JP4247025B2 - コンクリート部品を連結する連結部品の偏心補助部材、コンクリート部品の連結部品及びコンクリート部品の連結方法 - Google Patents
コンクリート部品を連結する連結部品の偏心補助部材、コンクリート部品の連結部品及びコンクリート部品の連結方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、セグメント等のコンクリート部品同士を連結する連結部品の偏心補助部材等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シールド工法によるトンネル壁体を構成するセグメント同士を連結する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。この連結構造は図9に示すように、一方のセグメント1の端部2に雄連結部50Aを形成し、他方のセグメント3の端部4に雌連結部50Bを形成し、この雄雌連結部50A,50Bを合体させることにより、セグメント1,3同士を連結するものである。
雄連結部50Aは、あらかじめセグメント1の端部2に埋め込まれたインサート金具51と、外周に形成されたねじ部52にナット部材53が螺着されインサート金具51に形成されたピン継手挿入孔54に一端55a側が挿入されるピン継手55と、ピン継手55の他端55b側を通すピン継手挿通孔56が形成されインサート金具51に取付けられてピン継手55を保持するピン継手保持部材57とを備える。即ち、インサート金具51のピン継手挿入孔54にピン継手55の一端55a側を挿入して、ピン継手55の他端55b側をピン継手挿通孔56に通してピン継手保持部材57をインサート金具51に取付けてなる。ピン継手保持部材57の内周面58及びインサート金具51の外周面59にはねじ部が形成されているので、これらねじ部を介してピン継手保持部材57をインサート金具51に取付けることで、ピン継手保持部材57によりナット部材53がインサート金具51の端面60に押し付けられてピン継手55が固定される。ピン継手挿通孔56及びピン継手挿入孔54の径はピン継手55の外周径より若干大きく形成され、かつ、ナット部材53の周面61とピン継手保持部材57との間に空間62が形成されている。
雌連結部50Bは、他方のセグメント3の端部4に形成された凹部63内に設けられた凹状係止部材64により構成される。凹状係止部材64の底部65には弾性部材66が設けられ、この弾性部材66の中央突起部66aにピン継手55の他端55bが突き当てられたときに弾性部材66の環状弾性部67により楔部材68が一点鎖線で示すように移動してピン継手55の他端55b側を把持する。
従って、雄連結部50Aのピン継手55の一端55b側を挿入孔68aに挿入して弾性部材66の中央突起部66aに突き当てることによりピン継手55の一端55b側が楔部材68により把持されてセグメント1,3同士が連結される。
尚、ピン継手挿通孔56及びピン継手挿入孔54とピン継手55との間及びナット部材53の周面61とピン継手保持部材57との間の空間62でピン継手55の移動可能空間が形成されているので、セグメント1,3同士が連結された後に、各セグメント1,3をずらそうとする応力が、ナット部材53とインサート金具51及びピン継手保持部材57との間に生ずる摩擦力を超えるとナット部材53とともにピン継手55が移動可能空間を介して移動可能となるので、連結後のセグメント1,3に加わる応力を緩衝することができ、応力によりセグメント1,3にクラックが発生することを防止できる。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−189299号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1による連結構造では、雄連結部50Aを形成するためにはセグメント1の端部2に現場でいちいちピン継手保持部材57を螺着してピン継手55を取付けなくてはならず、セグメント同士を連結する際の現場での作業が煩雑となる。尚、現場以外で予めセグメント1の端部2に雄連結部50Aを形成した状態(すなわち、ピン継手55を取付けた状態)で現場に納入することも考えられるが、この場合、セグメント1の運搬搬入時にピン継手55が破損したり、ピン継手55に衝撃が加わることにより雄連結部50Aが破壊されてしまう等の問題があり、好ましくない。
また、連結しようとする各セグメント1,3の雄雌連結部50A,50Bの位置が少しでもずれていればセグメント同士の連結に支障を来すが、特許文献1では、ピン継手55の取付けの際にピン継手保持部材57を締め付けてピン継手55が動かないように固定するので、セグメント同士の連結の際に雄雌連結部50A,50Bの位置がずれている場合は、位置ずれを直すためにピン継手保持部材57を緩めてピン継手55の位置を調整しなくてはならず、セグメント同士を連結する際の現場での作業が煩雑となる。
本発明は、セグメント等のコンクリート部品同士が連結された後に各コンクリート部品をずらそうとする応力を緩衝できてコンクリート部品にクラックが発生することを防止できるとともに、コンクリート部品同士を連結する際の現場での作業を簡単にできるコンクリート部品の連結用に用いる偏心補助部材等を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るコンクリート部品を連結する連結部品の偏心補助部材は、一方が開放された開放部を有する有底箱体とこの有底箱体の底裏面より突出する第1の連結材取付部とを備えた第1部材と、第2の連結材取付部とこの第2の連結材取付部の根元に設けられたベースとを備えた第2部材と、有底箱体の開放部を塞ぐように有底箱体に取付けられるとともに第2の連結材取付部を通す挿通孔が形成された第2部材保持部材とを備え、第2部材のベースが有底箱体と第2部材保持部材とで構成される収納空間に収納され、かつ、第2の連結材取付部が挿通孔を介して第1の連結材取付部とは反対側に突出して成り、第2部材が収納空間及び挿通孔を介して移動可能に構成され、有底箱体が円筒状に形成され、この円筒体の内周又は外周にねじ部を有し、第2部材保持部材の外周又は内周にねじ部を有し、これらねじ部を介して有底箱体と第2部材保持部材とが着脱可能に取付けられたものとした。
また、第1の連結材取付部及び第2の連結材取付部はねじ棒により形成された偏心補助部材とした。
また、有底箱体の底内面とベースとの間及び有底箱体の底内面と対向する第2部材保持部材の内面とベースとの間のうちの少なくとも一方に弾性部材が介挿された偏心補助部材とした。
本発明による上記偏心補助部材を用いたコンクリート部品の連結部品は、連結しようとする一方のコンクリート部品の端部に形成された連結部に連結される連結材が上記第1の連結材取付部に取付けられ、連結しようとする他方のコンクリート部品の端部に形成された連結部に連結される連結材が上記第2の連結材取付部に取付けられたものとした。
本発明による上記偏心補助部材を用いたコンクリート部品の連結方法は、上記第1の連結材取付部と第2の連結材取付部とに同じ連結材を取付けるとともに、連結しようとする各コンクリート部品の各端部に連結材により連結される連結部を形成しておき、第1の連結材取付部に取付けられた連結材を一方のコンクリート部品の連結部に連結し、第2の連結材取付部に取付けられた連結材に他方のコンクリート部品の連結部を連結するようにした。
また、上記方法において、連結材はホールインアンカーにより形成され、連結部はホールインアンカーが固定される連結孔により形成されたものとした。
また、上記方法において、連結しようとするコンクリート部品がシールド工法によるトンネル壁体を構成するセグメントであり、トンネル壁体のトンネル進行方向におけるセグメント間を連結するようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1はコンクリート部品としてのセグメントを連結する連結部品の偏心補助部材を示す断面図、図2は偏心補助部材の分解図、図3はセグメント連結用の連結部品を示す図、図4,5は偏心補助部材を用いたセグメントの連結方法を示す図である。
図1,2に示すように、実施の形態1による偏心補助部材10は、第1部材20と第2部材30と第2部材保持部材40とにより構成される。
第1部材20は、一方が開放された開放部21を有する円筒状の有底箱体22とこの有底箱体22の底裏面23の円中心より突出する如く設けられた第1の連結材取付部としての第1ねじ棒24とを備える。第1ねじ棒24は外周にねじ部25が形成されたボルト状のものである。
第2部材30は、第2の連結材取付部としての第2ねじ棒31とこの第2ねじ棒31の根元32に設けられた円形ベース33とを備える。円形ベース33の円径は第2ねじ棒31の棒径より径が大きく、第2ねじ棒31は円形ベース33の一方の円形面34の中央より突出する如く設けられている。第2ねじ棒31は外周にねじ部35が形成されたボルト状のものである。
第2部材保持部材40は、有底箱体22の開放部21を塞ぐよう取付けられるものであって、有底箱体22の円筒収納部22aの円筒内径に対応する径に形成された円形蓋部41の円形面42,43の中央を貫通するように第2ねじ棒31を通すための挿通孔44が形成され、円形蓋部41の内側の円形面43の周縁より円形蓋部41の軸方向に延長する円筒フランジ45を備え、円形面43と円筒フランジ45の内周面45aとにより第2部材30の円形ベース33を収納するベース収納部46が形成される。円筒フランジ45の外周には、有底箱体22の円筒収納部22aの筒内周26に形成されたねじ部27に螺合するねじ部47が形成されている。
【0007】
即ち、偏心補助部材10は、第2部材30の円形ベース33を有底箱体22の円筒収納部22a内に収納した状態で第2ねじ棒31を第2部材保持部材40の挿通孔44に通した後、第2部材保持部材40のねじ部47を有底箱体22のねじ部27に螺着することにより、第2部材保持部材40のベース収納部46に第2部材30の円形ベース33が収納されて第2ねじ棒31が第1ねじ棒24と反対方向に突出する状態に組立てられる。
【0008】
尚、ベース収納部46の高さH1は円形ベース33の高さH2より例えば2〜3mm程度高く形成されており、ベース収納部46の円筒内周径は円形ベース33の円径より例えば4〜6mm程度大きい径に形成されており、挿通孔44の径は第2ねじ棒31の径より例えば4〜6mm程度大きい径に形成されている。また、挿通孔44に対応する第2ねじ棒31の外周にはねじ部35は形成されていない。
従って、図1のように偏心補助部材10が組立てられた状態においては、有底箱体22と第2部材保持部材40とで形成される収納空間75a及び挿通孔44を介して第2部材30が第2ねじ棒31の軸方向(第2ねじ棒31の軸に沿った方向)及び径方向(第2ねじ棒31の軸方向と直交する方向)に移動可能に構成されている。即ち、ベース収納部46の高さH1と円形ベース33の高さH2との差により形成される隙間70を介して第2部材30が第2ねじ棒31の軸方向に移動可能となっているとともに、円形ベース33と第2部材保持部材40との間の隙間71を介して円形ベース33が第2ねじ棒31の径方向に移動可能となっており、さらに、第2ねじ棒31と挿通孔44との間の隙間72aを介して第2ねじ棒31が径方向に移動可能となっている。
【0009】
さらに、図3に示すように、偏心補助部材10の第1ねじ棒24と第2ねじ棒31とに同じ連結材であるホールインアンカー72,73を取付けることで、連結部品80が構成される。この連結部品80により、以下に述べるように、トンネル壁体のトンネル進行方向におけるセグメント間を連結できる。
【0010】
即ち、第1ねじ棒24に取付けられたホールインアンカー72を、連結しようとする一方のセグメント1の端部2に形成された連結部としての連結孔90に挿入すると、図4に示すように、ホールインアンカー72の楔部材74がホールインアンカー本体75の先割部76を拡開してこの先割部76を連結孔90の内周面91に押し付けるために連結孔90内にホールインアンカー72が固定され、よって、連結部品80が一方のセグメント1の端部2に固定される。次に、一方のセグメント1の端部2に連結しようとする他方のセグメント3の端部4に形成された連結孔92(一方のセグメント1の端面2に形成された連結孔90と同じもの)内に第2ねじ棒31に取付けられたホールインアンカー73を挿入した状態で他方のセグメント3を一方のセグメント1の方向に押し付けることにより、図5に示すように、ホールインアンカー73が連結孔92内に固定されて、一方のセグメント1の端部2に他方のセグメント3の端部4が連結される。以上を繰り返していくことにより、トンネル壁体のトンネル進行方向におけるセグメント間を簡単に連結していくことができる。この方向のセグメント間の連結はリング継手と称される。
【0011】
実施の形態1によれば、他方のセグメント3を連結しようとするとき、一方のセグメント1の第2ねじ棒31に取付けられているホールインアンカー73の中心位置と他方のセグメント3の連結孔92の中心位置とがずれている場合には、第2部材30を第2ねじ棒31の径方向に移動させることができるので、位置ずれを調整でき、現場でのセグメント連結作業が容易になる。つまり、特許文献1のように、いちいち保持部材57を緩めてピン継手55の位置を調整する必要が無くなる。
【0012】
また、セグメント1,3の連結後に、各セグメント1,3をずらそうとする応力が働いた場合には、第2ねじ棒31が移動することにより、セグメント1,3に対する応力集中を緩衝でき、セグメント1,3にクラックが発生するような事態を防止できる。
【0013】
また、実施の形態1による連結部品80は、現場に納入する前に組立てておけるので、現場作業としては、連結材としてのホールインアンカー72,73をセグメント1,3の連結孔90,92に連結すればよいだけなので、現場作業が簡単になる。
【0014】
また、上記では、第1ねじ棒24と第2ねじ棒31とに同じ連結材として雄連結材であるホールインアンカー72,73を取付けるとともに、連結しようとする各セグメント1,3の各端部2,4にホールインアンカー72,73が連結される連結孔90,92及び有底箱体22を収める収納孔97,98を形成しておき、第1ねじ棒24に取付けられたホールインアンカー72を一方のセグメント1の連結孔90に連結し、第2ねじ棒31に取付けられたホールインアンカー73に他方のセグメント3の連結孔92を連結するようにしたので、連結部品80とセグメント1,3との連結構造をホールインアンカーと連結孔とによる簡単な構造とできるので、施工コストを低減できるとともに、各セグメントの両端部を同一構造とできるために、セグメントを裏返しに使用することが可能となる。これにより、インバートを有するセグメント及び非円形セグメント等のように、テーパセグメントが上下左右それぞれに必要なシールドでは、セグメントの種類を減らすことが可能となり、コストダウンが図れる。
また、第1ねじ棒24と第2ねじ棒31とに同じ連結材として雌連結材を取付けるようにし、連結しようとする各セグメントの連結孔内に雌連結材と連結する雄連結材を取付けておくようにしても各セグメントの両端部を同一構造とできるために上記と同様な効果が得られる。
【0015】
また、偏心補助部材10における第1,第2の連結材取付部を第1,第2ねじ棒24,31により形成し、ホールインアンカー等の連結材を着脱する構造をねじによる簡単な構成としたので、偏心補助部材10のコストを低減できる。
【0016】
また、偏心補助部材10における有底箱体22と第2部材保持部材40とをねじ部27,47を介して着脱可能とし、有底箱体22と第2部材保持部材40との着脱構造をねじによる簡単な構成としたので、偏心補助部材10のコストを低減できる。
【0017】
従って、トンネル壁体のトンネル進行方向におけるセグメント間を連結する施工コストを低減できる。
【0018】
実施の形態2
トンネル壁体のトンネル進行方向におけるセグメント間の連結部においては、シールドの縦断方向の耐震性能を図るために柔軟性が求められる。そこで、図6〜8に示すように、有底箱体22の底内面28と円形ベース33の一方の円形面34aとの間及び有底箱体22の底内面28と対向する第2部材保持部材40の内面48と円形ベース33の他方の円形面34との間にゴム等の弾性部材95,96を介挿して偏心補助部材10A及び連結部品80Aを構成することにより、弾性部材95,96による耐震性能が図れ、耐震検討が必要な地盤にトンネルを構成する場合においても対応可能となる。
尚、有底箱体22の底内面28と円形ベース33の一方の円形面34aとの間及び有底箱体22の底内面28と対向する第2部材保持部材40の内面48と円形ベース33の他方の円形面34との間のうちの一方の間にだけ弾性部材を介挿するようにしてもよい。
【0019】
図3,4,5,8において、第1ねじ棒24、第2ねじ棒31、ホールインアンカーの先割部と重なっている楔部材74の部分は、本来は破線で示されるべきであるが、各図においては、構成を明確にするためこれらの部分を実線で示している。
【0020】
尚、いずれか一方のねじ棒に連結材として雄連結材を取付け、これを連結するセグメントの連結孔内には雌連結材を設けておき、他方のねじ棒には連結材として雌連結材を取付け、これを連結するセグメントの連結孔内には雄連結材を設けておくようにしてもよい。
【0021】
また、上記では、第2部材保持部材40がねじ締結された状態で第2部材保持部材40が第1部材20の有底箱体22の円筒収納部22a内に収まるような構造としたために、有底箱体22を収める収納孔97,98(図4,5等参照)を各セグメント1,3の端部2,4に形成する際に、有底箱体22の外周径より若干径の大きい同一の収納孔97,98を画一的に形成すればよい。
また、有底箱体22の裏底面23の径より有底箱体22の円筒収納部22aの外径を小さくして、この円筒収納部22aの外周に第2部材保持部材をねじ締結するようにしてもよい。この場合でも、第2部材保持部材の外周径と有底箱体の裏底面23の径とを精度よく一致させることにより、各セグメントの端面に形成する収納孔を画一的に形成することができる。
以上により、各セグメントの両端部を確実に同一構造とできるために、セグメントを裏返しに使用することができるようになって、セグメントの種類を減らすことが可能となり、コストダウンが図れる。
【0022】
また、上記では、第1及び第2の連結材取付部を第1及び第2ねじ棒24,31により形成したが、連結材に設けられた係合手段と着脱可能な係合手段を備えた連結材取付部としてもよい。例えば、連結材に設けられた雄又は雌形状の係合手段に対応する雌又は雄形状の係合手段を備えた連結材取付部としてもよい。ただし、このような係合手段を設けることはコスト的に高価になる場合が多い。これに対して、実施の形態1,2のように、偏心補助部材10,10Aにおける連結材取付部をねじ棒により形成し、連結材を着脱する構造をねじによる簡単な構成とすることにより、偏心補助部材10,10Aのコストを低減できるという効果が得られる。
【0023】
また、上記では、有底箱体22と第2部材保持部材40とをねじにより着脱可能な構成としたが、有底箱体22と第2部材保持部材40とにそれぞれ対応する係合手段を設けて両者を係合により着脱可能な構成としてもよい。ただし、この場合も係合手段を設けることによりコスト的に高価になる場合が多い。一方、実施の形態1,2のように、偏心補助部材10における有底箱体22と第2部材保持部材40とをねじ部27,47を介して着脱可能とし、有底箱体22と第2部材保持部材40との着脱構造をねじによる簡単な構成とすることにより、偏心補助部材10,10Aのコストを低減できるという効果が得られる。
【0024】
また、第2部材30を移動可能にできればよいので、ベースは円形ベース33以外の形状のベースでもよい。
【0025】
また、本発明による偏心補助部材10,10A、連結部品80,80A、連結方法は、セグメント以外のコンクリート部品を連結する場合においても適用可能である。
【0026】
【発明の効果】
本発明の請求項1の偏心補助部材によれば、第2部材が収納空間及び挿通孔を介して移動可能に構成されたので、コンクリート部品同士の連結後にコンクリート部品にクラックが発生することを防止できるとともに、コンクリート部品同士を連結する際の現場での作業を簡単にでき、さらに、有底箱体と第2部材保持部材とがねじ部を介して着脱可能に構成されたので、有底箱体と第2部材保持部材との着脱構造を簡単にでき、偏心補助部材のコストを低減できる。
請求項2によれば、第1の連結材取付部及び第2の連結材取付部をねじ棒により形成したので、連結材を着脱する構造を簡単にでき、偏心補助部材のコストを低減できる。
請求項3によれば、柔軟性のある耐震性能を備えた偏心補助部材を得ることができる。
請求項4の連結部品によれば、上述した効果の他に、現場に納入する前に連結部品を組立てておけるので、現場作業としては、連結材をコンクリート部品の連結部に連結すればよいだけとなり、現場作業が簡単になる。
請求項5の連結方法によれば、連結材及びコンクリート部品として同一のものを使用できるようになるので、連結材及びコンクリート部品のコスト及び施工コストを低減できる。
請求項6によれば、連結部品とコンクリート部品との連結構造をホールインアンカーと連結孔とによる簡単な構造とできるので、施工コストを低減できる。
請求項7によれば、トンネル壁体のトンネル進行方向におけるセグメント間の連結において上記効果が得られる。また、セグメントを裏返しに使用することが可能となり、インバートを有するセグメント及び非円形セグメント等のように、テーパセグメントが上下左右それぞれに必要なシールドでは、セグメントの種類を減らすことが可能となり、コストダウンが図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による偏心補助部材を示す断面図。
【図2】 実施の形態1による偏心補助部材の分解図。
【図3】 実施の形態1による連結部品を示す図。
【図4】 実施の形態1によるセグメントの連結方法を示す図。
【図5】 実施の形態1によるセグメントの連結方法を示す図。
【図6】 本発明の実施の形態2による偏心補助部材を示す断面図。
【図7】 実施の形態2による偏心補助部材の分解図。
【図8】 実施の形態2の連結部品を用いたセグメントの連結状態を示す図。
【図9】 従来の連結部品を用いたセグメントの連結方法を示す図。
【符号の説明】
1,3 セグメント(コンクリート部品)、10,10A 偏心補助部材、
20 第1部材、21 開放部、22 有底箱体、23 底裏面、
24 第1ねじ棒(第1の連結材取付部)、27 ねじ部、30 第2部材、
31 第2ねじ棒(第2の連結材取付部)、33 円形ベース(ベース)、
40 第2部材保持部材、44 挿通孔、72,73 ホールインアンカー(連結材)、75a 収納空間、80,80A 連結部品、
90,92 連結孔(連結部)、95,96 弾性部材。
Claims (7)
- 一方が開放された開放部を有する有底箱体とこの有底箱体の底裏面より突出する第1の連結材取付部とを備えた第1部材と、第2の連結材取付部とこの第2の連結材取付部の根元に設けられたベースとを備えた第2部材と、有底箱体の開放部を塞ぐように有底箱体に取付けられるとともに第2の連結材取付部を通す挿通孔が形成された第2部材保持部材とを備え、第2部材のベースが有底箱体と第2部材保持部材とで構成される収納空間に収納され、かつ、第2の連結材取付部が挿通孔を介して第1の連結材取付部とは反対側に突出して成り、第2部材が収納空間及び挿通孔を介して移動可能に構成され、有底箱体が円筒状に形成され、この円筒体の内周又は外周にねじ部を有し、第2部材保持部材の外周又は内周にねじ部を有し、これらねじ部を介して有底箱体と第2部材保持部材とが着脱可能に取付けられたことを特徴とするコンクリート部品を連結する連結部品の偏心補助部材。
- 第1の連結材取付部及び第2の連結材取付部はねじ棒により形成されたことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート部品を連結する連結部品の偏心補助部材。
- 有底箱体の底内面とベースとの間及び有底箱体の底内面と対向する第2部材保持部材の内面とベースとの間のうちの少なくとも一方に弾性部材が介挿されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンクリート部品を連結する連結部品の偏心補助部材。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の偏心補助部材を用いたコンクリート部品の連結部品であって、連結しようとする一方のコンクリート部品の端部に形成された連結部に連結される連結材が上記第1の連結材取付部に取付けられ、連結しようとする他方のコンクリート部品の端部に形成された連結部に連結される連結材が上記第2の連結材取付部に取付けられたことを特徴とするコンクリート部品の連結部品。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の偏心補助部材を用いたコンクリート部品の連結方法であって、上記第1の連結材取付部と第2の連結材取付部とに同じ連結材を取付けるとともに、連結しようとする各コンクリート部品の各端部に連結材により連結される連結部を形成しておき、第1の連結材取付部に取付けられた連結材を一方のコンクリート部品の連結部に連結し、第2の連結材取付部に取付けられた連結材に他方のコンクリート部品の連結部を連結することを特徴とするコンクリート部品の連結方法。
- 連結材はホールインアンカーにより形成され、連結部はホールインアンカーが固定される連結孔により形成されたことを特徴とする請求項5に記載のコンクリート部品の連結方法。
- 連結しようとするコンクリート部品がシールド工法によるトンネル壁体を構成するセグメントであり、トンネル壁体のトンネル進行方向におけるセグメント間を連結することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のコンクリート部品の連結方法。
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JP2003089832A JP4247025B2 (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | コンクリート部品を連結する連結部品の偏心補助部材、コンクリート部品の連結部品及びコンクリート部品の連結方法 |
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