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JP4250135B2 - ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 - Google Patents

ガスセンサ及びガスセンサの製造方法 Download PDF

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JP4250135B2 JP2004335508A JP2004335508A JP4250135B2 JP 4250135 B2 JP4250135 B2 JP 4250135B2 JP 2004335508 A JP2004335508 A JP 2004335508A JP 2004335508 A JP2004335508 A JP 2004335508A JP 4250135 B2 JP4250135 B2 JP 4250135B2
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Description

本発明は、被測定ガス中のガス濃度を検出するガスセンサに関する。また、このようなガスセンサの製造方法に関する。
ガスセンサでは、基準ガスとしての大気を内周面に導入して接触させる一方、外周面に被測定ガスを接触させる。すると、これらのガスに含まれる測定対象ガスの濃度差に応じて、ガス検出素子を構成する固体電解質の内周面及び外周面に起電力が発生する。この起電力を被測定ガス中の測定対象ガス濃度の検出信号として内側電極層及び外側電極層から内側端子部材及び外側端子部材、リード線等を介して外部回路に取り出すことにより、被測定ガス中の測定対象ガスの濃度を検出することが出来る。なお、このタイプのガスセンサは、外側電極層の材質などを変えることで、酸素センサ、NOxセンサ及びCOセンサとすることができる。
ガスセンサの具体的な例として、先端部が閉じ、後端部が開口し、軸線に沿う軸線方向に延びる中空筒状の形態であって、その内周面及び外周面に電極層(それぞれ、内側電極層及び外側電極層とも言う)を有する酸素検出素子を備えた、特許文献1に開示されるような酸素センサが挙げられる。このうち、外側電極層及び内側電極層は、電池起電力を発生するための触媒性と、高温な被測定ガスと直接接触するための高温耐久性とが要求される。このため、外側電極層及び内側電極層は、PtやPdなどの貴金属類からなる金属層で形成されている。
一方、酸素検出素子の外側電極層及び内側電極層からそれぞれ起電力を取り出す外側端子部材及び内側端子部材は、金属板などのバネ性及び導通性を有する部材で構成される。このうち内側端子部材は、酸素検出素子の内側電極層に圧接して、内側端子部材自身を保持する内側圧接部を含む。同様に、外側端子部材も外側電極層に圧接して、外側端子部材自身を保持する外側圧接部を含む。
特許文献1の酸素センサでは、外側端子部材は、その軸線に直交する径方向断面の形状が略C字状になるように形成され、自由状態で、その径方向断面の内接円の径が酸素センサの後端側における外周面の径よりも小さくされている。この外側端子部材を酸素検出素子の外側に組付けると、外側端子部材のうち軸直交断面における略C字状の周方向の少なくとも一部が、酸素検出素子の外周面を自身の弾性により押圧する外側圧接部となる。この外側圧接部の強い押圧力によって、酸素検出素子の外側電極層に外側端子部材自身が圧接され、外側電極層と外側圧接部とが電気的に導通する。ひいては、酸素検出素子の外側電極層の起電力を外側端子部材から取り出すことが出来る。
また、内側圧接部を含む内側端子部材として、その軸線に直交する径方向断面の形状が略馬蹄形状になるように形成し、自由状態で、その径方向断面の外接円の径が酸素センサの後端側における内周面の径よりも大きくしたものが示されている。この内側端子部材を酸素検出素子内に組み付けると、内側端子部材のうち、軸直交断面における略馬蹄形状の周方向の2つの先端部分及び基端側の中央部分の3点が、酸素検出素子の内周面を自身の弾性により押圧する内側圧接部となる。この内側圧接部の強い押圧力によって、酸素検出素子の内側電極層に内側端子部材自身が圧接され、内側電極層と内側圧接部とが電気的に導通する。ひいては、酸素検出素子の内側電極層の起電力を内側端子部材から取り出すことが出来る。
特開2001−66281号公報(図1、図3、図8)
しかしながら、このタイプのガスセンサでは、外側電極層や内側電極層に発生した起電力を外部に取り出すに当り、それぞれの電極層と端子部材との間に安定した電気的導通を取るため、特許文献1の酸素センサ同様、強い押圧力でそれぞれの電極層に端子部材を圧接させる場合が多い。このため、外側電極層及び内側電極層が、比較的硬度が低いPtやPdなどの金属層からなる場合、端子部材の装着時や使用時の振動による端子部材との摩擦により、電極層が削られて、端子部材との電気的導通が不安定になる虞があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、外側電極層及び内側電極層とそれぞれの端子部材との間に、装着時や使用時の振動による摩擦が生じたとしても、電気的な導通を良好に保つことができる信頼性の高いガスセンサの提供を目的とする。また、このようなガスセンサの製造方法の提供を目的とする。
その解決手段は、固体電解質を基体とし、先端が閉じ、後端が開口し、軸線に沿う軸線方向に延びる中空筒状の形態を有し、その外周面の少なくとも一部を覆う外側電極層を含むガス検出素子と、上記外側電極層と互いに圧接して電気的に導通する外側端子部材と、を備えるガスセンサであって、上記外側電極層は、被測定ガスと接触する接ガス部と、上記接ガス部より後端側に位置し、上記外側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する外側端子接触部とを有し、上記外側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記接ガス部よりも高い硬度の外側硬質金属層を含むガスセンサである。
この発明のガスセンサでは、外側端子接触部は、接ガス部よりも高い硬度を有する外側硬質金属層を含んでいる。従って、外側端子接触部が外側端子部材と摩擦を生じても、この外側硬質金属層は削られず残る。このため、外側端子接触部が接ガス部と同じ金属層で形成されている場合に比して、安定して電気的導通を保つことができ、信頼性の高いガスセンサとなし得る。
なお、外側端子接触部は、外側硬質金属層を含んでいればよい。従って、例えば、外側端子接触部が、外側硬質金属層のみからなる場合のほか、基体表面上に、外側硬質金属層及び接ガス部と同じ金属層がこの順に積層されたものが挙げられる。この場合、外側端子部材は、接ガス部と同じ金属層と圧接することとなるが、たとえ摩擦でこの層が削られたとしても、この層の下に位置する外側硬質金属層と接触して、電気的導通を安定に保つことができる。あるいは、この逆に、基体表面上に接ガス部と同じ金属層及び外側硬質金属層がこの順に積層されたものが挙げられる。
外側硬質金属層としては、例えば、NiやCrなどの金属層が挙げられる。NiやCrは、PtやPdに比して2倍近くの硬度を有する(Ni:60Hv、Cr:130Hv、Pt:39Hv、Pd:38Hv 改訂4版化学便覧/丸善株式会社より)上に、耐食性も優れているため好ましい。また、PtやPd等の白金族元素は高価なため、ガスセンサの低コスト化を図る観点から、非白金族元素(具体的にはNi,Cr)を用いて外側硬質電極層を構成することが好ましい。
また、他の解決手段は、固体電解質を基体とし、先端が閉じ、後端が開口し、軸線に沿う軸線方向に延びる中空筒状の形態を有するガス検出素子であって、その外周面の少なくとも一部を覆う外側電極層、及び、その内周面の少なくとも一部を覆う内側電極層を含むガス検出素子と、上記内側電極層と互いに圧接して電気的に導通する内側端子部材と、を備えるガスセンサであって、上記外側電極層は、被測定ガスが接触する接ガス部を含み、上記内側電極層は、上記基体を挟んで、上記接ガス部に対向する位置に配置された内側接
ガス対向部と、上記内側接ガス対向部より後端側に位置し、上記内側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する内側端子接触部とを有し、上記内側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記内側接ガス対向部よりも高い硬度の内側硬質金属層を含むガスセンサである。
この発明のガスセンサでは、内側端子接触部は、内側接ガス対向部よりも高い硬度を有する内側硬質金属層を含んでいる。従って、内側端子部材は、内側端子接触部が内側端子部材と摩擦を生じても、この内側硬質金属層は削られず残る。このため、内側端子接触部が内側接ガス対向部と同じ金属層で形成されている場合に比して、安定して電気的導通を保つことができ、信頼性の高いガスセンサとなし得る。
なお、内側端子接触部は、内側硬質金属層を含んでいればよい。従って、例えば、内側端子接触部が、内側硬質金属層のみからなる場合のほか、基体表面上に、内側硬質金属層及び内側接ガス対向部と同じ金属層がこの順に積層されたものが挙げられる。この場合、内側端子部材は、内側接ガス対向部と同じ金属層に圧接することとなるが、たとえ摩擦でこの層が削られたとしても、この層の下に位置する内側硬質金属層と接触して、電気的導通を安定に保つことができる。あるいは、この逆に、基体表面上に内側接ガス対向部と同じ金属層及び内側硬質金属層がこの順に積層されたものが挙げられる。
内側硬質金属層としては、例えば、NiやCrなどの金属層が挙げられる。NiやCrは、PtやPdに比して2倍近くの硬度を有する上に、耐食性も優れているため好ましい。また、PtやPd等の白金族元素は高価なため、ガスセンサの低コスト化を図る観点から、非白金族元素(具体的にはNi,Cr)を用いて内側硬質電極層を構成することが好ましい。
また、請求項2に記載のガスセンサであって、前記ガス検出素子の前記外側電極層と接触して電気的に導通する外側端子部材を備え、上記外側電極層は、前記接ガス部より後端側に位置し、上記外側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する外側端子接触部を有し、上記外側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記接ガス部よりも高い硬度の外側硬質金属層を含むガスセンサとすると良い。
この発明のガスセンサでは、内側端子接触部に加え、外側端子部材と接触して電気的に導通する外側端子接触部も、接ガス部よりも高い硬度を有する外側硬質金属層を含んでいる。このため、内側端子接触部の場合と同様に、外側端子接触部が外部端子部材と摩擦を生じても、この外側硬質金属層も削られず残る。このため、内側電極接触部に加えて、外側電極接触部も安定して電気的導通を保つことができ、さらに信頼度が高いガスセンサとなし得る。
また、他の解決手段は、固体電解質を基体とし、先端が閉じ、後端が開口し、軸線に沿う軸線方向に延びる中空筒状の形態を有するガス検出素子であって、その外周面の少なくとも一部を覆う外側電極層、及び、その内周面の少なくとも一部を覆う内側電極層を含むガス検出素子と、上記内側電極層と互いに圧接して電気的に導通する内側端子部材と、を備えるガスセンサであって、上記外側電極層は、被測定ガスが接触する接ガス部を含み、上記内側電極層は、上記基体を挟んで、上記接ガス部に対向する位置に配置された内側接ガス対向部と、上記基体の内周面のうち後端から軸線方向先端側へ測って所定距離内に位置し、上記内側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する内側端子接触部とを有し、上記内側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記内側接ガス対向部よりも高い硬度の内側硬質金属層を含むガスセンサの製造方法であって、上記内側硬質金属層を形成するメッキ工程であって、上記基体を、上記先端が鉛直方向上方となり上記後端が下方となる姿勢に保ち、上記基体のうち少なくとも後端を、メッキ液に接触させつつ、上記基体の内周面がなす内部空間において、上記後端よりも上方の所定位置に上記メッキ液の基体内液位を維持して、上記内側硬質金属層を形成するメッキ工程を備えるガスセンサの製造方法である。
この発明のガスセンサの製造方法では、メッキ工程において、メッキ液の基体内変位を所定位置に維持して、内側端子接触部に内側硬質金属層を形成している。このため、内側硬質金属層を形成すべき部位にこの内側硬質金属層を容易に形成できる一方、それより先端側には、内側硬質金属層が形成されないようにすることができる。
メッキ液としては、基体の液位調整工程で、内側端子接触部に内側硬質金属層を形成できるものであればよい。例えば、ニボロン70シリーズ(株式会社ワールドメタル製:商品名)などのメッキ液が挙げられる。また、別途適宜の方法で基体の内周面のうち内側硬質金属層の下地となる金属層と導通をとった上で、電解メッキ液を用いることもできる。
また、請求項4に記載のガスセンサの製造方法であって、前記メッキ工程に先立ち、前記基体内液位を調整する基体内液位調整工程を備えるガスセンサの製造方法とすると良い。
この発明のガスセンサの製造方法では、基体内液位調整工程で基体内液位を調整した後、内側硬質金属層をメッキで形成している。従って、後続の内側硬質金属層のメッキ工程において、メッキ液の基体内液位を所定位置に保つことができ、適切に内側硬質金属層を形成することができる。
なお、基体内液位を調整する方法としては、例えば、基体の内部空間内に貯まった気体量を変化させて調整する方法が挙げられる。具体的には、パイプを用いて基体内に気体を送り込み、気体量を増加させて基体内液位を下げる方法や、基体内に液位調整具を挿入して気体の一部を追い出し、その後、液位調整具を抜去して基体内液位を上げる方法が挙げられる。
また、請求項5に記載のガスセンサの製造方法であって、基体内液位調整工程は、前記基体の内部空間内に液位調整具が挿入され、前記メッキ液の前記基体内液位が上記基体の後端に略一致した状態から、上記基体を上記先端が鉛直方向上方となり、上記後端が下方となる姿勢に保ちつつ上記液位調整具を抜出して、上記基体内液位を前記所定位置まで上昇させるガスセンサの製造方法とすると良い。
筒状の形状を有する基体の内周面のうち一部にだけ、メッキ液を用いて内側硬質金属層を形成するにあたり、メッキ液の基体内液面の調整を精度よく行うことは難しい。
これに対して、この発明のガスセンサの製造方法では、基体の内部空間内に液位調整具が挿入され、メッキ液の基体内液位が基体の後端に略一致した状態から、上記基体を上記先端が鉛直方向上方となり、上記後端が下方となる姿勢に保ちつつ液位調整具を抜出して、基体内液位を所定位置まで上昇させる基体内液位調整工程を含んでいる。
基体の内部空間内に液位調整具が挿入され、基体内液位が基体の後端に略一致している状態から液位調整具を抜出すると、この液位調整具の容積分だけメッキ液が基体内に入り込み、基体内液位が上昇することになる。従って、液位調整具の容積を適切なものとすることで、基体内液位を容易に調整することができる。
なお、基体内液位調整工程に当たり、液位調整具は、基体をメッキ液に浸漬する前に、あらかじめ基体内に挿入しておいても良いし、基体をメッキ液に浸漬した後に、基体内に挿入してもよい。
このうち、後者の場合では、液位調整具を挿入したとき、基体内液位が基体の後端に略一致する状態となれば、挿入前における基体内液位はいずれの位置であってもよい。つまり、基体内に入り込んでいるメッキ液の量が少ない場合には、液位調整具を挿入したときに後端面から溢れ出る気体の量が多く、逆に多い場合には、気体の量は少なくなる。例えば、複数の基体についてメッキ工程を行う場合、メッキ液に浸漬したときの基体内液位について、各基体にバラツキがあったとしても、液位調整具が挿入されたとき、基体内液位が基体の後端面に略一致する状態である限り、いずれの基体についても、所定位置の基体内液位でメッキ工程を行うことができる。
また、液位調整具としては、基体内に挿入可能で、適切な容積を有するものであればいずれの形態としてもよい。例えば、直棒状のものや、液位調整具の容積を大きく取るため球体を先端に備えた棒などの形態が挙げられる。また、液位調整具の材質としては、メッキ液に反応しない樹脂製などが好ましい。
本発明の実施にかかるガスセンサについて図面を参照して説明する。
図1及び図2は実施例1にかかる酸素センサ10の内部構造を示す説明図とその分解斜視図である。酸素センサ10は、先端20s(図1中、下方)が閉じ、後端20k(図1中、上方)が開口し、軸線AXに沿う軸線方向(図1において上下方向)に延びる断面略U字状の中空筒状の酸素検出素子20と、この酸素検出素子20を環状に包囲する筒状の主体金具11と、を備える。さらに、酸素センサ10は、酸素検出素子20の内部空間G内にその一部が挿入、保持された内側端子部材30と、内部空間G内に配置され、内側端子部材30によって保持され姿勢が維持されたヒータ12とを含む。
酸素検出素子20は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質を、断面略U字状の中空筒状に形成した基体21からなる。この酸素検出素子20は、図3(a)に示すように、その外周面24の一部に、メッキなどによって形成された外側電極層25を有している。この外側電極層25は、先端20s側に位置する接ガス部25g、この接ガス部25gより後端側に位置する外側端子接触部25t及び接ガス部25gと外側端子接触部25tとの間に介在する接続リード部25sを含んでいる。このうち接ガス部25gは、Ptからなり、外周面24のうち後述する係合フランジ部20fよりも先端側の排気ガス(被測定ガス)と接触する部分を覆う形状に形成されている。なお、接ガス部25gの表面には、図示しないが、スピネル(MgAl)を主体とする多孔質状の電極保護層が形成されており、外側電極層25が排気ガス中に含まれるSi成分等によって被毒されるのを防護するようにされている。また、外側端子接触部25tは、Niからなる外側Ni層SNにより、接ガス部25gより後端側に、周方向に沿って帯状に形成されている。さらに、接続リード部25sは、Ptからなる外側Pt層SPにより、接ガス部25gの後端側から連続して、外側端子接触部25tに向い軸線AXに沿って延びる幅狭の直線状に形成されている。また、接続リード部25sの後端側では、図3(b)に示すように、基体21の表面上に、接続リード部25sの外側Pt層SP及び外側端子接触部25tの外側Ni層SNがこの順で積層されている。このため、外側端子接触部25tは、接続リード部25sと電気的に接続され、ひいては、接ガス部25gとも電気的に導通することとなる。従って、本実施例1にかかる酸素センサ10では、接ガス部25gに発生した起電力を外側端子接触部25tから取り出すことができる。
また、酸素検出素子20の基体21の内周面22には、図4(a)に示すように、内側電極層23が形成されている。この内側電極層23は、内側電極部23d及び内側端子接触部23tを含む。このうち内側端子接触部23tは、Niからなる内側Ni層UNにより、内周面22のうち後端20kから、これより軸線AX方向の先端20s側に位置する所定位置Sまでの範囲に亘り形成されている。また、内側電極部23dは、Ptからなる内側Pt層UPにより、内周面22のうち所定位置Sからさらに先端20sに向う部分の全面を覆うようにして形成されている。なお、この内側電極部23dは、酸素検出素子20の外周面24に形成された接ガス部25gに基体21を挟んで対向する部分(内側接ガス対向部)を含んでいる。また、内側電極部23dの後端側では、図4(b)に示すように、基体21の表面上に、内側電極部23dの内側Pt層UP及び内側端子接触部23tの内側Ni層UNが、この順で積層されている。このため、内側端子接触部23tと内側電極部23dとは、電気的に接続される。従って、本実施例1にかかる酸素センサ10では、内側電極部23dに発生した起電力を内側端子接触部23tから取り出すことができる。
図1に戻り、酸素検出素子20の軸線AX方向の中間部には、径方向外側に突出する係合フランジ部20fが設けられている。主体金具11は、中空筒内部に、金属製パッキン81、82、83、インシュレータ13、13b及びセラミック粉末14を介在して、この係合フランジ部20fを係合保持してなる。従って、酸素検出素子20は、主体金具11内に気密に保持されている。
また、主体金具11には、主体金具11の先端側開口部から突出する酸素検出素子20の先端部を覆うように、プロテクタ15が取り付けられている。このプロテクタ15は、外側プロテクタ15a、内側プロテクタ15bの二重構造をなしており、これら外側プロテクタ15a、内側プロテクタ15bには、排気ガスを透過させる複数のガス透過口が形成されている。従って、酸素検出素子20の外側電極層25は、プロテクタ15のガス透過口を通して、排気ガスと接触することができる。
一方、主体金具11において、六角部11cの後端側の接続部11dには、筒状の金属外筒16の先端部が外側から全周レーザ溶接により固着されている。また、この金属外筒16の後端側開口部は、フッ素ゴムで構成されたグロメット17を嵌入させて加締封止されている。このグロメット17の先端側には、絶縁性のアルミナセラミックからなるセパレータ18が設けられている。そして、グロメット17及びセパレータ18を貫通してセンサ出力リード線19、19b及びヒータリード線12b、12cが配置されている(図1、図2参照)。
なお、グロメット17の中央には、軸線AXに沿う貫通孔が形成されており、この貫通孔に撥水性及び通気性を兼ね備えるシート状のフィルタ85を被せた状態の金属パイプ86が嵌め込まれている。これにより、酸素センサ10の外部の大気はフィルタ85を介して金属外筒16内に導入され、ひいては酸素検出素子20の内部空間G内に導入されることになる。
また、ステンレス鋼板からなる外側端子部材40は、図2に示すように、軸線AXの直交方向断面が略C字状の外嵌部41と、外嵌部41の後端側中央付近から後端側に延びるセパレータ挿入部42と、さらにこの後端側に位置するコネクタ部43とを含む。このうちコネクタ部43は、センサ出力リード線19bの芯線を加締めにより把持して、外側端子部材40とセンサ出力リード線19bとを電気的に接続する。また、セパレータ挿入部42は、セパレータ18内に挿入されると共に、このセパレータ挿入部42から分岐して突出するセパレータ当接部42dが、保持孔18dに弾性的に当接することにより、外側端子部材40自身をセパレータ18内に保持している。
また、外嵌部41は、自由状態で、その径方向断面の内接円の径が、酸素検出素子20の後端側における外周面24の径よりも小さくされている。このため、図5に示すように、外側端子部材40が酸素検出素子20に組み付けられた状態では、外嵌部41は、自身の弾性により、酸素検出素子20の外周面24に形成された外側端子接触部25tに強い押圧力で圧接して、外側端子接触部25tとの電気的導通を保持する。従って、外側電極層25に発生した起電力は、外側端子接触部25t、外嵌部41及びセンサ出力リード線19bを介して外部に取り出すことができる。
ところが、このように外側端子部材40が、外側端子接触部25tに強い押圧力で圧接する状態であると、この外側端子部材40を酸素検出素子20に装着する際や使用時の振動により、外嵌部41と外側端子接触部25tとの間に大きな摩擦が生じることになる。
しかるに、本実施例1にかかる酸素センサ10では、外側電極層25のうち外側端子接触部25tは、外側Ni層SNで形成されている。Niは接ガス部25gをなすPtよりも高い硬度を有している。従って、外側端子接触部25tは、上述のように酸素検出素子20に装着する際や使用時の振動により外側端子部材40との間に摩擦が生じたとしても、削られることなく安定して、外側端子部材40との電気的導通を保持することができる。
また、ステンレス鋼板からなる内側端子部材30は、図2に示すように、軸線AXの直交方向断面が略馬蹄形状の挿入部33と、挿入部33の後端側中央付近から後端側に延びるセパレータ挿入部32と、さらにこの後端側に位置するコネクタ部31とを有する。このうち、コネクタ部31は、センサ出力リード線19の芯線を加締めにより把持して、内側端子部材30とセンサ出力リード線19とを電気的に接続する。また、セパレータ挿入部32は、セパレータ18内に挿入されると共に、このセパレータ挿入部32から分岐して突出するセパレータ当接部32dが、保持孔18dに弾性的に当接して、内側端子部材30自身をセパレータ18内に保持している。
また、挿入部33は、図2に示すように、挿入本体部34とこれより先端側(図2中、下方)に突出するヒータ押圧部36とを含む。ヒータ押圧部36は、軸線AX方向からみたとき、略1/4円弧状に形成されており、挿入本体部34が酸素検出素子20内に組み付けられたとき、挿入本体部34内に保持されているヒータ12の側面が内周面22に接触するように、ヒータ12を押圧する。
また、挿入本体部34は、自由状態で、その径方向断面の外接円の径が、酸素検出素子20の後端側における内周面22の径よりも大きくされている。このため、図5に示すように、内側端子部材30が酸素検出素子20に組み付けられた状態では、挿入本体部34は、自身の弾性により、酸素検出素子20の内周面22に形成された内側端子接触部23tに強い押圧力で圧接して、内側端子接触部23tとの電気的導通を保持する。従って、内側電極層23に発生した起電力は、内側端子接触部23t、挿入本体部34及びセンサ出力リード線19を介して外部に取り出すことができる。
ところが、このように内側端子部材30が、内側端子接触部23tに強い押圧力で圧接する状態であると、この内側端子部材30を酸素検出素子20に組み付けたとき、挿入本体部34と内側端子接触部23tとの間に大きな摩擦が生じることになる。
しかるに、本実施例1にかかる酸素センサ10では、内側電極層23のうち内側端子接触部23tは、内側電極部23dをなすPtよりも高い硬度を有するNiからなる内側Ni層UNで形成されている。従って、内側端子接触部23tは、内側端子部材30の装着の際や使用時の振動による内側端子部材30との摩擦が生じたとしても、削られることなく安定して、内側端子部材30との電気的導通を保持することができる。
また、本実施例1にかかる酸素センサ10では、前述のとおり、外側電極層25のうち外側端子接触部25tも外側Ni層SNで形成されているため、外側電極層25と外側端子部材40との電気的導通も安定して保持することができる。従って、より信頼性の高い酸素センサ10となし得るため更に好ましい。
次いで、本実施例1にかかる酸素センサ10の製造について説明するが、酸素検出素子20の製造以外は、公知の手法によればよいので、酸素検出素子20の製造を中心に説明し、その他の部分の製造については説明を省略あるいは簡略化する。
まず、ジルコニアを主成分とする固体電解質を、公知のプレス成型を用いて、有底筒状の形状に成型した後、1500℃の雰囲気中で2時間曝して焼結させ、基体21を得る。
次いで、基体21の外周面24に外側電極層25を形成する。
この外側電極層25の形成に先立ち、基体21の外周面24の前処理を行う。具体的には、基体21をフッ酸(濃度;5質量%)に浸漬して、その外周面24をエッチングする。そして、このエッチングした基体21を水で洗浄した後、乾燥させる。
次いで、外側電極層25のうち外側Pt層SPからなる接ガス部25g及び接続リード部25sを形成する。
まず、外周面24の前処理を行った基体21に、樹脂製の第1マスク冶具M1を装着する。この略筒状の第1マスク冶具M1は、図6に示すように、筒の開口側から軸線AXに沿うスリットを有している。すなわち、この第1マスク冶具M1を基体21に装着すると、基体21の外周面24のうち接ガス部25g及び接続リード部25sが形成される部分は露出し、外周面24のうちこの他の部分及び基体21の後端20kは覆われる。さらに、第1マスク冶具M1は、係合フランジ部20fより先端側に装着される第1マスク冶具先端部M1sと、それより後端側に装着される第1マスク冶具後端部M1kとに分割されている。この第1マスク冶具M1の装着に当っては、第1マスク冶具先端部M1sを、基体21の先端側から装着し、第1マスク冶具後端部M1kを、基体21の後端側から装着する。
次いで、第1マスク冶具M1を装着した基体21に、公知の蒸着装置を用いて、1.0〜50nmの厚みでPtの核を蒸着させる核付けを行う。具体的には、蒸着装置として、イオンコータIB−3型(エイコー社製:商品名)を用いる。そして、8Pa程度の残留ガスの雰囲気とし、イオンコータの電極間に6mAの電流が流れる電圧を5分間印加する条件で、Ptの核を基体21に蒸着させる。ただし、基体21の外周面24全体にPtの核を蒸着させるため、基体21を、軸線AX回りに120°ずつ回転させ、これを合計3回繰り返す。Ptの核付け後、基体21に装着された第1マスク冶具M1を脱着する。
次いで、無電解メッキ法を用いて、基体21の外周面24に核付けされたPtの上にPtの金属層を成長させる。具体的には、基体21を4価白金アンミン水溶液もしくは2価白金アンミン水溶液からなる白金錯塩水溶液に浸漬した状態で加熱する。次に、基体21を浸漬した白金錯塩水溶液に、核が付着した部位以外に白金が析出しない程度の還元力を有するヒドラジン水溶液(濃度;85質量%)を添加し、この無電解メッキ液中に基体21を2時間揺動しながら放置して、基体21に蒸着したPtの核を成長させ、基体21の外周面24に接ガス部25g及び接続リード部25sを形成する。
次いで、Ptを形成した部分を安定化させるため、1200℃で1時間熱処理した後、更にプラズマ溶射法により、接ガス部25gの表面にスピネル粉末を溶射し、図示しない電極保護層を形成する。
次いで、外側電極層25のうち外側Ni層SNからなる外側端子接触部25tを形成する。
まず、基体21に、樹脂製の第2マスク冶具M2を装着する。この第2マスク冶具M2は、図7に示すように、2つの有底筒を、その開口部が互いに対向するように、配置した形態を有する。すなわち、第2マスク冶具M2は、これを基体21に装着すると、基体21の外周面24のうち外側端子接触部25tが形成される部分は露出し、外周面24のうちこの他の部分及び基体21の後端20kは覆われる形態となる形状を有している。さらに、第2マスク冶具M2は、係合フランジ部20fより後端側に位置する有底筒状の第2マスク冶具後端部M2kと、係合フランジ部20fより先端側に位置する有底筒状の第2マスク冶具先端部M2sと、第2マスク冶具後端部M2kと第2マスク冶具先端部M2sとの間に位置する中空筒状の第2マスク冶具中間部M2mとに分割されている。この第2マスク冶具M2の装着に当っては、第2マスク冶具先端部M2sを、基体21の先端側から装着し、第2マスク冶具中間部M2m及び第2マスク冶具後端部M2kを、この順で基体21の後端側から装着する。
次いで、第2マスク冶具M2を装着した基体21に脱脂処理を行う。具体的には、1リットル中に、前処理液800−SD(株式会社ワールドメタル製:商品名)200mlと、KOH60gとが含まれる純水の希釈混合液である脱脂処理液LQ1に、基体21を60℃の液温で2分間浸漬する。
この脱脂処理を行った後、基体21を水で洗浄する。
次いで、脱脂処理した基体21にエッチング処理を行う。具体的には、1リットル中に、エッチング液MC−E(株式会社ワールドメタル製:商品名)300mlと、35%HCl500mlとが含まれる純水の希釈混合液であるエッチング処理液LQ2に、基体21を常温で1分間浸漬する。
このエッチング処理を行った後、基体21を水で洗浄する。
次いで、エッチング処理した基体21に活性化処理を行う。具体的には、1リットル中に、シンセタイザー液MC−S(株式会社ワールドメタル製:商品名)200mlが含まれる純水の希釈混合液である第1活性化処理液LQ3に、基体21を常温で1分間浸漬する。さらに、この基体21を水で洗浄した後、1リットル中に、アクチベーター液MC−A(株式会社ワールドメタル製:商品名)200mlが含まれる純水の希釈混合液である第2活性化処理液LQ4に、基体21を常温で1分間浸漬する。
この活性化処理を行った後、基体21を水で洗浄する。
次いで、活性化処理した基体21に無電解メッキを行う。具体的には、1リットル中に、Niを含む無電解メッキ液ニボロン70シリーズ(株式会社ワールドメタル製:商品名)各60mlが含まれる純水の希釈混合液である無電解メッキ液LQ5に基体21を60℃の液温で30分間浸漬する。
この無電解メッキを行った後、基体21を水で洗浄する。
次いで、基体21から第2マスク冶具M2を脱着し、基体21の外周面24に外側端子接触部25tを形成する。
次いで、基体21の内周面22に、内側電極層23を形成する。
この内側電極層23の形成に先立ち、基体21の内周面22の前処理を行う。具体的には、基体21の内部空間Gにフッ酸(濃度;5質量%)注入した状態で放置して、その内周面22をエッチングする。そして、このエッチングした基体21の内部空間Gを水で洗浄する。
次いで、内側電極層23のうち内側Pt層UPからなる内側電極部23dを形成する。
まず、図8に示すように、内周面22の前処理を行った基体21の内部空間Gに、樹脂製で中空筒状の形状を有する第3マスク冶具M3を後端側から挿入する。この第3マスク冶具M3の筒の外径は、基体21の後端側における内径と略等しくされている。従って、この第3マスク冶具M3を、基体21の内部空間Gの所定位置SM3まで挿入すると、基体21の内周面22は、内側電極部23dを形成する部分は露出し、他の部分はこの第3マスク冶具M3に覆われる状態となる。
次いで、基体21の内周面22に、Ptの核付けを行う。具体的には、基体21の内部空間Gに塩化白金酸水溶液(白金濃度;0.5g/L)を注入し、加熱した後、この塩化白金酸水溶液を排出し、基体21の内周面22に塩化白金酸の水溶液の塗布膜を形成する。次いで、基体21の内部空間Gにヒドラジンの水溶液(濃度;5質量%)を注入し、75℃に加熱して30分間放置して、基体21の内周面22にPtの核を析出させ、その後、基体21の内部空間Gを水で洗浄し、乾燥させる。
次いで、無電解メッキ法を用いて、基体21の内周面22にPtの核付けされたPtの金属層を成長させる。具体的には、基体21の内部空間Gに白金錯塩水溶液(白金濃度;15g/L)と、ヒドラジンの水溶液(濃度;85質量%)とを混合して調整したメッキ液を注入し、これを加熱して放置することによりPtの核を成長させて内側電極部23dを形成する。その後、基体21から第3マスク冶具M3を脱着し、基体21の内部空間Gを水で洗浄し、乾燥させる。
次いで、内側電極層23のうち内側Ni層UNからなる内側端子接触部23tを形成する。
まず、図9に示すように、基体21の内部空間Gに、樹脂製で棒状の第4マスク冶具M4を挿入する。この第4マスク冶具M4の外径は、基体21の内径と略等しくされている。従って、この第4マスク冶具M4を、基体21の内部空間Gの所定位置SM4まで挿入すると、基体21の内周面22は、内側端子接触部23tを形成する部分は露出し、他の部分はこの第4マスク冶具M4に覆われる状態となる。
以降は、外側端子接触部25tと同様の方法を用いて、内側Ni層UNを形成する。すなわち、基体21の内周面22について、上述と同様に、溶液LQ1〜LQ5を用いて、脱脂処理、エッチング処理、活性化処理及び無電解メッキをこの順で行う。このとき、基体21は、その先端20sを鉛直方向下向きに配置し、各処理における溶液LQ1〜LQ5を、図示しない注入パイプにより基体21の内部空間Gに注入する。これと共に、図示しない排出パイプを介して基体21の内部空間Gから注入した溶液LQ1〜LQ5を排出し、溶液を基体21の外側に溢れさせることなく、内部空間Gに新しい溶液を注入して処理を行う。
さらに、無電解メッキの完了後、水洗いして第4マスク冶具M4を脱着する。さらに、これを600℃、80分間の条件で熱処理して、内側電極層23に、内側Ni層UNからなる内側端子接触部23tを形成する。なお、この熱処理時に先行して形成した外側端子接触部25t、内側電極部23dも同時に焼き付けされることになる。
以上により、本実施例1にかかる酸素センサ10の酸素検出素子20が得られる。
次いで、実施例2にかかる酸素センサ100について、図1〜図2及び図10〜図12を参照して説明する。なお、酸素センサ100は、酸素検出素子120のうち内側端子接触部123tの製造方法のみが異なり、構造(内側端子接触部123tを含む)や他の部分の製造方法は同様である。そこで、以下では、内側端子接触部123tの製造方法の相違部分を中心に説明し、同様な部分については説明を省略あるいは簡略化する。
本実施例2にかかる酸素検出素子120の製造では、実施例1にかかる酸素検出素子20と同様の手法を用いて、基体21を形成し、さらに、その外周面24に接ガス部25g、接続リード部25s及び外側端子接触部25tを、その内周面22に内側電極部23dを形成する。
次いで、内側電極層23に内側Ni層UNからなる内側端子接触部123tを形成する。
本実施例2にかかる内側端子接触部123tの製造では、実施例1の内側端子接触部23tの形成と同様に、溶液LQ1〜LQ5を用いた無電解メッキを行って、内側Ni層UNからなる内側端子接触部123tを形成する。ただし、実施例1の内側端子接触部23tの形成では、基体21の内部空間Gに溶液LQ1〜LQ5を注入・排出して処理していたのに対し、本実施例2では、溶液LQ1〜LQ5に対して各々液位調整工程及び液処理工程(メッキ工程を含む)からなる方法を用いて処理している点が相違する。以下に、液位調整工程及び液処理工程について説明する。なお、以下の説明において、溶液LQとあるのは、溶液LQ1〜LQ5のうちいずれかの溶液を指す。
なお、液位調整工程及び液処理工程に先立ち、基体121には、樹脂製の第5マスク冶具M5を装着しておく。この第5マスク冶具M5は、図10に示すように、基体121の外周面124のうちで係合フランジ部120fよりも後端側の部位及び後端120kを覆い、基体121の内部空間Hに通じる貫通穴M5hを設けた形状を有している。すなわち、第5マスク冶具M5は、係合フランジ部120fの後端側に位置する中空筒状をなしている。
液位調整工程では、図11に示すように、溶液LQが満たされた容器の底部Tから鉛直方向V上向きに延びている樹脂製で棒状の液位調整具Jを用いる。
まず、第5マスク冶具M5を被せた基体121を後端側が下となる姿勢で、溶液LQに浸漬する。そのとき、液位調整具Jが、第5マスク冶具M5の貫通穴M5hを貫通して基体121の内部空間Hに挿入される状態とする。さらに、基体121を鉛直方向V下向き(重力方向)に下げ、その後端側の第5マスク冶具M5を容器の底部Tに突き当てる。この状態では、基体内液位LQMは、後端近傍の位置にある。
次いで、図12に示すように、基体121を鉛直方向V上向きに引き上げて、液位調整具Jを基体121の内部空間Hから抜出する。すると、液位調整具Jの容積分だけ溶液LQが、後端120kから基体121の内部空間Hに入り込み、基体内液位LQMが、後端120kの位置から所定位置SIまで上昇する。
本実施例2にかかる酸素センサ100の製造方法では、上述のように、液位調整具Jを用いて、基体121の内部空間Hの基体内液位LQMの調整を精度よく容易に行うことができる。また、所定位置SIの変更は、液位調整具Jの容積を変えることで容易に行うことができる。
次いで、液処理工程では、液位調整工程によって基体121の内部空間Hにおいて、所定位置SIに調整された基体内液位LQMを所定の温度及び時間で維持して、内側端子接触部123tを溶液LQに応じた処理を行う。
上述の液位調整工程及び液処理工程を溶液LQ1〜LQ5について順に実施することで、内側電極層123に内側Ni層UNからなる内側端子接触部123tを形成することができる。さらに、基体121から第5マスク冶具M5を脱着し、水洗後、乾燥させて酸素検出素子120を得る。
本実施例2にかかる酸素センサ100の製造方法では、上述したように基体121の内部空間Hにおける溶液LQの基体内液位LQMを所定位置SIに容易に保持することができる。このため、第4マスク冶具M4のようなマスク冶具を使うことなく、内側電極層123のうち後端120kから所定位置SIまでの範囲のみに、内側Ni層UNを容易に形成することができる。
以上において、本発明を実施例1及び実施例2に即して説明したが、本発明は上記実施例等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、上述の実施例では、内側端子接触部及び外側端子接触部が、基体表面上に、Ni金属層のみからなるものを例示したが、基体表面上に、Pt金属層及びNi金属層がこの順あるいはこの逆順で積層されたものであってもよい。
さらに、内側端子接触部及び外側端子接触部をNi金属層で構成したが、Cr金属層で構成してもよい。また、接ガス部、内側電極部はPt金属層で構成したが、Pd金属層で構成してもよい。なお、これらの金属層は、主にメッキ処理を用いて形成したものを例示しているが、例えば、金属ペーストを塗布後、焼付け処理して形成したものであってもよい。
さらに、上述の実施例では、内側端子接触部及び外側端子接触部のNi金属層を別々に形成する製造方法を例示しているが、基体の外周面と内周面を一度にメッキ液等に浸漬するなどして、内側端子接触部及び外側端子接触部のNi金属層を一度に形成する製造方法を用いてもよい。
実施例1〜2にかかる酸素センサの全体を示す縦断面図である。 実施例1〜2にかかる酸素検出素子への端子部材及びヒータの組み付け状態を示す分解斜視図である。 実施例1にかかる酸素検出素子の外周面を説明するための模式図であり、(a)は全面図、(b)はBB断面図である。 実施例1にかかる酸素検出素子の内周面を説明するための模式図であり、(a)は縦断面図、(b)はCC断面図である。 実施例1にかかる酸素検出素子、内側端子部材及び外側端子部材の関係を示す摸式説明図であり、図1におけるAA断面図である。 実施例1にかかる酸素検出素子に第1マスク冶具を装着した状態を示す模式説明図であり、(a)は全面図、(b)は後端側から見た側面図である。 実施例1にかかる酸素検出素子に第2マスク冶具を装着した状態を示す模式説明図であり、(a)は全面図、(b)は後端側から見た側面図である。 実施例1にかかる酸素検出素子に第3マスク冶具の装着について説明するための模式断面図である。 実施例1にかかる酸素検出素子に第4マスク冶具の装着について説明するための模式断面図である。 実施例2にかかる酸素検出素子に第5マスク冶具を装着した状態を示す模式説明図であり、(a)は全面図、(b)は後端側から見た側面図である。 実施例2にかかる酸素検出素子の製造方法のうち液位調整工程を説明するための説明図である。 実施例2にかかる酸素検出素子の製造方法のうちメッキ工程を説明するための説明図である。
符号の説明
10、100 酸素センサ
20、120 酸素検出素子
21、121 基体
22、122 内周面
23、123 内側電極層
23d、123d 内側電極部(内側接ガス対向部を含む)
23t、123t 内側端子接触部
24、124 外周面
25、125 外側電極層
25g、125g 接ガス部
25t、125t 外側端子接触部
30 内側端子部材
J 液位調整具

Claims (6)

  1. 固体電解質を基体とし、先端が閉じ、後端が開口し、軸線に沿う軸線方向に延びる中空筒状の形態を有し、その外周面の少なくとも一部を覆う外側電極層を含むガス検出素子と、
    上記外側電極層と互いに圧接して電気的に導通する外側端子部材と、を備える
    ガスセンサであって、
    上記外側電極層は、
    被測定ガスと接触する接ガス部と、
    上記接ガス部より後端側に位置し、上記外側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する外側端子接触部とを有し、
    上記外側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記接ガス部よりも高い硬度の外側硬質金属層を含む
    ガスセンサ。
  2. 固体電解質を基体とし、先端が閉じ、後端が開口し、軸線に沿う軸線方向に延びる中空筒状の形態を有するガス検出素子であって、
    その外周面の少なくとも一部を覆う外側電極層、及び、
    その内周面の少なくとも一部を覆う内側電極層を含む
    ガス検出素子と、
    上記内側電極層と互いに圧接して電気的に導通する内側端子部材と、を備える
    ガスセンサであって、
    上記外側電極層は、被測定ガスが接触する接ガス部を含み、
    上記内側電極層は、
    上記基体を挟んで、上記接ガス部に対向する位置に配置された内側接ガス対向部と、
    上記内側接ガス対向部より後端側に位置し、上記内側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する内側端子接触部とを有し、
    上記内側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記内側接ガス対向部よりも高い硬度の内側硬質金属層を含む
    ガスセンサ。
  3. 請求項2に記載のガスセンサであって、
    前記ガス検出素子の前記外側電極層と接触して電気的に導通する外側端子部材
    を備え、
    上記外側電極層は、
    前記接ガス部より後端側に位置し、上記外側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する外側端子接触部を有し、
    上記外側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記接ガス部よりも高い硬度の外側硬質金属層を含むガスセンサ。
  4. 固体電解質を基体とし、先端が閉じ、後端が開口し、軸線に沿う軸線方向に延びる中空筒状の形態を有するガス検出素子であって、
    その外周面の少なくとも一部を覆う外側電極層、及び、
    その内周面の少なくとも一部を覆う内側電極層を含む
    ガス検出素子と、
    上記内側電極層と互いに圧接して電気的に導通する内側端子部材と、を備える
    ガスセンサであって、
    上記外側電極層は、被測定ガスが接触する接ガス部を含み、
    上記内側電極層は、
    上記基体を挟んで、上記接ガス部に対向する位置に配置された内側接ガス対向部と、
    上記基体の内周面のうち後端から軸線方向先端側へ測って所定距離内に位置し、上記
    内側端子部材と互いに圧接して電気的に導通する内側端子接触部とを有し、
    上記内側端子接触部は、ビッカース硬さで、上記内側接ガス対向部よりも高い硬度の内側硬質金属層を含む
    ガスセンサの製造方法であって、
    上記内側硬質金属層を形成するメッキ工程であって、
    上記基体を、上記先端が鉛直方向上方となり上記後端が下方となる姿勢に保ち、
    上記基体のうち少なくとも後端を、メッキ液に接触させつつ、
    上記基体の内周面がなす内部空間において、上記後端よりも上方の所定位置に上記メッキ液の基体内液位を維持して、
    上記内側硬質金属層を形成するメッキ工程
    を備えるガスセンサの製造方法。
  5. 請求項4に記載のガスセンサの製造方法であって、
    前記メッキ工程に先立ち、
    前記基体内液位を調整する基体内液位調整工程
    を備えるガスセンサの製造方法。
  6. 請求項5に記載のガスセンサの製造方法であって、
    基体内液位調整工程は、
    前記基体の内部空間内に液位調整具が挿入され、前記メッキ液の前記基体内液位が上記基体の後端に略一致した状態から、上記基体を上記先端が鉛直方向上方となり、上記後端が下方となる姿勢に保ちつつ上記液位調整具を抜出して、上記基体内液位を前記所定位置まで上昇させる
    ガスセンサの製造方法。
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