JP4272866B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスを用いる複写機、ページプリンター、FAXなどの画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、転写型の電子写真方式を用いた複写機・プリンタ・ファクシミリなどの画像形成装置は、回転ドラム型を一般的とする像担持体である電子写真感光体(感光体)、その感光体を所定の極性・電位に一様に帯電処理する帯電装置(帯電工程)、帯電処理された感光体に静電潜像を形成する情報書き込み手段として露光装置(露光工程)、感光体上に形成された静電潜像を現像剤であるトナーにより現像剤像(トナー像)として顕像化する現像装置(現像工程)、上記トナー像を感光体面から紙などの転写材に転写する転写装置(転写工程)、転写工程後の感光体上に多少ながら残余する現像剤(残留トナー、転写残トナー)を除去して感光体表面を清掃するクリーニング装置(クリーニング工程)、転写材上のトナー像を定着させる定着装置(定着工程)などから構成されており、感光体は繰り返し電子写真プロセス(帯電・露光・現像・転写・クリーニング)が適用されて作像に供される。
【0003】
一般に、クリーニング装置により感光体面から除去された転写残トナーを収容する廃トナー回収容器がクリーニング装置内に設けられている。よって、耐久寿命が長い画像形成装置とするためには、この容器を大型にする必要があり、装置の小型化の点でデメリットとなる。
【0004】
そこで、廃トナー回収容器を有するクリーニング装置を廃し、転写工程後の感光体上の転写残トナーを現像装置において「現像同時クリーニング」で感光体上から除去・回収し、再利用するようにしたクリーナレス方式の画像形成装置がある。
【0005】
「現像同時クリーニング」は、転写後の感光体上の転写残トナーを次工程以降の現像工程時、即ち、引き続き感光体を帯電し、露光して静電潜像を形成した後、この静電潜像を現像する現像過程で、カブリ取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるカブリ取り電位差Vback)によって、現像されるべきでない感光体上の部分に存在する転写残トナーを現像装置に回収する方法である。
【0006】
この方法によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以降の静電潜像の現像に再利用されるため、廃トナーをなくし、又メンテナンスに手を煩わさせることも少なくすることができる。又、クリーナレスであることで画像形成装置の小型化にも有利である。
【0007】
一方、帯電手段としては近年コロナ帯電器に代わり、特に、接触帯電部材として導電ローラを用いたローラ帯電方式が、帯電の安定性という点から好ましく用いられている。ローラ帯電方式では導電性の弾性ローラ(帯電ローラ)を被帯電体に加圧当接させ、これに電圧を印加することによって被帯電体の帯電処理を行う。
【0008】
この帯電方式に関しては、特許文献1に開示されるように、所望の被帯電体表面電位Vdに相当するDC電圧に、2×Vth(放電開始電圧)以上のピーク間電圧を持つAC電圧成分を重畳した電圧を接触帯電部材に印加するAC帯電方式が提案され、実用にも供されている。このAC電圧による電位のならし効果により、DC帯電方式よりも更なる帯電の均一化を図ることができ、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央であるVdにほぼ収束する。
【0009】
転写工程後の感光体上の転写残トナーを現像装置において「現像同時クリーニング」で除去・回収するクリーナレス方式の画像形成装置において、感光体の帯電装置として上記接触帯電装置を用いる場合には、感光体上の転写残トナーが、感光体と接触帯電装置の接触ニップ部である帯電部を通過する際に、転写残トナー中の、特に、帯電極性が正規極性とは逆極性に反転しているトナーが接触帯電装置に付着して接触帯電装置を許容以上にトナー汚染させ、帯電不良の原因となることがある。
【0010】
これは、現像剤としてのトナーには、量的には少ないけれども、帯電極性がもともと正規極性とは逆極性に反転しているトナーが混在しているものや、更に帯電極性が正規極性のトナーであっても転写バイアスや剥離放電などに影響されて帯電極性が反転するものや、除電されて帯電量が少なくなるものがあるためである。
【0011】
つまり、転写残トナーには、帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在しており、その内の反転トナーや帯電量が少ないトナーが感光体と接触帯電装置との接触ニップ部である帯電部を通過する際に接触帯電装置に付着し易い。
【0012】
又、感光体上の転写残トナーを現像装置の「現像同時クリーニング」にて除去・回収するためには、帯電部を通過して現像部に持ち運ばれる感光体上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、且つ、その帯電量が現像装置によって感光体の静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては感光体上から現像装置に除去・回収できず、不良画像の原因となることがある。
【0013】
そこで、本出願人は、特許文献2に開示するように、感光体の回転方向において、転写部の下流に残留現像剤均一化手段を設け、更に下流で且つ感光体を帯電する帯電手段の上流に現像剤帯電量制御手段を設けた画像形成装置を提案した。
【0014】
現像剤帯電量制御手段には、正規極性で放電開始電圧以上の直流電圧が印加され、ここを通過する転写残トナーは十分な放電により正規極性に帯電付与される。これにより、接触帯電部材による帯電工程で転写残トナーの上から感光体を帯電処理する際に、正規極性に帯電付与された転写残トナーは、接触帯電部材へ付着しない。又、残留現像剤均一化手段は、転写部から現像剤帯電量制御手段へ持ち運ばれる感光体上の転写残トナー像のパターンを、感光体面に分散して非パターン化する。分散分布された転写残トナーは、次いで現像剤帯電量制御手段によって十分に正規極性に帯電処理される。
【0015】
一方、現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段が導電性繊維ブラシ部を有し、この導電性繊維ブラシ部を感光体に接触させて感光体の転写残トナー像を分散分布化し、又正規の極性に帯電させる制御する場合において、感光体上にトナーが融着し、不良画像が発生することがあった。
【0016】
上述のように感光体上にトナーが融着する原因は、次のように考えられる。つまり、残留現像剤均一化手段及び現像剤帯電量制御手段を通過した後の転写残トナーは、正規極性ではあるものの、その帯電量が高い値になっているため、このままでは、現像装置での回収が不可能である。そのため、接触帯電装置にAC電圧を印加して、その除電効果により転写残トナーを現像装置にて回収し得る適性帯電量に制御する。しかしながら、斯かる方法によっても、局所的な転写残トナーの過帯電を完全には防止することができないことがある。そのために、感光体と過帯電転写残トナーとの鏡映力が強くなり過ぎて、このトナーが接触帯電部材においても付着せず、現像装置においても回収できず、転写手段においても転写されなくなってしまう。その結果、過帯電転写残留トナーが感光体面に融着する。
【0017】
そこで、本出願人は、特許文献3に開示するように、現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段を感光体の長手方向に往復移動(以下、「レシプロ動作」という。)させる構成を設けた画像形成装置を提案した。
【0018】
現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段を感光体の長手方向にレシプロ動作させることで、局所的な転写残トナーの過帯電を確実に防止することができ、感光体面上へのトナー融着のない良好な画像が得られた。
【0019】
【特許文献1】
特開昭63−149669号公報
【特許文献2】
特開2001―215798号公報
【特許文献3】
特開2001―215799号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記「現像同時クリーニング」方式、ローラ帯電方式を採用した画像形成装置において、導電性繊維ブラシ部を備える現像剤帯電量制御手段を設け、更にこれら現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段をレシプロ動作させる構成を具備した場合において、以下のような問題が発生した。
【0021】
(1)レシプロ動作により、現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段の端面(感光体の軸線方向端部側面)が現像装置の現像剤担持部より内側に位置した場合に、次のような問題が発生することがあった。
【0022】
つまり、現像装置は、量的には少ないけれども、感光体上にカブリトナー(現像剤が付着すべきでない非画像部に付着するトナー)を付着させる。このカブリトナーには、帯電極性が正規極性とは逆極性のものや、ほとんど帯電電荷を持っていないものが含まれている。又、転写工程後には、僅かではあるが感光体上に転写残トナーが発生する。この転写残トナーにも、帯電の極性が正規極性とは逆極性のものや、ほとんど帯電電荷を持っていないものが含まれている。
【0023】
このため、レシプロ動作により、現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段の端面が現像装置の現像剤担持部より内側に位置した場合に、カブリトナーや転写残トナーが現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段を通過せずに接触帯電部材に直接接触すると、これらのトナーが接触帯電部材に付着し、接触帯電部材を許容以上にトナー汚染させる。その結果、帯電不良による異常画像が発生することがある。
【0024】
(2)レシプロ動作により、現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段の端面が一旦現像装置の現像剤担持部の内側に寄ることで、現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段の表面にトナーが付着し、そのトナーが付着した部分が移動して現像装置の現像剤担持部より外側に達した場合に、次のような問題が発生することがあった。
【0025】
つまり、上述のようにして現像装置の現像剤担持部より外側に移動されたカブリトナーや転写残留トナーは、現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段の作用により正規極性及び適正帯電量に制御されているので、接触帯電部材にはほとんど付着しないが、現像装置での回収ができない。結果として、感光体上にトナーが付着し、堆積していくことになり、トナー飛散などの問題が発生することがあった。
【0026】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、像担持体の長手方向に移動可能な現像剤帯電量制御手段を用いた転写残現像剤の除去、回収性を向上させた画像形成装置を提供することである。
【0027】
本発明の他の目的は、現像剤帯電量制御手段を往復移動させる場合であっても、帯電手段への現像剤付着を抑制し、帯電不良による異常画像を防止することのできる画像形成装置を提供することである。
【0028】
本発明の他の目的は、現像剤帯電量制御手段を往復移動させる場合であっても、像担持体上への現像剤の堆積を抑制し、トナー飛散などを防止することのできる画像形成装置を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、像担持体と;振動電圧が印加され前記像担持体を帯電させる帯電手段と;現像剤を担持して前記像担持体に現像剤を供給し、帯電した前記像担持体に形成された静電像を現像する現像手段と;前記像担持体上の現像剤像を被転写体に転写させる転写手段と;前記像担持体に接触し、前記像担持体表面の移動方向において前記帯電手段より上流、且つ、前記転写手段より下流に位置し、前記像担持体の長手方向と略平行な方向に移動可能であると共に、前記像担持体上の現像剤を帯電させる現像剤帯電量制御手段と;を有する画像形成装置において、前記現像手段は、前記像担持体上の現像剤を回収可能であり、前記転写手段は、前記像担持体の長手方向における前記現像手段の現像剤担持部の外側に位置する前記像担持体上の現像剤を回収可能であり、前記像担持体の長手方向と略平行な方向における、前記現像手段の現像剤担持部の長さをL1、前記現像剤帯電量制御手段の作用部の長さをL2、前記帯電手段の作用部の長さをL3、前記転写手段の作用部の長さをL4、前記像担持体の帯電可能部の長さをL5、前記現像剤帯電量制御手段の移動幅をdとするとき、
L1+d≦L2≦L5−d
L1+2×d≦L3≦L5
L1+2×d≦L4
の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置である。
【0030】
本発明の一実施態様によると、画像形成装置は更に、前記被転写体上の現像剤を除去するクリーニング手段を有し、前記像担持体の長手方向と略平行な方向における該クリーニング手段の作用部の長さをL6とするとき、L1+2×d≦L6の関係を満たす。
【0031】
本発明において、一実施態様では、前記現像剤帯電量制御手段は、前記像担持体の長手方向と略平行な方向に往復移動する。又、一実施態様では、前記現像剤帯電量制御手段には、現像剤の正規極性と同極性の直流電圧が印加される。一実施態様では、前記現像剤帯電量制御手段は、前記像担持体に接触する導電性繊維ブラシ部を有する。そして、前記帯電手段は、前記像担持体に接触して前記像担持体を帯電させるものであってよい。
【0032】
本発明の他の実施態様によると、画像形成装置は更に、前記像担持体表面の移動方向において前記現像剤帯電量制御手段より上流、且つ、前記転写手段より下流に位置し、前記像担持体上の現像剤を均一化する残留現像剤均一化手段を有する。一実施態様では、前記残留現像剤均一化手段は、前記像担持体の長手方向と略平行な方向に移動可能である。そして、前記残留現像剤均一化手段は、前記像担持体の長手方向と略平行な方向に往復移動するものであってよい。一実施態様では、前記残留現像剤均一化手段は、前記像担持体に接触する導電性繊維ブラシ部を有する。一実施態様では、前記像担持体の長手方向と略平行な方向における、前記残留現像剤均一化手段の作用部の長さは、前記現像剤帯電量制御手段の同方向の長さと略同一であり、前記残留現像剤均一化手段の移動幅は、前記現像剤帯電量制御手段の移動幅と略同一である。
【0033】
本発明の一実施態様によると、画像形成装置は、各々前記像担持体と、前記帯電手段と、前記現像手段と、前記転写手段と、前記現像剤帯電量制御手段と、を備える画像形成部を複数有し、各画像形成部に対向して移動する前記被転写体上に、各画像形成部の前記像担持体から現像剤を転写しうる。前記被転写体は、中間転写体、又は転写材を担持して搬送する転写材担持体であってよい。又、前記各画像形成部は、それぞれ異なる色の現像剤像を、前記転写体に形成するものであってよい。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0036】
実施例1
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成を示す。本実施例の画像形成装置100は、転写方式電子写真プロセス、接触帯電方式、反転現像方式を用いた、最大通紙サイズがA3サイズのカラーレーザープリンタであり、画像形成装置本体(装置本体)と通信可能に接続された外部ホスト装置からの画像情報に応じて転写材、例えば、用紙、OHPシート、布などにフルカラーの画像を形成し、出力することができる。
【0037】
画像形成装置100は、複数個のプロセスカートリッジ8を有し、各プロセスカートリッジ8により、一旦、中間転写体91に連続的にトナー像を多重転写し、その後転写材Pに一括転写することによりフルカラープリント画像を得る4連ドラム方式(インライン)の画像形成装置である。プロセスカートリッジ8は、中間転写ベルト91の移動方向において直列にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に4個配置されている。
【0038】
本実施例では、複数の像形成手段たるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色の画像形成部PY、PM、PC、PBkは、使用する現像剤の色が異なる他は同一の構成とされるので、以下、特に区別を要しない場合は、各画像形成部の要素であることを示す符号の添え字Y、M、C、Bkは省略し、総括的に説明する。
【0039】
例えば、4色フルカラー画像を形成する場合の全体動作を説明すると、画像形成装置100と通信可能に接続された外部ホスト装置からの信号に従って、色分解された画像信号が生成され、この信号に応じて、各画像形成部PY、PM、PC、PBkの各プロセスカートリッジ8Y、8M、8C、8Bkにおいて各色のトナー像の形成が行われる。各プロセスカートリッジ8Y、8M、8C、8Bkでは、像担持体としての電子写真感光体(感光ドラム)1を帯電手段2によって帯電させ、その一様帯電面を露光手段3によって走査露光することで感光ドラム1上に静電潜像を形成し、この静電潜像に現像手段4によって現像剤であるトナーを供給することによりトナー像を形成する。各感光ドラム1に形成された各色のトナー像は、移動する中間転写体(第2の像担持体)としての中間転写ベルト91上に順次重ね合わせて転写される。そして、中間転写ベルト91上に形成されたフルカラーのトナー像は、中間転写ベルト91と2次転写手段としての2次転写ローラ10とが対向する2次転写部に搬送されてきた転写材P上に一括転写される。次いで、転写材Pは定着手段12に搬送され、ここでトナー像の定着を受けた後、機外に排出される。
【0040】
以下、図2をも参照して、画像形成装置100の各要素について、順次より詳しく説明する。
【0041】
画像形成装置100は、像担持体として回転ドラム型の電子写真感光体(感光ドラム)1を有する。本実施例では、感光ドラム1は有機光導電体(OPC)ドラムで、その長手長さは370mm、外径は30mmであり、中心支軸を中心に100mm/secのプロセススピード(周速度)をもって図中矢示の反時計方向に回転駆動される。感光ドラム1は、アルミニウム製シリンダ(導電性ドラム基体)の表面に、光の干渉を抑えて上層の接着性を向上させる下引き層と、光電荷発生層と、電荷輸送層(厚さ20μm)との3層を下から順に塗り重ねた構成をしている。この接触帯電処理が可能である塗工部(帯電可能部)の長手長さ(塗工幅)は340mmに設定した。
【0042】
本実施例では、画像形成装置100は、帯電手段として、接触帯電器である帯電ローラ2を有する。帯電ローラ2に所定の条件の電圧を印加することで、感光ドラム1を一様に負極性に帯電させる。帯電ローラ2は、芯金(支持部材)2aの外回りに、下層2bと、中間層2cと、表面層2dとを下から順次に積層した3層構成とした。下層2bは帯電音を低減するための発泡スポンジ層であり、中間層2cは帯電ローラ2全体として均一な抵抗を得るための抵抗層であり、表層2dは感光ドラム1上にピンホールなどの欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層である。本実施例の帯電ロ一ラ2は、芯金2aとして直径6mmのステンレス丸棒を用い、表層としてフッ素樹脂にカーボンを分散させており、ローラとしての外径は14mm、ローラ抵抗は104Ω〜107Ω、帯電処理部(作用部)の長手長さ(帯電幅)は320mmに設定した。
【0043】
帯電ロ一ラ2は、芯金2aの両端部をそれぞれ軸受け部材により回転自在に保持させると共に、押圧ばねによって感光ドラム1方向に付勢して、感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接させている。又、帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転に従動して回転する。そして、電圧印加手段としての電源20から、直流電圧に所定周波数の交流電圧を重畳した所定の振動電圧(帯電バイアス電圧Vdc+Vac)が、芯金2aを介して帯電ローラ2に印加され、回転する感光ドラム1の周面が所定の電位に帯電処理される。帯電ローラ2と感光ドラムの接触部が帯電部aである。
【0044】
本実施例では、帯電ローラ2に印加する帯電バイアス電圧は、−500Vの直流電圧と、周波数=1150Hz、ピーク間電圧Vpp=1400V、正弦波の交流電圧とを重畳した振動電圧であり、感光ドラム1の周面は−500V(暗部電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
【0045】
又、帯電ローラ2に対して、帯電ローラクリーニング部材2fが設けられている。本実施例では、帯電ローラクリーニング部材2fは可撓性を持つクリーニングフィルムであり、その長手長さは330mmに設定した。このクリーニングフィルム2fは、帯電ローラ2の長手方向に対し平行に配置され、且つ、同長手方向に対し一定量のレシプロ動作をする支持部材2gに一端を固定され、自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触ニップを形成するよう配置されている。本実施例では、移動幅6mmのレシプロ動作を行う。又、支持部材2gが、画像形成装置100の駆動モーターによりギア列を介して駆動され、長手方向に一定量のレシプロ動作をすることで、帯電ローラ2の表層2dがクリーニングフィルム2fで摺擦される。これにより、帯電ローラ2の表層2dの付着汚染物(微粉トナー、外添剤など)の除去がなされる。
【0046】
感光ドラム1は、帯電ローラ2により所定の極性・電位に一様に帯電処理された後、画像露光手段(カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力するレーザスキャンによる走査露光系など)による画像露光Lを受ける。これにより、目的のカラー画像の各画像形成部PY、PM、PC、PBkに対応した色成分の静電潜像が形成される。本実施例では露光手段として、半導体レーザを用いたレーザビームスキャナ3を用いた。レーザビームスキャナ3は、画像読み取り装置(図示せず)などのホスト装置から画像形成装置100側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザ光を出力して、回転する感光ドラム1の一様帯電処理面をレーザ走査露光(イメージ露光)する。このレーザ走査露光により、感光ドラム1面のレーザ光Lで照射されたところの電位が低下することで、回転する感光ドラム1面には、走査露光した画像情報に対応した静電潜像が形成される。本実施例では、露光部電位Vlを−150Vとした。感光ドラム1における画像露光Lの照射位置が露光部bである。
【0047】
次いで、その感光ドラム1に形成された静電潜像は、現像手段としての現像器4でトナーにより現像される。本実施例において、現像器4は2成分接触現像器(2成分磁気ブラシ現像器)である。現像器4は、現像容器(現像器本体)40、内部に固定配置されたマグネットローラを有する現像剤担持体としての現像スリーブ41、現像剤規制部材としての現像剤規制ブレード42、現像容器40に収容した主に樹脂トナー粒子(トナー)と磁性キャリア粒子(キャリア)との混合物である二成分現像剤(現像剤)46、現像容器40内の底部側に配設した現像剤攪拌部材43、44などを具備する。
【0048】
現像スリーブ41は、その外周面の一部を外部に露呈させて現像容器40内に回転可能に配設されており、その外径は16mm、現像剤担持部(現像剤コート部)の長手長さ(現像幅)は310mmに設定した。現像スリーブ41には、所定間隙(250μm)を有して現像剤規制ブレード42が対向されており、現像スリーブ41の図中矢印方向の回転に伴い、現像スリーブ41上に現像剤薄層を形成する。本実施例では、現像スリーブ41は、感光ドラム1との最近接距離(S−Dgap)を400μmに保たせて感光ドラム1に近接させて対向配設した。感光ドラム1と現像スリーブ41との対向部が現像部cである。
【0049】
又、現像スリーブ41は現像部cにおいて感光ドラム1の進行方向とは逆方向に、感光ドラム1に対して周速比170%の周速度で回転駆動される。現像スリーブ41上の現像剤薄層は、現像部cにおいて感光ドラム1の面に対して接触して、感光ドラム1を適度に摺擦する。現像スリーブ41には電圧印加手段としての電源(図示せず)から所定の現像バイアス電圧が印加される。本実施例では、現像スリーブ41に印加する現像バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。より具体的には、−350VのVdcと、1800Vpp、周波数=2300HzのVacとを重畳した振動電圧である。
【0050】
而して、回転する現像スリーブ41の表面に現像剤46は薄層としてコーティングされ、現像部cに搬送された現像剤46中のトナーが、現像バイアス電圧による電界によって感光ドラム1に形成された静電潜像に対応して選択的に付着することで、静電潜像がトナー像として現像される。本実施例では、感光ドラム1上の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。現像部cを通過した現像スリーブ41上の現像剤薄層は、引き続く現像スリーブ41の回転に伴い現像容器40内の現像剤溜り部に戻される。
【0051】
更に、現像器4内には、現像剤攪拌部材としての撹拌スクリュー43、44が設けられている。攪拌スクリュー43、44は、現像スリーブ41の回転と同期して回転し、補給されたトナーをキャリアと攪拌・混合して、トナーに所定の帯電電荷を与える機能を有する。又、攪拌スクリュー43、44は、それぞれ長手方向において反対方向に現像剤46を搬送し、現像剤46を現像スリーブ41に供給すると共に、現像工程によりトナー濃度(現像剤中のトナーの割合)の薄くなった現像剤46をトナー補給部に搬送し、現像剤46を現像容器40内で循環させる機能を有する。
【0052】
現像器4のスクリュー44の上流側壁面には、現像剤46の透磁率変化を検出して現像剤46中のトナー濃度を検知するトナー濃度センサー45が設けられており、現像剤46の循環方向においてトナー濃度センサー45のやや下流側にトナー補給開口47が設けられている。現像動作を行った後に、現像剤46はトナー濃度センサー45部に運ばれ、ここでトナー濃度が検知される。その検知結果に応じて、現像剤46中のトナー濃度を一定に維持するために、適宜、現像器4に接続された現像剤補給容器(トナー補給ユニット)5が備えるスクリュー51の回転により、トナー補給ユニット5から現像器4のトナー補給開口47を通してトナー補給が行われる。補給されたトナーは攪拌スクリュー44により搬送され、キャリアと混ざり合い、適度な帯電電荷を付与された後に、現像スリーブ41の近傍に運ばれ、現像スリーブ41上で薄層形成され現像に供される。
【0053】
本実施では、トナーとして、平均粒径6μmのネガ帯電トナーを用い、キャリアとしては、飽和磁化が205emu/cm3、平均粒径35μmの磁性キャリアを用いた。又、トナーとキャリアを重量比6:94で混合したものを現像剤として用いた。そして、感光ドラム1上で現像に供されたトナーの帯電量は、−25μC/gである。
【0054】
各画像形成部PY、PM、PC、PBkの各感光ドラム1に対向するように、転写手段としての中間転写ユニット9が設けられている。中間転写ユニット9では、中間転写体(第2の像担持体)としての無端状の中間転写ベルト91が、駆動ローラ94、テンションローラ95及び2次転写対向ローラ96に所定の張力を持って掛け渡されており、図中矢印の方向に移動する。
【0055】
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラム1と中間転写ベルト91との対向部である1次転写ニップ部(転写部)dへ進入する。転写部dでは、中間転写ベルト91の裏側に、1次転写手段としての1次転写ローラ92が当接されている。1次転写ローラ92は、導電性スポンジからなり、その抵抗は106Ω以下、外径は16mm、当接部(作用部)の長手長さ330mmに設定した。1次転写ローラ92には、各画像形成部PY、PM、PC、PBkで独立に1次転写バイアス電圧を印加可能とするため、それぞれ電圧印加手段としての1次転写バイアス電源93が接続されている。中間転写ベルト91には、先ず、1色目(イエロー)の画像形成部PYで、上述の動作により感光ドラム1に形成されたイエローのトナー像を転写し、次いで同様の工程を経た各色に対応する感光ドラム1より、順次マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー像を各画像形成部PM、PC、PBkで多重転写する。
【0056】
本実施例においては、露光部(露光部電位Vl:−150V)に転移されたトナーに対する転写効率を考慮し、一次転写バイアス電圧として、1色目〜4色目まですべて+350Vの電圧を印加した。中間転写ベルト91上で形成された4色フルカラー画像は、次いで2次転写手段としての2次転写ローラ10により、転写材送給手段(図示せず)から供給され、所定のタイミングで搬送手段としての給紙ローラ12から送られてきた転写材Pに一括転写される。
【0057】
トナー像が転写された転写材Pは、次いで定着手段としてのローラ定着器12に搬送され、ここで熱、圧力によってトナー像が転写材Pに溶融定着される。その後、転写材Pは機外に排出されカラープリント画像が得られる。
【0058】
中間転写ベルト91の材料としては、各色の画像形成部PY、PM、PC、PBkでのレジストレーションを良くするため、伸縮する材料は望ましくなく、樹脂系、或いは金属芯体入りのゴムベルト、樹脂及びゴムからなるベルトが望ましい。本実施例では、PI(ポリイミド)にカーボン分散し、体積抵抗率を108Ωcmオーダーに制御した樹脂ベルトを用いた。その厚さは80μm、長手方向390mm、全周は900mmである。
【0059】
中間転写ベルト91上に残留する2次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーナ11が備えるクリーニング手段としてのクリーニングブレード11aによってクリーニングされ、次の作像工程に備える。クリーニングブレード11aは、当接部(作用部)の長手長さを330mmに設定した。
【0060】
更に、各画像形成部PY、PM、PC、PBkには、現像剤帯電量制御手段6と残留現像剤均一化手段7とが設けられており、それぞれ感光ドラム1に当接されている。本実施例では、現像剤帯電量制御手段6、残留現像剤均一化手段7は、両者とも導電性の繊維からなるブラシ部材を用いた。より具体的には、現像剤帯電量制御手段6は、横長の電極板62にブラシ部(作用部)61を具備させたものである。又、残留現像剤均一化手段7についても同様に、電極板72にブラシ部(作用部)71を具備させてなる。そして、ブラシ部61、71を感光ドラム1面に当接させて配設している。
【0061】
現像剤帯電量制御手段6、残留現像剤均一化手段7のブラシ部61、71は、レーヨン、アクリル、ポリエステルなどの繊維にカーボンや金属粉を含ませて抵抗値を制御したものである。ブラシ部61、71は、感光ドラム1の表面及び転写残トナーに均一に接触できるように、太さとしては30デニール以下、密度としては1〜50万本/inch2以上が好ましい。本実施例では、ブラシ部61、71は共に、6デニール、10万本/inch2、毛足の長さ5mmで、ブラシの体積抵抗率は6×103Ω・cmとした。
【0062】
この現像剤帯電制量制御手段6及び残留現像剤均一化手段7は、感光ドラム1の長手方向に対し略平行に配置され、且つ、同長手方向に対し一定量の往復移動(レシプロ動作)をする支持部材79に固定され、ブラシ部61、71が感光ドラム1面に対して侵入量1mm、当接ニップ部幅は5mmとなるように当接するよう配置されている。
【0063】
本実施例では、支持部材79は、画像形成装置100の駆動モーター(図示せず)により感光ドラム1に伝達される回転駆動がギア列を介して伝達され、長手方向に対し一定量往復移動(レシプロ動作)するように駆動される。これにより、感光ドラム1面は、現像剤帯電量制御手段6のブラシ部61及び残留現像剤均一化手段7のブラシ部71で摺擦される。本実施例では、レシプロ動作による移動幅(レシプロ量)dは、5mmに設定した。
【0064】
図2に示すように、本実施例では、転写部dよりも感光ドラム1の回転方向下流側且つ帯電部aよりも上流側に位置して、感光ドラム1の回転方向上流から順に、残留現像剤均一化手段7、現像剤帯電量制御手段6が配置され、残留現像剤均一化手段7と感光ドラム1との接触部e、現像剤帯電量制御手段6と感光ドラム1との接触部fが形成されている。
【0065】
本実施例では、現像剤帯電制量制御手段6には、現像剤の正規極性と同極性である負極性の直流電圧が、電圧印加手段としての電源21より印加されている。又、残留現像剤均一化手段7には、直流電圧が重畳された交流電圧が、電圧印加手段としての電源22より印加されている。
【0066】
画像形成装置100が備える電源20、21、22などの電圧印加手段は、画像形成装置本体が有する、装置動作を統括制御する制御手段としての制御回路130によって制御される。
【0067】
尚、本実施例では、感光ドラム1、帯電ローラ2、帯電ローラクリーニング部材2f、現像器4、残留トナー均一化手段7、トナー帯電量制御手段6などは、帯電ユニット枠体111、現像枠体112によって一体的にカートリッジ化されてプロセスカートリッジ8を構成する。プロセスカートリッジ8は、画像形成装置本体に設けられた装着手段110aを介して取り外し可能に装着される。又、プロセスカートリッジ8が画像形成装置本体に装着された状態で、画像形成装置本体に設けられた駆動手段(図示せず)とプロセスカートリッジ8側の駆動伝達手段が接続され、感光ドラム1、現像器4、帯電ローラ2などが駆動可能な状態となる。更に、プロセスカートリッジ8が画像形成装置本体に装着された状態で、帯電ローラ2、トナー帯電量制御手段6、残留トナー均一化手段7にバイアスを印加する電源20、21、22、現像スリーブ41にバイアスを印加する電源(図示せず)などの各種電圧印加手段は、プロセスカートリッジ8側及び画像形成装置本体側にそれぞれ設けられた接点を介して対象と電気的に接続される。一方、トナー補給ユニット5は、現像器4及び画像形成装置本体に対して装着手段110bを介して着脱可能に装着される。このようにプロセスカートリッジ8、トナー補給ユニット5を画像形成装置本体に着脱可能とすることによって、例えば感光ドラム1の耐久寿命時、補給用トナーが無くなった時などに、例えば使用者自身でプロセスカートリッジを交換することによって消耗品の交換、装置のメンテナンスを行うことができ、飛躍的に操作性、メンテナンス性が向上する。
【0068】
以下、現像剤帯電量制御手段6及び残留現像剤均一化手段7の作用を更に詳しく説明する。
【0069】
現像器4は、量的には少ないけれども、感光ドラム1上にカブリトナーを付着させる。このカブリトナーには、帯電極性が正規極性とは逆極性のトナー(本実施例では、正極性)や、ほとんど帯電電荷を持っていないトナーが含まれている。又、転写工程後の感光ドラム1上には、僅かではあるが、転写残トナーが存在する。この転写残トナーには、画像部の負極性(正規極性)トナー、非画像部の正極性(逆極性)トナー、転写の正極性の電圧に影響され極性が正極性に反転してしまったトナー(反転トナー)などが含まれている。
【0070】
現像剤帯電量制御手段6及び残留現像剤均一化手段7は、このような正極性、逆極性、帯電電荷量の低いトナーに対して、帯電電荷の制御を行い、帯電ローラ2へのトナー付着を防止し、且つ、現像器4でのトナー回収性を高める。
【0071】
又、現像剤帯電量制御手段6及び残留現像剤均一化手段7を、感光ドラム1の長手方向に一定量レシプロ動作させる。これにより、局所的な転写残留トナーの過帯電を防止し、感光ドラム1面へのトナー融着のない良好な画像を得ることができる。
【0072】
しかしながら、この現像剤帯電量制御手段6及び残留現像剤均一化手段7のレシプロ動作によって、現像スリーブ41の現像剤担持部(現像剤コート部)と、現像剤帯電量制御手段6及び残留現像剤均一化手段7との位置関係が変化することにより、前述の問題(1)、(2)が生じることがある。
【0073】
図3は、現像スリーブ41の現像剤担持部Gと、現像剤帯電量制御手段6のブラシ部(以下、「第1ブラシ」という。)61及び残留現像剤均一化手段7のブラシ部(以下、「第2ブラシ」という。)71の端面、即ち、感光ドラム1との接触部の感光ドラム1の軸線方向(長手方向)における端部側面との位置関係を示す。
【0074】
図3に示す位置Aは、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の基準位置であり、第1ブラシ61、第2ブラシ71、現像剤担持部Gのそれぞれの長手中心が同一線上にある。又、位置Bは、第1ブラシ61及び第2ブラシ71がレシプロ動作の一方の限界(図中一番右側)に位置した時であり、位置Cは、他方の限界(図中一番左側)に位置した時である。
【0075】
本実施例では、第1ブラシ61と、第2ブラシ71との長手長さは略同一である(図中L2)。
【0076】
ここで、レシプロ動作(移動量d)によって、第1ブラシ61及び第2ブラシ71が位置Bにある時においても、図中左側の端面61a、71bが現像スリーブ41の現像剤担持部Gの外側に位置する必要がある。又、位置Cにある時においても、図中右側の端面61b、71bが現像スリーブ41の現像剤担持部Gの外側に位置する必要がある。
【0077】
これは、カブリトナーや転写残トナーが、第1ブラシ61及び第2ブラシ71を通過せずに、帯電ローラ2に直接接触して付着し、帯電ローラ2を許容以上にトナー汚染させることで、帯電不良による異常画像が発生するのを防止するためである。
【0078】
そこで、レシプロ動作を行っても、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の端面が現像スリーブ41の現像剤担持部Gの外側に確実に位置するようにする。即ち、図3において、現像スリーブ41の現像剤担持部Gの長手長さ(現像幅)(L1)と、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の長手長さ(L2)との関係が、次式(1)、
L1+d≦L2 ・・・(1)
を満たすように設定する。これにより、カブリトナーや転写残留トナーが帯電ローラ2に直接接触しないようにして、帯電不良による異常画像の発生を防止することができる。具体的には、本実施例では、L1=310mm、L2=320mm、d=5mmに設定した。
【0079】
図4は、現像スリーブ41の現像剤担持部Gと、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の端面と、帯電ローラ2の帯電処理部と、感光ドラム1の塗工部(帯電可能部)との位置関係を示す。
【0080】
図4に示す位置Aは、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の基準位置であり、第1ブラシ61、第2ブラシ71、現像剤担持部G、帯電ローラ2の帯電処理部、感光ドラム1の塗工部のそれぞれの長手中心が同一線上にある。又、位置Bは、第1ブラシ61及び第2ブラシ71がレシプロ動作の一方の限界(図中一番右側)に位置した時であり、位置Cは、レシプロ動作の他方の限界(図中一番左側)に位置した時である。
【0081】
現像スリーブ41の現像剤担持部Gの長手長さ(L1)と、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の長手長さ(L2)とを、上記関係式(1)を満たすように設定すると、第1ブラシ61及び第2ブラシ71のトナーが付着した部分が、レシプロ動作により現像スリーブ41の現像剤担持部Gより外側に達する領域が発生する。
【0082】
上述したとおり、カブリトナーや転写残トナーは、現像剤帯電量制御手段6及び残留現像剤均一化手段7の作用により、正規極性及び適正帯電量に制御されているので、帯電ローラ2にはほとんど付着しない。しかしながら、第1ブラシ61及び第2ブラシ71に付着して、現像スリーブ41の現像剤担持部Gの外側に運ばれたトナーは、現像スリーブ41の現像剤担持部Gでの回収が不可能となり、結果として、図4に示す部分Hにおいて感光ドラム1面にトナーが付着、堆積して、トナー飛散などの問題が発生することがある。
【0083】
そこで、本発明者らは鋭意検討の結果、下記に示す方法により感光ドラム1面に付着、堆積するトナーを除去、回収する。
【0084】
図5は、現像スリーブ41の現像剤担持部Gと、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の端面と、帯電ローラ2の帯電処理部と、感光ドラム1の塗工部と、1次転写ローラ92の作用部、中間転写ベルトクリーナ11が備えるクリーニングブレード11aの作用部の位置関係を示す。
【0085】
図5に示す位置Aは、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の基準位置であり、第1ブラシ61、第2ブラシ71、現像剤担持部G、帯電ローラ2の帯電処理部、感光ドラム1の塗工部、1次転写ローラ92の作用部、クリーニングブレード11aの作用部の、それぞれの長手中心が同一線上にある。又、位置Bは、第1ブラシ61及び第2ブラシ71がレシプロ動作の一方の限界(図中一番右側)に位置した時であり、位置Cは、レシプロ動作の他方の限界(図中一番左側)に位置した時である。
【0086】
先ず、現像スリーブ41の現像剤担持部Gで回収することのできない、感光ドラム1上に付着するトナー(図5に示すH部分)を、転写部dにおいて随時中間転写ベルト91に転写、付着させる。
【0087】
このように、感光ドラム1のH部に付着したトナーを、随時中間転写ベルト91に転写、付着させるためには、このトナーが、帯電電荷が制御され、正規極性で適正な帯電量をもったトナーであることが必要である。上述したとおり、現像剤帯電量制御手段6及び残留現像剤均一化手段7を通過した後のトナーの帯電量は高すぎるため、感光ドラム1との鏡映力が強すぎて、中間転写ベルト91に転写しきれない。
【0088】
そこで、帯電ローラ2に印加するAC電圧により、このトナーを除電させる必要がある。そのためには、第1ブラシ61及び第2ブラシ71のトナーが付着した部分が、レシプロ動作により現像スリーブ41の現像剤担持部Gの外側に移動する領域まで、帯電ローラ2の長手長さが必要になる。つまり、現像スリーブ41の現像剤担持部Gの長手長さ(L1)と、帯電ローラ2の帯電部の長手長さ(帯電幅)(L3)との関係が、次式(2)、
L1+2×d≦L3 ・・・(2)
を満たすように設定する。これにより、感光ドラム1上のH部に付着するトナーを確実に帯電ローラ2に接触させ、帯電ローラ2に印加するAC電圧による除電効果により、正規極性で適正な帯電量をもったトナーにすることが可能になる。具体的には、本実施例では、L3=320mmに設定した。その結果、中間転写ベルト91に感光ドラム1上に付着するトナーを転写することができ、感光ドラム1上から除去することができる。
【0089】
又、第1ブラシ61及び第2ブラシ71のトナーが付着した表面が、レシプロ動作により現像スリーブ41の現像剤担持部Gの外側に移動する領域まで、1次転写ローラ92の作用部の長手長さが必要になる。即ち、現像スリーブ41の現像剤担持部Gの長手長さ(L1)と、1次転写ローラ92の作用部の長手長さ(L4)との関係が、次式(3)、
L1+2×d≦L4 ・・・(3)
を満たすように設定する。具体的には、本実施例では、L4=330mmに設定した。
【0090】
更に、帯電ローラ2は、感光ドラム1の帯電処理された塗工部に接触させる必要がある。これは、帯電ローラ2からの電流のリークを防止するためである。よって、感光ドラム1の帯電処理が可能である塗工部の長手長さ(塗工幅)(L5)と、帯電ローラ2の帯電幅(L3)との関係が、次式(4)、
L3≦L5 ・・・(4)
を満たすように設定する。具体的には、本実施例では、L5=340mmとした。
【0091】
次に、上述のようにして随時中間転写ベルト91に転写、付着させたトナーを、中間転写ベルトクリーナ11により回収することができる。これを可能にするためには、第1ブラシ61及び第2ブラシ71のトナーが付着した表面が、レシプロ動作により現像スリーブ41の現像剤担持部Gの外側に移動する領域まで、中間転写ベルトクリーナ11が備えるクリーニングブレード11aの作用部の長手長さが必要になる。即ち、現像スリーブ41の現像剤担持部Gの長手長さ(L1)と、クリーニングブレード11aの作用部の長手長さ(L6)との関係が、次式(5)、
L1+2×d≦L6 ・・・(5)
を満たすように設定する。具体的には、本実施例では、L6=330mmとした。
【0092】
又、第1ブラシ61の長手長さと、感光ドラム1の塗工幅L5との関係は、上記帯電ローラ2の場合と同様に第1ブラシ61からの電流のリークを防止するために、又レシプロ動作を考慮して、
L2≦L5−d ・・・(6)
を満たすように設定する。
【0093】
尚、通常、L4≦L5、L6≦L5を満たすように設定される。
【0094】
以上、式(1)〜(6)より、感光ドラム1の長手方向と略平行な方向における、現像スリーブ41の現像剤担持部Gの長さ(L1)、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の長さ(L2)、帯電ローラ2の帯電幅(L3)、1次転写ローラ92の作用部の長さ(L4)、感光ドラム1の塗工幅(L5)、クリーニングブレード11aの作用部の長さ(L6)、レシプロ量dが、
L1+d≦L2≦L5−d
L1+2×d≦L3≦L5
L1+2×d≦L4
L1+2×d≦L6
の関係を満たすように設定すればよいことが分かった。
【0095】
上記条件に従って各要素を構成した本実施例の画像形成装置100により、画像形成を行ったところ、カブリ画像などの異常画像は大幅に抑制され、又感光ドラム1へのトナーの堆積によるトナー飛散は飛躍的に改善されることが確認された。
【0096】
以上、本実施例によれば、先ず、現像剤帯電量制御手段6及び残留現像剤均一化手段7のレシプロ動作を行う場合にも、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の端面が現像スリーブ41の現像剤担持部Gより外側に位置するように設定することで、帯電ローラ2に付着して帯電ローラ2を許容以上にトナー汚染させてしまうことで発生する帯電不良による異常画像を確実に防止することができる。
【0097】
又、レシプロ動作により、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の端面が一旦現像スリーブ41の現像剤担持部Gの内側に寄ることで、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の表面にトナーが付着し、そのトナーが付着した部分が移動して現像スリーブ41の現像剤担持部Gより外側に達した時に、現像器4にて回収できずに感光ドラム1上に付着したトナーは、現像剤帯電量制御手段6及び残留現像剤均一化手段7の移動幅dと、現像スリーブ41の現像剤担持部Gの長手長さ(L1)と、第1ブラシ61及び第2ブラシ71の長手長さ(L2)と、帯電ローラ2の帯電幅(L3)と、1次転写ローラ92の作用部の長手長さ(L4)と、感光ドラム1の塗工幅(L5)との関係を規定することで、1次転写ローラ92により中間転写ベルト91に転写、付着させることができる。
【0098】
更に、中間転写ベルトクリーナ11が備えるクリーニングブレード11aの作用部の長手長さ(L6)を規定することにより、中間転写ベルト91上に付着したトナーをこのクリーナにて回収することができ、感光ドラム1上のトナー堆積によるトナー飛散などの問題を確実に防止することができる。又、現像器4にて回収できずに中間転写ベルト91に転写したトナーを回収するために、特別なクリーニング手段を設ける必要がなく、装置の簡略化を測ることができる。
【0099】
尚、上記実施例では、現像剤帯電量制御手段6と残留現像剤均一化手段7とは、同一の支持部材79に固定され、一体的にレシプロ動作するが、本発明はこの形態に限定されるものではない。現像剤帯電量制御手段6のみがレシプロ動作する構成であってもよい。又、残留現像剤均一化手段7から感光ドラム1の回転方向下流側に向かうトナーを現像剤帯電量制御手段6にて確実に捕捉できるように作動されるのであれば、残留現像剤均一化手段7とがそれぞれ独立してレシプロ動作してもよい。或いは、現像剤帯電量制御手段6のみ有する系においても、本発明は好適に作用する。
【0100】
又、上記実施例では、各画像形成部PY、PM、PC、PBkからトナーが転写される被転写体は、中間転写体であるとして説明したが、当業者には周知の通り、中間転写体の代わりに、記録用紙などの転写材担持体を担持して複数の画像形成部に順次搬送する転写材担持体を有し、この転写材担持体上の転写材上に各画像形成部から順次トナー像を重ねて転写して、その後、転写材を転写材担持体から分離して定着手段に搬送し、ここで未定着トナー像を定着してカラー画像を得る画像形成装置がある。本発明はこのような画像形成装置にも等しく適用し得るものである。この場合、上記中間転写体の場合と同様、各画像形成部から、被転写体として転写材担持体上にトナーを転写、付着させて、これをクリーニングブレードなどのクリーニング手段によって除去、回収するようにすることができる。
【0101】
又、上記実施例では、現像剤帯電量制御手段6及び残留現像剤均一化手段7は固定のブラシ状部材であるが、シート状部材など任意の形態の部材にすることができる。
【0102】
又、感光ドラム1は、表面の体積抵抗率が109〜1014Ω・cmの電荷注入層を設けた直接注入帯電性のものであってもよい。電荷注入層を用いていない場合でも、例えば電荷輸送層が上記の抵抗範囲にある場合も同等の効果が得られる。又、表層の体積抵抗率が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体であってもよい。
【0103】
又、可撓性の接触帯電部材は帯電ローラの他に、ファーブラシ、フェルト、布などの形状・材質のものも使用可能である。又、各種材質のものの組み合わせでより適切な弾性、導電性、表面性、耐久性のものを得ることもできる。
【0104】
又、接触帯電部材や現像部材に印加する振動電界の交番電圧成分(AC成分、周期的に電圧値が変化する電圧)の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であってもよい。
【0105】
更に、像担持体としての感光体の帯電面に対する情報書き込み手段としての像露光手段は実施例のレーザ走査手段以外にも、例えば、LEDのような固体発光素子アレイを用いたデジタル露光手段であってもよい。ハロゲンランプや蛍光灯等を原稿照明光源とするアナログ的な画像露光手段であってもよい。要するに、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであればよい。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、像担持体の長手方向に移動可能な現像剤帯電量制御手段を用いた像担持体からの転写残現像剤の除去、回収性が向上し、現像剤帯電量制御手段を往復移動させる場合であっても、帯電手段への現像剤付着を抑制し、帯電不良による異常画像を防止することができる。又、本発明によれば、現像剤帯電量制御手段を往復移動させる場合であっても、像担持体上への現像剤の堆積を抑制し、トナー飛散などを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面図である。
【図2】図1の画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジの概略断面図である。
【図3】現像スリーブの現像コート部の長手長さ(現像幅)と、現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段の長手長さとの関係を示す模式図である。
【図4】現像スリーブの現像剤担持部の長手長さ(現像幅)と、現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段の長手長さと、帯電ローラの長手長さと、感光ドラムの塗工部との関係を示す模式図である。
【図5】現像スリーブの現像剤担持部の長手長さ(現像幅)と、現像剤帯電量制御手段及び残留現像剤均一化手段の長手長さと、帯電ローラの長手長さと、感光ドラムの塗工部の長手長さと、1次転写ローラの長手長さと、中間転写クリーナのクリーニングブレードの長手長さとの関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電ローラ(帯電手段)
3 レーザビームスキャナ(露光手段)
4 現像器(現像手段)
5 現像剤補給容器
6 現像剤帯電量制御手段
7 残留現像剤均一化手段
8 プロセスカートリッジ
9 中間転写ユニット
10 2次転写ローラ(2次転写手段)
11 中間転写ベルトクリーナ
20、21、22 電源(電圧印加手段)
P 転写材
91 中間転写ベルト(中間転写体)
92 1次転写ローラ(1次転写手段)
Claims (14)
- 像担持体と、
振動電圧が印加され前記像担持体を帯電させる帯電手段と、
現像剤を担持して前記像担持体に現像剤を供給し、帯電した前記像担持体に形成された静電像を現像する現像手段と、
前記像担持体上の現像剤像を被転写体に転写させる転写手段と、
前記像担持体に接触し、前記像担持体表面の移動方向において前記帯電手段より上流、且つ、前記転写手段より下流に位置し、前記像担持体の長手方向と略平行な方向に移動可能であると共に、前記像担持体上の現像剤を帯電させる現像剤帯電量制御手段と、
を有する画像形成装置において、
前記現像手段は、前記像担持体上の現像剤を回収可能であり、
前記転写手段は、前記像担持体の長手方向における前記現像手段の現像剤担持部の外側に位置する前記像担持体上の現像剤を回収可能であり、
前記像担持体の長手方向と略平行な方向における、前記現像手段の現像剤担持部の長さをL1、前記現像剤帯電量制御手段の作用部の長さをL2、前記帯電手段の作用部の長さをL3、前記転写手段の作用部の長さをL4、前記像担持体の帯電可能部の長さをL5、前記現像剤帯電量制御手段の移動幅をdとするとき、
L1+d≦L2≦L5−d
L1+2×d≦L3≦L5
L1+2×d≦L4
の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 更に、前記被転写体上の現像剤を除去するクリーニング手段を有し、前記像担持体の長手方向と略平行な方向における該クリーニング手段の作用部の長さをL6とするとき、
L1+2×d≦L6
の関係を満たすことを特徴とする請求項1の画像形成装置。 - 前記現像剤帯電量制御手段は、前記像担持体の長手方向と略平行な方向に往復移動することを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。
- 前記現像剤帯電量制御手段には、現像剤の正規極性と同極性の直流電圧が印加されることを特徴とする請求項1、2又は3の画像形成装置。
- 前記現像剤帯電量制御手段は、前記像担持体に接触する導電性繊維ブラシ部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段は、前記像担持体に接触して前記像担持体を帯電させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 更に、前記像担持体表面の移動方向において前記現像剤帯電量制御手段より上流、且つ、前記転写手段より下流に位置し、前記像担持体上の現像剤を均一化する残留現像剤均一化手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記残留現像剤均一化手段は、前記像担持体の長手方向と略平行な方向に移動可能であることを特徴とする請求項7の画像形成装置。
- 前記残留現像剤均一化手段は、前記像担持体の長手方向と略平行な方向に往復移動することを特徴とする請求項8の画像形成装置。
- 前記残留現像剤均一化手段は、前記像担持体に接触する導電性繊維ブラシ部を有することを特徴とする請求項7〜9のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体の長手方向と略平行な方向における、前記残留現像剤均一化手段の作用部の長さは、前記現像剤帯電量制御手段の同方向の長さと略同一であり、前記残留現像剤均一化手段の移動幅は、前記現像剤帯電量制御手段の移動幅と略同一であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 各々前記像担持体と、前記帯電手段と、前記現像手段と、前記転写手段と、前記現像剤帯電量制御手段と、を備える画像形成部を複数有し、各画像形成部に対向して移動する前記被転写体上に、各画像形成部の前記像担持体から現像剤を転写しうることを特徴とする請求項1〜11のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記被転写体は、中間転写体、又は転写材を担持して搬送する転写材担持体であることを特徴とする請求項12の画像形成装置。
- 前記各画像形成部は、それぞれ異なる色の現像剤像を、前記転写体に形成することを特徴とする請求項12又は13の画像形成装置。
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