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JP4284284B2 - 光熱変換測定装置及びその方法 - Google Patents

光熱変換測定装置及びその方法 Download PDF

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Description

本発明は,試料の含有物質等を分析する際に用いられ,励起光を試料に照射したときの光熱効果により試料に生じる屈折率変化に基づく特性変化を測定する光熱変換測定装置及びその方法に関するものである。
各種試料の含有物質等の分析において,分析感度の向上は,試薬の量の低減や試料の濃縮処理の簡素化,分析の効率化及び低コスト化を図る上で重要である。一方,試料に励起光を照射すると,その照射部は励起光を吸収することにより発熱し,これを光熱効果という。この発熱を測定することを光熱変換測定という。
従来,この光熱変換測定による試料の高感度分析法として,光熱効果により試料に形成される熱レンズ効果を用いた手法(以下,熱レンズ法という)が知られている。
熱レンズ法による分析装置(光熱変換分光分析装置)は,例えば,特許文献1に示されている。この熱レンズ法による分析装置では,試料に照射した検出光(測定光)を集光するとともにピンホールに通過させ,そのピンホールを通過後の検出光の光強度を検出することにより,励起光が照射された試料の発熱による屈折率変化を検出光の集光状態の変化として検出するものである。
一方,特許文献2には,試料の光熱効果による屈折率変化を,試料を通過(透過)させた測定光における位相変化として捉え,これを光干渉法を用いて測定する技術が示されている。
これにより,例えば装置ごとに光検出器(光電変換手段)の位置や測定光の強度及びその強度分布等が異なっても,測定中に変化さえしなければ,これらに依存することなく安定的に,しかも光学的に高精度かつ高感度で試料の屈折率変化を測定することが可能となる。これは,前述した熱レンズ法における問題点を解消するものである。
一方,特許文献3には,フーリエ分光計により計測したフーリエ干渉縞のスペクトルを高ダイナミックレンジで測定する技術が示されている。
特開平10−232210号公報 特開2004−301520号公報 実開平5−23072号公報
しかしながら,特許文献1及び特許文献2のいずれに示される技術も,試料中における測定光の通過経路のほぼ全体が励起光によって励起され,試料における測定光の通過経路全体の平均的な特性が測定されるものであり,試料中の位置ごとの特性分布,特に,試料表面からの深さ方向の位置ごとの特性分布を測定することができないという問題点があった。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,試料中における光熱効果による特性変化の分布を容易に測定できる光熱変換測定装置及びその方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は,励起光が照射された試料の光熱効果により生じる前記試料の特性変化を測定する光熱変換測定装置或いはその方法に適用されるものであり,所定の測定光照射手段により前記試料にビーム状測定光を照射するとともに,その照射の際の前記試料中における前記測定光の通過経路と前記励起光による励起部とが重複する測定位置を所定の測定位置変更手段により変化させ,その測定位置が変化した各状態における前記試料の通過による前記測定光の位相変化を光干渉法で測定し,その際,前記測定光の経路を固定した状態で,前記試料に対し前記測定光の入射方向に対して交差する方向からビーム状の前記励起光を入射させる際のその入射位置と入射方向との一方又は両方を変化させることにより,前記測定位置を変化させるものである。ここで,前記測定位置は,前記励起光の光路を変化させることにより変化させる。
なお,測定光の試料通過による位相変化を光干渉法で測定することは,特許文献1に示されている。
これにより,前記試料中の測定位置(測定光経路と励起部との重複位置)を順次変化させながら測定することができるので,試料中における光熱効果による特性変化の分布を測定することができる。特に,試料の光熱効果による屈折率変化を,試料を通過(透過)させた測定光の位相変化として光干渉法により測定するので,装置ごとに機器の配置や測定光の強度等が異なってもそれが測定中に変化さえしなければ,それらに依存することなく再現性高く(安定的に),しかも高精度かつ高感度で試料の屈折率変化(特性変化)を測定することができるので好適である。
また,前記励起光の光路を変化させることにより前記測定位置を変化させるため,構成要素が多い前記測定光に関する機器(光干渉法により前記測定光の位相変化を測定する機器)を移動させる必要がなく,比較的シンプルな構成により実現できる。
また,前記試料中における前記測定光と前記励起光とが交差する部分(前記測定位置)を変化させるため,例えば前記励起光の偏向ミラーを微動させる構成等,ごくシンプルな構成で実現できる
本発明によれば,試料に励起光と測定光とを照射するとともに,その照射の際の前記試料中における前記測定光の通過経路と前記励起光による励起部とが重複する測定位置を変化させ,その測定位置が変化した各状態における前記試料を通過後の前記測定光に基づいて測定するので,試料中における光熱効果による特性変化の分布を測定することができる。特に,測定光の位相変化を光干渉法(相対的光学手法)により測定するため,再現性高く(安定的に),しかも高精度かつ高感度で試料の特性変化を測定することができるので好適である。
また,前記試料に対し前記測定光の入射方向に対して交差する方向から前記励起光を入射させる際のその入射位置や入射方向を変化させることによって前記測定位置を変化させるものであるため,ごくシンプルな構成で実現できる
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の第1実施形態に係る光熱変換測定装置Xの概略構成図,図2は本発明の第2実施形態に係る光熱変換測定装置における測定位置走査機構Z2の概略構成図,図3は光熱変換測定装置における測定位置走査機構Z3の概略構成図である。
<第1実施形態>
以下,図1を用いて,本発明の第1実施形態に係る光熱変換測定装置Xについて説明する。
所定の白色光源1(例えば,タングステンランプ等)から出力され,フーリエ分光部40を経た励起光P3は,チョッパ2により所定周期の断続光(断続周波数:f)に変換(周期的に強度変調)され,さらに測定位置変更機構Z1によりその光路が偏向された後,試料5に照射される。これにより,試料5が励起光P3を吸収して発熱し(光熱効果),その温度変化(上昇)によって試料5の屈折率が変化する。
前記フーリエ分光部40は,前記白色光源1からの光をビームスプリッタ41により2方向に分岐し,それらを固定ミラー42とピエゾステージ43aによりその位置が所定周期で変位される移動ミラー43との各々に反射さて再び前記ビームスプリッタ41に戻して合流させ,これを励起光P3として前記チョッパ2に向けて出力する周知のフーリエ分光手段である。この他,白色光源の光を分光器で分光し,分光された光ごとに異なる周波数のチョッパ等を介して強度変調し,それらを集光(合流)した光を励起光P3とする構成も考えられる。
一方,試料5に照射してその屈折率変化を測定するための測定光を出力するレーザ光源7(例えば,出力1mWのHe−Neレーザ),測定光照射手段の一例)から出力された測定光は,1/2波長板8で偏波面が調節され,さらに偏光ビームスプリッタ(以下,PBSという)9によって互いに直交する2偏波(P1,P2)に分光される。
各偏波P1,P2は,2つの音響光学変調機10,11各々によって光周波数がシフト(周波数変換)され,ミラー12,13各々で反射された後,PBS14によて合成される。これら直交する2偏波P1,P2の周波数差fbは,例えば,30MHz等とする。
合成された測定光の一方の前記偏波P2は,PBS15を通過(透過)してミラー18に反射することにより再度PBS15に戻る。ここで,PBS15に戻ってきた前記偏波P2は,PBS15とミラー18との間に配置された1/4波長板16を往復通過することによってその偏波面が90°回転しているため,今度はPBS15に反射して光検出器20の方向へ向かう。
これに対し,合成された測定光の他方の前記偏波P1は,PBS15に反射して,1/4波長板17及び前記レンズ4を通過して試料5に入射する。前記励起光は,試料5の内部において前記偏波P1(測定光)と交差し,その交差部が試料5における測定位置Qとなる。
さらに,試料5に入射した前記偏波P1は,試料5を通過し,試料5の裏面側(測定光(偏波P1)の照射面の反対面側)に設けられた反射ミラー6で反射し,再び試料5の測定位置Qを通過(即ち,往復通過)して,さらに前記レンズ4,前記1/4波長板17を通過して前記PBS15へ戻る。ここで,前記偏波P1は,前記1/4波長板17を往復通過することによってその偏波面が90°回転しているため,今度はPBS15を通過して前記偏波P2と合流し,前記光検出器20の方向へ向かう。
前記PBS15と前記光検出器20との間には偏光板19が配置され,この偏光板19において前記偏波P1と,これと光周波数が異なる前記偏波P2とが,それぞれ観測光(測定光)と参照光として干渉し,その干渉光の光強度が前記光検出器20(光電変換手段)によって電気信号(以下,この電気信号の信号値を干渉光強度という)に変換される。この電気信号(即ち,干渉光強度)は,計算機等の信号処理装置21に入力及び記憶され,その信号処理装置21において前記偏波P1(測定光)の位相変化の演算処理(即ち,光干渉法による位相変化の測定)がなされる。
ここで,干渉光強度S1は,次の(1)式で表される。
S1=C1+C2・cos(2π・fb・t+φ) …(1)
C1,C2はPBS等の光学系や試料5の透過率により定まる定数,φは前記偏P1,P2の光路長差による位相差,fbは2偏波P1,P2の周波数差である。(1)式より,前記干渉光強度S1の変化(前記励起光を照射しない或いはその光強度が小さいときとその光強度が大きいときとの差)から,前記位相差φの変化が求まることがわかる。前記信号処理装置21は,(1)式に基づいて前記位相差φの変化を算出する。
また,試料5の中の励起光を吸収する所定の含有物質の量に応じて吸熱量(発熱量)が変わり,該発熱量に応じて屈折率が変わり,該屈折率に応じて前記位相差φ(試料5中の前記偏波P1の光路長)が変わる。即ち,前記含有物質の量が多いほど,前記励起光の変化に対する前記位相差φの変化(即ち,前記偏波P1の位相変化)が大きい。従って,前記位相差φを測定すれば,試料5の温度変化により生じる屈折率の変化が求まり,その結果,試料の含有物質の量(濃度)の分析が可能となる。
即ち,当該光熱変換測定装置Xを用いて,予め所定の含有物質の量(濃度)が既知である複数種類のサンプル試料について前記位相差φの変化を測定し,その結果とその含有物質の量との対応づけを前記信号処理装置21にデータテーブルとして記憶しておく。そして,測定対象とする試料についての前記位相差φの測定結果を前記データテーブルに基づいて補間処理等を行う等によりその含有物質の量を特定する処理を前記信号処理装置21により実行すればよい。
この光熱変換測定装置Xによれば,試料5の光熱効果による屈折率変化を,試料5を通過(透過)させた測定光(前記偏波P1)における励起光の照射による位相変化を光干渉法を用いて測定することによって,即ち,参照光(前記偏波P2)と測定光(前記偏波P1)との位相の相対評価(位相差)によって測定するので,例えば装置ごとに光検出器20の位置や測定光の強度及びその強度分布等が異なっても,測定中に変化さえしなければ,これらに依存することなく安定的に,しかも光学的に高精度で試料の屈折率変化(特性変化)を測定することが可能となる。
また,本光熱変換測定装置Xでは,裏面側の前記反射ミラー6(前記裏面側光反射手段の一例)に測定光(偏波P1)を反射させることにより,測定光(偏波P1)を試料5に往復通過させるため,片道通過の場合の2倍の感度で前記位相差φの変化を測定できる。しかも,励起光の出力増大やS/N比の低下を伴わない。
さらに,前記励起光は周波数fで強度変調されているため,試料5の屈折率も周波数fで変化し,偏波P1の光路長も周波数fで変化し(偏波P2の光路長は一定),前記位相差φも周波数fで変化する。従って,前記位相差φの変化を,周波数fの成分(前記励起信号の強度変調周期と同周期成分)について測定(算出)すれば,周波数fの成分を有しないノイズの影響を除去しつつ試料5の屈折率変化のみを測定できる。
これにより,前記位相差φの測定のS/N比が向上する。
ところで,光熱効果による測定光の屈折率変化は,励起光の波長によっても異なり,試料の含有物質の種類によって各波長の励起光に対する光熱効果及び光熱効果による試料の屈折率変化も異なる。
従って,複数の異なる波長の励起光を照射し,そのそれぞれについて前記位相差φの変化を測定すれば,その分布から試料の含有物質の種類及び量を特定(評価)できる。しかしながら,励起光を異なる波長ごとに照射して測定を行うことは時間や手間の面で測定効率が悪い。
本光熱変換測定装置Xでは,前記フーリエ分光部40により,励起光P3を干渉波形(インターフェログラム)にしているので,測定光P1の位相変化の検出信号について,前記ピエゾステージ43aの変位周期に同期した周期でフーリエ変換を行うことにより,1回の測定によって複数波長の測定光についての試料の屈折率変化(スペクトル)を測定でき,効率的な測定が可能となる。
なお,フーリエ分光に基づくスペクトル測定については,特許文献3に詳説されているので,ここではその詳細については説明を省略する。
次に,前記測定位置変更機構Z1について説明する。
前記測定位置変更機構Z1は,測定光P1の経路を固定した状態で,励起光P3の光路を変化させることにより,試料5中におけるビーム状の測定光P1の経路と同じくビーム状の励起光P3による励起部(ここでは,試料5中における励起光P3の経路)とが重複する(交差する)測定位置Qを変化させるためのものである(測定位置変更手段,励起光光路変更手段の一例)。
ここで,前記測定位置変更機構Z1は,励起光P3を試料5に向けて反射させ,測定光P1に対して斜め方向(交差する方向の一例)から励起光P3を試料5に入射させる移動ミラー31及びこれを直線方向(ここでは,測定光P1に平行な方向)に移動させるピエゾステージ30と,前記チョッパ2からの励起光P3を前記移動ミラー31に導く固定ミラー32とを具備している。
この測定位置変更機構Z1により,試料5に対し測定光P1の入射方向に対して斜め方向から励起光P3が入射され,さらに,前記ピエゾステージ30で前記移動ミラー31を変位させることにより,励起光P3を試料5に入射させる際のその入射位置が変化する。その結果,試料5中における測定光P1の経路と励起光P3による励起部との重複部である測定位置Qが,試料5の深さ方向(測定光P1の通過方向)に変化する(励起光光路変更手段の一例)。なお,励起光P3の入射方向は,測定光P1に対して直交する方向等も考えられる。
そして,不図示の制御部により,前記測定位置変更機構Z1と前記信号処理装置21とを制御することにより,前記測定位置変更機構Z1によって測定位置Qを変化させ,さらに,前記信号処理装置21により,測定位置Qが変化した各状態における試料5を通過後の測定光P1(偏波)に基づいて,その位相変化を光干渉法によって測定させる(光測定手段の一例)。
これにより,試料5中の測定位置Qを順次変化させながら測定することができるので,試料5中における光熱効果による特性変化の深さ方向の分布を測定することができる。
なお,前記測定位置変更機構Z1は,前記移動ミラー31を直線方向に移動させることにより,励起光P3の試料5への入射位置を変化させるものであるが,これに限らず,例えば,前記移動ミラー31を回転させることにより,励起光P3の試料5への入射位置及び入射方向を変化させる測定位置変更機構も考えられる。同様に,前記移動ミラー31を所定位置を中心に回動させて,励起光P3の試料5への入射位置は一定にしつつ入射方向のみを変化させる測定位置変更機構も考えられる。
<第2実施形態>
次に,図2の概略構成図を用いて,本発明の第2実施形態に係る光熱変換測定装置の測定位置変更機構Z2について説明する。
なお,以下に示す第2〜第3実施形態に係る光熱変換測定装置は,測定位置変更機構以外の構成は,前記光熱変換測定装置Xと同様である。
図2に示す測定位置変更機構Z2も,前記測定位置偏向機構Z1と同様に,測定光P1の経路を固定した状態で,励起光P3の光路を変化させることにより測定位置Qを変化させる例である。
具体的には,前記測定位置変更機構Z2は,試料5に向かうビーム状の測定光P1の経路中に設けられ,測定光P1を通過させるとともにスポット径が測定光P1よりも大きく形成された励起光P3を試料5に対する測定光P1の照射方向と同一方向に反射する(偏向させる)ハーフミラー3と,そのハーフミラー31に反射して試料5に向かう励起光P3を通過させ,これを集光するレンズ4と,そのレンズを測定光P1の照射方向と同一方向に沿ってピエゾステージ等によって変位(移動)させるレンズ変位装置50(レンズ移動手段の一例)とを具備している(第2の励起光光路変更手段の一例)。
前記レンズ4は,その中心を測定光P1が通過するように配置されている。なお,図示していないが,励起光P3は反射ミラー等の光学系により前記ハーフミラー31に導かれる。そして,前記レンズ変位装置50によって前記レンズ4を変位させることにより,試料5中における励起光P3の焦点位置(集光位置)が変化する。
この場合,試料5中において,励起光P3がそのスポット径が比較的大きな状態で通過する部分ではほとんど励起されず,前記レンズ4の変位により測定光P1の経路に沿って変化する励起光P3の焦点位置(集光位置)のみが主な励起部となり,その励起部(即ち,測定位置Q)が試料5の深さ方向に変化する。
ここで,測定光P1も変位する前記レンズ4を通過することになるが,ビーム状の測定光P1のスポット径を十分に小さい径にしておけば,前記レンズ4の変位が測定光P1に与える影響はほとんど無視できる。
このような構成によっても,試料5中の測定位置Qを順次変化させながら測定することができるので,試料5中における光熱効果による特性変化の深さ方向の分布を測定することができる。
<第3実施形態>
次に,図3の概略構成図を用いて,光熱変換測定装置の測定位置変更機構Z3について説明する。
図3に示す測定位置変更機構Z3は,測定光P1及び励起光P3の両経路は固定した状態で,試料5の位置を変位(移動)させることにより測定位置Qを変化させるものであり,試料5の支持部22とその支持部22を測定光P1の試料5への入射方向に沿って変位(移動)させるピエゾステージ等からなる試料変位装置51とを具備している。
図3に示す例は,試料5に対し測定光P1の入射方向に対して斜め方向から励起光P3が入射される状態において,試料5の支持部22を変位させる構成を示しているが,これに限らず,図2に示したレンズ集光方式により励起光P3を測定光P1の経路上のある定位置に集光させた状態において,試料5の支持部22を変位させるものであってもかまわない。
このような構成によっても,試料5中の測定位置Qを順次変化させながら測定することができるので,試料5中における光熱効果による特性変化の深さ方向の分布を測定することができる。
また,前記測定位置変更機構Z1やZ2と同Z3とを組み合わせた構成も考えられる。これにより,ピエゾステージ等を用いた位置変更機構各々の位置調節可能範囲が狭くても,全体として測定位置Qの位置調節可能範囲を大きくできる。また,一方を粗調整に他方を微調整に用いること等も考えられる。
本発明は,光熱変換測定に利用可能である。
本発明の第1実施形態に係る光熱変換測定装置Xの概略構成図。 本発明の第2実施形態に係る光熱変換測定装置における測定位置走査機構Z2の概略構成図。 熱変換測定装置における測定位置走査機構Z3の概略構成図。
符号の説明
X…光熱変換測定装置
Z1〜Z3…測定位置変更機構
1…白色光源(励起光源)
2…チョッパ
3…ハーフミラー
4…レンズ
5…試料
6…反射ミラー
7…レーザ光源(測定光照射手段)
10,11…音響光学変調機(AOM)
20…光検出器
21…信号処理装置
30…ピエゾステージ
31…移動ミラー
32…固定ミラー
40…フーリエ分光部
50…レンズ変位装置
51…試料変位装置
P1…偏波(測定光)
P2…偏波(参照光)
P3…励起光
Q…測定位置

Claims (2)

  1. 励起光が照射された試料の光熱効果により生じる前記試料の特性変化を測定する光熱変換測定装置であって,
    前記試料にビーム状の測定光を照射する測定光照射手段と,
    前記測定光の経路を固定した状態で,前記試料に対し前記測定光の入射方向に対して交差する方向からビーム状の前記励起光を入射させる際のその入射位置と入射方向との一方又は両方を変化させることにより前記試料中における前記測定光の通過経路と前記励起光による励起部とが重複する測定位置を変化させる測定位置変更手段と,
    前記測定位置変更手段により前記測定位置が変化した各状態における前記試料の通過による前記測定光の位相変化を光干渉法で測定する光測定手段と,
    を具備してなることを特徴とする光熱変換測定装置
  2. 励起光が照射された試料の光熱効果により生じる前記試料の特性変化を測定する光熱変換測定方法であって,
    前記試料にビーム状の測定光を照射するとともに,その照射の際の前記試料中における前記測定光の通過経路と前記励起光による励起部とが重複する測定位置を変化させ,該測定位置が変化した各状態における前記試料の通過による前記測定光の位相変化を光干渉法で測定し,その際,前記測定光の経路を固定した状態で,前記試料に対し前記測定光の入射方向に対して交差する方向からビーム状の前記励起光を入射させる際のその入射位置と入射方向との一方又は両方を変化させることにより,前記測定位置を変化させてなることを特徴とする光熱変換測定方法
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