JP4266109B2 - Glass frit for sealing - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、封着用ガラスフリットに関し、特に、固体酸化物型燃料電池(SOFC)用の封着用ガラスフリットに関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミックス部材や金属部材を構成要素とする複合体の製造に際し、セラミックス部材や金属部材を接合して複合体とするための接合用材料として封着用ガラスフリットが広く用いられている。この封着用ガラスフリットの製造方法としては、まず、用途に応じた組成となるように複数種の無機材料を混合し、これらを高温下で溶融して組成比を均一とした後、冷却してガラス組成物を得、この得られたガラス組成物を粉砕してガラス粉末とし、必要に応じてフィラー(無機質結晶を含む充填剤)等の添加物を混合させることにより封着用ガラスフリットを得る方法が知られている。
【0003】
また、複合体の製造方法として、上述のようにして得られた封着用ガラスフリットを、例えばペースト状にした後に、セラミックス部材に塗布し、高温下で封着用ガラスフリットを軟化させることによってセラミックス部材に融着させ、融着した封着用ガラスフリットを介してセラミックス部材に金属部材を接合させて、これらを冷却することにより複合体を得る方法も知られている。
【0004】
従来の一般的な封着用ガラスフリットとしては、600℃未満の低温域で用いられるB2O3やP2O5をベースにした封着用ガラスフリットと、1000℃以上の高温域で用いられる結晶化ガラスを利用した封着用ガラスフリットとが知られている。
【0005】
さらに、近年、複合体には、固体酸化物型燃料電池(SOFC)として用いることを要求されるものが増えてきており、この要求を満たす封着用ガラスフリットとしては、上記作動温度近傍で機械的及び化学的安定性を有する封着用ガラスフリットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−63146号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、SOFCは作動していないときは常温まで冷却されるため、常温からSOFCの作動温度近傍までの範囲で温度を繰り返し変化させても金属部材やセラミックス部材を安定的に接合する封着用ガラスフリットでなければSOFCの封着状態を安定的に保つことは困難である。従って、封着用ガラスフリットがSOFCの作動温度近傍で機械的及び化学的安定性を有するものであっても、SOFCの封着状態を安定的に保つものとしては不十分である。
【0008】
一方、従来より用いられている600℃未満の低温域で用いられるB2O3やP2O5をベースにした封着用ガラスフリットは、800℃程度の温度域では軟化してしまうことから、SOFCの作動温度である750℃近傍で封着状態を安定的に保つことは困難である。
【0009】
また、同じく従来より用いられている1000℃以上の高温域で用いられる結晶化ガラスを利用した封着用ガラスフリットは、使用温度域で行われた結晶化の程度によって結晶化ガラスの膨張率が大きく変化するため、膨張率にバラツキが発生して封着状態を安定的に保つことが困難となる。この結果、例えば、低電圧で一定の仕事量を得ることができる大面積のSOFCの作製が困難となる。
【0010】
本発明の目的は、1000℃以下で金属部材又はセラミックス部材を安定的に接合でき、且つその接合状態について常温から750℃の温度範囲での繰返し安定性を有する封着用ガラスフリットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の封着用ガラスフリットは、金属部材同士又は金属部材とセラミックス部材を接合する封着用ガラスフリットにおいて、前記封着用ガラスフリットの必須成分は、SiO2:50〜70mol%、Al2O3:5〜20mol%、ZnO:5〜20mol%、Na2O:4〜20mol%、及びK2O:4〜20mol%であり、Na2OとK2Oは、総量が15mol%以上であり、且つK2Oに対するNa2Oのmol%比率が0.5〜2.0の間であり、Li2O、アルカリ土類金属酸化物、ZrO2、TiO2、B2O3、及びP2O5の前記封着用ガラスフリットへの総含有量が1mol%以下であり、CoOが3.5質量%以下添加されたことを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の封着用ガラスフリットによれば、封着用ガラスフリットの必須成分は、SiO2:50〜70mol%、Al2O3:5〜20mol%、ZnO:5〜20mol%、Na2O:4〜20mol%、及びK2O:4〜20mol%であり、このNa2OとK2Oは、総量が15mol%以上であり、且つK2Oに対するNa2Oのmol%比率が0.5〜2.0の間であるので、1000℃での粘度が融着に適した10000p以下とすることができ、もって、1000℃以下で金属部材又はセラミックス部材を安定的に接合でき、また、かかる組成の封着用ガラスフリットは30℃から、転移点より30℃低い温度までの平均膨張率を105×10−7/℃以上として封着用ガラスフリットの膨張率を金属部材やセラミックス部材のものに近づけることにより、被接着物の温度を常温から750℃まで繰返し変化させる際の剥離等を防止することができ、もって、その接合状態について常温から750℃の温度範囲での繰返し安定性を有する封着用ガラスフリットを提供することができる。
また、Li2O、アルカリ土類金属酸化物、ZrO2、TiO2、B2O3、及びP2O5の封着用ガラスフリットへの総含有量が1mol%以下であるので、封着用ガラスフリットの粘度や溶解性を調整することができる。
さらにCoOが3.5質量%以下添加されるので、セラミックス部材との接合性及び金属部材との接合性を向上させることができる。
【0015】
請求項2記載の封着用ガラスフリットは、請求項1記載の封着用ガラスフリットにおいて、降伏点の温度が640℃以上であることを特徴とする。
【0016】
請求項2記載の封着用ガラスフリットによれば、降伏点の温度が640℃以上であるので、常温から750℃の温度範囲で封着用ガラスフリットの剛性を保つことができる。
【0019】
請求項3記載の封着用ガラスフリットは、請求項1又は2記載の封着用ガラスフリットにおいて、フィラーとして、アルミナ、コージェライト、シリカ、ジルコン、チタン酸アルミニウム、ホルステライト、ムライト、β−ユークリプタイト、β−スポジューメンの群から選択された少なくとも1種類が0.1〜10質量%添加されたことを特徴とする。
【0020】
請求項3記載の封着用ガラスフリットによれば、フィラーとして、アルミナ、コージェライト、シリカ、ジルコン、チタン酸アルミニウム、ホルステライト、ムライト、β−ユークリプタイト、β−スポジューメンの群から選択された少なくとも1種類が0.1〜10質量%添加されるので、封着用ガラスフリットの膨張率を適切に調整することができる。
【0021】
請求項4記載の封着用ガラスフリットは、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の封着用ガラスフリットにおいて、前記金属部材及び前記セラミックス部材は固体酸化物型燃料電池の構成要素であり、前記封着用ガラスフリットは当該構成要素を接合することに用いられることを特徴とする。
【0022】
請求項4記載の封着用ガラスフリットによれば、上記金属部材及びセラミックス部材は固体酸化物型燃料電池の構成要素であり、上記封着用ガラスフリットは当該構成要素を接合するのに用いられるので、固体酸化物型燃料電池の長寿命化を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、金属部材同士又は金属部材とセラミックス部材を接合する封着用ガラスフリットにおいて、前記ガラスの必須成分は、SiO2:50〜70mol%、Al2O3:5〜20mol%、ZnO:5〜20mol%、Na2O:4〜20mol%、及びK2O:4〜20mol%であり、Na2OとK2Oは、総量が15mol%以上であり、且つK2Oに対するNa2Oのmol%比率が0.5〜2.0の間であると、1000℃での粘度が融着に適した10000p以下とすることができ、もって、1000℃以下で金属部材又はセラミックス部材を安定的に接合でき、また、かかる組成の封着用ガラスフリットは30℃から、転移点より30℃低い温度までの平均膨張率を105×10-7/℃以上として封着用ガラスフリットの膨張率を金属部材やセラミックス部材のものに近づけることにより、被接着物の温度を常温から750℃まで繰返し変化させる際の剥離等を防止することができ、もって、その接合状態について常温から750℃の温度範囲での繰返し安定性を有する封着用ガラスフリットを提供することができることを見出した。
【0024】
以下、封着用ガラスフリットを構成するガラスの各必須成分の働きを説明する。
【0025】
SiO2は、封着用ガラスフリットを構成するガラスの主成分であり、50mol%未満ではガラス化せず、70mol%を超えると1100℃でも充分な融着ができない。
【0026】
Al2O3は、750℃付近での封着用ガラスフリットの剛性を保つための必須成分であり、5mol%未満では750℃付近での充分な剛性が得られず、20mol%より多いと融着時に失透し易くなる。
【0027】
ZnOは、750℃での剛性を保ちつつ、融着温度を下げるための必須成分であり、5mol%未満ではその効果が見られず、20mol%より多いと融着時に失透し易くなる。
【0028】
Na2Oは、封着用ガラスフリットの膨張率や融着温度を調整する上で必須成分であり、4mol%未満では1000℃以下で金属部材及びセラミックス部材に封着用ガラスフリットを充分に融着ができなくなり、20mol%より多いと、750℃付近での剛性が保てなくなる。
【0029】
K2Oは、Na2Oと同様に膨張率や融着温度を調整する上で必須成分であり、4mol%未満では1000℃以下で金属部材及びセラミックス部材に封着用ガラスフリットを充分に融着ができなくなり、20mol%より多いと、800℃付近での剛性が保てなくなる。
【0030】
また、Na2OとK2Oの総量を15mol%以上にすると、常温から750℃までの範囲で105×10-7/℃以上の膨張率を維持することができ、且つ、K2Oに対するNa2Oのmol%比率が0.5〜2.0の間であると、失透しにくくなる。
【0031】
本発明者は、上記必須成分を含むガラスに、CoOが3.5質量%以下添加されると、セラミックス部材との接合性及び金属部材との接合性を向上させることができることを見出した。ただし、添加量が3.5質量%より多いと融着時に失透し易くなる。また、接合性を改善するための遷移金属酸化物としては、CoOが効果的ではあるが、V2O5、Cr2O3、MnO2、Fe2O3、NiO2、CuO、Nb2O3、Mo2O5、Ta2O5、Bi2O3及びランタノイド系の遷移金属酸化物も融着するセラミックス部材や金属部材の種類によっては効果的に接合性を向上させる効果が得られることを見出した。
【0032】
本発明者は、降伏点の温度が640℃以上であると、750℃以下の温度域で封着用ガラスフリットの剛性を保つことができること、上記必須成分を含むガラスに、Li2O、アルカリ土類金属酸化物、ZrO2、TiO2、B2O3、及びP2O5の総含有量が1mol%以下、好ましくは0.5mol%未満で加えると、封着用ガラスフリットの粘度や溶解性を調整行うことができること、さらに、フィラーとして、アルミナ、コージェライト、シリカ、ジルコン、チタン酸アルミニウム、ホルステライト、ムライト、β−ユークリプタイト、β−スポジューメンの群から選択された少なくとも1種類が0.1〜10質量%添加されると、封着用ガラスフリットの膨張率を適切に調整することができることを見出した。
【0033】
また、本発明者は、上記金属部材及び上記セラミックス部材は、例えば、後述する図1の固体酸化物型燃料電池の構成要素であり、当該構成要素を接合するのに上記封着用ガラスフリットを用いると、固体酸化物型燃料電池の長寿命化を図ることができることを見出した。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態に係る封着用ガラスフリットによって接合された固体酸化物型燃料電池の構成要素の概略図である。
【0035】
図1において固体酸化物型燃料電池10は、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)/Niサーメットから成るカソード12、Ni−Cr合金から成るセパレータ13、(La,Sr)MnO3から成るアノード14、及びこれらが順に積層されたものを挟持するYSZから成る電解質11から成る。
【0036】
セパレータ13は、カソード12側にO2を通す溝である空気流通層13aと、アノード14側にH2,CO,CH4を通す溝である燃料流通層13bとから成る。
【0037】
セパレータ13と、カソード12及びアノード14とは、夫々、上述の封着用ガラスフリットにより接合される。電解質11は、例えば750℃の動作温度以上に加熱されたときにイオン導電性を発揮して電解質としての機能を果たす。また、カソード12とアノード14とは、夫々電線で接続されている。
【0038】
上記固体酸化物型燃料電池10では、燃料流通層13b内を通るH2,CO,CH4とセパレータ13中を通って燃料流通層13bに供給されるO2-がアノード14側にある電解質11で酸化反応を起こして、H2O,CO2を生成する。このとき同時に電子が遊離してアノード14に移動する。アノード14に移動した電子は、アノード14と接続する電線を介してカソード12に送電される。
【0039】
一方、空気流通層13a内を通るO2はカソード12側にある電解質11で還元反応を起こして、O2-を生成する。このO2-がセパレータ13中を通って燃料流通層13bに供給される。
【0040】
固体酸化物型燃料電池10は、上述のように、作動時は電解質11にイオン導電性を発揮させるために、通常750℃の動作温度に昇温すべく加熱され、非作動時は常温まで放熱される。その結果、固体酸化物型燃料電池10の温度は動作温度と常温の間で繰り返し変化する。これが、1000℃以下で封着用ガラスフリットにより接合された金属部材やセラミックス部材の接合状態を、750℃以下で安定的に保つために、金属部材やセラミックス部材の接合に上記封着用ガラスフリットを用いる所以である。
【0041】
本発明の実施の形態によれば、上記組成のガラスから成る封着用ガラスフリットが固体酸化物型燃料電池10を構成するカソード12、セパレータ13、及びアノード14の夫々の間を接合するのに用いられるので、固体酸化物型燃料電池10の長寿命化を図ることができる。
【0042】
尚、本発明の封着用ガラスフリットは、固体酸化物型燃料電池10に用いられる場合に限定されるわけでなく、1000℃以下で金属部材やセラミックス部材と安定的に接合でき、750℃以下で金属部材やセラミックス部材との封着状態を安定的に保つことを要するものに用いられればよいことはいうまでもない。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0044】
MG300gとなる分量の原料を表1、表2、表3に示す組成で調合し、白金ルツボを用いて1550℃で8時間溶融した。この融体をステンレス製の金型枠にキャストし、650℃で2時間保持した後、5℃/分で常温まで冷却した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
このようにして作製した実施例1〜実施例6、比較例1〜比較例13までのガラスブロックを用いて、膨張率、降伏点、金属部材及びセラミックス部材に対する融着性及び接合性、常温及び750℃間の繰返し安定性を夫々評価した。
【0049】
膨張率、降伏点は以下のように測定した。作製した各ガラスブロックの一部を直径5mm、長さ18mmの円柱状に加工し、膨張率、降伏点測定用のサンプルとした。測定にはリガク製熱分析装置TAS−100(TMA)を用いた。測定温度域は室温(50℃)から降伏点(640℃)付近までで、昇温速度は5℃/分とした。
【0050】
金属に対する融着性の評価は以下のように行った。前述の各ガラスブロックの別の部分を乳鉢で粉砕し、粒径を10〜20μmに揃えた粉体を封着用ガラスフリット21とし、これを5g程度時計皿に取り、メタノールを加えてペースト状にし、厚み1mm、縦・横が30mmのステンレス基板23上に置かれた直径10mmのリング22の中に高さが1〜2mmとなるように適量詰めて乾燥させ、充分乾燥した後にリング22を外して、融着試験用のサンプルとした(図2)。そのままの状態で、昇温速度100℃/時間で1000℃まで温度を上げ、1000℃で10時間保持した後、100℃/時間で常温まで冷却した。その後、サンプルがステンレス基板23に融着しているか確認した(表1)。具体的には、上記評価は、常温まで冷却した後のサンプルがステンレス基板23から全く剥離していない場合を「優」、一部剥離している場合を「良」、完全に剥離した場合を「不良」として行った。
【0051】
金属に対する接合性の評価は、以下のように行った。上述の封着用ガラスフリット21で2枚のステンレス基板23を接合して接合性試験用のサンプルとした。そのままの状態で常温及び750℃まで温度変化を行った後、接合したステンレス基板23が剥離しているか否かを確認した。具体的には、上記評価は、常温まで冷却した後全く剥離していない場合を「優」、一部剥離している場合を「良」、完全に剥離した場合を「不良」として行った。
【0052】
また、セラミックス部材に対する融着性及び接合性の評価は、ステンレス基板23をアルミナから成るセラミックス基板に変更する点を除き上記方法と同様の方法で行った。
【0053】
常温及び750℃間の繰返し安定性の評価は以下のように行った。前述の各ガラスブロックから約5mm角の立方体ブロックを切り出し、繰返し安定性評価用のサンプルとした。各サンプルをアルミナ基板上に置いて、電気炉に入れ、昇温速度100℃/時間で常温から750℃まで温度を上げ、750℃で48時間保持した後、100℃/時間で常温まで冷却した。この操作を10回繰返した。このようにして繰返し熱処理した各サンプルに変形や失透が見られないか調べた。具体的には、上記評価は、常温まで冷却した後のサンプルに全く変形及び失透が見られなかった場合を「優」、一部変形又は失透が見られた場合を「良」、サンプル全体が変形及び失透した場合を「不良」として行った。
【0054】
上記膨張率、降伏点、1000℃での金属部材及びセラミックス部材に対する融着性及び接合性、常温及び750℃間の繰返し安定性の各評価を表1、表2、表3に示す。
【0055】
実施例2において、表1記載の組成にCoO、V2O5、Cr2O3、MnO2、Fe2O3、NiO2、CuO、Nb2O3、Mo2O5、Ta2O5、Bi2O3及びランタノイド系の遷移金属酸化物を総含有量3.5質量%追加すると、1000℃での金属部材及びセラミックス部材に対する融着性及び接合性が向上した。
【0056】
実施例5において、表1記載の組成にLi2O、アルカリ土類金属酸化物、ZrO2、TiO2、B2O3、及びP2O5を総含有量0.5mol%追加すると、粘性を調整することにより失透を防ぐことができ、繰返し安定性が向上した。
【0057】
比較例1において、繰返し安定性が低いのは、降伏点が614℃と低く、また、750℃付近での剛性を保つための必須成分であるAl2O3が1.4mol%と少量であると、750℃付近での充分な剛性が得られないからである。
【0058】
比較例2において、繰返し安定性が低いのは、降伏点が599℃と低く、750℃付近での剛性を保つための必須成分であるAl2O3が4.6mol%と少量であり、さらに、Na2OとK2Oの総量が13.0mol%と少量であると、常温及び750℃間で105×10-7/℃以上の膨張率を維持することができないからである。
【0059】
比較例3において、融着性及び接合性が低いのは、Na2OとK2Oの総量が8.0mol%と少量であると、常温及び750℃間で105×10-7/℃以上の膨張率を維持することができないからである。
【0060】
比較例4において、繰返し安定性が低いのは、ZrO2とB2O3の総量が1molより多いからである。
【0061】
比較例5において、繰返し安定性が低いのは、SiO2はガラスを作製する場合の主成分であり、39.3mol%と少量であるとガラス化しないからであり、また、降伏点が620℃と低く、さらに750℃付近での剛性を保つための必須成分であるAl2O3が0.7mol%と少量で、且つB2O3が10mol%と多量にあると、充分な剛性がこの温度域では得られないからである。さらに、Na2OとK2Oの総量が9.2mol%と少量であると、常温及び750℃間で105×10-7/℃以上の膨張率を維持することができないからである。
【0062】
比較例6において、融着性、接合性、及び形状安定性が共に低いのは、MgOとCaOの総量が4mol%より大きいためである。
【0063】
比較例7において、融着性及び接合性が低いのは、SiO2が75mol%もあるからである。
【0064】
比較例8において、繰返し安定性が低いのは、Al2O3が25mol%もあると融着時に失透し易くなるからである。
【0065】
比較例9において、繰返し安定性が低いのは、ZnOが25mol%もあると融着時に失透し易くなるからである。
【0066】
比較例10において、融着性、接合性、及び繰返し安定性とが共に低いのは、ZnOが3mol%と少量であると、750℃での剛性を保ちつつ、融着温度を下げる効果を発揮しえなかったからである。
【0067】
比較例11において、融着性及び接合性が低いのは、Na2Oが0.5mol%、Na2OとK2Oが総量で4mol%と少量であると、膨張率や融着温度の調整を行うことができなく成る結果、金属部材及びセラミックス部材を充分に融着ができなかったからである。また、形状安定性が低いのは、K2Oに対するNa2Oのmol比率が0.2未満と低い場合、失透が起こり易くなるからである。
【0068】
比較例12において、繰返し安定性が低いのは、Na2Oが30mol%もあると、800℃付近での剛性が保てず、また、K2Oに対するNa2Oのmol比率が0.2未満と低い場合、失透が起こり易くなるからである。
【0069】
比較例13において、繰返し安定性が低いのは、CoOを加えた量が5質量%もあると、融着時に失透し易くなるからである。
【0070】
表1、表2、表3に示す実施例1〜6及び比較例1〜13の結果から以下のことがわかった。
【0071】
ガラスの必須成分が、SiO2:50〜70mol%、Al2O3:5〜20mol%、ZnO:5〜20mol%、Na2O:4〜20mol%、及びK2O:4〜20mol%であり、Na2OとK2Oが、総量が15mol%以上であり、且つK2Oに対するNa2Oのmol%比率が0.5〜2.0の間であると、1000℃での粘度が融着に適した10000p以下とすることができ、もって、1000℃以下で金属部材又はセラミックス部材を安定的に接合でき、また、かかる組成の封着用ガラスフリットは30℃から、転移点より30℃低い温度までの平均膨張率を105×10-7/℃以上として封着用ガラスフリットの膨張率を金属部材やセラミックス部材のものに近づけることにより、被接着物の温度を常温及び750℃間で繰返し変化させる際の剥離等を防止することができ、もって、750℃以下で金属やセラミックスとの封着状態を安定して保つことができる。
【0072】
また、上記必須成分を含むガラスに、CoOが3.5質量%以下添加されると、セラミックス部材との接合性及び金属部材との接合性を向上させることができることを見出した。ただし、添加量が3.5質量%より多いと融着時に失透し易くなる。また、接合性を改善するための遷移金属酸化物としては、CoOが効果的ではあるが、V2O5、Cr2O3、MnO2、Fe2O3、NiO2、CuO、Nb2O3、Mo2O5、Ta2O5、Bi2O3及びランタノイド系の遷移金属酸化物も融着するセラミックス部材や金属部材の種類によっては効果的に接合性を向上させる効果が得られる。
【0073】
さらに、降伏点の温度が640℃以上であると、750℃以下の温度域で封着用ガラスフリットの剛性を保つことができること、上記必須成分を含むガラスに、Li2O、アルカリ土類金属酸化物、ZrO2、TiO2、B2O3、及びP2O5の総含有量が1mol%以下、好ましくは0.5mol%未満で加えると、封着用ガラスフリットの粘度や溶解性を調整行うことができる。
【0074】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1記載の封着用ガラスフリットによれば、封着用ガラスフリットの必須成分は、SiO2:50〜70mol%、Al2O3:5〜20mol%、ZnO:5〜20mol%、Na2O:4〜20mol%、及びK2O:4〜20mol%であり、このNa2OとK2Oは、総量が15mol%以上であり、且つK2Oに対するNa2Oのmol%比率が0.5〜2.0の間であるので、1000℃での粘度が融着に適した10000p以下とすることができ、もって、1000℃以下で金属部材又はセラミックス部材を安定的に接合でき、また、かかる組成の封着用ガラスフリットは30℃から、転移点より30℃低い温度までの平均膨張率を105×10−7/℃以上として封着用ガラスフリットの膨張率を金属部材やセラミックス部材のものに近づけることにより、被接着物の温度を常温及び750℃間で繰返し変化させる際の剥離等を防止することができ、もって、その接合状態について常温から750℃の温度範囲での繰返し安定性を有する封着用ガラスフリットを提供することができる。
また、Li2O、アルカリ土類金属酸化物、ZrO2、TiO2、B2O3、及びP2O5の封着用ガラスフリットへの総含有量が1mol%以下であるので、封着用ガラスフリットの粘度や溶解性を調整することができる。
さらにCoOが3.5質量%以下添加されるので、セラミックス部材との接合性及び金属部材との接合性を向上させることができる。
【0076】
請求項2記載の封着用ガラスフリットによれば、降伏点の温度が640℃以上であるので、常温から750℃の温度範囲で封着用ガラスフリットの剛性を保つことができる。
【0078】
請求項3記載の封着用ガラスフリットによれば、フィラーとして、アルミナ、コージェライト、シリカ、ジルコン、チタン酸アルミニウム、ホルステライト、ムライト、β−ユークリプタイト、β−スポジューメンの群から選択された少なくとも1種類が0.1〜10質量%添加されるので、封着用ガラスフリットの膨張率を適切に調整することができる。
【0079】
請求項4記載の封着用ガラスフリットによれば、上記金属部材及びセラミックス部材は固体酸化物型燃料電池の構成要素であり、上記封着用ガラスフリットは当該構成要素を接合するのに用いられるので、固体酸化物型燃料電池の長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る封着用ガラスフリットによって接合された固体酸化物型燃料電池の構成要素の概略図である。
【図2】封着用ガラスフリットの融着性の評価の測定に用いられるステンレス基板及びリングの斜視図である。
【符号の説明】
10 固体酸化物型燃料電池
11 電解質
12 カソード
13 セパレータ
14 アノード
21 封着用ガラスフリット
22 リング
23 ステンレス基板[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a sealing glass frit, and more particularly to a sealing glass frit for a solid oxide fuel cell (SOFC).
[0002]
[Prior art]
When manufacturing a composite body including a ceramic member or a metal member as a constituent element, a glass frit for sealing is widely used as a bonding material for joining the ceramic member or the metal member to form a composite body. As a manufacturing method of this glass frit for sealing, first, a plurality of kinds of inorganic materials are mixed so as to have a composition according to the use, and these are melted at a high temperature to make the composition ratio uniform, and then cooled. A method of obtaining a glass frit for sealing by obtaining a glass composition, grinding the obtained glass composition into a glass powder, and mixing additives such as fillers (fillers containing inorganic crystals) as necessary It has been known.
[0003]
Further, as a method for producing the composite, the sealing glass frit obtained as described above is made into a paste, for example, and then applied to the ceramic member, and the sealing glass frit is softened at a high temperature to thereby make the ceramic member. There is also known a method in which a metal member is bonded to a ceramic member via a fused glass frit for sealing, and a composite is obtained by cooling them.
[0004]
As a conventional general glass frit for sealing, B used in a low temperature range of less than 600 ° C.2OThreeOr P2OFiveA glass frit for sealing based on the above and a glass frit for sealing using crystallized glass used in a high temperature range of 1000 ° C. or higher are known.
[0005]
Furthermore, in recent years, composites are increasingly required to be used as solid oxide fuel cells (SOFCs). As a sealing glass frit that satisfies this requirement, mechanical composites near the above operating temperature are required. In addition, a glass frit for sealing having chemical stability is known (for example, see Patent Document 1).
[0006]
[Patent Document 1]
JP 2000-63146 A
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the SOFC is not in operation, it is cooled to room temperature. Therefore, even if the temperature is repeatedly changed from the room temperature to the vicinity of the SOFC operating temperature, the sealing glass frit that stably bonds the metal member or the ceramic member. Otherwise, it is difficult to stably maintain the sealed state of the SOFC. Therefore, even if the glass frit for sealing has mechanical and chemical stability in the vicinity of the operating temperature of SOFC, it is not sufficient for stably maintaining the sealed state of SOFC.
[0008]
On the other hand, B used in a conventional low temperature range of less than 600 ° C.2OThreeOr P2OFiveSince the glass frit for sealing based on is softened in the temperature range of about 800 ° C., it is difficult to stably maintain the sealing state in the vicinity of 750 ° C. which is the operating temperature of SOFC.
[0009]
Moreover, the glass frit for sealing using the crystallized glass used in the high temperature range of 1000 ° C. or higher that has been used conventionally has a large expansion coefficient of the crystallized glass depending on the degree of crystallization performed in the use temperature range. Since it changes, it becomes difficult for the expansion rate to vary and to keep the sealed state stable. As a result, for example, it becomes difficult to manufacture a large-area SOFC capable of obtaining a constant work amount at a low voltage.
[0010]
An object of the present invention is to provide a sealing glass frit capable of stably joining a metal member or a ceramic member at 1000 ° C. or less and having a repeated stability in a temperature range from room temperature to 750 ° C. with respect to the joined state. is there.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the sealing glass frit according to claim 1 is a sealing glass frit for joining metal members to each other or a metal member and a ceramic member. The essential component of the sealing glass frit is SiO.2: 50-70 mol%, Al2O3: 5-20 mol%, ZnO: 5-20 mol%, Na2O: 4 to 20 mol% and K2O: 4 to 20 mol%, Na2O and K2O has a total amount of 15 mol% or more, and K2Na against O2The mol% ratio of O is between 0.5 and 2.0, and Li2O, alkaline earth metal oxide, ZrO2TiO2, B2O3And P2O5The total content of the glass frit for sealing is 1 mol% or lessCoO was added in an amount of 3.5% by mass or less.It is characterized by that.
[0012]
According to the sealing glass frit of claim 1, the essential component of the sealing glass frit is SiO.2: 50-70 mol%, Al2O3: 5-20 mol%, ZnO: 5-20 mol%, Na2O: 4 to 20 mol% and K2O: 4 to 20 mol%, this Na2O and K2O has a total amount of 15 mol% or more, and K2Na against O2Since the mol% ratio of O is between 0.5 and 2.0, the viscosity at 1000 ° C. can be set to 10000 p or less suitable for fusion, so that the metal member or the ceramic member can be used at 1000 ° C. or less. The glass frit for sealing can be stably bonded, and the average expansion coefficient from 30 ° C. to a temperature 30 ° C. lower than the transition point is 105 × 10 5.-7By making the expansion coefficient of the glass frit for sealing close to that of a metal member or ceramic member at / ° C. or higher, it is possible to prevent peeling or the like when the temperature of the adherend is repeatedly changed from room temperature to 750 ° C. Further, it is possible to provide a glass frit for sealing that has repetitive stability in the temperature range from room temperature to 750 ° C. with respect to the bonding state.
Li2O, alkaline earth metal oxide, ZrO2TiO2, B2O3And P2O5Since the total content in the glass frit for sealing is 1 mol% or less, the viscosity and solubility of the glass frit for sealing can be adjusted.
Furthermore, since CoO is added in an amount of 3.5% by mass or less, the bondability with the ceramic member and the bondability with the metal member can be improved.
[0015]
Claim2The sealing glass frit described in claim1The sealing glass frit described above is characterized in that the temperature of the yield point is 640 ° C. or higher.
[0016]
Claim2According to the glass frit for sealing described above, since the temperature of the yield point is 640 ° C. or higher, the rigidity of the glass frit for sealing can be maintained in a temperature range from room temperature to 750 ° C.
[0019]
Claim3The sealing glass frit described in claim 1Or 2In the sealing glass frit described above, at least one selected from the group of alumina, cordierite, silica, zircon, aluminum titanate, holsterite, mullite, β-eucryptite, β-spodumene is 0. 1-10 mass% was added, It is characterized by the above-mentioned.
[0020]
Claim3According to the described glass frit for sealing, at least one selected from the group of alumina, cordierite, silica, zircon, aluminum titanate, holsterite, mullite, β-eucryptite, β-spodumene is used as the filler. Since 0.1-10 mass% is added, the expansion coefficient of the glass frit for sealing can be adjusted appropriately.
[0021]
Claim4The glass frit for sealing according to any one of claims 1 to3The sealing glass frit according to any one of the above, wherein the metal member and the ceramic member are constituent elements of a solid oxide fuel cell, and the sealing glass frit is used for joining the constituent elements. It is characterized by that.
[0022]
Claim4According to the sealing glass frit described above, the metal member and the ceramic member are constituent elements of a solid oxide fuel cell, and the sealing glass frit is used to join the constituent elements. The life of the fuel cell can be extended.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As a result of intensive studies to achieve the above object, the inventor of the present invention, as a sealing glass frit for joining metal members to each other or a metal member and a ceramic member, the essential component of the glass is SiO2: 50-70 mol%, Al2OThree: 5-20 mol%, ZnO: 5-20 mol%, Na2O: 4 to 20 mol% and K2O: 4 to 20 mol%, Na2O and K2O has a total amount of 15 mol% or more, and K2Na against O2When the mol% ratio of O is between 0.5 and 2.0, the viscosity at 1000 ° C. can be 10000 p or less suitable for fusion, and therefore the metal member or ceramic member can be used at 1000 ° C. or less. The glass frit for sealing can be stably bonded, and the average expansion coefficient from 30 ° C. to a temperature 30 ° C. lower than the transition point is 105 × 10 5.-7By making the expansion coefficient of the glass frit for sealing close to that of a metal member or a ceramic member at / ° C. or higher, peeling or the like when the temperature of the adherend is repeatedly changed from room temperature to 750 ° C. can be prevented. And it discovered that the glass frit for sealing which has the repetition stability in the temperature range of normal temperature to 750 degreeC can be provided about the joining state.
[0024]
Hereinafter, the function of each essential component of the glass constituting the glass frit for sealing will be described.
[0025]
SiO2Is a main component of the glass constituting the glass frit for sealing. If it is less than 50 mol%, it does not vitrify, and if it exceeds 70 mol%, sufficient fusion cannot be achieved even at 1100 ° C.
[0026]
Al2OThreeIs an essential component for maintaining the rigidity of the glass frit for sealing at around 750 ° C. If it is less than 5 mol%, sufficient rigidity at around 750 ° C cannot be obtained, and if it exceeds 20 mol%, it will devitrify at the time of fusion. It becomes easy.
[0027]
ZnO is an essential component for lowering the fusion temperature while maintaining rigidity at 750 ° C. The effect is not seen when it is less than 5 mol%, and it tends to devitrify when it is more than 20 mol%.
[0028]
Na2O is an essential component for adjusting the expansion coefficient and fusing temperature of the glass frit for sealing, and if it is less than 4 mol%, the fusing glass frit cannot be sufficiently fused to the metal member and the ceramic member at 1000 ° C. or less. If it exceeds 20 mol%, the rigidity at around 750 ° C. cannot be maintained.
[0029]
K2O is Na2Like O, it is an essential component for adjusting the expansion coefficient and the fusion temperature. If it is less than 4 mol%, the glass frit for sealing to the metal member and the ceramic member cannot be sufficiently fused at 1000 ° C. or less. If it is large, the rigidity at around 800 ° C. cannot be maintained.
[0030]
Na2O and K2When the total amount of O is 15 mol% or more, 105 × 10 5 in the range from room temperature to 750 ° C.-7Can maintain an expansion coefficient of more than / ° C., and K2Na against O2When the mol% ratio of O is between 0.5 and 2.0, devitrification becomes difficult.
[0031]
The present inventor has found that, when CoO is added in an amount of 3.5% by mass or less to the glass containing the essential components, the bondability with the ceramic member and the bondability with the metal member can be improved. However, when the addition amount is more than 3.5% by mass, it tends to devitrify at the time of fusion. As a transition metal oxide for improving the bonding property, CoO is effective, but V2OFive, Cr2OThree, MnO2, Fe2OThreeNiO2, CuO, Nb2OThree, Mo2OFive, Ta2OFive, Bi2OThreeIn addition, it has been found that the effect of effectively improving the bondability can be obtained depending on the type of ceramic member or metal member to which the lanthanoid transition metal oxide is also fused.
[0032]
The inventor can maintain the rigidity of the glass frit for sealing in a temperature range of 750 ° C. or lower when the temperature of the yield point is 640 ° C. or higher, and the glass containing the above essential components to Li2O, alkaline earth metal oxide, ZrO2TiO2, B2OThreeAnd P2OFiveWhen added at a total content of 1 mol% or less, preferably less than 0.5 mol%, the viscosity and solubility of the glass frit for sealing can be adjusted, and further, as fillers, alumina, cordierite, silica, zircon, When at least one selected from the group consisting of aluminum titanate, holsterite, mullite, β-eucryptite, and β-spodumene is added in an amount of 0.1 to 10% by mass, the expansion coefficient of the sealing glass frit is appropriately adjusted. I found out that it can be adjusted.
[0033]
In addition, the inventor of the present invention uses, for example, the sealing glass frit to join the constituent elements of the metal member and the ceramic member, which are constituent elements of the solid oxide fuel cell of FIG. And found that the life of the solid oxide fuel cell can be extended.
[0034]
FIG. 1 is a schematic view of components of a solid oxide fuel cell joined by a sealing glass frit according to an embodiment of the present invention.
[0035]
In FIG. 1, a solid
[0036]
The
[0037]
The
[0038]
In the solid
[0039]
On the other hand, O passing through the air circulation layer 13a.2Causes a reduction reaction in the
[0040]
As described above, the solid
[0041]
According to the embodiment of the present invention, a sealing glass frit made of glass having the above composition is used to join between the
[0042]
The glass frit for sealing of the present invention is not limited to the case where it is used for the solid
[0043]
【Example】
Examples of the present invention will be described below.
[0044]
Raw materials in an amount of 300 g of MG were prepared with the compositions shown in Tables 1, 2, and 3 and melted at 1550 ° C. for 8 hours using a platinum crucible. The melt was cast into a stainless steel mold frame, kept at 650 ° C. for 2 hours, and then cooled to room temperature at 5 ° C./min.
[0045]
[Table 1]
[0046]
[Table 2]
[0047]
[Table 3]
[0048]
Using the glass blocks of Examples 1 to 6 and Comparative Examples 1 to 13 produced in this manner, the coefficient of expansion, the yield point, the fusion and bonding properties to metal members and ceramic members, room temperature and The cyclic stability between 750 ° C. was evaluated.
[0049]
The expansion coefficient and yield point were measured as follows. A part of each produced glass block was processed into a cylindrical shape having a diameter of 5 mm and a length of 18 mm to obtain a sample for measuring the expansion coefficient and the yield point. A Rigaku thermal analyzer TAS-100 (TMA) was used for the measurement. The measurement temperature range was from room temperature (50 ° C.) to the vicinity of the yield point (640 ° C.), and the heating rate was 5 ° C./min.
[0050]
Evaluation of the fusion property to the metal was performed as follows. Another portion of each glass block described above is crushed with a mortar, and powder with a particle size of 10 to 20 μm is used as a
[0051]
Evaluation of bondability to metal was performed as follows. Two
[0052]
Further, the evaluation of the fusing property and the bonding property to the ceramic member was performed in the same manner as the above method except that the
[0053]
Evaluation of cyclic stability between room temperature and 750 ° C. was performed as follows. A cube block of about 5 mm square was cut out from each glass block described above and used as a sample for repeated stability evaluation. Each sample was placed on an alumina substrate and placed in an electric furnace. The temperature was increased from room temperature to 750 ° C. at a heating rate of 100 ° C./hour, held at 750 ° C. for 48 hours, and then cooled to room temperature at 100 ° C./hour. . This operation was repeated 10 times. Each sample repeatedly heat-treated in this way was examined for deformation and devitrification. Specifically, the above evaluation is “excellent” when no deformation or devitrification was observed in the sample after cooling to room temperature, and “good” when partial deformation or devitrification was observed. The case where the whole was deformed and devitrified was determined as “bad”.
[0054]
Tables 1, 2 and 3 show evaluations of the expansion coefficient, yield point, fusion property and bondability to metal members and ceramic members at 1000 ° C., and repeated stability between room temperature and 750 ° C.
[0055]
In Example 2, the composition shown in Table 1 was changed to CoO, V2OFive, Cr2OThree, MnO2, Fe2OThreeNiO2, CuO, Nb2OThree, Mo2OFive, Ta2OFive, Bi2OThreeFurther, when the total content of the lanthanoid-based transition metal oxide was added by 3.5% by mass, the fusion property and the bonding property to the metal member and the ceramic member at 1000 ° C. were improved.
[0056]
In Example 5, the composition described in Table 1 was changed to Li2O, alkaline earth metal oxide, ZrO2TiO2, B2OThreeAnd P2OFiveWhen the total content of 0.5 mol% was added, devitrification could be prevented by adjusting the viscosity, and the repeated stability was improved.
[0057]
In Comparative Example 1, the repetition stability is low because the yield point is as low as 614 ° C., and Al is an essential component for maintaining rigidity near 750 ° C.2OThreeThis is because if the amount is as small as 1.4 mol%, sufficient rigidity at around 750 ° C. cannot be obtained.
[0058]
In Comparative Example 2, the repetition stability is low because the yield point is as low as 599 ° C. and Al is an essential component for maintaining rigidity near 750 ° C.2OThreeIs a small amount of 4.6 mol%, and Na2O and K2When the total amount of O is as small as 13.0 mol%, it is 105 × 10 5 at room temperature and between 750 ° C.-7This is because the expansion coefficient of not less than / ° C. cannot be maintained.
[0059]
In Comparative Example 3, Na has low fusion and bonding properties.2O and K2When the total amount of O is as small as 8.0 mol%, it is 105 × 10 5 at room temperature and between 750 ° C.-7This is because the expansion coefficient of not less than / ° C. cannot be maintained.
[0060]
In Comparative Example 4, the low repetitive stability is ZrO.2And B2OThreeThis is because the total amount of is more than 1 mol.
[0061]
In Comparative Example 5, the low repetitive stability is that of SiO.2Is a main component in the case of producing glass, and it is not necessary to be vitrified if it is a small amount of 39.3 mol%, and it is essential for maintaining the rigidity at around 750 ° C. with a low yield point of 620 ° C. Component Al2OThreeIs as small as 0.7 mol% and B2OThreeThis is because sufficient rigidity cannot be obtained in this temperature range when the amount is as large as 10 mol%. In addition, Na2O and K2When the total amount of O is a small amount of 9.2 mol%, it is 105 × 10 5 at room temperature and between 750 ° C.-7This is because the expansion coefficient of not less than / ° C. cannot be maintained.
[0062]
In Comparative Example 6, the reason why the fusion property, the bonding property, and the shape stability are all low is that the total amount of MgO and CaO is larger than 4 mol%.
[0063]
In Comparative Example 7, the low fusion and bondability are SiO2This is because there is 75 mol%.
[0064]
In Comparative Example 8, the repetition stability is low because Al2OThreeThis is because if it is 25 mol%, devitrification tends to occur during fusion.
[0065]
In Comparative Example 9, the reason why the repeat stability is low is that when there is as much as 25 mol% of ZnO, it tends to be devitrified at the time of fusion.
[0066]
In Comparative Example 10, the meltability, bondability, and repetitive stability are all low. When ZnO is as small as 3 mol%, the effect of lowering the fusion temperature while maintaining rigidity at 750 ° C. is exhibited. Because it was not possible.
[0067]
In Comparative Example 11, Na has low fusion and bondability.2O is 0.5 mol%, Na2O and K2This is because when the total amount of O is as small as 4 mol%, the expansion coefficient and the fusion temperature cannot be adjusted, and as a result, the metal member and the ceramic member could not be sufficiently fused. In addition, K has low shape stability.2Na against O2This is because devitrification is likely to occur when the molar ratio of O is as low as less than 0.2.
[0068]
In Comparative Example 12, the low repetition stability is Na.2When O is 30 mol%, the rigidity near 800 ° C. cannot be maintained, and K2Na against O2This is because devitrification is likely to occur when the molar ratio of O is as low as less than 0.2.
[0069]
In Comparative Example 13, the reason why the repeat stability is low is that when the amount of CoO added is as much as 5% by mass, it tends to devitrify during fusion.
[0070]
The following was found from the results of Examples 1 to 6 and Comparative Examples 1 to 13 shown in Tables 1, 2 and 3.
[0071]
An essential component of glass is SiO2: 50-70 mol%, Al2OThree: 5-20 mol%, ZnO: 5-20 mol%, Na2O: 4 to 20 mol% and K2O: 4 to 20 mol%, Na2O and K2O has a total amount of 15 mol% or more, and K2Na against O2When the mol% ratio of O is between 0.5 and 2.0, the viscosity at 1000 ° C. can be 10000 p or less suitable for fusion, and therefore the metal member or ceramic member can be used at 1000 ° C. or less. The glass frit for sealing can be stably bonded, and the average expansion coefficient from 30 ° C. to a temperature 30 ° C. lower than the transition point is 105 × 10 5.-7By making the expansion coefficient of the glass frit for sealing close to that of a metal member or ceramic member at / ° C. or higher, it is possible to prevent peeling or the like when the temperature of the adherend is repeatedly changed between normal temperature and 750 ° C., Therefore, the sealing state with a metal or ceramics can be stably maintained at 750 ° C. or lower.
[0072]
Moreover, when CoO was added to the glass containing the said essential component 3.5 mass% or less, it discovered that the bondability with a ceramic member and the bondability with a metal member could be improved. However, when the addition amount is more than 3.5% by mass, it tends to devitrify at the time of fusion. As a transition metal oxide for improving the bonding property, CoO is effective, but V2OFive, Cr2OThree, MnO2, Fe2OThreeNiO2, CuO, Nb2OThree, Mo2OFive, Ta2OFive, Bi2OThreeIn addition, depending on the type of ceramic member or metal member to which the lanthanoid-based transition metal oxide is also fused, the effect of effectively improving the bondability can be obtained.
[0073]
Furthermore, when the temperature of the yield point is 640 ° C. or higher, the rigidity of the glass frit for sealing can be maintained in a temperature range of 750 ° C. or lower.2O, alkaline earth metal oxide, ZrO2TiO2, B2OThreeAnd P2OFiveWhen the total content of is added at 1 mol% or less, preferably less than 0.5 mol%, the viscosity and solubility of the glass frit for sealing can be adjusted.
[0074]
【The invention's effect】
As explained in detail above, according to the sealing glass frit of claim 1, the essential component of the sealing glass frit is SiO.2: 50-70 mol%, Al2O3: 5-20 mol%, ZnO: 5-20 mol%, Na2O: 4 to 20 mol% and K2O: 4 to 20 mol%, this Na2O and K2O has a total amount of 15 mol% or more, and K2Na against O2Since the mol% ratio of O is between 0.5 and 2.0, the viscosity at 1000 ° C. can be set to 10000 p or less suitable for fusion, so that the metal member or the ceramic member can be used at 1000 ° C. or less. The glass frit for sealing can be stably bonded, and the average expansion coefficient from 30 ° C. to a temperature 30 ° C. lower than the transition point is 105 × 10 5.-7By making the expansion coefficient of the glass frit for sealing close to that of a metal member or ceramic member at / ° C. or higher, it is possible to prevent peeling or the like when the temperature of the adherend is repeatedly changed between normal temperature and 750 ° C., Accordingly, it is possible to provide a glass frit for sealing that has repeated stability in the temperature range from room temperature to 750 ° C. with respect to the bonding state.
Li2O, alkaline earth metal oxide, ZrO2TiO2, B2O3And P2O5Since the total content in the glass frit for sealing is 1 mol% or less, the viscosity and solubility of the glass frit for sealing can be adjusted.
Furthermore, since CoO is added in an amount of 3.5% by mass or less, the bondability with the ceramic member and the bondability with the metal member can be improved.
[0076]
Claim2According to the glass frit for sealing described above, since the temperature of the yield point is 640 ° C. or higher, the rigidity of the glass frit for sealing can be maintained in a temperature range from room temperature to 750 ° C.
[0078]
Claim3According to the described glass frit for sealing, at least one selected from the group of alumina, cordierite, silica, zircon, aluminum titanate, holsterite, mullite, β-eucryptite, β-spodumene is used as the filler. Since 0.1-10 mass% is added, the expansion coefficient of the glass frit for sealing can be adjusted appropriately.
[0079]
Claim4According to the sealing glass frit described above, the metal member and the ceramic member are constituent elements of a solid oxide fuel cell, and the sealing glass frit is used to join the constituent elements. The life of the fuel cell can be extended.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of components of a solid oxide fuel cell joined by a sealing glass frit according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a perspective view of a stainless steel substrate and a ring used for measurement of the evaluation of the fusing property of a glass frit for sealing.
[Explanation of symbols]
10 Solid oxide fuel cell
11 Electrolyte
12 Cathode
13 Separator
14 Anode
21 Glass frit for sealing
22 rings
23 Stainless steel substrate
Claims (4)
前記封着用ガラスフリットの必須成分は、SiO2:50〜70mol%、Al2O3:5〜20mol%、ZnO:5〜20mol%、Na2O:4〜20mol%、及びK2O:4〜20mol%であり、
Na2OとK2Oは、総量が15mol%以上であり、且つK2Oに対するNa2Oのmol%比率が0.5〜2.0の間であり、
Li2O、アルカリ土類金属酸化物、ZrO2、TiO2、B2O3、及びP2O5の前記封着用ガラスフリットへの総含有量が1mol%以下であり、CoOが3.5質量%以下添加されたことを特徴とする封着用ガラスフリット。In a sealing glass frit for joining metal members to each other or a metal member and a ceramic member,
Essential components of the sealing glass frit, SiO 2: 50~70mol%, Al 2 O 3: 5~20mol%, ZnO: 5~20mol%, Na 2 O: 4~20mol%, and K 2 O: 4 ~ 20 mol%,
Na 2 O and K 2 O, the total amount of not less than 15 mol%, and mol% ratio of Na 2 O for K 2 O is between 0.5 to 2.0,
The total content of Li 2 O, alkaline earth metal oxide, ZrO 2 , TiO 2 , B 2 O 3 , and P 2 O 5 in the sealing glass frit is 1 mol% or less, and CoO is 3.5 A glass frit for sealing, which is added in an amount of not more than mass% .
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