JP4202042B2 - 電子部品装着装置の認識方法及びその認識装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、装着ヘッドに設けられプリント基板上の位置決めマークを撮像する基板認識カメラと、駆動源により平面方向に移動可能な装着ヘッドの吸着ノズルに吸着保持された電子部品を移動させながら撮像する部品認識カメラとを備え、両カメラの撮像結果に基づき認識処理装置で認識処理してプリント基板上に装着する電子部品装着装置の認識方法及びその認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、吸着ノズルに吸着保持された電子部品を部品認識カメラで撮像するためには、部品認識カメラ上方で一旦停止しなければならないが、停止することなく撮像するフライビュー方式と呼ばれる撮像方法においては、停止する撮像方法に比べて、認識処理部への画像取り込み信号に対する認識処理部から部品認識処理部への撮像トリガー信号の出力タイミングに遅延やバラツキがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、正確な位置で画像が取り込めないので、部品認識カメラ中心に対する吸着ノズルの中心位置が正確に把握できず、認識結果にズレが生じ、電子部品の装着精度が単純に前記バラツキ分だけ悪化する。
【0004】
そこで本発明は、電子部品を移動させながら撮像するフライビュー方式における部品認識カメラへの撮像開始信号の出力のタイミングのバラツキをなくして、電子部品の装着精度の向上を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため第1の発明は、装着ヘッドに設けられプリント基板上の位置決めマークを撮像する基板認識カメラと、駆動源により平面方向に移動可能な装着ヘッドの吸着ノズルに吸着保持された電子部品を移動させながら撮像する部品認識カメラとを備え、両カメラの撮像結果に基づき認識処理装置で認識処理してプリント基板上に装着する電子部品装着装置の認識方法において、前記部品認識カメラの中心の上方に前記装着ヘッドの吸着ノズルを位置させた状態で前記基板認識カメラにより、前記部品認識カメラのカメラ中心から前記吸着ノズルの回転中心と前記基板認識カメラのカメラ中心との間の距離と同等の距離を存して電子部品装着装置本体に付されたマークを撮像して前記認識処理装置で認識処理してマークの位置を把握し、前記装着ヘッドが移動しながら前記部品認識カメラ及び基板認識カメラで前記吸着ノズルに吸着保持された電子部品及び電子部品装着装置本体に付されたマークを同時に撮像して認識処理装置で認識処理して電子部品及びマークの位置を把握し、前記両認識処理による前記マークの位置のズレ量を前記把握された電子部品の位置の補正に加味することを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、装着ヘッドに設けられプリント基板上の位置決めマークを撮像する基板認識カメラと、駆動源により平面方向に移動可能な装着ヘッドの吸着ノズルに吸着保持された電子部品を移動させながら撮像する部品認識カメラとを備え、両カメラの撮像結果に基づき認識処理装置で認識処理してプリント基板上に装着する電子部品装着装置の認識装置において、前記部品認識カメラの中心の上方に前記装着ヘッドの吸着ノズルを位置させた状態で前記基板認識カメラにより、前記部品認識カメラのカメラ中心から前記吸着ノズルの回転中心と前記基板認識カメラのカメラ中心との間の距離と同等の距離を存して電子部品装着装置本体に付されたマークを撮像して前記認識処理装置で認識処理してマークの位置を把握した結果を記憶する第1の記憶手段と、前記装着ヘッドが移動しながら前記部品認識カメラ及び基板認識カメラで前記吸着ノズルに吸着保持された電子部品及び電子部品装着装置本体に付されたマークを同時に撮像して認識処理装置で認識処理して電子部品及びマークの位置を把握した結果を記憶する第2の記憶手段と、前記第1及び第2の記憶手段に記憶された前記両認識処理による前記マークの位置のズレ量を算出し前記把握された電子部品の位置の補正に加味するように制御する制御手段とから成ることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図に基づき、本発明の実施の形態を以下説明する。図1は電子部品装着装置1の平面図で、該装置1の装着装置本体2上には種々の電子部品を夫々その部品取出し部(部品吸着位置)に1個ずつ供給する部品供給ユニット3が複数並設されている。対向するユニット3群の間には、供給コンベア4、位置決め部5及び排出コンベア6が設けられている。供給コンベア4は上流より受けたプリント基板Pを前記位置決め部5に搬送し、位置決め部5で図示しない位置決め機構により位置決めされた該基板P上に電子部品が装着された後、排出コンベア6に搬送される。
【0008】
8A、8BはX方向に長い一対のビームであり、夫々Y軸モータ9の駆動によりネジ軸10を回転させ、左右一対のガイド11に沿ってプリント基板Pや部品供給ユニット3の部品取出し部(部品吸着位置)上方を個別にY方向に移動する。
【0009】
各ビーム8A、8Bにはその長手方向、即ちX方向にX軸モータ12によりガイド(図示せず)に沿って移動する装着ヘッド7A、7Bが夫々設けられている。各装着ヘッド7A又は7Bには吸着ノズル17A又は17Bを上下動させるための上下軸モータ14及び鉛直軸周りに回転させるためのθ軸モータ15が搭載されている。したがって、2個の装着ヘッド7A、7Bの各吸着ノズルはX方向及びY方向に移動可能であり、垂直線回りに回転可能で、かつ上下動可能となっている。
【0010】
16A、16Bは部品位置認識用の部品認識カメラで、前記各吸着ノズル17A、17Bに対応して2個設けられ、電子部品が吸着ノズルに対してどれだけ位置ずれして吸着保持されているかXY方向及び回転角度につき、位置認識するために電子部品を撮像するが、それぞれ同時に2個の電子部品を撮像可能である。18、18は種々の吸着ノズルを収納するノズルストッカで、最大10本収納可能であるが9本収納している。
【0011】
19A、19Bは基板認識カメラで、前記装着ヘッド7A、7Bにそれぞれ設けられ、プリント基板Pに付されたマークM1の位置を認識するために該マークM1を撮像する。
【0012】
図2は本電子部品装着装置1の制御ブロック図であり、便宜上X軸モータ12、Y軸モータ9、θ軸モータ15及び上下軸モータ14などは、各1個のみ図示して以下説明する。
【0013】
本装着装置1の電子部品装着に係る動作を統括制御する制御部としてのCPU21、記憶装置としてのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)22及びROM(リ−ド・オンリー・メモリ)23などから構成されている。前記RAM22には、電子部品の装着順序毎にプリント基板P内でのX方向、Y方向及び角度位置情報や、FDR番号(各部品供給ユニット3の配置番号)情報等から成る装着データやプリント基板Pに付されたマークM1の位置などが格納されている。
【0014】
そして、CPU21は前記RAM22に記憶されたデータに基づき、前記ROM23に格納されたプログラムに従い、電子部品装着装置1の部品装着動作に係る動作を統括制御する。即ち、CPU21は、駆動回路25を介して前記X軸モータ12の駆動を、駆動回路28を介して前記Y軸モータ9の駆動を、また駆動回路32を介して前記θ軸モータ15の駆動を、更に駆動回路30を介して前記上下軸モータ14の駆動を制御している。
【0015】
13はインターフェース24を介して前記CPU21に接続される認識処理部で、前記部品認識カメラ16A、16Bにより撮像して取込まれた画像の認識処理が該認識処理部13にて行われ、CPU21に処理結果が送出される。即ち、CPU21は、部品認識カメラ16A、16Bに撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を認識処理部13に出力すると共に、認識処理結果を認識処理部13から受取るものである。
【0016】
即ち、前記認識処理部13の認識処理により位置ずれ量が把握されると、その結果がCPU21に送られ、CPU21はビーム8A又は8BがY軸モータ9の駆動によりY方向に、装着ヘッド7A又は7BがX軸モータ12の駆動によりX方向に移動させることにより、またθ軸モータ15によりθ回転させ、X,Y方向及び鉛直軸線回りへの回転角度位置の補正がなされるものである。
【0017】
また、前記基板認識カメラ19A、19Bにより撮像して取込まれた画像の認識処理を該認識処理部13にて行ない、CPU21に処理結果が送出される。即ち、CPU21は、基板認識カメラ19A、19Bに撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を認識処理部13に出力すると共に、認識処理結果を認識処理部13から受取るものである。
【0018】
即ち、前記認識処理部13の認識処理により位置ずれ量が把握されると、その結果がCPU21に送られ、CPU21はビーム8A又は8BがY軸モータ9の駆動によりY方向に、装着ヘッド7A又は7BがX軸モータ12の駆動によりX方向に移動させることにより、またθ軸モータ15によりθ回転させ、X,Y方向及び鉛直軸線回りへの回転角度位置の補正が可能となる。
【0019】
尚、上述の基板認識処理動作は、夫々のビームによる最初の電子部品装着前に限り、行なわれる。それは、プリント基板Pの特性ばかりか、各ビーム、各装着ヘッドなどの特性を部品装着の位置補正に反映するためである。
【0020】
34はキーボードドライバー35及びインターフェース24を介して前記CPU21に接続される入力手段としてのキーボードで、36は認識部品画像等の画像を表示するモニターである。尚、前記入力手段としてのキーボード34に代えてタッチパネルなどの入力手段でも良い。
【0021】
以上の構成により、以下特に図3に基づき動作について説明するが、装着ヘッドは7A、7Bと2つ備えているが、説明の便宜上、装着ヘッド7Aを例として以下説明する。先ず、運転を開始する前に、CPU21は駆動回路25、28を介してX軸モータ12、Y軸モータ9を駆動させて、装着ヘッド7Aを部品認識カメラ16A上方へ移動させ、図4に示すように、吸着ノズル17Aの回転中心を部品認識カメラ16Aのカメラ中心上方に位置させる(ステップ1)。
【0022】
次に、部品認識カメラ16Aのカメラ中心から吸着ノズル17Aの回転中心と基板認識カメラ19Aのカメラ中心との間の距離と同等の距離を存して装着装置2に配設されたマークM2を基板認識カメラ19Aが撮像し、認識処理部13がマークM2の位置を認識処理する(ステップ2)。
【0023】
そして、認識処理部13で認識処理されたマークM2の位置をRAM22に記憶する(ステップ3)。
【0024】
このようにした状態で、生産運転が開始されることとなる(ステップ4)。先ず、プリント基板Pが図示しないコンベアにより上流装置より供給コンベア4を介して位置決め部5に搬送され、位置決め機構により位置決め固定される。そして、RAM22に格納されたプリント基板Pの装着すべきXY座標位置、鉛直軸線回りへの回転角度位置及びFDR番号(各部品供給ユニット3の配置番号)等が指定された装着データに従い、電子部品の部品種に対応した吸着ノズルが装着すべき電子部品を所定の部品供給ユニット3から吸着して取出すこととなる。
【0025】
即ち、装着ヘッド7Aの吸着ノズル17Aは装着ステップ番号0001の装着すべき電子部品を収納する部品供給ユニット3上方に位置するよう移動するが、Y方向は駆動回路28によりY軸モータ9が駆動して一対のガイド11に沿ってビーム8Aが移動し、X方向は駆動回路25によりX軸モータ12が駆動して装着ヘッド7Aが移動し、既に所定の供給ユニット3は駆動されて部品吸着位置にて部品が取出し可能状態にあるため、駆動回路30により上下軸モータ14が駆動して前記ノズル17Aが下降して電子部品を吸着し取出して取出す。
【0026】
次いで、CPU21は吸着ノズル17Aの回転中心と部品認識カメラ16Aのカメラ中心とが同一X軸線上となるように、前述の如くY軸モータ9によりビーム8Aを移動させた後、静止させる(ステップ5)。
【0027】
そして、装着ヘッド7AをX軸モータ25により一定速度で部品認識カメラ16A上方を移動させる(ステップ6)。
【0028】
そして、部品認識カメラ16Aの中心位置と同一線上(Y方向)の前記ビーム8Aの所定位置に取り付けられたヘッド検知センサ37からの装着ヘッド検出信号を、CPU21は認識処理装置13に入力する(ステップ7)。正確には、部品認識カメラ16Aの中心位置と同一線上(Y方向)の前記ビーム8Aの所定位置に前記ヘッド検知センサ37の一方の発光素子が設けられ、他方の受光素子が前記装着ヘッド7Aに設けられているので、前記装着ヘッド7Aが部品認識カメラ16Aの中心位置と同一線上(Y方向)に移動すると、前記ヘッド検知センサ37から装着ヘッド検出信号が発せられ、その検出信号が認識処理装置13に入力することとなる。
【0029】
次に、これを受けて画像処理装置としての認識処理装置13から部品認識カメラ16Aと基板認識カメラ19Aへ同時に撮像開始信号を発行し、吸着ノズル17Aに吸着保持された電子部品及び前記マークM2を撮像して、両カメラ16A及び19Aから認識処理装置13へ撮像画像を取込む(ステップ8)。
【0030】
そして、認識処理装置13は、撮像画像の認識処理を行う。ここで、認識処理装置13が前記ヘッド検知センサ37からの信号を受け取ってから、部品認識カメラ16Aに撮像開始信号が出力される間に遅延時間があった場合や、部品認識カメラ16Aのカメラ中心位置に対してヘッド検知センサ37の取り付け位置にバラツキがあった場合、図5に示すように、部品の位置がズレて撮像されてしまうが、CPU21は前記ステップ3及びステップ9でのマークM2位置のズレ量(△x,△y)を算出して、これを使用して部品認識位置を補正する(ステップ9)。即ち、前記ステップ3及びステップ9で把握した前記両マークM2の位置のズレ量を算出し、これを前記電子部品の位置認識に加味する。
【0031】
従って、その加味された結果により、CPU21はビーム8AがY軸モータ9の駆動によりY方向に、装着ヘッド7AがX軸モータ12の駆動によりX方向に移動させることにより、またθ軸モータ15によりθ回転させ、X,Y方向及び鉛直軸線回りへの回転角度位置の補正がなされるものである。
【0032】
尚、装着ヘッドは7A、7Bと2つ備えているものの、説明の便宜上、装着ヘッド7Aを例として以上説明したが、装着ヘッド7Bも同様に適用するものである。
【0033】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明は、電子部品を移動させながら撮像するフライビュー方式における部品認識カメラへの撮像開始信号の出力のタイミングのバラツキをなくして、電子部品の装着精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子部品装着装置の平面図である。
【図2】電子部品装着装置の制御ブロック図である。
【図3】フローチャートを示す図である。
【図4】吸着ノズルの回転中心を部品認識カメラのカメラ中心上方に位置させた状態を示す図である。
【図5】マークM2の撮像画像を示す図である。
【符号の説明】
1 電子部品装着装置
7A、B 装着ヘッド
8A、B ビーム
16A、B 部品認識カメラ
17A、B 吸着ノズル
19A、B 基板認識カメラ
13 認識処理部
21 CPU
22 RAM
M2 マーク
Claims (2)
- 装着ヘッドに設けられプリント基板上の位置決めマークを撮像する基板認識カメラと、駆動源により平面方向に移動可能な装着ヘッドの吸着ノズルに吸着保持された電子部品を移動させながら撮像する部品認識カメラとを備え、両カメラの撮像結果に基づき認識処理装置で認識処理してプリント基板上に装着する電子部品装着装置の認識方法において、
前記部品認識カメラの中心の上方に前記装着ヘッドの吸着ノズルを位置させた状態で前記基板認識カメラにより、前記部品認識カメラのカメラ中心から前記吸着ノズルの回転中心と前記基板認識カメラのカメラ中心との間の距離と同等の距離を存して電子部品装着装置本体に付されたマークを撮像して前記認識処理装置で認識処理してマークの位置を把握し、
前記装着ヘッドが移動しながら前記部品認識カメラ及び基板認識カメラで前記吸着ノズルに吸着保持された電子部品及び電子部品装着装置本体に付されたマークを同時に撮像して認識処理装置で認識処理して電子部品及びマークの位置を把握し、
前記両認識処理による前記マークの位置のズレ量を前記把握された電子部品の位置の補正に加味することを特徴とする電子部品装着装置の認識方法。 - 装着ヘッドに設けられプリント基板上の位置決めマークを撮像する基板認識カメラと、駆動源により平面方向に移動可能な装着ヘッドの吸着ノズルに吸着保持された電子部品を移動させながら撮像する部品認識カメラとを備え、両カメラの撮像結果に基づき認識処理装置で認識処理してプリント基板上に装着する電子部品装着装置の認識装置において、
前記部品認識カメラの中心の上方に前記装着ヘッドの吸着ノズルを位置させた状態で前記基板認識カメラにより、前記部品認識カメラのカメラ中心から前記吸着ノズルの回転中心と前記基板認識カメラのカメラ中心との間の距離と同等の距離を存して電子部品装着装置本体に付されたマークを撮像して前記認識処理装置で認識処理してマークの位置を把握した結果を記憶する第1の記憶手段と、
前記装着ヘッドが移動しながら前記部品認識カメラ及び基板認識カメラで前記吸着ノズルに吸着保持された電子部品及び電子部品装着装置本体に付されたマークを同時に撮像して認識処理装置で認識処理して電子部品及びマークの位置を把握した結果を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1及び第2の記憶手段に記憶された前記両認識処理による前記マークの位置のズレ量を算出し前記把握された電子部品の位置の補正に加味するように制御する制御手段とから成ることを特徴とする電子部品装着装置の認識装置。
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