(5) Results
A fluorescence amount of 8500 to 9400 was confirmed from the well bound with the DNA probe of SEQ ID NO: 9 which was a perfect match with the labeled single-stranded DNA. Further, a fluorescence amount of 2800 to 3400 was observed from the well to which the DNA probe of SEQ ID NO: 10 was bound, and only a fluorescence amount of about 1200 to 1500 was observed from the well to which the DNA probe of SEQ ID NO: 11 was bound. When the probe array was further washed with 10 mM NaCl / TE buffer (pH 8) at 35 ° C. for 10 minutes, the amount of fluorescence from the well to which the DNA probe of SEQ ID NO: 10 was bound decreased to the background level. did. Therefore, it can be seen that the hybrid target substance can be specifically detected even if the probe array according to the embodiment is used.
[0155]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the spot including the probe on the solid phase can be spotted without damaging the probe and without generating the satellite spot by using the ink jet technology. it can. Further, by using this method, it is possible to efficiently manufacture a high-quality probe array having probe spots independent of each other and at a high density.
[0156]
Furthermore, according to the present invention, it is possible to obtain a probe array capable of examining more information on a target substance more accurately even from a small amount of specimen, and whether or not the target substance is present in a sample by using it. Can be determined more accurately and quickly. Similarly, by using this probe array, the structure of the target substance in the sample can be identified more accurately and quickly.
[0157]
Further, according to the present invention, a matrix pattern is formed on the surface as the solid phase of the probe array, and a solid phase provided with wells is used to supply the probe solution to the solid phase or to supply the sample to the solid phase. It is possible to cope with a slight misalignment. Further, by providing various functions to the matrix, it has become possible to achieve higher accuracy such as target substance detection and structure identification.
[0158]
[Sequence Listing]
Figure 0004208392
Figure 0004208392
Figure 0004208392
Figure 0004208392
Figure 0004208392

[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic explanatory view of a method for producing a probe array using a bubble jet head.
2 is a cross-sectional view of the bubble jet head of FIG. 1 taken along line AA.
FIG. 3 is a graph comparing the theoretical value of the amount of nucleic acid probe spotted on an aluminum plate by the bubble jet method in Example 3 with the actual recovered amount.
4 is a graph comparing the theoretical value of the amount of nucleic acid probe spotted on an aluminum plate by the bubble jet method in Example 4 with the actual recovered amount. FIG.
FIG. 5A is a schematic plan view of one embodiment of a probe array according to the present invention.
(B) It is BB sectional drawing of Fig.5 (a).
6 is an explanatory diagram of a spotting method in Embodiment 8. FIG.
[Explanation of symbols]
101 nozzle
103 Solid phase
104 droplets
105 Bubble Jet Head
107 Liquid to be discharged containing nucleic acid probe
109 Protective film
111-1, 111-2 electrodes
113 Heating resistor layer
115 Thermal storage layer
116 Substrate formed of alumina or the like with good heat dissipation
117 Heat generation head
119 Discharge orifice
121 Meniscus
123 Foaming area

Claims (8)

標的物質に対して特異的に結合可能なプローブ核酸をインクジェット法で吐出させるための液体組成物であって、プローブ核酸、尿素、グリセリン、及び下記一般式(I)で示されるアセチレンアルコールとを含んでおり、該液体組成物中のプローブ核酸の濃度が0 . 05〜500μMであり、該液体組成物に対して尿素を5〜10wt%、グリセリンを5〜10wt%及び上記一般式(I)で示されるアセチレンアルコールを0 . 02〜5wt%の割合で含んでいることを特徴とする液体組成物:
Figure 0004208392
(上記式中、R1、R2、R3及びR4はアルキル基を表わし、mおよびnは夫々整数を表わし、m=0かつn=0、もしくは1≦m+n≦30であって、m+n=1の場合はmまたはnは0である。)
A liquid composition for discharging a probe nucleic acid capable of specifically binding to a target substance by an inkjet method, comprising probe nucleic acid , urea, glycerin, and acetylene alcohol represented by the following general formula (I) de and the concentration of the probe nucleic acid of the liquid composition 0. a 05~500μM, 5~10wt% urea with respect to the liquid composition, with 5 to 10 wt% glycerine and the general formula (I) . acetylene alcohol represented zero liquid composition characterized in that it contains a proportion of 02~5wt%:
Figure 0004208392
(In the above formula, R 1 , R 2 , R 3 and R 4 represent an alkyl group, m and n each represent an integer, m = 0 and n = 0, or 1 ≦ m + n ≦ 30, and m + n When m = 1, m or n is 0.)
前記液体組成物は、更にチオジグリコールを含み、該液体組成物に対して尿素を5〜10wt%、グリセリンを5〜10wt%、チオジグリコールを5〜10wt%及び上記一般式(I)で示されるアセチレンアルコールを0.02〜5wt%の割合で含んでいる請求項1に記載の液体組成物。 The liquid composition further contains thiodiglycol , urea is 5 to 10 wt%, glycerin is 5 to 10 wt%, thiodiglycol is 5 to 10 wt% and the above general formula (I) The liquid composition according to claim 1, comprising 0.02 to 5 wt% of the indicated acetylene alcohol. 該プローブ核酸が一本鎖核酸である請求項1〜のいずれかに記載の液体組成物。Liquid composition according to any one of claims 1-2 wherein the probe nucleic acid is single stranded nucleic acids. 該一本鎖核酸の長さが2〜5000merである請求項に記載の液体組成物。The liquid composition according to claim 3 , wherein the single-stranded nucleic acid has a length of 2 to 5000 mer. 該一本鎖核酸の長さが2〜60merである請求項に記載の液体組成物。The liquid composition according to claim 4 , wherein the single-stranded nucleic acid has a length of 2 to 60 mer. 該プローブ核酸が一本鎖DNAである請求項1〜のいずれかに記載の液体組成物。Liquid composition according to any one of claims 1-5 該Pu lobe nucleic acid is single stranded DNA. 該プローブ核酸が一本鎖RNAである請求項1〜のいずれかに記載の液体組成物。The liquid composition according to any one of claims 1 to 5 , wherein the probe nucleic acid is a single-stranded RNA. 該プローブ核酸が一本鎖PNAである請求項1〜のいずれかに記載の液体組成物。Liquid composition according to any one of claims 1-5 wherein the probe nucleic acid is single stranded PNA.
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