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JP4290935B2 - 電子撮像装置 - Google Patents

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JP4290935B2
JP4290935B2 JP2002209560A JP2002209560A JP4290935B2 JP 4290935 B2 JP4290935 B2 JP 4290935B2 JP 2002209560 A JP2002209560 A JP 2002209560A JP 2002209560 A JP2002209560 A JP 2002209560A JP 4290935 B2 JP4290935 B2 JP 4290935B2
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    • G02B15/1445Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having four groups only the first group being negative

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、奥行き方向の薄いビデオカメラやデジタルカメラに関し、特に撮像システム構成上の工夫によりズームレンズなど光学系部分の薄型化を実現した、電子撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀塩35mmフィルム(135フォーマット)カメラに代わる次世代カメラとしてデジタルカメラ(電子カメラ)が注目されてきている。さらに、それは業務用高機能タイプからポータブルな普及タイプまで幅広い範囲でいくつものカテゴリーを有するようになってきている。
【0003】
本発明においては、特にポータブルな普及タイプのカテゴリーに注目し、高画質を確保しながら奥行きが薄く使い勝手の良好なビデオカメラ、デジタルカメラを実現する技術を提供することを意図するものである。
【0004】
カメラの奥行き方向を薄くするための最大のネックとなっている事項は、光学系、特にズームレンズ系の最も物体側の面から撮像面までの厚みである。
【0005】
最近では、撮影時に光学系をカメラボディ内からせり出し携帯時に光学系をカメラボディ内に収納するいわゆる沈胴式鏡筒を採用することが主流になっている。
【0006】
現在知られている中で電子撮像素子用に適しかつズーム比、画角、F値など含めた結像性能が良好で沈胴厚を最も薄くできる可能性を有するものの例として、特開平11−287953号公報、特開2000―267009号公報、特開2000―275520号公報等がある。
【0007】
これらの光学系ではより厳しく要求される薄型化への要求に応えることは困難である。一方、画素数は増加の一途であり、また、画素ピッチは小さくなる一方であるので、それに見合った結像性能を得ることを考えると前記要求に応えることはさらに困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、性能の劣化を極力抑えつつ、ビデオカメラやデジタルカメラ等の電子撮像装置の薄型化または小型化を図ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の1つの電子撮像装置は、ズームレンズ系と、その像側に配された電子撮像素子とを備え、被写体を該電子撮像素子の受光面上に結像して電気信号に変換可能とする電子撮像装置において、
前記電子撮像素子の水平画素ピッチをa(μm)、前記ズームレンズ系の広角端における開放F値つまり最小F値をFとしたときに、下記の条件
(1) a≦4μm
(2) F>a
を満足するように構成されることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の1つのもう1つの電子撮像装置は、ズームレンズ系と、その像側に配された電子撮像素子とを備え、被写体を該電子撮像素子の受光面上に結像して電気信号に変換可能とする電子撮像装置において、
前記電子撮像素子の水平画素ピッチをa(μm)、前記ズームレンズ系の広角端における開放F値つまり最小F値をFとしたときに、下記の条件
(1) a≦4μm
(2) F>a
を満足するとともに、前記電子撮像素子からの信号読み出し方式に順次読み出し機能を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
以下に、本発明において上記構成をとる理由と作用について説明する。
【0012】
開放F値(最小F値)と使用する電子撮像素子の画素ピッチa(μm)との関係において、
(1) a≦4μm
(2) F>a
を満たし画素ピッチが小さくなると、回折の影響でナイキスト周波数以上の周波数成分をほとんど有さないため、折り返しひずみによる画質劣化が少なくなる。
【0013】
従来より、ナイキスト周波数以下のコントラストを極力落とさずに折り返し歪みによる画質劣化を防止するために、水晶の様な単軸結晶の複屈折作用を利用してレンズによる被写体像をおよそ画素ピッチ分だけずれた2重像にして、ナイキスト周波数の成分近傍のコントラストを低下させる、いわゆる光学的ローパスフィルター(LPF)を被写体と撮像素子の間でかつ光学系の光軸上に配置している。
【0014】
しかし、上記(1)、(2)の条件を満たすと光学的ローパスフィルターを配置する必要がなくなる。従って、光学的ローパスフィルターを廃止した分だけ沈胴時の鏡筒厚み(光軸に沿って測るものとする)を薄くすることが可能となる。
【0015】
特に、ズームレンズ系に反射面を含めることで光路を折り曲げ、より装置の薄型化がはかれる。このときに、先の構成にして、光学的ローパスフィルターを省略することで良好な画質を確保しながらも、装置全体の小型化を図ることができる。
【0016】
さらに、レンズ系の開口絞りの種類を、幾何収差による劣化の大きな開放と、回折限界近傍の絞り値の2種類のみとすれば光学的ローパスフィルターがないことによる折り返し歪みによる画質劣化がより少ない。以下、その理由について説明する。
【0017】
レイリー限界周波数は、使用する撮像レンズのF値をF、使用する光の波長をλ(nm)とすると、おおむね1/1.22Fλ、で表される。
【0018】
一方、複数の画素を有する撮像素子の解像限界は、1/2a(aは水平画素ピッチ)であらわされる。従って、レイリー限界周波数が撮像素子の解像限界を越えて小さくならないようにするためには、
(a) 1.22Fλ<2a、つまり、
(b) F<1.64a/λ
を満足させることが条件となる。
【0019】
ここで、可視光線での撮影を鑑みて、使用波長λ=546(nm)とすると、
(c) F<3.0×103× a/1mm
がF値の理論限界の条件式となる。
【0020】
このような状況に鑑みて、絞りを絞り込んだ時のF値が次のように、
(d) 3.0×103 × a/1mm
近傍のとき、回折の影響を抑えかつ光量調節幅が大きく取れる構成となる。したがって、絞り込んだ時の最大F値を、
(e)(広角端最大F値+望遠端最大F値)/2
とし、これをF’とするとき、
(3)2.0×103×a/1mm<F’<4.5×103× a/1mmを満足することが好ましい。
【0021】
上記条件式において、下限値を越えて絞り込んだ時のF値が小さくなると光量調節範囲が狭くなる。一方上限を越えると絞り込んだときのF値が大きくなり回折の影響で画像が劣化する。特に、絞りの開口形状を、開放状態と先の条件を満足するF値(F’)となる2種類のみとしてもよい。
【0022】
実施例として、F’を次のように、
(4) F’=(5.60+9.10)/2 =7.35
Figure 0004290935
に選定し、広角端最大F値(最大Fw)と広角端最小F値(最小Fw)との比を、
Figure 0004290935
に選定した。
【0023】
出来れば、最大F値と最小F値との比は1.4倍以上3倍以内とするとなお良い。または、同じ理由で絞り値を1種類のみに固定することも可能である。その場合は、LPFを廃した分だけでなく絞り出し入れスペースが不要となり沈胴時の鏡筒厚みがさらに薄く出来る。
【0024】
さらに、開口絞りに隣接するレンズ面は少なくとも一方は本開口絞りに向かって凸面を向けており、そのいずれかの隣接するレンズ面が開口絞り内径部を貫通する様にすると絞りによる無駄なスペースが完全になくなり、さらなる短縮に寄与する。
【0025】
なお、広角端の開放F値と、使用する電子撮像素子の画素ピッチa(μm)との関係において、前記
(1) a≦4μm
(2) F>a
程度の電子撮像素子を使用する場合、撮像素子からの信号読み出し方法として順次読み出し機能も併用する方がよい。
【0026】
特に、インターレース方式(読み出し方式が飛び越し走査式)の場合における順次読み出しのやり方としては、奇数フィールドまたは偶数フィールドのうち一方のフィールドのみの信号を使用するか、または、ある列のn行目とn+1行目(但し、nは偶数または奇数のいずれか一方)の混合読み出しとする等の方法がよい。以下、その理由をのべる。
【0027】
内径可変絞りそして内径交換式絞りやND交換式など光路中における可動部分の増加は、撮影時に光学系をカメラボディ内からせり出し携帯時に光学系をカメラボディ内に収納するいわゆる沈胴式鏡筒を採用する場合でも、機械的干渉を防ぐ意味で余分にスペースを必要とする。また、NDを固定式にしてもその分の厚みで沈胴時の長さが長くなる。
【0028】
そこで、絞り内径固定あるいは入れ替えなしでしかもNDフィルターも使用せずに光量調節を実施するために、光量調節を全てシャッタースピードの調節で行なうのが良い。しかしながら、現実の高画素数撮像素子は開口率を上げるためにインターレース式(読み出し方式が飛び越し走査式)を採用する方が有利とあって、奇数、偶数の2つのフィールドを同時に撮影し別々に読み出せる様にメカニカルシャッターを使用する策が採られている。
【0029】
しかし、シャッタースピードの上限がメカニカルシャッターの速度(1/1000秒程度)で決まるため被写体が著しく明るい場合には対応出来ない。従って、垂直解像度は低下するが、一方のフィールドのみを使用してあるいは2つのフィールドを混合して撮影、読み出しするなどの方法によれば、奇数、偶数の2つのフィールドを別々に読み出すこと、つまりメカニカルシャッターを使用する必要がなくなり、撮像素子の電位が極めて高速にコントロール可能であることを使った(以下、素子シャッターと呼ぶ)1/10000秒より速いシャッタースピードが可能となる。
【0030】
そして、メカニカルシャッターと素子シャッターを併用して、シャッタースピードに応じていずれかを選択できるようにしておくと良い。また、メカニカルシャッターを用いずに済むため、その分のスペースも不要となり、沈胴時の厚みを極めて薄く出来る。また、部品点数を削減し、装置の小型化が図れる。
【0031】
なお、前記ズームレンズは物体側より順に、負の屈折力を有するレンズ群Axと正の屈折力を有するレンズ群Bxを含み、系全体で5枚以下のレンズにて構成され、前記レンズ群Axとレンズ群Bxが移動することにより変倍するズームレンズにおいて、レンズ群Bxは2つ以下のレンズ成分(接合レンズは1成分と数える)で構成されているものが沈胴長を薄くするのに効果的である。
【0032】
さらには、前記ズームレンズは、負の屈折力を有するレンズ群Axと正の屈折力を有するレンズ群Bxの2つの可動群のみで構成されているとよりよい。
【0033】
次に、赤外カットフィルター類を薄くすることについて言及する。電子撮像装置には、通常赤外光が撮像面に入射しない様に一定の厚みのある赤外吸収フィルターを撮像素子よりも物体側に挿入している。光学系を短くあるいは薄くするために、赤外吸収フィルターを厚みのないコーティングに置き換えることを考える。当然その分光学系は薄くなるが副次的効果がある。
【0034】
以下に、この点について説明する。前記ズームレンズ系後方にある撮像素子よりも物体側に、600nmでの透過率が80%以上、700nmでの透過率が8%以下の近赤外シャープカットコートを導入すると、吸収タイプよりも700nm以上の近赤外領域の透過率が低くかつ相対的に赤側の透過率が高くなる。このため、補色モザイクフィルターを有するCCDなど固体撮像素子の欠点である青紫側のマゼンタ化傾向がゲイン調整により緩和され、 原色フィルターを有するCCDなど固体撮像素子並みの色再現を得ることができる。
【0035】
また、原色補色に限らず植物や人肌の様に近赤外領域に強い反射率を有するものの色再現が改善される。
【0036】
すなわち、
(7) τ600 /τ550 ≧0.8
(8) τ700 /τ550 ≦0.08
を満たすことが望ましい。ただし、τ550 は波長550nmでの透過率である。
【0037】
なお、条件(7)、(8)の何れかあるいは両方を以下のようにするとよりよい。
(7)’ τ600 /τ550 ≧0.85
(8)’ τ700 /τ550 ≦0.05
【0038】
さらに、条件(7)、(8)の何れかあるいは両方を以下のようにするとさらによい。特に両方を以下のようにすると最もよい。
(7)” τ600 /τ550 ≧0.9
(8)” τ700 /τ550 ≦0.03
【0039】
CCDなど固体撮像素子のもう1つの欠点は、近紫外域の550nmに対する感度が人間の眼のそれよりもかなり高いことである。これも近紫外域の色収差による画像のエッジ#部の色にじみを目立たせている。特に光学系を小型化すると致命的である。
【0040】
従って、400nmでの透過率(τ400)の550nmでの透過率(τ550)に対する比が0.08を下回り、440nmでの透過率(τ440)の550nmでの透過率(τ550)に対する比が0.4を上回るような吸収体あるいは反射体を光路上に挿入すれば、色再現上必要な波長域を失わず(良好な色再現を保ったまま)色にじみなどのノイズがかなり軽減される。
【0041】
すなわち、
(9) τ400 /τ550 ≦0.08
(10) τ440 /τ550 ≧0.4
を満たすことが望ましい。
【0042】
なお、条件(9)、(10)の何れかあるいは両方を以下のようにするとよりよい。
(9)’ τ400 /τ550 ≦0.06
(10)’ τ440 /τ550 ≧0.5
【0043】
さらに、条件(9)、(10)の何れか、あるいは両方を以下のようにするとさらによい。特に両方を以下のようにすると最もよい。
(9)” τ400 /τ550 ≦0.04
(10)” τ440 /τ550 ≧0.6
【0044】
なお、これらのフィルターの設置場所は結像光学系と撮像素子の間がよい。
【0045】
一方、補色フィルターの場合、その透過光エネルギーの高さから、原色フィルター付きCCDと比べ実質的感度が高く、かつ、解像的にも有利であるため、小型CCDを使用したときのメリットが大である。
【0046】
また、NDフィルターのように光量調節機能を有するものとして、開口絞りとは、レンズ面を1つ以上隔てた光軸を含む何れかの空間に透過率が90%以下の光学素子(出来れば入射面、射出面が共に平面がよい。)を配置したり、透過率の異なる別の光学素子と入れ換える手段を持つとよい。
【0047】
あるいは、開口サイズが固定の複数の開口を有し、その中の1つを第1群の最も像側のレンズ面と第3群の最も物体側となるレンズ面の間の何れかの光路内に挿入でき、かつ、他のものと交換可能とすることで、像面照度を調節することができる電子撮像装置としておき、その複数の開口の中、一部の開口内に550nmに対する透過率がそれぞれ異なりかつ80%未満であるような媒体を有するようにして光量調節を行うのがよい。
【0048】
あるいは、a(μm)/Fナンバー<0.4となるようなF値に相当する光量になるように調節を実施する場合は、開口内に550nmに対する透過率がそれぞれ異なりかつ80%未満の媒体を有する電子撮像装置とするのがよい。
【0049】
例えば、開放値から上記条件の範囲外ではその媒体なしかあるいは550nmに対する透過率が91%以上のダミー媒質としておき、範囲内のときは回折の影響が出る程に開口絞り径を小さくするのではなく、NDフィルターのようなもので光量調節するのがよい。本発明においては、ズームレンズ系と前記電子撮像素子間の光路上の媒質は、すべて空気あるいは等方性を示す非結晶媒質のみで構成される。前記等方性を示す非結晶媒質としては、例えばガラス、プラスチック、蒸着膜などが用いられる。つまり、請求項2、または請求項3記載の構成は、結晶媒質によるローパスフィルターが無いことを意味している。
【0050】
上記の各条件式においては、その上限値のみ若しくは下限値のみを、より好ましい条件式の上下限値より限定してもよい。また、後記する各実施例の条件式に対応する値も、各条件式の上限又は下限まで変更し得るものである。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のズームレンズの実施例について説明する。実施例の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図を図1に示す。図中、第1レンズ群はG1、第2レンズ群はG2、絞りはS、第3レンズ群はG3、第4レンズ群はG4、電子撮像素子であるCCDのカバーガラスはCG、CCDの像面はIで示してある。
【0052】
また、第1レンズ群中G1中の光路折り曲げプリズムを展開した平行平板はPで示してある。なお、近赤外シャープカットコートについては、例えば別に赤外カット吸収フィルターを配置してもよく、あるいは、透明平板の入射面に近赤外シャープカットコートしたものを用いてもよい。
【0053】
光路折り曲げプリズムPは、代表例として例えば実施例1のズームレンズにおいて、広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時における光路図を図2に示すように、光路を90°折り曲げる反射プリズムとして構成される。
【0054】
実施例1のズームレンズは、図1に示すように、物体側に凸の負メニスカスレンズと、光路折り曲げプリズムPと、両凹負レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、物体側に凸の正メニスカスレンズと物体側に凸の負メニスカスレンズの接合レンズと、両凸正レンズとからなる第2レンズ群G2、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第3レンズ群G3、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなる。
【0055】
広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1、第4レンズ群G4は固定で、開口絞りS、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3は物体側へ移動する。また、近距離の被写体にフォーカシングするために、第3レンズ群G3は物体側へ繰り出される。
【0056】
非球面は、第1レンズ群G1における物体側に凸の負メニスカスレンズにおける像面側の面と両凹負レンズの両面、第2レンズ群G2の最も物体側の面、第4レンズ群G4における物体側の面の5面に用いられている。
【0057】
以下に、上記各実施例の数値データを示すが、記号は上記の外、fは全系焦点距離、ωは半画角、FNOはFナンバー、WEは広角端、STは中間状態、TEは望遠端、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。
【0058】
なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
x=(y2 /r)/[1+{1−(K+1)(y/r)21/2 ]+A44 +A66 +A88 + A1010
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4、A6、A8、A10 はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
【0059】
Figure 0004290935
Figure 0004290935
Figure 0004290935
【0060】
以上の実施例1について無限遠物点合焦時の収差図を図3に示す。この収差図において、(a)は広角端、(b)は中間状態、(c)は望遠端における球面収差SA、非点収差AS、歪曲収差DT、倍率色収差CCを示す。
【0061】
図4〜図10は、それぞれ画面中心部の水平方向波動光学的MTF(Modulation Transfer Function)特性図である。ここで、広角端F値:2.80、使用する撮像素子の水平画素ピッチ:2.5μm(ナイキスト周波数200本/mm)であるものとする。
【0062】
図4は、広角端絞り開放(F/2.80)時のMTFを示す。図5は、中間焦点距離絞り開放(F/3.56)時のMTFを示す。図6は、望遠端絞り開放(F/4.55)時のMTFを示す。図7は、広角端2段絞り(F/5.60)時のMTFを示す。
【0063】
図8は、中間焦点距離2段絞り(F/7.12)時のMTFを示す。図9は、望遠端2段絞り(F/9.10)時のMTFを示す。図10は、水平方向波動光学的MTFが高い場合の例を示す。
【0064】
図4〜図10のMTF特性図において、実線(a)はズームレンズ系のみの水平方向MTFを示す。一点鎖線(b)は、ズームレンズ系に光学LPFを施したときの水平方向MTFを示す。点線(c)は光学LPFを除いたときの水平方向折り返し歪み成分を示している。MTFの計算にあたっては、各波長(nm)で次のような白色ウエイトを使用した。
【0065】
波長(nm) 656.28 587.56 546.07 486.13 435.84 404.66
白色ウエイト 0.3 0.6 1.0 0.6 0.3 0.02
【0066】
図4〜図10に示されているように、MTFの特性は、実線と1点鎖線の特性がほぼ同じような傾向となっている。すなわち、光学LPFを除いても実用上問題がないことを示している。次に、この理由について説明する。
【0067】
折り返し歪み成分のうち、低周波成分はモアレ縞などノイズの原因になるため、一般的には光学ローパスフィルターを結像レンズ系と撮像素子との間に挿入して、折り返し歪み成分の低周波成分を除去している。
【0068】
しかし、結像レンズ系のナイキスト周波数以上のMTFが低ければ折り返し成分が低くなる。本発明においては、開放と絞り込み状態の2種類の開口あるいは開放1種類の開口で光量を制限するようにし、かつレンズ系の開放F値がF>aを満たすようにしている。
【0069】
したがって、幾何収差と回折劣化により折り返し歪みを小さくすることが容易となり、光学LPFを省略しても実用上問題なくなる。
【0070】
図11は、開口時絞り形状の例を示す説明図、図12は、2段絞り時の絞り形状の例を示す説明図である。図11、図12において、OPは光軸、Daは6枚の絞り板、Xa、Xbは開口部を示している。本発明においては、前記したように、絞りの開口形状を開放状態(図11)と、所定の条件を満たすF値となる絞り値(2段絞り、図12)の2種類のみとすることができる。
【0071】
なお、本発明においては、F値を決定する絞りの開口形状を常に固定とすることができる。このような構成によれば、絞り形状が固定のものを用いているので、絞り機構自体の厚さを薄くできる。したがって、絞りを挟むレンズ間隔を従来のものよりも短くすることができ、レンズ全長の短縮化が可能となる。また、絞り径を固定する場合には、他のレンズ群間で抜き差し可能なNDフィルターを設けてもよい。
【0072】
ここで、電子撮像素子の有効撮像面の対角長Lと画素ピッチaについて説明しておく。図13は、電子撮像素子の画素配列の1例を示す図であり、画素ピッチaでR(赤)、G(緑)、B(青)の画素あるいはシアン、マゼンダ、イエロー、グリーン(緑)の4色の画素(図15)がモザイク状に配されている。
【0073】
有効撮像面は撮影した映像の再生(パソコン上での表示、プリンターによる印刷等)に用いる撮像素子上の光電変換面内における領域を意味する。図中に示す有効撮像面は、光学系の性能(光学系の性能が確保し得るイメージサークル)に合わせて、撮像素子の全光電変換面よりも狭い領域に設定されている。
【0074】
有効撮像面の対角長Lは、この有効撮像面の対角長である。なお、映像の再生に用いる撮像範囲を種々変更可能としてよいが、そのような機能を有する撮像装置に本発明のズームレンズを用いる際は、その有効撮像面の対角長Lが変化する。そのような場合は、本発明における有効撮像面の対角長Lは、Lのとり得る範囲における最大値とする。
【0075】
以上の実施例において、最終レンズ群の像側には、近赤外カットフィルター又は近赤外カットコート面を設けている。この近赤外カットフィルター、近赤外カットコート面は、波長600nmでの透過率が80%以上、波長700nmでの透過率が10%以下となるように構成されている。
【0076】
具体的には、例えば次のような27層の層構成からなる多層膜である。ただし、設計波長は780nmである。
【0077】
基 板 材質 物理的膜厚(nm) λ/4
───────────────────────────────
第1層 Al23 58.96 0.50
第2層 TiO2 84.19 1.00
第3層 SiO2 134.14 1.00
第4層 TiO2 84.19 1.00
第5層 SiO2 134.14 1.00
第6層 TiO2 84.19 1.00
第7層 SiO2 134.14 1.00
第8層 TiO2 84.19 1.00
第9層 SiO2 134.14 1.00
第10層 TiO2 84.19 1.00
第11層 SiO2 134.14 1.00
第12層 TiO2 84.19 1.00
第13層 SiO2 134.14 1.00
第14層 TiO2 84.19 1.00
第15層 SiO2 178.41 1.33
第16層 TiO2 101.03 1.21
第17層 SiO2 167.67 1.25
第18層 TiO2 96.82 1.15
第19層 SiO2 147.55 1.05
第20層 TiO2 84.19 1.00
第21層 SiO2 160.97 1.20
第22層 TiO2 84.19 1.00
第23層 SiO2 154.26 1.15
第24層 TiO2 95.13 1.13
第25層 SiO2 160.97 1.20
第26層 TiO2 99.34 1.18
第27層 SiO2 87.19 0.65
───────────────────────────────
空気 。
【0078】
上記の近赤外シャープカットコートの透過率特性は図14に示す通りである。
【0079】
具体的には、このフィルター若しくはコーティングにより、波長400nm〜700nmで透過率が最も高い波長の透過率に対する420nmの波長で透過率の比が15%以上であり、その最も高い波長の透過率に対する400nmの波長で透過率の比が6%以下であることが好ましい。
【0080】
それにより、人間の目の色に対する認識と、撮像及び再生される画像の色とのずれを低減させることができる。言い換えると、人間の視覚では認識され難い短波長側の色が、人間の目で容易に認識されることによる画像の劣化を防止することができる。
【0081】
上記の400nmの波長で透過率の比が6%を越えると、人間の目では認識され難い単波長城が認識し得る波長に再生されてしまい、逆に、上記した420nmの波長の透過率の比が15%よりも小さいと、人間の認識し得る波長城の再生が低くなり、色のバランスが悪くなる。
【0082】
また、CCDの撮像面I上には、図15に示す通り、シアン、マゼンダ、イエロー、グリーン(緑)の4色の色フィルターを撮像画素に対応してモザイク状に設けた補色モザイクフィルターを設けている。これら4種類の色フィルターは、それぞれが略同じ数になるように、かつ、隣り合う画素が同じ種類の色フィルターに対応しないようにモザイク状に配置されている。それにより、より忠実な色再現が可能となる。
【0083】
補色モザイクフィルターは、具体的には、図15に示すように少なくとも4種類の色フィルターから構成され、その4種類の色フィルターの特性は以下の通りであることが好ましい。
【0084】
グリーンの色フイルターGは波長GP に分光強度のピークを有し、
イエローの色フィルターYe は波長YP に分光強度のピークを有し、
シアンの色フィルターCは波長CP に分光強度のピークを有し、
マゼンダの色フィルターMは波長MP1とMP2にピークを有し、以下の条件を満足する。
【0085】
510nm<GP <540nm
5nm<YP −GP <35nm
−100nm<CP −GP <−5nm
430nm<MP1<480nm
580nm<MP2<640nm
【0086】
さらに、グリーン、イエロー、シアンの色フィルターはそれぞれの分光強度のピークに対して波長530nmでは80%以上の強度を有し、マゼンダの色フィルターはその分光強度のピークに対して波長530nmでは10%から50%の強度を有することが、色再現性を高める上でより好ましい。
【0087】
上記各実施例におけるそれぞれの波長特性の一例を図16に示す。グリーンの色フィルターGは525nmに分光強度のビークを有している。イエローの色フィルターYe は555nmに分光強度のピークを有している。シアンの色フイルターCは510nmに分光強度のピークを有している。
【0088】
マゼンダの色フィルターMは445nmと620nmにピークを有している。また、530nmにおける各色フィルターは、それぞれの分光強度のピークに対して、Gは99%、Ye は95%、Cは97%、Mは38%としている。
【0089】
このような補色フィルターの場合、図示しないコントローラー(若しくは、デジタルカメラに用いられるコントローラー)で、電気的に次のような信号処理を行い、
輝度信号
Y=|G+M+Ye +C|×1/4
色信号
R−Y=|(M+Ye )−(G+C)|
B−Y=|(M+C)−(G+Ye )|
の信号処理を経てR(赤)、G(緑)、B(青)の信号に変換される。 ところで、上記した近赤外シャープカットコートの配置位置は、光路上のどの位置であってもよい。
【0090】
また、各実施例の明るさ絞りの部分についての詳細を図17の斜視図に示す。ただし、この図は4群構成の場合であり、第1群G1における光路折り曲げプリズムPは省いて図示してある。
【0091】
撮像光学系の第1群G1と第2群G2との間の光軸上の絞り位置に、0段、−1段、−2段、−3段、−4段の明るさ調節を可能とするターレット10を配置している。
【0092】
ターレット10には、0段の調整をする開口形状が直径約4mmの円形で固定の空間からなる開口1A(波長550nmに対する透過率は100%) と、−1段補正するために開口1Aの開口面積の約半分の開口面積を有する開口形状が固定の透明な平行平板(波長550nmに対する透過率は99%)からなる開口1Bと、開口1Bと同じ面積の円形開口部を有し、−2段、−3段、−4段に補正するため、各々波長550nmに対する透過率が50%、25%、13%のNDフィルターが設けられた開口部1C、1D、1Eとを有している。
【0093】
そして、ターレット10に設けた回転軸11の周りの回動により何れかの開口を絞り位置に配することで光量調節を行っている。
【0094】
また、図17に示すターレット10に代えて、図18の正面図に示すターレット10’を用いることができる。撮像光学系の第1群G1と第2群G2との間の光軸上の明るさ絞り位置に、0段、−1段、−2段、−3段、−4段の明るさ調節を可能とするターレット10’を配置している。
【0095】
ターレット10’には、0段の調整をする開口形状が直径約4mmの円形で固定の開口1A' と、−1段補正するために開口1A’の開口面積の約半分となる開口面積を有する開口形状が固定の開口1B' と、さらに開口面積が順に小さくなり、−2段、−3段、−4段に補正するための形状が固定の開口部1C' 、1D' 、1E' とを有している。
【0096】
そして、ターレット10’に設けた回転軸11の周りの回動により何れかの開口を絞り位置に配することで光量調節を行っている。
【0097】
本発明においては、電子撮像素子として信号の順次読み出し機能を備えたCCDを用いている。次に、図19、図20によりCCD撮像の動作を説明する。図19は、インターレース式(飛び越し走査式)で信号の順次読み出しを行っているCCD撮像の動作説明図である。図19において、Pa〜Pcはフォトダイオードを用いた感光部、Va〜VcはCCDによる垂直転送部、HaはCCDによる水平転送部である。Aフィールドは奇数フィールド、Bフィールドは偶数フィールドを示している。
【0098】
図19の構成では、基本動作が次のように行われる。すなわち、(1)感光部で光による信号電荷の蓄積(光電変換)、(2)感光部から垂直転送部への信号電荷のシフト(フィールドシフト)、(3)垂直転送部での信号電荷の転送(垂直転送)、(4)垂直転送部から水平転送部への信号電荷の転送(ラインシフト)、(5)水平転送部での信号電荷の転送(水平転送)、(6)水平転送部の出力端で信号電荷の検出(検出)。このような順次読み出しは、Aフィールド(奇数フィールド)とBフィールド(偶数フィールド)のいずれか一方を用いて行うことができる。
【0099】
図19のインターレース式(飛び越し走査式)CCD撮像は、TV放送方式やアナログビデオ方式では、AフィールドとBフィールドの蓄積タイミングが1/60ずれている。これをそのままDSC(Dijital Spectram Compatible)用画像としてフレーム画を構成すると、動きのある被写体の場合、二重像のようなブレを起こす。そこでこのタイプのCCD撮像では、A、Bフィールドを同時露光して隣接するフィールドの信号を混合する。そして、メカシャッターで露光終了時に湛光した後、AフィールドとBフィールドそれぞれ別々に読み出して信号を合成する方法が取られている。
【0100】
本発明においては、メカシャッターの役割をスミア防止用のみとして、Aフィールドのみの順次読み出し、あるいは、A、Bフィールドを同時混合読み出しとすることにより、垂直解像度は低下するが、メカシャッターの駆動スピードに左右されず(電子的なシャッターのみでコントロールできるため)、高速シャッターを切ることができる。図19の例では、垂直転送部のCCDの数が感光部を構成するフォトダイオードの数の半分であるので、小型化しやすいという利点がある。
【0101】
図20は、信号の順次読み出しをプログレッシブ式で行うCCD撮像の動作説明図である。図20において、Pd〜Pfはフォトダイオードを用いた感光部、Vd〜VfはCCDによる垂直転送部、HbはCCDによる水平転送部である。
【0102】
図20においては、画素の並び順に読み出すことができるので、電荷蓄積読み出し作業を全て電子的にコントロールすることが可能となる。したがって、露光時間を(1/10000秒)程度に短くすることができる。図20の例では、図19の場合よりも垂直CCDの数が多く、小型化が困難という不利な点があるが、前記したような利点があるので、本発明は図19、図20のいずれの方式も採用することができる。
【0103】
さて、以上のような本発明の電子撮像装置は、ズームレンズ等の結像光学系で物体像を形成しその像をCCDや銀塩フィルムといった撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置、とりわけデジタルカメラやビデオカメラ、情報処理装置の例であるパソコン、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話等に用いることができる。以下に、その実施形態を例示する。
【0104】
図21〜図23は、本発明による結像光学系をデジタルカメラの撮影光学系41に組み込んだ構成の概念図を示す。図21はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図22は同後方斜視図、図23はデジタルカメラ40の構成を示す水平方向の断面図である。
【0105】
デジタルカメラ40は、この例の場合、撮影用光路42を有する撮影光学系41、ファインダー用光路44を有するファインダー光学系43、シャッター45、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含み、カメラ40の上部に配置されたシャッター45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば実施例2の光路折り曲げズームレンズを通して撮影が行われる。
【0106】
この場合、光路折り曲げプリズムPによる光路折り曲げ方向は、デジタルカメラ40の長手方向すなわち横方向に曲げて、カメラの薄型化に資している。撮影光学系41によって形成された物体像が、近赤外カットフィルターを介してCCD49の撮像面上に形成される。このCCD49で受光された物体像は、処理手段51を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニター47に表示される。
【0107】
また、この処理手段51には記録手段52が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段52は処理手段51と別体に設けてもよいし、フロッピーディスクやメモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
【0108】
さらに、ファインダー用光路44上にはファインダー用対物光学系53が配置してある。このファインダー用対物光学系53によって形成された物体像は、像正立部材であるポロプリズム55の視野枠57上に形成される。このポロプリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。なお、撮影光学系41及びファインダー用対物光学系53の入射側、接眼光学系59の射出側にそれぞれカバー部材50が配置されている。
【0109】
このように構成されたデジタルカメラ40は、撮影光学系41が広画角で高変倍比であり、収差が良好で、明るく、フィルター等が配置できるバックフォーカスの大きなズームレンズであるので、高性能・低コスト化が実現できる。しかも、上記のように、ズームレンズの光路折り曲げ方向をデジタルカメラ40の長手方向に選んでいるので、カメラの薄型化に効果がある。
【0110】
そして、このような光路折り曲げ方向を選ぶと、フラッシュ46を撮影光学系41の入射面よりも上方に位置させることができるため、人物のストロボ撮影の際に生じる影の影響を緩和できるレイアウトになし得るものである。
【0111】
なお、図23の例では、カバー部材50として平行平面板を配置しているが、パワーを持ったレンズを用いてもよい。また、光路の折り曲げ方向は、カメラのレイアウトのしやすさに応じて、縦方向、横方向の何れでも構わないのはもちろんである。
【0112】
次に、本発明の結像光学系が対物光学系として内蔵された情報処理装置の一例であるパソコンが図24〜図26に示される。図24はパソコン300のカバーを開いた前方斜視図、図25はパソコン300の撮影光学系303の断面図、図26は図24に示したカバーを開いた状態の側面図である。
【0113】
図24〜図25に示されるように、パソコン300は、外部から繰作者が情報を入力するためのキーボード301と、図示を省略した情報処理手段や記録手段と、情報を操作者に表示するモニター302と、操作者自身や周辺の像を撮影するための撮影光学系303とを有している。
【0114】
ここで、モニター302は、図示しないバックライトにより背面から照明する透過型液晶表示素子や、前面からの光を反射して表示する反射型液晶表示素子や、CRTディスプレイ等であってよい。また、図中、撮影光学系303は、モニター302の右上に内蔵されているが、その場所に限らず、モニター302の周囲や、キーボード301の周囲のどこであってもよい。
【0115】
この撮影光学系303は、撮影光路304上に、本発明による例えば実施例2の光路折り曲げズームレンズからなる対物レンズ112と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらはパソコン300に内蔵されている。
【0116】
ここで、撮像ユニット160には撮像素子チップ162が設けられており、対物レンズ112の鏡枠113の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっている。このため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端(図示略)には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中のズームレンズの駆動機構等は図示を省いてある。
【0117】
撮像素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、パソコン300の処理手段に入力され、電子画像としてモニター302に表示される。図24には、その一例として、操作者の撮影された画像305が示されている。また、この画像305は、処理手段を介し、インターネットや電話を介して、遠隔地から通信相手のパソコンに表示されることも可能である。
【0118】
次に、本発明の結像光学系が撮影光学系として内蔵された情報処理装置の一例である電話、特に持ち運びに便利な携帯電話が図27に示される。図27(a)は携帯電話400の正面図、図27(b)は側面図、図27(c)は撮影光学系405の断面図である。
【0119】
図27に示されるように、携帯電話400は、操作者の声を情報として入力するマイク部と、通話相手の声を出力するスピーカ部402と、操作者が情報を入力する入力ダイアル403と、操作者自身や通話相手等の撮影像と電話番号等の情報を表示するモニター404と、撮影光学系405と、通信電波の送信と受信を行うアンテナ406と、画像情報や通信情報、入力信号等の処理を行う処理手段(図示せず)とを有している。
【0120】
ここで、モニター404は液晶表示素子である。また、図中、各構成の配置位置は、特にこれらに限られない。この撮影光学系405は、撮影光路407上に配置された本発明による例えば実施例1の光路折り曲げズームレンズからなる対物レンズ112と、物体像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらは、携帯電話400に内蔵されている。
【0121】
ここで、撮像ユニット160には撮像素子チップ162が設けられており、対物レンズ112の鏡枠113の後端にワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっている。このため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端(図示略)には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中のズームレンズの駆動機構等は図示を省いてある。
【0122】
撮影素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、図示していない処理手段に入力され、電子画像としてモニター404に、又は、通信相手のモニターに、又は、両方に表示される。また、通信相手に画像を送信する場合、撮像素子チップ162で受光された物体像の情報を、送信可能な信号へと変換する信号処理機能が処理手段には含まれている。
【0123】
【発明の効果】
本発明により、性能の劣化を極力抑えつつ、ビデオカメラやデジタルカメラ等の電子撮像装置の薄型化または小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用するズームレンズの実施例1に係る無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。
【図2】実施例1に係るズームレンズの広角端無限遠物点合焦時の折り曲げ時におけるレンズ断面図である。
【図3】実施例1の無限遠物点合焦時の収差図である。
【図4】広角端絞り開放時の画面中心部の水平方向波動光学的MTF特性図である。
【図5】中間焦点距離絞り開放時の画面中心部の水平方向波動光学的MTF特性図である。
【図6】望遠端絞り開放時の画面中心部の水平方向波動光学的MTF特性図である。
【図7】広角端2段絞り時の画面中心部の水平方向波動光学的MTF特性図である。
【図8】中間焦点距離2段絞り時の画面中心部の水平方向波動光学的MTF特性図である。
【図9】望遠端2段絞り時の画面中心部の水平方向波動光学的MTF特性図である。
【図10】水平方向波動光学的MTFが高い例の特性図である。
【図11】絞りの開口形状を開放状態としたことを示す図である。
【図12】絞りの開口形状を2段絞りとした状態を示す図である。
【図13】電子撮像素子にて撮影を行う場合の有効撮像面の対角長について説明するための図である。
【図14】近赤外シャープカットコートの一例の透過率特性を示す図である。
【図15】補色モザイクフィルターの色フィルター配置を示す図である。
【図16】補色モザイクフィルターの波長特性の一例を示す図である。
【図17】各実施例における明るさ絞りの部分の一例の詳細を示す斜視図である。
【図18】各実施例における明るさ絞りの部分の別の例の詳細を示す図である。
【図19】インターレース式CCD撮像の動作説明図である。
【図20】プログレッシブ式CCD撮像の動作説明図である
【図21】本発明による光路折り曲げズーム光学系を組み込んだデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。
【図22】図21のデジタルカメラの後方斜視図である。
【図23】図21のデジタルカメラの断面図である。
【図24】本発明による光路折り曲げズーム光学系を対物光学系として組み込れたパソコンのカバーを開いた前方斜視図である。
【図25】パソコンの撮影光学系の断面図である。
【図26】図24の状態の側面図である。
【図27】本発明による光路折り曲げズーム光学系を対物光学系として組み込まれた携帯電話の正面図、側面図、その撮影光学系の断面図である。
【符号の説明】
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G4…第4レンズ群
P…光路折り曲げプリズム
S…開口絞り
CG…カバーガラス
I…像面
E…観察者眼球
OP…光軸
Xa、Xb…開口部
Pa〜Pf…感光部
Va〜Vf…垂直転送部
Ha、Hb…水平転送部
1A、1B、1C、1D、1E…開口
1A’、1B’、1C’、1D’、1E’…開口
10…ターレット
10’…ターレット
11…回転軸
40…デジタルカメラ
41…撮影光学系
42…撮影用光路
43…ファインダー光学系
44…ファインダー用光路
45…シャッター
46…フラッシュ
47…液晶表示モニター
49…CCD
50…カバー部材
51…処理手段
52…記録手段
53…ファインダー用対物光学系
55…ポロプリズム
57…視野枠
59…接眼光学系
112…対物レンズ
113…鏡枠
114…カバーガラス
160…撮像ユニット
162…撮像素子チップ
166…端子
300…パソコン
301…キーボード
302…モニター
303…撮影光学系
304…撮影光路
305…画像
400…携帯電話
401…マイク部
402…スピーカ部
403…入力ダイアル
404…モニター
405…撮影光学系
406…アンテナ
407…撮影光路

Claims (14)

  1. ズームレンズ系と、その像側に配された電子撮像素子とを備え、被写体を該電子撮像素子の受光面上に結像して電気信号に変換可能とする電子撮像装置において、
    前記ズーム光学系は、物体側に凸の負メニスカスレンズと、光路折り曲げプリズムPと、両凹負レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、物体側に凸の正メニスカスレンズと物体側に凸の負メニスカスレンズの接合レンズと、両凸正レンズとからなる第2レンズ群G2、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第3レンズ群G3、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなり、
    前記電子撮像素子の水平画素ピッチをa(μm)、前記ズームレンズ系の広角端における開放F値つまり最小F値をFとしたときに、下記の条件(1)、(2)を満足することを特徴とする電子撮像装置。
    (1) a≦4μm
    (2) F>a
  2. 前記ズームレンズ系と前記電子撮像素子間の光路上の媒質は、すべて空気あるいは等方性を示す非結晶媒質のみで構成されたことを特徴とする請求項1記載の電子撮像装置。
  3. 前記ズームレンズ系と前記電子撮像素子間の光路上の媒質は空気、ガラス、プラスチック、蒸着膜の何れかのみで構成されたことを特徴とする請求項1記載の電子撮像装置。
  4. ズームレンズ系と、その像側に配された電子撮像素子とを備え、被写体を該電子撮像素子の受光面上に結像して電気信号に変換可能とする電子撮像装置において、
    前記ズーム光学系は、物体側に凸の負メニスカスレンズと、光路折り曲げプリズムPと、両凹負レンズと、物体側に凸の正メニスカスレンズとからなる第1レンズ群G1、開口絞りS、物体側に凸の正メニスカスレンズと物体側に凸の負メニスカスレンズの接合レンズと、両凸正レンズとからなる第2レンズ群G2、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第3レンズ群G3、物体側に凸の正メニスカスレンズ1枚からなる第4レンズ群G4からなり、
    前記電子撮像素子の水平画素ピッチをa(μm)、前記ズームレンズ系の広角端における開放F値つまり最小F値をFとしたときに、下記の条件(1)、(2)を満足すると共に、前記電子撮像素子からの信号読み出し方式に順次読み出し機能を備えたことを特徴とする電子撮像装置。
    (1) a≦4μm
    (2) F>a
  5. 絞りを絞り込んだ時の最大F値の平均を(広角端最大F値+望遠端最大F値)/2とし、これをF’とするとき、以下の条件(3)を満足することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の電子撮像装置。
    (3)2.0×103 ×a/1mm<F’<4.5×103 ×a/1mm
  6. 前記広角端最大F値と広角端最小F値との比が、1.4倍以上3倍以内であることを特徴とする請求項5記載の電子撮像装置。
  7. F値を決定する絞りの開口形状を常に固定としたことを特徴とする請求項1又は2記載の電子撮像装置。
  8. 前記電子撮像素子が読み出し方式としてインターレース方式が可能であって、前記順次読み出しを行うために、奇数フィールドまたは偶数フィールドのうち一方を使用して順次読み出しとすることを特徴とする請求項4記載の電子撮像装置。
  9. 前記電子撮像素子が読み出し方式としてインターレース方式が可能であって、前記順次読み出しを行うために、奇数フィールドと偶数フィールドを同時に露光して隣接するフィールドの信号を混合して順次読み出しとすることを特徴とする請求項4記載の電子撮像装置。
  10. 前記電子撮像素子が読み出し方式としてプログレッシブ方式を用いたCCDであることを特徴とする請求項4記載の電子撮像装置。
  11. 前記ズームレンズ系は、物体側より順に、負の屈折力を有するレンズ群Axと正の屈折力を有するレンズ群Bxを含み、ズームレンズ系全体で5枚以下のレンズにて構成され、前記レンズ群Axとレンズ群Bxが移動することにより変倍するズームレンズ系であって、前記レンズ群Bxは2つ以下のレンズ成分で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10何れか1項に記載の電子撮像装置。
  12. 前記ズームレンズ系は、負の屈折力を有するレンズ群Axと正の屈折力を有するレンズ群Bxの2つの可動群のみで構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11何れか1項に記載の電子撮像装置。
  13. 前記電子撮像素子よりも物体側に、以下の条件(7)、(8)を満足する近赤外シャープカットフィルター又は近赤外シャープカットコートが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項12何れか1項に記載の電子撮像装置。
    (7) τ600 /τ550 ≧0.8
    (8) τ700 /τ550 ≦0.08
    ただし、τ600は波長600nmでの透過率、τ550は波長550nmでの透過率、τ700は波長700nmでの透過率である。
  14. 以下の条件(9)、(10)を満足する吸収体あるいは反射体を光路上に挿入していることを特徴とする請求項1乃至請求項13何れか1項に記載の電子撮像装置。
    (9) τ400 /τ550 ≦0.08
    (10) τ440 /τ550 ≧0.4
    ただし、τ400は波長400nmでの透過率、τ550は波長550nmでの透過率、τ440は波長440nmでの透過率である。
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