JP4250135B2 - ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 - Google Patents
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Description
ガス対向部と、上記内側接ガス対向部より後端側に位置し、上記内側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する内側端子接触部とを有し、上記内側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記内側接ガス対向部よりも高い硬度の内側硬質金属層を含むガスセンサである。
基体の内部空間内に液位調整具が挿入され、基体内液位が基体の後端に略一致している状態から液位調整具を抜出すると、この液位調整具の容積分だけメッキ液が基体内に入り込み、基体内液位が上昇することになる。従って、液位調整具の容積を適切なものとすることで、基体内液位を容易に調整することができる。
このうち、後者の場合では、液位調整具を挿入したとき、基体内液位が基体の後端に略一致する状態となれば、挿入前における基体内液位はいずれの位置であってもよい。つまり、基体内に入り込んでいるメッキ液の量が少ない場合には、液位調整具を挿入したときに後端面から溢れ出る気体の量が多く、逆に多い場合には、気体の量は少なくなる。例えば、複数の基体についてメッキ工程を行う場合、メッキ液に浸漬したときの基体内液位について、各基体にバラツキがあったとしても、液位調整具が挿入されたとき、基体内液位が基体の後端面に略一致する状態である限り、いずれの基体についても、所定位置の基体内液位でメッキ工程を行うことができる。
しかるに、本実施例1にかかる酸素センサ10では、外側電極層25のうち外側端子接触部25tは、外側Ni層SNで形成されている。Niは接ガス部25gをなすPtよりも高い硬度を有している。従って、外側端子接触部25tは、上述のように酸素検出素子20に装着する際や使用時の振動により外側端子部材40との間に摩擦が生じたとしても、削られることなく安定して、外側端子部材40との電気的導通を保持することができる。
しかるに、本実施例1にかかる酸素センサ10では、内側電極層23のうち内側端子接触部23tは、内側電極部23dをなすPtよりも高い硬度を有するNiからなる内側Ni層UNで形成されている。従って、内側端子接触部23tは、内側端子部材30の装着の際や使用時の振動による内側端子部材30との摩擦が生じたとしても、削られることなく安定して、内側端子部材30との電気的導通を保持することができる。
この外側電極層25の形成に先立ち、基体21の外周面24の前処理を行う。具体的には、基体21をフッ酸(濃度;5質量%)に浸漬して、その外周面24をエッチングする。そして、このエッチングした基体21を水で洗浄した後、乾燥させる。
まず、外周面24の前処理を行った基体21に、樹脂製の第1マスク冶具M1を装着する。この略筒状の第1マスク冶具M1は、図6に示すように、筒の開口側から軸線AXに沿うスリットを有している。すなわち、この第1マスク冶具M1を基体21に装着すると、基体21の外周面24のうち接ガス部25g及び接続リード部25sが形成される部分は露出し、外周面24のうちこの他の部分及び基体21の後端20kは覆われる。さらに、第1マスク冶具M1は、係合フランジ部20fより先端側に装着される第1マスク冶具先端部M1sと、それより後端側に装着される第1マスク冶具後端部M1kとに分割されている。この第1マスク冶具M1の装着に当っては、第1マスク冶具先端部M1sを、基体21の先端側から装着し、第1マスク冶具後端部M1kを、基体21の後端側から装着する。
まず、基体21に、樹脂製の第2マスク冶具M2を装着する。この第2マスク冶具M2は、図7に示すように、2つの有底筒を、その開口部が互いに対向するように、配置した形態を有する。すなわち、第2マスク冶具M2は、これを基体21に装着すると、基体21の外周面24のうち外側端子接触部25tが形成される部分は露出し、外周面24のうちこの他の部分及び基体21の後端20kは覆われる形態となる形状を有している。さらに、第2マスク冶具M2は、係合フランジ部20fより後端側に位置する有底筒状の第2マスク冶具後端部M2kと、係合フランジ部20fより先端側に位置する有底筒状の第2マスク冶具先端部M2sと、第2マスク冶具後端部M2kと第2マスク冶具先端部M2sとの間に位置する中空筒状の第2マスク冶具中間部M2mとに分割されている。この第2マスク冶具M2の装着に当っては、第2マスク冶具先端部M2sを、基体21の先端側から装着し、第2マスク冶具中間部M2m及び第2マスク冶具後端部M2kを、この順で基体21の後端側から装着する。
この脱脂処理を行った後、基体21を水で洗浄する。
このエッチング処理を行った後、基体21を水で洗浄する。
この活性化処理を行った後、基体21を水で洗浄する。
この無電解メッキを行った後、基体21を水で洗浄する。
この内側電極層23の形成に先立ち、基体21の内周面22の前処理を行う。具体的には、基体21の内部空間Gにフッ酸(濃度;5質量%)注入した状態で放置して、その内周面22をエッチングする。そして、このエッチングした基体21の内部空間Gを水で洗浄する。
まず、図8に示すように、内周面22の前処理を行った基体21の内部空間Gに、樹脂製で中空筒状の形状を有する第3マスク冶具M3を後端側から挿入する。この第3マスク冶具M3の筒の外径は、基体21の後端側における内径と略等しくされている。従って、この第3マスク冶具M3を、基体21の内部空間Gの所定位置SM3まで挿入すると、基体21の内周面22は、内側電極部23dを形成する部分は露出し、他の部分はこの第3マスク冶具M3に覆われる状態となる。
まず、図9に示すように、基体21の内部空間Gに、樹脂製で棒状の第4マスク冶具M4を挿入する。この第4マスク冶具M4の外径は、基体21の内径と略等しくされている。従って、この第4マスク冶具M4を、基体21の内部空間Gの所定位置SM4まで挿入すると、基体21の内周面22は、内側端子接触部23tを形成する部分は露出し、他の部分はこの第4マスク冶具M4に覆われる状態となる。
さらに、無電解メッキの完了後、水洗いして第4マスク冶具M4を脱着する。さらに、これを600℃、80分間の条件で熱処理して、内側電極層23に、内側Ni層UNからなる内側端子接触部23tを形成する。なお、この熱処理時に先行して形成した外側端子接触部25t、内側電極部23dも同時に焼き付けされることになる。
以上により、本実施例1にかかる酸素センサ10の酸素検出素子20が得られる。
次いで、内側電極層23に内側Ni層UNからなる内側端子接触部123tを形成する。
まず、第5マスク冶具M5を被せた基体121を後端側が下となる姿勢で、溶液LQに浸漬する。そのとき、液位調整具Jが、第5マスク冶具M5の貫通穴M5hを貫通して基体121の内部空間Hに挿入される状態とする。さらに、基体121を鉛直方向V下向き(重力方向)に下げ、その後端側の第5マスク冶具M5を容器の底部Tに突き当てる。この状態では、基体内液位LQMは、後端近傍の位置にある。
次いで、図12に示すように、基体121を鉛直方向V上向きに引き上げて、液位調整具Jを基体121の内部空間Hから抜出する。すると、液位調整具Jの容積分だけ溶液LQが、後端120kから基体121の内部空間Hに入り込み、基体内液位LQMが、後端120kの位置から所定位置SIまで上昇する。
例えば、上述の実施例では、内側端子接触部及び外側端子接触部が、基体表面上に、Ni金属層のみからなるものを例示したが、基体表面上に、Pt金属層及びNi金属層がこの順あるいはこの逆順で積層されたものであってもよい。
さらに、内側端子接触部及び外側端子接触部をNi金属層で構成したが、Cr金属層で構成してもよい。また、接ガス部、内側電極部はPt金属層で構成したが、Pd金属層で構成してもよい。なお、これらの金属層は、主にメッキ処理を用いて形成したものを例示しているが、例えば、金属ペーストを塗布後、焼付け処理して形成したものであってもよい。
さらに、上述の実施例では、内側端子接触部及び外側端子接触部のNi金属層を別々に形成する製造方法を例示しているが、基体の外周面と内周面を一度にメッキ液等に浸漬するなどして、内側端子接触部及び外側端子接触部のNi金属層を一度に形成する製造方法を用いてもよい。
20、120 酸素検出素子
21、121 基体
22、122 内周面
23、123 内側電極層
23d、123d 内側電極部(内側接ガス対向部を含む)
23t、123t 内側端子接触部
24、124 外周面
25、125 外側電極層
25g、125g 接ガス部
25t、125t 外側端子接触部
30 内側端子部材
J 液位調整具
Claims (6)
- 固体電解質を基体とし、先端が閉じ、後端が開口し、軸線に沿う軸線方向に延びる中空筒状の形態を有し、その外周面の少なくとも一部を覆う外側電極層を含むガス検出素子と、
上記外側電極層と互いに圧接して電気的に導通する外側端子部材と、を備える
ガスセンサであって、
上記外側電極層は、
被測定ガスと接触する接ガス部と、
上記接ガス部より後端側に位置し、上記外側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する外側端子接触部とを有し、
上記外側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記接ガス部よりも高い硬度の外側硬質金属層を含む
ガスセンサ。 - 固体電解質を基体とし、先端が閉じ、後端が開口し、軸線に沿う軸線方向に延びる中空筒状の形態を有するガス検出素子であって、
その外周面の少なくとも一部を覆う外側電極層、及び、
その内周面の少なくとも一部を覆う内側電極層を含む
ガス検出素子と、
上記内側電極層と互いに圧接して電気的に導通する内側端子部材と、を備える
ガスセンサであって、
上記外側電極層は、被測定ガスが接触する接ガス部を含み、
上記内側電極層は、
上記基体を挟んで、上記接ガス部に対向する位置に配置された内側接ガス対向部と、
上記内側接ガス対向部より後端側に位置し、上記内側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する内側端子接触部とを有し、
上記内側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記内側接ガス対向部よりも高い硬度の内側硬質金属層を含む
ガスセンサ。 - 請求項2に記載のガスセンサであって、
前記ガス検出素子の前記外側電極層と接触して電気的に導通する外側端子部材
を備え、
上記外側電極層は、
前記接ガス部より後端側に位置し、上記外側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する外側端子接触部を有し、
上記外側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記接ガス部よりも高い硬度の外側硬質金属層を含むガスセンサ。 - 固体電解質を基体とし、先端が閉じ、後端が開口し、軸線に沿う軸線方向に延びる中空筒状の形態を有するガス検出素子であって、
その外周面の少なくとも一部を覆う外側電極層、及び、
その内周面の少なくとも一部を覆う内側電極層を含む
ガス検出素子と、
上記内側電極層と互いに圧接して電気的に導通する内側端子部材と、を備える
ガスセンサであって、
上記外側電極層は、被測定ガスが接触する接ガス部を含み、
上記内側電極層は、
上記基体を挟んで、上記接ガス部に対向する位置に配置された内側接ガス対向部と、
上記基体の内周面のうち後端から軸線方向先端側へ測って所定距離内に位置し、上記
内側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する内側端子接触部とを有し、
上記内側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記内側接ガス対向部よりも高い硬度の内側硬質金属層を含む
ガスセンサの製造方法であって、
上記内側硬質金属層を形成するメッキ工程であって、
上記基体を、上記先端が鉛直方向上方となり上記後端が下方となる姿勢に保ち、
上記基体のうち少なくとも後端を、メッキ液に接触させつつ、
上記基体の内周面がなす内部空間において、上記後端よりも上方の所定位置に上記メッキ液の基体内液位を維持して、
上記内側硬質金属層を形成するメッキ工程
を備えるガスセンサの製造方法。 - 請求項4に記載のガスセンサの製造方法であって、
前記メッキ工程に先立ち、
前記基体内液位を調整する基体内液位調整工程
を備えるガスセンサの製造方法。 - 請求項5に記載のガスセンサの製造方法であって、
基体内液位調整工程は、
前記基体の内部空間内に液位調整具が挿入され、前記メッキ液の前記基体内液位が上記基体の後端に略一致した状態から、上記基体を上記先端が鉛直方向上方となり、上記後端が下方となる姿勢に保ちつつ上記液位調整具を抜出して、上記基体内液位を前記所定位置まで上昇させる
ガスセンサの製造方法。
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