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JP4290507B2 - 粉体の充填方法、充填装置及び充填ノズル - Google Patents

粉体の充填方法、充填装置及び充填ノズル Download PDF

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Description

本発明は、20ミクロン以下の静電潜像現像用トナーのような微小粉体の小口径容器、小容量容器への充填、あるいは従来の重力を利用した充填方法では充填不可能な容器状部分への粉体充填方法及び粉体充填装置、充填ノズルに関し、特に、複写機中のトナーカートリッジ、あるいは複写機現像部への乾式トナーの直接充填技術に関する。
粉体の充填機としては、ロータリーバルブ、スクリューフィーダー、オーガー式充填機などがあるが、これら装置から粉体受け容器に粉体を充填するには粉体の自重を利用し、充填機の直下に粉体の受け容器を置き、充填機内で粉体の嵩密度を上げ、切出された粉体を重力によりこれら容器内に充填される方法をとるのが、一定容積の充填容器に粉体を効率よく充填する方法として一般的である。
また、粉体供給機中の粉体に気体を導入し流動性を高めた後、従属する配管により粉体供給機から受け容器近傍に輸送し脱気配管により輸送管中の粉体から脱気した後、これを受け容器に高密度充填する方法[特開平9−193902号公報(特許文献1)]が提案されている。
しかしながら、これらの方式は、充填管に同軸状に正確に設けた脱気用配管付きのものとせねなばならず製作が難かしい上に重量が大で持ち運びに難があり、また、充填容器の充填口径が大きく充填機の真下に充填容器が位置するときには有効であるが、小口径充填容器や、内部に様々な構造物のある充填容器では、充填機あるいは輸送管を離れた粉体が容器内部の空気と置換され難く、充填口からの吹き上げや容器内の構造物に粉体の動きを阻害され、所望の量を充填できないなどの問題が生じている。
また、複写機、ファクシミリやプリンターで使用されるトナーを、機械が設置されている一般のオフィスで、トナーボトルや、機械の現像部に直接補給しようとすると、粉塵が舞うことや、たとえ補給できたとしても、空気を多く含んだ低密度の状態での充填であったり、複雑な現像部に直接入れる場合には、トナーが入る部分と、入らない部分で、画像形成上の問題が発生してしまっていた。
特開平9−193902号公報
従って、本発明の目的は、上記従来技術に鑑みて、粉体中に均一に気体を導入し最少の気体量で制御された粉体の流動状態を得て、小口径充填容器や複雑な形状の充填容器の奥または底部に流動粉体を流入し、小型で持ち運びができ、操作が簡単で、容器内で充填ノズルから容器開口間の粉体の層により充填中あるいは充填後の粉体から気体を吸引除去し、簡単に高密度、無粉塵で粉体を充填できる方法及び装置を提供することにある。さらに、誰でもどんな場所でも作業汚れなしにトナー等の粉体を充填できるように、小型で持ち運びができ、操作が簡単な充填装置、この装置に有用な充填ノズルを提供することにある。
上記課題は、下記(1)〜(18)によって達成される。
(1)流動化状態の粉体を粉体充填用容器に充填するために用いられる三重管構造からなる充填ノズルであって、最も内側の第1の管は、粉体の吐出開口部を有し充填用粉体収納装置に連絡され、中間の第2の管は、先端が閉塞され、先端近傍において第1の管との間は通気性部材で形成され、かつ後端が気体吸引手段に連絡され、最も外側の第3の管は、先端が閉塞されているか又は通気性部材を有し、先端近傍の外壁が通気性部材で形成され、かつ後端が気体吸引手段に連絡されるものであることを特徴とする粉体充填ノズル。
(2)請求項記載の充填ノズル、該充填ノズルの第1の管から吐出される粉体の流動化のための気体導入手段、該充填ノズルの第2及び第3の管から空気を吸収するための1又は2の空気吸引手段、密閉可能な充填用粉体収納装置、及び該充填ノズルと該充填用粉体収納装置との間に流動化された粉体の移送路を備えたことを特徴とする粉体充填装置。
(3)更に内部圧力の圧力調節弁手段を前記充填用粉体収納装置に設けたことを特徴とする請求項に記載の粉体充填装置。
(4)前記粉体流動化のための気体導入手段が、気体を前記充填用粉体収納装置に送出可能に収納せる圧力容器であることを特徴とする請求項に記載の粉体充填装置。
(5)前記粉体流動化のための気体導入手段が、逆止弁付の送気ポンプであることを特徴とする請求項記載の粉体充填装置。
(6)前記充填用粉体収納装置が、更に前記粉体流動化のための気体導入手段との間に、更に気体を該充填用粉体収納装置内に均一に導入するための気体分配手段を有することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の粉体充填装置。
(7)更に内部圧力の開放及び密封のための圧力安全弁を前記充填用粉体収納装置に設けたことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の粉体充填装置。
(8)前記充填用粉体収納装置の内部圧力が、外部圧力を加えて該充填用粉体収納装置を変形し該充填用粉体収納装置の内容積を減容させる装置変形手段により昇圧されて粉体が該充填用粉体収納装置外に流出することを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の粉体充填装置。
(9)更に前記充填用粉体収納装置を振動させる振動手段が、該充填用粉体装置に設けられたことを特徴とする請求項記載の粉体充填装置。
(10)前記充填用粉体収納装置を振動させる振動手段が、前記送気ポンプの動力源により振動させられることを特徴とする請求項記載の粉体充填装置。
(11)前記粉体が、平均体積粒径0.2μm〜20μmの静電潜像現像用トナーであることを特徴とする請求項2〜10のいずれかに記載の粉体充填装置。
(12)充填ノズルを用いて粉体を容器に充填する方法において、粉体充填用容器内に請求項1記載の充填ノズルを挿入し、該充填ノズルの内方側中心に位置する吐出開口部から気体により流動化された粉体を吐出させ、少なくとも該充填ノズルの先端を滞留する粉体中に存在させた状態で、該充填ノズルの外方側に位置する第1吸引部から粉体中の空気を吸引除去し、該容器内に所望量の粉体が充填されたところで、該吐出開口部と該第1吸引部との間に位置する第2吸引部から該吐出開口部内の粉体の脱気を行ない粉体密度を高め該粉体の流動化を弱めて、該吐出開口部内に粉体の栓状物を形成し粉体の吐出を停止することを特徴とする粉体充填方法。
(13)充填用粉体及び気体を収納せる密閉構造の充填用粉体収納装置中の該粉体を気体により流動化した後、該流動化された粉体を該充填用粉体収納装置から前記充填ノズルまで移送することを特徴とする請求項12記載の粉体充填方法。
(14)前記充填用粉体収納装置内への追加気体の導入により、前記粉体の流動化が行われることを特徴とする請求項13記載の粉体充填方法。
(15)前記充填用粉体収納装置が振動されることにより、前記気体による粉体の流動化が行われることを特徴とする請求項13又は14記載の粉体充填方法。
(16)前記粉体の前記充填用粉体収納装置から前記充填ノズルまで移送が、前記充填用粉体収納装置内の圧力を昇圧することにより行われることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の粉体充填方法。
(17)前記粉体の充填用粉体収納装置から前記充填ノズルまで移送が、該充填用粉体収納装置に外部圧力を加えて該充填用粉体収納装置の内容積を減容させることにより行われることを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の粉体充填方法。
(18)前記粉体が、平均体積粒径0.2μm〜20μmの静電潜像現像用トナーであることを特徴とする請求項13〜17のいずれかに記載の粉体充填方法。
本発明によれば、粉体中に均一に気体を導入し最少の気体量で制御された粉体の流動状態を得て、小口径充填容器や複雑な形状の充填容器の奥または底部に流動粉体を流入し、容器内で充填ノズルから容器開口間の粉体の層により充填後の粉体から脱気させ、簡単に高密度、無粉塵で充填できる方法が提供でき、さらに、誰でも、どんな場所でも充填できるように、小型で持ち運びができ、操作が簡単である充填機を提供することができるという極めて優れた効果を奏するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、流動化された粉体を得るため粉体は流動化され、また、充填ノズルの先端が、充填用容器内に滞留せる流動化された粉体により囲繞された状態、例えば充填ノズルの先端が、容器内に排出した粉体面より下になる位置で、該粉体を該容器内に充填する。
粉体を流動化し、例えばパイプによりニューマティック輸送することは、気体と粉体の混合により可能であることが良く知られている。しかし、流動化した直径20μm以下の粉体、特に直径10μm以下のトナーのような極微粉体を単に例えば容器中に排出するだけでは、粉体(粉塵)の飛散防止や充填後の脱気が不十分で、工場内の大型の設備では粉塵対策や脱気用の設備を追加して実施可能であっても、一般のオフィスなどの環境では、実用的ではない。
トナーのような極微粉体は、体積に対する表面積比が極めて大であるため通常は2次凝集していることが多いが、例えばアジテータ等により2次凝集が解かれた極微粉体は、極微粉化する前の塊状材質の比重にほとんど関係なく、表面状態のみが主に反映されて、気体中をブラウン運動し続け、したがってトナーのような極微粉体をニューマティック輸送した場合には、随伴する気体から極微粉体を自然沈降により分離するには一般的に途方もない長時間を要することが経験上知られている。
本発明において、充填用容器内に滞留せる流動化された粉体により囲繞された状態、例えば充填ノズルにより容器内へ排出し、しかも充填ノズル先端の位置が、排出されて容器内に滞留せる粉体の上面よりも下である状態で充填することにより、粉体の飛散を避けつつ容器底部及び側部から徐々に空気を吸引排出できることが見い出された。粉体が高い流動性や拡散性、飛散性を有していても、充填される容器が細く狭い形状である場合には、反って粉体の容器外への飛散を避けつつ高速で高密度の充填が可能となる。しかも、空気を除去するためや粉塵が飛散するのを防止するための大がかりな装置を必要としないため、簡便で小型な装置で充填が可能である。
また、本発明においては、密閉構造の充填用粉体収納装置(粉体切出し装置)中の充填用粉体に気体を、均等に導入する手段により、流動化した後、充填用粉体収納装置(粉体切出し装置)内の圧力を調節、制御することにより粉体を充填用粉体収納装置外に移送して容器に充填することが好ましい。この気体の均等導入手段により、空気を緩やかに充填用粉体収納装置に導入して必要最小限度のしたがって粉体の例えばブラウン運動を低く抑えた流動化を達成することができる。流動化された後には粉体が高い流動性を有するため、充填用粉体収納装置内の圧力を外圧より僅かに高くするだけで、粉体を充填用粉体収納装置外に排出でき、移送路中を充填ノズル先端まで円滑にニューマティック輸送し、充填用容器中で余分な撹拌を伴うことなく充填することができる。
気体により粉体を流動化する際、充填用粉体収納装置の気体のみを用いるのでなく装置外から気体を導入する場合には、気体を均一に導入することが重要であり、そのためには、例えば焼結金属板、焼結樹脂板、目の細かい金網などの気体分配手段を通して気体を導入することが特に好ましい。
流動化した粉体を排出し、容器に充填するときの開始制御は、充填用粉体収納装置内の圧力を調節することにより行うことができ、これは、例えば充填用粉体収納装置に設けた圧力調節弁によって行なうことができ、また、外部の加圧手段等によって補助することができる。また粉体充填操作中で充填用粉体収納装置内の圧力を変更し、粉体の流出状態を例えば粉体充填操作の最初と途中で変化させる圧力微調整を行うことができる。
また、流動化した粉体を排出し、容器に充填するときの終了の制御は、充填ノズルから排出されている粉体の脱気を行なうことで粉体の密度が高められて充填ノズルの先端にあたかも粉体の栓状物を形成することになされる。この時、脱気のための圧力(負圧)は−5〜−100ゲージkPa、好ましくは−10〜−60ゲージkPaである。−5ゲージkPaより低いと、粉体充填の終了を即座に行なうことができなくなる。
なお、この粉体充填の終了では、上記の操作とともに、粉体流動化装置に設けた圧力開放弁を開いて、粉体流動装置と容器内との圧力差をなくす操作が行なわれればより効果である。
本発明における加圧の程度は、上記のように、常圧より僅かに高い程度でよく、あまり高圧に加圧すると反って、容器内に滞留する微粉体雲による捕捉効果が損なわれることがある。容器中に滞留する微粉体雲の量や流動化済みの微粉体の充填態様にもよるが、一般的には加圧の程度は、2〜1500ゲージヘクトpa、好ましくは3〜800ゲージヘクトpa、より好ましくは10〜500ゲージヘクトpaである。2ゲージヘクトpa未満の加圧では、充填に長時間を要する。
また、本発明は、粉体と気体とが封入され密閉された充填用粉体収納装置を揺り動かすことで流動化した後、充填用粉体収納装置内を加圧することができるが、装置内の加圧は、外部圧力により充填用粉体収納装置の内容積を減少させることにより行うことができ、例えば押しつぶして内容積を減容化し、粉体を装置外に排出して、充填ノズル先端までニューマティック輸送し、充填容器に充填する。
この方法によれば、粉体を流動化するための装置が不要又は少なくとも小型化でき、排出するための手段を可能な限り省略できる。充填用粉体収納装置は、手で振ることができる大きさ、重さであってもよく、また、加圧空気導入用のポンプ動力により容易に振動又は揺動できる大きさ、重さであってもよい。充填用粉体収納装置は、小型化することにより、あらかじめ必要量を秤量しておくと、使い切りタイプの簡易充填機としても利用することができる。
本発明は、充填ノズルによって容器内に流動化された粉体を吐出し、通気性部材を介して滞留する粉体中から気体を吸引除去して高密度状態の粉体を充填する。ここで、吸引(減圧)の程度は−5〜−100ゲージkPa、好ましくは−10〜−60ゲージkPa、より好ましくは−20〜−50ゲージkPaである。−5ゲージkPaより高い圧力であると、粉体からの気体除去に長時間を要する。
続いて、図面に基づきながら本発明をさらに詳細に説明する。
[装置例1]
図1に、本発明の装置の一例の概要を示す。この例の粉体充填装置(1)は、通常密閉された充填用粉体収納装置(10)、この粉体収納装置(10)の下部フランジ(11)に取付取外し自在に結合される接続用フランジ(12)を上部に有し、粉体の流動層を形成するための空気の通気多孔板(3)(焼結金属板、焼結樹脂板、目の細かい金網など)を取外し自在に収納し、圧縮空気配管(14)が取付取外し自在に嵌め込まれた気体導入手段としての空気ヘッダ(2)、閉鎖弁付粉体の投入口(4)、内部圧力の開放及び密封のための圧力安全弁(5)、圧力微調整用の圧力調節弁(6)、流動粉体輸送管(7)としてステンレス管、流動化された粉体の前記充填ノズルへの移送路としての取付取外し自在に接続されたウレタンチューブ(13)、ウレタンチューブ(13)に取付取外し自在に接続された充填ノズルとしてのステンレス製の充填管(8)から構成される。
空気ヘッダ(2)は充填用粉体収納装置(10)内部の圧力の昇圧することができる程度の若干耐圧性のものであり、空気ヘッダ(2)には第3圧力計(p3)が設けられる。空気ヘッダ(2)に接続する圧縮空気配管(14)には順に、第1減圧弁(19)、第2減圧弁(18)、空気流量計(20)が設けられ、第1減圧弁(19)と第2減圧弁(18)の間には第1圧力計(p1)が、第2減圧弁(18)と空気流量計(20)の間には第2圧力計(p2)がそれぞれ設けられている。またこの例の粉体充填装置における粉体充填用容器(9)としては、計測のため、500ミリリットルのメスシリンダを用いたが、無論、実際には例えば他の樹脂製のトナー容器のような容器を好ましく用いることができる。
この例の装置においては、充填しようとする粉体を閉鎖弁付き粉体投入口(4)から充填用粉体収納装置(10)内に投入し、内部圧力の開放及び密封のための圧力安全弁(5)を開放しておく。一方、圧力微調整用の圧力調節弁(6)の操作は人力または電磁弁などで自動化されても良い。その後粉体投入口(4)の圧力安全弁(5)を閉じ、気体導入手段としての加圧空気溜である空気ヘッダ(2)に気体を導入する。この気体の流入は圧力調整弁、流量調整弁としての第1減圧弁(19)、第2減圧弁(18)により調整されても良く装置が運転中は流入を継続する。
導入された気体は、通気多孔板(3)で均一に粉体中に分散され粉体を流動化する。先端が粉体容器の底面に密着しないよう斜めまたは一部突起を備えた粉体輸送管(13)に連らなる充填ノズルとしての充填管(8)の先端を粉体充填用容器(9)の内部に挿入し圧力安全弁(5)を閉じると粉体はその流動化に使用した気体の圧力で充填用粉体収納装置(10)内から粉体輸送管(13)に押出され、先端を粉体充填用容器(9)の内部に挿入された充填管(8)の先端から粉体充填用容器(9)内に排出される。
この例の装置においては、充填の最初、特に、粉体充填用容器(9)の内部が完全に空である場合には、最初、充填用粉体収納装置(10)の圧力調節弁(6)の開閉度を加減して、充填用粉体収納装置(10)からの粉体移送速度を控え目にして、充填された流動性の粉体の粉体充填用容器(9)内部でのアバレ、拡散を避け、次に、容器(9)中に滞留する微粉体雲の量が、充填管(8)の先端から吐出される流動化済み粉体流をほぼ囲繞できる程度に増した後、圧力調節弁(6)をより開にして、充填操作を続けることができる。
充填管(8)は粉体充填用容器(9)の充填口上部に置かれ、粉体充填用容器(9)のセット後に粉体充填用容器(9)内部に自動的に挿入されても手動で挿入されても良い。
粉体の輸送原動力となっている充填用粉体収納装置(10)の内圧をすばやく上げるために、充填用粉体収納装置(10)には流動のための圧縮空気導入口とは別の圧縮空気導入口が流動化した粉体の粉面以上の位置に設けられても良い。
充填ノズル(8)からの粉体の吐出の停止は、圧力安全弁(5)又は開放弁(5a)を開放することによって輸送力となっていた充填用粉体収納装置(10)内の内圧をなくすことによっても行なえるが、本発明では、充填ノズル(8)の吐出開口部を粉体自体の栓で塞ぐことにより行なっている。
図3は充填ノズル(8)が粉体充填用容器(9)の内部に挿入され、粉体の充填がなされている様子を表わしている。
図4は充填ノズル(8)の先端部分の拡大図である。
図4(a)に示したように、充填ノズル(8)は三重管からなり、最も内側の第1の管(81)は先端が吐出開口部を形成し、他端は流動粉体輸送管(12)を介して充填用粉体粉体収納装置(10)に連絡している。第1の管(81)の先端近傍は3000メッシュ以上の細かい金属スクリーン、焼結プラスチック板等の通気構造を有する部材(811)が設けられている。中間の第2の管(82)の先端は塞がれており、他端は空気吸引手段822に連絡している。
さらに、最も外側の第3の管(83)の先端には、この先端を塞ぐようにして上記と同様な通気性部材(831)が設けられ、先端につながる外壁は上記と同様な通気性部材(831)で形成されており、他端は空気吸引手段832に連絡している。
第2の管(82)、第3の管(83)はともに脱気のために設けられているため、これら第2、第3の管のそれぞれの先端は通気性部材よりなる空気分離手段を採用することなく密閉されていてもよく、また、第2の管(82)の先端だけを密閉し、第3の管(83)の先端は通気性部材よりなる空気分離手段を設けるようにしてもよい。
図4(b)に示したように、所望量の粉体が容器(9)に充填されると、第1の管(81)の先端である吐出開口部が粉体それ自体によって塞がれ充填ノズル(8)からの粉体の供給(吐出)は止められる。
すなわち、容器(9)に所望量の粉体が充填されたとの信号が空気吸引手段822に伝えられると、これが作動し第2の管(82)内は減圧下におかれる。その結果、吐出開口部付近の粉体は空気とともに通気性部材(811)に吸引され、粉体密度が高められて粉体の栓が形成されるようになって粉体の供給は止められる。
この充填ノズル(8)からの粉体の供給停止は、空気吸引手段822の作動と同時に圧力安全弁(5)を開放すれば、より効果的に行なえる。
容器(9)中の粉体には空気が多く含まれているため、この空気を抜いておくのが充填効率の高める上から好ましい。このため、空気吸引手段832を作動させて、容器(9)中の粉体の密度を0.2〜0.6g/cm、好ましくは0.3〜0.5g/cmとする。
[装置例2]
図2には、本発明の装置の他の一例の概要が示される。この例の粉体充填装置(1)においては、軟質プラスチック等の可撓性材質で作成された充填用粉体収納装置(10)、充填用粉体収納装置(10)の下部フランジ(11)に取付取外し自在に結合される接続用部材(12)を上部に有し、粉体の流動層を形成するための空気の通気多孔板(3)(焼結金属板、焼結樹脂板、目の細かい金網など)を取外し自在に収納し、圧縮空気配管(14)が取付取外し自在に嵌め込まれた気体導入手段としての空気ヘッダ(2)、閉鎖弁付粉体の投入口(4)、内部圧力の開放及び密封のための圧力安全弁(5)、圧力微調整用の圧力調節弁(6)、流動粉体輸送管(7)としてステンレス管、流動化された粉体の前記充填ノズルへの移送路としての取付取外し自在に接続されたウレタンチューブ(13)、ウレタンチューブ(13)に取付取外し自在に接続された充填ノズルとしてのステンレス製の充填管(8)を有する。充填管(8)は例1の装置のものと同じである。
但し、例1の装置と異なり、気体導入手段として、気体出口に逆止弁(22)を有し小型電動機(M)により伸縮して空気ヘッダ(2)に空気を送る蛇腹構造のポンプ(21)を有する。ポンプ(21)は保持枠(24)中に取外自在に固定されており、小型電動機(M)によりポンプ(21)が伸縮すると、保持枠(24)を介して充填用粉体収納装置(10)が振動され、この振動により、充填用粉体収納装置(10)中の粉体が気体で流動化される。
この例の装置においては、充填用粉体収納装置(10)も空気ヘッダ(2)も加圧容器特有の肉厚材料で構成する必要がなく、装置全体の軽量化、小型化を一層促進することができ、小型電動機(M)のための動力線用プラグ(25)を、例えば複写機に設けたコンセントに差し込むだけで、稼働させることができる。
[装置例3]
さらに、本発明においては、粉体と共に気体が充填され、一本の配管接続口がついた密閉容器で容器が人力で容易に変形するポリエチレンなどの軟質プラスチックで形成し、外部から圧力を加えて該プラスチック容器を変形させ、内圧を高めて配管接続口に接続されたウレタンチューブなどを得て粉体を充填容器の底部に導いても良い。または変形しない硬質プラスチック等の容器に少なくとも2本の配管接続口を設け、一本には0.2Mpa以下の圧縮空気を接続し、他の一本は粉体輸送管とし粉体をチューブを通して容器底部に導くようにしても良い。圧縮空気元としては通常のコンプレッサの他に、手動の例えば自転車の空気入れも代用できる。
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示される装置を作成するため、粉体を収納し、流動化する充填用粉体収納装置(10)を直径200mmのアクリル樹脂製円筒で高さを500mmとし、その上下をステンレス製フランジで挟むように置き上下フランジ間を通しボルトで締結した。この円筒の下部に、粉体の流動層を形成する通気多孔板(3)として焼結樹脂製のパネル(商品名:フィルタレン)をアクリル円筒と下部フランジ間に挟む構造とした。粉体の均質で安定的な流動状態を維持するために、焼結樹脂板(商品名:フィルタレン)を用いた。通気多孔板としてはゴアテックス、焼結金属板などもあるが、焼結樹脂板フィルタレンからの空気流入が一番均一であったことが、フランジ間に多孔板を挟みフランジ上部に水を張った状態で通気した泡の発生の均一性から観察され、フィルタレンを使用した。
気体は空気に限らないが、実施例1ではオイルフリーで大気露点−10℃の乾燥空気を用い、圧力は減圧して焼結樹脂板下部の空気溜に供給した。空気流量は空気流量計(20)(商品名:フローセル流量計)を用いて2リッター毎分通気できるよう調整した。粉体は複写機用カラートナー中心粒径6.8ミクロン、真比重1.2、タッピング嵩比重0.48を用いた。
アクリル円筒上部のステンレス製のフランジには閉鎖弁付け粉体の投入口(4)が開口し、更にアクリル円筒内の内圧を制御する手動の圧力調節弁(6)も設けた。
流動化のための充填用粉体収納装置(10)と粉体充填用容器(9)内とに挿入したステンレス管(7)とステンレス製で先端ノズルを有する充填管(8)との間は内径6mmのウレタン製チューブ(13)を用いて接続し、充填用容器(9)としてはここでは充填中の粉体の動きを知り且つ計測するために透明の500ミリリッターメスシリンダーを用いた。
充填ノズル(8)はステンレス製の三重管で、第1の管(81)の内径は8mm、第2の管(82)の内径は10mm、第3の管(83)の内径は12mmであり、第1の管(81)の先端は開放されて吐出開口部を形成しており、第2の管(82)及び第3の管(83)の先端は塞がれている。第1の管(81)の先端近傍の側面は3500メッシュの通気多孔板(通気性部材)(811)で構成されており、同様に、第3の管(83)の下方側面は3500メッシュの通気多孔板(通気性部材)(831)によって達成されている。
充填ノズル(8)の先端の高さは容器であるメスシリンダーの底部を0とし0.1mmから255mmの範囲で任意の高さを保つよう支持した。
流動化圧力として空気溜への気体圧力を10kPaと20kPa、粉体供給停止のための空気吸引手段822の圧力は−20kPa、容器(9)に充填された粉体の脱気のための空気吸引手段(832)の圧力は−30kPaとし、充填量は体積で500cc(メスシリンダー上限)とし、ノズルを抜いた後の充填重量から充填後の見かけ比重を算出出来るようにした。
粉塵測定には、シバタサイエンステクノロジー社製デジタルダストインジケーターP−5を用いた。なお、充填開始前の粉塵カウント数は14カウント毎分であった。
流動容器から500ccメスシリンダーへの粉体の排出は圧縮空気配管(14)が接続された空気ヘッダ(2)に圧縮空気を通したまま流動化のための充填用粉体収納装置(10)上部フランジの手動開閉の圧力調節弁(6)を閉じると流動化装置(10)内の圧力が上がり、この圧力で流動化装置(10)内の流動粉体が流動化装置(10)内のノズル状ステンレス製パイプ(7)、ウレタンチューブ(13)、充填用容器(9)内のステンレス製ノズル(8)を通って充填容器(9)下部に排出された。
粉塵濃度は粉塵計を該充填用容器(9)の充填口付近に置き計測した。粉塵濃度は充填ノズル(8)の位置が充填用容器(9)の口の高さと同じとき、308カウント毎分だったのに対し、充填ノズル位置を容器底部から30mmに支持し充填したときの粉塵濃度は14カウント毎分と充填開始前と変わらないデータを得た。
充填後の嵩比重は充填ノズル(8)の位置によって異なり、タッピング嵩比重0.48の粉体を使用し、充填用容器(9)の口径50mm粉体容器中への挿入深度を0から255mmまで変化させたとき、挿入深度0mmで充填後の嵩比重0.29、挿入深度255mmで0.43の嵩比重を得、充填ノズル(8)が粉体中にあるようにすると大きな嵩比重が得られることが分かった。
本発明の粉体充填装置の一例を示す概略図である。 本発明の粉体充填装置の他の一例を示す概略図である。 本発明における粉体充填用容器に充填ノズルが挿入され粉体が充填されている状態を示す図である。 (a)は充填ノズルの先端部を示す図であり、(b)は充填ノズルの吐出開口部が高密度粉体で塞がれた状態を示す図である。
符号の説明
1 粉体充填装置
2 空気ヘッダ
3 通気多孔板
4 閉鎖弁付粉体の投入口
5 圧力安全弁
5a 開閉弁
6 圧力調節弁
7 流動粉体輸送管
8 充填管
9 粉体充填用容器
10 充填用粉体収納装置
11 下部フランジ
12 接続用フランジ
13 ウレタンチューブ
14 圧縮空気配管
18 第2減圧弁
19 第1減圧弁
20 空気流量計
21 ポンプ
22 逆止弁
24 保持枠
25 動力線用プラグ
40 粉体
40′ 高密度粉体の栓状物
81 第1の管
82 第2の管
83 第3の管
811 通気性部材
831 通気性部材
822 空気吸引手段
832 空気吸引手段
M 小型電動機
p1 第1圧力計
p2 第2圧力計
p3 第3圧力計
p4 第4圧力計

Claims (18)

  1. 流動化状態の粉体を粉体充填用容器に充填するために用いられる三重管構造からなる充填ノズルであって、最も内側の第1の管は、粉体の吐出開口部を有し充填用粉体収納装置に連絡され、中間の第2の管は、先端が閉塞され、先端近傍において第1の管との間は通気性部材で形成され、かつ後端が気体吸引手段に連絡され、最も外側の第3の管は、先端が閉塞されているか又は通気性部材を有し、先端近傍の外壁が通気性部材で形成され、かつ後端が気体吸引手段に連絡されるものであることを特徴とする粉体充填ノズル。
  2. 請求項記載の充填ノズル、該充填ノズルの第1の管から吐出される粉体の流動化のための気体導入手段、該充填ノズルの第2及び第3の管から空気を吸収するための1又は2の空気吸引手段、密閉可能な充填用粉体収納装置、及び該充填ノズルと該充填用粉体収納装置との間に流動化された粉体の移送路を備えたことを特徴とする粉体充填装置。
  3. 更に内部圧力の圧力調節弁手段を前記充填用粉体収納装置に設けたことを特徴とする請求項に記載の粉体充填装置。
  4. 前記粉体流動化のための気体導入手段が、気体を前記充填用粉体収納装置に送出可能に収納せる圧力容器であることを特徴とする請求項に記載の粉体充填装置。
  5. 前記粉体流動化のための気体導入手段が、逆止弁付の送気ポンプであることを特徴とする請求項記載の粉体充填装置。
  6. 前記充填用粉体収納装置が、更に前記粉体流動化のための気体導入手段との間に、更に気体を該充填用粉体収納装置内に均一に導入するための気体分配手段を有することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の粉体充填装置。
  7. 更に内部圧力の開放及び密封のための圧力安全弁を前記充填用粉体収納装置に設けたことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の粉体充填装置。
  8. 前記充填用粉体収納装置の内部圧力が、外部圧力を加えて該充填用粉体収納装置を変形し該充填用粉体収納装置の内容積を減容させる装置変形手段により昇圧されて粉体が該充填用粉体収納装置外に流出することを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の粉体充填装置。
  9. 更に前記充填用粉体収納装置を振動させる振動手段が、該充填用粉体装置に設けられたことを特徴とする請求項記載の粉体充填装置。
  10. 前記充填用粉体収納装置を振動させる振動手段が、前記送気ポンプの動力源により振動させられることを特徴とする請求項記載の粉体充填装置。
  11. 前記粉体が、平均体積粒径0.2μm〜20μmの静電潜像現像用トナーであることを特徴とする請求項2〜10のいずれかに記載の粉体充填装置。
  12. 充填ノズルを用いて粉体を容器に充填する方法において、粉体充填用容器内に請求項1記載の充填ノズルを挿入し、該充填ノズルの内方側中心に位置する吐出開口部から気体により流動化された粉体を吐出させ、少なくとも該充填ノズルの先端を滞留する粉体中に存在させた状態で、該充填ノズルの外方側に位置する第1吸引部から粉体中の空気を吸引除去し、該容器内に所望量の粉体が充填されたところで、該吐出開口部と該第1吸引部との間に位置する第2吸引部から該吐出開口部内の粉体の脱気を行ない粉体密度を高め該粉体の流動化を弱めて、該吐出開口部内に粉体の栓状物を形成し粉体の吐出を停止することを特徴とする粉体充填方法。
  13. 充填用粉体及び気体を収納せる密閉構造の充填用粉体収納装置中の該粉体を気体により流動化した後、該流動化された粉体を該充填用粉体収納装置から前記充填ノズルまで移送することを特徴とする請求項12記載の粉体充填方法。
  14. 前記充填用粉体収納装置内への追加気体の導入により、前記粉体の流動化が行われることを特徴とする請求項13記載の粉体充填方法。
  15. 前記充填用粉体収納装置が振動されることにより、前記気体による粉体の流動化が行われることを特徴とする請求項13又は14記載の粉体充填方法。
  16. 前記粉体の前記充填用粉体収納装置から前記充填ノズルまで移送が、前記充填用粉体収納装置内の圧力を昇圧することにより行われることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の粉体充填方法。
  17. 前記粉体の充填用粉体収納装置から前記充填ノズルまで移送が、該充填用粉体収納装置に外部圧力を加えて該充填用粉体収納装置の内容積を減容させることにより行われることを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載の粉体充填方法。
  18. 前記粉体が、平均体積粒径0.2μm〜20μmの静電潜像現像用トナーであることを特徴とする請求項13〜17のいずれかに記載の粉体充填方法。
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