JP4245547B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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また、おむつの交換は排尿に伴ってその一部がよごれた場合でもおむつ全体を交換するため、その経済的負担が大きいばかりではなく廃棄物の量が増大するという問題もある。
しかしながら、補助吸収体をおむつの内表面側に配置しただけでは、その交換のために、一旦おむつを外して汚れた補助吸収体を取り出すことが必要で、おむつ全体を交換するものに比べて経済的には有利ではあるが、その交換に要する労力的或いは精神的負担はとくに軽減されるわけではなく、問題を完全に解決し得るものではなかった。
また、特許文献2に記載されたおむつ(吸収性物品)では、尿を吸収したパネル部材を前記ポケットから一つずつ引き出すだけで未使用のパネル部材と交換することができ、特許文献1に記載されたもののようにその都度補助吸収体をおむつ内にセットする必要はない。しかし、このおむつは、パネル部材(補助吸収体)を収容したポケットを腹側部或いは背側部の後部シートに固定する構造であって、股間部分にはパネル部材(補助吸収体)が存在しておらず、股間部分から尿が染みだすおそれがある。
請求項2の発明は、請求項1に記載された吸収性物品において、前記通路は、吸収性パッドに形成された開口で形成し、上側吸収性パッドは、下側吸収性パッドの開口を通して取り出し可能であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載された吸収性物品において、前記通路は、並置した吸収性パッドの対向縁で形成し、上側吸収性パッドは下側吸収性パッドの前記対向縁間を通して取り出し可能であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1に記載された吸収性物品において、前記通路は、吸収性パッドの間隔をあけて並置した吸収体の対向縁で形成し、上側吸収性パッドは下側吸収性パッドの前記対向縁間を通して取り出し可能であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1に記載された吸収性物品において、前記通路は、吸収性パッドの並置した吸収体の通過方向に折り曲げた端部同士を付き合わせた前記付き合わせ端部で形成し、上側吸収性パッドは下側吸収性パッドの前記付き合わせ端部間を通して取り出し可能であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1に記載された吸収性物品において、前記通路は、吸収性パッドの隣接端を重ねて併置した吸収体の前記隣接端で形成し、上側吸収性パッドは下側吸収性パッドの前記隣接端間を通して取り出し可能であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載された吸収性物品において、前記吸収性パッドは、該吸収性パッドに止着した引き出し手段を備えたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7に記載された吸収性物品において、前記引き出し手段は、前記外包体の開口から露出した部分を有することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項7又は8に記載された引き出し手段は紐又は帯状片であることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項9に記載された紐又は帯状片は、当該紐又は帯状片が止着された吸収性パッドの識別手段を有することを特徴とする。
また、汚れた吸収性パッドは股下部の開口から取り出せるから、着用者を仰向けにした状態で吸収性パッドの取り替え作業を行うことができ、かつ引き出し手段を設けることで、取り出しを一層容易に行うことができる。
更に、従来のように着用者を作業中に横向きにするなどの身体の移動を最小にでき、作業者及び着用者の双方にとって負担を軽減することができ、かつ尿は外包体に直接触れずにそのまま吸収性パッドに吸収されるため衛生的である。
図1は、本発明の使い捨ておむつ10の展開図であり、図1Aは、外包体の一実施形態である使い捨ておむつ本体の平面図、図1Bは吸収性パッドの一実施形態である尿取りパッドの斜視図である。
本実施形態に係る使い捨ておむつは、使い捨ておむつ本体20と、前記おむつ本体20内に積層状に配置される複数の尿取りパッド30とからなっている。
使い捨ておむつ本体20は、図1Aに示すように、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部Aと、着用者の背側に位置する背側部Bと、腹側部Aと背側部Bとの間に位置し、着用持に着用者の股下部に位置する股下部Cとからなり、腹側部Aと背側部Bそれぞれの両側部同士が接合手段により相互に接合されて、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成される。股下部Cは、その両側縁部が、前記レッグ開口部の開口縁部となっていると共に、使い捨ておむつ本体20から尿取りバッド30を取り出すための開口22がその長手方向略中央部に形成されている。
前記引き出し紐40の他端は、図3Aに示すように、使い捨ておむつ本体20内に積層配置した尿取りパッド30の下側の尿取りパッド30の開口32を通り、さらに使い捨ておむつ本体の開口22から使い捨ておむつ本体の外部に引き出されている。
図4Aに示す引き出し紐40は、その一端部が尿取りパッド30の表面シート35a上に接着剤による接着やヒートシール、超音波シール等の熱融着等の手段で止着され、かつ他端部は略中央に設けた開口32を通って下方に延びる構成を採っている。
図4Bは、尿取りパッド30の中央に設けた開口32の端部近傍で表面シート35aに接着剤による接着やヒートシール等の熱融着等で止着した別の形態の引き出し紐40を示す。この場合は、前記紐40の一端部を前記開口32に略平行に止着し、前記紐40の他端部を前記開口32を通って下方に延びる構成を採っている。
この引き出し紐40は、使い捨ておむつ本体20の開口22から露出した部分は輪状となるため、この部分に指を掛けて汚れた尿取りパッド40を引き出すことができる。なお、図中矢印は、尿取りパッド製造工程における搬送方向を示す。つまり、同工程では前記引き出し紐40の止着方向を考慮して、矢印の方向に搬送する。
図5Aは、第2の実施形態に係る尿取りパッド30の平面図であり、図5BはそのX−X線に沿った断面図である。
この尿取りパッド30は、第1の実施形態が備える開口32を備えず、代わりに比較的小さな二つの尿取りパッド30a、30bを並べて配置し、両尿取りパッド30aと30bの隣接端部間はその長手方向端部のみを接着剤等で容易に分離可能に接合し、両パッド間を開放可能にしておく。
これにより、上側の尿取りパッド30a、30bが汚れたときは、図に示す紐40a、40bを引くことにより、下側の尿取りパッド30の対向端部間を押し開いて通過させ、使い捨ておむつ本体20の開口22から取り出すことができる。また、一方のみが汚れた場合には、一方の紐例えば紐40を引くことにより、一方の尿取りパッド30のみを使い捨ておむつ本体20から取り出すことができる。こうすることにより、尿取りパッドをよりきめ細かく取り替えることができ、尿取りパッドの無駄を省き、一層経済的にできかつ、廃棄物の容量も小さくできる。
この尿取りパッド30は、図6Aに示すように、二つの吸収体34を並置して、その上に隣接端部間の長手方向端部のみを接着剤等42で容易に分離可能に接合した表面シート35aを重ねて、またその下に表面シート35aと同様に接合した裏面シート35bを重ねて接合し、かつ前記表面シート35a、裏面シート35bの周縁を接合して前記吸収体34を封止した構成からなっている。
この尿取りパッド30は、図6Bに示すように、一方の吸収体34の上面を表面シート35aに接合し、かつ他方の吸収体34は、予め引き出し紐40を止着した裏面シート35bにその裏面を接合しておき、これら吸収体34の端部を隣接配置し、しかる後前記表面シート35aと裏面シート35bの周縁を接合封止38することで形成される。
この尿取りパッド30を取り出すときは、上側の尿取りパッド30を下側の並べて配置された吸収体34間の対向縁間を拡開して引き出す。
この実施形態では、吸収体34の一端を重ねて配置し、その周りを表面シート35aと裏面シート35bとで覆い、表面シート35aと裏面シート35bの周縁部を接合した構成である。この構造では、重なった表面シート35a及び裏面シート35b、及び吸収体34の略中央部分は接着していないので図面で下方に力を加えて押し拡げることにより開き、その間から上側に配置された尿取りパッド30を引き出すことができる。
この吸収体34の突き合わせ構造は、図7に示す吸収体を重ねた構造の尿取りパッド30において、上方から上側の吸収体端部を下方に押し、下側の吸収体の端部を越えて押し込むことで形成することができる。
上側の尿取りパッド30を取り出すときは、その尿取りパッド30を引っ張ることで前記突き合わせた端部間を押し開き通過させる。この尿取りパッド30を用いると、下側の尿取りパッド30の並置した吸収体34の端部が予め通過方向に折り曲げてあるから、尿取りパッド30を引き出す際の通路が形成し易く、従ってより容易に引き出すことができる。
ここでは、使い捨ておむつ本体20は、図1Aに示したもの、つまり、表面シート25aと裏面シート25b及びこれらの間に配置された吸収体24に開口22を設けたものであり、かつ、尿取りパッド30は、図7に関連して説明した構成のものを2枚重ねて前記使い捨ておむつ本体20中に配置している。
なお、図9において、尿取りパッド30は以上で述べた他の構成のものでもよく、使い捨ておむつ本体20も既に説明した実施形態に限らず、例えばパンツ型のものであってもよい。
この使い捨ておむつ本体20の製造方法として、図10は、連続液不透過性ウエブとして、例えばポリエチレンウエブ45を切断して表面シート及び裏面シートとなる各ストリップを形成する工程を示す。この工程では、アンビルロール50と対向して突出したカッティングエッジ48を備えたカッターロール46で連続ポリエチレンウエブ45をストリップ45a、45bに切断する。その際、カッティングエッジ48の形状は、ロール46上の切断模様で形成する。
裏面シートF1と同一の形状の液体透過性材料でできたウエブ状の表面材(表面シート)F2を、液不透過性材料でできたウエブ状の裏面シートF1と位置を合わせて吸収体24上に重ねる。そして、隣接する吸収体間において、各シート(表面シートと裏面シート間に吸収体が存在しない位置)は、接着剤又は加熱や超音波により接合することもできる。
表面シートF1及び裏面シートF2間の接着は、組み立て工程及び封止工程(図示せず)の間で接着剤により、又は熱接着により行うことができる。
また、吸収体24としては、フラップパルプと吸収ポリマーからなる吸収材を不織布などの台紙で包む構成にすることにより、内部の尿取りパッドを交換する際に吸収体が崩壊することを抑制することができる。更に、吸収体を用いず、裏面シート及び表面シートを接合してもよい。この場合、使い捨ておむつ本体自体は吸収性を持たないが、吸収物品としては、尿取りパッドで十分な吸収性を維持することができる。
Claims (10)
- 着用者の腹側に位置する腹側部と、背側に位置する背側部と、腹側部と背側部との間に位置し着用者の股下に位置する股下部とからなる外包体と、該外包体内に積層配置される複数の吸収性パッドとを備えた吸収性物品であって、
前記外包体は前記吸収性パッド取り出し用の開口を備えると共に、吸収性パッドは積層された上側吸収性パッドを取り出すための通路を形成し、吸収性パッドが前記通路及び開口を通して取り出し可能であることを特徴とする吸収性物品。 - 請求項1に記載された吸収性物品において、
前記通路は、吸収性パッドに形成された開口で形成し、上側吸収性パッドは、下側吸収性パッドの開口を通して取り出し可能であることを特徴とする吸収性物品。 - 請求項1に記載された吸収性物品において、
前記通路は、並置した吸収性パッドの対向縁で形成し、上側吸収性パッドは下側吸収性パッドの前記対向縁間を通して取り出し可能であることを特徴とする吸収性物品。 - 請求項1に記載された吸収性物品において、
前記通路は、吸収性パッドの間隔をあけて並置した吸収体の対向縁で形成し、上側吸収性パッドは下側吸収性パッドの前記対向縁間を通して取り出し可能であることを特徴とする吸収性物品。 - 請求項1に記載された吸収性物品において、
前記通路は、吸収性パッドの並置した吸収体の通過方向に折り曲げた端部同士を付き合わせた前記付き合わせ端部で形成し、上側吸収性パッドは下側吸収性パッドの前記付き合わせ端部間を通して取り出し可能であることを特徴とする吸収性物品。 - 請求項1に記載された吸収性物品において、
前記通路は、吸収性パッドの隣接端を重ねて併置した吸収体の前記隣接端で形成し、上側吸収性パッドは下側吸収性パッドの前記隣接端間を通して取り出し可能であることを特徴とする吸収性物品。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載された吸収性物品において、
前記吸収性パッドは、該吸収性パッドに止着した引き出し手段を備えたことを特徴とする吸収性物品。 - 請求項7に記載された吸収性物品において、
前記引き出し手段は、前記外包体の開口から露出した部分を有することを特徴とする吸収性物品。 - 請求項7又は8に記載された引き出し手段は紐又は帯状片であることを特徴とする吸収性物品。
- 請求項9に記載された紐又は帯状片は、当該紐又は帯状片が止着された吸収性パッドの識別手段を有することを特徴とする吸収性物品。
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