JP4281284B2 - 画像形成方法、記録装置及び印刷物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、あらゆる記録材料に高精細な画像を再現できるインクジェット記録方法による画像形成方法、記録装置及び印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作製出来るため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に微細なdotを出射・制御する記録装置、色再現域・耐久性・出射適性を改善したインク、およびインクの吸収性・色材の発色性・表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は記録装置、インク、専用紙が全て揃って初めて達成されている。
【0003】
しかしながら専用紙が必要なインクジェットシステムは記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いる、ソルベント系インクジェット方式や、記録後UV光により架橋させるUVインクジェット方式などである。
【0004】
中でもUVインクジェット方式はソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつある。特公平5−54667号、特開平6−200204号、特表2000−504778号において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。
【0005】
しかしながら、これらのインクを用いたとしても、記録材料の種類や作業環境によって、着弾後のdot径が大きく変化してしまい、すべての記録材料に対して高精細な画像を形成することは不可能だった。
【0006】
更には、従来の紫外線硬化型インクジェットインクでは、硬化に必要な照度が大きくインク収縮が大きくなり記録材料がカールしてしまうなどの問題もあった。
【0007】
特に食品包装をはじめとする軟包装で使われる薄膜プラスチックフィルムや、粘着ラベルなどでは、インクの濡れ性が大きく変わることでdot径が全く変わってしまい、また、インク収縮の仕方も大きく変わり記録材料がカールしてしまう。
【0008】
上記課題があるため、軟包装印刷やラベル印刷にはUVインクジェット方式は実用化されていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、あらゆる記録材料に対しても記録材料のカールを伴うことなく高精細な画像を再現できるインクジェット記録による画像形成方法、記録装置及び印刷物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
【0011】
1.選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも一つのノズルを有する複数の記録ヘッドであって、該記録ヘッドの少なくとも一つは白インクを吐出する記録ヘッドで、活性光線により硬化するインクを吐出する記録装置において、該複数の記録ヘッドを副走査方向に一列に配置し、前記複数の記録ヘッドの配列順を入れ替え可能に構成し、かつ、白インクを吐出する記録ヘッドを用いて白インクを吐出するに当たり白インクを白インク以外のインクに先駆けて吐出する場合は白インクを吐出するヘッドを記録材料の搬送方向の最上流側に配置し、白インクを白インク以外のインクの吐出後に吐出する場合は白インクを吐出するヘッドを記録材料の搬送方向の最下流側に配置したことを特徴とする記録装置。
【0014】
2.記録ヘッドの両側に光源を設けることを特徴とする前記1記載の記録装置。
【0015】
3.光源の消費電源が1kW未満であることを特徴とする前記1又は2記載の記録装置。
【0016】
4.前記1〜3のいずれか1項記載の記録装置を用いることを特徴とする画像形成方法。
【0017】
5.用いるインクの25℃における粘度が35〜200mPa・sであることを特徴とする前記4記載の画像形成方法。
【0018】
6.前記4又は5記載の画像形成方法により、プラスチックフィルムに画像形成することを特徴とする印刷物。
【0019】
7.前記4又は5記載の画像形成方法により、シュリンクフィルムに画像形成することを特徴とする印刷物。
【0020】
8.前記4又は5記載の画像形成方法により、粘着ラベルに画像形成することを特徴とする印刷物。
【0023】
本発明を更に詳しく説明する。
画像形成
本発明では、インク組成物をインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させる。
【0024】
インクの吐出条件としては、ヘッド及びインクを40〜100℃に加熱し、インク粘度を下げて吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、概して水性インクより粘度が高いため、温度変動による粘度変動幅が大きい。粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を出来るだけ一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅は設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
【0025】
本発明では、複数の記録ヘッドを副走査方向に一列に配置する。そして、記録ヘッドの配列順を自由に入れ替えることができることが好ましい。例えば、照度の低い光源を用いる場合に、感度の低いインクほど、記録材料搬送方向の上流側に記録ヘッドを配置し、照射時間が長くなるように調整する。
【0026】
また、本発明においては白インクを吐出する記録ヘッドを少なくとも一つ有することが好ましいが、軟包装材料では白インクは色の隠蔽性を上げるために必須であるが、白インクを先に印字する表刷りの場合と、白インクを最後に印字する裏刷りの場合があり、表刷りの場合は、白インクを吐出する記録ヘッドを記録材料搬送方向の最上流側に配置し、裏刷りの場合は最下流側に配置する必要が有る。
【0027】
また、軟包装材料の場合、金色などの特色を必要とする場合があり、特色を必要とする場合だけ特色を吐出する記録ヘッドを配置する場合などが考えられる。そして、重要なプロセスが照射条件である。基本的な照射方法は、特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらのいずれの照射方法も用いることが可能であるが、記録ヘッド両側に光源を設け、各色ともインク着弾後1秒以内に活性光線を照射することが好ましい。1秒をこえてしまうと、色にじみが発生し、高精細画像の形成が厳しくなる。特に白インクを用いる場合には顕著となる。
【0028】
照射する光源の種類については、UV−A、UV−B、UV−Cなどの紫外線、真空紫外線、可視光の他、γ線、β線などを用いることが出来る。本発明において、光源の総消費電力は1kW未満であることが好ましい。例えば、紫外域で0.1〜40mW/cm2の照度を得られる光源が当てはまり、低圧水銀ランプ、UVレーザー、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、冷陰極管、LEDなどがあるが、これらに限定されない。
【0029】
従来のUVインクジェットでは、総消費電力が1kWを超えるような高圧水銀ランプ、メタルハライドランプが主に使われてきたが、硬化時のインク収縮が大きく、特に記録材料がプラスチックフィルム、熱により収縮するシュリンクフィルム、表面がプラスチック素材である場合が多い粘着ラベル、である場合には記録材料がカールしてしまって実用に耐えられず、軟包装印刷やラベル印刷の分野では使用できるレベルではなかった。
【0030】
本発明において用いるインクジェット記録用インクは少なくとも重合性モノマー、開始剤から構成される。
【0031】
重合性モノマーとしては、各種(メタ)アクリレートモノマーが使用出来る。例えば、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイキシエチルコハク酸、2−アクリロイキシエチルフタル酸、2−アクリロイキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可とう性アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルアクリレート等の単官能モノマー、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の三官能以上の多官能モノマーが挙げられる。
【0032】
この他、重合性のオリゴマー類も、モノマー同様に配合可能である。重合性オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、直鎖アクリルオリゴマー等が挙げられる。
【0033】
本発明においては、重合性のモノマーとして、単官能、二官能、三官能以上の多官能モノマーを併用することが特に好ましい。単官能モノマーは硬化時の収縮率を下げる効果が大きく、また低粘度でインクジェット記録時の射出安定性が得られやすい。二官能モノマーは適度な感度と様々な記録材料への接着性に優れるため添加することが好ましい。三官能以上の多官能モノマーは感度および硬化後の膜強度を得られる。これら三者を併用することで、硬化収縮によるカールや波打ちの防止、基材への接着性・追従性、高感度化・高画質化、が達成される。特に印刷後基材自体を収縮させるシュリンクフィルムの場合には非常に有効である。
【0034】
単官能モノマーはインク組成物全体の5〜40質量%、二官能モノマーは5〜40質量%、三官能以上の多官能モノマーは5〜30質量%含有させることが好ましい。併用するモノマーは、その溶解性パラメーター(SP値)の最大値と最小値の差が、1以上である組合せが、様々な基材への接着性、硬化収縮起因のカールを防止する点で好ましい。更に好ましくは1.5以上である。
【0035】
なお、感作性、皮膚刺激性、眼刺激性、変異原性、毒性など安全性の観点から、上記モノマーの中でも特に、イソアミルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソミルスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、ラクトン変性可とう性アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
【0036】
更にこの中でも、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、イソボルニルアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カウプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが特に好ましい
光開始剤としては、アリールアルキルケトン、オキシムケトン、チオ安息香酸S−フェニル、チタノセン、芳香族ケトン、チオキサントン、ベンジルとキノン誘導体、ケトクマリン類などの従来公知の開始剤が使用出来る。開始剤については「UV・EB硬化技術の応用と市場」(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)に詳しい。中でもアシルフォスフィンオキシドやアシルホスフォナートは、感度が高く、開始剤の光開裂により吸収が減少するため、インクジェット方式のように1色当たり5〜12μmの厚みを持つインク画像での内部硬化に特に有効である。具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドなどが好ましい。
【0037】
また、前述のモノマー同様、安全性を考慮した選択では、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド 、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア(R)1173)が好適に用いられる。好ましい添加量は、インク組成物全体の1〜6質量%、好ましくは2〜5質量%である。本発明では、あらゆる記録材料に対しても高精細な画像を再現する目的から、波長または強度を変えて2段階に照射を分けることが好ましく、開始剤についても吸光波長の異なる2種以上を併用することが特に好ましい。
【0038】
この他、インク組成物を着色する場合は、色材を添加する。色材としては、重合性化合物の主成分に溶解または分散できる色材が使用出来るが、耐候性の点で顔料が好ましい。顔料としては
C.I Pigment Yellow− 1,3,12,13,14,17,81,83,87,95,109,42、
C.I Pigment Orange−16,36,38、
C.I Pigment Red−5,22,38,48:1,48:2,48:4,49:1,53:1,57:1,63:1,144,146,185,101、
C.I Pigment Violet−19,23、
C.I Pigment Blue−15:1,15:3,15:4,18,60,27,29、
C.I Pigment Green−7,36、
C.I Pigment White−6,18,21、
C.I Pigment Black−7、
が使用出来るが、これに限られる訳ではない。
【0039】
また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げる為に、白インクを用いることが好ましい。
【0040】
顔料の分散には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤は高分子分散剤を用いることが好ましい高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は溶剤または重合性化合物で行うが、本発明に用いる照射線硬化型インクは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
【0041】
分散は、平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することが出来る。色材はインク全体の1質量%乃至10質量%の添加量が好ましい。
【0042】
その他の成分
インク組成物の保存性を高めるために、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することが出来る。紫外線硬化型のインクは加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。
【0043】
この他に、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。記録媒体との密着性を改善するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量は0.1〜5%好ましくは0.1〜3%である。
【0044】
また、インク色材による遮光効果のため、感度を防ぐ手段として、開始剤寿命の長いカチオン重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
【0045】
本発明において、25℃におけるインク粘度が35〜200mPa・sのインクを用いることが好ましい。このようなインクを用いて、上述のような照射条件を用いることで、着弾したインクのdot径を一定に保つことが容易になり、画質が向上する。
【0046】
また、吐出性を考慮し吐出時の温度で、好ましくは7〜30mPa・s、更に好ましくは7〜20mPa・sとなるよう、組成比を決める。
【0047】
記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種プラスチックおよびそのフィルムを用いることが出来る。各種プラスチックフィルムとしては、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムが例えばある。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用出来る。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。
【0048】
これらの記録材料の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
【0049】
また、表面が上記のような多種多様の素材でコートされている粘着ラベルへの画像形成の場合も、本発明は特に有効である。
【0050】
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
【0051】
【実施例】
実施例1
インク組成
表1記載の本発明のインク組成物を得た。表1において、より好ましいインク1組成のそれぞれは、
a:ラウリルアクリレート(単官能)(光重合化合物)
b:テトラエチレングリコールジアクリレート(二官能)(光重合化合物)
c:カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(六官能)(光重合化合物)
d:イルガキュア369 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(開始剤)
e:イルガキュア500 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(開始剤)
f:ジエチルチオキサントン(開始剤助剤)であり、
より好ましいインク2組成のそれぞれは
a:ラウリルアクリレート(単官能)(光重合化合物)
g:ビスフェノールAグリシジルエーテルメタクリル酸付加体(二官能)(光重合化合物)
b:テトラエチレングリコールジアクリレート(二官能)(光重合化合物)
h:トリメチロールプロパントリアクリレート(三官能)(光重合化合物)
c:カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(六官能)(光重合化合物)
i:イルガキュア651 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(開始剤)
d:イルガキュア369 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(開始剤)
f:ジエチルチオキサントン(開始剤助剤)であり、
インクA組成のそれぞれは
b:テトラエチレングリコールジアクリレート(二官能)(光重合化合物)
j:セチルアクリレート(単官能)(光重合化合物)
e:イルガキュア500 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(開始剤)
f:ジエチルチオキサントン(開始剤助剤)である。
【0052】
〈インク粘度〉
25℃及び70℃における溶融粘度を回転粘度計(トキメック製EDLモデル)を用いて測定した。
【0053】
インクジェット記録
図1及び図2に記載の比較及び本発明の記録ヘッド配列したピエゾ型インクジェットノズルを用いたインクジェット記録装置によって、表に記載の巾600mmの試料No.1〜36の記録材料へ記録を行った(表刷り)。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドから成り、前室タンクからヘッド部分まで断熱および加温を行った。温度センサーは前室タンクおよびピエゾヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾヘッドは、8〜30plのマルチサイズdotを720×720dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのdot数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動し、吐出した。着弾後の照射条件は表3、6に示す通りとした。
【0054】
図1は比較のインクジェット記録装置の、記録ヘッド配列を示す模式図であり、記録材料1は記録材料ロール2から送りだされ、下流方向に搬送される。記録ヘッドK、C、M、Y、Lk、Lc、Lm、Ly及びWは、それぞれ該当するインクを吐出する。記録材料1の搬送方向と直角の方向が記録ヘッドの主走査方向3であり、搬送方向が記録ヘッドの副走査方向4である。
【0055】
図2は本発明のインクジェット記録装置の、記録ヘッド配列を示す模式図であり、記録ヘッドLk、Lc、Lm、Ly、K、C、M、Y及びWは、副走査方向4に一列に配置されている。
【0056】
本発明の構成については、記録材料の種類はバーコードにより認識され、照射条件を設定した。
【0057】
評価項目
文字品質
目標K濃度で8ポイント文字を印字し文字のガサツキ、及び各色1dotの形状をルーペで拡大評価した。
◎・・・ガサツキなく、dot形状が真円
○・・・僅かにガサツキが見える。dot形状は真円
△・・・ガサツキが見え、dot形状がやや乱れる(ギリギリ使えるレベル)
×・・・ガサツキが見え、dot形状も悪い。
【0058】
色混じり(にじみ)
Mの目標濃度ベタ上に8ポイント文字を配した画像パターン及び各色1dotを出力し、10分後の品質をルーペで拡大し、目視評価した。
◎・・・ガサツキなく、dot形状が真円
○・・・僅かにガサツキが見える。dot形状は真円
△・・・ガサツキが見え、dot形状がやや乱れる(ギリギリ使えるレベル)
×・・・ガサツキが見え、dot形状も悪い。
【0059】
印刷物しわ、カール
印刷直後に印刷物を手に取り、照射・硬化によりしわやカールが発生していないかを目視評価した
○・・・良好
△・・・やや良好(なんとか実用に耐えられるレベル)
×・・・悪い、印刷物にしわがよりカールも見られる
結果を表4、7に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
表4、7から明らかなように、本発明の構成は、あらゆる記録材料に対して、しわ、カールを生ずることなく高精細な画像を形成できる。
【0068】
実施例2
図3及び図4に記載の比較及び本発明の記録ヘッドの配列にした以外は、実施例1の場合と同様にして評価を行った(裏刷り)。
【0069】
図3は比較のインクジェット記録装置の、記録ヘッド配列を示す模式図であり、記録材料1は記録材料ロール2から送りだされ、下流方向に搬送される。記録ヘッドW、K、C、M、Y、Lk、Lc、Lm及びLyは、それぞれ該当するインクを吐出する。記録材料1の搬送方向と直角の方向が記録ヘッドの主走査方向3であり、搬送方向が記録ヘッドの副走査方向4である。
【0070】
図4は本発明のインクジェット記録装置の、記録ヘッド配列を示す模式図であり、記録ヘッドW、Lm、M、Ly、Y、Lc、C、Lk及びKは、副走査方向4に一列に配置されている。
【0071】
評価結果を表10に示す。
【0072】
【表8】
【0073】
【表9】
【0074】
【表10】
【0075】
表10から明らかなように、本発明の構成は、裏刷りの場合でも、あらゆる記録材料に対して、しわ、カールを生ずることなく高精細な画像を形成できる。
【0076】
【発明の効果】
本発明により、あらゆる記録材料に対しても記録材料のカールを伴うことなく高精細な画像を再現できるインクジェット記録による画像形成方法、記録装置、印刷物を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較のインクジェット記録装置の、記録ヘッド配列を示す模式図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の、記録ヘッド配列を示す模式図である。
【図3】比較のインクジェット記録装置の、裏刷り用の記録ヘッド配列を示す模式図である。
【図4】本発明のインクジェット記録装置の、裏刷り用の記録ヘッド配列を示す模式図である。
【符号の説明】
1 記録材料
2 記録材料ロール
3 記録ヘッドの主走査方向
4 記録ヘッドの副走査方向
Claims (8)
- 選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも一つのノズルを有する複数の記録ヘッドであって、該記録ヘッドの少なくとも一つは白インクを吐出する記録ヘッドで、活性光線により硬化するインクを吐出する記録装置において、該複数の記録ヘッドを副走査方向に一列に配置し、前記複数の記録ヘッドの配列順を入れ替え可能に構成し、かつ、白インクを吐出する記録ヘッドを用いて白インクを吐出するに当たり白インクを白インク以外のインクに先駆けて吐出する場合は白インクを吐出するヘッドを記録材料の搬送方向の最上流側に配置し、白インクを白インク以外のインクの吐出後に吐出する場合は白インクを吐出するヘッドを記録材料の搬送方向の最下流側に配置したことを特徴とする記録装置。
- 記録ヘッドの両側に光源を設けることを特徴とする請求項1記載の記録装置。
- 光源の消費電源が1kW未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の記録装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の記録装置を用いることを特徴とする画像形成方法。
- 用いるインクの25℃における粘度が35〜200mPa・sであることを特徴とする請求項4記載の画像形成方法。
- 請求項4又は5記載の画像形成方法により、プラスチックフィルムに画像形成することを特徴とする印刷物。
- 請求項4又は5記載の画像形成方法により、シュリンクフィルムに画像形成することを特徴とする印刷物。
- 請求項4又は5記載の画像形成方法により、粘着ラベルに画像形成することを特徴とする印刷物。
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