JP4282114B2 - コンクリート表面増強剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーエマルジョンを必須成分として含有するコンクリート表面増強剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンクリートの強度は、セメントペースト中の水セメント比によって支配され、水セメント比を低くすることで強度を高くすることが出来る。
水セメント比の低い高強度コンクリートを打設する際、日光、風、乾燥などにより、コンクリート表面が急速な乾燥状態にさらされることがある。これを防ぐ手段としては、古くはコンクリート表面にシ−トを被せる方法、散水してコンクリート表面を保水する方法などが一般的であった。
しかし、上記のような方法では手間と時間を要し、コストアップになるという問題があった。
【0003】
そこで、これらの問題を解消した簡易的な工法として、特開平3−23281号公報にあるようなα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と(メタ)アクリル酸エステルからなる単量体を、ポリビニルアルコールなどの保護コロイドの存在下に乳化重合させて得られた共重合体のエマルジョンや、特開平6−183805号公報にあるような末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール系重合体の存在下に(メタ)アクリル酸エステルやスチレン系単量体を乳化重合したものを、打設後、硬化前のコンクリート類表面に散布、及び混入して保水性を高める工法が提案されている。
【0004】
しかし、上記の工法は、いくつかの課題が挙げられる。
まず、上記の工法では、低温下で長期間静置されることにより、ポリビニルアルコール系重合体が沈降し、分散剤と分散質が分離してしまい、分散系が不安定になる。また、一般的にポリビニルアルコール系重合体を保護コロイドとして乳化重合した場合、粒子径が大きくなり硬化後だけでなく、凝結前のコンクリートやモルタルに対しての浸透性もあまり良くないという欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の欠点を解消し、分散質の分散安定性、硬化後や凝結前のコンクリートやモルタルへの浸透性を高めて、凝結初期からの硬化体の保水性を向上させ、機械的強度を改良し、同時に緻密な樹脂膜をセメント組成物中に形成させ、防水性、耐凍結融解性をも改良する、コンクリート表面増強剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記の好ましい性質を有するコンクリート表面増強剤を開発すべく検討を行った結果、特定の原料不飽和単量体を乳化重合して得られた、特定の平均粒子径、特定のガラス転移温度を有するポリマーエマルジョンを、硬化後や凝結前のコンクリート表面に適用した場合には、硬化後や凝結前のコンクリートやモルタルへの浸透性が高く、また、防水性、耐凍結融解性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず、本発明のコンクリート表面増強剤を構成するポリマーエマルジョンの原料単量体として用い得る不飽和単量体について説明する。
カルボキシル基を有する不飽和単量体としては、不飽和カルボン酸が好ましく、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などを用いることができる。アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。なお、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸のようなジカルボン酸の場合には、これらのモノエステルやモノアマイドを用いてもよい。
【0008】
またスルホン基〔−SO2(OH)〕を有する不飽和単量体としては不飽和スルホン酸が好ましく、具体的には、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、プロパンスルホン酸などを用いることができる。
【0009】
更に、ホスホン基〔−PO(OH)2〕を有する不飽和単量体としては、不飽和ホスホン酸が好ましく、具体的には、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレン)ホスホン酸、アミノメタンホスホン酸、アミノトリメチルホスホン酸などを用いることができる。
【0010】
これら、カルボキシル基、スルホン基、ホスホン基を有する不飽和単量体は、これらの1種、又は2種以上を併用して用いることができる。
【0011】
更にまた、(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に制限されるものではないが、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルが好ましく、この場合のアルキル基としては炭素数が1〜18のものが好適である。
具体的に例示すれば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどを用いることができる。
なお、これらの(メタ)アクリル酸エステルも、1種のみを用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
【0012】
前記これら不飽和単量体混合物において、カルボキシル基、スルホン基、又はホスホン基を有する不飽和単量体は、全不飽和単量体の0.1〜10重量%とすることが好ましい。10重量%を越えると皮膜の耐水性が低下したり、セメント硬化反応が阻害されるおそれがあり、0.1重量%未満ではカルボキシル基に起因するセメント粒子への付着性能が十分に発揮されないおそれがある。
【0013】
また、これら不飽和単量体を含む混合物には、強度、耐水性、耐薬品性など樹脂皮膜に由来する性能を向上させるために、1分子中に複数の官能基を有する架橋剤を含ませて共重合させることが好ましい。
架橋剤としては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビスフェノールAポリオキシエチレン付加体ジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジビニルベンゼンなどを用いることができるが、N−メチロールメタクリルアミドまたはトリメチロールプロパントリメタクリレートが好ましい。
架橋剤は、不飽和単量体に対して0.1〜5重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0014】
さらに、この混合物には、ポリマーエマルジョンの性能を損なわない範囲で、前記以外の不飽和単量体、例えばスチレンやα−メチルスチレンなどのスチレン類、ブタジエンやイソプレンなどのジエン類、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリロニトリルやα−メチルアクリロニトリルなどのニトリル類を適宜併用してもよい。
【0015】
これらの不飽和単量体から得られる共重合体の、重量分率法により算出したガラス転移温度を220〜270Kとすることにより、皮膜の成膜性を向上し、養生時の保水効果や収縮抑制効果を得るとともに、アクリル系のポリマー粒子表面へのカルボキシル基、スルホン基、ホスホン基の適量の導入により、セメント粒子との付着性の改善されたコンクリート表面増強剤とすることができる。
【0016】
ここで、重量分率法により算出したガラス転移温度とは、下記式(A)に示すフォックス(Fox)の式に基づいて算出したガラス転移温度(Tg)のことをいう。
【数1】
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn (A)
ただし、Tgは共重合体のガラス転移温度(K)、Tgnは不飽和単量体nのガラス転移温度(K)、Wgnは不飽和単量体の重量分率である。
【0017】
一般に、ガラス転移温度で示される転移領域において、上記式(A)により算出したガラス転移温度を220〜270Kとしたのは、270Kを越えると樹脂皮膜の成膜性が低下して、保水性、耐水性や耐凍融解性が低下するからであり、220K未満では樹脂膜の弾性が低下して膜の機械的強度も低下するからである。このような観点から、前記方法により算出されたガラス転移温度は、240K以上であることがさらに好ましい。
本発明のコンクリート表面増強剤においては、ガラス転移温度270K以下とし、ポリマー粒子同士の融着性を向上させることが特徴の一つである。
【0018】
さらに、本発明のコンクリート表面増強剤において、それを構成するポリマーエマルジョンの平均粒子径が30〜200nmであることが好ましい。平均粒子径が200nmを越えるとポリマーの比表面積が小さくなって、カルボキシル基などをポリマー表面に効果的に化学修飾することができなくなるからであり、30nm未満では、ポリマーエマルジョンの粘度が著しく増加して製造時や使用時の取り扱いが容易ではなくなるからである。最密充填性を向上させるなどの観点から、平均粒子径は、50nm以上がさらに好ましく、また、150nm以下さらには100nm以下が一層好ましい。
【0019】
次に、本発明のコンクリート表面増強剤を構成するポリマーエマルジョンの製造方法について説明する。
該ポリマーエマルジョンは前記不飽和単量体を乳化剤、重合開始剤の存在下に乳化重合させて得られるものである。
本発明で用い得る乳化剤としては、ポリオキシアルキレン基を有するものが好ましく、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルなどのノニオン性乳化剤を用いることができる。
【0020】
また、乳化剤としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物を含む乳化剤を用いて乳化重合を行うことが好ましく、このような乳化剤を用いることにより、フリーの乳化剤の存在による耐熱性の低下を抑制することができる。
更にまた、乳化剤としては、ポリオキシアルキレン基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物を含む乳化剤を用いて乳化重合を行うことがより好ましい。このような反応性乳化剤を用いることにより、フリーの乳化剤の存在による耐水性の低下を抑制することができるばかりでなく、カルボキシル基、スルホン基、又はホスホン基に加えてポリオキシアルキレン基もポリマー表面に化学修飾することもできる。
【0021】
エチレン性不飽和結合を有する乳化剤としては、例えば下記一般式(1)、(2)により示されるアニオン性又はノニオン性乳化剤を好適に使用することができる。
〔アニオン性乳化剤の例〕
【化1】
〔ノニオン性乳化剤の例〕
【化2】
ただし、上記一般式(1)および(2)において、Aは炭素数が2または3のアルキレン基(例えば、−CH2−CH2−または−CH2−CH(CH3)−)、M1は1価または2価の陽イオン、nは0〜100、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜40、R0は炭素数が6〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基(アリール化アルキル基)である。
上記一般式(1)または(2)に示した乳化剤においては、nが3以上、好ましくは5以上であってポリオキシアルキレン基とエチレン性不飽和結合とをともに有するものを用いることが好ましい。
【0022】
乳化剤としては、上記具体的に示した乳化剤以外の他のアニオン性乳化剤およびノニオン性乳化剤の1種または2種以上を用いてもよく、また前記エチレン性不飽和結合を有する乳化剤と併用してもよい。
このような乳化剤の具体例を以下に例示する。
〔アニオン性乳化剤の代表例〕
下記一般式(3)に示すポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルスルホネート・サルフェート塩
【化3】
下記一般式(4)に示すポリオキシアルキレンアルキルエーテルサルフェート塩
【化4】
R1−O−(AO)n−SO3M1 (4)
下記一般式(5)に示すポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルサルフェート
【化5】
【0023】
下記化学式(6)〜(11)に示す乳化剤
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
ここで、mは0または1、R1は炭素数が6〜20のアルキル基、R2は水素原子またはメチル基、R3は炭素数が1〜30のアルキル基、アルケニル基、アルキル基もしくはアルケニル基を有するフェニル基、または脂肪酸残基、R4はメチレン基、エチレン基またはフェニレン基であり、A、nおよびM1は前記と同様である。
【0030】
〔ノニオン性乳化剤の代表例〕
下記化学式(12)に示すポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル
【化12】
下記化学式(13)に示すポリオキシアルキレンアルキルエーテル
【化13】
R1−O(AO)n−H (13)
ここで、A,nおよびR1 は前記と同じである。
【0031】
併用する乳化剤は、分子内にオキシエチレン基、オキシプロピレン基などのオキシアルキレン基を有するアニオン性乳化剤が好ましい。
【0032】
乳化剤は、不飽和単量体に対して0.5〜10重量%の範囲で用いることが好ましく、0.5〜5重量%の範囲で用いることがさらに好ましい。0.5重量%未満では乳化重合の際に凝集物が大量に発生したり、所望のサイズのポリマーエマルジョンが得がたくなり、10重量%を超えるとセメント粒子への付着性能や硬化体性能が低下するおそれがある。
【0033】
重合開始剤としては、例えば、過酸化水素単独、または過酸化水素と酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸などのカルボン酸類との組み合わせや、過酸化水素とシュウ酸、スルフィン酸およびこれらの塩類またはオキシアルデヒド類、水溶性鉄塩などとの組み合わせ、さらには過硫酸塩、過炭酸塩、過硼酸塩類などの過酸化物、または2,2’アゾビス(2−アミジノプロパン)とその塩、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)とその塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)とその塩などの水溶性アゾ系開始剤が使用可能である。
本発明で用いるポリマーエマルジョンの調整には、前記水溶性アゾ系開始剤を、ポリマーエマルジョンを構成する不飽和単量体に対して、0.1〜3重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0034】
本発明のコンクリート表面増強剤は、前記不飽和単量体、乳化剤、重合開始剤を適宜用いて、下記の一般的な乳化重合により調整することができる。
すなわち、水相に乳化剤を溶解し、不飽和単量体をそのまま滴下するモノマ−滴下法、あるいは乳化剤、水の一部と不飽和単量体混合物を予め混合乳化し、乳化物を滴下するプレ乳化法のいずれでも調整できるが、乳化重合の欠点である重合釜あるいは撹拌羽根などへの重合物の付着量を低減するという観点から、プレ乳化法の採用が好ましい。
【0035】
本発明のコンクリート表面増強剤は、固形分40重量%時の粘度が50〜200cP(ブルックフィールド型粘度計法)である場合に作業性が良好である。また、低粘度のものは固形分を50重量%以上含有させることも可能である。
【0036】
本発明のコンクリート表面増強剤は、前記のように乳化重合によって得られたエマルジョンの形態で使用することが好ましいが、状況に応じて水により希釈(ポリマーエマルジョン:水=1:1〜3、好ましくは1:2)して散布してもよい。
散布量は、下地の状況に応じて適宜変化させることが好ましく、舗装を行う場合は原液を100〜200g/m2、高温、強風下で散布する場合は原液を150〜300g/m2、レイキ作業が不可能な場合は希釈液を100〜150g/m2程度が好適である。
散布方法はジョウロ、噴霧器などを使用することができ、散布後レイキやコテなどを用いてコンクリート表面と馴染ませる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下の各実施例において示す「部」および「%」はそれぞれ「重量部」および「重量%」の意味である。
【0038】
〔ポリマーエマルジョンの調整〕
(1)ポリマーエマルジョンNo.1
温度計、撹拌機、還流冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えたガラス製反応容器に表2にNo.1として示す乳化剤1.23部と水57.35部とを仕込んで溶解し、系内を窒素ガスで置換する。表1にNo.1として示す不飽和単量体混合物40.97部と先に溶解した乳化剤水溶液58.58部のうち、20.48部を乳化混合し、このうち2.05部を反応容器に加え65℃まで昇温する。昇温の後、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.12部を水0.33部に溶解し、前記の反応容器に添加し、直ちに残不飽和単量体乳化物59.40部を60分間にわたって反応器内に連続滴下し、65℃で重合を行う。滴下終了後、65℃で180分間熟成を行い重合を完結させる。室温まで冷却後、固形分を40%に調整し、ポリマーエマルジョンNo.1とした。
【0039】
(2)ポリマーエマルジョンNo.2〜9
表1の不飽和単量体および表1,2の乳化剤を用い、ポリマーエマルジョンNo.1に準じて調整した。
(3)ポリマーエマルジョンNo.10
市販されているアクリル系エマルジョン[商品名:FF−30(大日本インキ化学)]を使用した。
(4)ポリマーエマルジョンNo.11
市販されているアクリル系エマルジョン[商品名:ハードコートCLE−2(アオイ化学工業(株))]を使用した。
(5)ポリマーエマルジョンNo.12
市販されているアクリル+SBR系エマルジョン[商品名:セボハードナ#20(東洋薬化学工業(株))]を使用した。
(6)パラフィン系エマルジョンNo.13
市販されているパラフィン系エマルジョン[商品名:マスターキュア106(エヌエムビー)]を使用した。
【0040】
〔エマルジョンの性状確認〕
得られたポリマーエマルジョンの平均粒子径を光散乱式光度計(大塚電子社製ELS−800)により測定した。また、ガラス転移温度としては、下記の値を用いた(単位:K)。アクリル酸ブチル:219、アクリル酸エチル:249、メタクリル酸メチル:378、メタクリル酸:501、N−メチロールアクリルアミド:373。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
次に、各コンクリート表面増強剤の性能を以下に示す方法により評価した。尚、各コンクリート表面増強剤の散布量を表3に示す。
【表3】
注):No.10〜13の市販のエマルジョンは、各メーカーが指定する量を散布量として評価を行った。
【0044】
〔水分損失量試験〕
ASTM C 156「Standard Test Method for Water Retention by Concrete Curring Materials」に準じて水分損失量試験を行った。また、各エマルジョン及び高分子吸水剤の散布量は表3に従う。下地の生モルタルの組成はセメント:川砂=1:2.5、W/C=31.5%、減水剤は対セメント2%とした。
評価は、生モルタルにエマルジョン又は高分子吸水剤を散布した後、温度40℃、湿度に32%に設定した養生槽に試験体を置き、単位面積当たりの水分蒸発量を経時で測定し、水分損失量(g/m2)とした。
以上の評価結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
〔吸水量試験〕
水分損失量試験に用いた試験体を温度20℃、湿度60%の恒温室内で2週間乾燥した後、側面をエポキシ樹脂で止水処理し、2日間さらに乾燥させる。その試験体をエマルジョン及び高分子吸水剤散布面を下向きにして水に半浸漬し、単位面積当たりの重量増加分を経時で測定し、吸水量(g/m2)とした。
以上の評価結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
〔圧縮試験〕
温度40℃の恒温室内でφ5cm×10cmのモールドにモルタルを詰め、モールド内のモルタル上面にエマルジョンを表3に従って散布し、1日気中養生する。その後、温度20℃、湿度60%の恒温室内で6日間気中養生した後に試験体を脱型し、圧縮強度(N/mm2)を測定した。
モルタルの組成はセメント:川砂=1:2.5、W/C=31.5%、減水剤は対セメント2%とした。
以上の評価結果を表6に示す。
【0049】
【表6】
【0050】
〔耐摩耗性試験〕
温度40℃の恒温室内でφ9cm×1.5cmのモールドにモルタルを詰め、シャーレ内のモルタル上面にエマルジョンを表3に従って散布し、1日気中養生する。その後、温度20℃、湿度60%の恒温室内で13日間気中養生した後に試験体を脱型し、JIS K 7204摩耗輪によるプラスチックの摩耗試験方法に従って、ティ−バ式摩耗試験機を使用して250回転、500回転、1000回転後の摩耗質量(g)を測定した。
モルタルの組成はセメント:川砂=1:2.5、W/C=31.5%、減水剤は対セメント2%とした。
以上の評価結果を表7に示す。
【0051】
【表7】
【0052】
【発明の効果】
本発明の前記特定の原料単量体を乳化重合して得られたものであり、特定の平均粒子径、ガラス転移温度を有するポリマーエマルジョンからなるコンクリート表面増強剤は、保水性が極めて優れることにより凝結初期のコンクリートやモルタルの養生効果を高め、その結果、コンクリートやモルタルは、圧縮強度、耐摩耗性等の機械的強度に優れたものとなる。
Claims (4)
- カルボキシル基、スルホン基、又はホスホン基を有する不飽和単量体から選ばれる少なくとも1種以上と、(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種の不飽和単量体を含む不飽和単量体混合物、乳化剤、重合開始剤及び水から構成される重合反応用原料を乳化重合して得られたポリマーエマルジョンであって、該不飽和単量体混合物の共重合体について重量分率法により算出したガラス転移温度が220〜270Kであり、しかも該ポリマーエマルジョンの平均粒子径が30〜200nmの範囲であるポリマーエマルジョンからなることを特徴とするコンクリート表面増強剤。
- カルボキシル基、スルホン基、又はホスホン基を有する不飽和単量体から選ばれる少なくとも1種以上の単量体の量が、全不飽和単量体に対して0.1〜10質量%である、請求項1に記載のコンクリート表面増強剤。
- 前記乳化剤が、ポリオキシアルキレン基を有する界面活性剤である、請求項1又は2に記載のコンクリート表面増強剤。
- 前記不飽和単量体混合物において、1分子中に複数の官能基を有する架橋剤を全不飽和単量体混合物の0.1〜5重量%含有させたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のコンクリート表面増強剤。
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