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JP4244481B2 - スピーカー用振動板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカー用振動板に関する。より詳細には、本発明は、優れた弾性率とリサイクル性とを併せて有するスピーカー用振動板に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スピーカー用振動板を形成する材料としては、パルプ、熱可塑性樹脂、FRP(繊維強化プラスチック)等が用いられている。近年、環境問題が重要視されるようになり、スピーカー用振動板にもリサイクル性が求められるようになってきており、特に車載用スピーカーにおいてこの要求が強い。
【0003】
上記材料のうち実用上利用可能なリサイクル性を有しているのは、オレフィン樹脂(熱可塑性樹脂の一種)のみである。しかし、オレフィン樹脂単独では実用的な弾性率が得られないので、マイカや炭素繊維等の無機系強化材を添加して用いなければならない。このような強化材は、リサイクル(例えば、再ペレット化)に悪影響を与える。その結果、オレフィン樹脂自体はリサイクル性を有していても、実用上十分なリサイクル性を有するスピーカー用振動板は得られない。
【0004】
以上のように、リサイクル性と弾性率とを同時に満足するスピーカー用振動板が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、優れた弾性率とリサイクル性とを併せて有するスピーカー用振動板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、振動板を形成する材料について鋭意検討した結果、オレフィン−マレイミド共重合体を用いることにより、優れた弾性率とリサイクル性とを併せて有するスピーカー用振動板が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明のスピーカー用振動板は、式(I)で表されるオレフィン−マレイミド共重合体を主成分として含有する樹脂組成物から形成される:
【化2】
Figure 0004244481
【0008】
ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、あるいは1〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基であり;R3は、H、あるいは1〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキレン基であり;nは1000〜1000000の整数であり;aおよびbは、それぞれ独立して、1〜3の整数である。
好ましい実施態様においては、本発明のスピーカー用振動板は、再ペレット化された上記樹脂組成物から形成した場合に、95%以上の強度保持率を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のスピーカー用振動板は、オレフィン−マレイミド共重合体を主成分として含有する樹脂組成物から形成される。ここで、「主成分として含有する」とは、組成物中に50重量%以上の割合で含有されることを意味する。従って、用語「樹脂組成物」は、オレフィン−マレイミド共重合体単独をも包含する。
本発明に用いられるオレフィン−マレイミド共重合体は、以下の式(I)で表される:
【0010】
【化3】
Figure 0004244481
【0011】
ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、あるいは1〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基であり;R3は、H、あるいは1〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキレン基であり;nは1000〜1000000の整数であり;aおよびbは、それぞれ独立して、1〜3の整数である。
【0012】
好ましくは、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、あるいは1〜4個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基であり;R3は、H、あるいは1〜4個の炭素原子を有する直鎖状アルキレン基である。さらに好ましくは、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、メチル基またはエチル基であり;R3は、H、メチレン基またはエチレン基である。最も好ましくは、R1はメチル基であり、R2はHであり、および、R3はエチレン基である。共重合体の繰り返し単位がこのような化学構造を有することにより、密度が小さく、かつ、適切なガラス転移温度を有する共重合体が得られるからである。その結果、軽量で、かつ、優れた成形性、熱変形性および弾性率を有する振動板が得られる。
【0013】
式(I)において、n(すなわち、重合度)は、好ましくは10000〜100000であり、さらに好ましくは20000〜30000である。このような重合度を有する共重合体を用いることにより、優れた成形性を有する振動板が得られるからである。aとbとの比率(すなわち、マレイミドモノマーとオレフィンモノマーのモル比)は、好ましくは1/1〜2/1である。特に好ましくは、共重合体は交互共重合体である。このような比率を有する共重合体を用いることにより、優れた弾性率、内部損失およびリサイクル性を有する振動板が得られるからである。
【0014】
本発明に用いられる樹脂組成物は、上記共重合体を主成分として(すなわち、50重量%以上の割合で)含有する。当該組成物は、上記共重合体を好ましくは80重量%以上の割合で、さらに好ましくは90重量%以上の割合で含有する。必要に応じて、当該樹脂組成物は、任意の適切な添加剤(例えば、着色剤、酸化防止剤、離型剤、老化防止剤、光安定剤)を含有し得る。当該樹脂組成物は、例えばペレットとして東ソー株式会社から市販されている。
【0015】
本発明のスピーカー用振動板は、上記樹脂組成物を任意の適切な方法で成形することにより得られる(例えば、上記樹脂組成物を射出成形することにより得られる)。射出成形は、任意の適切な条件下で行われ得る。
【0016】
本発明のスピーカー用振動板は、任意の適切なスピーカーに用いられ得るが、特に、車載用スピーカーに好適に用いられ得る。
【0017】
以下、本発明の作用について説明する。
本発明によれば、オレフィン−マレイミド共重合体を用いてスピーカー用振動板が形成される。オレフィン−マレイミド共重合体は、それ自身が非常に高い弾性率を有するので、ガラス繊維等の強化材を添加することなく、実用上十分な弾性率を有するスピーカー用振動板が得られる。しかも、オレフィン−マレイミド共重合体は、スピーカー用材料として現在最も優れたリサイクル性を有するポリプロピレンと同等のリサイクル性を有する。従って、オレフィン−マレイミド共重合体を用いることにより、従来は両立させることができなかった弾性率とリサイクル性とを併せて有するスピーカー用振動板が得られる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例には限定されない。なお、特に示さない限り、実施例中の部およびパーセントは重量基準である。
【0019】
(実施例1)
オレフィン−マレイミド共重合体を主成分として含有する樹脂組成物(東ソー(株)製、TI-160α;ペレット状、強化材なし)を射出成形し、口径16cm、厚さ0.2mmのコーン型振動板を作製した。なお、射出成形の条件は、シリンダー温度が250〜280℃、金型温度が80〜100℃であった。
【0020】
得られた振動板について、ヤング率、密度、比弾性率および内部損失を通常の方法で測定した。結果を、後述の比較例1および2の結果と併せて下記表1に示す。
さらに、当該振動板からペレットを再生した。この再生ペレットを用いて、上記と同様にして口径16cm、厚さ0.2mmのコーン型振動板を作製した。得られた振動板のヤング率を測定した。バージンペレットから得られた振動板のヤング率に対する再生ペレットから得られた振動板のヤング率の比を、強度保持率とした。強度保持率についても、後述の比較例1および2の結果と併せて下記表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0004244481
【0022】
(比較例1)
ポリプロピレン(PP)を主成分として含有する樹脂組成物(昭和電工(株)製、MA-610;ペレット状、強化材なし)を射出成形し、口径16cm、厚さ0.2mmのコーン型振動板を作製した。なお、射出成形の条件は、シリンダー温度が270〜290℃、金型温度が80〜100℃であった。得られた振動板について、実施例1と同様にして、ヤング率、密度、比弾性率、内部損失および強度保持率を測定した。結果を上記表1に示す。
【0023】
(比較例2)
PPを主成分として含有する樹脂組成物(昭和電工(株)製、ED2011-FX;ペレット状、炭素繊維20%含有)を射出成形し、口径16cm、厚さ0.2mmのコーン型振動板を作製した。なお、射出成形の条件は、シリンダー温度が280〜320℃、金型温度が80〜100℃であった。得られた振動板について、実施例1と同様にして、ヤング率、密度、比弾性率、内部損失および強度保持率を測定した。結果を上記表1に示す。
【0024】
表1から明らかなように、実施例1の振動板は、強化材を含まないにもかかわらず、炭素繊維を20%含有するPPから形成された比較例2の振動板と同程度のヤング率(弾性率)を有する。さらに、実施例1の振動板は密度が小さいので、比較例2の振動板よりも優れた比弾性率を有する。また、強化材を含まないPPから形成された振動板(比較例1)と比較すると、実施例1の振動板は2倍近いヤング率および比弾性率を有する。
強度保持率については、比較例2の振動板の強度(弾性率)がリサイクル後に大幅に低下するのに対し、実施例1の振動板はリサイクル前後でほぼ同等の強度を有する。言い換えれば、実施例1の振動板は、比較例2に比べて顕著に優れたリサイクル性を有する。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、オレフィン−マレイミド共重合体を用いることにより、優れた弾性率とリサイクル性とを併せて有するスピーカー用振動板が得られる。

Claims (2)

  1. 式(I)で表されるオレフィン−マレイミド共重合体を主成分として含有する樹脂組成物から形成された、スピーカー用振動板:
    Figure 0004244481
    ここで、R1およびR2は、それぞれ独立して、H、あるいは1〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基であり;R3は、H、あるいは1〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキレン基であり;nは1000〜1000000の整数であり;aおよびbは、それぞれ独立して、1〜3の整数である。
  2. 再ペレット化された前記樹脂組成物から形成した場合に、95%以上の強度保持率を有する、請求項1に記載のスピーカー用振動板。
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