JP4122927B2 - Oriented electrical steel sheet for magnetic shield with excellent coating adhesion and corrosion resistance - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気シールド材に関し、特に、小型モータの磁気シールドに用いて好適な被膜密着性と耐食性に優れる磁気シールド用方向性電磁鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の電子機器は、磁気回路が多く使用されているため、それらの漏れ磁束により、周囲の電子機器が誤動作を起こすことがある。そこで、漏れ磁束を遮蔽するために、電子機器のケースやカバーとは別に、機器の内側あるいは外側に磁気シールド材を装着している。例えば、音響機器やOA機器、VTR等に用いられる小型モータでは、漏れ磁束を遮蔽するため、電磁鋼板からなる磁気シールド材をモータの周囲に密着して装着している。
【0003】
さらに近年、電子機器の小型化、薄型化が一段と進み、また、電子機器の高品質化、長寿命化への要求も一段と強くなりつつあることから、装着する磁気シールド材にも厳しい特性が求められるようになってきた。ここで、磁気シールド材に求められる特性は、板厚が薄くても高い磁気シールド性を有すること、さらに、加工時に被膜が剥離せず被膜密着性に優れていること、耐食性が優れていること、周囲の機器に汚染・腐食等の悪影響を与えるガスの発生がないこと、外観が美麗であることなどが挙げられる。
【0004】
ところで、磁気シールド性を高めるためには、磁気の通り易さを示す透磁率が高く、消磁のし易さを示す保磁力が小さい磁気特性を有する電磁鋼板を使用することが好ましい。そのためには、電磁鋼板の結晶粒径を大きくし、結晶方位を特定方位に高度に揃えた方向性電磁鋼板を使用することが有効である。また、外観の美麗さ、耐食性を向上させるためには、鋼板表面に有機樹脂を主成分とする塗料を塗布することが有効である。
【0005】
上記透磁率等の磁気特性が優れた方向性電磁鋼板は、下記の方法で製造するのが一般的である。すなわち、Siを2〜4mass%と、必要に応じてインヒビター成分としてS,NおよびSe等を含有する珪素鋼スラブを素材とし、この素材を熱間圧延した後、冷間圧延と中間焼鈍を施して薄鋼板とし、この薄鋼板を脱炭焼鈍して鋼板表面にSiO2を主体とする酸化膜を形成させた後、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を該鋼板表面に塗布乾燥後、水素ガス雰囲気中で仕上焼鈍を施す。この仕上焼鈍により、二次再結晶を起こさせてゴス方位を発達させるとともに、インヒビター成分であるS,NおよびSe等を鋼中から除去するほか、鋼板表面にフォルステライト(Mg2SiO4)主体の下地被膜を形成させる。ついで、リン酸塩系絶縁被膜を被覆すると同時に平坦化焼鈍を施し製品とする。
【0006】
さて、上記のフォルステライト被膜は、ガラス質の脆い被膜であり、上層にさらにコーティング処理を施した場合、地鉄/フォルステライト界面で剥離を起こし易いという問題がある。この問題に対し、鋼板地鉄上のフォルステライト被膜の厚さを制限し、フォルステライト被膜の上に直接塗料を塗布した塗装密着性に優れる磁気シールド用方向性珪素鋼板が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この技術によれば、フォルステライト被膜と地鉄間の被膜密着性はある程度改善されるものの、フォルステライト被膜は仕上焼鈍時に形成されるものであるため、厚みの制御が難しいほか、塗膜下腐食に対する耐食性の不足という問題がある。
【0007】
また、フォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板を用いて、小型モータ等の電気部品の磁気シールドを行う場合、モータ等の発熱による温度上昇により、腐食性ガスが発生して磁気シールド材が腐食され易く、また、腐食した磁気シールド材の錆によって周囲の部品等が汚染されるという問題があり、磁気シールド材そのものの耐食性が求められている。この問題に対しては、フォルステライト被膜上にリン酸塩系絶縁被膜を形成しまたは形成せず、さらにその上層に有機樹脂を主成分とする防錆被膜を2〜10g/m2形成し、かつ防錆被膜を含めてのS含有量を0.005mass%以下とすることで耐食性を改善する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この技術によれば、確かに耐食性は向上するものの、そのレベルはまだ十分ではなく、鋼板端面や傷部から塗膜下腐食が発生するという問題がある。また、被膜密着性が劣るという問題がある。
【0008】
これら問題を解決する技術として、フォルステライト被膜表面に耐食性を有する中間被膜を5〜100mg/m2形成し、さらにその中間被膜の表面に摩擦係数0.4以下の樹脂塗膜を2〜8g/m2形成させて耐食性及び加工性を改善する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。そして、上記中間被膜には、Cu,Cr,Ni,Sn,Znのうちの少なくとも1種以上の金属または化合物を含有することが好ましいとしている。
【0009】
【特許文献1】
特開平05−239694号公報
【特許文献2】
特開平09−321486号公報
【特許文献3】
特開平11−124685号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によれば、中間被膜の存在により、フォルステライト被膜/中間被膜/樹脂主体被膜におけるそれぞれの界面の密着性は向上し、耐食性も向上する。しかしながら、上述したように、最近のモータの小型化等に伴って、その周囲に用いられる磁気シールド材の加工も厳しさをさらに増しており、曲げ加工における曲率半径の一層の小径化や、かしめなどの加工を行うことも増えている。そのため、厳しい加工時においては、いまだ、フォルステライト被膜と地鉄間で剥離が発生するという問題が残っている。
【0011】
また、最近では、環境保全の観点から、6価Cr化合物のみならずクロム化合物自体を含まないクロムフリー鋼板に対する指向が強く、被膜成分中にCrを全く含まない磁気シールド材が求められている。
【0012】
本発明の目的は、クロム化合物を一切含まない被膜を有し、かつ該被膜が優れた密着性と耐食性とを有する磁気シールド特性に優れた方向性電磁鋼板を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記従来技術が抱える問題点を解決するために、フォルステライト被膜の上に、各種の中間被膜を形成し、さらにその上層に各種の樹脂を主体とする被膜を形成し、強加工した場合の剥離状況について詳細な検討を行った。その結果、同じフォルステライト下地であっても、フォルステライト/地鉄界面で剥離する場合と剥離しない場合とがあり、剥離する場合には、加工品の凸部で起こっていることがわかった。
【0014】
この理由は、電磁鋼板表面へのフォルステライト被膜の形成は高温でなされるため、これが冷却される際、熱膨張係数の小さいフォルステライトと大きい地鉄との収縮量の違いに起因して歪みが発生し、その結果、地鉄には引張応力、フォルステライトには圧縮応力が発生する。加えて、フォルステライトの上に形成される樹脂主体の上層被膜は、樹脂の架橋収縮によって、フォルステライトに対して大きな圧縮応力を与える。そのため、フォルステライトと地鉄との界面における内部応力は、さらに大きくなる。ここにおいて、凸形状への変形応力が加わった場合、フォルステライトは上層被膜に拘束されている一方、地鉄は伸長される形となるため、この力は、フォルステライトと地鉄との界面における内部応力を助長する方向に働き、この内部応力を緩和するために地鉄とフォルステライトの間で剥離が発生したものと思われる。特に、上層被膜が凸形状への変形に追随できない場合や、上層被膜とフォルステライトが強固に結合している場合には、前述した上層被膜によるフォルステライトの拘束がより大きくなり、地鉄/フォルステライト間での剥離が発生し易くなったものと考えられる。
【0015】
上記剥離メカニズムを推定し、発明者らは、フォルステライト被膜を変更すること無く、フォルステライト被膜と地鉄との間の剥離を改善するために、下記の方法を検討した。
まず、上層被膜および/または中間被膜に樹脂を含有させることにより、フォルステライト上の被膜の可撓性を高め、加工時に凸変形が生じた際、それに追随できるようにする。
さらに、含有させた樹脂による可撓性を以ってしても変形に追随できない場合には、上層被膜に無機成分を配合し、かつ中間被膜を無機成分主体の被膜とすることにより、これら無機成分が存在するところを起点としてクラックを発生させ、応力を緩和させることにより、地鉄/フォルステライト間での剥離を防止する。
【0016】
このような考えの下、発明者らは、各種の中間被膜、上層被膜を検討したところ、上記方法により、密着性を改善できることが確認できた。ただし、中間被膜の検討に当たり、従来から多用されている下地被膜のクロメート被膜は、耐食性を向上するためには好適であるが、近年のクロムフリー指向の観点からは除外する必要があり、検討対象からは除外した。
【0017】
以下、検討した結果について説明する。
発明者らはまず、フォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板の表面に、中間被膜として、無機成分であるZrの炭酸塩を含むクロムフリー下地被膜を形成した場合と形成しない場合、上層被膜として、エポキシ樹脂単体の場合とエポキシ樹脂と無機成分とを配合した場合の4種類の被膜を形成した。そして、これら4種類の被膜を有する鋼板を用いて、磁気シールドに加工し、小型モータに取付けて錆の発生状況を観察し、それぞれの被膜の特性を評価した。
【0018】
その結果、表1に示したように、中間被膜を形成しない場合には、上層被膜への無機成分の配合有無にかかわらず、切断端面近傍やかしめ部等の加工部において、フォルステライト/上層被膜間で剥離が発生した。さらに、端面部分やかしめ部分の被膜が剥離した部分からは、糸錆状の塗膜下腐食錆が著しく発生した。一方、中間被膜を形成した場合には、施さない場合より、フォルステライトと上層樹脂被膜間の剥離は減少しており、錆の発生も大幅に改善された。しかし、上層被膜をエポキシ樹脂単体とした場合には、加工条件が厳しい部分で、フォルステライト被膜と地鉄間の剥離が発生し、その部分から錆が発生した。一方、上層被膜に無機成分を添加した場合には、被膜に若干のひび割れはあったものの、剥離はほとんどなく、錆もほとんど発生しなかった。このことから、耐食性を向上させるには、上層被膜中に、特定量の無機成分を混合することが有効であることがわかった。
【0019】
【表1】
【0020】
上記の結果に基づき、発明者らは、中間被膜についてさらに検討を進めた。その結果、密着性の観点からは、中間被膜は、無機成分を主成分とし、粉状にならずに造膜していればよいことがわかった。また、耐食性の観点からは、中間被膜中にCrを含ませることが有効であるが、近年のクロムフリー化の観点から、これと同等の特性を有するものとして、Ti,Zr,Mo,WおよびCeから選ばれる1種以上を含むことが有効であることがわかった。Ti,Zr,Mo,WおよびCeの化合物の形態は、どのようなものでもよいが、酸化物、水酸化物、炭酸塩、アンモニウム塩等が好適であり、溶解していても分散物であってもよい。
【0021】
上記知見に基づいて開発された本発明は、フォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板において、前記フォルステライト被膜の表面に、Ti,Zr,Mo,WおよびCeから選ばれる1種以上の無機成分と残部40%以下の有機成分とからなる0.01〜1.0g/m2の中間被膜が形成され、さらにこの中間被膜の表面には、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂から選ばれる1種以上の有機成分と無機成分の重量比率が20/80〜80/20である2〜12g/m2の上層被膜が形成されてなることを特徴とする被膜密着性と耐食性に優れる磁気シールド用方向性電磁鋼板である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の磁気シールド材は、フォルステライト被膜を有する方向性電磁鋼板である。方向性電磁鋼板の成分組成は、とくに限定しないが、Si:2.0〜4.0mass%を含有する珪素鋼板であることが好ましい。Siは、磁気シールド性を高めるのに有効な元素であるが、4.0mass%を超えると冷間加工性が劣化し、また、2.0%未満では磁気シールド性の改善効果が認められないためである。Si以外に、C,Mn,Se,Al,Nなどを、ゴス方位を優先成長させ、磁気シールド性を向上させるためのインヒビター成分として添加することができる。
【0025】
上記成分組成を有する母材の溶製は、転炉、電気炉など公知の方法を用いることができ、成分調整された溶鋼は、連続鋳造あるいは造塊−分塊法によりスラブとされる。その後、このスラブを熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を行った後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚まで圧延される。この板厚は、特に限定する必要はなく、用途に応じて選択されるが、磁気シールド材としては0.20〜0.35mmの板厚が好適である。
【0026】
最終板厚に圧延された冷延板は、脱炭焼鈍を施したのち、表面にMgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布・乾燥する。この表面に塗布する焼鈍分離剤には、優れた磁気特性と密着性の良好なフォルステライト被膜を得るために、主剤であるMgOに加えて、SrSO4,MgSO4などのインヒビター補強剤や、TiO2などの被膜形成助剤を添加することができる。
【0027】
焼鈍分離剤を塗布された鋼板は、コイル状に巻き取られ、水素ガス雰囲気中で1150〜1200℃の温度で仕上焼鈍される。この焼鈍により、鋼板表面に、MgO−SiO2の固相反応によってフォルステライト被膜(Mg2SiO4)が形成されるとともに、二次再結晶により優れた磁気特性を有する{110}<001>方位に揃った結晶粒を優先成長させる。その後、必要に応じて800〜850℃の平坦化焼鈍を施すことができる。
【0028】
仕上焼鈍後、鋼板表面のフォルステライト被膜上に中間被膜を形成する。この中間被膜は、クロムを含まない無機成分を主成分とする0.01〜1.0g/m2の被膜であることが必要であり、樹脂を添加する場合でも、重量比率で40%以下に抑える。この中間被膜を形成させることにより、フォルステライト被膜/上層被膜間での耐剥離性および耐食性を格段に向上することができる。
【0029】
クロムを含まない無機成分としては、各種のものが適用可能であるが、造膜性を有する無機成分を主成分とすることが必要である。さらに、耐食性の観点からCrに匹敵するものとしては、Ti,Zr,Mo,WおよびCe等の中から選ばれる1種以上を含むのが好適である。これらの形態はどのようなものでもよいが、酸化物、水酸化物、アンモニウム塩、炭酸塩等は好適に使用できる。これらの無機成分を含有させることによって、フォルステライトと上層被膜間での剥離を防止し、かつ、傷部から発生する塗膜下腐食を防止することができる。
【0030】
また、クロムを含まない無機成分は、完全な水溶液、無機コロイド、微粒子物質等、その形態は問わないが、造膜性に優れるものであることが好ましい。しかし、単体で造膜性が劣る無機成分でも、造膜性のよい成分と混合して使用すればよい。
【0031】
中間被膜の目付量は、0.01〜1.0g/m2の範囲とする。0.01g/m2未満では、均一塗布が困難で、耐食性にばらつきが発生し、一方、1.0g/m2を超えると、むしろ中間被膜部分での破壊が発生し好ましくないからである。好ましくは、0.01〜0.5g/m2である。
【0032】
中間被膜に樹脂を含有させることも可能だが、有機成分量が40%超の場合には、フォルステライト被膜/地鉄間での耐剥離性の向上には逆効果となり好ましくない。そのため、樹脂を含ませる時は、重量比率で40%以下に抑える。
【0033】
上述した中間被膜の上層には、さらに、有機成分と無機成分からなり、有機成分/無機成分の重量比率が20/80〜80/20である上層被膜を形成する。被膜成分としては各種のものが使用でき、無機成分としては、各種金属の酸化物や化合物、色相顔料等が挙げられ、有機成分としては、各種の樹脂や有機顔料等を挙げることができる。有機成分の比率が重量比率で20未満であると、被膜としての強度が不足し、一方、80超であると収縮が大きくなり過ぎ、フォルステライト/地鉄間で剥離が発生するようになる。
【0034】
上層被膜に含ませる樹脂としては、各種の樹脂が適用可能であるが、可撓性の優れた樹脂を用いることが好ましく、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等が好適である。ただし、その他の樹脂、例えば、エポキシ、アクリル、ポリオレフィン、アルキッド、メラミン等の樹脂も使用することが可能である。これらの樹脂は単体、共重合体、混合体等、いずれの形態でも使用でき、重視する性能とコストの観点から、適宜選択して配合すればよい。例えば、耐食性を重視する場合には、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂が、また、加工性を重視する場合には、ポリエステル系樹脂が好適である。
【0035】
上層被膜の目付量は、乾燥後の重量で2〜12g/m2の範囲とする。2g/m2未満では、鋼板の表面粗度によっては被膜の薄い部分から発錆し、十分な耐食性が得られない。また、12g/m2を超えると耐曲げ加工性が劣化するほか、その効果も飽和するため、それ以上の目付量は経済的でない。好ましくは4〜10g/m2の範囲である。
【0036】
なお、中間被膜、上層被膜を形成する方法は、均一に処理できればどのような方法でも良く、種々の方法を用いることが出来る。例えば、各種ロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、カーテンコーター、静電塗装、電着塗装等を挙げることができる。さらに、必要に応じて乾燥工程を通すことが好ましい。
【0037】
【実施例】
C:0.035mass%、Si:3.2mass%、Al:0.0005mass%、Mn:0.07mass%を含有する連続鋳造製の鋼スラブを、熱間圧延および中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延により、板厚0.30mmの冷延板とした。この鋼板に、湿水素雰囲気中で820℃×3minの脱炭焼鈍を施したのち、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布し、dry H2ガス雰囲気中で、1180℃×5hrの仕上焼鈍を施し、方向性電磁鋼板とした。仕上焼鈍後、鋼板の表面に付着した未反応の焼鈍分離剤を水洗除去し、リン酸水溶液で鋼板表面を酸洗した後、820℃で平坦化焼鈍を行った。この方向性電磁鋼板は、2.0μm厚のフォルステライト被膜を有し、B8:1.89T、W17/50:0.9W/kgの磁気特性を有していた。引続き、この鋼板のフォルステライト被膜の上に、表2に示した13種の中間被膜および上層被膜を形成した。
【0038】
上記のようにして作製した各種被膜を有する方向性電磁鋼板について、被膜密着性、耐食性および磁気シールド性について、下記の方法により調査した。
(1) 被膜密着性(平坦部)
30×280mmの試験片を採取し、この試験片の両面にセロハンテープを貼り付けて剥がした時に被膜が剥離してセロハンテープに転写した面積を測定し、その面積率を求めた。そして、剥離なし:◎、剥離面積率10%以下:○、剥離面積率10%超〜50%以下:△、剥離面積率50%超:×とする基準を用いて、平坦部の被膜密着性を評価した。
【0039】
(2) 被膜密着性(曲げ加工部)
30×280mmの試験片を採取し、試験片の片面にセロハンテープを貼り付け、テープ貼付面が凸側になるように、10mmφの丸棒に巻きつけて180°曲げを施し、セロハンテープを剥がした時、被膜が剥離してセロハンテープに転写した面積率を測定し、曲げ加工部の被膜の密着性を評価した。評価は、平坦部と同じ、剥離なし:◎、剥離面積率10%以下:○、剥離面積率10%超〜50%以下:△、剥離面積率50%超:×の基準で行った。
【0040】
(3) 耐食性(平坦部)
100×150mmの試験片を採取し、エッジ部をビニールテープでシールした後、JIS Z2371に準拠して塩水噴霧試験(試験温度:35℃、試験期間:7日間、5%NaCl溶液)を行い、試験片表面に発生した赤錆の面積率を測定し、錆びなし:◎、発錆面積率10%以下:○、発錆面積率10%超〜50%以下:△、発錆面積率50%超:×として平坦部の耐食性を評価した。
【0041】
(4)耐食性(曲げ加工部の耐食性)
30×30mmの試験片を採取し、この試験片を10mmφの丸棒に巻きつけて180°曲げ加工を行った後、エッジ部をビニールテープでシールし、JISZ2371に準拠して塩水噴霧試験(試験温度:35℃、試験期間:4日間、5%NaCl溶液)を行い、試験片表面に発生した赤錆の面積率を測定し、曲げ加工部の耐食性を評価した。評価は、平坦部と同様、錆びなし:◎、発錆面積率10%以下:○、発錆面積率10%超〜50%以下:△、発錆面積率50%超:×の基準で行った。
【0042】
(5)耐食性(端部)
100×150mmの試験片を採取し、エッジ部をシールせずに、JISZ2371に準拠して塩水噴霧試験(試験温度:35℃、試験期間:4日間、5%NaCl溶液)を行い、試験片端部から発生した錆の最大距離を測定した。評価は、錆の発生長さが、0.5mm以下:◎、0.5mm超〜1.0mm:○、1.0mm超〜2.0mm:△、2.0mm超:×の基準で行った。
【0043】
(6)磁気シールド性
方向性電磁鋼板から150×150mmの試験片を採取し、磁気シールド性を評価した。測定方法は、図1に示すように、永久磁石1とガウス測定器3との間の距離(ガウス調整距離)4を25mmとし、この間に上記試験片2を、ガウス測定器3との距離(測定距離5)を5mmとなるように置いて磁場を遮断した時に、シールド後の磁場の強さを測定して評価した。なお、試験片2を置く前の磁気の強さは100ガウスであった。シールド性は、シールド後の磁場が小さいほど良好であり、0〜20ガウス:◎、20〜40ガウス:○、40〜60ガウス:△、60〜100ガウス:×と評価した。
【0044】
【表2】
【0045】
上記調査の結果を、表2中に併記した。この結果から、本発明の条件を満たす中間被膜、上層被膜が施されたNo.1〜7の方向性電磁鋼板は、いずれも被膜密着性および耐食性に優れた特性を有している。ただし、中間被膜中の樹脂比率が高いNo.7では、若干の特性劣化が認められる。一方、中間被膜の目付量が本発明範囲より少ないNo.8や上層被膜中の有機物比率が本発明範囲を外れるNo.9,10、上層被膜の目付量が本発明範囲を外れるNo.11,12、および中間被膜中に無機成分を含まないNo.13は、被膜密着性あるいは耐食性のうちの少なくとも一方が劣るものしか得られなかった。なお、磁気シールド性は、被膜の特性とは関係無く、いずれも優れた特性を有していた。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、クロム化合物を一切含まず、しかも厳しい加工条件においても優れた被膜密着性と耐食性を有する磁気シールド材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 磁気シールド性の測定方法を示す図である。
【符号の説明】
1.永久磁石
2.試験片
3.ガウス測定器
4.ガウス調整距離
5.測定距離[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic shield material, and more particularly to a grain-oriented electrical steel sheet for magnetic shield that is excellent in film adhesion and corrosion resistance suitable for use in a magnetic shield of a small motor.
[0002]
[Prior art]
In recent electronic devices, many magnetic circuits are used, and the leakage magnetic flux may cause malfunction of surrounding electronic devices. Therefore, in order to shield the leakage magnetic flux, a magnetic shield material is mounted on the inside or the outside of the device separately from the case and cover of the electronic device. For example, in a small motor used in an acoustic device, an OA device, a VTR, or the like, a magnetic shield material made of an electromagnetic steel plate is attached in close contact with the periphery of the motor in order to shield leakage magnetic flux.
[0003]
In recent years, electronic devices have become smaller and thinner, and the demand for higher quality and longer life of electronic devices has become stronger. Has come to be. Here, the characteristics required for the magnetic shield material are that it has high magnetic shielding properties even if the plate thickness is thin, and that the coating does not peel off during processing, and that the coating adhesion is excellent, and that the corrosion resistance is excellent. In addition, there is no generation of gas that adversely affects surrounding equipment such as contamination and corrosion, and the appearance is beautiful.
[0004]
By the way, in order to improve the magnetic shielding properties, it is preferable to use an electrical steel sheet having a magnetic property that has a high magnetic permeability indicating the ease of passing magnetism and a small coercive force indicating the ease of demagnetization. For this purpose, it is effective to use a grain-oriented electrical steel sheet in which the grain size of the electrical steel sheet is increased and the crystal orientation is highly aligned with a specific orientation. Moreover, in order to improve the appearance beauty and corrosion resistance, it is effective to apply a paint mainly composed of an organic resin to the steel sheet surface.
[0005]
The grain-oriented electrical steel sheet having excellent magnetic properties such as magnetic permeability is generally manufactured by the following method. That is, a silicon steel slab containing 2 to 4 mass% of Si and, if necessary, S, N and Se as inhibitor components is used as a raw material. After hot rolling this material, cold rolling and intermediate annealing are performed. The steel sheet is decarburized and annealed to form an oxide film mainly composed of SiO 2 on the steel sheet surface, and then an annealing separator mainly composed of MgO is applied to the steel sheet surface and dried. Finish annealing in a gas atmosphere. This finish annealing causes secondary recrystallization to develop the Goss orientation, removes the inhibitor components such as S, N and Se from the steel, and forsterite (Mg 2 SiO 4 ) An undercoat film is formed. Then, a phosphate insulating film is coated and at the same time flattening annealing is performed to obtain a product.
[0006]
The forsterite film is a glassy brittle film, and when the upper layer is further subjected to a coating treatment, there is a problem that peeling is likely to occur at the base iron / forsterite interface. In order to solve this problem, a directional silicon steel sheet for magnetic shielding, which is excellent in coating adhesion by limiting the thickness of the forsterite coating on the steel plate and coating the forsterite coating directly on the forsterite coating (for example, , See Patent Document 1). According to this technology, the film adhesion between the forsterite film and the ground iron is improved to some extent, but because the forsterite film is formed during finish annealing, it is difficult to control the thickness and corrosion under the film. There is a problem of insufficient corrosion resistance.
[0007]
Also, when magnetically shielding electrical parts such as small motors using grain-oriented electrical steel sheets with forsterite coating, corrosive gas is generated due to temperature rise due to heat generated by motors, etc., and the magnetic shielding material is corroded. In addition, there is a problem that surrounding parts and the like are contaminated by rust of the corroded magnetic shield material, and the corrosion resistance of the magnetic shield material itself is required. For this problem, a phosphate-based insulating film is not formed or formed on the forsterite film, and further, a rust-preventing film mainly composed of an organic resin is formed on the upper layer of 2 to 10 g / m 2 , And the technique which improves corrosion resistance by making S content including a rust prevention film into 0.005 mass% or less is proposed (for example, refer patent document 2). According to this technique, although the corrosion resistance is certainly improved, the level is not yet sufficient, and there is a problem that corrosion under the coating film occurs from the end face of the steel plate or the scratched part. Moreover, there exists a problem that film adhesiveness is inferior.
[0008]
As a technique for solving these problems, forsterite an intermediate coating having corrosion resistance to the
[0009]
[Patent Document 1]
JP 05-239694 A [Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 09-321486 [Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-124685
[Problems to be solved by the invention]
According to the above prior art, due to the presence of the intermediate coating, the adhesion at each interface in the forsterite coating / intermediate coating / resin-based coating is improved, and the corrosion resistance is also improved. However, as described above, with the recent miniaturization of motors, etc., the processing of magnetic shielding materials used around the motor has become more severe, and the curvature radius in bending is further reduced, and caulking is performed. There is also an increasing number of processing such as. Therefore, in severe processing, there still remains a problem that peeling occurs between the forsterite film and the ground iron.
[0011]
Recently, from the viewpoint of environmental protection, there is a strong tendency toward not only hexavalent Cr compounds but also chromium-free steel sheets that do not contain chromium compounds themselves, and magnetic shielding materials that do not contain any Cr in the coating components have been demanded.
[0012]
An object of the present invention is to provide a grain-oriented electrical steel sheet having a magnetic shield characteristic that has a coating that does not contain any chromium compound and that has excellent adhesion and corrosion resistance.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the problems of the above-described conventional technology, the inventors formed various intermediate films on the forsterite film, and formed a film mainly composed of various resins on the upper layer, thereby strengthening the strength. A detailed study was made on the state of peeling when processed. As a result, it was found that even if the same forsterite base was peeled off at the forsterite / steel interface, it did not peel off.
[0014]
The reason for this is that because the forsterite film is formed on the surface of the electrical steel sheet at a high temperature, when it is cooled, distortion is caused by the difference in shrinkage between the forsterite with a small coefficient of thermal expansion and the large steel. As a result, tensile stress is generated in the steel and compressive stress is generated in the forsterite. In addition, the resin-based upper layer film formed on the forsterite gives a large compressive stress to the forsterite due to crosslinking shrinkage of the resin. Therefore, the internal stress at the interface between the forsterite and the ground iron is further increased. Here, when deformation stress to the convex shape is applied, forsterite is constrained by the upper layer coating, while the ground iron is elongated, so this force is at the interface between the forsterite and the ground iron. It seems that peeling occurred between the ground iron and forsterite in order to promote the internal stress and relieve the internal stress. In particular, when the upper layer film cannot follow the deformation to the convex shape, or when the upper layer film and the forsterite are firmly bonded, the forsterite is more restrained by the upper layer film, and the steel It is considered that peeling between stellites is likely to occur.
[0015]
Estimating the above peeling mechanism, the inventors examined the following method in order to improve the peeling between the forsterite film and the ground iron without changing the forsterite film.
First, by adding a resin to the upper layer film and / or the intermediate film, the flexibility of the film on the forsterite is increased, and when convex deformation occurs during processing, it can be followed.
Further, when the deformation cannot be followed even with flexibility due to the contained resin, an inorganic component is blended into the upper layer film, and the intermediate film is formed into a film mainly composed of inorganic components. Cracks are generated starting from where the components are present, and the stress is relaxed, thereby preventing separation between the ground iron / forsterite.
[0016]
Under such an idea, the inventors examined various intermediate coatings and upper coatings, and confirmed that the adhesion could be improved by the above method. However, in the study of intermediate coatings, the chromate coatings that have been frequently used in the past are suitable for improving the corrosion resistance, but they must be excluded from the viewpoint of chromium-free orientation in recent years. Excluded from.
[0017]
Hereinafter, the examination results will be described.
First of all, the inventors of the grain-oriented electrical steel sheet having a forsterite film, as an intermediate film, when forming a chromium-free undercoating containing a Zr carbonate as an inorganic component, and when not formed, as an upper film, Four types of coatings were formed when the epoxy resin was used alone and when the epoxy resin and an inorganic component were blended. And using the steel plate which has these four types of coatings, it processed into a magnetic shield, attached to the small motor, observed the generation | occurrence | production state of rust, and evaluated the characteristic of each coating film.
[0018]
As a result, as shown in Table 1, when the intermediate coating is not formed, the forsterite / upper coating is used in the vicinity of the cut end face and the processed portion such as the caulking portion regardless of the presence or absence of the inorganic component in the upper coating. Peeling occurred between them. In addition, yarn rust-like under-coating corrosion rust occurred remarkably from the part where the coating on the end face part and the caulking part peeled off. On the other hand, when the intermediate coating was formed, the peeling between the forsterite and the upper resin coating was reduced compared to the case where the intermediate coating was not applied, and the generation of rust was greatly improved. However, when the upper layer coating was made of an epoxy resin alone, peeling between the forsterite coating and the ground iron occurred at a portion where processing conditions were severe, and rust was generated from that portion. On the other hand, when an inorganic component was added to the upper layer coating film, although there were some cracks in the coating layer, there was almost no peeling and almost no rust was generated. From this, in order to improve corrosion resistance, it turned out that it is effective to mix a specific amount of inorganic components in an upper film.
[0019]
[Table 1]
[0020]
Based on the above results, the inventors further investigated the intermediate coating. As a result, from the viewpoint of adhesion, it has been found that the intermediate coating may be formed with an inorganic component as a main component and without being powdered. From the viewpoint of corrosion resistance, it is effective to include Cr in the intermediate coating, but from the viewpoint of chromium-free in recent years, Ti, Zr , Mo, W It has been found that it is effective to contain one or more selected from Ce and Ce. The form of the compound of Ti, Zr , Mo, W, and Ce may be any form, but oxides, hydroxides, carbonates, ammonium salts, and the like are suitable, and even if dissolved, they are dispersed. There may be.
[0021]
The present invention developed on the basis of the above knowledge is a grain-oriented electrical steel sheet having a forsterite coating, and has at least one inorganic component selected from Ti, Zr , Mo, W and Ce on the surface of the forsterite coating. And an intermediate film of 0.01 to 1.0 g / m 2 composed of the remaining 40% or less of an organic component, and further on the surface of the intermediate film, a polyester resin, a urethane resin, a polyimide resin, a polyvinyl acetal resin, An upper film of 2 to 12 g / m 2 is formed in which the weight ratio of one or more organic components selected from epoxy resins, acrylic resins, polyolefin resins, alkyd resins, and melamine resins to inorganic components is 20/80 to 80/20. It is a grain-oriented electrical steel sheet for magnetic shields that is excellent in film adhesion and corrosion resistance.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
The magnetic shield material of the present invention is a grain-oriented electrical steel sheet having a forsterite film. The component composition of the grain-oriented electrical steel sheet is not particularly limited, but is preferably a silicon steel sheet containing Si: 2.0 to 4.0 mass%. Si is an element effective for enhancing the magnetic shielding property, but if it exceeds 4.0 mass%, the cold workability deteriorates, and if it is less than 2.0%, the effect of improving the magnetic shielding property is not recognized. . In addition to Si, C, Mn, Se, Al, N, or the like can be added as an inhibitor component for preferential growth of the Goss orientation and improving magnetic shielding properties.
[0025]
A known method such as a converter or an electric furnace can be used for melting the base material having the above component composition, and the component-adjusted molten steel is made into a slab by continuous casting or an ingot-bundling method. Thereafter, the slab is hot-rolled and subjected to hot-rolled sheet annealing as necessary, and then rolled to the final sheet thickness by one or two or more cold rollings sandwiching the intermediate annealing. The plate thickness is not particularly limited and is selected according to the application, but a plate thickness of 0.20 to 0.35 mm is preferable as the magnetic shield material.
[0026]
The cold-rolled sheet rolled to the final sheet thickness is decarburized and annealed, and an annealing separator mainly composed of MgO is applied to the surface and dried. In order to obtain a forsterite film having excellent magnetic properties and good adhesion, the annealing separator applied to this surface is not only MgO, which is the main agent, but also an inhibitor reinforcing agent such as SrSO 4 and MgSO 4 , and
[0027]
The steel sheet coated with the annealing separator is wound into a coil shape and finish-annealed at a temperature of 1150 to 1200 ° C. in a hydrogen gas atmosphere. By this annealing, a forsterite film (Mg 2 SiO 4 ) is formed on the steel plate surface by a solid phase reaction of MgO—SiO 2 , and {110} <001> orientation having excellent magnetic properties by secondary recrystallization Priority is given to crystal grains that are aligned to each other. Thereafter, planarization annealing at 800 to 850 ° C. can be performed as necessary.
[0028]
After finish annealing, an intermediate film is formed on the forsterite film on the steel sheet surface. This intermediate film needs to be a 0.01 to 1.0 g / m 2 film mainly composed of an inorganic component not containing chromium, and even when a resin is added, the weight ratio is 40% or less. It suppresses Ru. By forming this intermediate film, the peel resistance and corrosion resistance between the forsterite film / upper layer film can be remarkably improved.
[0029]
Various inorganic components can be applied as the inorganic component not containing chromium, but it is necessary to use an inorganic component having film-forming properties as a main component. Furthermore, from the viewpoint of corrosion resistance, it is preferable to include at least one selected from Ti, Zr , Mo, W, Ce, and the like as Cr. Any form may be used, but oxides, hydroxides, ammonium salts, carbonates and the like can be suitably used. By containing these inorganic components, peeling between the forsterite and the upper layer film can be prevented, and corrosion under the coating film generated from the scratch can be prevented.
[0030]
The inorganic component not containing chromium is not particularly limited in form, such as a complete aqueous solution, an inorganic colloid, and a fine particle substance, but is preferably excellent in film forming property. However, even an inorganic component having a poor film-forming property alone may be used by mixing with a component having a good film-forming property .
[0031]
The basis weight of the intermediate coating is in the range of 0.01 to 1.0 g / m 2 . If it is less than 0.01 g / m 2 , uniform coating is difficult and variation in corrosion resistance occurs. On the other hand, if it exceeds 1.0 g / m 2 , the intermediate film portion is rather broken, which is not preferable. Preferably, a 0.01 to 0.5 g / m 2.
[0032]
Although it is possible to contain a resin in the intermediate coating, if the amount of the organic component exceeds 40%, it is not preferable because it has an adverse effect on improving the peel resistance between the forsterite coating / the base iron. Therefore, when the inclusion of resin, REDUCE below 40% by weight.
[0033]
In the upper layer of the above-described intermediate coating, an upper coating composed of an organic component and an inorganic component and having an organic component / inorganic component weight ratio of 20/80 to 80/20 is further formed. Various components can be used as the coating component, examples of the inorganic component include oxides and compounds of various metals, hue pigments, and the like, and examples of the organic component include various resins and organic pigments. When the ratio of the organic component is less than 20 by weight, the strength as a coating film is insufficient. On the other hand, when it exceeds 80, the shrinkage becomes too large, and peeling occurs between forsterite / base metal.
[0034]
As the resin to be included in the upper layer coating, various resins can be applied, but it is preferable to use a resin having excellent flexibility, and polyester resin, urethane resin, polyimide resin, polyvinyl acetal resin, and the like are preferable. However, other resins, for example, resins such as epoxy, acrylic, polyolefin, alkyd, and melamine can be used. These resins can be used in any form such as a simple substance, a copolymer, and a mixture, and may be appropriately selected and blended from the viewpoint of performance and cost to be emphasized. For example, when importance is attached to corrosion resistance, an epoxy resin and a urethane resin are preferable, and when importance is attached to workability, a polyester resin is preferable.
[0035]
The basis weight of the upper layer coating is in the range of 2 to 12 g / m 2 by weight after drying. In less than 2 g / m 2, depending on the surface roughness of the steel sheet and rust from thin portions of the film, no sufficient corrosion resistance can not be obtained. On the other hand, if it exceeds 12 g / m 2 , the bending workability deteriorates and the effect is saturated, so that the weight per unit area is not economical. Preferably it is the range of 4-10 g / m < 2 >.
[0036]
The method for forming the intermediate coating and the upper coating may be any method as long as it can be uniformly processed, and various methods can be used. Examples thereof include various roll coaters, bar coaters, knife coaters, curtain coaters, electrostatic coating, and electrodeposition coating. Furthermore, it is preferable to pass a drying process as needed.
[0037]
【Example】
Continuously cast steel slab containing C: 0.035 mass%, Si: 3.2 mass%, Al: 0.0005 mass%, Mn: 0.07 mass%, by two cold rolling sandwiching hot rolling and intermediate annealing, A cold-rolled sheet having a thickness of 0.30 mm was used. This steel sheet was decarburized and annealed at 820 ° C for 3 minutes in a wet hydrogen atmosphere, and then an annealing separator mainly composed of MgO was applied to the surface of the steel sheet, and 1180 ° C for 5 hours in a dry H 2 gas atmosphere. The finish annealing was performed to obtain a grain-oriented electrical steel sheet. After the finish annealing, the unreacted annealing separator adhering to the surface of the steel sheet was removed by washing with water, and the steel sheet surface was pickled with an aqueous phosphoric acid solution, followed by flattening annealing at 820 ° C. This grain-oriented electrical steel sheet had a 2.0 μm-thick forsterite film, and had magnetic properties of B 8 : 1.89 T and W 17/50 : 0.9 W / kg. Subsequently, 13 kinds of intermediate coatings and upper coatings shown in Table 2 were formed on the forsterite coating of the steel sheet.
[0038]
About the grain-oriented electrical steel sheet having various coatings produced as described above, coating adhesion, corrosion resistance, and magnetic shielding properties were investigated by the following methods.
(1) Film adhesion (flat part)
A 30 × 280 mm test piece was collected, and when the cellophane tape was applied to both sides of the test piece and peeled off, the area of the coating peeled off and transferred to the cellophane tape was measured, and the area ratio was determined. Then, using the criteria of no peeling: ◎, peeling area ratio 10% or less: ○, peeling area ratio 10% to 50% or less: Δ, peeling area ratio 50% or more: x Evaluated.
[0039]
(2) Film adhesion (bending part)
Take a 30 x 280 mm test piece, affix cellophane tape on one side of the test piece, wrap it around a 10 mmφ round bar so that the tape application surface is on the convex side, bend it 180 °, and peel off the cellophane tape. The area ratio of the film peeled off and transferred to the cellophane tape was measured, and the adhesion of the film at the bent portion was evaluated. Evaluation was performed based on the same criteria as flat portions: no peeling: :, peeling area ratio of 10% or less: ◯, peeling area ratio of more than 10% to 50% or less: Δ, peeling area ratio of more than 50%: x.
[0040]
(3) Corrosion resistance (flat part)
After collecting a 100 x 150 mm test piece and sealing the edge with vinyl tape, a salt spray test (test temperature: 35 ° C, test period: 7 days, 5% NaCl solution) is performed in accordance with JIS Z2371. Measure the area ratio of red rust generated on the surface of the test piece, no rust: ◎, rust area ratio 10% or less: ○, rust area ratio 10% to 50% or less: △, rust area ratio 50% or more : The corrosion resistance of the flat part was evaluated as x.
[0041]
(4) Corrosion resistance (corrosion resistance of bent parts)
Take a 30 x 30 mm test piece, wrap the test piece around a 10mmφ round bar, perform 180 ° bending, seal the edge with vinyl tape, and perform a salt spray test (test) according to JISZ2371 Temperature: 35 ° C., test period: 4 days, 5% NaCl solution), the area ratio of red rust generated on the surface of the test piece was measured, and the corrosion resistance of the bent portion was evaluated. As with the flat portion, the evaluation is based on the following criteria: no rust: ◎, rusting area ratio 10% or less: ◯, rusting area ratio 10% to 50% or less: △, rusting area ratio 50% or more: x It was.
[0042]
(5) Corrosion resistance (edge)
Take a 100x150mm test piece, do not seal the edge part, perform a salt spray test (test temperature: 35 ° C, test period: 4 days, 5% NaCl solution) in accordance with JISZ2371, and end of the test piece The maximum distance of rust generated from was measured. The evaluation was performed on the basis of the rust generation length of 0.5 mm or less: ◎, more than 0.5 mm to 1.0 mm: ○, more than 1.0 mm to 2.0 mm: Δ, more than 2.0 mm: ×.
[0043]
(6) Magnetic shielding property A test piece of 150 × 150 mm was taken from the grain-oriented electrical steel sheet, and the magnetic shielding property was evaluated. As shown in FIG. 1, the measurement method is such that the distance (Gaussian adjustment distance) 4 between the
[0044]
[Table 2]
[0045]
The results of the above investigation are also shown in Table 2. From these results, the No. 1-7 grain oriented electrical steel sheets provided with the intermediate coating and the upper coating satisfying the conditions of the present invention all have excellent coating adhesion and corrosion resistance. However, in the case of No. 7 having a high resin ratio in the intermediate film, a slight deterioration in characteristics is observed. On the other hand, No. 8 where the basis weight of the intermediate coating is less than the range of the present invention, No. 9 and 10 where the organic matter ratio in the upper coating is out of the range of the present invention, No. 12, and No. 13 containing no inorganic component in the intermediate film, had only inferior at least one of film adhesion and corrosion resistance. The magnetic shielding properties were excellent regardless of the properties of the coating.
[0046]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to obtain a magnetic shield material that does not contain any chromium compound and has excellent film adhesion and corrosion resistance even under severe processing conditions.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a method for measuring magnetic shielding properties.
[Explanation of symbols]
1. 1. permanent
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