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JP4130505B2 - D−アミノ酸からなるペプチドによる診断方法の干渉の排除 - Google Patents

D−アミノ酸からなるペプチドによる診断方法の干渉の排除 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、診断方法の干渉を排除するための本質的にD-アミノ酸からなるペプチドの使用、本質的にD-アミノ酸からなるペプチドによる診断方法の干渉を排除するための方法、及び本質的にD-アミノ酸からなる少なくとも一種のペプチドを含む干渉を除去する試薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
過去数年来、免疫学的検出方法は診断において非常に重要になってきている。このような方法は生物学的サンプル中の分析対象物の検出を可能とするものである。このような分析対象物には、例えば、薬物、ホルモン、タンパク質、感染物質(infectious agent)、微生物、及びこれらの分析対象物に対する抗体が含まれる。このような病原体は、特に、例えば細菌、真菌、ウイルスのような微生物による感染症を検出するために直接または間接に検出される。すなわち、その感染症に応じて、病原体を抗原試験により診断するか、あるいはその病原体に対する免疫反応として特異的に形成された抗体を検出することを意味するものである。
【0003】
いずれの免疫学的検出反応においても、特異的結合反応は、検出することが意図されている物質(分析対象物)と、その分析対象物と特異的に反応する、または特異的に結合する少なくとも一種の特異的結合パートナーとの間で発生する。この過程において、分析対象物及び特異的結合パートナーは、一般に抗原と抗体あるいは抗体の断片との複合体である特異的結合対を形成する。この過程においては、二以上の分析対象物または二以上の結合パートナーが各反応において互いに反応し得る。これらの特異的結合反応は種々の方法で検出できる。一般に、特異的結合反応の結合パートナーの一方を標識する。通常の標識は、色素源、蛍光団、化学発光あるいは電気化学発光が可能な物質、放射性同位体、ハプテン、酵素標識、あるいは例えばビオチン/ストレプトアビジンのような特異的結合対を形成し得る物質である。
【0004】
イムノアッセイにおける重大な問題点は、イムノアッセイの特異的結合パートナーとサンプル成分との間で望ましくない相互作用や非特異的な結合反応が生じ得る点である。このような相互作用が起こると、通常バックグラウンドシグナルが増加し、シグナルの散乱が強くなり、各試験の感度及び特異性が低下する。
【0005】
非特異的な相互作用によって生じた干渉の種類により、偽陽性や偽陰性の試験結果が生じ得る。
【0006】
偽陰性の結果が生じ得るのは、検出されるべき分析対象物をマスクし、例えば抗体のような特異的検出試薬が分析対象物に結合できないようにする物質がサンプル中に存在している場合である。
【0007】
偽陽性の試験結果は特に重大な問題である。これは、分析対象物が存在していないのに試験において陽性シグナルが得られてしまうということを意味する。すなわち、特に感染症の診断時に、健康で感染していない患者のサンプルから偽陽性の結果が試験において得られてしまうというような状況は起きてはならない。HIV感染の診断の場合、抗HIV抗体の検出を目的とした診断試験の臨床的特異性については、認可当局によって99.5%を上回ることが要求水準として制定されている。これは、健常者のドナー(非感染者から得られたサンプル)の群において、1000個のサンプルのうち許容される偽陽性サンプルはたった5個であることを意味している。それにも関わらず発生する偽陽性反応は非特異的な物質により引き起こされる。この非特異的物質は、試験方法によっては、抗体の検出のために用いられる例えばHIV抗原のような抗原に結合してしまい、そしてあたかも検出されるべき感染物質に対する抗体のように検出系により誤って陽性として検出されてしまう。これらの非特異的反応物質は、多くの場合抗体である。誤った試験結果を引き起こす、イムノアッセイにおけるこれらの非特異的相互作用を低減するための種々の試みが既に従来の技術において記載されてきている。すなわち、種々の炭水化物成分及びタンパク質、タンパク質混合物、ある種のタンパク質分画、及びその加水分解物が、イムノアッセイにおける分析対象物と試験成分との間の非特異的な相互作用を低下させ得ることがかなり以前から知られている(例えば、Robertsonら、J. Immunol. Meth. 26, 1985; EP-A-0 260 903; US 4,931,385を参照)。粗タンパク質分画及び粗加水分解物を用いることの欠点は、それに含まれる成分が試験における別の干渉を引き起こし得ることである。さらに、酵素によって生成された加水分解物は、その製造のために使用されるプロテアーゼで汚染され得、酵素切断の制御が困難であることから、品質についての均一性を欠いているのが通常である。プロテアーゼ汚染物質は試験成分を分解する可能性があり、それが微量であっても試験の機能や保管時の安定性を損ない得る。
【0008】
イムノアッセイにおける非特異的な相互作用を低減させるために、化学修飾タンパク質、特にスクシニル化またはアセチル化タンパク質を使用することについても記載されている(US 5,051,356; EP-A-0 525 916)。しかし、このような物質を使用しても、血清サンプルの抗体試験において生ずる偽陽性結果の多くは回避することができない。
【0009】
EP-A-0 331 068及びWO 91/06559は、例えば、リウマチ因子のような特定の干渉因子を低減させるために、重合免疫グロブリン、特にIgGを使用することについて記載している。しかし、これは全ての干渉性の相互作用を満足のゆく水準まで排除することはできない。さらにヒト抗体についての試験では、非特異的なヒト免疫グロブリンの添加によりブランク値が高くなり得る。さらにヒトまたは動物のIgGの単離は、複雑でコストが嵩む。
【0010】
干渉排除剤としてのアビジン及びストレプトアビジン及びその誘導体についてはWO 95/23801に記載されており、この干渉排除剤は、主として不均質イムノアッセイにおいてストレプトアビジンまたはアビジン固相によりサンプル成分の非特異的な相互作用を低減するものである。これらの干渉排除剤は、前記の固相とは相互作用せず、通常の免疫学的試験成分に非特異的に結合する物質による干渉を排除することはできない。
【0011】
【発明の解決しようとする課題】
この問題についての満足ゆく解決法は、従来の技術においては記載されていない。従って本発明の目的は、従来の技術においてこれまで知られたものより優れた、イムノアッセイにおける非特異的な相互作用による干渉の排除を得るための新規な干渉排除物質を提供することである。本発明の目的は特に、感染症の診断において誤った試験結果を低減すること、可能ならば完全に排除することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、本質的にD-アミノ酸からなるペプチドを使用して免疫学的検出方法における干渉を排除することにより達成される。驚くべきことに、本発明の本質的にD-アミノ酸からなるペプチドの使用により、非特異的な相互作用が劇的に低減し、従って誤った検出反応、特に偽陽性検出反応が実質的に回避できることがわかった。
【0013】
【発明の実施の形態】
干渉を排除する薬剤として使用されるペプチドの重要な特性は、天然のL-アミノ酸からなるものでなく、本質的にD-アミノ酸からなることである。この結果、対応するL-アミノ酸からなるペプチドの対応する抗原性はない状態で、親水性、可変性及び可溶性のような特性を正確に模倣する。すなわち、本質的にD-アミノ酸からなるペプチドは、それらの立体配座が実際の抗原の完全な鏡像となっていることから抗原性ではない。抗原性は、抗原及び特異的抗体のような二以上の免疫学的結合パートナーの相互に対する特異的結合性質として理解される。従って、D-アミノ酸からなるペプチドは、抗原結合部位、つまり検出されるべき特異的抗体のパラトープに結合しない。従って、本発明による干渉排除剤は、特異的検出反応を妨げることはない。
【0014】
D-アミノ酸及びL-アミノ酸は、光学活性な(キラル)化合物についてのEmil Fischerの命名法に従ったアミノ酸の投影式として理解される。これによれば、最も酸化状態が高い末端が上にくるように炭素鎖を縦に配置する。さらに、分子は不斉炭素原子上の置換基が正面に向かって突出するように配置しなければならない。イムノアッセイにおいて、アミノ酸の立体配置の表示法はアミノ基に関係する。即ち、左側のアミノ基はL-立体配置、右側のアミノ基はD-立体配置を表す。しかし、D及びLという名称は、直線偏光した光の光学回転方向とは無関係である。アミノ酸のD型及びL型は、互いに像と鏡像のような関係にある。タンパク質はL-アミノ酸のみからなる。いくらかの細菌のみがD-アミノ酸をその細胞壁に有する。
【0015】
用語「ペプチド」は、アミド結合により、共有結合的に連結した少なくとも2個、最大100個のアミノ酸からなる分子として理解される。この定義はL-アミノ酸からなるペプチドと同様にD-アミノ酸からなるペプチドにも適用される。
【0016】
L-アミノ酸からなるペプチドは、イムノアッセイにおいて免疫学的結合パートナーとして用いられることが多い。検出試薬として用いられるこれらのペプチドは、必ずそうしなければならないということはないが、他の分子で標識することができる。このような標識には、例えば、ビオチン、ジゴキシゲニンやステロイドホルモンのようなハプテン、酵素、色素、蛍光性標識が含まれる。免疫学的結合パートナーとして用いられるL-アミノ酸からなるペプチドは、イムノアッセイにおいて、この場合は抗体であり得る分析対象物のような他の結合パートナーに特異的に結合する。標識されたペプチドを用いた場合は、分析対象物の存在は、その分析対象物に結合したペプチドの標識によって検出できる。L-アミノ酸からなるペプチドも競合物として用いることができる。この場合、L-アミノ酸からなるペプチドは、例えば抗原−抗体複合体の免疫学的結合パートナーの一方を、その複合体から排除する。分析対象物の濃度は、複合体または溶液の何れかにおける標識ペプチドの量の基づき、標準曲線との比較によって推定することができる。
【0017】
免疫学的結合パートナーまたは検出試薬として用いられるL-アミノ酸からなるペプチドの配列は、検出されるべき分析対象物の配列か、その分析対象物に特異的に結合する免疫学的結合パートナーの配列の何れかに基づくものである。これに関しては通常、定義されたエピトープ領域が、免疫学的に認識されることが知られた配列領域として選択される。ウイルスタンパク質の免疫学的に活性な多数の抗原決定基が、特にHIV及びHCV感染症のような感染症の分野において既に記されている。HIVの最も重要な免疫学的に活性な領域には、エンベロープ(env)タンパク質gp41、gp120及びカプシド(gag)タンパク質p24が含まれる。
【0018】
しかし、感染症の診断においては、その天然の起源から精製されたか、あるいは組換えにより生成された完全なタンパク質またはその断片を免疫学的結合パートナーとして用いることが多い。
【0019】
本発明の干渉を排除するために用いられる本質的にD-アミノ酸からなるペプチドのアミノ酸配列は、L-アミノ酸からなるペプチドと同様に、分析対象物自体、または分析対象物の検出に用いられる分析対象物特異的結合パートナーの何れかに存在する配列に基づくものである。干渉を排除するために用いられるペプチドの配列は、分析対象物上のエピトープか、特異的結合パートナー上のエピトープに対応するものであることが好ましい。
【0020】
L-ペプチドを免疫学的反応のための特異的結合パートナーとして用いる場合には、干渉排除のためのペプチドを選択する際に、完全にD-アミノ酸からなる同じ長さで同じ配列のペプチドを選択するのが好ましい。
【0021】
本発明による、本質的にD-アミノ酸からなるペプチドの長さは、少なくとも4〜50個、好ましくは5〜20個のD-アミノ酸の長さである。
【0022】
本発明のペプチドの本質的な特徴は、L-アミノ酸からなるものではなく、本質的にD-アミノ酸からなることである。これに関して、不斉炭素原子を有しておらず、従ってD-立体配置でもL-立体配置でもないグリシンの使用も許容されることを明記する。「本質的にD-アミノ酸からなる」という記載は、配列が分析対象物か特異的結合パートナー上のエピトープに一致する配列を有するペプチドがD-アミノ酸からなることを意味する。しかし、本発明の範囲内で、このエピトープ領域が天然のL-立体配置を有するアミノ酸で挟まれることも可能である。これは、L-アミノ酸からなるスペーサ領域がエピトープ領域に結合している場合に必要となり得る。しかし、スペーサとしてアルキル鎖のような他の化学基を用いることも可能である。これらのスペーサは、干渉排除ペプチドに他の分子を結合するために必要となることが多い。しかし、これに関して、干渉の排除に関係するエピトープがD-アミノ酸からなるということが重要である。本発明によれば、隣接領域が、例えばリン脂質やリポタンパク質において見られるような脂質構造、あるいは糖鎖からなることも可能である。エピトープに隣接する干渉排除ペプチドの領域は、原則的には所望に応じて修飾することができる。いかなるペプチド修飾があっても、干渉排除効果が損なわれないということが重要である。干渉を排除するために用いられるペプチド自体が、この追加の修飾のためにイムノアッセイを干渉することがないようにするということにも注意しなければならない。
【0023】
上述した本発明によるペプチドの長さは、D-アミノ酸からなるエピトープに関連している。干渉排除ペプチドの全長が、隣接配列の組み込みのために上限の50アミノ酸を超えることも十分可能である。
【0024】
本質的にD-アミノ酸からなるペプチドは、好ましくは市販のペプチド合成機を用いた固相上での化学合成により生成される。この合成は、当業者にはよく知られたメリフィールド法(Merrifield method)により行われるのが好ましい。この方法では、個々のアミノ酸構築ブロックを、それが必要な場所においてD-異性体として用いられなければならない。その他の方法の工程は、L-アミノ酸からのペプチド合成と同一である。これは、合成が既知の方法、好ましくはアミノ酸誘導体(この場合はD-アミノ酸誘導体)を用いてペプチドのカルボキシ末端から開始される合成法によって行われることを意味する。アミノ酸誘導体としては、好ましくは結合に必要なアミノ末端基がフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)残基で誘導化されたものが用いられる。使用されるアミノ酸の反応性側基は、ペプチド合成の終了後に容易に切断され得る保護基を含む。この好適な例は、トリフェニルメチル(Trt)、t-ブチルエーテル(tBu)、t-ブチルエステル(OtBu)、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、あるいは2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル(Pmc)のような保護基である。
【0025】
ペプチド合成のため、天然にはL型で存在する標準的な19のアミノ酸のD型のものを用いることが可能である。さらに、4-ヒドロキシプロリン、5-ヒドロキシリシン、3-メチルヒスチジン、ホモセリン、あるいはオルニチンのようなアミノ酸誘導体のD型のものを用いることも可能である。
【0026】
合成の終了及び任意に固相からペプチドを遊離させた後、保護基は、例えば酸の添加のような当業者に周知の方法により切断する。その後、このようにして得られた生成物は好ましくはHPLCにより精製する。
【0027】
このようにして合成された本発明のペプチドが分子内ジスルフィド架橋を含む場合には、このジスルフィド架橋は、ヘキサフルオロイソプロパノール/ジクロロメタン中でヨウ素により固相を酸化してペプチドを遊離する前に形成する(Seidel C., Peptides 1991, Giralt及びAndreu編, Escom, Leiden, p. 236)。
【0028】
また、本発明の本質的にD-アミノ酸からなるペプチドを調製するために、標準的な合成及び精製プロセスを用いることができる。複雑な装置や、面倒な干渉排除ペプチドの精製処理が不要となる。
【0029】
本質的にD-アミノ酸からなるペプチドを単量体形態で用いることができる。これは、各ペプチドがD-アミノ酸の形態では干渉を受けないものとなる単一のエピトープを含むことを意味している。本発明によれば、干渉を排除するために、本質的にD-アミノ酸からなり、異なるエピトープを含む複数の異なるペプチドを用いることができる。これは、分析対象物が数種の免疫学的に認識できるエピトープを有する場合、あるいは異なる複数の分析対象物が一回の試験で検出される場合に好都合であり得る。
【0030】
また、本発明の干渉を排除するために用いられるペプチドは、対応するエピトープを複数個有し得、すなわち多量体であり得る。従ってこのペプチドはポリハプテンとして用いることができる。これは本発明のペプチドが複数回担体に結合して、その成分が本質的にD-アミノ酸からなるポリハプテンを生成するということを意味する。これに関して、本発明の本質的にD-アミノ酸からなるペプチドを複数個担体に結合することも可能である。ウシ血清アルブミンのような大形のタンパク質や、ラテックス、ポリスチレン、金、またはデキストランからなる粒子のような、それ自体免疫反応に関与しない高分子を担体とし得る。ポリハプテンは、WO 96/03652に記載された方法に類似した方法により製造することができる。この場合、本発明のポリハプテンの生成のために、この特許に記載されるL-アミノ酸の代わりにD-アミノ酸を用いる。
【0031】
驚くべきことに、本質的にD-アミノ酸からなるペプチドが担体材料に結合されているこのようなポリハプテンを用いることにより、イムノアッセイにおける偽陽性反応を実質的に回避できるということがわかった。従って、本発明によるペプチドは、イムノアッセイの干渉を排除するためには、ポリハプテンの形態で用いるのが好ましい。干渉排除効果は、エピトープ密度の増加につれて高くなる。これは、干渉排除効果が単量体ペプチドからポリハプテンになるにつれて高くなることを意味している。
【0032】
本質的にD-アミノ酸からなる本発明のペプチドは、イムノアッセイにおいて、干渉排除剤として試験混合物に添加される。これにより、抗体試験のような免疫学的試験において、非特異的な抗体と検出抗原との反応により起こる非特異的な結合及び反応が実質的に回避される。本発明のペプチドによる干渉排除効果については、この干渉排除ペプチドは非特異的抗体には結合するが、検出されるべき特定の抗体には結合しないという説明が可能である。本質的にD-アミノ酸からなる干渉排除ペプチドは、実際の抗原性を欠いている。これが干渉を排除できる理由であることが間違いないことは明らかである。干渉する非特異的抗体の「偽りの」非特異的反応は、その抗原結合部位、つまりパラトープを介した、検出試薬として用いられる抗原への結合の結果であるという可能性がある。しかし抗体のパラトープと異なる部位も抗原と反応し得る。このように干渉排除剤でブロックされた抗体は、もはや検出抗原と反応することはできず、この結果、偽陽性結果が殆どなくなり、理想的には全くなくなる。
【0033】
干渉物質のなかには固相に直接結合する特性を有するものがある。ここで本発明の干渉排除ペプチドを用いると、干渉物質の結合部位を実際に封じ、従って免疫反応に干渉剤が到達しないようにすることができる。
【0034】
いくつかの免疫学的試験では偽陰性試験結果も生ずる。これはサンプル中の干渉抗体が、検出すべき抗体にその抗原結合部位をマスクするような形で結合することが原因であり得る。この結果、このサンプルの抗体は、抗体試験において実際の免疫学的反応から排除され、偽陰性結果が生ずる。このような場合、干渉排除剤の目的は、干渉抗体、または干渉物質にそれをマスクするような形で結合することである。偽陰性試験結果を回避するために、本質的にD-アミノ酸からなる本発明のペプチドを使用することも本発明の主題である。
【0035】
本質的にD-アミノ酸からなる本発明のペプチドは、サンプル中に存在する干渉物質に対し過剰量で使用するのが好ましい。本発明のペプチドの使用量についての上限は、試験混合物において干渉排除剤の溶解度が必ず保証される量という点でのみ存在する。干渉を排除するために使用される本質的にD-アミノ酸からなるペプチド、または対応するポリハプテンの量や濃度は、サンプル中にある干渉物質によって決まる。これは、干渉の程度に応じて、当業者が試験手順に基づいて個別に決定しなければならない干渉排除剤の量を加えなければならないということを意味している。1 nmol/l〜 1 mol/lの範囲が適切な濃度範囲であることが判明している。
【0036】
本発明によれば、本発明のペプチドの使用が試験の感度に影響を与えないことが好ましい。
本質的にD-アミノ酸からなる本発明のペプチドにより、原則として、当業者によく知られている全てのイムノアッセイ形式での干渉を排除し、偽りの試験結果、特に偽陽性試験結果を殆どなくすことができる。
【0037】
本発明のペプチドは、試験混合物、即ちサンプルや検出試薬のなかに免疫学的に活性な結合パートナーが存在する限り、あらゆる試験形式で使用することができる。本発明のペプチドは、不均質試験法でも均質試験法でも用いられるが、好ましくは不均質試験法で用いられる。
【0038】
不均質法では、分析対象物と一種以上の結合パートナーとからなる複合体が結合する固相が常に用いられる。この例は、EP-A-280 211に記載されるような架橋試験形式の抗体試験法である。この場合、測定されるべき抗体に特異的に結合し得る抗原のような第一の結合パートナーを固相に結合する。次に測定されるべき分析対象物−抗体を、固相結合抗原に結合させる。さらに、分析対象物に対する別の特異的結合パートナー(抗原)の標識したものを試験混合物内に存在させる。固相に結合した結合パートナー、分析対象物抗体、及び標識された結合パートナーからなる架橋が形成されたらすぐに固相を液相から分離し、固相または液相中の標識を検出する。本質的にD-アミノ酸からなる本発明のペプチドは、この形式においては、サンプル中の非特異的抗体のような非特異的物質がマスクされ、固相結合免疫複合体の形成にそれ以上関与することができないようにするという効果を有する。従って、特に偽陽性試験結果が実質的に回避される。
【0039】
本発明により干渉をなくすことができる別の試験形式は競合試験法であり、これにおいては互いに特異的な二種の結合パートナーの固相結合複合体を形成し、固相に直接結合しない結合パートナーを標識する。試験手順により抗原あるいは抗体である分析対象物が、その濃度に応じて、複合体から標識された結合パートナーを排除する。液相から固相を分離した後、両相の何れか一方において標識を検出する。この場合においても、本発明のペプチドは、検出試薬として用いられる結合パートナーへの干渉サンプル物質の非特異的結合をブロックし、偽りの試験結果を実質的に防止する。
【0040】
本発明により干渉をなくすことができる別の試験形式は、分析対象物(この場合は抗原)が、固相結合抗体と標識された抗体との間でサンドイッチ状に挟まれて結合し、その固相結合抗原への結合により、分析対象物−抗体を間接的に検出する、サンドイッチ形式の古典的な抗原検出試験法である。この場合、標識された別の抗体を分析対象物抗体へ結合させることによって検出が行われる。
【0041】
例えばウイルスの抗原とウイルスのウイルスタンパク質に対する抗体とが同時に検出される組合せによる試験形式においても、当然本発明により干渉をなくすことができる。
【0042】
均質試験形式の干渉の排除も考えられる。均質試験法では、特異的結合パートナー(抗体または抗原)は通常、分析対象物と架橋され、分析対象物の存在下においてのみ起こるようにされる。あるいは、分析対象物を添加して、分析対象物を抗原(分析対象物の類似体)または抗体と競合させることにより、先に架橋されている抗原−抗体複合体を破壊することも可能である。それぞれの場合において、濁度または比濁密度の変化を分析対象物の添加の後に測定する。真の分析対象物−抗体の代わりに提供される、ハプテンまたは抗原に架橋する干渉物質は、偽陽性反応を与える。この場合においても、本質的にD-アミノ酸からなる本発明のペプチドを用いることにより偽陽性結果を実質的に回避することができる。
前記の各試験形式、及び分析対象物の検出は当業者にはよく知られたものであり、ここでこれ以上の説明は不要であろう。
【0043】
本発明の別の主題は、干渉を排除するために本質的にD-アミノ酸からなるペプチドを反応混合物に添加することを特徴とする、公知の試験形式でサンプル中の分析対象物を検出するための免疫学的方法である。本発明の方法では、一般に、分析対象物に対して特異的な一種または複数の結合パートナー及び干渉を排除するための本発明のペプチドにサンプルを接触させる。この方法では、特異的結合パートナーを添加する前、あるいは添加と同時に、干渉を排除するために用いられるペプチドにサンプルを接触させることができる。その後、分析対象物と特異的結合パートナーとから形成された複合体を、分析対象物の存在の測定基準として測定する。
【0044】
分析対象物を検出するための免疫学的方法を行うための試験形式は、上記の節にそれぞれより詳細に例示されており、しかも当業者には一般的な技術知識の範囲である。
【0045】
少なくとも一種の特異的結合パートナーと特異的に反応して複合体を形成する物質、例えばハプテン、抗原、抗体、核酸等はいずれも分析対象物となり得る。
【0046】
本発明により干渉をなくしたイムノアッセイを行うための適切なサンプルは、当業者によく知られた全ての生物学的流体である。例えば、全血、血清、血漿、尿、唾液等の体液がサンプルとして好ましく使用される。
【0047】
試験試薬が液相で存在する、いわゆる湿式試験に加えて、分析対象物の免疫学的検出に適した一般的な乾式の試験形式はいずれも使用することができる。これらの乾式試験や、例えばEP-A-0 186 799に記載されているような試験ストリップにおいては、試験成分が担体に塗布される。すなわち、本質的にD-アミノ酸からなる本発明のペプチドは、免疫学的検出の前に乾式試験ストリップに予め塗布される。
【0048】
湿式試験においては、干渉性非特異的物質が干渉排除剤と反応できる、すなわちそれに結合し得るように検出試薬として用いられる結合パートナーが添加される前に、本発明の干渉排除剤をサンプルに予め添加しておくのが好ましい。本発明の本質的にD-アミノ酸からなるペプチドを、サンプルを希釈するために用いられるサンプル緩衝剤に予め添加しておくのが適当であることが判った。また、本発明のペプチドを検出試薬に添加することも好ましい。
【0049】
本発明はまた、本質的にD-アミノ酸からなるペプチドを反応混合物に添加することを特徴とする診断検出方法の干渉の排除方法にも関する。本発明により干渉をなくす好適な方法には、特にウィルスを原因とする感染症の免疫診断的検出方法が含まれる。そのような方法としては、特に、抗HIV抗体、HIV抗原についての試験、結合した抗HIV/HIV抗原の試験、抗HCV抗体、HCV抗原、結合した抗HCV/HCV抗原試験が挙げられる。
【0050】
本発明の別の主題は、本質的にD-アミノ酸からなる少なくとも一種のペプチドを含む干渉排除試薬である。干渉排除試薬に含まれ得る別の成分は、当業者によく知られた緩衝剤、塩、及び界面活性剤である。干渉排除剤は、液体、水性形態、または凍結乾燥形態に製造することができる。
【0051】
以下の実施例により、本発明をさらに説明する。
【0052】
【実施例】
実施例1
ペプチドに基づく干渉排除試薬(I)の製造
干渉排除試薬を製造するためのD-ペプチドを、バッチ式ペプチド合成機ABI A413上で、フルオレニルメチルオキシカルボニル-(Fmoc)固相ペプチド合成法により合成した。このために、それぞれの場合において表1に示すアミノ酸誘導体1〜16(BACHEM Bioscience, Heidelberg)の4.0等量を用いた。
【0053】
【表1】
1
1. Fmoc-D-Val-OH
2. Fmoc-D-Ala-OH
3. Fmoc-D-Thr(-OtBu)-OH
4. Fmoc-D-Thr(-OtBu)-OH
5. Fmoc-D-Cys(Trt)-OH
6. Fmoc-D-Ile-OH
7. Fmoc-D-Leu-OH
8. Fmoc-D-Lys(-Boc)-OH
9. Fmoc-Gly-OH
10. Fmoc-D-Ser(Boc)-OH
11. Fmoc-D-Cys(Trt)-OH
12. Fmoc-Gly-OH
13. Fmoc-D-Trp(-Boc)-OH
14. Fmoc-D-Iso-OH
15. Fmoc-Gly-OH
16. Fmoc-D-Leu-OH
17. Fmoc-β-Ala-OH
18. Fmoc-ε-アミノカプロン酸
19. Fmoc-β-アラニン
20. Boc-L-Lys(-Fmoc)-OH
21. Fmoc-L-Cys(-Trt)-OH
【0054】
これらのD-アミノ酸誘導体を、N-メチルピロリドンに溶解した。D-ペプチドを、充填量0.47 mmol/gで、400 mgの4-(2',4'-ジメトキシフェニル-Fmoc-アミノメチル)-フェノキシ樹脂(Tetrahedron Letters 28, 1987, p. 2107)上で合成した(JACS 95, 1973, p. 1328)。結合反応は、それぞれの場合について、反応媒体としてのジメチルホルムアミド中の4等量のN-ヒドロキシベンゾトリアゾール及びジシクロヘキシルカルボジイミドを使用して20分間行った。各結合段階の後、ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジンにより20分以内にFmoc基を切断した。
【0055】
ペプチドを遊離させる前に、ヘキサフルオロイソプロパノール/ジクロロメタン中のヨウ素により固相上で酸化してジスルフィド架橋を形成した(Seidel C., Peptides 1991, Giralt E.及びAndreu D.編、Escom, Leiden P. 236)。
【0056】
ペプチドを樹脂から遊離させ、耐久性の保護基を20 mlのトリフルオロ酢酸、0.5 mlのエタンジチオール、1 mlのチオアニソール、1.5 mlのフェノール、及び1 mlの水により、室温で40分以内に切断した。その後、300氷冷ジイソプロピルエーテルを反応溶液に添加し、40分間0℃に保って完全にペプチドを沈殿させた。この沈殿を濾過して取り出し、ジイソプロピルエーテルで再洗浄し、少量の50%酢酸に溶解して凍結乾燥した。得られた粗ペプチドを、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル/水の勾配を用いて、RP 18カラム物質上での分離用HPLCにより、約120分以内に精製した。溶出した精製純材料の内容はイオンスプレー質量分析法で調べた。
【0057】
実施例2
ポリペプチド抱合体に基づく干渉排除試薬(II)及び(III)の製造
HIV, gp41P2(D)-Cys(1)と命名された結合可能なD-ペプチドを、固相ペプチド化学法によって例えば長鎖状ωアルキルアミノ酸のようなスペーサ及びシステインをN末端にさらに付加することにより生成し、ペプチドを樹脂から遊離させる。この場合、表1のアミノ酸17〜21を用いる。但し、酸化はスペーサアミノ酸及びシステインを導入する前に行う。
【0058】
抱合体を調製するため、ウシの血清アルブミンを、初めに12倍モル量のN-マレインイミドヘキサノイル-N-ヒドロキシスクシンイミド(MHS)と反応させた。この反応は、0.1 mol/lリン酸カリウム緩衝剤(pH 7.0)中で、10 mg/mlのタンパク質濃度で120分間以内で行った。この反応物の低分子成分をゲル浸透クロマトグラフィー(AcA 202-Gel, Biorad)により分離した。この結果、リシン側鎖の約6個の一級アミノ基が、マレインイミド基で修飾された。
【0059】
前記D-ペプチドを、0.1 mol/lリン酸カリウム緩衝剤(pH 7.0)中で、マレインイミド官能化ウシ血清アルブミンと120分以内で反応させた。非反応ペプチドの分離、並びに単量体及び重合体抱合体の分離は、Sephacryl-S200 HR上で行った。20.8 mlの緩衝剤中での206 mgの活性化タンパク質の102 mgのHIV, gp41P2(D)-Cysペプチド(I)との典型的な反応では、27.7mgの重合体(II)及び76.3mgの単量体溶解タンパク質抱合体(III)が得られる。この溶液は40倍の比率でトレハロースと混合して凍結乾燥する。
【0060】
実施例3
Microspot(登録商標)形式での抗HIV抗体の検出のためのイムノアッセイの干渉の排除
Microspot(登録商標)は、一回の測定プロセスで種々の診断パラメータを同時に測定するのに理想的な適性を有する小形で超高感度の技術である。基礎となる技術は、例えばUS 5,599,729に記載されている。
【0061】
ここに例として記載する試験法は、二つの抗原が検出されるべきサンプル抗体により互いに架橋される、いわゆる架橋試験形式で行われる。抗HIV抗体(<HIV>抗体とも称する)を測定する場合には、個々のHIV抗原をポリスチレン担体上でいわゆるアレイに固定化する。個々のHIV抗原は、インクジェット法に関連した技術により試験領域にスポットとして塗布する。この試験手順では、サンプル緩衝剤で予め希釈された30μlのサンプル(例えば血清)をピペットで試験領域に加え、振盪しながら室温で20分間インキュベートする。サンプルを吸引し、試験領域を洗浄用緩衝剤で洗浄した後、全てのジゴキシゲニン標識されたHIV抗原の混合物を含む30μlの試薬溶液1をピペットで試験領域に加え、再度振盪しながら室温で20分間インキュベートする。固定化抗原の配列は、試薬溶液1に存在するジゴキシゲニン標識されたHIV抗原の配列に対応する。試薬溶液1を吸引し、試験領域を洗浄用緩衝剤で洗浄した後、検出試薬を含む30μlの試薬溶液2をピペットで試験領域に加える。蛍光色素で染色した粒径100 nmのラテックス粒子を抗ジゴキシゲニン抗体で共有結合によりコーティングしたものを検出試薬として用いる。
【0062】
この検出試薬を振盪しながら室温で20分間インキュベートし、その後吸引し、洗浄して吸引乾燥する。試験領域に波長633 nmのHe-Neレーザーを照射し、670 nmでの蛍光をCCDカメラで測定する。
【0063】
サンプル緩衝剤:
50 mMトリス (pH 7.6)
0.05% Tween 20
0.5% BSA
0.1% B-IgG
0.01% MIT
試薬溶液1:
(Boehringer Mannheim GmbH、発注番号1650807、Enzymun <HCV>インキュベーション緩衝剤)
50 mMリン酸ナトリウム緩衝剤
120 mM NaCl
0.01% MIT
20% PDB
【0064】
Microspot(登録商標)<HIV>アッセイでは、gp41抗原の二種の異なるエピトープを提示する二種の異なるペプチドを適用する。約500の陰性サンプルのスクリーニングでは、4つのサンプルが偽陽性として検出された。他の全てのスポットが反応を示さなかったのに対して、この4つのサンプルがいずれもgp41ペプチド2抗原スポットと非特異的に反応したことが注目すべき点であった。原料及び緩衝剤の最適化のようなあらゆる最適化手段を講じたのにも関わらず、この特異性を改善することはできなかった。D-アミノ酸から合成された同一の配列のペプチドを加えると、4つのサンプルのうちの3つにおいて完全な干渉の排除が達成された。最も良好な干渉の排除は、重合干渉排除分子(II)、即ちBSA担体分子1個につき6個のHIV, gp41P2(D)分子を含むポリハプテンを用いることにより達成された(表2及び表3参照)。
【0065】
【表2】
表2:
gp-41ペプチド2スポット上で干渉排除試薬を用いないサンプル及び試薬1緩衝剤による結果:
Figure 0004130505
Figure 0004130505
【0066】
【表3】
表3:
gp-41ペプチド2スポット上で干渉排除試薬(サンプル緩衝剤中100μg/ml、試薬1緩衝剤中10μg/ml)を用いた結果:
Figure 0004130505
Figure 0004130505
【0067】
この結果から、4つのサンプルがMicrospot(登録商標)<HIV>試験に強く干渉し、これらが偽陽性結果を生ずることがわかる。本発明の干渉排除試薬をサンプル及び試薬1緩衝剤に添加することにより、4つのサンプルのうちの3つで確実に干渉が排除できるとともに、4番目のサンプルの干渉シグナルは著しく低減される。陽性サンプルのシグナルを低下させず、あるいは最小限に低下させるのみで、試験の感度が完全に保持されるのは驚くべきことである。

Claims (11)

  1. 免疫診断法の干渉を排除するための、本質的にD-アミノ酸からなるペプチドの使用。
  2. 前記ペプチドがポリハプテンとして存在する、請求項1に記載のペプチドの使用。
  3. 不均質イムノアッセイの干渉を排除するための、請求項1または2に記載のペプチドの使用。
  4. 架橋試験の原理に基づくイムノアッセイの干渉を排除するための、請求項3に記載のペプチドの使用。
  5. サンドイッチ法の原理に基づくイムノアッセイの干渉を排除するための、請求項3に記載のペプチドの使用。
  6. 間接試験法の原理に基づくイムノアッセイの干渉を排除するための、請求項3に記載のペプチドの使用。
  7. 競合イムノアッセイの干渉を排除するための、請求項3に記載のペプチドの使用。
  8. 均質イムノアッセイの干渉を排除するための、請求項1または2に記載のペプチドの使用。
  9. 分析対象物の検出のための免疫学的方法であって、サンプルを請求項1に記載のペプチドと接触させる工程と、該サンプルを一または複数の分析対象物の特異的結合パートナーと接触させる工程と、該分析対象物および該特異的結合パートナーから形成された複合体を該分析対象物の存在の尺度として測定する工程とを含む、前記方法。
  10. 分析的検出法の干渉を排除するための方法であって、本質的にD-アミノ酸からなるペプチドを反応混合物に添加する、前記方法。
  11. 本質的にD-アミノ酸からなるペプチドを少なくとも一種含む、イムノアッセイ用干渉排除試薬。
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