JP4114390B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレンチゲートを有する炭化珪素半導体装置に関し、特にトレンチの内壁にチャネル層を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
トレンチゲートを有し、且つ、トレンチの内壁にチャネル層を有する炭化珪素半導体装置として、例えば、先に出願したトレンチゲート型のJ−FET構造を有する炭化珪素半導体装置(特願2001−260216号)がある。この半導体装置の断面構成を図11に示す。
【0003】
この半導体装置には、N+型基板J1と、N-型ドリフト層J2と、P+型層J3と、N+型層J5とが備えられている。これらN+型基板J1、N-型ドリフト層J2、P+型層J3およびN+型層J5は、六方晶系炭化珪素によって構成されており、これらによって半導体基板J6が構成されている。なお、以下では、六方晶系炭化珪素をSiCと呼ぶ。
【0004】
また、半導体基板J6の主表面側には、半導体基板J6表面からN+型層J5およびP+型層J3を貫通してN-型ドリフト層J2まで達するトレンチJ7が形成されている。このトレンチJ7の内壁面には、SiCからなるN-型チャネル層J8と、P+型層J9とが順に成膜されている。このN-型チャネル層J8は、結晶性の良い膜となるように、エピタキシャル成長にて形成される。
【0005】
この半導体装置では、P+型層J3、J9によって第1ゲート領域J3aと第2ゲート領域J9aが構成され、N+型層J5によってN+型ソース領域J5aが構成されている。
【0006】
また、第1、第2ゲート領域J3a、J9aの各表面には、第1ゲート電極J13および第2ゲート電極J11が形成されている。また、N+型ソース領域J5aの表面にはソース電極J14が形成されている。そして、これら第1、第2ゲート電極J13、J11とソース電極J14とが層間絶縁膜J15を介して電気的に分離された構成となっている。
【0007】
また、半導体基板J6の裏面側にはN+型基板J1と電気的に接続されたドレイン電極J16が形成されている。
【0008】
このように構成された半導体装置において、N-型チャネル層J8の不純物濃度を高く設定することで、この半導体装置をノーマリーオンで作動させることができ、また、低く設定することで、ノーマリーオフで作動させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した構造の半導体装置において、ゲート電圧印加時において、N-型チャネル層J8のうち、トレンチの側面側における部分J8aに電流が流れる。このときの抵抗(以下では、オン抵抗と呼ぶ)が低い構造とするためには、N-型チャネル層J8の底面側の部分J8bにより多くの電流が流れる構造であることが望ましい。
【0010】
しかしながら、表面が(0001)面であるSiCウェハを用いた場合では、トレンチ側面J7aは(11−20)面となり、トレンチ底面J7bは(0001)面となる。このため、トレンチ側面側のN-型チャネル層J8aは、(11−20)面方向にエピタキシャル成長にて形成され、トレンチ底面側のN-型チャネル層J8bは、(0001)面方向にエピタキシャル成長にて形成される。
【0011】
このとき、N-型チャネル層J8の不純物濃度はトレンチ底面側で(0001)面方向に形成された部分の方が、トレンチ側面側で(11−20)方向に形成された部分よりも低くなるという現象が起きる。なお、結晶学的面方位を示す場合、本来ならば所望の数字の上にバー(−)を付すべきであるが、表現の制約上、所望の数字の前にバーを付して示すこととする。
【0012】
上記した現象により、上記した構造の半導体装置では、ノーマリーオンで作動する場合、N-型チャネル層J8のうち、トレンチ底面側の部分J8bは、トレンチの側面側の部分J8aよりも流れる電流が少なかった。
【0013】
また、ノーマリーオフとするために、トレンチ側面側のN-型チャネル層J8aの濃度を低く設定すると、トレンチ底面側のN-型チャネル層J8bの濃度がより低くなってしまう。このことから、トレンチ底面側のN-型チャネル層J8bに電流を流すことができず、オン抵抗を低減させることができない。
【0014】
このような問題は、上記したJ−FETを備える半導体装置に限らず、例えば、上記したJ−FETのチャネル層J8上に形成されたP+型層J9の代わりに、ゲート絶縁膜が形成された構造であるMOSFETにおいても、同様にみられる問題である。
【0015】
本発明は、上記点に鑑み、低オン抵抗であるトレンチゲート型の炭化珪素半導体装置とその製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、半導体基板(6、36)と半導体基板(6、36)表面から所定深さとなるように形成されたトレンチ(7、37)と、トレンチ(7、37)の内壁に形成されたチャネル層(8、38)とを備える炭化珪素半導体装置であって、チャネル層は六方晶系炭化珪素にて構成されており、トレンチ側面(7a、37a)上に形成されたチャネル層(8a、38a)の表面は、結晶学的面指数(0001)面であると共に、トレンチ底面(7b、37b)上に形成されたチャネル層(8b、38b)表面は結晶学的面指数(11−20)面であり、チャネル層(8、38)のうち、トレンチ底面(7b、37b)上に形成されている部分(8b、38b)はトレンチ側面(7a、37a)上に形成されている部分(8a、38a)よりも不純物濃度が高いことを特徴としている。
【0017】
これにより、ゲート電圧を印加し、チャネル層(8、38)に電流を流したとき、トレンチ底面側のチャネル層(8b、38b)に、電流を従来の半導体装置より多く流すことができる。このため、チャネル層のトレンチ底面側の部分が、トレンチ側面側の部分よりも不純物濃度が低い構造のものと比較して、オン抵抗を低減させることができる。
【0018】
さらに、請求項1の構造に加えて、請求項2に示すように、チャネル層(8、38)のうち、トレンチ側面(7a、37a)上に形成されている部分(8a、38a)は、ノーマリーオフとなる濃度とすることもできる。
【0019】
これにより、ゲート電圧を印加し、チャネル層(8、38)に電流を流したとき、トレンチ底面側のチャネル層(8b、38b)においても電流を流すことができる。このため、チャネル層のトレンチ底面側の部分が、トレンチ側面側の部分よりも不純物濃度が低い構造のものと比較して、オン抵抗を低減させることができる。このことから、ノーマリーオフ型で低オン抵抗であるトレンチゲート型の炭化珪素半導体装置を提供することができる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明では、第1導電型の炭化珪素からなり、主表面と裏面とを有する基板(1)と、基板(1)の主表面上に形成され、基板(1)よりも低濃度とされた第1導電型の第1半導体層(2)と、第1半導体層(2)上に形成された第2導電型の第2半導体層(3)と、第2半導体層(3)上に形成され、第1半導体層よりも高濃度とされた第1導電型の第3半導体層(5)と、第3半導体層(5)表面から、第3、第2半導体層(5、3)を貫通し、第1半導体層(2)に到達する深さにて形成されたトレンチ(7)と、トレンチ(7)の内壁面上に形成された第1導電型のチャネル層(8)と、チャネル層(8)の上に形成された第2導電型の第4半導体層(9)と、第2半導体層(3)を第1ゲート領域(3a)とし、第1ゲート領域(3a)に電気的に接続された第1ゲート電極(12、13)と、第4半導体層(9)を第2ゲート領域(9a)とし、第2ゲート領域(9a)に電気的に接続された第2ゲート電極(10、11)と、第3半導体層(5)をソース領域(5a)とし、ソース領域(5a)に電気的に接続されたソース電極(14)と、基板(1)の裏面側に形成されたドレイン電極(16)とを備え、チャネル層(8)は六方晶系炭化珪素にて構成されており、トレンチ側面(7a)上に形成されたチャネル層(8a)の表面は、結晶学的面指数(0001)面であると共に、トレンチ底面(7b)上に形成されたチャネル層(8b)表面は結晶学的面指数(11−20)面であり、チャネル層(8)のうち、トレンチ側面(7a)上に形成されている部分(8a)の不純物濃度は、ノーマリーオフ型となる不純物濃度であり、かつ、トレンチ底面(7b)上に形成されている部分(8b)の不純物濃度は、トレンチ側面(7a)上に形成されている部分(8a)よりも不純物濃度が高いことを特徴としている。
【0021】
本発明では、このようなトレンチゲートを有する構造のJ−FETを備える炭化珪素半導体装置にて、ノーマリーオフ型であって、トレンチ底面側のチャネル層(8b)は、トレンチ側面側のチャネル層(8a)よりも不純物濃度が高い構造としている。
【0022】
このことから、ゲート電圧を印加し、チャネル層(8)に電流を流したとき、トレンチ底面側のチャネル層(8b)においても電流を流すことができる。したがって、トレンチ底面側のチャネル層(8b)がトレンチ側面側のチャネル層(8a)よりも不純物濃度が低い構造のものと比較して、オン抵抗を低減させることができる。
【0023】
また、請求項4に記載の発明では、炭化珪素からなり主表面と裏面とを有する基板(31)と、基板(31)主表面上に形成され、基板(31)よりも低濃度とされた第1導電型の第1半導体層(32)と、第1半導体層(32)上に形成された第2導電型の第2半導体層(33)と、第2半導体層(33)の表層に形成された第1導電型のソース領域(35)と、第2半導体層(33)表面から、第1導電型のソース領域(35)及び第2半導体層(33)を貫通し、第1半導体層(32)に到達する深さにて形成されたトレンチ(37)と、トレンチ(37)の内壁面上に形成された第1導電型のチャネル層(38)と、チャネル層(38)上に形成されたゲート絶縁膜(39)と、ゲート絶縁膜(39)上に形成されたゲート電極(40)と、ソース領域(35)に電気的に接続されたソース電極(42)とを備え、チャネル層(38)は六方晶系炭化珪素にて構成されており、トレンチ側面(37a)上に形成されたチャネル層(38a)の表面は、結晶学的面指数(0001)面であると共に、トレンチ底面(37b)上に形成されたチャネル層(38b)表面は結晶学的面指数(11−20)面であり、チャネル層(38)のうち、トレンチ側面(37a)上に形成されている部分(38a)の不純物濃度は、ノーマリーオフ型となる不純物濃度であり、かつ、トレンチ底面(37b)上に形成されている部分(38b)の不純物濃度は、トレンチ側面(37a)上に形成されている部分(38a)よりも不純物濃度が高いことを特徴とする炭化珪素半導体装置。
【0024】
本発明では、このようなトレンチゲートを有する構造の炭化珪素半導体装置にて、ノーマリーオフ型であって、トレンチ底面側のチャネル層(38b)は、トレンチ側面側のチャネル層(38a)よりも不純物濃度が高い構造としている。
【0025】
このことから、ゲート電圧を印加し、チャネル層(38)に電流を流したとき、トレンチ底面側のチャネル層(38b)においても電流を流すことができる。したがって、トレンチ底面側のチャネル層(38b)がトレンチ側面側のチャネル層(38a)よりも不純物濃度が低い構造のものと比較して、オン抵抗を低減させることができる。
【0026】
ここで、請求項1〜4に記載の発明においては、トレンチ側面(7a、37a)上に形成されたチャネル層(8a、38a)の表面は、六方晶系炭化珪素の結晶学的面指数(0001)面であると共に、トレンチ底面(7b、37b)上に形成されたチャネル層(8b、38b)表面は六方晶系炭化珪素の結晶学的面指数(11−20)面である。
【0027】
一般的に(0001)面方向にエピタキシャル成長したエピタキシャル膜は、(11−20)面方向にエピタキシャル成長したエピタキシャル膜よりも不純物濃度が低くなる。したがって、トレンチ側面側のチャネル層(8a、38a)はトレンチ底面側のチャネル層(8b、38b)よりも不純物濃度が低い。
【0028】
これにより、トレンチ側面側のチャネル層(8a、38a)の不純物濃度を、ノーマリーオン型にするために低濃度に設定しても、トレンチ底面側のチャネル層(8b、38b)は、トレンチ側面側のチャネル層(8a、38a)よりも不純物濃度が高い。
【0029】
このため、ゲート電圧印加時において、トレンチ底面側のチャネル層(8b、38b)にも電流を流すことができる。これにより、オン抵抗を低減させることができる。
【0030】
また、側面上に形成されているチャネル層(8a、38a)の結晶面は(0001)面であることから、トレンチ側面側のチャネル層が(11−20)面のときよりもチャネル抵抗を低減することができる。
【0031】
さらに、請求項5に示すように、チャネル層(8、38)のうち、トレンチ底面(7b、37b)上に形成されている部分(8b、38b)の下側に接して形成された第2導電型の半導体領域(20、60)を有し、この半導体領域(20、60)が第1半導体層(2、32)とpn接合を形成している構造とすることができる。
【0032】
トレンチ底面(7b、37b)の下側に、半導体領域と第1半導体層とのpn接合を有することから、このpn接合面から延びる空乏層により、トレンチ(7、37)の底面側のコーナーにおける電界集中を緩和することができる。このため、オフ時におけるソース・ドレイン間の耐圧を向上させることができる。
【0033】
請求項6に記載の発明では、六方晶系炭化珪素からなり、基板主表面が結晶学的面指数(11−20)面である半導体基板(6、36)を用意し、半導体基板(6、36)上に側面と底面とを有するトレンチ(7、37)を形成する工程と、トレンチ(7、37)の内壁面にエピタキシャル成長させることでチャネル層(8、38)を形成する工程とを有し、チャネル層(8、38)を形成する工程では、トレンチ底面(7b、37b)側のチャネル層(8b、38b)の不純物濃度がトレンチ側面(7a、37a)側のチャネル層(8a、38a)よりも高くなるように形成することを特徴としている。
【0034】
これにより、請求項1に記載の半導体装置を形成することができる。
【0035】
請求項7に記載の発明では、基板主表面が(11−20)面である第1導電型の炭化珪素からなる基板(1)を用意し、基板(1)の上に、この基板(1)よりも低濃度な第1導電型の第1半導体層(2)をエピタキシャル成長させ、この第1半導体層(2)上に、第2導電型の第2半導体層(3)、第1導電型の第3半導体層(5)を順にエピタキシャル成長させることで、基板(1)と第1〜第3半導体層(2、3、5)とを有してなる半導体基板(6)を形成する工程と、第3半導体層(5)から、第3、第2半導体層(5、3)を貫通して第1半導体層(2)まで達する第1トレンチ(7)を形成する工程と、トレンチ(7)の内壁面にエピタキシャル成長させることで第1導電型のチャネル層(8)を形成する工程と、チャネル層(8)の上に第2導電型の第4半導体層(9)を形成する工程と、第2半導体層(3)を第1ゲート領域(3a)とし、第1ゲート領域(3a)に電気的に接続される第1ゲート電極(12、13)を形成する工程と、第4半導体層(9)を第2ゲート領域(9a)とし、第2ゲート領域(9a)に電気的に接続される第2ゲート電極(10、11)を形成する工程と、第3半導体層(5)をソース領域(5a)とし、ソース領域(5a)に電気的に接続されるソース電極(14)を形成する工程と、基板(1)の裏面側に、ドレイン電極(14)を形成する工程とを有し、チャネル層(8)を形成する工程では、トレンチ側面(7a)側のチャネル層(8a)がノーマリーオフ型となる不純物濃度であり、トレンチ底面(7b)側のチャネル層(8b)の不純物濃度がトレンチ側面(7a)側のチャネル層(8a)よりも高くなるように形成することを特徴としている。
【0036】
これにより、請求項2に記載の炭化珪素半導体装置を製造することができる。
【0037】
また、請求項8に記載の発明では、基板主表面が(11−20)面である第1導電型の炭化珪素からなる基板(31)を用意し、この基板(31)の上に、基板(31)よりも低濃度な第1導電型の第1半導体層(32)をエピタキシャル成長させ、第1半導体層(32)上に第2導電型の第2半導体層(33)を形成することで、基板(31)と第1、第2半導体層(32、33)とを有する半導体基板(6)を形成する工程と、第2半導体層(33)の表層に第1導電型のソース領域(35)を形成する工程と、第2半導体層(33)表面から、ソース領域(35)及び第2半導体層(33)を貫通して第1半導体層(32)まで達するトレンチ(37)を形成する工程と、トレンチ(37)の内壁面にエピタキシャル成長によって第1導電型のチャネル層(38)を形成する工程と、チャネル層(38)の上にゲート絶縁膜(39)を形成する工程と、ゲート絶縁膜(39)の上にゲート電極(40)を形成する工程と、ソース領域(35)に電気的に接続されるソース電極(42)を形成する工程と、基板(31)の裏面側に、ドレイン電極(46)を形成する工程とを有し、チャネル層(38)を形成する工程では、トレンチ側面(37a)側のチャネル層(38a)はノーマリーオフ型となる不純物濃度であり、トレンチ底面(37b)側のチャネル層(38b)の不純物濃度はトレンチ側面側のチャネル層(38a)よりも高くなるように、チャネル層(38)を形成することを特徴としている。
【0038】
これにより、請求項3に記載の炭化珪素半導体装置を製造することができる。
【0039】
また、請求項9に記載の発明では、トレンチ(7、37)を形成する工程では、トレンチ側面(7a、37a)の六方晶系炭化珪素の結晶学的面指数が(0001)面となり、トレンチ底面(7b、37b)の六方晶系炭化珪素の結晶学的面指数が(11−20)面となるようにトレンチ(7、37)を形成すると共に、チャネル層を形成する工程では、トレンチ側面(7a、37a)上のチャネル層(8a、38a)表面の六方晶系炭化珪素の結晶学的面指数が(0001)面となり、トレンチ底面(7b、37b)上のチャネル層(8b、38b)表面の結晶学的面指数が(11−20)面となるようにチャネル層(8、38)を形成することを特徴としている。
【0040】
例えば、このように製造することで、トレンチ底面(7b、37b)側のチャネル層(8b、38b)の不純物濃度がトレンチ側面(7a、37a)側のチャネル層(8a、38a)よりも高濃度となるように、形成することができる。
【0041】
これにより、ノーマリーオフ型の構造で、オン抵抗を低減させることができる。
【0042】
また、請求項10に記載の発明では、トレンチ(7、37)を形成する工程と、チャネル層(8、38)を形成する工程との間にて、トレンチ底面(7b、37b)を形成した後に、トレンチ底面(7b、37b)の下側に、トレンチ底面(7b、37b)と接し、かつ、第1半導体層(2、32)とpn接合を構成するように、第2導電型の半導体領域(20、60)を形成する工程を有することを特徴としている。
【0043】
これにより、トレンチコーナーでの電界集中を緩和することができる。
【0044】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0045】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に本発明を適用した第1実施形態における炭化珪素半導体装置の断面構造を示す。
【0046】
この半導体装置は、Nチャネル型のJ−FETを備えるものである。この半導体装置は、トレンチ及びN-型チャネル層表面の結晶面が、図11での構造と異なる。なお、本実施形態では、結晶面が異なる以外のその他の構造は図11と同様である。
【0047】
具体的には、基板としてのN+型基板1と、第1半導体層としてのN-型ドリフト層2と、第2半導体層としてのP+型層3と、第3半導体層としてのN+型層5とからなる半導体基板6が備えられている。この半導体基板6はSiCによって構成されており、基板表面は(11−20)面である。
【0048】
なお、半導体基板6を構成する各層の不純物濃度は、例えば、N+型基板1が1.0×1020cm-3、N-型ドリフト層2が1.0×1016cm-3、P+型層3が1.0×1018cm-3、N+型層5が1.0×1019cm-3である。
【0049】
また、半導体基板6の主表面側には、半導体基板6表面からN+型層5およびP+型層3を貫通してN-型ドリフト層2まで達するトレンチ7が形成されている。このとき、トレンチ側面7aは(0001)面であり、トレンチ底面7bは(11−20)面である。
【0050】
そして、このトレンチ7の内壁面には、膜厚が例えば0.5μmであるN-型チャネル層8が成膜されている。
このN-型チャネル層8のうち、トレンチ側面7a側に形成されている部分8aの表面は(0001)面であり、トレンチ底面7b側に形成されている部分8bの表面は(11−20)面である。また、このN-型チャネル層8の不純物濃度は、トレンチ側面7a側の部分8aが、例えば1.0×1016cm-3であり、トレンチ底面7b側の部分8bが、例えば1.0×1017cm-3となっている。
【0051】
さらに、このN-型チャネル層8表面上には、例えば1.0×1018cm-3とされた不純物濃度の第4半導体層としてのP+型層9が成膜されている。
【0052】
この半導体装置では、図11の構造と同様に、P+型層3、9によって第1ゲート領域3aと第2ゲート領域9aが構成され、N+型層5によってN+型ソース領域5aが構成されている。
【0053】
第1ゲート領域3a表面には、例えばP+型層とオーミック接触が可能な材質であるAl層12と、その上に積層されたNi層13とから構成された第1ゲート電極G1が形成されている。また、第2ゲート領域9aの表面においても、例えば、Al層10と、その上に積層されたNi層11とから構成された第2ゲート電極G2が形成されている。
【0054】
N+型ソース領域5aの表面には、例えばNi層から構成されたソース電極14が形成されている。そして、これら第1、第2ゲート電極G1、G2とソース電極14とが層間絶縁膜15を介して電気的に分離された構成となっている。
【0055】
また、半導体基板6の裏面側にはN+型基板1と電気的に接続されたドレイン電極16が形成されている。
【0056】
このように構成されたJ−FETはノーマリオフで作動する。例えば、第1ゲート電極G1と第2ゲート電極G2との電位が独立して制御可能な場合では、 第1、第2ゲート電極G1、G2の電位に基づいて第1、第2ゲート領域3a、9aの双方からN-型チャネル層8a側に延びる空乏層の延び量を制御するダブルゲート駆動が行われる。
【0057】
つまり、第1、第2ゲート電極G1、G2に電圧を印加していない時には、N-型チャネル層8が第1、第2ゲート領域3a、9aの双方から延びる空乏層によってピンチオフされる。これにより、ソース−ドレイン間の電流がオフされる。そして、第1、第2ゲート領域3a、9aとN-型チャネル層8aとの間に順バイアスをかけると、N-型チャネル層8aに延びる空乏層の延び量が縮小される。これにより、チャネル領域が設定されて、ソース−ドレイン間に電流が流される。
【0058】
本実施形態では、トレンチ底面7b側のN-型チャネル層8bの不純物濃度は、トレンチ側面7a側のN-型チャネル層8aよりも不純物濃度が高い構造となっている。このため、N-型チャネル層8aに電流が流れたとき、トレンチ底面側のN-型チャネル層8bにおいても電流が流れるようになる。
【0059】
したがって、図11に示す構造のように、チャネル層J8のトレンチ底面側の部分J8bがトレンチ側面側の部分J8aよりも不純物濃度が低い構造のものと比較して、オン抵抗を低減させることができる。
【0060】
さらに、本実施形態では、トレンチ側面7a側のチャネル層8aの結晶面が(0001)面となっている。したがって、電流は(0001)面と平行に流れる。一般的に、六方晶の炭化珪素結晶において、(0001)面に平行な方向の方が、(11−20)面に平行な方向よりも結晶の内部にて電子が流れやすいことが知られている。
【0061】
このことから、図11に示すように、トレンチ側面J7a側のN-型チャネル層J8aの表面が(11−20)面であり、N-型チャネル層8aの不純物濃度が同じ場合の構造と比較して、チャネル抵抗を低下させることができる。
【0062】
次に本実施形態を適用した半導体装置の製造方法を図2、3に示す。
【0063】
〔図2(a)に示す工程〕
まず、図2(a)に示すように、上記不純物濃度で構成され、かつ、表面が(11−20)面であるN+型基板1を用意する。そして、N+型基板1の表面に、N-型ドリフト層2、P+型層3およびN+型層5を順にエピタキシャル成長させる。これにより、表面が(11−20)面である半導体基板6を形成する。
【0064】
〔図2(b)に示す工程〕
そして、図示しないが、半導体基板6表面に酸化膜を形成する。続いて、フォトリソグラフィ工程を行い、その後、この酸化膜をマスクとして、RIE(反応性イオンエッチング)を行う。このとき、深さが例えば3μmであり、側面が(0001)面、底面が(11−20)面となるようにトレンチ7を形成する。その後、酸化膜を除去する。
【0065】
これにより、図2(b)に示すように、N+型層5およびP+型層3を貫通してN-型ドリフト層2に達する深さであり、側面7aが(0001)面、底面が(11−20)面であるトレンチ7が形成される。
【0066】
〔図2(c)に示す工程〕
次に、図2(c)に示すように、トレンチ7を含む半導体基板6の表面にN-型チャネル層8をエピタキシャル成長させる。これにより、N-型チャネル層8が形成される。このとき、トレンチ7の内壁上にN-型チャネル層8をエピタキシャル成長させるようにしているため、トレンチ側面7a上では、(0001)面方向にN-型チャネル層8aが形成される。また、同様に、トレンチ底面7b上では、(11−20)面方向にN-型チャネル層8bが形成される。
【0067】
一般的に、同一条件にてSiCをエピタキシャル成長させたとき、(11−20)面方向にエピタキシャル成長させたときの方が、(0001)面方向にエピタキシャル成長させたときよりも、不純物濃度が高くなる。このため、本実施形態では、N-型チャネル層8のうち、トレンチ底面7b側の部分の不純物濃度をトレンチ側面7a側の部分よりも高くすることができる。
【0068】
〔図3(a)に示す工程〕
その後、N-型チャネル層8の表面上にP+型層9を形成する。続いて、フォトリソグラフィによる選択的エッチングを行い、P+型層9の所定領域をエッチングし、N+型層5の表面を露出させる。さらに、フォトリソグラフィによる選択的エッチングを行い、N+型層5の所定領域をエッチングし、P+型層3の表面を露出させる。
【0069】
〔図3(b)に示す工程〕
半導体基板6の表面全面に層間絶縁膜15を成膜したのち、層間絶縁膜15にコンタクトホールを形成する。
【0070】
この後の工程は図示しないが、コンタクトホールにソース電極14、第1ゲート電極12、13、第2ゲート電極10、11を形成する。そして、半導体基板6の裏面側にドレイン電極16を形成することで、図1に示す炭化珪素半導体装置が完成する。
【0071】
以上説明したように、本実施形態に示す炭化珪素半導体装置においては、(11−20)面を有するN+型基板1を用い、その上にN-型ドリフト層2、P+型層3およびN+型層5をエピタキシャル成長によって形成することで、表面が(11−20)面となるように半導体基板6を形成している。
【0072】
この半導体基板6表層に、側面7aが(0001)面、底面7bが(11−20)面となるようにトレンチ7を形成している。そして、このトレンチ7の内壁面上にエピタキシャル成長にて、N-型チャネル層8を形成している。このため、N-型チャネル層8のうち、トレンチ側面7a上の部分8aは(0001)面方向に成長し、また、トレンチ底面7b上の部分8bは(11−20)面方向に成長する。
【0073】
これにより、N-型チャネル層8のうち、トレンチ側面7a上の部分8aの不純物濃度をノーマリーオフとなるように低い濃度に設定しても、トレンチ底面7b上の部分8bの不純物濃度をトレンチ側面7a上の部分8aよりも高くすることができる。
【0074】
このことから、ゲート電圧を印加し、チャネル層8aに電流を流したとき、トレンチ底面7b側のチャネル層8bにおいても電流を流すことができる。したがって、ノーマリーオフ型で低オン抵抗であるトレンチゲート型のJ−FETを製造することができる。
【0075】
また、図1の構造にて、さらにトレンチ底面7bの下側にP型領域を有する構造とすることもできる。図4にこの場合における半導体装置の断面構造を示す。
【0076】
図4に示す構造は、不純物濃度が例えば1×1017cm-3とされたP型領域20を、チャネル層8のうちトレンチ底面7b側に形成された部分8bの下側に有しており、それ以外の構造は、図1と同じである。なお、このP型領域が特許請求の範囲に記載している第2導電型の半導体領域に相当する。
【0077】
このP型領域20はN-型ドリフト層2とpn接合をしていることから、このpn接合から延びる空乏層によって、トレンチコーナーでの電界集中を緩和することができる。これにより、オフ時のソース・ドレイン間の耐圧を向上させることができる。
【0078】
図5にこの場合における半導体装置の製造工程の一例を示す。図4の構造の半導体装置を製造するためには、図2、図3に示す製造工程において、図2(b)に示す工程と、図2(c)に示す工程の間に、図5(a)に示す工程を行う。
【0079】
図2(a)、(b)に示す工程にて、表面が(11−20)面である半導体基板6にトレンチ7を形成した後、図5(a)に示すように、酸化膜21を形成する。その後、酸化膜21をマスクとし、Alを不純物としたイオン注入を行う。続いて、例えば1500℃にてアニール処理を行うことで、P型領域20が形成される。
【0080】
そして、図5(b)に示すように、P型領域20を形成した後、図2(c)と同様の工程を行い、N-型チャネル層8を形成する。その後、図3(a)、(b)に示す工程を経ることで、図4に示す構造の半導体装置が形成される。
【0081】
この場合、図5(a)に示す工程において、P型領域20をイオン注入とアニール処理とにて形成している。通常、表面にオフ角を有する半導体基板を用いた場合では、イオン注入とアニール処理を行うと、その基板表面に凹凸が生じる。
【0082】
これに対して、本実施形態では、トレンチ底面7bは(11−20)面であり、オフ角のないジャスト面である。このため、イオン注入及びアニール処理をした後の基板表面における凹凸を低減することができる。したがって、その上に良質なN-型チャネル層8をエピタキシャル成長させることができる。
【0083】
なお、本実施形態では、P+型層3と、N+型層5とをそれぞれエピタキシャル成長にて形成していたが、P+型層3と、N+型層5とをそれぞれイオン注入法にて形成することもできる。
【0084】
また、図5(a)に示す工程にて、トレンチ底面7bの下側にイオン注入することで、P型領域20を形成していたが、トレンチ底面7bの表面上に堆積させることで、P型領域20を形成しても良い。
【0085】
(第2実施形態)
図6に第2実施形態における半導体装置の断面構造を示す。本実施形態での半導体装置は、トレンチゲート構造を有する蓄積型のNチャネルMOSFETを備えるものである。
【0086】
本実施形態におけるMOSFETには、基板としてのN+型基板31と、第1半導体層としてのN-型ドリフト層32と、第2半導体層としてのP+型層33とからなる半導体基板36が備えられている。この半導体基板36は炭化珪素によって構成されており、基板表面は(11−20)面である。
【0087】
なお、半導体基板6を構成する各層の不純物濃度は、例えば、N+型基板31が1.0×1020cm-3であり、N-型ドリフト層32が1.0×1016cm-3であり、P+型層33が1.0×1018cm-3である。
【0088】
また、P+型層33の表層には、例えば1.0×1019cm-3とされた不純物濃度のN+型ソース領域35が形成されている。
【0089】
そして、半導体基板36の主表面側には、半導体基板36表面から、N+型ソース領域35及びP+型層33を貫通してN-型ドリフト層32まで達するトレンチ37が形成されている。なお、本実施形態においても、トレンチ側面37aは(0001)面であり、トレンチ底面37bは(11−20)面である。
【0090】
そして、このトレンチ37の内壁面には、膜厚が例えば0.5μmであるN-型チャネル層38が成膜されている。このN-型チャネル層38のうち、トレンチ側面37a側に形成されている部分38aの表面は(0001)面であり、トレンチ底面37b側に形成されている部分38bの表面は(11−20)面である。
【0091】
なお、このN-型チャネル層38の不純物濃度は、トレンチ側面37a側の部分38aが、例えば1.0×1016cm-3であり、トレンチ底面37b側の部分38bが、例えば1.0×1017cm-3となっている。
【0092】
さらに、このN-型チャネル層38表面上には、厚さが例えば、40μmであるゲート酸化膜39が形成されている。このゲート酸化膜39上には、poly−Siにて構成されたゲート電極40が形成されている。
【0093】
P+型層33表層には、N+型ソース領域35に隣接して、5.0×1018cm-3とされた不純物濃度のコンタクト領域としてのP+型領域34が形成されている。そして、P+型層33表面には、例えばP+型領域34とオーミック接触となるようにAl層41が形成されている。また、Al層41と、N+型ソース領域35と接続するように、例えばNiにより構成されたソース電極42が形成されている。
【0094】
そして、ゲート電極40とソース電極42とが層間絶縁膜43を介して電気的に分離された構成となっている。
【0095】
また、半導体基板36の裏面側にはN+型基板31と電気的に接続されたドレイン電極46が形成されている。
【0096】
このように構成されたMOSFETはノーマリオフで作動する。ゲート電圧が印加されると、N-型チャネル層38に電子が蓄積されることで、ソース・ドレイン間に電流が流れる。
【0097】
本実施形態では、N-型チャネル層38bのうち、トレンチ底面37b側に形成された部分38bの不純物濃度は、トレンチ側面37a側に形成された部分38aよりも不純物濃度が高い構造となっている。このため、ゲート電圧が印加されたとき、トレンチ側面37a側のN-型チャネル層38aだけでなく、さらにトレンチ底面側のN-型チャネル層38bにおいても電流が流れるようになる。
【0098】
したがって、チャネル層38のトレンチ底面側の部分38bがトレンチ側面側の部分38aよりも不純物濃度が低い構造のものと比較して、オン抵抗を低減させることができる。
【0099】
さらに、本実施形態においても、トレンチ側面37a側のチャネル層38aの結晶面が(0001)面となっている。したがって、第1実施形態と同様に、トレンチ側面側のN-型チャネル層の表面が(11−20)面であり、N-型チャネル層の不純物濃度が同じ場合の構造と比較して、チャネル抵抗を低下させることができる。
【0100】
図7、8に本実施形態を適用した半導体装置の製造方法を示す。
【0101】
〔図7(a)に示す工程〕
まず上記不純物濃度で構成され、かつ、表面が(11−20)面であるN+型基板31を用意する。そして、N+型基板31の表面に、N-型ドリフト層32をエピタキシャル成長させることで、表面が(11−20)面である半導体基板36を形成する。
【0102】
次に、図7(a)に示すように、N-型ドリフト層32表面から所定深さとなるように、B(ボロン)を用いたイオン注入を行う。その後、例えば1400〜1600℃にてアニール処理をする。これにより、N-型ドリフト層32の表層に、P型層33が形成される。
【0103】
〔図7(b)に示す工程〕
続いて、半導体基板36表面にマスク51を形成する。このマスク51を用いて、P型層33表層にAl(アルミニウム)を不純物としたイオン注入を行う。その後、例えば1400〜1600℃にてアニール処理をする。これにより、P+型領域34が形成される。
【0104】
〔図7(c)に示す工程〕
そして、半導体基板36表面にマスク52を形成する。このマスク52を用いて、P型層33表層にN(窒素)を不純物としたイオン注入を行う。その後、例えば1400〜1600℃にてアニール処理をする。これにより、P+型領域34表層にて、P+型領域34に隣接して、N+型ソース領域35が形成される。
【0105】
〔図8(a)に示す工程〕
次に、図示しないが、半導体基板36表面上に酸化膜を形成する。そして、フォトリソグラフィ工程を行い、この酸化膜をマスクとしたRIEを行う。このとき、深さが例えば3μmとなり、側面が(0001)面、底面が(11−20)面となるようにトレンチ7を形成する。その後、この酸化膜を除去する。
【0106】
これにより、図8(a)に示すように、N+型ソース領域35およびP+型層33を貫通してN-型ドリフト層32に達し、側面37aが(0001)面であり、底面37bが(11−20)面であるトレンチ37が形成される。
【0107】
〔図8(b)に示す工程〕
次に、図8(b)に示すように、トレンチ37を含む半導体基板36の表面上にN-型チャネル層38をエピタキシャル成長させる。このとき、トレンチ37の内壁上にN-型チャネル層38をエピタキシャル成長させるようにしているため、トレンチ側面37a上では、(0001)面方向にN-型チャネル層38aが形成される。また、同様に、トレンチ底面37b上では、(11−20)面方向にN-型チャネル層38bが形成される。
【0108】
このようにN-型チャネル層38を形成することで、本実施形態においても、N-型チャネル層38のうち、トレンチ底面37b側の部分の不純物濃度をトレンチ側面37a側の部分よりも高くすることができる。
【0109】
〔図8(c)に示す工程〕
続いて、N-型チャネル層38の表面上に、熱酸化にて膜厚が例えば40nmであるゲート酸化膜39を形成する。
【0110】
その後の工程は図示しないが、N-型チャネル層38及びゲート酸化膜39の所定領域をエッチングし、N+型ソース領域35及びP+型領域34の表面を露出させる。
【0111】
さらに、ゲート酸化膜39上にPoly−Siを成膜し、パターニングすることで、ゲート電極40を形成する。続いて、ゲート電極40上を含む半導体基板36表面に層間絶縁膜43を形成する。そして、この層間絶縁膜43にコンタクトホールを形成し、N+型ソース領域35及びP+型領域34の表面を露出させる。この露出した表面のうち、P+型領域34の表面上にAl層41を形成する。続いて、このAl層41上を含むN+型ソース領域35及びP+型領域34の表面上にNiより構成されたソース電極42を形成する。
【0112】
そして、半導体基板36の裏面側にドレイン電極46を形成することで、図6に示す炭化珪素半導体装置が完成する。
【0113】
以上説明したように、本実施形態に示す炭化珪素半導体装置においても、(11−20)面を有するN+型基板31を用い、その上にN-型ドリフト層32をエピタキシャル成長によって形成することで、表面が(11−20)面である半導体基板36を形成している。
【0114】
そして、この半導体基板36表層に、側面37aが(0001)面、底面37bが(11−20)面となるようにトレンチ7を形成している。そして、このトレンチ37の内壁面上にエピタキシャル成長にて、N-型チャネル層38を形成している。このため、N-型チャネル層38のうち、トレンチ側面37a上の部分38aは(0001)面方向に成長し、また、トレンチ底面37b上の部分38bは(11−20)面方向に成長する。
【0115】
これにより、N-型チャネル層38のうち、トレンチ側面37a上の部分38aの不純物濃度をノーマリーオフとなるように低い濃度に設定しても、トレンチ底面37b上の部分38bの不純物濃度をトレンチ側面37a上の部分38aよりも高くすることができる。
【0116】
このことから、ゲート電圧を印加し、チャネル層38に電流を流したとき、トレンチ底面37b側のチャネル層38bにおいても電流を流すことができる。したがって、ノーマリーオフ型で低オン抵抗であるトレンチゲート型のMOSFETを製造することができる。
【0117】
また、本実施形態においては、P型層33、N+型ソース領域35、及びP+型領域34をイオン注入とアニール処理にて形成している。このとき、半導体基板36の主表面は(11−20)面であり、オフ角の無いジャスト面である。このため、主表面がオフ角を有する半導体基板を用いた場合と比較して、半導体基板36表面における凹凸を低減することができる。したがって、N+型ソース領域35及びP+型領域34と、ソース電極42とにおいて、コンタクト抵抗を低減することができる。
【0118】
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、図6の構造にて、さらにトレンチ底面37bの下側にP型領域を有する構造とすることもできる。図9にこの場合における半導体装置の断面構造を示す。
【0119】
図9に示す構造は、不純物濃度が例えば1×1017cm-3とされたP型領域60をトレンチ底面37bの下側に有しており、それ以外の構造は、図6と同じである。
【0120】
このP型領域60とN-型ドリフト層2とのpn接合から延びる空乏層によって、トレンチコーナーでの電界集中を緩和することができる。これにより、オフ時のソース・ドレイン間の耐圧を向上させることができる。
【0121】
図10にこの場合における半導体装置の製造工程を示す。図6の構造の半導体装置を製造するには、図7、図8に示す製造工程において、図8(a)に示す工程と、図8(b)に示す工程の間にて、図10(a)に示す工程を行う。
【0122】
図7(a)、(b)、(c)に示す工程にて、表面が(11−20)面である半導体基板36にトレンチ37を形成した後、図10(a)に示すように、酸化膜61を形成する。その後、酸化膜61をマスクとし、Alを不純物としたイオン注入を行う。続いて、例えば1500℃にてアニール処理を行うことで、P型領域60が形成される。
【0123】
そして、図10(b)に示すように、P型領域60を形成した後、図8(b)と同様の工程を行い、N-型チャネル層38を形成する。その後、図8(c)に示す工程を経ることで、図6に示す構造の半導体装置が形成される。
【0124】
本実施形態においても、図10(a)に示す工程にて、P型領域60をイオン注入とアニール処理とにて形成している。トレンチ底面37bは(11−20)面であり、オフ角のないジャスト面であることから、表面にオフ角を有する半導体基板を用いた場合と比較して、イオン注入及びアニール処理をした後の基板表面における凹凸を低減することができる。したがって、その上に良質なN-型チャネル層38をエピタキシャル成長させることができる。
【0125】
なお、本実施形態では、P型層33、N+型ソース領域35をそれぞれイオン注入法にて形成していたが、P型層33、N+型ソース領域35をそれぞれエピタキシャル成長にて形成することもできる。
【0126】
また、図10(a)に示す工程にて、トレンチ底面37bの下側にイオン注入することで、P型領域60を形成していたが、トレンチ底面37bの表面上に堆積させることで、P型領域60を形成しても良い。
【0127】
(他の実施形態)
なお、上記した各実施形態では、ノーマリーオフ型の半導体装置について、説明してきたが、ノーマリーオフ型の半導体装置においても、本発明を適用することが可能である。
【0128】
また、上記した各実施形態では、N-型チャネル層8、38というN型不純物層がチャネルとなるJ−FET及びMOSFETを備えた炭化珪素半導体装置について説明したが、炭化珪素半導体装置の各構成要素の導電型を反転させたP型不純物層がチャネルとなるJ−FET及びMOSFETを備えた炭化珪素半導体装置についても本発明を適用することが可能である。
【0129】
また、第2実施形態において、N+型基板31とN-型ドリフト層32というように、基板がドリフト層と同一の導電型であるMOSFETを備えた炭化珪素半導体装置について説明したが、基板がドリフト層と異なる導電型となるIGBTを備えた炭化珪素半導体装置についても本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるトレンチゲート型炭化珪素半導体装置の断面構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるトレンチゲート型炭化珪素半導体装置の製造工程を示す図である。
【図3】図2に続く製造工程を示す図である。
【図4】図1の断面構成を一部変更したときのトレンチゲート型炭化珪素半導体装置の断面構成を示す図である。
【図5】図4の断面構成を有するトレンチゲート型炭化珪素半導体装置製造工程を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態におけるトレンチゲート型炭化珪素半導体装置の断面構成を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態におけるトレンチゲート型炭化珪素半導体装置の製造工程を示す図である。
【図8】図7に続く製造工程を示す図である。
【図9】図6の断面構成を一部変更したときのトレンチゲート型炭化珪素半導体装置の断面構成を示す図である。
【図10】図9の断面構成を有するトレンチゲート型炭化珪素半導体装置製造工程を示す図である。
【図11】従来におけるトレンチゲート型炭化珪素半導体装置の断面構成を示す図である。
【符号の説明】
1、31…N+型基板、2、32…N-型ドリフト層、3、33…P+型層、
5…N+型層、7、37…トレンチ、8、38…N-型チャネル層、
9…P+型層、10、12、41…Al層、
11、13、14、42…Ni層、
15…層間絶縁膜、16、46…ドレイン電極、20、60…P型領域、
34…P+型領域、35…N+型ソース領域、39…ゲート酸化膜、
40…ゲート電極(poly−Si層)。
Claims (10)
- 主表面と裏面とを有する半導体基板(6、36)と、
前記半導体基板(6、36)主表面から所定深さにて形成され、側面と底面とを有するトレンチ(7、37)と、
前記トレンチ(7、37)の内壁面上に形成されたチャネル層(8、38)とを備える炭化珪素半導体装置であって、
前記チャネル層(8、38)は六方晶系炭化珪素にて構成されており、
前記トレンチ側面(7a、37a)上に形成された前記チャネル層(8a、38a)の表面は、結晶学的面指数(0001)面であると共に、前記トレンチ底面(7b、37b)上に形成された前記チャネル層(8b、38b)表面は結晶学的面指数(11−20)面であり、
前記チャネル層(8、38)のうち、前記トレンチ底面(7b、37b)上に形成されている部分(8b、38b)は、前記トレンチ側面(7a、37a)上に形成されている部分(8a、38a)よりも不純物濃度が高いことを特徴とする炭化珪素半導体装置。 - 主表面と裏面とを有する半導体基板(6、36)と、
前記半導体基板(6、36)主表面から所定深さにて形成され、側面と底面とを有するトレンチ(7、37)と、
前記トレンチ(7、37)の内壁面上に形成されたチャネル層(8、38)とを備える炭化珪素半導体装置であって、
前記チャネル層(8、38)は六方晶系炭化珪素にて構成されており、
前記トレンチ側面(7a、37a)上に形成された前記チャネル層(8a、38a)の表面は、結晶学的面指数(0001)面であると共に、前記トレンチ底面(7b、37b)上に形成された前記チャネル層(8b、38b)表面は結晶学的面指数(11−20)面であり、
前記チャネル層(8、38)のうち、前記トレンチ側面(7a、37a)上に形成されている部分(8a、38a)は、ノーマリーオフとなる濃度であり、かつ、前記トレンチ底面(7b、37b)上に形成されている部分(8b、38b)は、前記トレンチ側面(7a、37a)上に形成されている部分(8a、38a)よりも不純物濃度が高いことを特徴とする炭化珪素半導体装置。 - 主表面と裏面とを有し、第1導電型の炭化珪素からなる基板(1)と、
前記基板(1)の主表面上に形成され、前記基板(1)よりも低濃度とされた第1導電型の第1半導体層(2)と、
前記第1半導体層(2)上に形成された第2導電型の第2半導体層(3)と、
前記第2半導体層(3)上に形成され、前記第1半導体層(2)よりも高濃度とされた第1導電型の第3半導体層(5)と、
前記第3半導体層(5)表面から、前記第3、第2半導体層(5、3)を貫通し、前記第1半導体層(2)に到達する深さにて形成され、側面と底面とを有するトレンチ(7)と、
前記トレンチ(7)の内壁面上に形成された第1導電型のチャネル層(8)と、
前記チャネル層(8)の上に形成された第2導電型の第4半導体層(9)と、
前記第2半導体層(3)を第1ゲート領域(3a)とし、該第1ゲート領域(3a)に電気的に接続された第1ゲート電極(12、13)と、
前記第4半導体層(9)を第2ゲート領域(9a)とし、該第2ゲート領域(9a)に電気的に接続された第2ゲート電極(10、11)と、
前記第3半導体層(5)をソース領域(5a)とし、該ソース領域(5a)に電気的に接続されたソース電極(14)と、
前記基板(1)の裏面側に形成されたドレイン電極(16)とを備え、
前記チャネル層(8)は六方晶系炭化珪素にて構成されており、
前記トレンチ側面(7a)上に形成された前記チャネル層(8a)の表面は、結晶学的 面指数(0001)面であると共に、前記トレンチ底面(7b)上に形成された前記チャネル層(8b)表面は結晶学的面指数(11−20)面であり、
前記チャネル層(8)のうち、前記トレンチ側面(7a)上に形成されている部分(8a)の不純物濃度は、ノーマリーオフ型となる不純物濃度であり、かつ、前記トレンチ底面(7b)上に形成されている部分(8b)の不純物濃度は、前記トレンチ側面(7a)上に形成されている部分(8a)よりも不純物濃度が高いことを特徴とする炭化珪素半導体装置。 - 主表面と裏面とを有し、炭化珪素からなる基板(31)と、
前記基板(31)主表面上に形成され、前記基板(31)よりも低濃度とされた第1導電型の第1半導体層(32)と、
前記第1半導体層(32)上に形成された第2導電型の第2半導体層(33)と、
前記第2半導体層(33)の表層に形成された第1導電型のソース領域(35)と、
前記第2半導体層(33)表面から、第1導電型のソース領域(35)及び前記第2半導体層(33)を貫通し、前記第1半導体層(32)に到達する深さにて形成され、側面と底面とを有するトレンチ(37)と、
前記トレンチ(37)の内壁面上に形成された第1導電型のチャネル層(38)と、
前記チャネル層(38)上に形成されたゲート絶縁膜(39)と、
前記ゲート絶縁膜(39)上に形成されたゲート電極(40)と、
前記ソース領域(35)に電気的に接続されたソース電極(42)とを備え、
前記チャネル層(38)は六方晶系炭化珪素にて構成されており、
前記トレンチ側面(37a)上に形成された前記チャネル層(38a)の表面は、結晶学的面指数(0001)面であると共に、前記トレンチ底面(37b)上に形成された前記チャネル層(38b)表面は結晶学的面指数(11−20)面であり、
前記チャネル層(38)のうち、前記トレンチ側面(37a)上に形成されている部分(38a)の不純物濃度は、ノーマリーオフ型となる不純物濃度であり、かつ、前記トレンチ底面(37b)上に形成された部分(38b)の不純物濃度は、前記トレンチ側面(37a)上に形成された部分(38a)よりも不純物濃度が高いことを特徴とする炭化珪素半導体装置。 - 前記チャネル層(8、38)のうち、前記トレンチ底面(7b、37b)上に形成されている部分(8b、38b)の下側に接している第2導電型の半導体領域(20、60)を有し、
前記半導体領域(20、60)は前記第1半導体層(2、32)とpn接合を形成していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置。 - トレンチゲートを有する炭化珪素半導体装置の製造方法において、
六方晶系炭化珪素からなり、基板主表面が結晶学的面指数(11−20)面である半導体基板(6、36)を用意し、前記半導体基板(6、36)上に側面と底面とを有するトレンチ(7、37)を形成する工程と、
前記トレンチ(7、37)の内壁面にエピタキシャル成長させることでチャネル層(8、38)を形成する工程とを有し、
前記チャネル層(8、38)を形成する工程では、前記トレンチ底面(7b、37b)側の前記チャネル層(8b、38b)の不純物濃度が前記トレンチ側面(7a、37a)側の前記チャネル層(8a、38a)よりも高くなるように形成することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。 - 六方晶系炭化珪素からなり、基板主表面が結晶学的面指数(11−20)面である第1導電型の基板(1)を用意し、該基板(1)の上に、該基板(1)よりも低濃度な第1導電型の第1半導体層(2)をエピタキシャル成長させ、該第1半導体層(2)上に第2導電型の第2半導体層(3)、第1導電型の第3半導体層(5)を順に形成することで、前記基板(1)と前記第1〜第3半導体層(2、3、5)とを有してなる半導体基板(6)を形成する工程と、
前記第3半導体層(5)表面から、前記第3、第2半導体層(5、3)を貫通して前記第1半導体層(2)まで達し、側面と底面とを有するトレンチ(7)を形成する工程と、
前記トレンチ(7)の内壁面にエピタキシャル成長させることで第1導電型のチャネル層(8)を形成する工程と、
前記チャネル層(8)の上に第2導電型の第4半導体層(9)を形成する工程と、
前記第2半導体層(3)を第1ゲート領域(3a)とし、該第1ゲート領域(3a)に電気的に接続される第1ゲート電極(12、13)を形成する工程と、
前記第4半導体層(9)を第2ゲート領域(9a)とし、該第2ゲート領域(9a)に電気的に接続される第2ゲート電極(10、11)を形成する工程と、
前記第3半導体層(5)をソース領域(5a)とし、該ソース領域(5a)に電気的に接続されるソース電極(14)を形成する工程と、
前記基板(1)の裏面側に、ドレイン電極(14)を形成する工程とを有し、
前記チャネル層(8)を形成する工程では、前記トレンチ側面(7a)側の前記チャネル層(8a)がノーマリーオフ型となる不純物濃度であり、前記トレンチ底面(7b)側の前記チャネル層(8b)の不純物濃度が前記トレンチ側面(7a)側の前記チャネル層(8a)よりも高くなるように形成することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。 - 六方晶系炭化珪素からなり、基板主表面の結晶学的面指数が(11−20)面である基板(31)を用意し、前記基板(31)の上に、該基板(31)よりも低濃度な第1導電型の第1半導体層(32)をエピタキシャル成長させ、前記第1半導体層(32)上に第2導電型の第2半導体層(33)を形成することで、前記基板(31)と前記第1、第2半導体層(32、33)とを有する半導体基板(6)を形成する工程と、
前記第2半導体層(33)の表層に第1導電型のソース領域(35)を形成する工程と、
前記ソース領域(35)表面から、前記ソース領域(35)及び前記第2半導体層(33)を貫通して前記第1半導体層(32)まで達するトレンチ(37)を形成する工程と、
前記トレンチ(37)の内壁面にエピタキシャル成長によって第1導電型のチャネル層(38)を形成する工程と、
前記チャネル層(38)の上にゲート絶縁膜(39)を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜(39)の上にゲート電極(40)を形成する工程と、
前記ソース領域(35)に電気的に接続されるソース電極(42)を形成する工程と、
前記基板(31)の裏面側に、ドレイン電極(46)を形成する工程とを有し、
前記チャネル層(38)を形成する工程では、前記トレンチ側面(37a)側の前記チャネル層(38a)はノーマリーオフ型となる不純物濃度であり、前記トレンチ底面(37b)側の前記チャネル層(38b)の不純物濃度は前記トレンチ側面側の前記チャネル層(38a)よりも高くなるように、前記チャネル層(38)を形成することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。 - 前記トレンチ(7、37)を形成する工程では、前記トレンチ側面(7a、37a)の結晶学的面指数が(0001)面となり、前記トレンチ底面(7b、37b)の結晶学的面指数が(11−20)面となるようにトレンチ(7、37)を形成すると共に、
前記チャネル層を形成する工程では、前記トレンチ側面(7a、37a)上の前記チャネル層(8a、38a)表面の六方晶系炭化珪素の結晶学的面指数が(0001)面となり、前記トレンチ底面(7b、37b)上の前記チャネル層(8b、38b)表面の結晶学的面指数が(11−20)面となるように前記チャネル層(8、38)を形成することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1つに記載の炭化珪素型半導体装置の製造方法。 - 前記トレンチ(7、37)を形成する工程と、前記チャネル層(8、38)を形成する工程との間にて、
前記トレンチ底面(7b、37b)を形成した後に、前記トレンチ底面(7b、37b)と接し、かつ、前記第1半導体層(2、32)とpn接合を構成するように、第2導電型の半導体領域(20、60)を形成する工程を有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1つに記載の炭化珪素型半導体装置の製造方法。
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