JP4260570B2 - 車両用シート装置 - Google Patents
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Description
図1及び図2に示す車両の前席のシート(助手席または運転席)11は、着座者の尻部を支えるシートクッション12と、着座者の背部を支えるシートバック13とを有しており、シートックッション12の内部とシートバック13の内部にはそれぞれ、ともに金属製のシートクッションフレーム14(図4参照)とシートバックフレーム(図示略)が左右一対として埋設されており、左右のシートクッションフレーム14同士とシートバックフレーム同士は、左右方向を向く金属製の連結部材(図示略)により連結されている。さらに、左右方向を向く回転軸11xにより、左右のシートクッションフレーム14の後端部とシートバックフレームの下端部同士がそれぞれ回転自在に枢着されている。
また、角度保持機構をアンロック状態にすることによりシートバックをリクライニング操作することが可能である。即ち、角度保持機構がアンロック状態にあるときに、着座者が背中でシートバック13を後方に押圧すると、シートバック13は図1に示す初期起立位置から後方に向かって移動する。そして、シートバックが着座者の所望の起立位置に達した時に、着座者がリクライニングハンドルから手を離すと、リクライニングハンドルはロック状態に復帰して角度保持機構がロック状態になるので、シートバック13はその位置に保持される。
なお、シートクッションフレーム14とアッパレール15は一体の部材でもよいし、シートクッションフレーム14とアッパレール15の間に高さ調整用のリフタ機構を備えてもよい。
これら、ループブラケット18、キャッチレバー20、ストッパレバー22、メモリラック25、スライドピース26、メモリ付勢ばね27、及びメモリロックレバー28によりスライドメモリ機構U1が構成されている。
さらに、スライドピース26、メモリ付勢ばね27、及びメモリロックレバー28によりメモリユニットMU1が構成されている。
また、シートバックフレームには牽引ワイヤ31の一端が固着されており、牽引ワイヤ31の他端はロックオープンレバー21に固着されている(図5等参照)。この牽引ワイヤ31は、シートバック13が起立位置にあるときは弛緩しており、シートバック13が前傾位置に移動すると緊張する。
図1の実線はシート11の通常の着座状態を示している。このとき、バックシート13は図1に示す起立位置(初期起立位置)にあり、シートスライド関係の機構は図5の状態にある。
この状態では、スライドロックプレート17はロック位置に保持され、ロック爪17aとスライドロック孔16aの係合によってシート11のスライドが規制されている(図12)。またメモリロックレバー28がメモリ付勢ばね27の付勢力によってメモリ位置に保持されており、メモリロック爪28aとメモリロック孔25aの係合関係により、メモリラック25に対するメモリユニットMU1の移動が規制されている。
また、角度保持機構もロック状態にある。
通常着座状態においてループハンドル18bを上方に持ち上げると、ループブラケット18が図5の位置から図6の位置へと時計方向に回動し、押圧部18aが被押圧部19aを押圧してロックオープンブラケット19を時計方向に回動させる。ロックオープンブラケット19は該回動によって押圧部19bが被押圧アーム17bを押圧し、ロック付勢ばね17cに抗してスライドロックプレート17がアンロック位置へと回動する(図13参照)。これにより、ロアレール16に対するアッパレール15のスライド規制が解除される。アッパレール15は図示しないスライド付勢ばねによって前方へ付勢されているので、スライド規制が解除されると、図8に示すようにロアレール16に対して前方へスライドする。
着座者がシート11から降りた状態で、ウォークイン操作ハンドル30を操作すると、ウォークインワイヤが牽引されて角度保持機構がアンロック状態となり、付勢手段の回転付勢力によりシートバック13が前傾位置に移動する。すると、弛緩状態にあった牽引ワイヤ31が緊張し、その結果、トーションばね21cに抗してロックオープンレバー21が図5の位置から図7の位置へと反時計方向に回動する。ロックオープンレバー21が反時計方向に回動すると、押圧ピン21aが押圧部19bを下方に押圧してロックオープンブラケット19が時計方向に回動し、前述の通常スライド時と同様にロック付勢ばね17cに抗してスライドロックプレート17がアンロック位置へ回動される(図13)。
なお、図13ではロックオープンレバー21の押圧ピン21aがロックオープンブラケット19の押圧部19bを押圧していないが、これは前述の通常スライド操作の場合であり、ウォークイン動作では押圧ピン21aが図13の位置よりも下方に移動して押圧部19bを押圧する。このとき、ロックオープンブラケット19の被押圧部19aは押圧部18aから離間する(逃げる)関係であるのでループブラケット18は回動せず、ストッパレバー22及びキャッチレバー20は回動されない。キャッチレバー20が回動されなければ、メモリロックレバー28はメモリ位置から移動されない。つまり、シート11全体(アッパレール15)はロアレール16に対してスライド可能であるが、メモリユニットMU1はメモリラック25に対して相対移動不能な図7の状態になる。
さらに、キャッチレバー20だけで、メモリ機能を発揮する部材であるメモリロックレバー28をメモリ位置とメモリ解除位置とに移動させ、かつ、前後方向に移動させる構造としているので、従来に比べてスライドメモリ機構の構造が簡単であり、製造コストを低く抑えることが可能となっている。
なお、第1の実施形態と同じ部材には同じ符号を付すに止め、その詳細な説明は省略する。
さらに、第1の実施形態では、この機構はループハンドル18bの動きと連動しており、シートバック13の動きとは連動していなかったが、本実施形態では、この機構はシートバック13の動作に連動しており、ループハンドル18bの動きとは連動していない。
以下、これらの相違点について詳しく説明する。
本実施形態のキャッチレバー40は、側面視略V字形をなしており、V字形の頂点部40aがアッパレール15(図17から図19では図示略)に回動軸41を介して枢着されており、さらに、キャッチレバー40とアッパレール15の間に設けられたトーションばね42により、キャッチレバー40は常時、図17及び図18の時計方向に回転付勢されている。キャッチレバー40の後端部40bには、第1の実施形態と同様の係合凹部40cが設けられており、この係合凹部40cは、メモリロックレバー28の係合突部28bと係脱自在である。
そして、上述のようにキャッチレバー40はトーションばね42により時計方向に回転付勢され、常時は、その係合凹部40cが収納用凹部43c内においてメモリロックレバー28の係合突部28bと係合するアンロック位置(図17に示す位置)に位置しているので、メモリロックレバー28は、常時はメモリ付勢ばね27の付勢力に抗して、そのメモリロック爪28aがメモリロック孔25aから脱出するメモリ解除位置に位置している(図17参照)。
さらに、リンク部材45の後端部に形成された取付部45bには、牽引ワイヤ(操作手段)31の端部が固着されている。
一方、本実施形態のシート装置は、第1の実施形態では設けられていたストッパレバー22を具備していないので、ループハンドル18bの動きは、キャッチレバー40には伝達されない。
また、シートバック13、メモリラック25、メモリ付勢ばね27、メモリロックレバー28、牽引ワイヤ31、キャッチレバー40、トーションばね42、スライドピース43、回動軸44、及びリンク部材45によりスライドメモリ機構U2が構成されている。
さらに、メモリ付勢ばね27、メモリロックレバー28、及びスライドピース43によりメモリユニットMU2が構成されている。
通常のシートスライド動作は、第1の実施形態と同様にループハンドル18bによって行われるが、上述したように、ループハンドル18bの動きはキャッチレバー40に伝達されないので、ループハンドル18bを操作しても、メモリロックレバー28はメモリ解除位置(図17)に留まる。そのため、ループハンドル18bを操作して、アッパレール15とロアレール16のロックを解除すると、メモリユニットMU2はアッパレール15(シート11)と共に、ロアレール16に対してスライド可能となる。
その結果、シート11全体(アッパレール15)はロアレール16に対してスライド可能であるが、メモリユニットMU2はメモリラック25に対して相対移動不能なウォークイン状態になる。
このような場合に、通常のシートスライド動作によりスライドロックプレート17のロックを解除して、シート11をスライドストッパ29がストッパ突起43bに当接するまで後方移動させようとすると、その途中で、図19に示すようにキャッチレバー40の後端部40bがスライドピース43の傾斜案内面43aに接触する。キャッチレバー40の後端部40bはトーションばね42の付勢力によって反時計方向に回動付勢されているので、傾斜案内面43aを乗り越えた後、スライドピース43の上面に摺接しながら後方に進み、やがて収納用凹部43c内に落ち込む。そして最終的には、図17に示すようにキャッチレバー40はアンロック位置に自動的に復帰する。
例えば、ロアレール16に複数のロック爪17aをその長手方向に並べて形成し、かつ、スライドロックプレート17に、該ロック爪17aと係脱可能な一つのスライドロック孔16aを設けたり、キャッチレバー20、40の先端部に係合突部28bを設け、かつ、メモリロックレバー28の上端部に、該係合突部28bと係脱可能な係合凹部20aを設けることも可能である。
また、メモリラック25を省略して、ロアレール16の一部にメモリピース26、43を収納可能な樋状部を形成して、この樋状部にメモリロック孔25aを形成したり、メモリラック25または該樋状部にメモリロック爪28aを設けて、メモリロックレバー28にメモリロック孔25aを設けてもよい。
MU1 MU2 メモリユニット
10 フロアパネル(床面)
11 シート
11x 回転軸
12 シートクッション
13 シートバック
14 シートクッションフレーム
15 アッパレール
15a 角孔
16 ロアレール
16a スライドロック孔(スライドロック機構)
17 スライドロックプレート
17a ロック爪(スライドロック機構)
17b 被押圧アーム
17c ロック付勢ばね
17x 回転軸
18 ループブラケット
18a 押圧部
18b ループハンドル(操作手段。スライドロック機構用操作手段)
18x 回転軸(操作力伝達機構)
19 ロックオープンブラケット(操作力伝達機構)
19a 被押圧部
19b 押圧部
20 キャッチレバー
20a 係合凹部
20b トーションばね
21 ロックオープンレバー(操作力伝達機構)
22 ストッパレバー(操作力伝達機構)
25 メモリラック(固定部材)
25a メモリロック孔
26 スライドピース
26a 収納用凹部
26b ストッパ突起
27 メモリ付勢ばね
28 メモリロックレバー
28a メモリロック爪(メモリロック突起)
28b 係合突部
29 スライドストッパ
30 ウォークイン操作ハンドル
31 牽引ワイヤ(操作手段。スライドロック機構用操作手段)
40 キャッチレバー
40a 頂点部
40b 後端部
40c 係合凹部
40d 係合ピン
41 回動軸
42 トーションばね
43 スライドピース
43a 傾斜案内面(案内面)
43b ストッパ突起
44 回動軸
45 リンク部材
45a 長孔
45b 取付部
Claims (7)
- 床面側のロアレールとこのロアレールに対して摺動自在でシート側に固定されるアッパレールと、
該アッパレールに支持され、該アッパレールと共にスライド方向に移動するシートクッションと、
該シートクッションに対し、着座可能な起立位置と前傾位置とに回動可能に支持されたシートバックと、
該シートバックを前傾させたときのシート位置を記憶し、該記憶位置よりも後方へのシート移動を規制するスライドメモリ機構と、
を備えた車両用シート装置において、
上記スライドメモリ機構が、
上記ロアレールの長手方向に移動可能なスライドピースと、
上記ロアレールに対して相対移動不能なメモリ位置とロアレールに沿って移動可能なメモリ解除位置との間を相対移動可能として上記スライドピースに支持されると共に該メモリ位置に向けて常時付勢され、かつ、互いに係脱自在な係合突部または係合凹部の一方を有するメモリロックレバーと、
上記アッパレール側に設けられるとともに上記係合突部または係合凹部の他方を有し、該係合突部と係合凹部を係合したまま上記メモリロックレバーを上記付勢力に抗して上記メモリ解除位置に移動させるアンロック位置と、上記係合突部と係合凹部の係合を解除して、該メモリロックレバーが上記メモリ位置に復帰するのを許容するロック位置との間を移動可能なキャッチレバーと、
該キャッチレバーを上記アンロック位置と上記ロック位置とに移動させる操作手段と、
を備え、
上記キャッチレバーがアンロック位置に位置するときに上記アッパレール及びキャッチレバーをロアレールの長手方向に移動させると、該キャッチレバーの移動力が上記メモリロックレバーを介して上記スライドピースに伝わり、該スライドピースが上記アッパレールと一緒に移動することを特徴とする車両用シート装置。 - 請求項1記載の車両用シート装置において、
上記ロアレールまたは該ロアレールに固定された固定部材に、互いに係脱自在なメモリロック孔またはメモリロック突起の一方を、その長手方向に並べて複数形成し、
上記メモリロックレバーに、該メモリロック孔またはメモリロック突起の他方を形成し、
該メモリロック孔とメモリロック突起を係合することにより、上記メモリロックレバーを上記メモリ位置に保持する車両用シート装置。 - 請求項1または2記載の車両用シート装置において、
上記ロアレールに対するアッパレールの摺動を規制するロック状態と、該摺動を許容するアンロック状態とに移行可能なスライドロック機構と、
スライドロック機構用操作手段と、
上記操作手段の操作力は上記スライドロック機構及び上記キャッチレバーに伝達し、かつ、上記スライドロック機構用操作手段の操作力は上記スライドロック機構に伝える一方で上記キャッチレバーには伝達しない操作力伝達機構と、
を備える車両用シート装置。 - 請求項1から3のいずれか1項記載の車両用シート装置において、
上記スライドメモリ機構が、上記メモリロックレバーが上記メモリ位置にあるとき上記ロアレールに対して相対移動不能となるストッパ突起を具備し、
上記アッパレールが、上記メモリロックレバーが上記メモリ位置にあるときに該ストッパ突起と当接することにより、上記シートが該当接位置よりも後方へ移動するのを禁止するスライドストッパを有する車両用シート装置。 - 請求項1から4のいずれか1項記載の車両用シート装置において、
上記ロアレールに対するアッパレールの摺動を規制するロック状態と、該摺動を許容するアンロック状態とに移行可能なスライドロック機構を有し、
上記操作手段が、該スライドロック機構をロック状態とアンロック状態とに切り替えるループハンドルであり、
該ループハンドルは、該スライドロック機構が上記ロック状態のときに、上記キャッチレバーを上記ロック位置に移動させ、該スライドロック機構が上記アンロック状態のときに、上記キャッチレバーを上記アンロック位置に移動させる車両用シート装置。 - 請求項1から4のいずれか1項記載の車両用シート装置において、
上記操作手段が、上記シートバックの動きを上記キャッチレバーに伝達する牽引ワイヤであり、
該牽引ワイヤは、上記シートバックが起立位置に移動すると上記キャッチレバーが上記アンロック位置に復帰するのを許容し、該シートバックが上記前傾位置に移動すると該キャッチレバーを上記ロック位置に移動させる車両用シート装置。 - 請求項6記載の車両用シート装置において、
上記キャッチレバーが、上記アッパレールに上記牽引ワイヤの操作に応じて揺動するように枢着され、かつ、付勢手段の付勢力によって上記アンロック位置側に向けて常時付勢されており、
上記スライドピースが、上記メモリロックレバーを収納するための収納用凹部と、該スライドピースの前方に位置している上記キャッチレバーが後方に向かって移動して当接することにより、上記キャッチレバーを上記付勢手段の付勢力に抗して上記ロック位置側に回転させながら、該キャッチレバーの上記係合凹部または係合突部を該収納用凹部まで導く案内面と、を有する車両用シート装置。
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