JP4288033B2

JP4288033B2 - プラスチックケース

Info

Publication number: JP4288033B2
Application number: JP2002017945A
Authority: JP
Inventors: 清高田; 真一藤田
Original assignee: Mitsubishi Plastics Inc
Current assignee: Mitsubishi Plastics Inc
Priority date: 2002-01-28
Filing date: 2002-01-28
Publication date: 2009-07-01
Anticipated expiration: 2022-01-28
Also published as: JP2003221065A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックケースに関し、詳しくは、内部に収納する物品を落下衝撃等から保護できる物品保持機能を有するプラスチックケースに関する。
【０００２】
【従来の技術】
化粧用コンパクトのような偏平な物品を収納するためのケース（箱）として、１枚のプラスチックシートを折曲げ線に沿って折曲げ形成したプラスチックケースが用いられている。通常のプラスチックケースでは、対向する側面板同士の内面間隔及び閉じ状態の蓋板同士の内面間隔を、収納する物品の外寸法に合わせて形成することにより、収納した物品がケース内で動くことを防止するとともに、使用するプラスチック量を最小限にするようにしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような物品の外寸法に対応させたケースでは、落下時等の衝撃が物品に直接作用するため、物品が破損してしまったり、また、内部に粉末を充填した物品の場合には、この衝撃によって物品内部の粉末がケース内に散乱したりすることがある。特に、吊り下げ片によってケースを吊り下げた状態で陳列・販売を行うケースの場合は、取り扱い時に落下させてしまうことあるため、衝撃に対する配慮が必要となる。このため、ケース内に緩衝材等の詰め物や保持部材を設けて物品を収納することにより衝撃を吸収することも行われているが、この場合は、ケース本体とは別に詰め物や保持部材を用意しなければならず、１枚のプラスチックシートを折曲げ線に沿って折曲げるだけでケースを形成できるという、プラスチックケースの利点、特徴を損なうことになる。
【０００４】
そこで本発明は、落下時等の衝撃が物品に直接作用することを極力回避することができ、特に、ファンディーションのような化粧用粉末を充填した、いわゆるパウダーパクトのような偏平な物品を収納するのに最適な構造のプラスチックケースを提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のプラスチックケースは、所定形状に打ち抜かれ、所定位置に折曲げ線を設けた一枚のプラスチックシートを、前記折曲げ線に沿って区画された４枚の側面板によって折曲げ形成されたケース本体と、前記側面板の開口端から延出してケース本体の両側開口をそれぞれ閉塞する一対の蓋板とを有するプラスチックケースにおいて、前記側面板を、相対向する２枚の幅広の側面板と相対向する２枚の幅狭の側面板とで構成し、前記２枚の幅広の側面板のうち、一方の幅広の側面板の内部側に、ケース内に収納する扁平な物品の一部が嵌合する凹部を形成し、前記一方の幅広の側面板に対向する他方の側面板の内部側に、前記扁平な物品の外周部分を保持する突起部を形成するとともに、前記凹部の内面と前記突起部を形成した他方の幅広の側面板の内面との間隔が、前記扁平な物品の厚さ寸法と同一寸法になるように設定し、前記２枚の幅狭の側面板同士の内面間隔及び閉じ状態の蓋板同士の内面間隔を前記物品の外寸法よりも大としたことを特徴としている。
【０００６】
【発明の実施の形態】
図１乃至図４は、本発明のプラスチックケースの第１形態例を示すもので、図１は展開図、図２は斜視図、図３は側面図、図４は断面側面図である。このプラスチックケースは、所定形状に打ち抜かれ、所定位置に折曲げ線を設けた一枚のプラスチックシート１を、前記折曲げ線に沿って所定方向に折曲げるとともに、糊代片を接着することによって箱状に組立てられるものであって、内部に偏平な円盤状の物品、特に化粧用の円形パウダーパクトを収納するプラスチック製吊り下げケースに本発明を適用した例を示している。
【０００７】
前記プラスチックシート１には、折曲げ線２１〜２４により、偏平な四角形断面の角筒状のケース本体１０を形成する４枚の側面板１１〜１４及び糊代片１５が区画形成されている。また、一方の幅広の側面板１３の両開口端には折曲げ線２５を介して蓋板１６がそれぞれ設けられており、この蓋板１６の先端には、折曲げ線２６を介して差し込み片１７がそれぞれ設けられている。さらに、幅狭の側面板１２，１４の両開口端には、折曲げ線２７を介して内蓋板１８がそれぞれ設けられている。また、幅広の他方の側面板１１の上部は、上部開口端を超えて上方に延出し、吊下げ孔１９ａを有する吊下げ片１９となっている。
【０００８】
このような幅広の側面板１１，１３、幅狭の側面板１２，１４及び一対の蓋板１６からなるプラスチックケースにおいて、幅広の側面板１１，１３同士の内面間隔、即ち幅狭の側面板１２，１４の幅寸法Ｄは、ケース内に収納する偏平な物品３０の厚さ寸法よりも僅かに小さく、例えば数ｍｍ小さく設定されており、また、幅狭の側面板１２，１４同士の内面間隔、即ち幅広の側面板１１，１３の幅寸法Ｗ及び一対の蓋板１６同士の内面間隔、即ち側面板の高さ寸法Ｈは、物品３０の外寸法よりも大きく、例えば１０〜２０ｍｍ程度大きく設定されている。
【０００９】
そして、吊下げ片１９側の幅広の側面板１１の中央部には、ケース内に収納する物品３０の一部が嵌合する円形の凹部３１がケース外側に膨らむようにして形成され、蓋板１６側の幅広の側面板１３には、物品３０の外周部分を保持するための複数の突起部３２，３３がケース内側に突出形成されている。
【００１０】
凹部３１は、偏平な物品３０の厚さ方向の一部が嵌合するように、深さが数ｍｍ、通常は５ｍｍ程度の深さで、物品３０の上面又は下面の形状に対応した大きさ及び形状に形成されており、この凹部３１の内面と他方の側面板１３の内面との間隔が、物品３０の厚さ寸法と同一寸法になるように設定されている。
【００１１】
前記突起部３２，３３は、物品３０の外周部分の一部を保持するように設けられており、陳列時に上方となる小さな突起部３２は、物品３０の上端部分を保持する大きさに形成され、陳列時に下方となる突起部３３は、物品３０の下部を支持するとともに物品３０の横方向への移動も防止するため、物品３０の下半部外周に対応した開き角度が約１８０度の円弧状に形成されている。
【００１２】
さらに、各突起部３２，３３には、物品３０の上面又は下面の外周部形状に対応するように、内周側に斜面部３２ａ，３３ａがそれぞれ設けられるとともに、物品３０に設けられているヒンジ部や手掛部のような凹み部分に対応した嵌合突起３２ｂ，３３ｂがそれぞれ設けられている。
【００１３】
また、前記凹部３１の外側部分内面側には、ケース本体組立後に側面板１１，１３が重なるように折り畳んだときに、嵌合突起３２ｂ，３３ｂが入り込む逃げ凹部３１ａが両側にそれぞれ設けられており、物品収納前のケース本体折り畳み状態での体積減少や側面板１１の変形を防止するようにしている。
【００１４】
このプラスチックシート１は、各側面板１１，１２，１３，１４及び糊代片１５を折曲げ線２１〜２４により同一方向にそれぞれ直角に折曲げ、糊代片１５と側面板１４とを接着することによって偏平な角筒状のケース本体１０が組立てられる。この状態で物品３０をあらかじめ設定された向きにしてケース本体１０内に挿入すると、物品３０の一面が前記凹部３１に嵌合するとともに、他面外周部が前記突起部３２，３３により保持された状態となる。
【００１５】
したがって、物品３０は、両面は幅広の側面板１１，１３に接しているが、外周部は幅狭の側面板１２，１４及び蓋板１６内面との間に空間を隔てて保持された状態となる。これにより、落下時の衝撃が直接物品３０に作用することを極力回避することができ、物品２０が破損したり、内部の粉末が散乱したりすることがなくなる。なお、プラスチックケース自体が偏平であるから、落下時に側面板１１，１３が床面に直接衝突することはほとんどないので、このように物品３０の外周部分に緩衝部となる空間を設けておくだけで十分な効果を得ることができる。
【００１６】
さらに、幅広の側面板１１，１３の両方に前記同様の凹部を設けて物品３０を保持することも可能であるが、本形態例に示すように、一方の側面板１３には物品３０を保持するための必要最小限の突起部３２，３３のみを設けるようにしておくことにより、突起部３２，３３を成形する際の側面板１３の変形量を極めて小さくすることができるので、側面板１３における平面部分、すなわち、文字等の印刷面積を広くすることができる。
【００１７】
図５乃至図７は、本発明のプラスチックケースの第２形態例を示すもので、図５は展開図、図６は斜視図、図７は断面底面図である。なお、以下の説明において、前記第１形態例に示したプラスチックケースと同一の構成要素には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【００１８】
このプラスチックケースは、外形状が偏平な箱形の物品、例えば、四角形のパウダーパクトを収納するプラスチック製吊り下げケースに本発明を適用した例を示している。なお、前記第１形態例に記載したプラスチックケースと本形態例のプラスチックケースとは、幅広の側面板に形成した凹部と突起部とを除いて他の構成要素は同一に形成することができる。また、本形態例では、蓋板を異なる側面板の上下にそれぞれ設けているが、前記形態例と同様に、吊り下げ片を備えていない側面板の両端に両蓋板を形成することができる。
【００１９】
本形態例では、吊り下げ片１９を備えた幅広の側面板１１に、収納する物品４０の上面又は下面の厚さ方向の一部が嵌合する四角形状の凹部４１を設けるとともに、この側面板１１に対向する他方の幅広の側面板１３に、ケース吊り下げ時に物品４０の上端部を保持する小さな突起部４２と、物品４０の下端部を保持する下辺及び両側部を保持する一対の縦片からなるコ字状の突起部４３とを設けている。また、両突起部４２，４３の内方側には、前記同様に物品４０の形状に対応した斜面部４２ａ，４３ａが設けられ、突起部４２及び突起部突起部４３の下辺中央部には、物品４０の凹み部分に対応した嵌合突起４２ｂ，４３ｂがそれぞれ設けられている。さらに、側面板１１には、ケース本体折り畳み時の嵌合突起４２ｂ，４３ｂの位置に対応する位置に、逃げ凹部４１ａがそれぞれ設けられている。
【００２０】
このように、四角形状の偏平な物品４０を収納する場合においても、物品４０の周囲とケース本体との間に衝撃吸収用の空間を設けておくことにより、落下等による物品４０の破損や粉末の散乱を防止することができる。
【００２１】
なお、両形態例において、吊り下げ時に下部側となる突起部３３，４３を各物品３０，４０の下部及び側部に連続する形状で形成したが、物品の下部を保持する突起部と、物品の側部を保持する突起部とに分割して形成するようにしてもよい。
【００２２】
図８は、前記第１形態例に示したプラスチックケースの変形例を示す展開図である。本形態例に示すプラスチックケースは、ケース本体の断面形状をレンズ型としたものであって、幅広の一対の側面版１１，１３と糊代片１５とが折曲げ線２８によって区画形成されるとともに、両側面板に曲線からなる折曲げ線２９を介してレンズ形状の蓋板１６，１６がそれぞれ設けられている。
【００２３】
一方の側面板１１には、前記第１形態例と同様の凹部３１及び逃げ凹部３１ａが設けられ、他方の側面板１３には、斜面部３２ａ，３３ａ及び嵌合突起３２ｂ，３３ｂを有する突起部３２，３３がそれぞれ設けられている。
【００２４】
このように形成した断面レンズ型のプラスチックケースにおいても、物品を凹部３１と突起部３２，３３とでケース中央部分に保持することができるので、落下衝撃等が物品に直接作用することを回避できる。
【００２５】
また、図９は、前記第２形態例に示したプラスチックケースの変形例を示す展開図である。本形態例に示すプラスチックケースは、幅狭の側面板１２，１４の幅寸法を収納する物品の厚さよりも小さくするとともに、曲線からなる折曲げ線２９によって蓋板１６部分を区画形成し、組立て後のケース本体の形状を、いわゆるピロー型と呼ばれる楕円柱型としたものである。
【００２６】
このような形状のプラスチックケースにおいても、前記第２形態例と同様に、幅広の一方の側面板１１に物品の形状に対応した凹部４１を設けるとともに、他方の側面板１３に突起部４２，４３をそれぞれ設けることにより、物品をケース中央部分に保持して衝撃から保護することができる。
【００２７】
なお、物品が嵌合する凹部の深さや形状は、物品の形状や重量等に応じて任意に設定可能であるが、物品を嵌合保持できる範囲で最小に設定することにより、ケース本体からの突出量を少なくできるので、プラスチックシートの状態を含めてケースの運搬、保管時の体積を小さくすることができる。
【００２８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプラスチックケースによれば、緩衝材等を用いることなく収納した物品の周囲に衝撃吸収用の空間を形成しているので、落下時等の衝撃で物品が破損したり、物品内部の粉末が散乱したりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１形態例を示すプラスチックケースの展開図である。
【図２】同じく斜視図である。
【図３】同じく側面図である。
【図４】同じく断面側面図である。
【図５】本発明の第２形態例を示すプラスチックケースの展開図である。
【図６】同じく斜視図である。
【図７】同じく断面底面図である。
【図８】第１形態例の変形例を示すプラスチックケースの展開図である。
【図９】第２形態例の変形例を示すプラスチックケースの展開図である。
【符号の説明】
１…プラスチックシート、１０…ケース本体、１１，１３…幅広の側面板、１２，１４…幅狭の側面板、１５…糊代片、１６…蓋板、１７…差し込み片、１８…内蓋板、１９…吊下げ片、２１〜２９…折曲げ線、３０，４０…物品、３１，４１…凹部、３２，３３，４２，４３…突起部

Claims

所定形状に打ち抜かれ、所定位置に折曲げ線を設けた一枚のプラスチックシートを、前記折曲げ線に沿って区画された４枚の側面板によって折曲げ形成されたケース本体と、前記側面板の開口端から延出してケース本体の両側開口をそれぞれ閉塞する一対の蓋板とを有するプラスチックケースにおいて、前記側面板を、相対向する２枚の幅広の側面板と相対向する２枚の幅狭の側面板とで構成し、前記２枚の幅広の側面板のうち、一方の幅広の側面板の内部側に、ケース内に収納する扁平な物品の一部が嵌合する凹部を形成し、前記一方の幅広の側面板に対向する他方の側面板の内部側に、前記扁平な物品の外周部分を保持する突起部を形成するとともに、前記凹部の内面と前記突起部を形成した他方の幅広の側面板の内面との間隔が、前記物品の厚さ寸法と同一寸法になるように設定し、前記２枚の幅狭の側面板同士の内面間隔及び閉じ状態の蓋板同士の内面間隔を前記扁平な物品の外寸法よりも大としたことを特徴とするプラスチックケース。