JP4253824B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの吸気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平4−301173号公報には、エンジンの側方にサージタンクを配設し、このサージタンクからエンジンの吸気ポートに独立吸気通路を延設し、サージタンクの上方にエアクリーナを有するエアクリーナハウジングを配設したものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では安価に構成できるものの、エアクリーナハウジングの位置が高くなるためボンネットが高くなってしまう。また、エアクリーナハウジングがエンジンの側方に配設されているため、エンジンからの放射音が大きくなってしまう。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、ボンネットを低下させ、エンジンからの放射音を低減できるエンジンの吸気装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明のエンジンの吸気装置は、以下の構成を備える。即ち、
エンジンの車体前方側にサージタンクを配設し、該サージタンクからエンジンの吸気ポートに独立吸気通路を延設し、該独立吸気通路の上方にエアクリーナハウジングを配設し、前記エアクリーナハウジングをエンジン上方で車体前方から後方に延設させ、前記エアクリーナハウジングの後方部から前記サージタンクに連通する共通吸気通路を形成しているとともに、前記エアクリーナハウジングは、前記エンジンの上方に配置される第1ハウジングと、前記サージタンクの上方に配置される第2ハウジングとが分割可能に形成され、前記第2ハウジングにはフレッシュエアダクトが形成され、前記第1ハウジングには前記サージタンクに連通する前記共通吸気通路が形成されており、前記第2ハウジングの吸気出口部分よりも前記第1ハウジングの吸気流入部分が上方に位置するように、前記第2ハウジングの吸気出口部分と前記第1ハウジングの吸気流入部分とが接続され、前記第2ハウジングの吸気出口部分と前記第1ハウジングの吸気流入部分との接続部分にエアクリーナエレメントが横たわって配置されており、前記第1ハウジングは、前記エアクリーナエレメントを保持する第1位置と、該エアクリーナエレメントを交換する第2位置とに移動可能である。
【0006】
また、好ましくは、前記独立吸気通路と前記第2ハウジングとを一体に形成した。
【0010】
また、好ましくは、前記共通吸気通路には、エアフローメータが配設されている。
【0011】
また、好ましくは、前記第1ハウジング内に、エンジン制御用コンピュータが配設されている。
【0013】
【発明の効果】
以上説明のように、請求項1の発明によれば、エアクリーナハウジングをエンジン上方で車体前方から後方に延設させ、エアークリーナハウジングの後方部からサージタンクに連通する共通吸気通路を形成したことにより、ボンネットを低下させ、エンジンからの放射音を低減できる。
また、エアクリーナハウジングは、エンジンの上方に配置される第1ハウジングと、サージタンクの上方に配置される第2ハウジングとが分割可能に形成されたことにより、エアクリーナエレメントの交換が容易にできる。
また、第2ハウジングにはフレッシュエアダクトが形成され、第1ハウジングにはサージタンクに連通する共通吸気通路が形成されていることにより、共通吸気通路を長くでき、エアフローセンサ等のレイアウト自由度が高められる。
また、第1ハウジングは、エアクリーナエレメントを保持する第1位置と、該エアクリーナエレメントを交換する第2位置とに移動可能であることにより、エアクリーナエレメントの交換が容易にできる。
【0014】
請求項2の発明によれば、独立吸気通路と第2ハウジングとを一体に形成したことにより、ボンネットを低下させることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、共通吸気通路は、第1ハウジングの下流側端部の側面からサージタンクに延設されていることにより、共通吸気通路を長くでき、エアフローメータ等のレイアウト自由度が高められる。
【0018】
請求項4の発明によれば、共通吸気通路には、エアフローメータが配設されていることにより、エアフローメータの誤検出を防止できる。
【0019】
請求項5の発明によれば、第1ハウジング内に、エンジン制御用コンピュータが配設されていることにより、冷却効率が向上できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態につき、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に基づく実施形態のエンジンの吸気装置の斜視図である。図2は、図1の平面図である。図3は、図1の正面図である。図4は、図1の右側面図である。
【0023】
図1乃至図4に示すように、本実施形態のエンジンの吸気装置は、例えば直列4気筒のエンジン1に搭載され、エンジン1は自動車のエンジンルーム内において横置きに配置され、エンジン1の下部にはオイルパン3が取り付けられている。
【0024】
エンジン1のシリンダヘッド2の上方には、車体フロントF側から車体リヤR側に延設された第1モジュール10が配設され、この第1モジュール10の下方であってエンジン1の車体フロントF側の側方には第2モジュール30が配設されている。このように、第1、第2エアクリーナハウジングをエンジン1上において、車体フロントF側から車体リヤR側に延設したことにより、エンジンからの放射音を低減できる。
【0025】
第1モジュール10は、車体リヤR側から車体フロントF側に順に第1エアクリーナハウジング11と、第2エアクリーナハウジング12と、フレッシュエアダクト13とを備え、第1エアクリーナハウジング11と第2エアクリーナハウジング12とは分割可能となっている。フレッシュエアダクト13は、第2エアクリーナハウジング12の側端部から車体フロントF方向に延設されている。
【0026】
第1エアクリーナハウジング11と第2エアクリーナハウジング12との間にはエアクリーナエレメント17が配置され、第1エアクリーナハウジング11は、エアクリーナエレメント17を保持する第1位置としての閉位置と、エアクリーナエレメント17を交換するための第2位置としての開位置とに移動可能となっている。また、第1エアクリーナハウジング11と第2エアクリーナハウジング12とは、板バネ等の固定部材16により閉位置に保持されている。
【0027】
このように、エアクリーナエレメント17の交換が容易になる。
【0028】
第1エアクリーナハウジング11のは、エンジン1のシリンダヘッドカバー2にボルト11aにより固定され、容易に取り外しできるようになっている。
【0029】
第2エアクリーナハウジング12の下方であって、エンジン1の車体フロントF側にはエンジン1の各気筒に連通する下流側独立吸気通路20が一体的に形成されている。
【0030】
下流側独立吸気通路20は、第2エアクリーナハウジング12と壁面12bを共有するように一体化された樹脂製の第1吸気通路20a〜20dと、これら第1吸気通路20a〜20dの下流に接続されたアルミニウム合金鋳物等の金属製の第2吸気通路21a〜21dと、これら第2吸気通路21a〜21dの下流に接続され、エンジン1の各気筒の吸気ポート1a〜1dに連通されたアルミニウム合金鋳物等の金属製の第3吸気通路22a〜22dとから形成されている。
【0031】
このように、第2エアクリーナハウジング12の下方に下流側独立吸気通路20を一体的に形成したことにより、ボンネットラインLを低下することができる。
【0032】
第2モジュール30は、エンジン1の車体フロントF側の側方に配設されたサージタンク31と、このサージタンク31と一体的に形成された上流側独立吸気通路32a〜32dとを備える。上流側独立吸気通路32a〜32dは、円筒状のサージタンク31の周囲を渦巻状に取り巻くように、サージタンク31と壁面31aを共有して一体的に形成され、サージタンク31の中央部からエンジン側方を通って環状に第1吸気通路20a〜20dまで延設されている。そして、上流側独立吸気通路32a〜32dの下流端と第1吸気通路20a〜20dの上流端とが接続されている。
【0033】
また、第1モジュール10と第2モジュール30との間に空間部7を形成している。空間部7には、第3吸気通路22a〜22dの上方に燃料系統部品としてのインジェクタ8a〜8dが配設されている。尚、直噴エンジンの場合には、第3吸気通路22a〜22dの下方に燃料系統部品としてのインジェクタ8a’〜8d’が配設される。その他、燃料分配管等も配置されている。
【0034】
このように、第1吸気通路20a〜20dと上流側吸気通路32a〜32dとを組付けて構成することにより、サージタンク31の容量をコンパクトに保持したままで独立吸気通路20を長くでき、中低速領域でのトルクを高めることができる。
【0035】
また、空間部7を設け、第2吸気通路21a〜21dをアルミニウム合金鋳物等の硬質部材で構成したことにより、例えば前突時にインジェクタや燃料分配管等を保護できる。
【0036】
第1エアクリーナハウジング11とサージタンク31とは、第1エアクリーナハウジング11の車体リヤR側の側端部からサージタンク31に延びる共通吸気通路14により連通されている。共通吸気通路14は、第1エアクリーナハウジング11から延びる上流側共通吸気通路14aと、この上流側共通吸気通路14aの下流端にスロットルボディ19を介して接続される下流側共通吸気通路14bとを有する。第1エアクリーナハウジング11の車体リヤR側の他端部には、エンジンオイルを供給するためのキャップ6が配置されている。また、エンジン1の車体フロントF側であって、第2エアクリーナハウジング12の下方で独立吸気通路20に対して共通吸気通路14とは反対の側方には、オルタネータ等の補機類5が配設されている。更に、エンジン1の車体フロントF側であって、上流側吸気通路32a〜32dの下方でオイルパン3の側方には、オイルフィルタエレメント4が配設されている。
【0037】
第1エアクリーナハウジング11から延設された上流側共通吸気通路14aは、エアクリーナエレメント17の交換時に第1エアクリーナハウジング11が閉位置P1から開位置P2へ移動可能なようにそれ自体が回転及び伸縮を許容できる弾性を有する。尚、この上流側共通吸気通路14aの一部を蛇腹状にして回転及び伸縮を許容できるように構成してもよい。
【0038】
上記構成によれば、共通吸気通路14を長くできるので、エアーフローメータ15のレイアウト自由度が高くなり、共通吸気通路内の共鳴やスロットルバルブからの吹き返し等による悪影響を受けない位置にエアフローメータ15を配置できて、誤検出を防止できる。
【0039】
スロットルバルブボディ19において、スロットルバルブを駆動するスロットルリンク19aは車体リヤR側に配設され、車両前突時等に車体構成部品の変形によりスロットルバルブが開弁されないようになっている。
【0040】
上流側共通吸気通路14aには、吸気量を検出するためのエアフローメータ15が配設されている。
【0041】
また、第1エアクリーナハウジング11内には、インジェクタ8a〜8dによる燃料噴射時期やスロットルバルブ開度等を所定のエンジン制御プログラムに従って制御するエンジン制御用ECU40が配設されている。エンジン制御用ECU40は、エンジン制御プログラムを実行するCPU、エンジン制御プログラムを記憶するROM、エンジン制御プログラムや各種データを一時的に格納するRAM等を備える。このように、第1エアクリーナハウジング11内にエンジン制御用ECU40を配置したことにより、水の侵入が困難な位置にエンジン制御用ECU40を配置できると共に、吸気により冷却効率が上昇するのでエンジン制御用ECU40をエンジンルーム内に配置することができ、ハーネス等が不要となって組付け時の構成が簡単になる。
【0042】
フレッシュエアダクト13から吸入された空気は、ダーティサイドである第2エアクリーナハウジング12からエアクリーナエレメント17で濾過されてクリーンサイドである第1エアクリーナハウジング11に吸入され、共通吸気通路14からスロットルバルブにより流量が制御されながらサージタンク31に吸入され、サージタンク31から各独立吸気通路20に分配されてエンジン1の各気筒の燃焼タイミングに応じて吸気ポート1a〜1dから燃焼室内に吸入される。
【0043】
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0044】
本発明は、直列、V型、水平対向等あらゆるエンジン形式に適用でき、気筒数も4気筒以外に、3、5、6、8気筒やそれ以上の気筒数にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく実施形態のエンジンの吸気装置の斜視図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 図1の正面図である。
【図4】 図1の右側面図である。
【符号の説明】
1…エンジン
2…シリンダヘッドカバー
10…第1モジュール
11…第1エアクリーナハウジング
12…第2エアクリーナハウジング
13…フレッシュエアダクト
14a…上流側共通吸気通路
14b…下流側共通吸気通路
15…エアフローメータ
19…スロットルバルブボディ
20…独立吸気通路
30…第2モジュール
31…サージタンク
40…エンジン制御ECU
Claims (5)
- エンジンの車体前方側にサージタンクを配設し、該サージタンクからエンジンの吸気ポートに独立吸気通路を延設し、該独立吸気通路の上方にエアクリーナハウジングを配設し、前記エアクリーナハウジングをエンジン上方で車体前方から後方に延設させ、前記エアクリーナハウジングの後方部から前記サージタンクに連通する共通吸気通路を形成しているとともに、
前記エアクリーナハウジングは、前記エンジンの上方に配置される第1ハウジングと、前記サージタンクの上方に配置される第2ハウジングとが分割可能に形成され、
前記第2ハウジングにはフレッシュエアダクトが形成され、前記第1ハウジングには前記サージタンクに連通する前記共通吸気通路が形成されており、
前記第2ハウジングの吸気出口部分よりも前記第1ハウジングの吸気流入部分が上方に位置するように、前記第2ハウジングの吸気出口部分と前記第1ハウジングの吸気流入部分とが接続され、
前記第2ハウジングの吸気出口部分と前記第1ハウジングの吸気流入部分との接続部分にエアクリーナエレメントが横たわって配置されており、
前記第1ハウジングは、前記エアクリーナエレメントを保持する第1位置と、該エアクリーナエレメントを交換する第2位置とに移動可能であることを特徴とするエンジンの吸気装置。 - 前記独立吸気通路と前記第2ハウジングとを一体に形成したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気装置。
- 前記共通吸気通路は、前記第1ハウジングの下流側端部の側面から前記サージタンクに延設されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気装置。
- 前記共通吸気通路には、エアフローメータが配設されていることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの吸気装置。
- 前記第1ハウジング内に、エンジン制御用コンピュータが配設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエンジンの吸気装置。
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