しかしながら、チャネル領域とソースドレイン領域との間に形成される、例えばLDD(Lightly Doped Drain)領域等の接合領域に光が照射された場合には、接合領域に光リーク電流が生じてしまうおそれがあるという技術的問題点がある。このような問題点に対し、チャネル領域の両側の各々の接合領域上に遮光手段を設けることが考えられるが、画素において実質的に光が透過する開口領域を狭めることは、表示性能の観点から好ましくない。一方、画素電極に接続されたソースドレイン領域とチャネル領域との間に形成された接合領域に光が照射された場合には、データ線に接続されたソースドレイン領域とチャネル領域との間に形成された接合領域に光が照射された場合と比較して、TFTにおける光リーク電流が生じやすいと本願発明者は推察している。
加えて、光リーク電流を低減するために画素スイッチング用TFT等の半導体素子を遮光する遮光膜のパターンを変更すると、各画素における開口率の低下、或いは表示画像のコントラストの低下を招き、電気光学装置の表示性能を低下させてしまうという技術的問題点もある。
他方で、この種の電気光学装置では、装置の小型化及び表示画像の高精細化を実現することを目的として、画素の狭ピッチ化に対する要請もある。
更に、高品質な画像表示を実現するためには、各画素の表示特性のばらつきが無いことが望まれる。
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、アクティブマトリクス方式で駆動される液晶装置等の電気光学装置であって、TFTにおける光リーク電流の発生を効果的に低減でき、且つ、高い開口率及び表示画像の高精細化を実現できると共に各画素における表示特性のばらつきを低減可能な電気光学装置に用いられる電気光学装置用基板、及びそのような電気光学装置用基板を備えた電気光学装置、並びに電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る第1の電気光学装置用基板は上記課題を解決するために、基板と、前記基板上に設けられた複数のデータ線と、前記基板上の画素領域を構成する複数の画素にそれぞれ形成された複数の画素電極と、前記複数の画素の各々の開口領域を互いに隔てる非開口領域のうち前記データ線が延在する第1の方向に沿って延在する一の領域に前記第1の方向に沿って形成されると共に前記第1の方向に交わる第2の方向に沿って前記一の領域と隣り合い、且つ前記第1の方向に沿って1画素分ずらして形成されており、(i)前記複数のデータ線のうち前記一の領域において前記第1の方向に沿って延在する一のデータ線に電気的に接続された第1データ線側ソースドレイン領域と、(ii)前記第1の方向に沿って前記第1データ線側ソースドレイン領域の両側に位置する第1チャネル領域及び第2チャネル領域と、(iii)前記第1データ線側ソースドレイン領域から見て前記第1の方向に沿って前記第1チャネル領域及び第2チャネル領域の各々の外側に位置しており、前記複数の画素電極のうち互いに異なる第1画素電極及び第2画素電極の各々に電気的に接続された第1画素電極側ソースドレイン領域及び第2画素電極側ソースドレイン領域と、(iv)前記第1チャネル領域及び前記第1データ線側ソースドレイン領域間に形成された第1接合領域と、(v)前記第1チャネル領域及び前記第1画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第2接合領域と、(vi)前記第2チャネル領域及び前記第1データ線側ソースドレイン領域間に形成された第3接合領域と、(vii)前記第2チャネル領域及び前記第2画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第4接合領域とを含む半導体層を有する素子部と、前記半導体層よりも上層側に前記第1の方向に沿って形成されており、且つ前記第1接合領域を覆う第1遮光部と、前記半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記第2接合領域を覆うと共に前記第1遮光部より前記第2の方向の幅が広い第2遮光部と、前記半導体層よりも上層側に前記第1の方向に沿って形成されており、且つ前記第3接合領域を覆う第3遮光部と、前記半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記第4接合領域を覆うと共に前記第3遮光部より前記第2の方向の幅が広い第4遮光部と、を備え、前記第1画素電極及び第2画素電極は、前記複数の画素のうち前記第1遮光部及び第3遮光部が形成され前記第2の方向に沿って隣り合う画素に各々配置される。
本発明に係る第1の電気光学装置用基板によれば、例えば、複数のデータ線から複数の画素電極へ画像信号が制御され、所謂アクティブマトリクス方式による画像表示が可能となる。尚、画像信号は、データ線及び画素電極間に電気的に接続された素子部がオンオフされることによって、所定のタイミングでデータ線から各素子部を介して画素電極に供給される。画素電極は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料からなる透明電極であり、例えば、データ線及び走査線の交差に対応してマトリクス状に規定される複数の画素の各々に1つずつ設けられることで、マトリクス状に配列される。
本発明では特に、非開口領域のうち、第1の方向に沿って延在する一の領域及び第1の方向に交わる第2の方向に沿って一の領域と隣り合い、且つ第1の方向に延びる他の領域に、素子部が一の領域及び他の領域間で第1の方向に沿って1画素分ずらして複数形成されている。よって、表示領域を構成する複数の画素の全ての開口率を一様に揃えることが可能であると共に、遮光部を形成することによって低下する各画素の開口率を極力低下させないようにすることが可能である。ここで、本発明に係る「開口領域」とは、実質的に光が透過する画素内の領域であり、例えば、画素電極が形成される領域であって、透過率の変更に応じて液晶等の電気光学物質を抜けてきた出射光の階調を変化させることが可能となる領域である。言い換えれば、「開口領域」とは、画素に集光される光が光を透過させない、或いは光透過率が透明電極に比べて相対的に小さい配線、遮光膜、及び各種素子等の遮光体で遮られることがない領域を意味する。本発明に係る「非開口領域」とは、表示に寄与する光が透過しない領域を意味し、例えば画素内に非透明な配線或いは電極、若しくは各種素子等の遮光体が配設されている領域を意味する。本発明に係る「第1の方向」とは、複数のデータ線の各々が延びる方向であり、例えば基板上でマトリクス状に規定された複数の画素の列方向(即ちY方向)、言い換えれば、複数の走査線が配列される配列方向を意味する。
更に、本発明では特に、第1画素電極及び第2画素電極は、複数の画素のうち第1遮光部及び第3遮光部が形成され第2の方向に沿って隣り合う画素に各々配置される。よって、第1及び第2画素電極の各々と各遮光部とが互いに重なる部分の大きさを、互いに殆ど或いは完全に同じにすることができる。これにより、第1画素電極が設けられた画素における表示特性と第2画素電極が設けられた画素における表示特性とを互いに殆ど或いは完全に同一にすることができる。この結果、表示画像の品質を向上させることが可能となる。
本発明に係る第1の電気光学装置用基板の一の態様では、前記第1から第4接合領域の各々は、LDD領域である。
この態様によれば、素子部の非動作時において、第1データ線側ソースドレイン領域及び第2画素電極側ソースドレイン領域間、並びに、第1データ線側ソースドレイン領域及び第4画素電極側ソースドレイン領域間の各々の間に流れるオフ電流を低減し、且つ素子部の動作時に流れるオン電流の低下を抑制できる。
本発明に係る第1の電気光学装置用基板の他の態様では、前記第1から第4遮光部の各々は、前記素子部の真上に配置される。
この態様によれば、基板上の積層構造における各遮光部と、素子部との間において半導体層に対して斜めに入射する入射光をより低減できる。
本発明に係る第1の電気光学装置用基板の他の態様では、前記第1及び第2遮光部は、一対の第1容量電極及び該一対の第1容量電極間に狭持された第1誘電体膜を有する第1容量素子を構成し、前記第3及び第4遮光部は、一対の第2容量電極及び該一対の第2容量電極間に狭持された第2誘電体膜を有する第2容量素子を構成し、前記第1容量素子は、前記一のデータ線を介して前記第1画素電極に画素信号が供給された際に、前記第1画素電極の電位を保持し、前記第2容量素子は、前記一のデータ線を介して前記第2画素電極に画素信号が供給された際に、前記第2画素電極の電位を保持する。
この態様によれば、第1及び第2容量素子の各々は、第1及び第2画素電極の各々の電位を一時的に保持する保持容量である。第1容量素子を第1及び第2遮光部によって構成し、第2容量素子を第3及び第4遮光部によって構成することによって、別途遮光膜を設ける場合に比べて当該電気光学装置用基板における回路構成及び当該回路を構成する配線等のレイアウトを簡略化できる。
上述した第1から第4遮光部が第1及び第2容量素子を構成する態様では、前記一対の第1から第2容量電極のうち少なくともいずれか一の一対の容量電極は、導電性遮光膜を含んでなるようにしてもよい。
この場合には、素子部の上層側に例えば層間絶縁膜を介して近接配置可能な第1及び第2容量素子の各々によって、半導層の上層側から入射する光を確実に遮光できる。
本発明に係る第2の電気光学装置用基板は上記課題を解決するために、基板と、前記基板上に設けられた複数のデータ線と、前記基板上の画素領域を構成する複数の画素にそれぞれ形成された複数の画素電極と、前記複数の画素の各々の開口領域を互いに隔てる非開口領域のうち前記データ線が延在する第1の方向に沿って延在する一の領域に前記第1の方向に沿って形成されると共に前記第1の方向に交わる第2の方向に沿って前記一の領域と隣り合い、且つ前記第1の方向に沿って1画素分ずらして形成されており、(i)前記複数のデータ線のうち前記一の領域において前記第1の方向に沿って延在する一のデータ線に電気的に接続された第1データ線側ソースドレイン領域と、(ii)前記第1の方向に沿って前記第1データ線側ソースドレイン領域の両側に位置する第1チャネル領域及び第2チャネル領域と、(iii)前記第1データ線側ソースドレイン領域から見て前記第1の方向に沿って前記第1チャネル領域及び第2チャネル領域の各々の外側に位置しており、前記複数の画素電極のうち互いに異なる第1画素電極及び第2画素電極の各々に電気的に接続された第1画素電極側ソースドレイン領域及び第2画素電極側ソースドレイン領域と、(iv)前記第1チャネル領域及び前記第1データ線側ソースドレイン領域間に形成された第1接合領域と、(v)前記第1チャネル領域及び前記第1画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第2接合領域と、(vi)前記第2チャネル領域及び前記第1データ線側ソースドレイン領域間に形成された第3接合領域と、(vii)前記第2チャネル領域及び前記第2画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第4接合領域とを含む半導体層を有する素子部と、前記半導体層よりも上層側に前記第1の方向に沿って形成されており、且つ前記第1接合領域を覆う第1遮光部と、前記半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記第2接合領域を覆うと共に前記第1遮光部より前記第2の方向の幅が広い第2遮光部と、前記半導体層よりも上層側に前記第1の方向に沿って形成されており、且つ前記第3接合領域を覆う第3遮光部と、前記半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記第4接合領域を覆うと共に前記第3遮光部より前記第2の方向の幅が広い第4遮光部と、備えた電気光学装置用基板において、前記第1画素電極は、前記複数の画素のうち前記第2遮光部が形成され前記第2の方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置され、前記第2画素電極は、前記複数の画素のうち前記第4遮光部が形成され前記第2の方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置される。
本発明に係る第2の電気光学装置用基板によれば、上述した本発明に係る第1の電気光学装置用基板と概ね同様に、所謂アクティブマトリクス方式による画像表示が可能となる。
本発明では、上述した本発明に係る第1の電気光学装置用基板と同様に、非開口領域のうち、第1の方向に沿って延在する一の領域及び第1の方向に交わる第2の方向に沿って一の領域と隣り合い、且つ第1の方向に延びる他の領域に、素子部が一の領域及び他の領域間で第1の方向に沿って1画素分ずらして複数形成されている。よって、表示領域を構成する複数の画素の全ての開口率を一様に揃えることが可能であると共に、遮光部を形成することによって低下する各画素の開口率を極力低下させないようにすることが可能である。
本発明では特に、第1画素電極は、複数の画素のうち第2遮光部が形成され第2の方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置され、第2画素電極は、複数の画素のうち第4遮光部が形成され第2の方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置される。即ち、第1及び第2画素電極の各々が配置される画素は、複数の画素のうち、当該第1及び第2画素電極が電気的に接続される素子部の第2及び第4接合部を夫々覆う第2及び第4遮光部に重なる画素に統一されている。よって、第1及び第2画素電極の各々と各遮光部とが互いに重なる部分の大きさを、互いに殆ど或いは完全に同じにすることができる。これにより、第1画素電極が設けられた画素における表示特性と第2画素電極が設けられた画素における表示特性とを互いに殆ど或いは完全に同一にすることができる。この結果、表示画像の品質を向上させることが可能となる。
本発明に係る第1の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る第1又は第2の電気光学装置用基板(但し、その各種態様を含む)を備える。
本発明に係る第1の電気光学装置によれば、上述した本発明に係る第1又は第2の電気光学装置用基板を備えるので、高品位な画像表示を行うことができる。
本発明に係る第1の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る第1の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明に係る第1の電子機器によれば、上述した本発明に係る第1の電気光学装置を具備してなるので、高品質な画像表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る第1の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置、電子放出装置(Field Emission Display及びConduction Electron-Emitter Display)、これら電気泳動装置、電子放出装置を用いた表示装置を実現することも可能である。
本発明に係る第3の電気光学装置用基板は上記課題を解決するために、基板と、前記基板上で互いに交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、前記複数のデータ線及び前記複数の走査線の交差に対応して規定され、且つ前記基板上の表示領域を構成する複数の画素に形成された複数の画素電極と、前記複数の画素の各々の開口領域を互いに隔てる非開口領域のうち前記データ線が延びる第1の方向に沿って延びる一の領域に前記第1の方向に沿って形成されており、(i)前記複数のデータ線のうち前記一の領域において前記第1の方向に沿って延びる一のデータ線に電気的に接続された第1データ線側ソースドレイン領域と、(ii)前記第1の方向に沿って前記第1データ線側ソースドレイン領域の両側に位置する第1チャネル領域及び第2チャネル領域と、(iii)前記第1データ線側ソースドレイン領域から見て前記第1の方向に沿って前記第1及び第2チャネル領域の各々の外側に位置しており、前記複数の画素電極のうち互いに異なる第1画素電極及び第2画素電極の各々に電気的に接続された第1画素電極側ソースドレイン領域及び第2画素電極側ソースドレイン領域と、(iv)前記第1チャネル領域及び前記第1データ線側ソースドレイン領域間に形成された第1接合領域と、(v)前記第1チャネル領域及び前記第1画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第2接合領域と、(vi)前記第2チャネル領域及び前記第1データ線側ソースドレイン領域間に形成された第3接合領域と、(vii)前記第2チャネル領域及び前記第2画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第4接合領域とを含む第1半導体層を有する第1素子部と、前記非開口領域のうち、前記第1の方向に交わる第2の方向に沿って前記一の領域と相隣接し、且つ前記第1の方向に延びる他の領域に、前記第1素子部から見て前記第1の方向に沿って1画素分ずらして形成されており、(viii)前記複数のデータ線のうち前記他の領域に前記第1の方向に沿って延びる他のデータ線に電気的に接続された第2データ線側ソースドレイン領域と、(ix)前記第1の方向において、前記第2データ線側ソースドレイン領域から見て、前記第1チャネル領域が形成された側と同じ側に形成された第3チャネル領域、及び前記第2チャネル領域が形成された側と同じ側に形成された第4チャネル領域と、(x)前記第2データ線側ソースドレイン領域から見て前記第1の方向に沿って前記第3及び第4チャネル領域の各々の外側に位置しており、前記複数の画素電極のうち互いに異なる第3画素電極及び第4画素電極に電気的に接続された第3画素電極側ソースドレイン領域及び第4画素電極側ソースドレイン領域と、(xi)前記第3チャネル領域及び前記第2データ線側ソースドレイン領域間に形成された第5接合領域と、(xii)前記第3チャネル領域及び前記第3画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第6接合領域と、(xiii)前記第4チャネル領域及び前記第2データ線側ソースドレイン領域間に形成された第7接合領域と、(xiv)前記第4チャネル領域及び前記第4画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第8接合領域とを含む第2半導体層を有する第2素子部と、前記第1半導体層よりも上層側に前記第1の方向に沿って形成されており、且つ前記第1接合領域を覆う第1遮光部と、前記第1半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記第2接合領域を覆うと共に前記第1遮光部より前記第2の方向の幅が広い第2遮光部と、前記第1半導体層よりも上層側に前記第1の方向に沿って形成されており、且つ前記第3接合領域を覆う第3遮光部と、前記第1半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記第4接合領域を覆うと共に前記第3遮光部より前記第2の方向の幅が広い第4遮光部と、前記第2半導体層よりも上層側に前記第1の方向に沿って形成されており、且つ前記第5接合領域を覆う第5遮光部と、前記第2半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記第6接合領域を覆うと共に前記第5遮光部より前記第2の方向の幅が広い第6遮光部と、前記第2半導体層よりも上層側に前記第1の方向に沿って形成されており、且つ前記第7接合領域を覆う第7遮光部と、前記第2半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記第8接合領域を覆うと共に前記第7遮光部より前記第2の方向の幅が広い第8遮光部とを備え、前記第1及び第2画素電極は、前記複数の画素のうち前記第1及び第3遮光部が形成され前記第2の方向に沿って相隣接する画素に夫々配置され、前記第3及び第4画素電極は、前記複数の画素のうち前記第5及び第7遮光部が形成され前記第2の方向に沿って相隣接する画素に夫々配置される。
本発明に係る第3の電気光学装置用基板によれば、例えば、複数のデータ線から複数の画素電極へ画像信号が制御され、所謂アクティブマトリクス方式による画像表示が可能となる。尚、画像信号は、データ線及び画素電極間に電気的に接続された第1素子部及び第2素子部の各々がオンオフされることによって、所定のタイミングでデータ線から各素子部を介して画素電極に供給される。画素電極は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料からなる透明電極であり、データ線及び走査線の交差に対応してマトリクス状に規定される複数の画素の各々に1つずつ設けられることで、マトリクス状に配列される。
第1素子部は、複数の画素の各々の開口領域を互いに隔てる非開口領域のうちデータ線が延びる第1の方向に沿って延びる一の領域に第1の方向に沿って形成される。ここで、本発明に係る「開口領域」とは、実質的に光が透過する画素内の領域であり、例えば、画素電極が形成される領域であって、透過率の変更に応じて液晶等の電気光学物質を抜けてきた出射光の階調を変化させることが可能となる領域である。言い換えれば、「開口領域」とは、画素に集光される光が光を透過させない、或いは光透過率が透明電極に比べて相対的に小さい配線、遮光膜、及び各種素子等の遮光体で遮られることがない領域を意味する。本発明に係る「非開口領域」とは、表示に寄与する光が透過しない領域を意味し、例えば画素内に非透明な配線或いは電極、若しくは各種素子等の遮光体が配設されている領域を意味する。本発明に係る「第1の方向」とは、複数のデータ線の各々が延びる方向であり、例えば基板上でマトリクス状に規定された複数の画素の列方向(即ちY方向)、言い換えれば、複数の走査線が配列される配列方向を意味する。
第1半導体層は、例えば第1データ線側ソースドレイン領域を共用する2つのトランジスタ素子の一部を構成する。第1素子部では、例えば第1の方向に沿って相隣接する2つのトランジスタ素子によって第1データ線側ソースドレイン領域が共用されている。第1画素電極側ソースドレイン領域及び第2画素電極側ソースドレイン領域の各々は、第1画素電極及び第2画素電極の各々と互いに電気的に接続されている。このような2つのトランジスタ素子は、当該電気光学装置用基板を備えた電気光学装置の動作時に、互いに異なる第1画素電極及び第2画素電極の各々に、第1画素電極側ソースドレイン領域及び第2画素電極側ソースドレイン領域の各々を介して画像信号を供給する。
第1半導体層には、第1チャネル領域と第1データ線側ソースドレイン領域との間に第1接合領域が形成され、第1チャネル領域と第1画素電極側ソースドレイン領域との間には第2接合領域が形成され、第2チャネル領域と第1データ線側ソースドレイン領域との間に第3接合領域が形成され、第2チャネル領域と第2画素電極側ソースドレイン領域との間に第4接合領域が形成されている。第1接合領域は、第1チャネル領域と第1データ線側ソースドレイン領域との接合部に形成される領域であり、第2接合領域は、第1チャネル領域と第1画素電極側ソースドレイン領域との接合部に形成される領域であり、第3接合領域は、第2チャネル領域と第1データ線側ソースドレイン領域との接合部に形成される領域であり、第4接合領域は、第2チャネル領域と第2画素電極側ソースドレイン領域と接合部に形成される領域である。即ち、第1から第4接合領域の各々は、例えば、トランジスタ素子が例えばPNP型或いはNPN型トランジスタ(即ち、Pチャネル型或いはNチャネル型トランジスタ)として形成された場合におけるPN接合領域や、トランジスタ素子がLDD構造を有する場合におけるLDD領域(即ち、例えばイオンインプランテーション法等の不純物打ち込みによって半導体層に各ソースドレイン領域よりも少量の不純物を打ち込んでなる不純物領域)を意味する。
第1素子部に含まれる2つのトランジスタ素子は、第1の方向に沿って第1データ線側ソースドレイン領域を基準としてミラー対称に形成されている。このため、トランジスタ素子毎にデータ線側ソースドレイン領域を形成する場合に比べて、第1の方向に沿ってこれら2つのトランジスタ素子が占める領域を低減でき、第1の方向に沿って画素ピッチを狭めることが可能である。
第2素子部は、複数の画素の各々の開口領域を互いに隔てる非開口領域のうちデータ線が延びる第1の方向と交わる第2の方向に沿って一の領域に相隣接する他の領域において第1の方向に沿って形成されている。ここで、本発明に係る「第2の方向」は、第1の方向と交わる方向であり、例えば基板上でマトリクス状に規定された複数の画素の行方向(即ちX方向)、言い換えれば、複数のデータ線が配列される配列方向を意味する。
第2半導体層は、例えば第2データ線側ソースドレイン領域を共用する2つのトランジスタ素子の一部を構成する。第2素子部では、例えば第1の方向に沿って相隣接する2つのトランジスタ素子によって第2データ線側ソースドレイン領域が共用されている。第3画素電極側ソースドレイン領域及び第4画素電極側ソースドレイン領域の各々は、第3画素電極及び第4画素電極の各々と互いに電気的に接続されている。このような2つのトランジスタ素子は、当該電気光学装置用基板を備えた電気光学装置の動作時に、第1の方向に沿って相隣接する第3画素電極及び第4画素電極の各々に、第3画素電極側ソースドレイン領域及び第4画素電極側ソースドレイン領域の各々を介して画像信号を供給する。
第2半導体層には、第3チャネル領域と第2データ線側ソースドレイン領域との間に第5接合領域が形成され、第3チャネル領域と第3画素電極側ソースドレイン領域との間に第6接合領域が形成され、第4チャネル領域と第2データ線側ソースドレイン領域との間に第7接合領域が形成され、第4チャネル領域と第4画素電極側ソースドレイン領域との間に第8接合領域が形成されている。第5から第8接合領域は、上述した第1から第4接合領域と同様の構成を有している。
第2素子部に含まれる2つのトランジスタ素子は、第1の方向に沿って第2データ線側ソースドレイン領域を基準としてミラー対称に形成されている。このため、トランジスタ素子毎にデータ線側ソースドレイン領域を形成する場合に比べて、第1の方向に沿ってこれら2つのトランジスタ素子が占める領域を低減でき、第1の方向に沿って画素ピッチを狭めることが可能である。
第1遮光部は、基板上の積層構造において第1半導体層よりも上層側に第1の方向に沿って形成されており、第1接合領域を覆っている。第2遮光部は、第1半導体層よりも上層側に形成され、且つ第2接合領域を覆っている。第3遮光部は、第1半導体層よりも上層側に第1の方向に沿って形成されており、第3接合領域を覆っている。第4遮光部は、第1半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記第4接合領域を覆っている。よって、第1から第4接合領域に上層側から入射する光を、第1から第4遮光部の各々によって遮光することができ、第1から第4接合領域における光リーク電流の発生を低減できる。
本発明では特に、第2接合領域を覆う第2遮光部は、第1接合領域を覆う第1遮光部よりも第1の方向に交わる第2の方向の幅が広くなるように構成されている。即ち、第2遮光部は、例えばY方向に沿って延びる第1半導体層に対して、例えばX方向の幅が、第1遮光部よりも広くなるように構成されている。言い換えれば、第2遮光部は、第2の方向に沿って、第1遮光部よりも長く延びる延在部を有する。よって、第2接合領域に入射する光を、第1接合領域に入射する光よりも確実に遮光できる。即ち、第2接合領域に到達する光を遮る遮光性を、第1接合領域に到達する光を遮る遮光性よりも高める(即ち、強化する)ことができる。
更に、第4接合領域を覆う第4遮光部は、第3接合領域を覆う第3遮光部よりも第1の方向に交わる第2の方向の幅が広くなるように構成されている。よって、第4接合領域に入射する光を、第3接合領域に入射する光よりも確実に遮光できる。
ここで、本願発明者は、トランジスタの動作時において、チャネル領域とデータ線側ソースドレイン領域との間に形成される接合領域に比べて、チャネル領域と画素電極側ソースドレイン領域との間に形成される接合領域に光リーク電流が相対的に発生しやすいと推察している。即ち、本願発明者は、第1素子部の動作時において、第1接合領域に比べて第2接合領域に光リーク電流が相対的に発生しやすいと推察しており、第3接合領域に比べて第4接合領域に光リーク電流が相対的に発生しやすいと推察している。従って、第2遮光部が第1遮光部よりも広い幅を有するように且つ第4遮光部が第3遮光部よりも広い幅を有するように形成されることによって、光リーク電流が相対的に生じ易い第2及び第4接合領域に対する遮光性を高めることができ、第1素子部に流れる光リーク電流を効果的に低減できる。逆に言えば、第2及び第4接合領域に比べて光リーク電流が相対的に発生しにくい第1及び第3接合領域を夫々覆う第1及び第3遮光部が、第2及び第4遮光部よりも狭い幅を有するように夫々形成されることによって、開口率の無駄な低下を防止できる。
従って、第2及び第4遮光部の幅を広く形成することによって、光リーク電流が相対的に発生しやすい第2及び第4接合領域に対する遮光性を向上させつつ、第1及び第3遮光部の幅を狭く形成することによって、開口率の無駄な低下を防止できる。つまり、光リーク電流が発生しやすい第2及び第4接合領域に対する遮光性を、いわばピンポイントで高めることで、開口率の無駄な低下を招くことなく、第1素子部における光リーク電流を効果的に低減できる。ここで、「開口率」とは、開口領域及び非開口領域を加えた画素のサイズにおける開口領域の割合を意味し、開口率が大きいほど本発明に係る電気光学装置用基板を備えた電気光学装置の表示性能が向上する。
尚、第1から第4遮光部、及び後述する第5から第8遮光部の各々は、遮光膜のように遮光性を有する単層或いは複数層からなる膜状の遮光体であってもよいし、遮光性を有する電極を含む各種素子であってもよい。
第5遮光部は、第2半導体層よりも上層側に第1の方向に沿って形成されており、第5接合領域を覆っている。第6遮光部は、第2半導体層よりも上層側に形成され、且つ第6接合領域を覆うと共に第5遮光部より第2の方向の幅が広い。第7遮光部は、第2半導体層よりも上層側に第1の方向に沿って形成されており、第7接合領域を覆っている。第8遮光部は、第2半導体層よりも上層側に形成され、且つ第8接合領域を覆うと共に第6遮光部より第2の方向の幅が広い。よって、第5から第8遮光部によれば、第1から第4遮光部と同様に、第5から第8接合領域を遮光でき、第5から第8接合領域における光リーク電流の発生を低減できる。特に、第6及び第8遮光部によれば、第2及び第4遮光部と同様に、第5及び第7接合領域に比べて光リーク電流が相対的に発生しやすい第6及び第8接合領域をピンポイントで遮光できるため、開口率の無駄な低下を招くことなく、第2素子部における光リーク電流を効果的に低減できる。
ここで、本発明に係る第3の電気光学装置用基板は、第1から第8遮光部を備えているため、仮に何らの対策も施さず、単に第1素子部及び第2素子部を第2の方向に沿って並べて配置した場合には、第1の方向に沿って相隣接する画素の夫々において開口率に差が生じてしまう。より具体的には、第1素子部及び第2素子部の各々は、一の領域及び他の領域の各々において第1の方向に沿って相隣接する2つの画素電極の各々に画像信号を供給することから、仮に第1素子部及び第2素子部が第2の方向、例えば走査線が延びる方向(即ち、X方向)に沿って同じ行に対応して配置された場合、第1の方向、例えばデータ線が延びるY方向に沿って互いに隣接する2つの画素のうち一方の側に第1遮光部、第3遮光部、第5遮光部及び第7遮光部が配置され、他方の側に第1遮光部、第3遮光部、第5遮光部及び第7遮光部より第2の方向の幅が広い第2遮光部、第4遮光部、第6遮光部及び第8遮光部が配置されることになる。このような遮光部によれば、他方の画素における開口率が一方の画素における開口率より小さくなり、Y方向に沿って相隣接する2つの画素において、遮光部の幅の相違に応じて開口率に差が生じてしまう。このような開口率の相違が、表示領域を構成する複数の画素全体に生じた場合、遮光部を設けない場合に比べて、表示むらが生じてしまい、電気光学装置用基板を備えた電気光学装置の表示性能を低下させてしまう。
そこで、本発明では特に、非開口領域のうち、第1の方向に交わる第2の方向に沿って一の領域と相隣接し、且つ第1の方向に延びる他の領域に、第1素子部から見て第1の方向に沿って1画素分ずらして第2素子部が形成されている。即ち、第1素子部及び第2素子部は、第1の方向、例えばデータ線が延びるY方向に沿って、互いに1画素分ずらして配置されている。従って、第1から第8遮光部の各々は、各遮光部が遮光すべき接合領域を覆うように第1の方向に沿って互いにずらして配置されていることになる。より具体的には、第1の方向に沿って相隣接する2つの画素のうち一方の画素に第2遮光部(及び第4遮光部)が重なり、他方の画素に第6遮光部(及び第8遮光部)が重なる。従って、表示領域を構成する複数の画素の全ての開口率を一様に揃えることが可能であると共に、遮光部を形成することによって低下する各画素の開口率を極力低下させないようにすることが可能である。
更に、本発明では特に、第1及び第2画素電極は、複数の画素のうち第1及び第3遮光部が形成され第2の方向に沿って相隣接する画素に夫々配置される。即ち、第1素子部に電気的に接続される第1画素電極及び第2画素電極は、複数の画素電極のうち、基板上で平面的に見て、当該第1素子部の第1及び第3接合領域を夫々覆う第1及び第3遮光部に夫々重なると共に第2の方向(即ち、X方向)に沿って相隣接する画素電極として設けられる。言い換えれば、第1素子部の第1画素電極側ソースドレイン領域及び第2画素電極側ソースドレイン領域は、マトリクス状に配列された複数の画素電極のうち、基板上で平面的に見て、当該第1素子部の第1接合部及び第3接合部を夫々覆う第1及び第3遮光部に重なる、第2の方向に沿って相隣接する2つの画素電極のいずれかに夫々電気的に接続されている。つまり、第1及び第2画素電極の各々は、基板上で平面的に見て、いずれも第1及び第3遮光部に部分的に重なると共に、第2遮光部或いは第4遮光部に重ならないように設けられている。即ち、第1及び第2画素電極の各々が配置される画素は、複数の画素のうち、当該第1及び第2画素電極が電気的に接続される第1素子部の第1及び第3接合部を夫々覆う第1及び第3遮光部に重なる画素に統一されている。
ここで、仮に、第1及び第2画素電極が、第1の方向(即ち、Y方向)に沿って相隣接する画素電極として設けられた場合には、即ち、例えば、第1画素電極が第1遮光部より第2の方向の幅が広い第2遮光部に部分的に重なる画素電極として設けられ、第2画素電極が第1遮光部に部分的に重なる画素電極として設けられた場合には、第1及び第2画素電極の各々と各遮光部とが互いに重なる部分の大きさが互いに異なるため、例えば、第1素子部に電気的に接続された一のデータ線と第1画素電極との間の寄生容量と、該一のデータ線と第2画素電極との間の寄生容量とが互いに異なってしまう。更に、この場合、例えば、第1素子部に電気的に接続された一のデータ線に相隣接する他のデータ線(言い換えれば、第2素子部に電気的に接続された他のデータ線)と第1画素電極との間の寄生容量と、該他のデータ線と第2画素電極との間の寄生容量とが互いに異なってしまう。よって、第1画素電極における電位保持特性と第2画素電極における電位保持特性とが互いに異なってしまうおそれがある。従って、第1画素電極が設けられた画素における表示特性と第2画素電極が設けられた画素における表示特性とが互いに異なってしまうおそれがある。
しかるに本発明では特に、上述したように、第1及び第2画素電極は、複数の画素のうち第1及び第3遮光部が形成され第2の方向に沿って相隣接する画素に夫々配置される。よって、第1及び第2画素電極の各々は、基板上で平面的に見て、いずれも第1及び第3遮光部に部分的に重なると共に、第2遮光部或いは第4遮光部に重ならない(より詳細には、この場合、更に、第6遮光部及び第8遮光部に部分的に重なると共に、第5遮光部或いは第7遮光部に重ならない)ので、第1及び第2画素電極の各々と各遮光部とが互いに重なる部分の大きさを、互いに殆ど或いは完全に同じにすることができる。従って、例えば、第1素子部に電気的に接続された一のデータ線と第1画素電極との間の寄生容量と、該一のデータ線と第2画素電極との間の寄生容量との差を殆ど或いは完全に無くすことができる。更に、第1素子部に電気的に接続された一のデータ線に相隣接する他のデータ線(言い換えれば、第2素子部に電気的に接続された他のデータ線)と第1画素電極との間の寄生容量と、該他のデータ線と第2画素電極との間の寄生容量との差を殆ど或いは完全に無くすことができる。これにより、第1画素電極における電位保持特性と第2画素電極における電位保持特性とを互いに殆ど或いは完全に同じにすることができる。この結果、第1画素電極が設けられた画素における表示特性と第2画素電極が設けられた画素における表示特性とを互いに殆ど或いは完全に同一にすることができる。
加えて、本発明では特に、第3及び第4画素電極は、複数の画素のうち第5及び第7遮光部が形成され第2の方向に沿って相隣接する画素に夫々配置される。即ち、第2素子部に電気的に接続される第3画素電極及び第4画素電極は、複数の画素電極のうち、基板上で平面的に見て、当該第2素子部の第5及び第7接合領域を夫々覆う第5及び第7遮光部に夫々重なると共に第2の方向(即ち、X方向)に沿って相隣接する画素電極として設けられる。つまり、上述した第1及び第2画素電極と第1から第4遮光部との間の配置関係と同様に、第3及び第4画素電極の各々は、基板上で平面的に見て、いずれも第5及び第7遮光部に部分的に重なると共に、第6遮光部或いは第8遮光部に重ならないように設けられている。よって、第3画素電極が設けられた画素における表示特性と第4画素電極が設けられた画素における表示特性とを互いに殆ど或いは完全に同一にすることができる。
更に、第1遮光部、第3遮光部、第5遮光部、第7遮光部の各々の第2の方向の幅を互いに殆ど或いは完全に同じにすると共に第2遮光部、第4遮光部、第6遮光部、第8遮光部の各々の第2の方向の幅を互いに殆ど或いは完全に同じにすることで、第1から第4画素電極が夫々設けられた各画素における表示特性を、より一層確実に、互いに殆ど或いは完全に同一にすることができる。即ち、表示領域を構成する各画素における表示特性を殆ど或いは完全に均一にすることができる。この結果、表示画像の品質を向上させることが可能となる。
以上説明したように、本発明に係る第3の電気光学装置用基板によれば、開口率の無駄な低下を招くことなく、光リーク電流の発生に起因して生じるフリッカ等の表示不良を低減できると共に、各画素の開口率の相違に起因する表示不良も低減することが可能である。更に、各画素における表示特性を互いに殆ど或いは完全に同一にすることが可能である。これらの結果、本発明の電気光学装置用基板によれば、高品質な画像表示が可能となる。
本発明に係る第3の電気光学装置用基板の一態様では、前記第1から第8接合領域の各々は、LDD領域である。
この態様によれば、第1素子部及び第2素子部の非動作時において、第1データ線側ソースドレイン領域及び第2画素電極側ソースドレイン領域間、並びに、第2データ線側ソースドレイン領域及び第4画素電極側ソースドレイン領域間の各々の間に流れるオフ電流を低減し、且つ第1素子部及び第2素子部の夫々の動作時に流れるオン電流の低下を抑制できる。
本発明に係る第3の電気光学装置用基板の他の態様では、前記第1から第8遮光部の各々は、前記第1及び第2素子部の各々の直上に配置される。
この態様によれば、基板上の積層構造における各遮光部と、第1素子部及び第2素子部との間において第1半導体層及び第2半導体層に対して斜めに入射する入射光をより低減できる。より具体的には、各遮光部と、第1素子部及び第2素子部との間に、これら遮光部とは別の他の遮光膜を介在させる場合に比べて、各遮光部と、第1素子部及び第2素子部との積層方向の距離を近づけることができ、その分第1半導体層及び第2半導体層の各々の法線方向に対して大きな角度でこれら半導体層に斜めに入射する光を各遮光部によって遮ることが可能である。
本発明に係る第3の電気光学装置用基板の他の態様では、前記第1及び第2遮光部は、一対の第1容量電極及び該一対の第1容量電極間に挟持された第1誘電体膜を有する第1容量素子を構成し、前記第3及び第4遮光部は、一対の第2容量電極及び該一対の第2容量電極間に挟持された第2誘電体膜を有する第2容量素子を構成し、前記第5及び第6遮光部は、一対の第3容量電極及び該一対の第3容量電極間に挟持された第3誘電体膜を有する第3容量素子を構成し、前記第7及び第8遮光部は、一対の第4容量電極及び該一対の第4容量電極間に挟持された第4誘電体膜を有する第4容量素子を構成し、前記第1容量素子は、前記一のデータ線を介して前記第1画素電極に画像信号が供給された際に、前記第1画素電極の電位を保持し、前記第2容量素子は、前記一のデータ線を介して前記第2画素電極に画像信号が供給された際に、前記第2画素電極の電位を保持し、前記第3容量素子は、前記他のデータ線を介して前記第3画素電極に画像信号が供給された際に、前記第3画素電極の電位を保持し、前記第4容量素子は、前記他のデータ線を介して前記第4画素電極に画像信号が供給された際に、前記第4画素電極の電位を保持する。
この態様によれば、第1から第4容量素子の各々は、第1から第4画素電極の各々の電位を一時的に保持する保持容量である。第1容量素子を第1及び第2遮光部によって構成し、第2容量素子を第3及び第4遮光部によって構成し、第3容量素子を第5及び第6遮光部によって構成し、第4容量素子を第7及び第8遮光部によって構成することによって、別途遮光膜を設ける場合に比べて当該電気光学装置用基板における回路構成及び当該回路を構成する配線等のレイアウトを簡略化できる。
上述した第1から第8遮光部が第1から第4容量素子を構成する態様では、前記一対の第1から第4容量電極のうち少なくともいずれか一の一対の容量電極は、導電性遮光膜を含んでなるようにしてもよい。
この態様によれば、第1素子部及び第2素子部の各々の上層側に例えば層間絶縁膜を介して近接配置可能な第1から第4容量素子の各々によって、第1半導層及び第2半導体層の夫々の上層側から入射する光を確実に遮光できる。尚、導電性遮光膜としては、例えば導電性ポリシリコン、やチタン(Ti)、クロム(Cr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの、或いはタングステンシリサイドが挙げられる。
本発明に係る第4の電気光学装置用基板は上記課題を解決するために、基板と、前記基板上で互いに交差する複数のデータ線及び複数の走査線と、前記複数のデータ線及び前記複数の走査線の交差に対応して規定され、且つ前記基板上の表示領域を構成する複数の画素に形成された複数の画素電極と、前記複数の画素の各々の開口領域を互いに隔てる非開口領域のうち前記データ線が延びる第1の方向に沿って延びる一の領域に前記第1の方向に沿って形成されており、(i)前記複数のデータ線のうち前記一の領域において前記第1の方向に沿って延びる一のデータ線に電気的に接続された第1データ線側ソースドレイン領域と、(ii)前記第1の方向に沿って前記第1データ線側ソースドレイン領域の両側に位置する第1チャネル領域及び第2チャネル領域と、(iii)前記第1データ線側ソースドレイン領域から見て前記第1の方向に沿って前記第1チャネル領域及び前記第2チャネル領域の各々の外側に位置しており、前記複数の画素電極のうち互いに異なる第1画素電極及び第2画素電極の各々に電気的に接続された第1画素電極側ソースドレイン領域及び第2画素電極側ソースドレイン領域と、(iv)前記第1チャネル領域及び前記第1データ線側ソースドレイン領域間に形成された第1接合領域と、(v)前記第1チャネル領域及び前記第1画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第2接合領域と、(vi)前記第2チャネル領域及び前記第1データ線側ソースドレイン領域間に形成された第3接合領域と、(vii)前記第2チャネル領域及び前記第2画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第4接合領域とを含む第1半導体層を有する第1素子部と、前記非開口領域のうち、前記第1の方向に交わる第2の方向に沿って前記一の領域と相隣接し、且つ前記第1の方向に延びる他の領域に、前記第1素子部から見て前記第1の方向に沿って1画素分ずらして形成されており、(viii)前記複数のデータ線のうち前記他の領域に前記第1の方向に沿って延びる他のデータ線に電気的に接続された第2データ線側ソースドレイン領域と、(ix)前記第1の方向において、前記第2データ線側ソースドレイン領域から見て、前記第1チャネル領域が形成された側と同じ側に形成された第3チャネル領域、及び前記第2チャネル領域が形成された側と同じ側に形成された第4チャネル領域と、(x)前記第2データ線側ソースドレイン領域から見て前記第1の方向に沿って前記第3チャネル領域及び前記第4チャネル領域の各々の外側に位置しており、前記複数の画素電極のうち互いに異なる第3画素電極及び第4画素電極に電気的に接続された第3画素電極側ソースドレイン領域及び第4画素電極側ソースドレイン領域と、(xi)前記第3チャネル領域及び前記第2データ線側ソースドレイン領域間に形成された第5接合領域と、(xii)前記第3チャネル領域及び前記第3画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第6接合領域と、(xiii)前記第4チャネル領域及び前記第2データ線側ソースドレイン領域間に形成された第7接合領域と、(xiv)前記第4チャネル領域及び前記第4画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第8接合領域とを含む第2半導体層を有する第2素子部と、前記第1半導体層よりも上層側に前記第1の方向に沿って形成されており、且つ前記第1接合領域を覆う第1遮光部と、前記第1半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記2接合領域を覆うと共に前記第1遮光部より前記第2の方向の幅が広い第2遮光部と、前記第1半導体層よりも上層側に前記第1の方向に沿って形成されており、且つ前記第3接合領域を覆う第3遮光部と、前記第1半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記4接合領域を覆うと共に前記第3遮光部より前記第2の方向の幅が広い第4遮光部と、前記第2半導体層よりも上層側に前記第1の方向に沿って形成されており、且つ前記第5接合領域を覆う第5遮光部と、前記第2半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記6接合領域を覆うと共に前記第5遮光部より前記第2の方向の幅が広い第6遮光部と、前記第2半導体層よりも上層側に前記第1の方向に沿って形成されており、且つ前記第7接合領域を覆う第7遮光部と、前記第2半導体層よりも上層側に形成され、且つ前記8接合領域を覆うと共に前記第7遮光部より前記第2の方向の幅が広い第8遮光部とを備え、前記第1画素電極は、前記複数の画素のうち前記第2遮光部が形成され前記第2の方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置され、前記第2画素電極は、前記複数の画素のうち前記第4遮光部が形成され前記第2の方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置され、前記第3画素電極は、前記複数の画素のうち前記第6遮光部が形成され前記第2の方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置され、前記第4画素電極は、前記複数の画素のうち前記第8遮光部が形成され前記第2の方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置される。
本発明に係る第4の電気光学装置用基板によれば、上述した本発明に係る第3の電気光学装置用基板と同様に、所謂アクティブマトリクス方式による画像表示が可能となる。
本発明では特に、上述した本発明に係る第3の電気光学装置用基板と同様に、非開口領域のうち、第1の方向に交わる第2の方向に沿って一の領域と相隣接し、且つ第1の方向に延びる他の領域に、第1素子部から見て第1の方向に沿って1画素分ずらして第2素子部が形成されている。よって、表示領域を構成する複数の画素の全ての開口率を一様に揃えることが可能であると共に、遮光部を形成することによって低下する各画素の開口率を極力低下させないようにすることが可能である。
更に、本発明では特に、第1画素電極は、複数の画素のうち第2遮光部が形成され第2の方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置され、第2画素電極は、複数の画素のうち第4遮光部が形成され第2の方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置される。即ち、第1素子部に電気的に接続される第1画素電極及び第2画素電極は、複数の画素電極のうち、基板上で平面的に見て、当該第1素子部の第2及び第4接合領域を夫々覆う第2及び第4遮光部に夫々重なる画素電極として設けられる。ここで、第2遮光部は、第1チャネル領域及び第1画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第2接合領域を覆うように設けられ、第4遮光部は、第2チャネル領域及び第2画素電極側ソースドレイン領域間に形成された第4接合領域を覆うように設けられ、第2及び第4遮光部は夫々、第1及び第3遮光部よりも第2の方向の幅が広い。言い換えれば、第1素子部の第1画素電極側ソースドレイン領域及び第2画素電極側ソースドレイン領域は、マトリクス状に配列された複数の画素電極のうち、基板上で平面的に見て、当該第1素子部の第1及び第3接合領域を夫々覆う第1及び第3遮光部よりも第2の方向の幅が広い第2及び第4遮光部に重なる画素電極に夫々電気的に接続されている。つまり、第1及び第2画素電極の各々は、基板上で平面的に見て、いずれも第2遮光部又は第4遮光部に部分的に重なると共に、第1及び第3遮光部に重ならないように設けられている。即ち、第1及び第2画素電極の各々が配置される画素は、複数の画素のうち、当該第1及び第2画素電極が電気的に接続される第1素子部の第2及び第4接合部を夫々覆う第2及び第4遮光部に重なる画素に統一されている。
よって、第1及び第2画素電極の各々は、基板上で平面的に見て、いずれも第1及び第3遮光部よりも第2の方向の幅が広い第2遮光部又は第4遮光部に部分的に重なると共に、第1及び第3遮光部に重ならないので、第1及び第2画素電極の各々と各遮光部とが互いに重なる部分の大きさを、互いに殆ど或いは完全に同じにすることができる。従って、例えば、第1素子部に電気的に接続された一のデータ線と第1画素電極との間の寄生容量と、該一のデータ線と第2画素電極との間の寄生容量との差を殆ど或いは完全に無くすことができ、第1画素電極における電位保持特性と第2画素電極における電位保持特性とを互いに殆ど或いは完全に同じにすることができる。これにより、第1画素電極が設けられた画素における表示特性と第2画素電極が設けられた画素における表示特性とを互いに殆ど或いは完全に同一にすることができる。
加えて、本発明では特に、第3画素電極は、複数の画素のうち第6遮光部が形成され第2の方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置され、第4画素電極は、複数の画素のうち第8遮光部が形成され第2の方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置される。即ち、第2素子部に電気的に接続される第3画素電極及び第4画素電極は、複数の画素電極のうち、基板上で平面的に見て、当該第2素子部の第6及び第8接合領域を夫々覆う第6及び第8遮光部に夫々重なる画素電極として設けられる。つまり、上述した第1及び第2画素電極と第1から第4遮光部との間の配置関係と同様に、第3及び第4画素電極の各々は、基板上で平面的に見て、いずれも第6遮光部又は第8遮光部に部分的に重なると共に、第5及び第7遮光部に重ならないように設けられている。よって、第3画素電極が設けられた画素における表示特性と第4画素電極が設けられた画素における表示特性とを互いに殆ど或いは完全に同一にすることができる。
更に、第2、第4、第6及び第8遮光部の各々の第2の方向の幅を互いに殆ど或いは完全に同じにすると共に第1、第3、第5及び第7遮光部の各々の第2の方向の幅を互いに殆ど或いは完全に同じにすることで、第1から第4画素電極が夫々設けられた各画素における表示特性を、より一層確実に、互いに殆ど或いは完全に同一にすることができる。即ち、表示領域を構成する各画素における表示特性を殆ど或いは完全に均一にすることができる。この結果、表示画像の品質を向上させることが可能となる。
本発明に係る第2の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る第3又は第4の電気光学装置用基板(但し、その各種態様を含む)を備える。
本発明に係る第2の電気光学装置によれば、上述した本発明に係る第1又は第2の電気光学装置用基板を備えるので、高品位な画像表示を行うことができる。
本発明に係る第2の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る第2の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
本発明に係る第2の電子機器によれば、上述した本発明に係る第2の電気光学装置を具備してなるので、高品質な画像表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る第1の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置、電子放出装置、これら電気泳動装置、電子放出装置を用いた表示装置を実現することも可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態では、本発明の電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る液晶装置について、図1から図13を参照して説明する。
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た液晶装置の平面図であり、図2は、図1のII−II´線断面図である。
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されている。TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素部が設けられる、本発明に係る「表示領域」の一例としての画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。本実施形態に係る液晶装置は、プロジェクタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに適している。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
TFTアレイ基板10は例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板等の透明基板である。対向基板20もTFTアレイ基板10と同様に透明基板である。
TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜が設けられている。例えば、画素電極9aはITO膜などの透明導電膜からなり、配向膜は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
対向基板20には、そのほぼ全面に亘って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電膜からなる。配向膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
対向基板20には、格子状又はストライプ状の遮光膜を設けるようにしてもよい。このような構成を採ることで、後述する上部容量電極300として設けられた上側遮光膜と併せ、TFTアレイ基板10側からの入射光のチャネル領域ないしその周辺への侵入をより確実に阻止することができる。
このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜により所定の配向状態をとる。
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して夫々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
次に、本実施形態に係る液晶装置の画素部の電気的な接続構成について、図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
図3において、画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素の各々には、画素電極9a及びTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、本実施形態に係る液晶装置は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
液晶層50を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に、蓄積容量70aが電気的に接続されている。蓄積容量70aは、画像信号の供給に応じて各画素電極9aの電位を一時的に保持する保持容量として機能する容量素子である。蓄積容量70aによれば、画素電極9aにおける電位保持特性が向上し、コントラスト向上やフリッカの低減といった表示特性の向上が可能となる。
次に、上述の動作を実現する画素部の具体的な構成について、図4から図6を参照して説明する。
図4は、相隣接する複数の画素部の平面図である。図5は、図4のV−V´線断面図である。図6は、2つのトランジスタ素子を含んで構成された素子部の平面図である。尚、図4から図6では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。図4及び図5では、説明の便宜上、画素電極9aより上側に位置する部分の図示を省略している。図5において、TFTアレイ基板10から画素電極9aまでの部分が、本発明に係る「電気光学装置用基板」の一例を構成している。
図4及び図5において、本実施形態に係る液晶装置は、TFTアレイ基板10、TFTアレイ基板10上に形成された複数のデータ線6a及び複数の走査線3a、複数の画素電極9a、本発明に係る「第1素子部」の一例である素子部130a、本発明に係る「第2素子部」の一例である素子部130b、及び蓄積容量70aを備えている。
TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aは、画素電極9aが夫々設けられた複数の画素によって構成されている。TFTアレイ基板10上において、マトリクス状に設けられた複数の画素電極9aの縦横の境界にそれぞれ沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。走査線3aは、X方向に沿って延びており、データ線6aは、走査線3aと交差するようにY方向に沿って延びている。走査線3a及びデータ線6aが互いに交差する個所の各々には画素スイッチング用のTFT30が設けられている。このような画素スイッチング用TFT30は、データ線6aが延びるY方向に沿った2つのTFT30を一組として構成される素子部130a及び130bの一部として形成されている。
走査線3a、データ線6a、蓄積容量70a、下側遮光膜11a及び中継層93は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、画素電極9aに対応する各画素の開口領域(即ち、各画素において、表示に実際に寄与する光が透過又は反射される領域)を囲む非開口領域内に配置されている。即ち、これらの走査線3a、蓄積容量70a、データ線6a及び下側遮光膜11aは、表示の妨げとならないように、各画素の開口領域ではなく、非開口領域内に配置されている。
素子部130aは、一対のTFT30a1及びTFT30a2を備えている。素子部130aは、TFTアレイ基板10上において複数の画素の各々の開口領域を互いに隔てる非開口領域のうちデータ線6aが延びるY方向に沿って延びる領域に形成されている。より具体的には、素子部130aは、X方向に形成された複数のデータ線6aのうちa列番目のデータ線6aが形成された領域において、該素子部130aに含まれるTFT30a1及び30a2のチャネル長がY方向に沿うように形成されている。加えて、素子部130aは、a列番目のデータ線6aが形成された領域において、Y方向に沿って複数配設されている。
素子部130bも、素子部130aと同様に、一対のTFT30b1及び30b2を備えており、b列番目のデータ線6aが形成された領域において、Y方向に沿って複数配設されている。素子部130a及び130bは、Y方向に沿って相互に1画素分ずらして配置されている。
ここで、a列番目及びb列番目は、1画素分のスペースを隔てて相隣接する列であり、例えばa列をi列(iは自然数)とすると、b列は(i+1)列になる。本実施形態では、説明の便宜上、相隣接する列をa列及びb列と称している。以下では、複数の素子部のうち互いに対応する素子部である素子部130a及び130bについて詳細に説明する。
次に、素子部130aの詳細な構成について、図4から図6を参照して説明する。
図4から図6において、素子部130aは、a列のデータ線6aに電気的に接続された第1データ線側ソースドレイン領域1d−1、Y方向に沿って第1データ線側ソースドレイン領域1d−1の両側に位置する第1チャネル領域1a−1及び第2チャネル領域1a−2、第1データ線側ソースドレイン領域1d−1から見てY方向に沿って第1チャネル領域1a−1及び第2チャネル領域1a−2の各々の外側に位置しており、複数の画素電極9aのうち互いに異なる第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2の各々に電気的に接続された第1画素電極側ソースドレイン領域1e−1及び第2画素電極側ソースドレイン領域1e−2、第1チャネル領域1a−1及び第1データ線側ソースドレイン領域1d−1間に形成された本発明の「第1接合領域」の一例であるデータ線側LDD領域1b−1、第1チャネル領域1a−1及び第1画素電極側ソースドレイン領域1e−1間に形成された本発明の「第2接合領域」の一例である画素電極側LDD領域1c−1、第2チャネル領域1a−2及び第1データ線側ソースドレイン領域1d−1間に形成された本発明の「第3接合領域」の一例であるデータ線側LDD領域1b−2、第2チャネル領域1a−2及び第2画素電極側ソースドレイン領域1e−2間に形成された本発明の「第4接合領域」の一例である画素電極側LDD領域1c−2を含む第1半導体層1A−1を有している。
TFT30a1は、第1チャネル領域1a−1、データ線側LDD領域1b−1、画素電極側LDD領域1c−1、第1データ線側ソースドレイン領域1d−1、第1画素電極側ソースドレイン領域1e−1、及び走査線3a−1のうちゲート線として第1チャネル領域1a−1に重なる部分を含んで構成されている。第1半導体層1A−1は、例えばポリシリコンからなり、Y方向に沿ったチャネル長を有するチャネル領域1a−1、データ線側LDD領域1b−1及び画素電極側LDD領域1c−1、第1データ線側ソースドレイン領域1d−1、及び第1画素電極線側ソースドレイン領域1e−1を含んでいる。即ち、TFT30a1は、LDD構造を有している。
第1データ線側ソースドレイン領域1d−1及び第1画素電極線側ソースドレイン領域1e−1は、第1チャネル領域1a−1を基準として、Y方向に沿ってほぼミラー対称に形成されている。データ線側LDD領域1b−1、画素電極側LDD領域1c−1、第1データ線側ソースドレイン領域1d−1及び第1画素電極線側ソースドレイン領域1e−1は、例えばイオンインプランテーション法等の不純物打ち込みによって第1半導体層1a−1に不純物を打ち込んでなる不純物領域である。データ線側LDD領域1b−1及び画素電極側LDD領域1c−1の各々は、第1データ線側ソースドレイン領域1d−1及び第1画素電極線側ソースドレイン領域1e−1よりも不純物の少ない低濃度な不純物領域として形成される。このような不純物領域によれば、TFT30a1の非動作時において、ソース領域及びドレイン領域に流れるオフ電流を低減し、且つTFT30a1の動作時に流れるオン電流の低下を抑制できる。尚、TFT30a1は、LDD構造を有することが好ましいが、データ線側LDD領域1b−1、画素電極側LDD領域1c−1に不純物打ち込みを行わないオフセット構造であってもよいし、ゲート電極をマスクとして不純物を高濃度に打ち込んでデータ線側ソースドレイン領域及び画素電極線側ソースドレイン領域を形成する自己整合型であってもよい。
TFT30a2は、第1データ線側ソースドレイン領域1d−1を基準として、Y方向に沿ってTFT30a1の反対側に形成されており、TFT30a1と共に第1半導体層1A−1を共有している。TFT30a2は、第1データ線側ソースドレイン領域1d−1、第2チャネル領域1a−2、データ線側LDD領域1b−2、画素電極側ソースドレイン領域1c−2、第2画素電極側ソースドレイン領域1e−2、及び走査線3a−2のうちゲート線として第2チャネル領域1a−2に重なる部分を含んで構成されている。TFT30a2は、第1データ線側ソースドレイン領域1d−1を基準としてTFT30a1と略ミラー対称な素子構造を有している。
図4に示すように、TFT30a1及び30a2は、Y方向に沿って第1データ線側ソースドレイン領域1d−1に対して第1画素電極側ソースドレイン領域1e−1及び第2画素電極側ソースドレイン領域1e−2の向きが相互に逆となるように配置されると共に、第1データ線側ソースドレイン領域1d−1をデータ線6aに電気的に接続するコンタクトホール81bが共通化されている。
即ち、図4において、図中上下方向であるY方向において、一対のTFT30a1及び30a2は、上下反転した或いは上下ミラー反転したTFTということになる。そして、このようにミラー対称に配置された一対のTFTを有する素子部130aは、一つのコンタクトホール81bのみによって、データ線6aと電気的に接続されている。即ち、通常の如くTFT30a1及び30a2の各々を画素毎に別々に設けて別々のデータ線側ソースドレイン領域からデータ線6aに電気的に接続する場合と比べて、コンタクトホールの数を飛躍的に少なくすることができる。これにより、画素部の狭ピッチ化が可能となり、液晶装置の小型化・高精細化が実現可能となる。
図5に示すように、TFT30a1において、第1データ線側ソースドレイン領域1d−1は、層間絶縁膜42、絶縁膜61、層間絶縁膜41及びゲート絶縁膜2(具体的には絶縁膜2a及び2b)を貫通して開孔されたコンタクトホール81bを介してデータ線6aと互いに電気的に接続されている。第1画素電極側ソースドレイン領域1e−1は、層間絶縁膜41及びゲート絶縁膜2を貫通して開孔されたコンタクトホール83bを介して、後述する下部容量電極71と互いに電気的に接続されている。
尚、TFT30a2においても、TFT30a1と同様に、第2画素電極側ソースドレイン領域1e−2が、層間絶縁膜41及びゲート絶縁膜2を貫通して開孔されたコンタクトホール83bを介して、TFT30a2に対応する下部容量電極71と互いに電気的に接続されている。
図4から図6に示すように、TFT30a1及び30a2のゲート電極は、走査線3aの一部として形成されており、例えば導電性ポリシリコンから形成されている。より具体的には、走査線3a1及び3a2の各々のうち第1チャネル領域1a−1及び第2チャネル領域1a−2の各々に重なる部分が各TFTのゲート電極を構成している。
走査線3a1は、X方向に沿って延びる本線部分と共に、Y方向に沿って突出した凸部150及びY方向に沿って窪んだ凹部160によって規定された部分がTFT30a1の第1チャネル領域1a−1に重なってなり、ゲート電極として機能する。ゲート電極及び第1半導体層1A−1間は、ゲート絶縁膜2(より具体的には、2層の絶縁膜2a及び2b)によって絶縁されている。走査線3a2も、走査線3a1と同様に、X方向に延びる本線部のうち凹部及び凸部によって規定された部分が第2チャネル領域1a−2に重なっており、ゲート電極として機能する。
TFT30a1及び30a2の下側に下地絶縁膜12を介して格子状に設けられた下側遮光膜11aは、TFTアレイ基板10側から装置内に入射する戻り光からTFT30a1及び30a2の各々のチャネル領域及びその周辺を遮光する。下側遮光膜11aは、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。
下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT30a1及び30a2を層間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。尚、素子部130bが有する一対のTFTも遮光膜11aによって遮光されていると共に、下地絶縁膜12によって層間絶縁されている。
図4及び図5において、TFTアレイ基板10上のTFT30a1よりも層間絶縁膜41を介して上層側には、蓄積容量70aが設けられている。蓄積容量70aは、下部容量電極71及び上部容量電極300が誘電体膜75aを介して対向配置されることにより形成されている。TFT30a1に対応して形成された蓄積容量70aが、本発明に係る「第1の容量素子」の一例であり、TFT30a2に対応して設けられた蓄積容量70aが、本発明に係る「第2の容量素子」の一例である。また、後述するTFT30b1に対応して形成された蓄積容量70aが、本発明に係る「第3の容量素子」の一例であり、後述するTFT30b2に対応して設けられた蓄積容量70aが、本発明に係る「第4の容量素子」の一例である。
上部容量電極300は、固定電位側容量電極であり、下部容量電極71は、コンタクトホール83bを介してTFT30a1の第1画素電極側ソースドレイン領域1e−1に電気的に接続された画素電位側容量電極である。下部容量電極71は、ポリシリコン等の半導体で形成されている。従って、蓄積容量70は、金属−誘電体−金属が積層された、所謂MIS構造を有している。下部容量電極71は、層間絶縁膜42及び絶縁膜61を貫通して開孔されたコンタクトホール84bを介して中継層93と電気的に接続されている。尚、下部容量電極71は、画素電位側容量電極としての機能の他、上側遮光膜として上部容量電極300とTFT30a1との間に配置される、光吸収層或いは遮光膜としての機能も有する。データ線6aは、層間絶縁膜41、絶縁膜61及び層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール81bを介して第1データ線側ソースドレイン領域1d−1に電気的に接続されている。
下部容量電極71は、コンタクトホール84bを介して中継層93に電気的に接続されており、中継層93と共に第1画素電極線側ソースドレイン領域1e−1及び画素電極9a間の電気的な接続を中継する。加えて、中継層93は、中継層93の一部である凸部93a及び当該凸部93aに電気的に接続されたコンタクトホール85aを介して画素電極9aに電気的に接続されている。従って、画素電極9a及び下部容量電極71は、電気的に接続されている。
上部容量電極300は、例えば金属又は合金を含んでTFT30a1の上側に設けられた非透明な金属膜である。上部容量電極300は、TFT30a1を遮光する上側遮光膜(或いは、内蔵遮光膜)としても機能する。上部容量電極300は、Al(アルミニウム)、Ag(銀)等の金属を含んで形成されている。
尚、上部容量電極300は、本発明に係る「導電性遮光膜」として、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したものから構成されていてもよい。この場合には、上部容量電極300の上側遮光膜としての機能を一層高めることができる。
上部容量電極300は、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設されている。下部容量電極71は、定電位源と電気的に接続され、固定電位に維持された固定電位側容量電極である。
誘電体膜75aは、例えばHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン膜、或いは窒化シリコン膜等から構成された単層構造、或いは多層構造を有している。
層間絶縁膜41及び42間には、部分的に絶縁膜61が介在している。尚、下部容量電極71は金属膜であってもよい。このような下部容量電極71によれば、蓄積容量70aは、金属−誘電体−金属が積層された構造である、所謂MIM構造を有していてもよい。
図4において、下部容量電極71は、画素毎に互いに離間されている。従って、データ線6aを介して供給される画像信号がTFT30a1のスイッチング動作に応じてTFT30a1に対応する第1画素電極9a1に供給される。上部容量電極300は、X方向に沿って複数の画素に亘って延在されているため、複数の画素で共用されることによって電極面積が下部容量電極71より大きくなっている。しかしながら、上部容量電極300は、Al等の金属膜で構成されているため、半導体で上部容量電極300を形成する場合に比べて電極面積の増大による電気抵抗の増大分を抑制できる。よって、液晶装置の動作時における消費電力の低減、及び各画素における各種素子の高速駆動が可能となり、液晶装置によって画像が表示される際の応答性が低下することを抑制できる利点がある。
尚、このような利点は、本実施形態のように上部容量電極300がX方向に沿って互いに隣接する画素に亘って延在するように形成されている場合に限定されず、上部容量電極300が画像表示領域10aにおいてより大きな面積を占めるように複数の画素に渡って形成されている場合により顕著に現れる。
図4において、蓄積容量70aは、Y方向に延びる第1領域D1と、X方向に延びる第2領域D2とが相互に交差する交差領域からY方向に沿って延びる第1部分Py1及び第2部分Py2を有している。第1部分Py1は、本発明に係る「第1遮光部」の一例であり、データ線側LDD領域1b−1を覆っている。第2部分Py2は、本発明に係る「第2遮光部」の一例であり、画素電極側LDD領域1c−1を覆っている。第2部分Py2におけるX方向に沿った幅W2は、第1部分Py1の幅W1に比べて広くなっている。
よって、第2部分Py2によれば、画素電極側LDD領域1c−1に入射する光を、データ線側LDD領域1b−1に入射する光よりも確実に遮光できる。即ち、画素電極側LDD領域1c−1に到達する光を遮る遮光性を、データ線側LDD領域1b−1に到達する光を遮る遮光性よりも高める或いは強化することができる。本願発明者は、TFT30a1の動作時に、画素電極側LDD領域1c−1において、データ線側LDD領域1b−1に比べて光リーク電流が相対的に発生しやすいと推察している。即ち、TFT30a1の動作時に、画素電極側LDD領域1c−1に光が照射された場合には、データ線側LDD領域1b−1に光が照射された場合よりも、TFT30a1における光リーク電流が発生しやすいと推察している。従って、第2部分Py2が第1部分Py1の幅W1よりも広い幅W2を有するように形成されることによって、光リーク電流が相対的に生じ易い画素電極側LDD領域1c−1に対する遮光性を高めることができ、TFT30a1に流れる光リーク電流を効果的に低減できる。逆に言えば、画素電極側LDD領域1c−1に比べて光リーク電流が相対的に発生しにくいデータ線側LDD領域1b−1を覆う第1部分Py1が、第2部分Py2よりも狭い幅W1を有するように形成されることによって、開口率の無駄な低下を防止できる。
即ち、第2部分Py2の幅W2を、より広く形成することによって、光リーク電流が相対的に発生しやすい画素電極側LDD領域1c−1に対する遮光性を向上させつつ、第1部分Py1の幅W1を、より狭く形成することによって、開口率の無駄な低下を防止できる。つまり、光リーク電流が発生しやすい画素電極側LDD領域1c−1に対する遮光性のみを、いわばピンポイントで高めることで、開口率の無駄な低下を招くことなく、TFTにおける光リーク電流に起因して生じるフリッカ等の表示不良を効果的に低減できる。
TFT30a2に重なる蓄積容量70aは、第1部分Py1及び第2部分Py2と同様にX方向に沿って互いに幅が異なる第3部分Py3及び第4部分Py4を有している。第3部分Py3は、本発明に係る「第3遮光部」の一例であり、データ線側LDD領域1b−2を覆っている。第4部分Py4は、本発明に係る「第4遮光部」の一例であり、画素電極側LDD領域1c−2を覆っている。第3部分Py3は、第1部分Py1の幅W1と同じ幅を有するように形成されており、第4部分Py4は、第2部分Py2の幅W2と同じ幅を有するように形成されている。即ち、第4部分Py4におけるX方向に沿った幅は、第3部分Py3におけるX方向に沿った幅に比べて広くなっている。よって、第3部分Py3及び第4部分Py4は、データ線側LDD領域1b−2及び画素電極側1c−2を効果的に遮光している。但し、TFT30a2では、TFT30a1に比べて、データ線側LDD領域1b−2及び画素電極側LDD領域1c−2が第2チャネル領域1a−2を基準として逆の位置に形成されている。従って、TFT30a2に重なる蓄積容量70aでは、第1部分Py1及び第2部分Py2に夫々対応する第3部分Py3及び第4部分Py4の相対的な位置関係は、第1部分Py1及び第2部分Py2と逆になっている。
図4において、素子部130bは、b列のデータ線6aに電気的に接続された第2データ線側ソースドレイン領域1d−2、Y方向に沿って第2データ線側ソースドレイン領域1d−2の両側に位置する第3チャネル領域1a−3及び第4チャネル領域1a−4、第2データ線側ソースドレイン領域1d−2から見てY方向に沿って第3チャネル領域1a−3及び第4チャネル領域1a−4の各々の外側に位置しており、複数の画素電極9aのうち互いに異なる第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々に電気的に接続された第3画素電極側ソースドレイン領域1e−3及び第4画素電極側ソースドレイン領域1e−4、第3チャネル領域1a−3及び第2データ線側ソースドレイン領域1d−2間に形成された本発明の「第5接合領域」の一例であるデータ線側LDD領域1b−3、第3チャネル領域1a−3及び第3画素電極側ソースドレイン領域1e−3間に形成された本発明の「第6接合領域」の一例である画素電極側LDD領域1c−3、第4チャネル領域1a−4及び第2データ線側ソースドレイン領域1d−2間に形成された本発明の「第7接合領域」の一例であるデータ線側LDD領域1b−4、第4チャネル領域1a−4及び第4画素電極側ソースドレイン領域1e−4間に形成された本発明の「第8接合領域」の一例である画素電極側LDD領域1c−4を含む第2半導体層1A−2を有している。
素子部130bは、素子部130aと略同様の構成を有しており、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々が形成された画素に対応して画像信号を供給する一対のTFT30b1及び30b2を含んでいる。これら一対のTFT30b1及び30b2は、素子部130aにおけるTFT30a1及び30a2に対応するものであり、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々に電気的に接続された第3画素電極側ソースドレイン領域1e−3及び第4画素電極側ソースドレイン領域1e−4を介して、第3画素電極9a3及び9a4の各々に画像信号を供給する。尚、画像信号は、素子部130bが含む一対のTFT30b1及び30b2によって共用される第2データ線側ソースドレイン領域1d−2を介して各TFTに供給される。素子部130bによれば、第2データ線側ソースドレイン領域1d−2が一対のTFTによって共用されているため、画素のピッチを狭めることが可能である。但し、図4に示すように、素子部130bは、複数のデータ線6aのうちb列に対応するデータ線6aが形成された領域に形成されており、Y方向に沿って素子部130aに対して一画素分だけ図中上側にずらして配置されている。
素子部130bが有するTFT30b1に重なる蓄積容量70aも、第1部分Py1及び第2部分Py2と同様の機能を有する第5部分Py5及び第6部分Py6を有している。第5部分Py5は、本発明に係る「第5遮光部」の一例であり、データ線側LDD領域1b−3を覆っている。第6部分Py6は、本発明に係る「第6遮光部」の一例であり、画素電極側LDD領域1c−3を覆っている。より具体的には、第6部分Py6におけるX方向に沿った幅W6は、第5部分Py5における幅W5に比べて広くなっており、データ線側LDD領域1b−3に比べて、光リーク電流が発生し易い画素電極側LDD領域1c−3がピンポイントで確実に遮光されている。
加えて、TFT30b2に重なる蓄積容量70aは、第3部分Py3及び第4部分Py4と同様にX方向に沿って互いに幅が異なる第7部分Py7及び第8部分Py8を有している。第7部分Py7は、本発明に係る「第7遮光部」の一例を構成し、データ線側LDD領域1b−4を覆っている。第8部分Py8は、本発明に係る「第8遮光部」の一例であり、画素電極側LDD領域1c−4を覆っている。第7部分Py7は、第5部分Py5の幅W5と同じ幅を有するように形成されており、第8部分Py8は、第6部分Py6の幅W6と同じ幅を有するように形成されている。即ち、第8部分Py8におけるX方向に沿った幅は、第7部分Py7におけるX方向に沿った幅に比べて広くなっている。よって、第7部分Py7及び第8部分Py8は、データ線側LDD領域1b−4及び画素電極側1c−4を効果的に遮光している。但し、TFT30b2では、TFT30b1に比べて、データ線側LDD領域1b−4及び画素電極側LDD領域1c−4が第4チャネル領域1a−4を基準として逆の位置に形成されている。従って、TFT30b2に重なる蓄積容量70aでは、第5部分Py5及び第6部分Py6に夫々対応する第7部分Py7及び第8部分Py8の相対的な位置関係は、第5部分Py5及び第6部分Py6と逆になっている。
ここで、本実施形態に係る液晶装置では、上述したように、第1部分Py1、第2部分Py2、第3部分Py3、第4部分Py4、第5部分Py5、第6部分Py6、第7部分Py7及び第8部分Py8を備えているため、単に素子部130a及び130bをX方向に沿って同じ行に並べて配置しただけでは、X方向に沿って相隣接する画素の夫々において開口率に差が生じてしまう問題点がある。
この問題点について、図7に示す第1比較例を参照しながら、より詳細に説明する。
図7は、本実施形態の第1比較例における図4と同趣旨の平面図である。尚、図7では、図4に示した本実施形態に係る液晶装置と共通する部分に共通の参照符号を付している。
図7に示す第1比較例では、素子部130a及び素子部130bは、a列及びb列の各々において、図中X方向に沿って平面的に並列に配置されている。第2部分Py2及び第6部分Py6(或いは第4部分Py4及び第8部分Py8)の各々は、Y方向に沿って互いに隣接する2つの画素のうち一方の画素(即ち、Y方向に沿って互いに隣接する画素電極901及び902のうち画素電極901が形成された画素)の開口領域に向かって張り出している。第1部分Py1及び第5部分Py5(第3部分Py3及び第7部分Py7)の各々は、前述のY方向に沿って互いに隣接する2つの画素のうち他方の画素(即ち、Y方向に沿って互いに隣接する画素電極901及び902のうち画素電極902が形成された画素)の開口領域に向かって張り出している。従って、画素電極901が形成された画素の開口率は、画素電極902が形成された画素の開口率に比べて小さくなっている。素子部130a及び130bは、Y方向に沿って複数配列されているため、Y方向に沿ってa列及びb列間に位置する複数の画素の各々の開口率は、Y方向に沿って交互に異なる。加えて、他の列間においても、a列及びb列と同様にY方向に沿って相隣接する画素の各々において開口率に差が生じてしまう。
このように、TFTに生じる光リーク電流を低減するために設けられた第1部分Py1、第3部分Py3、第5部分Py5及び第7部分Py7と、第2部分Py2、第4部分Py4、第6部分Py6及び第8部分Py8との各々の幅の違いによって、相隣接する画素の一方の開口率が他の画素の開口率より小さくなり、第1部分Py1、第3部分Py3、第5部分Py5及び第7部分Py7と、第2部分Py2、第4部分Py4、第6部分Py6及び第8部分Py8との各々の幅に違いを持たせない場合に比べて、Y方向に沿って画像表示領域10a全体に表示むらが生じてしまい、液晶装置の表示性能をかえって低下させてしまうおそれがある。
そこで、図4に示すように、本実施形態に係る液晶装置では、素子部130a及び130bは、Y方向に沿って1画素分相互にずらして配置されている。このような配置によれば、第1部分Py1、第2部分Py2、第3部分Py3、第4部分Py4、第5部分Py5、第6部分Py6、第7部分Py7及び第8部分Py8の各々は、各部分が遮光すべきLDD領域に覆うようにY方向に沿って互いにずらして配置されていることになる。
より具体的には、Y方向に沿って相隣接する2つの画素のうち一方の画素に第2部分Py2及び第7部分Py7(或いは第4部分Py4及び第5部分Py5)が重なり、他方の画素に第1部分Py1及び第8部分Py8(或いは第3部分Py3及び第6部分Py6)が重なる。従って、画像表示領域10aを構成する複数の画素の開口率を同じに揃えることが可能である。
加えて、本実施形態に係る液晶装置は、光リーク電流が発生し易いLDD領域をピンポイントで遮光する第2部分Py2、第4部分Py4、第6部分Py6及び第8部分Py8を有しているため、画素スイッチング用TFTに発生する光リーク電流は、第2部分Py2、第4部分Py4、第6部分Py6及び第8部分Py8を設けない場合に比べて低減されている。更に、本実施形態に係る液晶装置では、第2部分Py2、第4部分Py4、第6部分Py6及び第8部分Py8の幅に比べて、第1部分Py1、第3部分Py3、第5部分Py5及び第7部分Py7の幅を狭めているため、画素の開口率が極力低下されない構成となっている。
次に、本実施形態に係る液晶装置の画素の開口領域について、図8及び図9を参照して説明する。
図8は、本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域の一部を図式的に示した平面図であり、図9は、図7に示した第1比較例に係る液晶装置の画像表示領域の一部を図式的に示した平面図である。
図8において、本実施形態に係る液晶装置では、画像表示領域10aは、液晶の駆動に応じて光が実質的に透過可能な開口領域210(即ち、開口領域210a、210b、210c及び210d)及び光が透過しない非開口領域211から構成されている。開口領域210及び非開口領域211は、複数の素子部130a及び130b、並びに各種配線等によって規定されている。本実施形態に係る液晶装置では、既に図4から図6を参照しして説明したように、各画素における開口領域210のサイズは、画像表示領域10a内で一様に揃っている。より具体的には、第1画素電極9a1、第2画素電極9a2、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々が形成された画素の開口領域210a、210b、210c及び210dのサイズは互いに等しい。
尚、第1画素電極9a1、第2画素電極9a2、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4はそれぞれ、図4を参照して上述したように、第1画素電極側ソースドレイン領域1c−1、第2画素電極側ソースドレイン領域1c−2、第3画素電極側ソースドレイン領域1c−3及び第4画素電極側ソースドレイン領域1c−4に電気的に接続された画素電極9aである。また、第1画素電極9a1、第2画素電極9a2、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の位置関係については後に詳細に説明する。
他方、図9に示すように、本実施形態の第1比較例では、素子部130a及び130bがX方向に沿って同一行に並んで配置されているため、画素電極側LDD領域を遮光する第2部分Py2及び第6部分Py6(或いは第4部分Py4及び第8部分Py8)が画素電極901及び903に重なる面積は、データ線側ソースドレイン領域を遮光する第1部分Py1及び第5部分Py5(第3部分Py3及び第7部分Py7)が、画素電極902及び904に重なる面積より大きくなる(図7参照)。従って、各画素の開口領域210は相隣接する行において相互に異なる。より具体的には、画素電極901及び903の各々が形成された画素の開口領域210a´及び210c´の面積と、画素電極902及び904の各々が形成された画素の開口領域210b´及び210d´の面積とが相互に異なることになり、画像表示領域10aにおける表示むら等の表示不良を発生させてしまう。
そこで、本実施形態に係る液晶装置によれば、図8に示したように、各開口領域210の面積を相互に等しく揃えることができるため、各画素における開口率を等しくすることができる。従って、本実施形態に係る液晶装置によれば、表示むら等の表示不良が生じない高品位の画像表示が可能になる。
次に、本実施形態に係る液晶装置の素子部に電気的に接続される画素電極の位置関係について、図4に加えて図10及び図11を参照して説明する。
図10は、本実施形態に係る液晶装置の素子部に電気的に接続される画素電極の位置関係を示す模式図であり、図11は、本実施形態に係る液晶装置におけるデータ線と画素電極間に生じる寄生容量の分布を示す電気的な模式図である。尚、図11では、図10に示す部分の電気的な構成を示している。
図4及び図10において、本実施形態では特に、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2は、複数の画素のうち蓄積容量70aの第1部分Py1及び第3部分Py3が形成されX方向に沿って相隣接する画素にそれぞれ配置されている。尚、図10において、各矢印は、各画素電極側ソースドレイン領域1e−1、1e−2、1e−3及び1e−4がそれぞれ、画素電極9a1、9a2、9a3及び9a4の各々に電気的に接続されていることを示している。この点については、後述する図12、図14及び図16の各図において同様である。
即ち、素子部130aに電気的に接続される第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2は、マトリクス状に配列された複数の画素電極9aのうち、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、当該素子部130aのデータ線側LDD領域1b−1及び1b−2をそれぞれ覆う第1部分Py1及び第3部分Py3にそれぞれ重なると共にX方向に沿って相隣接する画素電極9aとして設けられている。言い換えれば、素子部130aの第1画素電極側ソースドレイン領域1e−1及び第2画素電極側ソースドレイン領域1e−2は、マトリクス状に配列された複数の画素電極9aのうち、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、当該素子部130aのデータ線側LDD領域1b−1及び1b−2をそれぞれ覆う第1部分Py1及び第3部分Py3に重なる、X方向に沿って相隣接する2つの画素電極9aのいずれかにそれぞれ電気的に接続されている。つまり、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2の各々は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、いずれも第1部分Py1及び第3部分Py3に部分的に重なると共に、第2部分Py2及び第4部分Py4に重ならないように設けられている(より詳細には、この場合、更に、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2の各々は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、いずれも第6部分Py6及び第8部分Py8に部分的に重なると共に、第5部分Py5及び第7部分Py7に重ならない)。即ち、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2の各々が配置される画素は、複数の画素のうち、当該第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2が電気的に接続される素子部130aのデータ線側LDD領域1b−1及び1b−2をそれぞれ覆う第1部分Py1及び第3部分Py3に重なる画素に統一されている。
よって、第1画素電極9a1が設けられた画素における表示特性と第2画素電極9a2が設けられた画素における表示特性とを互いに殆ど同一にすることができる。
より具体的には、図10において、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2の各々は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、いずれも第1部分Py1及び第3部分Py3に部分的に重なると共に、第2部分Py2或いは第4部分Py4に重ならない(より詳細には、この場合、更に、第6部分Py6及び第8部分Py8に部分的に重なると共に、第5部分Py5及び第7部分Py7に重ならない)ので、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2の各々と遮光部として機能する蓄積容量70aの各部分Py1、・・・、Py8とが互いに重なる部分の大きさを、互いに殆ど同じにすることができる。
従って、図11において、素子部130aに電気的に接続されたデータ線6a1と第1画素電極9a1との間の寄生容量Ca11と、該データ線6a1と第2画素電極9a2との間の寄生容量Ca21との差を殆ど無くすことができる。更に、素子部130aに電気的に接続されたデータ線6a1に相隣接するデータ線6a2(言い換えれば、素子部130bに電気的に接続されたデータ線6a2)と第1画素電極9a1との間の寄生容量Ca12と、該データ線6a2と第2画素電極9a2との間の寄生容量Ca22との差を殆ど無くすことができる。これにより、第1画素電極9a1における電位保持特性と第2画素電極9a2における電位保持特性とを互いに殆ど同じにすることができる。この結果、第1画素電極9a1が設けられた画素における表示特性と第2画素電極9a2が設けられた画素における表示特性とを互いに殆ど同一にすることができる。
更に、図4及び図10において、本実施形態では特に、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4は、複数の画素のうち蓄積容量70aの第5部分Py5及び第7部分Py7が形成されX方向に沿って相隣接する画素にそれぞれ配置されている。
即ち、素子部130bに電気的に接続される第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4は、マトリクス状に配列された複数の画素電極9aのうち、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、当該素子部130bのデータ線側LDD領域1b−3及び1b−4をそれぞれ覆う第5部分Py5及び第7部分Py7にそれぞれ重なると共にX方向に沿って相隣接する画素電極9aとして設けられている。つまり、上述した第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2と第1部分Py1、第2部分Py2、第3部分Py3及び第4部分Py4との間の配置関係と同様に、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、いずれも第5部分Py5及び第7部分Py7に部分的に重なると共に、第6部分Py6及び第8部分Py8に重ならないように設けられている(より詳細には、この場合、更に、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、いずれも第2部分Py2及び第4部分Py4に部分的に重なると共に、第1部分Py1及び第3部分Py3に重ならない)。即ち、第3画素電極9a3及び第3画素電極9a3の各々が配置される画素は、複数の画素のうち、当該第3画素電極9a3及び第3画素電極9a3が電気的に接続される素子部130bのデータ線側LDD領域1b−3及び1b−4をそれぞれ覆う第5部分Py5及び第7部分Py7に重なる画素に統一されている。
よって、第3画素電極9a3が設けられた画素における表示特性と第4画素電極9a4が設けられた画素における表示特性とを互いに殆ど同一にすることができる。
より具体的には、図10において、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、いずれも第5部分Py5及び第7部分Py7に部分的に重なると共に、第6部分Py6或いは第8部分Py8に重ならない(より詳細には、この場合、更に、第2部分Py2及び第4部分Py4に部分的に重なると共に、第1部分Py1及び第3部分Py3に重ならない)ので、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々と遮光部として機能する蓄積容量70aの各部分Py1、・・・、Py8とが互いに重なる部分の大きさを、互いに殆ど同じにすることができる。
従って、図11において、素子部130bに電気的に接続されたデータ線6a2と第3画素電極9a3との間の寄生容量Ca31と、該データ線6a2と第4画素電極9a4との間の寄生容量Ca41との差を殆ど無くすことができる。更に、素子部130bに電気的に接続されたデータ線6a2に相隣接するデータ線6a1(言い換えれば、素子部130aに電気的に接続されたデータ線6a1)と第3画素電極9a3との間の寄生容量Ca32と、該データ線6a1と第4画素電極9a4との間の寄生容量Ca42との差を殆ど無くすことができる。これにより、第3画素電極9a3における電位保持特性と第4画素電極9a4における電位保持特性とを互いに殆ど同じにすることができる。この結果、第3画素電極9a3が設けられた画素における表示特性と第4画素電極9a4が設けられた画素における表示特性とを互いに殆ど同一にすることができる。
加えて、本実施形態では、第1部分Py1、第3部分Py3、第5部分Py5及び第7部分Py7の各々の形状は互いに同じになるように形成され、第2部分Py2、第4部分Py4、第6部分Py6及び第8部分Py8の各々の形状は互いに同じになるように形成されている。よって、第1画素電極9a1、第2画素電極9a2、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4がそれぞれ設けられた各画素における表示特性を、より一層確実に、互いに殆ど同一にすることができる。即ち、画像表示領域10aを構成する各画素における表示特性を殆ど均一にすることができる。この結果、画像表示領域10aに表示される表示画像の品質を向上させることが可能となる。
図12は、本実施形態の第2比較例における図10と同趣旨の模式図であり、図13は、本実施形態の第2比較例における図11と同趣旨の模式図である。
図12に第2比較例として示すように、仮に、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2が、Y方向に沿って相隣接する画素電極9aとして設けられた場合には、即ち、例えば、第1画素電極9a1が第1部分Py1及び第3部分Py3に部分的に重なる(より詳細には、更に、第6部分Py6及び第8部分Py8に部分的に重なると共に第2部分Py2、第4部分Py4、第5部分Py5及び第7部分Py7に重ならない)画素電極9aとして設けられ、第2画素電極9a2が第2部分Py2及び第4部分Py4に部分的に重なる(より詳細には、更に、第5部分Py5及び第7部分Py7に部分的に重なると共に第1部分Py1、第3部分Py3、第6部分Py6及び第8部分Py8に重ならない)画素電極9aとして設けられた場合には、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2の各々と各部分Py1、・・・、Py8とが互いに重なる部分の大きさが互いに異なってしまう。
よって、図13において、素子部130a(即ち、TFT30a1及び30a2)に電気的に接続されたデータ線6a1と第1画素電極9a1との間の寄生容量Ca11と、該データ線6a1と第2画素電極9a2との間の寄生容量Ca21とが互いに異なってしまう。より具体的には、第1画素電極9a1と第1部分Py1及び第3部分Py3とが互いに重なる部分の大きさよりも第2画素電極9a2と第2部分Py2及び第4部分Py4とが互いに重なる部分の大きさが小さいことに起因して、データ線6a1と第1画素電極9a1との間の寄生容量Ca11は、データ線6a1と第2画素電極9a2との間の寄生容量Ca21よりも小さな容量値を有している。更に、この場合、素子部130aに電気的に接続されたデータ線6a1に相隣接するデータ線6a2(言い換えれば、素子部130bに電気的に接続されたデータ線6a2)と第1画素電極9a1との間の寄生容量Ca12と、該データ線6a2と第2画素電極9a2との間の寄生容量Ca22とが互いに異なってしまう。より具体的には、第1画素電極9a1と第6部分Py6及び第8部分Py8とが互いに重なる部分の大きさよりも第2画素電極9a2と第5部分Py5及び第7部分Py7とが互いに重なる部分の大きさが大きいことに起因して、データ線6a2と第1画素電極9a1との間の寄生容量Ca12は、データ線6a2と第2画素電極9a2との間の寄生容量Ca22よりも大きな容量値を有している。このため、第1画素電極9a1における電位保持特性と第2画素電極9a2における電位保持特性とが互いに異なってしまうおそれがある。従って、第1画素電極9a1が設けられた画素における表示特性と第2画素電極9a2が設けられた画素における表示特性とが互いに異なってしまうおそれがある。
加えて、図12に示す第2比較例では、上述したように、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2の各々と各部分Py1、・・・、Py8とが互いに重なる部分の大きさが互いに異なってしまうのと同様に、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々と各部分Py1、・・・、Py8とが互いに重なる部分の大きさが互いに異なってしまう。このため、第3画素電極9a3が設けられた画素における表示特性と第4画素電極9a4が設けられた画素における表示特性とが互いに異なってしまうおそれがある。
しかるに本実施形態では特に、上述したように、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2は、複数の画素のうち蓄積容量70aの第1部分Py1及び第3部分Py3が形成されX方向に沿って相隣接する画素にそれぞれ配置されており、更に、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4は、複数の画素のうち蓄積容量70aの第5部分Py5及び第7部分Py7が形成されX方向に沿って相隣接する画素にそれぞれ配置されている。即ち、第1画素電極9a1、第2画素電極9a2、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々が配置される画素は、複数の画素のうち、当該画素電極9a(即ち、第1画素電極9a1、第2画素電極9a2、第3画素電極9a3又は第4画素電極9a4)が電気的に接続されるTFT30(即ち、TFT30a1、30a2、30b1又は30b2)のデータ線側LDD領域1b(即ち、データ線側LDD領域1b−1、1b−2、1b−3又は1b−4)を覆う遮光部として機能する部分Py(即ち第1部分Py1、・・・、第7部分又は第8部分Py8)に重なる画素に統一されている。よって、第1画素電極9a1、第2画素電極9a2、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4がそれぞれ設けられた各画素における表示特性を、より一層確実に、互いに殆ど同一にすることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る液晶装置によれば、開口率の無駄な低下を招くことなく、光リーク電流の発生に起因して生じるフリッカ等の表示不良を低減できると共に、各画素の開口率の相違に起因する表示不良も低減することが可能である。更に、各画素における表示特性を互いに同一にすることが可能である。これらの結果、本実施形態に係る液晶装置によれば、高品質な画像表示が可能となる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る液晶装置について、図14及び図15を参照して説明する。
図14は、第2実施形態における図10と同趣旨の模式図であり、図15は、第2実施形態における図11と同趣旨の模式図である。尚、図15では、図14に示す部分の電気的な構成を示している。図14及び図15において、図1から図11に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
図14において、第2実施形態に係る液晶装置は、上述した第1実施形態に係る液晶装置と比較して、第1画素電極9a1、第2画素電極9a2、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の配置が異なり、その他の点については、上述した第1実施形態に係る液晶装置と概ね同様に構成されている。
図14において、本実施形態では特に、第1画素電極9a1は、複数の画素のうち蓄積容量70aの第2部分Py2(より詳細には、当該第1画素電極9a1が電気的に接続される素子部130aの画素電極側LDD領域1c−1を覆う第2部分Py2)が形成されX方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置され、第2画素電極9a2は、複数の画素のうち蓄積容量70aの第4部分Py4(より詳細には、当該第2画素電極9a2が電気的に接続される素子部130aの画素電極側LDD領域1c−2を覆う第4部分Py4)が形成されX方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置されている。更に、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2は、当該第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2が電気的に接続される素子部130aに対して同じ側(即ち、図中、素子部130aに対して右側又は左側)に配置されている。
即ち、素子部130aに電気的に接続される第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2は、マトリクス状に配列された複数の画素電極9aのうち、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、当該素子部130aの画素電極側LDD領域1c−1及び1c−2をそれぞれ覆う第2部分Py2及び第4部分Py4にそれぞれ重なる画素電極9aとして設けられている。言い換えれば、素子部130aの第1画素電極側ソースドレイン領域1e−1及び第2画素電極側ソースドレイン領域1e−2は、マトリクス状に配列された複数の画素電極9aのうち、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、当該素子部130aのデータ線側LDD領域1b−1及び1b−2をそれぞれ覆う第1部分Py1及び第3部分Py3よりもX方向の幅が広い第2部分Py2及び第4部分Py4に重なる画素電極9aにそれぞれ電気的に接続されている。つまり、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2の各々は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、いずれも第2部分Py2又は第4部分Py4に部分的に重なると共に、第1部分Py1及び第3部分Py3に重ならないように設けられている。即ち、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2の各々が配置される画素は、複数の画素のうち、当該第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2が電気的に接続される素子部130aの画素電極側LDD領域1c−1及び1c−2をそれぞれ覆う第2部分Py2及び第4部分Py4に重なる画素に統一されている。
よって、第1画素電極9a1が設けられた画素における表示特性と第2画素電極9a2が設けられた画素における表示特性とを互いに殆ど同一にすることができる。
従って、図15において、素子部130aに電気的に接続されたデータ線6a1と第1画素電極9a1との間の寄生容量Ca11と、該データ線6a1と第2画素電極9a2との間の寄生容量Ca21との差を殆ど無くすことができる。更に、素子部130aに電気的に接続されたデータ線6a1に相隣接するデータ線6a2(言い換えれば、素子部130bに電気的に接続されたデータ線6a2)と第1画素電極9a1との間の寄生容量Ca12と、該データ線6a2と第2画素電極9a2との間の寄生容量Ca22との差を殆ど無くすことができる。これにより、第1画素電極9a1における電位保持特性と第2画素電極9a2における電位保持特性とを互いに殆ど同じにすることができる。
更に、図14において、本実施形態では特に、第3画素電極9a3は、複数の画素のうち蓄積容量70aの第6部分Py6(より詳細には、当該第3画素電極9a3が電気的に接続される素子部130bの画素電極側LDD領域1c−3を覆う第6部分Py6)が形成されX方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置され、第4画素電極9a4は、複数の画素のうち蓄積容量70aの第8部分Py8(より詳細には、当該第4画素電極9a4が電気的に接続される素子部130bの画素電極側LDD領域1c−4を覆う第6部分Py6)が形成されX方向に沿って相隣接する画素のいずれかに配置されている。更に、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4は、当該第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4が電気的に接続される素子部130bに対して同じ側(即ち、図中、素子部130bに対して右側又は左側)に配置されている。
即ち、素子部130bに電気的に接続される第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4は、マトリクス状に配列された複数の画素電極9aのうち、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、当該素子部130bの画素電極側LDD領域1c−3及び1c−3をそれぞれ覆う第6部分Py6及び第8部分Py8にそれぞれ重なる画素電極9aとして設けられている。言い換えれば、素子部130bの第3画素電極側ソースドレイン領域1e−3及び第4画素電極側ソースドレイン領域1e−4は、マトリクス状に配列された複数の画素電極9aのうち、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、当該素子部130bのデータ線側LDD領域1b−3及び1b−4をそれぞれ覆う第5部分Py5及び第7部分Py7よりもX方向の幅が広い第6部分Py6及び第8部分Py8に重なる画素電極9aにそれぞれ電気的に接続されている。つまり、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々は、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、いずれも第6部分Py6又は第8部分Py8に部分的に重なると共に、第5部分Py5及び第7部分Py7に重ならないように設けられている。即ち、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々が配置される画素は、複数の画素のうち、当該第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4が電気的に接続される素子部130bの画素電極側LDD領域1c−3及び1c−4をそれぞれ覆う第6部分Py6及び第8部分Py8に重なる画素に統一されている。
よって、第3画素電極9a3が設けられた画素における表示特性と第4画素電極9a4が設けられた画素における表示特性とを互いに殆ど同一にすることができる。
従って、図15において、素子部130bに電気的に接続されたデータ線6a2と第3画素電極9a3との間の寄生容量Ca31と、該データ線6a2と第4画素電極9a4との間の寄生容量Ca41との差を殆ど無くすことができる。更に、素子部130bに電気的に接続されたデータ線6a2に相隣接するデータ線6a1(言い換えれば、素子部130aに電気的に接続されたデータ線6a1)と第3画素電極9a3との間の寄生容量Ca32と、該データ線6a1と第4画素電極9a4との間の寄生容量Ca42との差を殆ど無くすことができる。これにより、第3画素電極9a3における電位保持特性と第4画素電極9a4における電位保持特性とを互いに殆ど同じにすることができる。
加えて、本実施形態に係る液晶装置では、上述した第1実施形態に係る液晶装置と同様に、第1部分Py1、第3部分Py3、第5部分Py5及び第7部分Py7の各々の形状は互いに同じになるように形成され、第2部分Py2、第4部分Py4、第6部分Py6及び第8部分Py8の各々の形状は互いに同じになるように形成されている。よって、第1画素電極9a1、第2画素電極9a2、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4がそれぞれ設けられた各画素における表示特性を、より一層確実に、互いに殆ど同一にすることができる。
尚、本実施形態では、上述したように、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2は、当該第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2が電気的に接続される素子部130aに対して同じ側(即ち、図中、素子部130aに対して右側又は左側)に配置され、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4は、当該第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4が電気的に接続される素子部130bに対して同じ側(即ち、図中、素子部130bに対して右側又は左側)に配置されるように構成したが、図16及び図17に示す変形例のように構成してもよい。ここに図16は、本実施形態の変形例における図10と同趣旨の模式図であり、図17は、本実施形態の変形例における図11と同趣旨の模式図である。図17は、図16に示す部分の電気的な構成を示している。
即ち、図16に変形例として示すように、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2は、当該第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2が電気的に接続される素子部130aに対して互いに異なる側に配置され(即ち、図中、第1画素電極9a1は、当該第1画素電極9a1が電気的に接続される素子部130aに対して右側に配置され、第2画素電極9a2は、当該第2画素電極9a2が電気的に接続される素子部130aに対して左側に配置され)、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4は、当該第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4が電気的に接続される素子部130bに対して互いに異なる側に配置される(図中、第3画素電極9a3は、当該第3画素電極9a3が電気的に接続される素子部130bに対して右側に配置され、第4画素電極9a4は、当該第4画素電極9a4が電気的に接続される素子部130bに対して左側に配置される)ように構成してもよい。
この場合にも、第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2の各々が配置される画素は、複数の画素のうち、当該第1画素電極9a1及び第2画素電極9a2が電気的に接続される素子部130aの画素電極側LDD領域1c−1及び1c−2をそれぞれ覆う第2部分Py2及び第4部分Py4に重なる画素に統一されていると共に、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4の各々が配置される画素は、複数の画素のうち、当該第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4が電気的に接続される素子部130bの画素電極側LDD領域1c−3及び1c−4をそれぞれ覆う第6部分Py6及び第8部分Py8に重なる画素に統一されている。
よって、図17において、素子部130aに電気的に接続されたデータ線6a1と第1画素電極9a1との間の寄生容量Ca11と、該データ線6a1と第2画素電極9a2との間の寄生容量Ca21との差を殆ど無くすことができる。更に、素子部130aに電気的に接続されたデータ線6a1に相隣接するデータ線6a2(言い換えれば、素子部130bに電気的に接続されたデータ線6a2)と第1画素電極9a1との間の寄生容量Ca12と、該データ線6a2と第2画素電極9a2との間の寄生容量Ca22との差を殆ど無くすことができる。これにより、第1画素電極9a1における電位保持特性と第2画素電極9a2における電位保持特性とを互いに殆ど同じにすることができる。更に、素子部130bに電気的に接続されたデータ線6a2と第3画素電極9a3との間の寄生容量Ca31と、該データ線6a2と第4画素電極9a4との間の寄生容量Ca41との差を殆ど無くすことができる。更に、素子部130bに電気的に接続されたデータ線6a2に相隣接するデータ線6a1(言い換えれば、素子部130aに電気的に接続されたデータ線6a1)と第3画素電極9a3との間の寄生容量Ca32と、該データ線6a1と第4画素電極9a4との間の寄生容量Ca42との差を殆ど無くすことができる。これにより、第3画素電極9a3における電位保持特性と第4画素電極9a4における電位保持特性とを互いに殆ど同じにすることができる。
よって、上述した第2実施形態に係る液晶装置と同様に、第1画素電極9a1、第2画素電極9a2、第3画素電極9a3及び第4画素電極9a4がそれぞれ設けられた各画素における表示特性を互いに殆ど同一にすることができる。
<電子機器>
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について図18を参照して説明する。ここに図18は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。以下では、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。
図18に示されるように、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。従って、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110B及び1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
尚、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
尚、図18を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
また本発明は、上述の実施形態で説明した液晶装置以外にも、シリコン基板上に素子を形成する反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、電気泳動装置等にも適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置用基板、及び該電気光学装置用基板を備えてなる電気光学装置、並びに該電気光学装置を備えた電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
3a…走査線、6a、6a1、6a2…データ線、9a、9a1、9a2、9a3、9a4…画素電極、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、20…対向基板、21…対向電極、50…液晶層、70a…蓄積容量、101…データ線駆動回路、102…外部回路接続端子、104…走査線駆動回路、130a、130b…素子部、Py1…第1部分、Py2…第2部分、Py3…第3部分、Py4…第4部分、Py5…第5部分、Py6…第6部分、Py7…第7部分、Py8…第8部分