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JP4261836B2 - ゲル状粘着剤、医療用品および衛生用品 - Google Patents

ゲル状粘着剤、医療用品および衛生用品 Download PDF

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JP4261836B2 JP2002224706A JP2002224706A JP4261836B2 JP 4261836 B2 JP4261836 B2 JP 4261836B2 JP 2002224706 A JP2002224706 A JP 2002224706A JP 2002224706 A JP2002224706 A JP 2002224706A JP 4261836 B2 JP4261836 B2 JP 4261836B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲル状粘着剤、医療用品および衛生用品に関し、さらに詳しくは、皮膚に貼り付けて使用する医療用品や衛生用品の粘着層を構成するシリコーン系のゲル状粘着剤、並びに、当該粘着層を備えた医療用品および衛生用品に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば医療用絆創膏、医療用テープ、パップ(湿布薬)、生理用ナプキンなどの医療用品および衛生用品における粘着層としては、皮膚に対する適度の粘着性とともに、皮膚に対する無刺激性を備えていることが必要である。
従来、医療用品や衛生用品の粘着層として、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを重合して得られる架橋重合体(ゲル骨格)中に水やアルコールなどが分散されてなるアクリル樹脂系のゲル状粘着剤が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなアクリル樹脂系のゲル状粘着剤は、架橋重合体中に分散されている水などの含有率が環境によって変化する傾向がある。このため、低湿度環境下では、架橋重合体中に分散されていた水の一部または全部が揮発してゲル状態を維持できなくなり、高湿度環境下では、外部から水を吸収してゲル破壊を生じることがある。従って、アクリル樹脂系のゲル状粘着剤からなる粘着層を備えた医療用品および衛生用品は、その使用環境によって、使用感の著しい低下を招いたり、粘着性の低下によって皮膚から剥離したりする。
【0004】
このような問題を解決するため、本発明者らは、シリコーン樹脂からなる架橋重合体中にシリコーンオイルが分散されてなるゲル状粘着剤について検討を行った。このゲル状粘着剤によれば、分散液であるシリコーンオイルの含有率が環境によって変化することがなく、ゲル破壊などの問題を防止することができた。
しかしながら、このような構成のゲル状粘着剤は、透湿性がきわめて低いため、当該粘着剤からなる粘着層を備えた医療用品および衛生用品を皮膚に貼り付けると、当該皮膚からの汗を放散させることができないために、ムレた状態となり、きわめて不快であった。
【0005】
本発明は、以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、均一なゲル状態を示す新規なシリコーン系の粘着剤を提供することにある。
本発明の第2の目的は、高湿度および低湿度の何れの環境下においても、均一なゲル状態を維持することができる性状・形態の安定性に優れたシリコーン系のゲル状粘着剤を提供することにある。
本発明の第3の目的は、透湿性に優れ、皮膚に貼り付けても、当該皮膚からの汗を放散することができ、ムレによる不快感を生じさせないシリコーン系のゲル状粘着剤を提供することにある。
本発明の第4の目的は、均一で安定したゲル状態を示すシリコーン系の粘着剤からなる粘着層を備えた医療・衛生用品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のゲル状粘着剤は、〔A〕下記一般式(1)で示される、Si−H基を有するポリオキシアルキレン変性ジオルガノポリシロキサン(a−1)〔以下、単に「(a−1)成分」ともいう。〕と、下記一般式(2)で示される、両末端に不飽和基を有するポリオキシアルキレン−ジオルガノポリシロキサン共重合体(a−2)〔以下、単に「(a−2)成分」ともいう。〕とのヒドロシリル化反応により得られる架橋重合体〔以下、「架橋重合体(A)」ともいう。〕5〜99.5質量%;および〔B〕分子量が100以上の界面活性剤〔以下、「界面活性剤(B)」ともいう。〕0.5〜90質量%を含むことを特徴とする。
【0007】
【化3】
Figure 0004261836
【0008】
〔式中、R1 は、互いに独立して、炭素数1〜24の1価の炭化水素基を表し、Qは、一般式:−R2 O(C2 4 O)m1(C3 6 O)n13 (式中、R2 は、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R3 は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜3のアセトキシ基を表し、m1は、1〜100の数であり、n1は、0〜100の数である。)で表されるポリオキシアルキレン含有基であり、x1は、0〜300の数、y1は、2〜150の数、z1は、1〜100の数である。〕
【0009】
【化4】
Figure 0004261836
【0010】
(式中、R4 は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R5 は、互いに独立して、直接結合または炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R6 は、互いに独立して、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R7 は、互いに独立して、炭素数1〜24の炭化水素基を表し、m2は、1〜100の数、n2は、0〜100の数、x2は、0〜300の数、aは、1〜30の数である。)
【0011】
本発明のゲル状粘着剤において、(a−1)成分中のポリオキシアルキレン含有基(Q)の割合が20〜90質量%であり、(a−2)成分中のジオルガノポリシロキサンユニットの合計割合が10〜80質量%であることが好ましい。
また、界面活性剤(B)として、式:HLB=(E+P)/5(式中、Eはオキシアルキレン基の質量%であり、Pは多価アルコールの質量%である。)で求められるHLBが5〜19であるポリオキシアルキレン誘導体を含むことが好ましい。
【0012】
本発明の医療用品は、本発明のゲル状粘着剤を含む粘着層を備えている。
本発明の衛生用品は、本発明のゲル状粘着剤を含む粘着層を備えている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のゲル状粘着剤においては、構成成分である架橋重合体(A)と界面活性剤(B)との相溶性が良好であるとともに、架橋重合体(A)を形成するために使用する(a−1)成分および(a−2)成分と、界面活性剤(B)との相溶性も良好である。これにより、本発明のゲル状粘着剤は、均一なゲル状態を示す組成物となる。
【0014】
<架橋重合体(A)>
本発明のゲル状粘着剤のゲル骨格を構成する架橋重合体(A)は、前記(a−1)成分と、前記(a−2)成分とをヒドロシリル化反応させることにより得られる変性シリコーンの架橋体である。
【0015】
架橋重合体(A)を形成するために使用される前記(a−1)成分は、Si−H基を有するポリオキシアルキレン変性ジオルガノポリシロキサンである。
当該(a−1)成分を示す上記一般式(1)において、R1 は、互いに独立して、炭素数1〜24の1価の炭化水素基を表す。
1 で表される炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基およびオクチル基のような、炭素数が1〜12、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基のような、炭素数が3〜8、好ましくは5〜7のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基およびナフチル基のような、炭素数が6〜14、好ましくは6〜10のアリール基;並びにベンジル基やフェネチル基のような、炭素数が7〜15、好ましくは7〜11のアラルキル基などを挙げることができる。これらのうち、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
【0016】
上記一般式(1)において、Qは、一般式:−R2 O(C2 4 O)m1(C3 6 O)n13 で表されるポリオキシアルキレン含有基を表す。
【0017】
ポリオキシアルキレン含有基(Q)を構成するR2 は、炭素数2〜6のアルキレン基を表す。R2 で表されるアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、−CH2 CH(CH3 )CH2 −で表される基などを挙げることができる。これらのうち、トリメチレン基が最も好ましい。
【0018】
ポリオキシアルキレン含有基(Q)を構成するR3 は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数1〜3のアセトキシ基を表し、水素原子、メチル基、エチル基およびブチル基が好ましい。
【0019】
ポリオキシアルキレン含有基(Q)における繰り返し数(m1)は、1〜100とされ、好ましくは3〜50とされる。
ポリオキシアルキレン含有基(Q)における繰り返し数(n1)は、0〜100とされ、好ましくは0〜30とされる。
【0020】
上記一般式(1)において、(R1 2 SiO)ユニットの繰り返し数(x1)は、0〜300とされ、好ましくは2〜250、更に好ましくは20〜200とされる。
また、(R1 HSiO)ユニットの繰り返し数(y1)は、2〜150とされ、好ましくは3〜50、更に好ましくは5〜30とされる。
また、(R1 QSiO)ユニットの繰り返し数(z1)は、1〜100とされ、好ましくは2〜80、更に好ましくは3〜60とされる。
【0021】
また、当該(a−1)成分中において、ポリオキシアルキレン含有基(Q)の割合としては20〜90質量%であることが好ましく、更に好ましくは30〜80質量%とされる。
ポリオキシアルキレン含有基(Q)の含有割合が20質量%以上であることにより、得られるゲル状粘着剤が十分な透湿性を有するものとなり、これを皮膚に貼り付けたときに、良好な使用感を維持することができる。
また、この割合が90質量%以下であることにより、架橋重合体(A)にしなやかさが付与されるため、得られるゲル状粘着剤が好ましい感触を有するものとなる。また、一定量の(R1 2 SiO)ユニットが当該架橋重合体(A)に導入されることになり、ゲル状粘着剤の有する好ましい感触が使用温度によって変化する現象(感触の温度依存性)を抑制することができる。
【0022】
架橋重合体(A)を形成するために使用される前記(a−2)成分は、両末端に不飽和基を有するポリオキシアルキレン−ジオルガノポリシロキサン共重合体である。 当該(a−2)成分を示す上記一般式(2)において、R7 は、互いに独立して、炭素数1〜24の1価の炭化水素基を表す。
7 で表される炭化水素基としては、R1 で表される炭化水素基として例示した基を挙げることができ、それらのうち、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
【0023】
上記一般式(2)において、R4 は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、水素原子およびメチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
また、R5 は、互いに独立して、直接結合または炭素数1〜4のアルキレン基を表し、メチレン基が好ましい。
また、R6 は、互いに独立して、炭素数2〜6のアルキレン基を表す。R6 で表されるアルキレン基としては、R2 で表されるアルキレン基として例示した基を挙げることができ、それらのうち、−CH2 CH(CH3 )CH2 −で表される基が好ましい。
【0024】
上記一般式(2)において、繰り返し数(m2)は、1〜100とされ、好ましくは1〜90、更に好ましくは3〜50とされる。
また、繰り返し数(n2)は、0〜100とされ、好ましくは0〜60、更に好ましくは0〜30とされる。
また、繰り返し数(x2)は、0〜300とされ、好ましくは1〜150、更に好ましくは2〜100とされる。
また、繰り返し数(a)は、1〜30とされ、好ましくは1〜20、更に好ましくは1〜15とされる。
【0025】
また、当該(a−2)成分中において、ジオルガノポリシロキサンユニットの合計割合としては10〜80質量%であることが好ましく、更に好ましくは20〜60質量%とされる。
ジオルガノポリシロキサンユニットの含有割合が10質量%以上であることにより、架橋重合体(A)にしなやかさが付与されるため、得られるゲル状粘着剤が好ましい感触を有するものとなる。そして、一定量のジオルガノポリシロキサンユニットが当該架橋重合体(A)に導入されることになり、当該ゲル状粘着剤の有する好ましい感触が使用温度によって変化する現象を抑制することができる。
また、この割合が80質量%以下であることにより、得られるゲル状粘着剤が十分な透湿性を有するものとなり、これを皮膚に貼り付けたときに、良好な使用感を維持することができる。
【0026】
架橋重合体(A)を形成するためのヒドロシリル化反応に供される前記(a−1)成分と、前記(a−2)成分との使用割合としては、当該(a−1)成分の有するSi−H基のモル数をa1 、当該(a−2)成分の有する不飽和基のモル数をa2 とするとき、(a1 /a2 )の値が、通常0.3〜10となる割合、好ましくは0.5〜5となる割合とされる。
【0027】
<界面活性剤(B)>
本発明のゲル状粘着剤を構成する界面活性剤(B)は、前記架橋重合体(A)に分散されて均一なゲル状態を発現させる液状成分である。
本発明で使用する界面活性剤(B)の分子量は100以上とされ、好ましくは150〜3,000、更に好ましくは200〜2,000とされる。
また、本発明で使用する界面活性剤(B)は、前記(a−1)成分、前記(a−2)成分、およびこれらの反応生成物である架橋重合体(A)の何れに対しても良好な相溶性を有することが必要とされる。
また、本発明で使用する界面活性剤(B)は、揮発性のないものであることが好ましい。
【0028】
本発明で使用する界面活性剤(B)としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤を挙げることができる。
【0029】
界面活性剤(B)として使用する非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンピログルタミン酸エステル、ポリオキシエチレングリセリンピログルタミン酸エステル、並びに、ポリオキシアルキレン−ジオルガノポリシロキサン共重合体などに代表されるポリオキシアルキレン誘導体を挙げることができる。
【0030】
界面活性剤(B)として使用するカチオン性界面活性剤としては、下記一般式(3)で示される第4級アンモニウム塩型の化合物を挙げることができる。
【0031】
【化5】
Figure 0004261836
【0032】
(式中、R31は、炭素原子数10〜22のアルキル基またはベンジル基を表し;R32はメチル基または炭素原子数10〜22のアルキル基を表し、R33およびR34は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜3のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し;Xはハロゲン原子またはメチルサルフェート残基を表す。)
【0033】
上記一般式(3)で示される化合物の具体例としては、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ミリスチルジメチルエチルアンモニウムクロリド、セチルジメチルエチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルエチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルアンモニウムクロリド、ベヘニルジメチルエチルアンモニウムクロリド、ミリスチルジエチルメチルアンモニウムクロリド、セチルジエチルメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジエチルメチルアンモニウムクロリド、アルキルジエチルメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルジエチルメチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルミリスチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルベヘニルアンモニウムクロリド、ベンジルメチルエチルセチルアンモニウムクロリド、ベンジルメチルエチルステアリルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジベヘニルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、および上記各化合物のクロリドに代えてブロミド化合物としたもの等、さらにジパルミチルプロピルエチルアンモニウムメチルサルフェート等が挙げられる。これら第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤は1種または2種以上を任意に選択して用いることができる。
【0034】
界面活性剤(B)として使用するアニオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリル及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−長鎖アシルアミノ酸塩を挙げることができる。
【0035】
界面活性剤(B)として使用する両性界面活性剤としては、ベタイン型(カルボキシベタイン、スルホベタイン)、アミドベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型等が挙げられる。
【0036】
イオン性の界面活性剤を含有するゲル状粘着剤を長期間にわたって保存または使用すると、当該界面活性剤によってシロキサン鎖が切断され、架橋重合体(A)が破壊されるおそれがある。このため、そのようなおそれのない非イオン界面活性剤を界面活性剤(B)として使用することが好ましく、特に、ポリオキシアルキレン誘導体を使用することが好ましい。
【0037】
また、(a−1)成分と(a−2)成分との混合物およびこれらの反応生成物である架橋重合体(A)の何れに対しても優れた相溶性を有し、均一で安定なゲル状の組成物(本発明のゲル状粘着剤)を容易に得ることができるとともに、得られるゲル状粘着剤に優れた透湿性を付与するという観点から、当該ポリオキシアルキレン誘導体のHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)は5〜19であることが好ましく、更に好ましくは7〜19とされる。
界面活性剤(B)として、HLBが5以上であるポリオキシアルキレン誘導体を使用することにより、透湿性に優れたゲル状粘着剤を得ることができる。また、当該ポリオキシアルキレン誘導体のHLBが19以下であることにより、(a−1)成分、(a−2)成分および架橋重合体(A)に対する相溶性が向上し、均一で安定なゲル状粘着剤を得ることができる。
本発明において「HLB」とは、式:HLB=(E+P)/5(式中、Eはオキシアルキレン基の質量%であり、Pは多価アルコールの質量%である。)で定義される値をいう。
HLBが5〜19のポリオキシアルキレン誘導体としては、「ソフタノール90」(日本触媒(株)製)、「エマルゲン123」(花王(株)製)、「レオドールTWO−120」(花王(株)製)、「エマール3199」(花王(株)製)、「ニューコール1105」(日本乳化剤(株)製)の商品名で市販されているものを使用することができる。
【0038】
本発明のゲル状粘着剤において、架橋重合体(A)と界面活性剤(B)の使用割合としては、通常99.5/0.5〜5/95(質量)とされ、好ましくは90/10〜10/90(質量)、特に好ましくは70/30〜40/60(質量)とされる。
架橋重合体(A)の割合が99.5質量%を超える〔界面活性剤(B)が0.5質量%未満である〕場合には、医療用品および衛生用品の粘着層に要求される粘着力を有する組成物を得ることができない。
一方、架橋重合体(A)の割合が5質量%未満である〔界面活性剤(B)が95質量%を超える〕場合には、得られる組成物が、ゲル状態を示さなかったり、機械的強度が著しく低いものとなったりして、医療用品および衛生用品の粘着層の構成成分として使用することができない。
【0039】
本発明のゲル状粘着剤において、これを得るために使用したものと同一組成のゲル原料〔(a−1)成分,(a−2)成分および界面活性剤(B)を含むゲル原料〕を使用して、下記のようにして粘着シート(本発明のゲル状粘着剤を含む粘着シート)を成形したときに、当該粘着シートの透湿量が800(g/m2 /24Hr)となることが好ましく、更に好ましくは1000以上となることである。透湿量が800以上の粘着シートを成形することのできるゲル原料により得られる本発明のゲル状粘着剤によれば、これを含む粘着シート(粘着層)を皮膚に貼り付けても、当該皮膚からの汗を十分に放散(発散)することができ、ムレによる不快感を生じさせることはない。
【0040】
(透湿量測定用の粘着シートの成形法)
(a−1)成分、(a−2)成分および界面活性剤(B)を含むゲル原料を、ポリエチレンテレフタレート(比重:1.4)からなる厚さ0.85mmの不織布(目付量:100g/m2 )に十分に含浸させ、ゲル原料の含浸によって増加する厚さを1.0mmに維持しながら、当該不織布を90℃で10分間加熱することにより、界面活性剤(B)の存在下に(a−1)成分と(a−2)成分とのヒドロシリル化反応を行わせて当該ゲル原料を硬化させ、これにより、本発明のゲル状粘着剤が不織布に含浸されてなる厚さ1.0mmの粘着シートを成形する。
【0041】
(測定方法)
本発明において、「透湿量」は、以下のようにして測定される。
底面積および開口面積(透湿面積)が65cm2 、内容積が200cm3 の円筒容器内に水50gを入れ、当該円筒容器の開口を、測定対象シート(粘着シート)で覆って密封する。この円筒容器を恒温恒湿槽(温度40℃,相対湿度40%)内に24時間放置した後、蒸発による水分の減少量Δwを測定し、単位面積あたりの透湿量(Δw/0.0065)を算出して、これを透湿量[g/m2 /24Hr]とする。
【0042】
本発明は、その目的効果を損なわない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記(a−1)成分と、前記(a−2)成分と、その他の成分(例えば、他の種類の反応性シリコーン)とを反応させて架橋重合体(A)を形成してもよい。
また、架橋重合体(A)に分散される液状成分として、界面活性剤(B)とともに、他の液状成分を含有させることも可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明のゲル状粘着剤は、これを構成する架橋重合体(A)(特定の変性シリコーンの架橋体)と、界面活性剤(B)との相溶性に優れていることから、均一なゲル状態を示すことができる。
また、本発明のゲル状粘着剤は、高湿度および低湿度の何れの環境下においても、液状成分である界面活性剤(B)の含有割合が実質的に変化せず、均一なゲル状態を維持することができ、性状・形態の安定性に優れている。
さらに、本発明のゲル状粘着剤は、透湿性に優れ、皮膚に貼り付けても、当該皮膚からの汗を放散することができ、ムレによる不快感を生じさせない。
本発明のゲル状粘着剤は、各種の医療用品および衛生用品の粘着層を構成する成分として好適に使用することができる。
本発明のゲル状粘着剤を含む粘着層を備えた医療用品および衛生用品としては、医療用絆創膏、医療用テープ、パップ(湿布薬)、生理用ナプキンなどを例示することができる。
また、低周波治療器具や磁気治療器具のパットを皮膚に貼り付けるための粘着剤としても好適である。
さらに、本発明のゲル状粘着剤に、有効成分(消炎鎮痛剤などの薬効成分・冷却成分)などを含有させてもよい。
【0044】
【実施例】
〔調製例1〕
ヘキサメチルジシロキサン1.67gと、オクタメチルシクロテトラシロキサン75.6gと、テトラメチルシクロテトラシロキサン22.7gと、硫酸6gとを500mlのフラスコに仕込み、25℃で8時間攪拌した。これを中和後、濾過することにより、下記化学式(1)で表されるヒドロメチルポリシロキサン(i)を得た。このヒドロメチルポリシロキサン(i)の数平均分子量(Mn)は11,438、分子量分布(Mw/Mn)は2.47であった。
このヒドロメチルポリシロキサン(i)について、測定したGPCチャートを図1に示し、測定した赤外線吸収スペクトルを図2に示す。
【0045】
【化6】
Figure 0004261836
【0046】
〔調製例2〕
調製例1で得られたヒドロメチルポリシロキサン(i)49.8gと、下記化学式(2)で示される、片末端に不飽和基を有するポリオキシエチレン50.2gと、トルエン100gとを4 つ口フラスコに仕込み、白金触媒の存在下に、窒素気流下で100℃で3時間攪拌してヒドロシリル化反応をさせた。その後、減圧下でトルエンを除去することにより、下記の化学式(3)で示される、Si−H基を有するポリオキシアルキレン変性ジオルガノポリシロキサン〔以下、「(a−1−1)成分」という。〕を得た。
この(a−1−1)成分において、式:C3 6 O(CH2 CH2 O)7CH3 で表されるポリオキシアルキレン含有基の含有割合は50.2質量%である。
この(a−1−1)成分について測定したGPCチャートを図3に示し、測定した赤外線吸収スペクトルを図4に示す。
【0047】
【化7】
Figure 0004261836
【0048】
〔調製例3〕
調製例1で得られたヒドロメチルポリシロキサン(i)59.8gと、下記化学式(4)で示される、片末端に不飽和基を有するポリオキシエチレン40.2gと、トルエン100gとを4 つ口フラスコに仕込み、白金触媒の存在下に、窒素気流下で100℃で3時間攪拌してヒドロシリル化反応をさせた。その後、減圧下でトルエンを除去することにより、下記の化学式(5)で示される、Si−H基を有するポリオキシアルキレン変性ジオルガノポリシロキサン〔以下、「(a−1−2)成分」という。〕を得た。
この(a−1−2)成分において、式:C3 6 O(CH2 CH2 O)3CH3 で表されるポリオキシアルキレン含有基の含有割合は40.2質量%である。
【0049】
【化8】
Figure 0004261836
【0050】
〔調製例4〕
テトラメチルジシロキサン16.8gと、オクタメチルシクロテトラシロキサン83.2gと、硫酸6gとを500mlのフラスコに仕込み、25℃で8時間攪拌した。これを中和後、濾過することにより、下記化学式(6)で示されるヒドロメチルポリシロキサン(ii)を得た。このヒドロメチルポリシロキサン(ii)の数平均分子量(Mn)は1,258、分子量分布(Mw/Mn)は1.34であった。
このヒドロメチルポリシロキサン(ii)について測定したGPCチャートを図5に示し、測定した赤外線吸収スペクトルを図6に示す。
【0051】
【化9】
Figure 0004261836
【0052】
〔調製例5〕
調製例4で得られたヒドロメチルポリシロキサン(ii)33.5gと、下記化学式(7)で示される両末端に不飽和基を有するポリオキシアルキレン40.0gと、下記化学式(8)で示される両末端に不飽和基を有するポリオキシアルキレン27.1gと、トルエン100gとを4 つ口フラスコに仕込み、白金触媒の存在下に、窒素気流下で100℃で3時間攪拌してヒドロシリル化反応をさせた。その後、減圧下でトルエンを除去することにより、下記化学式(9)で示される両末端に不飽和基を有する直鎖状のポリオキシアルキレン−ジオルガノポリシロキサンブロック共重合体〔以下、「(a−2−1)成分」という。〕を得た。この(a−2−1)成分において、ジオルガノポリシロキサンユニットの合計割合は33.5質量%である。
この(a−2−1)成分について測定したGPCチャートを図7に示し、測定した赤外線吸収スペクトルを図8に示す。
【0053】
【化10】
Figure 0004261836
【0054】
【化11】
Figure 0004261836
【0055】
〔式中、繰り返し数(m2’,n2’)は、互いに独立して(23,6)または(10,8)である。〕
【0056】
〔調製例6〕
調製例4で得られたヒドロメチルポリシロキサン(ii)12.0gと、下記化学式(10)で示される両末端に不飽和基を有するポリオキシアルキレン88.0gと、トルエン100gとを4 つ口フラスコに仕込み、白金触媒の存在下に、窒素気流下で100℃で3時間攪拌してヒドロシリル化反応をさせた。その後、減圧下でトルエンを除去することにより、下記化学式(11)で示される両末端に不飽和基を有する直鎖状のポリオキシアルキレン−ジオルガノポリシロキサンブロック共重合体〔以下、「(a−2−2)成分」という。〕を得た。
この(a−2−2)成分において、ジオルガノポリシロキサンユニットの合計割合は12.0質量%である。
【0057】
【化12】
Figure 0004261836
【0058】
〔調製例7〕
テトラメチルビニルジシロキサン5.9gと、オクタメチルシクロテトラシロキサン94.1gと、硫酸6gとを500mlのフラスコに仕込み、25℃で8時間攪拌した。これを中和後、濾過することにより、下記化学式(12)で示される両末端に不飽和基を有するジオルガノポリシロサンを得た。この不飽和ジオルガノポリシロサンの数平均分子量(Mn)は3,665、分子量分布(Mw/Mn)は1.73であった。
この不飽和ジオルガノポリシロサンについて測定したGPCチャートを図9に示し、測定した赤外線吸収スペクトルを図10に示す。
【0059】
【化13】
Figure 0004261836
【0060】
<実施例1>
調製例2で得られた(a−1−1)成分100質量部と、調製例5で得られた(a−2−1)成分282質量部と、ポリオキエチレン(EO3 )ラウリルエーテルからなる界面活性剤(B−1)(分子量=318,HLB=9.4)254質量部と、白金触媒0.13質量部とを均一に混合することにより、ゲル原料となる混合物を調製した。
このようにして得られた混合物と、ポリエチレンテレフタレート(比重:1.4)からなる厚さ0.85mmの不織布(目付量:100g/m2 ,透湿量:7000)とをステンレス製のシャーレに入れて、当該不織布に前記混合物を十分に含浸させた。次いで、当該混合物が含浸された不織布の上面にステンレス製の厚さ制御板を密着させることにより、当該不織布の厚さを1.0mmに維持し、この状態で、当該不織布を90℃で10分間加熱することにより、界面活性剤(B−1)の存在下に、(a−1−1)成分と(a−2−1)成分とのヒドロシリル化反応〔架橋重合体(A)の生成反応〕を行わせて、当該混合物を硬化させ、これにより、本発明のゲル状粘着剤が不織布に含浸されてなる厚さ1.0mmの粘着シートを製造した。
なお、(a−1−1)成分100質量部の有するSi−H基のモル数をa1 、前記(a−2−1)成分282質量部の有する不飽和基のモル数をa2 とするとき、(a1 /a2 )の値は1.5となる。
【0061】
<実施例2>
調製例3で得られた(a−1−2)成分100質量部と、調製例6で得られた(a−2−2)成分322質量部と、ポリオキエチレン(EO9 )ラウリルエーテルからなる界面活性剤(B−2)(分子量=582,HLB=14.2)422質量部と、白金触媒0.17質量部とを均一に混合することにより、ゲル原料となる混合物を調製した。
このようにして得られた混合物を使用したこと以外は実施例1と同様にして、当該混合物を不織布に含浸させ、当該混合物が含浸された不織布の厚さを1.0mmに維持した状態で、当該不織布を90℃で10分間加熱することにより、界面活性剤(B−2)の存在下に、前記(a−1−2)成分と前記(a−2−2)成分とのヒドロシリル化反応〔架橋重合体(A)の生成反応〕を行わせて当該混合物を硬化させ、これにより、本発明のゲル状粘着剤が不織布に含浸されてなる厚さ1.0mmの粘着シートを製造した。
なお、(a−1−2)成分100質量部の有するSi−H基のモル数をa1 、前記(a−2−2)成分322質量部の有する不飽和基のモル数をa2 とするとき、(a1 /a2 )の値は1.5となる。
【0062】
<実施例3>
調製例2で得られた(a−1−1)成分100質量部と、調製例6で得られた(a−2−2)成分350質量部と、ポリオキエチレン(EO20)ソルビタンモノオレートからなる界面活性剤(B−3)(分子量=1,320,HLB=15.0)300質量部と、白金触媒0.15質量部とを均一に混合することにより、ゲル原料となる混合物を調製した。
このようにして得られた混合物を使用したこと以外は実施例1と同様にして、当該混合物を不織布に含浸させ、当該混合物が含浸された不織布の厚さを1.0mmに維持した状態で、当該不織布を90℃で10分間加熱することにより、界面活性剤(B−3)の存在下に、前記(a−1−1)成分と前記(a−2−2)成分とのヒドロシリル化反応〔架橋重合体(A)の生成反応〕を行わせて当該混合物を硬化させ、これにより、本発明のゲル状粘着剤が不織布に含浸されてなる厚さ1.0mmの粘着シートを製造した。
なお、(a−1−1)成分100質量部の有するSi−H基のモル数をa1 、前記(a−2−2)成分322質量部の有する不飽和基のモル数をa2 とするとき、(a1 /a2 )の値は1.5となる。
【0063】
<比較例1>
調製例1で得られたヒドロメチルポリシロキサン(i)10質量部と、調製例7で得られた不飽和ジオルガノポリシロサン90質量部と、動粘度100mm2 /s(25℃)のジメチルポリシロキサン「L−45(100)」(日本ユニカー(株)製)150質量部とを均一に混合した。
このようにして得られた混合物を使用したこと以外は実施例1と同様にして、当該混合物を不織布に含浸させ、当該混合物が含浸された不織布の厚さを1.0mmに維持した状態で、当該不織布を90℃で10分間加熱することにより当該混合物を硬化させ、これにより、比較用のゲル状粘着剤が不織布に含浸されてなる厚さ1.0mmの粘着シートを製造した。
【0064】
<比較例2>
調製例2で得られた(a−1−1)成分100質量部と、調製例5で得られた(a−2−1)成分282質量部と、白金触媒0.08質量部とを均一に混合した。
このようにして得られた混合物を使用したこと以外は実施例1と同様にして、当該混合物を不織布に含浸させ、当該混合物が含浸された不織布の厚さを1.0mmに維持した状態で、当該不織布を90℃で10分間加熱することにより当該混合物を硬化させ、これにより、比較用の粘着剤が不織布に含浸されてなる厚さ1.0mmの粘着シートを製造した。
【0065】
<比較例3>
調製例2で得られた(a−1−1)成分100質量部と、調製例5で得られた(a−2−1)成分282質量部と、2−プロパノール382質量部と、白金触媒0.16質量部とを均一に混合した。
このようにして得られた混合物を使用したこと以外は実施例1と同様にして、当該混合物を不織布に含浸させ、当該混合物が含浸された不織布の厚さを1.0mmに維持した状態で、当該不織布を70℃で20分間加熱することにより当該混合物を硬化させ、これにより、比較用のゲル状粘着剤が不織布に含浸されてなる厚さ1.0mmの粘着シートを製造した。
【0066】
<比較例4>
アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体混合物を重合してなる架橋重合体100質量部中に、水900質量部が分散されてなるアクリル樹脂系の粘着剤(比較用のゲル状粘着剤)が、実施例1で使用したものと同様の不織布に含浸されてなる厚さ1.0mmの粘着シートを製造した。
【0067】
<比較例5>
調製例1で得られたヒドロメチルポリシロキサン(i)10質量部と、調製例7で得られた不飽和ジオルガノポリシロサン90質量部と、ポリオキエチレン(EO3 )ラウリルエーテルからなる界面活性剤40質量部とを均一に混合し、この混合物を90℃で10分間加熱することにより硬化させたところ、得られた硬化物は、均一なゲル状態を示すものではなく、界面活性剤が架橋重合体から分離した粘稠なものであった。これは、ポリオキエチレン(EO3 )ラウリルエーテルからなる界面活性剤が、ヒドロメチルポリシロキサン(i)、不飽和ジオルガノポリシロサン、およびこれらの反応生成物であるジメチルポリシロキサン(架橋重合体)の何れに対しても十分な相溶性を有していないからである。
【0068】
〔粘着剤の評価〕
(1)透湿性:
実施例1〜3および比較例1〜3により得られた粘着シートの各々について、上記の方法で透湿量[g/m2 /24Hr]を測定することにより、透湿性を評価した。結果を下記表1に示す。
なお、水を入れた円筒容器の開口を粘着シートで覆った際、当該円筒容器の開口縁と粘着シートとの隙間には接着剤を充填して完全に密封した。
【0069】
(2)使用感:
実施例1〜3および比較例1〜4により得られた粘着シートの各々について、下記のような方法により使用感を評価した。
粘着シート(1cm×1cm)を被験者の上腕部内側に貼り、貼り付け直後、高温低湿(温度40℃,相対湿度0%)環境下で5時間経過後、高温高湿(温度40℃,相対湿度100%)環境下で5時間経過後のそれぞれの段階において、使用感を評価した。評価基準は以下のとおりである。
【0070】
「○」:快適であり、使用することに抵抗(違和感)がない。
「△」:若干不快であり、できれば使用を避けたい。
「×」:不快であり、使用したくない。
【0071】
【表1】
Figure 0004261836
【0072】
実施例1〜3によって得られた粘着シート(本発明のゲル状粘着剤が不織布に含浸された粘着シート)は、貼り付け直後は勿論のこと、高温高湿および高温低湿の何れの環境下においても、良好な使用感を有するものであった。
これに対して、比較例1で得られた粘着シートは、高温高湿および高温低湿の何れの環境下においても、直ぐにムレた状態となり、きわめて不快であった。
また、比較例2で得られた粘着シートは、硬くて、貼り付け直後から違和感を生じた。また、ムレた状態となり不快であった。
また、比較例3で得られた粘着シートは、高温低湿環境下で、粘着剤を構成する分散液(2−プロパノール)が揮発し、使用感が経時的に低下した。
また、比較例4で得られた粘着シートは、高温低湿環境下で、粘着剤を構成する分散液(水)が揮発し、使用感が経時的に低下した。また、高温高湿環境下では、被験者の汗を吸収して、粘着剤のゲル破壊を生じた。
【図面の簡単な説明】
【図1】調製例1で得られたヒドロメチルポリシロキサン(i)について測定したGPCチャートである。
【図2】調製例1で得られたヒドロメチルポリシロキサン(i)について測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図3】調製例2で得られた(a−1−1)成分について測定したGPCチャートである。
【図4】調製例2で得られた(a−1−1)成分について測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図5】調製例4で得られたヒドロメチルポリシロキサン(ii)について測定したGPCチャートである。
【図6】調製例4で得られたヒドロメチルポリシロキサン(ii)について測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図7】調製例5で得られた(a−2−1)成分について測定したGPCチャートである。
【図8】調製例5で得られた(a−2−1)成分について測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図9】調製例7で得られた不飽和ジオルガノポリシロサンについて測定したGPCチャートである。
【図10】調製例7で得られた不飽和ジオルガノポリシロサンについて測定した赤外線吸収スペクトルである。

Claims (5)

  1. 〔A〕下記一般式(1)で示されるSi−H基を有するポリオキシアルキレン変性ジオルガノポリシロキサン(a−1)と、下記一般式(2)で示される両末端に不飽和基を有するポリオキシアルキレン−ジオルガノポリシロキサン共重合体(a−2)とのヒドロシリル化反応により得られる架橋重合体5〜99.5質量%;および
    〔B〕分子量が100以上の界面活性剤0.5〜95質量%を含むことを特徴とするゲル状粘着剤。
    Figure 0004261836
    〔式中、R1 は、互いに独立して、炭素数1〜24の1価の炭化水素基を表し、
    Qは、一般式:−R2 O(C2 4 O)m1(C3 6 O)n13
    (式中、R2 は、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R3 は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜3のアセトキシ基を表し、m1は、1〜100の数であり、n1は、0〜100の数である。)で表されるポリオキシアルキレン含有基であり、
    x1は、0〜300の数、
    y1は、2〜150の数、
    z1は、1〜100の数である。〕
    Figure 0004261836
    (式中、R4 は、互いに独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
    5 は、互いに独立して、直接結合または炭素数1〜4のアルキレン基を表し、
    6 は、互いに独立して、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、
    7 は、互いに独立して、炭素数1〜24の炭化水素基を表し、
    m2は、1〜100の数、
    n2は、0〜100の数、
    x2は、0〜300の数、
    aは、1〜30の数である。)
  2. Si−H基を有するポリオキシアルキレン変性ジオルガノポリシロキサン(a−1)中の、ポリオキシアルキレン含有基(Q)の割合が20〜90質量%であり、
    両末端に不飽和基を有するポリオキシアルキレン−ジオルガノポリシロキサン共重合体(a−2)中の、ジオルガノポリシロキサンユニットの合計割合が10〜80質量%であることを特徴とする請求項1記載のゲル状粘着剤。
  3. 〔B〕界面活性剤として、式:HLB=(E+P)/5(式中、Eはオキシアルキレン基の質量%であり、Pは多価アルコールの質量%である。)で求められるHLBが5〜19であるポリオキシアルキレン誘導体を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲル状粘着剤。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載のゲル状粘着剤を含む粘着層を備えた医療用品。
  5. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載のゲル状粘着剤を含む粘着層を備えた衛生用品。
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