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JP4269604B2 - Biodegradable ground yarn for pile knitted fabric and pile knitted fabric - Google Patents

Biodegradable ground yarn for pile knitted fabric and pile knitted fabric Download PDF

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JP4269604B2
JP4269604B2 JP2002264585A JP2002264585A JP4269604B2 JP 4269604 B2 JP4269604 B2 JP 4269604B2 JP 2002264585 A JP2002264585 A JP 2002264585A JP 2002264585 A JP2002264585 A JP 2002264585A JP 4269604 B2 JP4269604 B2 JP 4269604B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パイル編布用生分解性地糸及びパイル編布に関する。
【0002】
【従来の技術】
パイル編布は、肌触りがよく、保温効果にも優れていることから毛布やカーペット等に広く使用されている。パイル編布は、パイル部とパイル部を固定する地糸からなり、例えば、一般的なパイル編布からなるマイヤー毛布は、ダブルラッセル編機により地糸からなる地組織を各々編成し、その地組織間にパイル糸を掛け渡し、その中央部を均一にセンターカットすることで片面にパイル糸を持つ編布を形成することによって製造される。一般に、マイヤー毛布は地糸として沸水収縮性を有する繊維を使用し、パイル糸を掛け渡した後、染色整理工程中における熱処理によって地糸を熱収縮させることによってパイル糸を固定し、パイル糸の抜け落ちを防いでいる。従って、地糸は、染色整理工程に至るまでの熱処理工程を経ても収縮しきらず、パイル糸を積極的に締め付ける働きを得るための沸水収縮性、及び、製造において糸切れ等のトラブルを生じないだけの引張強度を有さなければならない。
【0003】
このような条件を満たす地糸として、ポリエステルフィラメントが一般的に用いられている(例えば、特許文献1参照。)。ポリエステルフィラメントは、編成時に緊張状態で挿入されるため、張力が解かれた後は半ば収縮した状態で形態安定し、センターカットしやすいという製造加工上のメリットもある。
【0004】
近年、環境保護の立場から、微生物の働きによって完全に分解する生分解性素材によって各種繊維製品を製造することが望まれている。従って、上述したようなパイル編布においてもこのような生分解性を有する素材によって製造することが望まれる。
【0005】
このようなパイル編布におけるパイル糸としては、綿、絹、羊毛、レーヨン等の生分解性を有する天然又は半合成繊維を使用することができる。しかし、地糸は、一定の熱収縮率及び引張強度を有することが要求されるため、天然繊維や半合成繊維を使用することは困難であった。また、通常のポリエステル繊維は生分解性を有さないため、生分解性を有しないポリエステルフィラメントを、生分解性を有するパイル編布を製造する際に地糸として使用することも好ましいことではない。
【0006】
生分解性を有する繊維としては、ポリ乳酸繊維等の脂肪族ポリエステル樹脂からなる繊維が検討されており、種々の用途への応用が検討されている。しかし、沸水収縮性が低いポリ乳酸繊維を得ることについての検討はなされているが(例えば、特許文献2参照。)、高い沸水収縮性を有するポリ乳酸繊維を製造することについては充分な検討がなされておらず、沸水収縮性と引張強度の両方の性質を兼ね備えたポリ乳酸繊維は知られていなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−69808号公報
【特許文献2】
特開2002−145401号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、生分解性を有し、かつ充分な引張強度及び高い沸水収縮性を有するパイル編布用生分解性地糸、及び、上記地糸を用いたパイル編布を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリ乳酸繊維からなるパイル編布用生分解性地糸であって、上記ポリ乳酸繊維は、引張強度が3.5cN/dT(センチニュートン/デシテックス)以上であり、沸水収縮率が5〜30%であり、相対粘度が2.5〜3.8であり、モノマー量が0.5質量%以下であり、L体の比率が90%以上であり、かつパイル編布の地組織を構成する地糸のうち少なくとも鎖糸に使用されることを特徴とするパイル編布用生分解性地糸である。
【0010】
本発明は、地糸及びパイル糸からなるパイル編布であって、上記地糸のうち少なくとも鎖糸が、上記パイル編布用生分解性地糸であることを特徴とするパイル編布でもある。
上記パイル糸は、綿、絹、羊毛、レーヨン、ポリ乳酸繊維又はこれらの2以上の混合からなるものであることが好ましい。
また、上記パイル編布は、パイル編布を縦方向に10〜15%収縮させたものであることが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明のパイル編布用生分解性地糸は、毛布及びカーペット等に使用するパイル編布の地糸として好適に使用されるポリ乳酸繊維であり、特定の引張強度及び沸水収縮率を有するものである。本発明のパイル編布用生分解性地糸は、上記特定の引張強度及び沸水収縮率を有するものであれば、マルチフィラメントであっても、短繊維からなる繊維であってもよいが、良好な沸水収縮性が得られる点から、マルチフィラメントであることが好ましい。
【0012】
本発明のパイル編布用生分解性地糸は、ポリ乳酸繊維からなるものである。上記ポリ乳酸は、乳酸を重合してなる脂肪族ポリエステル樹脂であり、生分解性を有する樹脂として、種々の用途が検討されている。
ポリ乳酸繊維は、ポリ乳酸樹脂を溶融紡糸、溶液紡糸等の紡糸方法によって紡糸することによって製造することができるものである。なかでも紡糸延伸工程によって製造することが、沸水収縮性等の物性を調節することが容易である点、及び、製造における環境へ及ぼす負荷が小さい点で好ましい。
【0013】
上記溶融紡糸は、ポリ乳酸樹脂を融点以上に加熱・溶融させ、微少な孔を有する紡糸口金から空中に吐出・冷却させ繊維とする方法である。口金から吐出・冷却した繊維は、その後、巻き取られるものである。上記ポリ乳酸繊維がマルチフィラメントである場合、その巻き取り方法としては、特に限定されず、例えば、コンベンショナル紡糸と呼ばれる巻き取り速度略2000m/分以下の方法、POY(Partially Oriented Yarn)法と呼ばれる巻き取り速度略5500m/分以下の方法、HOY(Highly Oriented Yarn)法と呼ばれる巻き取り速度略5500m/分以上の方法、又は、紡糸後同じ装置にて直ちに延伸を行うSPD(Spin Draw)法等を挙げることができる。
【0014】
上記ポリ乳酸繊維が短繊維である場合は、マルチフィラメントに比べて圧倒的に多数のノズルから押し出すために、通常、マルチフィラメントより遅い巻き取り速度で巻き取られる。上記ポリ乳酸繊維が短繊維である場合は、紡糸は、通常、巻き取り速度2000m/分以下にて行われる。特に、1000m/分前後で行うことが好ましい。
【0015】
上記ポリ乳酸繊維を形成するポリ乳酸樹脂の製造方法としては特に限定されず、例えば、乳酸や乳酸の二量体であるラクチド等を使用する重合方法等を挙げることができる。上記乳酸は、グルコースを乳酸菌発酵させて製造することができる。上記方法による製造の際、菌株の選択によりL体、D体及びラセミ体を作り分けることができる。上記グルコースは、多糖類を発酵させることにより製造することができ、上記多糖類としては特に限定されず、例えば、トウモロコシ澱粉等を使用することができる。上記製造方法の他に、ショ糖等の二糖類を化学処理して製造することもできる。
【0016】
上記ポリ乳酸は、L体の比率が90%以上であるL体を主体とするものを使用するものである。L体のほうが、熱安定性が高いためである。ポリ乳酸成分中の、90%以上がL体であ、95%以上がL体であることが更に好ましく、98%以上がL体であることが最も好ましい。
【0017】
上記ポリ乳酸繊維は、共重合成分又は他のポリマーとしてポリ乳酸以外の成分を有するものであってもよい。上記ポリ乳酸繊維は、ポリ乳酸の含有率が、80質量%以上であることが好ましい。上記ポリ乳酸の含有率は、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが更に好ましい。上記ポリ乳酸繊維に含まれるポリ乳酸以外の成分としては、生分解性を有する成分であれば特に限定されず、例えば、ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシ塩類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオベンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリエチレングリコール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸等の脂肪族ポリカルボン酸等を挙げることができる。
【0018】
上記ポリ乳酸繊維を形成するポリ乳酸樹脂は、直鎖状のポリマー構造を有することが好ましい。即ち、分岐構造をほとんど持たないことが好ましい。溶融粘度や重合度を改良する目的でポリ乳酸樹脂を重合する際に少量の分岐剤を添加することが行われているが、ポリ乳酸樹脂の分岐構造は通常の合成繊維、例えば、ポリエステルフィラメント等に比べてはるかに紡糸操業性に影響を与えることが確認されている。即ち、分岐構造がほとんど存在しないポリ乳酸樹脂は、紡糸時の操業性が非常に良好で、引張強度も強い。分岐構造を排するためには、三価以上のアルコールやカルボン酸等のポリマーの原料に分岐構造を生成させるものを、原料モノマーとして使用しなければよい。別の理由でこれらの構造を持つ成分を使用する場合であっても、紡糸操業性に影響を及ぼさない必要最小限度の量にとどめることが好ましい。
【0019】
上記ポリ乳酸は、ポリマー質量の5%減少温度であるTG(5%)が、300℃以上であることが好ましい。TG(5%)が高温である程、繊維製造、繊維加工における熱劣化を防止することができる。
【0020】
上記ポリ乳酸は、その質量平均分子量Mwが、下限120000、上限220000の範囲内であることが好ましく、数平均分子量Mnが下限60000、上限110000の範囲内であることが好ましい。上記範囲内であることにより、優れた紡糸性及び充分な引張強度を得ることができる。
【0021】
上記ポリ乳酸は、ポリマー中のSn(錫)の含有量が30ppm以下であることが好ましく、20ppm以下であることが更に好ましい。Sn系の触媒はポリ乳酸の重合触媒として使用されるが、30ppm以下であると、紡糸時に解重合の起こるおそれもなく、口金濾過圧の上昇もないため、紡糸操業性が著しく良好となるからである。Sn(錫)の含有量を少なくする方法としては特に限定されず、例えば、重合時に使用する量を少なくする方法、チップを適当な液体で洗浄する方法等を挙げることができる。
【0022】
更に、上記ポリ乳酸は、必要に応じて、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等を含有していてもよい。
【0023】
上記ポリ乳酸繊維は、繊維の状態での相対粘度(ηrel)が、下限2.5、上限3.8の範囲内であるものである。上記範囲内であれば、充分な引張強度を有する繊維を得ることができる。上記下限は、2.7であることがより好ましく、上記上限は、3.1であることがより好ましい。
【0024】
上記相対粘度を有するポリ乳酸繊維を得るためには、相対粘度が下限2.7、上限4.0の範囲内であるポリ乳酸樹脂を使用してポリ乳酸繊維を得ることが好ましい。繊維を製造するためにポリ乳酸樹脂を溶融することによって、相対粘度は、若干低下が見られるためである。また、相対粘度が4.0以下であることによって、紡糸温度をそれほど上げる必要がないため、紡糸時の熱劣化が少なく、ポリ乳酸が流動し易いため好ましい。
【0025】
上記ポリ乳酸樹脂は、紡糸における相対粘度の低下率が、7%以下であることが好ましい。上記範囲とすることによって、紡糸時のポリマーの分解がほとんどなく、紡糸時の糸切れ等の発生もないため、紡糸性がよく延伸工程での引張強度も大きくすることができる。
【0026】
上記ポリ乳酸繊維には、残存モノマーが存在していてもよい。本明細書で残存モノマーは、GPC分析により算出される分子量1000以下の成分をいう。残存モノマーは、上記ポリ乳酸中に、0.5質量%以下の範囲内で存在するものである。残存モノマーが0.5質量%を超えると、繊維の耐熱性が低下し、引張強度の低下等の問題を生じるおそれがあるためである。上記上限は、0.3質量%であることがより好ましい。下限は、0.01質量%であることが好ましい。
【0027】
ポリ乳酸繊維中の残存モノマーを低減させる方法としては特に限定されず、例えば、原料であるポリ乳酸の重合反応完了間際に反応槽を真空吸引して未反応のモノマーを取り除く方法、重合後のポリ乳酸チップを適当な液体で洗浄する方法、固相重合を行う方法等を挙げることができる。
【0028】
本発明のパイル編布用生分解性地糸は、引張強度が3.5cN/dT以上である。引張強度を3.5cN/dT以上とすることによって、パイル編布の加工工程で糸切れ等が発生せず、不良品の発生を最小限に抑えることができる。また、得られたパイル編布においてもパイル糸抜け等の問題を生じることが少ない。上記引張強度は、3.9cN/dT以上であることがより好ましく、4.4cN/dT以上であることが更に好ましい。また、引張強度の上限は、特に限定するものではないが、5.3cN/dT以上のものを製造することは通常は困難である。
【0029】
なお、上記引張強度は、引張試験機によって繊維の引張り試験を行い、破断時に繊維にかかっている力を繊維の単位太さあたりの強度として換算したものである。上記引張試験機としては、島津製作所引張試験機(RTM−100)を使用し、試験長20cm、速度20cm/分で行って得られた測定値を使用するものである。
【0030】
本発明のパイル編布用生分解性地糸は、沸水収縮率が、下限5%、上限30%の範囲内である。上記パイル編布用生分解性地糸の沸水収縮率が5%未満であると、地糸の収縮が不充分となり、パイル糸が充分に固定されない。30%を超えると、収縮は充分であるが、加工条件の設定が困難となり、均一な製品を作ることが難しい。上記下限は8%であることが好ましく、10%であることがより好ましい。上記上限は、25%であることが好ましく、20%がより好ましい。
【0031】
なお、上記沸水収縮率は、沸騰水浸漬時の繊維の収縮率を示す値であり、初期値50cmの試料に初期荷重200mgをかけて沸騰水中に15分間浸漬し、5分間風乾した後、次式により求めたものである。
沸水収縮率(%)={(初期試料長−収縮後の試料長)/初期試料長}×100
【0032】
本発明のパイル編布用生分解性地糸は、ポリ乳酸繊維を形成する樹脂及び繊維を製造する際の製造工程の処理条件を調節することによって、これらの物性を目的の範囲内とすることができる。
【0033】
ポリ乳酸は、通常、L体のホモポリマーに近いほど引張強度が良好になり、沸水収縮率が低くなる傾向にある。従って、L体の割合が大きい場合には、製造工程において繊維の製造工程におけるヒートセット条件を、例えば、マルチフィラメントの場合110℃以上、150℃未満の如くポリエステルより低温に設定することによって、高い収縮率を得るようにすることができ、L体の割合が小さい場合には、製造工程において延伸工程及びヒートセット温度を前者よりは高温に設定することによって、配向結晶を進行させて高い引張り強度を得るようにすることができる。
【0034】
製造工程の制御が容易であることや、高い引張り強度を得やすい点からみて、本発明のパイル編布用生分解性地糸を得るためには、L体の含有量が多いポリ乳酸を使用して本発明のパイル編布用生分解性地糸を得ることが好ましい。上記ポリ乳酸は、L体が90%以上であることが好ましい。また、D−乳酸以外の共重合成分を含有しないことが好ましい。L−乳酸の割合が低下すると非晶構造になり、紡糸・延伸工程で配向結晶が進まず、得られる繊維の物性が低下するおそれがある。
【0035】
上記L−乳酸が90%以上であるポリ乳酸繊維マルチフィラメントの紡糸を行う紡糸条件としては、紡糸ノズルより糸を空中に押し出した後、巻き取りを行いながら95〜125℃で熱処理を行い延伸し、次に、110℃以上150℃未満でヒートセットする方法が最も好ましい。110℃未満の温度でヒートセットを行うと、沸水収縮率が高くなりすぎるため、毛布製造の際に過度に収縮を生じるため、製造条件の制御が困難になり、引張強度も不充分になるおそれがある。150℃以上の温度でヒートセットを行うと、引張強度が向上するものの、沸水収縮性が低下し、パイル編布用地糸として使用することが困難になるおそれがある。上記ヒートセット温度の下限は、120℃であることがより好ましい。
【0036】
本発明のパイル編布用生分解性地糸がマルチフィラメントである場合は、トータルの繊度は、下限110dT、上限560dTの範囲内であることが好ましい。110dT未満であると、強力が不足し単糸切れを生ずるという問題を生じるおそれがある。560dTを超えると、編立てが困難という問題を生じるおそれがある。
【0037】
上記マルチフィラメントは、マルチフィラメントを構成する単糸の繊度が、下限2dT、上限8dTの範囲内であることが好ましい。単糸の太さが2dT未満であると、単糸切れを生ずるというおそれがあり、単糸の太さが8dTを超えると、風合いが硬くなるため、パイル編布の風合いが悪くなる場合がある。
【0038】
本発明のパイル編布用生分解性地糸の断面形状は、特に限定されるものではなく、丸型、三角型、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。
【0039】
上記パイル編布用生分解性地糸は、ポリ乳酸系複合繊維であってもよい。上記ポリ乳酸系複合繊維としては特に限定されず、例えば、芯鞘型、サイド・バイ・サイド型等を挙げることができる。上記ポリ乳酸系複合繊維は、最も融点の低い成分(例えば130℃)が繊維表面の一部に表出している形態のものであることが好ましい。上記ポリ乳酸系複合繊維を使用することによって、ポリ乳酸繊維に熱融着性のバインダーとしての性質を好適に付与することができるため好ましい。上記地糸中のポリ乳酸繊維は、通常のポリ乳酸繊維及びポリ乳酸系複合繊維を併用するものであってもよい。
【0040】
上記ポリ乳酸系複合繊維の製造方法としては特に限定されず、例えば、特定形状の口金から二種類以上のポリマーを同時に溶出して紡糸する方法等を挙げることができる。
【0041】
上記パイル編布用生分解性地糸は、仮撚加工を施した加工糸であってもよい。上記仮撚加工の加工方法としては、特に限定されず、例えば、ピンタイプ、フリクションタイプ、ニップベルトタイプ、エアー仮撚タイプ等を挙げることができる。POYの延伸仮撚であってもよい。
【0042】
本発明は、上記パイル編布用生分解性地糸を用いて得られたパイル編布でもある。本明細書において、パイル編布は、パイル糸からなる立毛を有する編布を指すものである。また、パイル編布の地組織を構成する地糸は、鎖糸(縦方向)と挿入糸(横方向)があり、鎖糸がパル糸を締め付ける働きをする。本発明においては、特に鎖糸にポリ乳酸繊維を用いることが必要である。また、挿入糸は、ポリ乳酸繊維であっても、別の生分解性繊維等であってもよい。
【0043】
本発明のパイル編布の製造方法としては、一般的な製法であれば特に限定されず、例えば、マイヤー毛布であれば、ダブルラッセル編機で編み立てた後、センターカットして染色整理工程を行い、毛捌き、シャーリングを行った後、生地の裏面を内側にして2枚を張り合わせる方法、ニューマイヤー毛布であれば、同じくシャーリングを行った後裏面を起毛する方法等を挙げることができる。これらの毛布は、場合により毛捌き又は起毛後にポリッシングを行ってもよい。
【0044】
本発明のパイル編布におけるパイル糸の種類は、特に限定されるものではないが、生分解性を有する繊維からなることが好ましい。上記パイル糸への使用に適した生分解性を有する繊維としては、綿、絹、羊毛、レーヨン、ポリ乳酸繊維又はこれらの混合がより好ましい。これらの繊維は、パイル編布素材としての風合い、肌触り、保温性能等に優れる点で好ましい。
【0045】
本発明のパイル糸としては特に限定されず、例えば、マルチフィラメント、紡績糸、複合紡績糸等を挙げることができ、特に、紡績糸であることが好ましい。上記紡績糸は、上記各種繊維単独からなる紡績糸であっても、2種類以上の繊維からなる混紡糸であってもよい。なかでも、ポリ乳酸短繊維と天然繊維との混紡糸が好ましく、ポリ乳酸繊維と綿との混紡糸が最も好ましい。ポリ乳酸及び綿との混紡糸は、風合いに優れ、糸抜け等の問題を生じることが少ない点で最も好ましい。また、マルチフィラメントを使用する場合は、ポリ乳酸繊維からなる仮撚加工糸を使用することが好ましい。
【0046】
上記ポリ乳酸繊維と天然繊維との混紡方法としては特に限定されず、例えば、特開2000−80531号公報に記載された混紡方法等を使用することができる。
【0047】
上記混紡糸においてポリ乳酸繊維と混紡する天然繊維としては、例えば、綿繊維、絹紡用の絹繊維、羊毛繊維等を挙げることができる。上記綿、絹、羊毛の各繊維は夫々固有の繊度と繊維長を備えるステープル・ファイバーからなるものである。ポリ乳酸短繊維は、一般的な方法によって製造され、必要な繊維長を有するものである。
【0048】
上記混紡糸に使用するポリ乳酸短繊維は、得られる混紡糸の均斉度を高くするために、繊度及び繊維長を混紡する天然繊維に近いものとすることが好ましい。例えば、綿繊維と混紡する場合、ポリ乳酸短繊維は、繊度1.1〜2.2dT、繊維長30〜60mmの範囲のものを使用することが好ましい。同様に、羊毛とポリ乳酸繊維の両者を用いた梳毛紡績の場合、ポリ乳酸繊維の繊度は3.3〜8.0dT、繊維長は60〜120mmであることが好ましく、紡毛紡績の場合、ポリ乳酸繊維の繊度は3.3〜8.0dT、繊維長は60〜150mmであることが好ましい。
【0049】
上記ポリ乳酸繊維としては、紡糸延伸後、所定長に切断されたストレート繊維に限らず、スタッフイング法、押込加熱ギヤ法又は高速エアー噴射押込法等により捲縮を付与した後、30〜150mmの長さに切断したカットファイバーも使用することができる。
【0050】
上記混紡糸の製造において、上記ポリ乳酸繊維と天然繊維とは、一連の紡績工程中で混ぜ合わせる。混綿方式としては、梳綿過程以前の原綿状態で混綿する原綿方式と、両繊維を夫々個別の梳綿機に仕掛けた後、スライバー状態で混綿するスライバー方式と、両繊維を夫々個別の粗糸に形成した後、精紡機で両者を複合する粗糸方式等が考えられる。綿紡績、梳毛紡績においては均斉度の点からスライバー状態で混ぜ合わせることが好ましく、紡毛紡績の場合は、原毛の状態で混ぜ合わせることが好ましい。
【0051】
上記混紡糸は、ポリ乳酸繊維を下限20質量%、上限80質量%の範囲内で含有することが好ましい。いずれかの混紡量が20%(質量比)未満となると、一方の繊維の性質が消失してしまうおそれがある。
【0052】
上記混紡糸は、公知の綿糸紡績工程(1インチ紡)、梳毛紡績工程(2,2.5,3インチ紡)、紡毛紡績工程、又は、絹糸紡績工程等のいずれかを経由し、上記工程中の所定部で両繊維が混ぜ合わされ、混紡された紡績糸となって精紡機より送り出される。上記紡績糸は、単糸のまま又は撚糸されて、本発明のパイル糸として使用することができる。
【0053】
上記複合紡績糸も、特開2000−80531号公報に記載されている。上記複合紡績糸としては、精紡工程において、(1)紡績装置のドラフトパートに供給され、フロントローラを出た直後の天然繊維の粗糸を開繊状態にしておき、この上にドラフトパートに供給せず、フロントローラのみを通過せしめたポリ乳酸繊維フィラメント糸を重ね合わせて合撚する方法によって得られるコアヤーンタイプ、(2)紡績装置のドラフトパートに供給され、フロントローラを出た直後の天然繊維の粗糸を両側に配置させ、ドラフトパートに供給せず、フロントローラのみを通過せしめたポリ乳酸繊維フィラメント糸を中央に配置し、合撚して得られるサイロフィルタイプ、(3)また、天然繊維紡績糸とポリ乳酸繊維フィラメントとを合撚して得られるカバーリングタイプ,撚糸タイプ等を挙げることができる。なお、上記の「サイロフィル」は、ウール・ディベロップメント・インターナショナル・リミテッド(Wool Development International Limited)社の登録商標である。
【0054】
上記パイル糸としてのマルチフィラメントは、特に限定されず、上記パイル編布用生分解性地糸と同様のポリ乳酸を同様に紡糸して得られ、沸水収縮率が15%以下であるポリ乳酸マルチフィラメントを使用することが好ましい。また、風合いの点から、上記パイル編布用生分解性地糸と同様の条件で仮撚加工を施した加工糸を使用することが好ましい。
【0055】
本発明のパイル編布の製造方法は、特に限定されるものではなく、上記繊維を使用して、通常のパイル編布の製造方法に従って製造することができるものである。また、本発明のパイル編布は、例えば、毛布やカーペット等に使用することができる。また、本発明のパイル編布の製造工程における収縮率は、鎖糸方向である縦方向に10〜15%とすることが、パイル糸の締め付け具合と風合いの点から好ましい。
【0056】
本発明のポリ乳酸繊維からなるパイル編布用生分解性地糸は、生分解性を有する繊維でありながら、従来パイル毛布の地糸として汎用されてきたポリエステルフィラメントと同程度の沸水収縮率、引張強度等の物性を有するものである。また、本発明の地糸及びパイル部に生分解性素材を用いてなるパイル編布は、それ自体が生分解性を有し、従来のポリエステルフィラメントを地糸に用いたパイル編布と同程度にパイル糸の抜け落ちが少ないものである。
【0057】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
以下の重合及び紡糸工程によって、表1に示すような各物性を有するポリ乳酸繊維を製造した。比較としてポリエステルフィラメントの物性を示す。
【0058】
実施例1
(ポリマーの重合)
L−ラクチド98.6%及びD−ラクチド1.4%からなるモノマー組成物を、オクチル酸スズを重合触媒として定法によってポリ乳酸を重合した。
【0059】
(紡糸)
得られたポリマーを孔径0.25mmの紡糸ノズルから空中に押し出し、3500m/minで巻き取った後、次に95℃で2倍に延伸し、145℃でヒートセットしてポリ乳酸繊維を得た。なお得られたポリ乳酸繊維は、167dT/48fであった。
【0060】
比較例1
ポリ乳酸ポリマーを変更した以外は、全く同様の方法でポリ乳酸繊維を得た。
【0061】
比較例2
他の条件はすべて同一で、ヒートセットを2回施したポリ乳酸繊維を得た。
【0062】
得られたポリ乳酸繊維の引張強度及び沸水収縮率等を以下の方法により評価した。
〈引張強度の測定〉
島津製作所引張試験機(RTM−100)を用い、試料長20cm、速度20cm/minで引張試験を行った。破断強度を引張強度、破断伸度を引張伸度とした。
【0063】
〈沸水収縮率〉
初期値50cmの試料に初期荷重200mgをかけて沸騰水中に15分間浸漬し、5分間風乾した後、次式により沸水収縮率を求めた。
沸水収縮率(%)={(初期試料長−収縮後の試料長)/初期試料長}×100
【0064】
〈相対粘度(ηrel)〉
フェノール/テトラクロロエタン=60/40(質量比)の混合溶媒に試料を1g/dlの濃度になるよう溶解し、20℃でウベローデ粘度管を用いて相対粘度を測定した。
【0065】
〈モノマー量〉
試料を10mg/mLの濃度になるようクロロホルムに溶解した後、クロロホルムを溶媒として東ソー製HLC8120GPCによるGPC分析を行い、Mw、Mnを測定した。検出器はRIを用い、分子量の標準物質としてポリスチレンを用いた。分子量分布の測定から、分子量1000以下の成分の割合を求め、ポリマー中のモノマー量を算出した。
【0066】
〈L体の測定〉
樹脂を加水分解させ、メタノール性水酸化ナトリウム溶液1.0Nを溶媒として高速液体クロマトグラフィー(HPLC:島津製 LC10AD型)を用いてL体の比率を求めた。
【0067】
【表1】

Figure 0004269604
【0068】
実施例2
上記実施例1で得られたポリ乳酸繊維を地糸(鎖糸及び挿入糸)として、16ゲージ/inch、26本/inchで地組織を構成し、綿及びポリ乳酸の交撚糸をパイル部分として使用し、前述の方法によりマイヤー毛布を製造した。なお、染色整理工程中、パイル編布を110℃で縦方向に10%収縮させた。同様に比較例1及び比較例2のポリ乳酸繊維を地糸としてマイヤー毛布を製造した。更に、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる表1に記載のポリエステルフィラメントを地糸として同様にマイヤー毛布を製造した。これらのマイヤー毛布の編み立て性、製造段階での加工性(センターカット性)、製造状況、及び、染色整理工程時のパイル糸の抜け落ち度合いを評価し、結果を表2に示す。
編み立て性は以下の基準で評価した。
〇:問題なし
×:糸切れが発生
【0069】
【表2】
Figure 0004269604
【0070】
実施例1の地糸を用いたマイヤー毛布は、全ての項目において、ポリエステルフィラメントと同程度の性能を有することが示された。比較例1及び2の地糸を用いたマイヤー毛布は、パイル糸の抜け落ちがひどかったり、抜け落ちやすかったりした。また、比較例1の地糸を用いたマイヤー毛布は、編み立て性、センターカット性の悪化及び製造における不良の発生が見られた。
【0071】
【発明の効果】
本発明のパイル編布用生分解性地糸は、生分解性を有するものであるため、これを使用したパイル編布は、廃棄された場合も自然界の微生物によって地糸が分解される。このため、パイル糸を生分解性を有する繊維を使用してパイル編布を製造すると、パイル編布全体が生分解を有するものとなるものである。また、パイル糸の抜け落ち、製造工程における糸切れ等の問題を生じることも少ないという点からみても、パイル編布用の地糸として優れた性質を有する。
本発明のパイル編布は、毛布、カーペット、マット、ソファー、こたつ敷き、こたつ掛け、ポンチョ等に用いられる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a biodegradable ground yarn for pile knitted fabric and a pile knitted fabric.
[0002]
[Prior art]
Pile knitted fabrics are widely used for blankets, carpets, and the like because they are soft to the touch and have excellent heat retention effects. A pile knitted fabric is composed of a pile portion and a ground yarn that fixes the pile portion. For example, a Mayer blanket composed of a general pile knitted fabric is knitted with a double raschel knitting machine to form a ground structure composed of the ground yarn. It is manufactured by forming a knitted fabric having pile yarns on one side by passing pile yarns between tissues and uniformly center-cutting the center part thereof. In general, the Meyer blanket uses a fiber having boiling water shrinkage as the ground yarn, and after passing the pile yarn, the pile yarn is fixed by heat-shrinking the ground yarn by heat treatment in the dyeing arrangement process. It prevents falling out. Therefore, the ground yarn does not shrink even after the heat treatment process up to the dyeing and arrangement process, and it does not cause troubles such as boiling water shrinkage to obtain a function of positively tightening the pile yarn and yarn breakage in production. Must have only tensile strength.
[0003]
A polyester filament is generally used as a ground yarn satisfying such conditions (for example, see Patent Document 1). Since the polyester filament is inserted in a tensed state at the time of knitting, there is also an advantage in manufacturing processing that the shape is stabilized in a half-contracted state after the tension is released and the center cut is easy.
[0004]
In recent years, from the standpoint of environmental protection, it has been desired to produce various fiber products using biodegradable materials that are completely decomposed by the action of microorganisms. Therefore, it is desired that the pile knitted fabric as described above is manufactured using such a biodegradable material.
[0005]
As the pile yarn in such a pile knitted fabric, natural or semi-synthetic fibers having biodegradability such as cotton, silk, wool, rayon and the like can be used. However, since the ground yarn is required to have a certain thermal shrinkage rate and tensile strength, it has been difficult to use natural fibers or semi-synthetic fibers. In addition, since normal polyester fibers do not have biodegradability, it is not preferable to use polyester filaments that do not have biodegradability as ground yarns when producing pile knitted fabrics having biodegradability. .
[0006]
As a fiber having biodegradability, a fiber made of an aliphatic polyester resin such as polylactic acid fiber has been studied, and its application to various uses has been studied. However, although studies have been made on obtaining polylactic acid fibers having low boiling water shrinkage (see, for example, Patent Document 2), sufficient studies have been made on producing polylactic acid fibers having high boiling water shrinkage. No polylactic acid fiber having both the properties of boiling water shrinkage and tensile strength has not been known.
[0007]
[Patent Document 1]
JP 2002-69808 A
[Patent Document 2]
JP 2002-145401 A
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above, the present invention provides a biodegradable ground yarn for a pile knitted fabric that is biodegradable and has sufficient tensile strength and high boiling water shrinkage, and a pile knitted fabric using the above ground yarn. It is intended to do.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
  The present invention is a biodegradable ground yarn for pile knitted fabric made of polylactic acid fiber, wherein the polylactic acid fiber has a tensile strength of 3.5 cN / dT (centinewton / dtex) or more and a boiling water shrinkage rate. 5-30%The relative viscosity is 2.5 to 3.8, the amount of monomer is 0.5% by mass or less, the ratio of the L body is 90% or more, and the ground yarn constituting the ground structure of the pile knitted fabric Used at least for chain yarnA biodegradable ground yarn for pile knitted fabrics.
[0010]
  The present invention is a pile knitted fabric comprising a ground yarn and a pile yarn,At least the chain yarnThe pile knitted fabric is a biodegradable ground yarn for pile knitted fabric.
The pile yarn is preferably made of cotton, silk, wool, rayon, polylactic acid fiber, or a mixture of two or more thereof.
Moreover, it is preferable that the pile knitted fabric is obtained by shrinking the pile knitted fabric in the longitudinal direction by 10 to 15%.
The present invention is described in detail below.
[0011]
The biodegradable ground yarn for pile knitted fabric of the present invention is a polylactic acid fiber suitably used as the ground yarn for pile knitted fabric used for blankets and carpets, etc., and has a specific tensile strength and boiling water shrinkage. It is. The biodegradable ground yarn for pile knitted fabric of the present invention may be a multifilament or a fiber composed of short fibers as long as it has the above-mentioned specific tensile strength and boiling water shrinkage ratio. A multifilament is preferable from the viewpoint of obtaining excellent boiling water shrinkage.
[0012]
The biodegradable ground yarn for pile knitted fabric of the present invention is made of polylactic acid fiber. The polylactic acid is an aliphatic polyester resin obtained by polymerizing lactic acid, and various uses are being studied as a biodegradable resin.
The polylactic acid fiber can be produced by spinning a polylactic acid resin by a spinning method such as melt spinning or solution spinning. Among these, it is preferable to produce by a spinning and drawing process because it is easy to adjust physical properties such as boiling water shrinkage and the environmental load in production is small.
[0013]
The melt spinning is a method in which a polylactic acid resin is heated and melted to a melting point or higher, and discharged and cooled in the air from a spinneret having minute holes to form fibers. The fiber discharged and cooled from the base is then wound up. When the polylactic acid fiber is a multifilament, the winding method is not particularly limited, for example, a method called conventional spinning, a winding speed of about 2000 m / min or less, a winding called POY (Partial Oriented Yarn) method. A method with a take-up speed of about 5500 m / min or less, a method called a HOY (Highly Oriented Yarn) method with a take-up speed of about 5500 m / min or more, or an SPD (Spin Draw) method in which stretching is performed immediately in the same apparatus after spinning. Can be mentioned.
[0014]
When the polylactic acid fiber is a short fiber, it is usually wound at a lower winding speed than the multifilament in order to push out from a large number of nozzles as compared with the multifilament. When the polylactic acid fiber is a short fiber, spinning is usually performed at a winding speed of 2000 m / min or less. In particular, it is preferably performed at around 1000 m / min.
[0015]
The method for producing the polylactic acid resin for forming the polylactic acid fiber is not particularly limited, and examples thereof include a polymerization method using lactic acid or lactide which is a dimer of lactic acid. The lactic acid can be produced by fermenting glucose to lactic acid bacteria. At the time of production by the above method, L-form, D-form and racemic form can be prepared by selecting the strain. The said glucose can be manufactured by fermenting polysaccharide, and it is not specifically limited as said polysaccharide, For example, corn starch etc. can be used. In addition to the above production method, disaccharides such as sucrose can be produced by chemical treatment.
[0016]
  The polylactic acid isThe ratio of L-form is 90% or moreUse the L-typeIs a thing. This is because the L-form has higher thermal stability. 90% or more of the polylactic acid component is L-formR95% or more is more preferably L-form, and 98% or more is most preferably L-form.
[0017]
The polylactic acid fiber may have a component other than polylactic acid as a copolymer component or other polymer. The polylactic acid fiber preferably has a polylactic acid content of 80% by mass or more. The content of the polylactic acid is more preferably 90% by mass or more, and further preferably 95% by mass or more. The component other than polylactic acid contained in the polylactic acid fiber is not particularly limited as long as it is a biodegradable component, and examples thereof include hydroxybutyric acid, 4-hydroxybutyric acid, 4-hydroxyvaleric acid, hydroxycaproic acid, and the like. Hydroxyl salts, ethylene glycol, propylene glycol, butanediol, neobentyl glycol, glycerin, pentaerythritol, polyethylene glycol and other compounds containing multiple hydroxyl groups in the molecule or derivatives thereof, adipic acid, sebacic acid, fumaric acid An aliphatic polycarboxylic acid such as
[0018]
The polylactic acid resin forming the polylactic acid fiber preferably has a linear polymer structure. That is, it is preferable to have almost no branched structure. In order to improve the melt viscosity and the degree of polymerization, a small amount of a branching agent is added when polymerizing a polylactic acid resin, but the branched structure of the polylactic acid resin is a normal synthetic fiber such as a polyester filament. It has been confirmed that it greatly affects the spinning operability. That is, the polylactic acid resin having almost no branched structure has very good operability during spinning and has a high tensile strength. In order to eliminate the branched structure, it is not necessary to use a raw material monomer that generates a branched structure in a raw material of a polymer such as a trivalent or higher alcohol or carboxylic acid. Even when components having these structures are used for other reasons, it is preferable to keep the amount to the minimum necessary amount that does not affect the spinning operability.
[0019]
The polylactic acid preferably has a TG (5%), which is a 5% decrease in polymer mass, of 300 ° C. or higher. The higher the temperature of TG (5%), the more the thermal deterioration in fiber production and fiber processing can be prevented.
[0020]
The polylactic acid preferably has a mass average molecular weight Mw within a range of a lower limit of 120,000 and an upper limit of 220,000, and a number average molecular weight Mn of preferably within a range of a lower limit of 60000 and an upper limit of 110000. By being within the above range, excellent spinnability and sufficient tensile strength can be obtained.
[0021]
The polylactic acid preferably has a Sn (tin) content in the polymer of 30 ppm or less, more preferably 20 ppm or less. An Sn-based catalyst is used as a polymerization catalyst for polylactic acid, but if it is 30 ppm or less, there is no risk of depolymerization during spinning, and there is no increase in the base filtration pressure, so that the spinning operability is remarkably improved. It is. The method for reducing the Sn (tin) content is not particularly limited, and examples thereof include a method for reducing the amount used during polymerization and a method for washing the chip with an appropriate liquid.
[0022]
Further, the polylactic acid may be a matting agent such as titanium dioxide, a stabilizer such as phosphoric acid, an ultraviolet absorber such as a hydroxybenzophenone derivative, a crystallization nucleating agent such as talc, a lubricant such as aerosil, if necessary. It may contain an antioxidant such as a hindered phenol derivative, a flame retardant, an antistatic agent, a pigment, a fluorescent brightener, an infrared absorber, an antifoaming agent, and the like.
[0023]
  The polylactic acid fiber has a relative viscosity (ηrel) in the fiber state of a lower limit of 2.5 and an upper limit of 3.8.Is a thing. If it is in the said range, the fiber which has sufficient tensile strength can be obtained. The lower limit is more preferably 2.7, and the upper limit is more preferably 3.1.
[0024]
In order to obtain a polylactic acid fiber having the above relative viscosity, it is preferable to obtain a polylactic acid fiber by using a polylactic acid resin having a relative viscosity in the range of a lower limit of 2.7 and an upper limit of 4.0. This is because the relative viscosity is slightly decreased by melting the polylactic acid resin to produce the fiber. Further, since the relative viscosity is 4.0 or less, it is not necessary to raise the spinning temperature so much, so that the thermal degradation during spinning is small and polylactic acid tends to flow, which is preferable.
[0025]
The polylactic acid resin preferably has a reduction rate of relative viscosity in spinning of 7% or less. By adjusting to the above range, the polymer is hardly decomposed during spinning, and there is no occurrence of yarn breakage during spinning. Therefore, the spinnability is good and the tensile strength in the stretching process can be increased.
[0026]
  Residual monomers may be present in the polylactic acid fiber. In the present specification, the residual monomer means a component having a molecular weight of 1000 or less calculated by GPC analysis. The residual monomer is present in the polylactic acid within a range of 0.5% by mass or less.Is a thing. If the residual monomer exceeds 0.5% by mass, the heat resistance of the fiber is lowered, and there is a risk of problems such as a decrease in tensile strength.Is. The upper limit is more preferably 0.3% by mass. The lower limit is preferably 0.01% by mass.
[0027]
The method for reducing the residual monomer in the polylactic acid fiber is not particularly limited. For example, a method of removing the unreacted monomer by vacuum suction of the reaction vessel immediately before the completion of the polymerization reaction of the raw material polylactic acid, Examples thereof include a method of washing a lactic acid chip with an appropriate liquid, a method of performing solid phase polymerization, and the like.
[0028]
The biodegradable ground yarn for pile knitted fabric of the present invention has a tensile strength of 3.5 cN / dT or more. By setting the tensile strength to 3.5 cN / dT or more, yarn breakage does not occur in the processing process of the pile knitted fabric, and generation of defective products can be minimized. Also, the obtained pile knitted fabric is less likely to cause problems such as pile yarn slippage. The tensile strength is more preferably 3.9 cN / dT or more, and still more preferably 4.4 cN / dT or more. The upper limit of the tensile strength is not particularly limited, but it is usually difficult to produce a product having a tensile strength of 5.3 cN / dT or higher.
[0029]
The tensile strength is obtained by conducting a tensile test of the fiber with a tensile tester and converting the force applied to the fiber at the time of breaking as the strength per unit thickness of the fiber. As the tensile tester, a Shimadzu tensile tester (RTM-100) is used, and a measurement value obtained by performing a test length of 20 cm and a speed of 20 cm / min is used.
[0030]
The biodegradable ground yarn for pile knitted fabric of the present invention has a boiling water shrinkage within a range of 5% lower limit and 30% upper limit. When the boiling water shrinkage of the biodegradable ground yarn for pile knitted fabric is less than 5%, the shrinkage of the ground yarn becomes insufficient and the pile yarn is not sufficiently fixed. If it exceeds 30%, the shrinkage is sufficient, but it becomes difficult to set processing conditions, and it is difficult to produce a uniform product. The lower limit is preferably 8%, and more preferably 10%. The upper limit is preferably 25%, more preferably 20%.
[0031]
The boiling water shrinkage rate is a value indicating the shrinkage rate of the fiber when immersed in boiling water. The sample having an initial value of 50 cm is immersed in boiling water for 15 minutes with an initial load of 200 mg, and then air-dried for 5 minutes. It is obtained by the formula.
Boiling water shrinkage rate (%) = {(initial sample length−sample length after shrinkage) / initial sample length} × 100
[0032]
The biodegradable ground yarn for pile knitted fabric of the present invention has these physical properties within the intended range by adjusting the processing conditions of the resin and the fiber forming the polylactic acid fiber and the manufacturing process. Can do.
[0033]
Polylactic acid generally tends to have better tensile strength and lower boiling water shrinkage as it is closer to an L-form homopolymer. Therefore, when the ratio of L-form is large, the heat setting condition in the production process of the fiber in the production process is high by setting the temperature lower than that of polyester, for example, 110 ° C. or more and less than 150 ° C. in the case of multifilament. Shrinkage can be obtained, and when the proportion of L-form is small, by setting the stretching step and heat set temperature higher in the manufacturing process than in the former, the oriented crystal is advanced and high tensile strength is achieved. Can get to.
[0034]
In order to obtain the biodegradable ground yarn for pile knitted fabric according to the present invention in view of easy control of the production process and easy to obtain high tensile strength, polylactic acid having a large L-form content is used. Thus, it is preferable to obtain the biodegradable ground yarn for pile knitted fabric of the present invention. The polylactic acid is preferably 90% or more in L form. Moreover, it is preferable not to contain copolymerization components other than D-lactic acid. When the ratio of L-lactic acid is lowered, an amorphous structure is formed, and oriented crystals do not advance in the spinning / drawing process, so that the physical properties of the obtained fiber may be lowered.
[0035]
As the spinning conditions for spinning polylactic acid fiber multifilaments with 90% or more of the L-lactic acid, the yarn is extruded into the air from a spinning nozzle, and then subjected to heat treatment at 95 to 125 ° C. while being wound and stretched. Next, the method of heat setting at 110 ° C. or higher and lower than 150 ° C. is most preferable. When heat setting is performed at a temperature lower than 110 ° C., the boiling water shrinkage rate becomes too high, and excessive shrinkage occurs during blanket production, making it difficult to control the production conditions and possibly causing insufficient tensile strength. There is. When heat setting is performed at a temperature of 150 ° C. or higher, the tensile strength is improved, but the boiling water shrinkage is lowered, and it may be difficult to use as a ground yarn for a pile knitted fabric. The lower limit of the heat set temperature is more preferably 120 ° C.
[0036]
When the biodegradable ground yarn for pile knitted fabric of the present invention is a multifilament, the total fineness is preferably in the range of a lower limit of 110 dT and an upper limit of 560 dT. If it is less than 110 dT, the strength may be insufficient and a single yarn breakage may occur. If it exceeds 560 dT, there is a possibility that a problem that knitting is difficult may occur.
[0037]
In the multifilament, the fineness of the single yarn constituting the multifilament is preferably in the range of a lower limit of 2 dT and an upper limit of 8 dT. If the thickness of the single yarn is less than 2 dT, the yarn may be broken. If the thickness of the single yarn exceeds 8 dT, the texture becomes hard and the texture of the pile knitted fabric may be deteriorated. .
[0038]
The cross-sectional shape of the biodegradable ground yarn for pile knitted fabric of the present invention is not particularly limited, and is round, triangular, L, T, Y, W, Yaba, flat, dog It may be a polygonal shape such as a bone shape, a multileaf shape, a hollow shape or an irregular shape.
[0039]
The biodegradable ground yarn for pile knitted fabric may be a polylactic acid based composite fiber. The polylactic acid-based composite fiber is not particularly limited, and examples thereof include a core-sheath type and a side-by-side type. The polylactic acid-based composite fiber is preferably in a form in which a component having the lowest melting point (for example, 130 ° C.) is exposed on a part of the fiber surface. Use of the above-mentioned polylactic acid-based composite fiber is preferable because the properties as a heat-fusible binder can be suitably imparted to the polylactic acid fiber. The polylactic acid fiber in the ground yarn may be a combination of ordinary polylactic acid fiber and polylactic acid-based composite fiber.
[0040]
The method for producing the polylactic acid-based composite fiber is not particularly limited, and examples thereof include a method of simultaneously eluting and spinning two or more kinds of polymers from a die having a specific shape.
[0041]
The pile-knitted biodegradable ground yarn may be a processed yarn subjected to false twisting. The false twisting processing method is not particularly limited, and examples thereof include a pin type, a friction type, a nip belt type, and an air false twist type. It may be a stretched false twist of POY.
[0042]
  The present invention is also a pile knitted fabric obtained using the biodegradable ground yarn for a pile knitted fabric. In the present specification, a pile knitted fabric refers to a knitted fabric having napped fibers made of pile yarn. In addition, the ground yarn constituting the ground structure of the pile knitted fabric includes a chain yarn (longitudinal direction) and an insertion yarn (lateral direction).IIt works to tighten the thread. In the present invention, it is particularly necessary to use polylactic acid fiber for the chain yarn. The insertion yarn may be a polylactic acid fiber or another biodegradable fiber.
[0043]
The production method of the pile knitted fabric of the present invention is not particularly limited as long as it is a general production method. For example, if it is a Mayer blanket, the yarn is knitted with a double raschel knitting machine, and then center-cut and the dyeing arrangement step is performed. After carrying out, combing and shearing, there can be mentioned a method of pasting two pieces with the back side of the fabric facing inward, and a method of raising the back side after performing shirring in the case of a New Meyer blanket. These blankets may optionally be polished after combing or raising.
[0044]
Although the kind of pile yarn in the pile knitted fabric of this invention is not specifically limited, It is preferable to consist of a fiber which has biodegradability. As the fiber having biodegradability suitable for use in the pile yarn, cotton, silk, wool, rayon, polylactic acid fiber, or a mixture thereof is more preferable. These fibers are preferable in that they are excellent in texture, touch, heat retaining performance and the like as a pile knitted fabric material.
[0045]
The pile yarn of the present invention is not particularly limited, and examples thereof include multifilament, spun yarn, composite spun yarn and the like, and spun yarn is particularly preferable. The spun yarn may be a spun yarn composed of the above-mentioned various fibers alone or a mixed spun yarn composed of two or more kinds of fibers. Among these, a blended yarn of polylactic acid short fibers and natural fibers is preferable, and a blended yarn of polylactic acid fibers and cotton is most preferable. A blended yarn of polylactic acid and cotton is most preferable in that it has an excellent texture and hardly causes problems such as yarn loss. Moreover, when using a multifilament, it is preferable to use the false twisted yarn consisting of a polylactic acid fiber.
[0046]
The blending method of the polylactic acid fiber and the natural fiber is not particularly limited, and for example, a blending method described in JP 2000-80531 A can be used.
[0047]
Examples of the natural fiber blended with the polylactic acid fiber in the blended yarn include cotton fiber, silk fiber for silk spinning, and wool fiber. Each of the above-mentioned cotton, silk, and wool fibers is made of staple fibers having inherent fineness and fiber length. The polylactic acid short fiber is produced by a general method and has a necessary fiber length.
[0048]
It is preferable that the polylactic acid short fiber used for the blended yarn is close to the natural fiber for blending the fineness and the fiber length in order to increase the uniformity of the obtained blended yarn. For example, when blended with cotton fibers, it is preferable to use polylactic acid short fibers having a fineness of 1.1 to 2.2 dT and a fiber length of 30 to 60 mm. Similarly, in the case of eyelash spinning using both wool and polylactic acid fiber, the fineness of the polylactic acid fiber is preferably 3.3 to 8.0 dT, and the fiber length is preferably 60 to 120 mm. The fineness of the lactic acid fiber is preferably 3.3 to 8.0 dT, and the fiber length is preferably 60 to 150 mm.
[0049]
The polylactic acid fiber is not limited to a straight fiber cut to a predetermined length after spinning and drawing, and after crimping by a stuffing method, an indentation heating gear method, a high-speed air injection indentation method, or the like, 30 to 150 mm Cut fibers cut to length can also be used.
[0050]
In the production of the blended yarn, the polylactic acid fiber and the natural fiber are mixed in a series of spinning processes. As the blending method, the raw cotton method that blends in the raw cotton state before the sooting process, the sliver method that blends both fibers in individual wadding machines and then blends them in the sliver state, and the individual roving yarns for both fibers, respectively. Then, a roving method in which both are combined with a spinning machine can be considered. In cotton spinning and eyelash spinning, it is preferable to mix in a sliver state from the point of uniformity, and in the case of wool spinning, it is preferable to mix in a raw hair state.
[0051]
The blended yarn preferably contains polylactic acid fibers in a range of 20% by mass for the lower limit and 80% by mass for the upper limit. If any blended amount is less than 20% (mass ratio), the properties of one of the fibers may be lost.
[0052]
The blended yarn is passed through any of the known cotton yarn spinning process (1 inch spinning), eyelash spinning step (2,2.5, 3 inch spinning), wool spinning spinning process, silk spinning spinning process, etc. Both fibers are mixed at a predetermined portion in the inside, and are spun into a spun yarn to be sent out from the spinning machine. The spun yarn can be used as the pile yarn of the present invention as a single yarn or twisted.
[0053]
The composite spun yarn is also described in JP-A No. 2000-80531. In the spinning process, the composite spun yarn is (1) supplied to the drafting part of the spinning device, and the raw natural fiber yarn just after exiting the front roller is left in the opened state, and the drafted part is then placed on it. Core yarn type obtained by superimposing and twisting polylactic acid fiber filament yarns that have passed only through the front roller without being supplied. (2) Natural yarn immediately after leaving the front roller after being supplied to the drafting part of the spinning device. A silofil type obtained by placing a polylactic acid fiber filament yarn in the center with a coarse yarn of fiber arranged on both sides, not supplied to the draft part, and passing through only the front roller, and (3) Examples thereof include a covering type and a twisted yarn type obtained by twisting natural fiber spun yarn and polylactic acid fiber filament. Note that the above “Silofil” is a registered trademark of Wool Development International Limited.
[0054]
The multifilament as the pile yarn is not particularly limited, and is obtained by similarly spinning the same polylactic acid as the biodegradable ground yarn for pile knitted fabric, and has a boiling water shrinkage of 15% or less. It is preferable to use a filament. Moreover, it is preferable to use the processed yarn which gave the false twist process on the same conditions as the said biodegradable ground yarn for pile knitted fabrics from the point of a texture.
[0055]
The manufacturing method of the pile knitted fabric of this invention is not specifically limited, It can manufacture according to the manufacturing method of a normal pile knitted fabric using the said fiber. Moreover, the pile knitted fabric of this invention can be used for a blanket, a carpet, etc., for example. In addition, the shrinkage rate in the manufacturing process of the pile knitted fabric of the present invention is preferably 10 to 15% in the longitudinal direction, which is the chain yarn direction, from the viewpoint of the tightness and texture of the pile yarn.
[0056]
The biodegradable ground yarn for pile knitted fabric made of the polylactic acid fiber of the present invention is a fiber having biodegradability, but has the same boiling water shrinkage as a polyester filament that has been conventionally used as a ground yarn for pile blankets. It has physical properties such as tensile strength. In addition, the pile knitted fabric using the biodegradable material for the ground yarn and the pile portion of the present invention is itself biodegradable and is similar to a pile knitted fabric using a conventional polyester filament as the ground yarn. The pile yarn is less likely to fall off.
[0057]
【Example】
Examples The present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to these examples.
Polylactic acid fibers having various physical properties as shown in Table 1 were produced by the following polymerization and spinning processes. For comparison, physical properties of the polyester filament are shown.
[0058]
Example 1
(Polymer polymerization)
A polylactic acid was polymerized by a conventional method using a monomer composition composed of 98.6% L-lactide and 1.4% D-lactide using tin octylate as a polymerization catalyst.
[0059]
(spinning)
The obtained polymer was extruded into the air from a spinning nozzle having a pore diameter of 0.25 mm, wound up at 3500 m / min, then stretched twice at 95 ° C., and heat-set at 145 ° C. to obtain polylactic acid fibers. . The obtained polylactic acid fiber was 167 dT / 48 f.
[0060]
Comparative Example 1
A polylactic acid fiber was obtained in the same manner except that the polylactic acid polymer was changed.
[0061]
Comparative Example 2
All other conditions were the same, and a polylactic acid fiber subjected to heat setting twice was obtained.
[0062]
The resulting polylactic acid fiber was evaluated for tensile strength, boiling water shrinkage, and the like by the following methods.
<Measurement of tensile strength>
Using a Shimadzu tensile tester (RTM-100), a tensile test was performed at a sample length of 20 cm and a speed of 20 cm / min. The breaking strength was taken as the tensile strength and the breaking elongation was taken as the tensile elongation.
[0063]
<Boiling water shrinkage>
An initial load of 200 mg was applied to a sample having an initial value of 50 cm, immersed in boiling water for 15 minutes, air-dried for 5 minutes, and then the boiling water shrinkage was determined by the following equation.
Boiling water shrinkage rate (%) = {(initial sample length−sample length after shrinkage) / initial sample length} × 100
[0064]
<Relative viscosity (ηrel)>
The sample was dissolved in a mixed solvent of phenol / tetrachloroethane = 60/40 (mass ratio) to a concentration of 1 g / dl, and the relative viscosity was measured at 20 ° C. using an Ubbelohde viscometer.
[0065]
<Amount of monomer>
The sample was dissolved in chloroform so as to have a concentration of 10 mg / mL, and then GPC analysis was performed by using HLC8120GPC manufactured by Tosoh, using chloroform as a solvent, and Mw and Mn were measured. The detector was RI, and polystyrene was used as a molecular weight standard. From the measurement of the molecular weight distribution, the proportion of components having a molecular weight of 1000 or less was determined, and the amount of monomer in the polymer was calculated.
[0066]
<Measurement of L body>
The resin was hydrolyzed, and the ratio of L-form was determined using high performance liquid chromatography (HPLC: LC10AD type, manufactured by Shimadzu Corporation) using methanolic sodium hydroxide solution 1.0N as a solvent.
[0067]
[Table 1]
Figure 0004269604
[0068]
Example 2
Using the polylactic acid fiber obtained in Example 1 as the ground yarn (chain yarn and insertion yarn), the ground structure is composed of 16 gauge / inch, 26 pieces / inch, and cotton and polylactic acid intertwisted yarn as the pile portion A Meyer blanket was prepared using the method described above. During the dyeing and arranging step, the pile knitted fabric was shrunk 10% in the longitudinal direction at 110 ° C. Similarly, a Meyer blanket was produced using the polylactic acid fibers of Comparative Examples 1 and 2 as the ground yarn. Further, a Mayer blanket was produced in the same manner using the polyester filaments shown in Table 1 made of polyethylene terephthalate resin as the ground yarn. The knitting properties of these Meyer blankets, processability at the manufacturing stage (center cut property), manufacturing conditions, and the degree of pile yarn falling off during the dyeing arrangement process were evaluated, and the results are shown in Table 2.
The knitting property was evaluated according to the following criteria.
Y: No problem
×: Yarn breakage
[0069]
[Table 2]
Figure 0004269604
[0070]
The Meyer blanket using the ground yarn of Example 1 was shown to have the same performance as the polyester filament in all items. The Meyer blanket using the ground yarns of Comparative Examples 1 and 2 had a severe pile yarn dropout or was easy to fall off. In addition, the Meyer blanket using the ground yarn of Comparative Example 1 showed deterioration in knitting property, center cut property, and occurrence of defects in production.
[0071]
【The invention's effect】
Since the biodegradable ground yarn for pile knitted fabric of the present invention has biodegradability, the pile knitted fabric using the same is decomposed by natural microorganisms even when discarded. For this reason, if a pile knitted fabric is manufactured using the fiber which has biodegradability for a pile yarn, the whole pile knitted fabric will have biodegradation. Further, from the viewpoint that there are few problems such as falling off of pile yarns and yarn breakage in the production process, it has excellent properties as a ground yarn for pile knitted fabrics.
The pile knitted fabric of the present invention is used for blankets, carpets, mats, sofas, kotatsu mats, kotatsu racks, ponchos and the like.

Claims (4)

ポリ乳酸繊維からなるパイル編布用生分解性地糸であって、
前記ポリ乳酸繊維は、引張強度が3.5cN/dT(センチニュートン/デシテックス)以上であり、沸水収縮率が5〜30%であり、相対粘度が2.5〜3.8であり、モノマー量が0.5質量%以下であり、L体の比率が90%以上であり、かつパイル編布の地組織を構成する地糸のうち少なくとも鎖糸に使用されることを特徴とするパイル編布用生分解性地糸。
A biodegradable ground yarn for pile knitted fabric made of polylactic acid fiber,
The polylactic acid fiber is a tensile strength of 3.5 cN / dT (centiNewtons / dtex) or higher, boiling water shrinkage rate Ri 5-30% der, relative viscosity of 2.5 to 3.8, monomer the amount is not more than 0.5 mass%, the proportion of L-isomer is 90% or more, and pile knitting, wherein Rukoto used in at least the chain yarns of the ground yarns constituting the foundation structure of the pile knitted fabric Biodegradable ground yarn for fabric.
地糸及びパイル糸からなるパイル編布であって、
前記地糸のうち少なくとも鎖糸が、請求項1記載のパイル編布用生分解性地糸であることを特徴とするパイル編布。
A pile knitted fabric made of ground yarn and pile yarn,
The pile knitted fabric characterized in that at least chain yarn of the ground yarn is the biodegradable ground yarn for pile knitted fabric according to claim 1.
パイル糸は、綿、絹、羊毛、レーヨン、ポリ乳酸繊維又はこれらの2以上の混合からなるものである請求項2に記載のパイル編布。The pile knitted fabric according to claim 2, wherein the pile yarn is made of cotton, silk, wool, rayon, polylactic acid fiber, or a mixture of two or more thereof. パイル編布を縦方向に10〜15%収縮させたものである請求項2または3に記載のパイル編布。The pile knitted fabric according to claim 2 or 3, wherein the pile knitted fabric is contracted by 10 to 15% in the longitudinal direction.
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