JP4263123B2 - 信号処理回路 - Google Patents
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Description
そこで、FM受信機では、マルチパスノイズの発生を検出するとともに、マルチパスノイズが検出された期間に、FM検波によって復調されるステレオ複合信号を減衰する信号処理回路を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。従来の信号処理回路は、ステレオ複合信号の強度の変化とシグナルメータのAC成分の変化に基づいてマルチパスノイズの発生する期間を検出し、マルチパスノイズの発生が検出された期間にステレオ複合信号の強度から得られる減衰率に応じてステレオ複合信号を減衰することでノイズ感を低減していた。
以下の本発明の実施の形態では、FMステレオ受信機に本発明の信号処理回路を適用した場合について説明する。なお、本発明はステレオ放送およびモノラル放送のいずれにも適用可能である。
信号処理回路36は、ステレオ複合信号、S−AC、S−DCを入力し、これら3つの情報に基づいて、マルチパスノイズの発生を検出し、さらにノイズ発生時には3つの情報に基づいて設定される減衰率でステレオ複合信号を減衰して出力する。
ステレオ復調回路26は、ステレオ複合信号に含まれる主チャンネル信号と副チャンネル信号を抽出し、さらに主チャンネル信号と副チャンネル信号のマトリクス処理を行うことでL信号とR信号を生成して出力する。
ディエンファシス回路28、30は、送信側でプリエンファシスによって強められたL信号とR信号の高域部を、送信側と逆の周波数特性によって減衰し平坦な周波数特性に戻し、低周波増幅回路32、34にそれぞれ出力する。
低周波増幅回路32、34は、入力したL信号とR信号を増幅するとともにスピーカーに必要な電力を供給する。
以上の構成によって受信信号からL信号およびR信号が復調され、L信号に基づいた音声が左のスピーカーから、R信号に基づいた音声が右のスピーカーから出力される。
図2は、本発明の信号処理回路36の構成の一例を示すブロック図である。
本発明の信号処理回路36は、ノイズ減衰処理部40、減衰率設定部42、差分閾値設定部44、変調度検出部46(『検出部』)、マルチパス検出フィルタ48、レベル検出部50、電界強度検出部52、フィルタ係数設定部54、マルチパス検出部56(『ノイズ検出部』)、出力制御部58を備えている。
フィルタ係数設定部54は、電界強度検出部52の出力に応じてマルチパス検出フィルタのフィルタ特性を設定する。
マルチパス検出部56は、レベル検出部50の出力から、マルチパスノイズの発生を検出する。また、マルチパス検出部56は、出力制御部58にマルチパスノイズの発生を示す制御信号56a(『ノイズ検出信号』)を出力する。
t<t1ではa=1、b=0である。この場合マルチパスノイズが検出されず出力制御部58からステレオ複合信号のみが出力される。
t1<t<t2の場合、時刻t1でマルチパスノイズが検出されることで増幅率aは徐々に減少し、それに伴い増幅率bは増加する。すなわち、出力制御部58からのステレオ複合信号の出力は、経過時間に従って減少し、ノイズ低減処理部40の出力信号は、経過時間に従って増加する。
t2<tでは、a=0、b=1である。したがって、出力制御部58からノイズ低減処理部40の出力信号のみが出力される。
逆に、マルチパスノイズを検出した状態からマルチパスノイズが検出されなくなった場合も同様に制御を行う。
このように、出力制御部58で出力変更を行う際、ステレオ複合信号とノイズ減衰処理部40の出力信号とをフェードイン・フェードアウト処理することで、信号処理回路36からの出力が不連続となることを防止できる。
図3は、本発明の信号処理回路36におけるノイズ低減処理部40の構成の一例を示すブロック図である。
平滑化処理部72は、ステレオ複合信号の高周波数を減衰させる。
図11は、平滑化処理部72のフィルタ特性を示す図である。このフィルタ特性は、ノイズ低減処理をするディエンファシス回路28、30の周波数特性と同じである。このように、平滑化処理部72を、受信機の後段にあるディエンファシス回路28、30の特性と同じとすることで、効果的に平滑化を行うことができる。
差分計算部74は、平滑化処理部72で平滑化を行ったステレオ複合信号と、所定の時間差を有するステレオ複合信号との強度の差分を計算する。
差分判定部76は、差分計算部74で計算された値が閾値44aを越えるか否かを判定し、その結果を示すノイズ検出信号40aを出力する。ノイズ検出信号40aは、差分計算部74の出力値が閾値44aを越える場合、ノイズが発生したことを示す信号となり、閾値44aを越えない場合、ノイズが発生していないことを示す信号となる。
減衰部78は、平滑化処理部72で平滑化を行ったステレオ複合信号を減衰率42aで減衰する。
切替部80は、ノイズ検出信号40aがノイズ検出を示す場合は減衰部78の出力を選択し、ノイズ検出を示さない場合はステレオ複合信号を選択して出力する。
以下、減衰率設定部42における減衰率42aの係数設定動作について説明する。
減衰率設定部42は、前述のように変調度検出部46から出力されるステレオ複合信号の強度(以下、変調度と称す)と、レベル検出部50から出力される包絡線の変化の大きさ(以下、S−ACと称す)と、電界強度検出部52から出力される電界強度(以下、S−DCと称す)に応じて減衰率42aを設定する減衰率テーブル62を備えている。
減衰率設定部42は、マルチパスノイズ検出からD1まで減衰率42aとしてα1を出力し、D1からD2まではα2を出力する。D2以降は、内部のカウンタC1、C2が初期化され、再度カウントが始まりα1を出力する。
このように、マルチパスノイズが長い場合に、減衰の大きい減衰処理がある期間以上連続すると減衰を小さくすることで、出力音声が途切れることを防止することができる。
差分判定部76は、入力されるステレオ複合信号X(n)とkサンプル前(『所定の時間差』)の出力Y(n−k)との強度の差分が閾値44aより大きいか否かでマルチパスノイズを検出している。kは自然数である。
図10は、各信号レベルと閾値44aの関係を説明するための図である。なお、同図は各信号のレベルと閾値44aとの相対関係を示すものである。例えば、変調度が大のときは閾値44aを大きくし、変調度が小のときは閾値44a小さくする。また、S−DCが大のときは閾値44aを大きくし、S−DCが小のときは閾値44aを小さくする。一方、S−ACが大のときは閾値44aを小さくし、S−ACが小のときは閾値44aを大きくする。以上の関係は、減衰率42aの係数の場合と同じである。
このように閾値44aを、変調度と、S−ACと、S−DCとに応じて可変とすることで、受信状況に適応した閾値44aに設定することができる。
減衰率テーブル62で設定される減衰率42aは、所定期間以上連続すると係数の大きい減衰率42aに変更する時間制御が行われる。よって、マルチパスノイズ発生の期間が長い場合、ノイズ低減処理による音切れを防止することができる。
また、変調度とS−ACとS−DCとを考慮して、差分判定部76におけるノイズ発生検出の判断基準となる閾値40aを変更するので、受信状況に応じて適切な閾値を設定することができる。
さらに、電界強度に応じてノイズ発生を検出するフィルタ特性を変更することによりノイズ検出の精度が向上し、出力制御部58からの出力を正確に制御することができる。
また、マルチパスノイズ検出信号によって、ステレオ複合信号とノイズ減衰処理部40の出力信号が変更となるとき、その変更前後で出力が不連続になることを防止できる。
なお、本発明の信号処理回36をFM受信機、特に車載FM受信機に適用すると、ノイズ感、歪み感、音切れの無いマルチパスノイズ低減ができる。
14 混合回路 18 PLL回路
20 中間周波増幅回路 22 リミッター増幅回路
24 FM検波回路 26 ステレオ復調回路
28、30 ディエンファシス回路 32、34 低周波増幅回路
36 信号処理回路 38 Sメータ
40 ノイズ減衰処理部 42 減衰率設定部
44 差分閾値設定部 46 変調度検出部
48 マルチパス検出フィルタ
50 レベル検出部 52 電界強度検出部
54 フィルタ係数設定部 56 マルチパス検出部
58 切替部
60 時間制御部 62 減衰率テーブル
64 閾値テーブル 66、68 増幅部
70 加算部 72 平滑化処理部
74 差分計算部 76 差分判定部
78 減衰部
100 フロントエンド部 200 中間周波増幅部
Claims (7)
- 受信信号を検波して得られる復調信号を減衰する減衰部と、
前記復調信号の強度を示す第1信号と、前記受信信号の中間周波信号に基づいて得られる包絡線の変化を示す第2信号、前記中間周波信号に基づいて得られる電界強度を示す第3信号の少なくとも一つの信号と、に応じて前記減衰部の減衰率を設定する減衰率設定部と、
所定の時間差を有する前記復調信号の強度の差分が所定の閾値を越えるか否かを判定してノイズを検出する差分判定部と、を備え、
前記減衰率設定部は、
前記差分判定部のノイズの検出に基づいて、前記減衰部に第1減衰率を設定し、当該設定から所定期間経過後に前記減衰部に前記第1減衰率より小さい第2減衰率を設定することを特徴とする信号処理回路。 - 受信信号を検波して得られる復調信号を減衰する減衰部と、
前記復調信号の強度を示す第1信号と、前記受信信号の中間周波信号に基づいて得られる包絡線の変化を示す第2信号、前記中間周波信号に基づいて得られる電界強度を示す第3信号の少なくとも一つの信号と、に応じて前記減衰部の減衰率を設定する減衰率設定部と、
所定の時間差を有する前記復調信号の強度の差分が所定の閾値を越えるか否かを判定してノイズを検出する差分判定部と、
前記第1信号と、前記第2信号と、前記第3信号と、の少なくとも一つの信号に基づいて前記差分判定部における前記閾値を設定する差分閾値設定部と、を備え、
前記減衰率設定部は、
前記差分判定部のノイズの検出に基づいて、前記減衰部に第1減衰率を設定し、当該設定から所定期間経過後に前記減衰部に前記第1減衰率より小さい第2減衰率を設定することを特徴とする信号処理回路。 - 受信信号をノイズ低減するディエンファシス処理の周波数特性でもって、前記受信信号を検波して得られる復調信号を平滑化する平滑化処理部と、
前記平滑化処理部で平滑化を行った前記復調信号を減衰する減衰部と、
前記復調信号の強度を示す第1信号と、前記受信信号の中間周波信号に基づいて得られる包絡線の変化を示す第2信号、前記中間周波信号に基づいて得られる電界強度を示す第3信号の少なくとも一つの信号と、に応じて前記減衰部の減衰率を設定する減衰率設定部と、
前記平滑化処理部で平滑化を行った前記復調信号と、当該復調信号とは所定の時間差を有する前記復調信号との強度の差分が所定の閾値を越えるか否かを判定してノイズを検出する差分判定部と、を備え、
前記減衰率設定部は、
前記差分判定部のノイズの検出に基づいて、前記減衰部に第1減衰率を設定し、当該設定から所定期間経過後に前記減衰部に前記第1減衰率より小さい第2減衰率を設定することを特徴とする信号処理回路。 - 前記第1信号と、前記第2信号と、前記第3信号と、の少なくとも一つの信号に基づいて前記差分判定部における前記閾値を設定する差分閾値設定部、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の信号処理回路。
- 前記第2信号に基づいてノイズ検出信号を出力するノイズ検出部と、
前記減衰部の出力と前記復調信号を入力し、前記ノイズ検出信号に基づいて前記減衰部の出力と前記復調信号の増幅率を設定して加算出力する出力制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の信号処理回路。 - 前記出力制御部は、
前記復調信号の大きさを設定する第1増幅部と、
前記減衰部の出力の大きさを設定する第2増幅部と、
前記第1増幅部の出力と前記第2増幅部の出力を加算して出力する加算部と、を備え、
前記ノイズ検出信号がノイズの検出を示す場合、前記第2増幅部の増幅率を増加し、前記ノイズ検出信号がノイズの検出を示さない場合、前記第1増幅部の増幅率を増加し、加算して出力することを特徴とする請求項5に記載の信号処理回路。 - 前記受信信号は、FM受信信号であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の信号処理回路。
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