JP4103183B2 - Method for producing silicon carbide single crystal - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロパイプ欠陥が閉塞された炭化珪素(SiC)単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
SiC単結晶を種結晶として、改良レーリー法にてSiC単結晶を製造する際、マイクロパイプ欠陥(中空貫通欠陥)と呼ばれる直径サブμm乃至数μmの中空貫通孔が略成長方向に沿って成長結晶中に内在される。マイクロパイプ欠陥はデバイスの電気的特性に悪影響を与えるため、マイクロパイプ欠陥があるSiC単結晶はデバイス形成用の基板に適さない。このため、マイクロパイプ欠陥を低減することが重要な課題となっている。
【0003】
マイクロパイプ欠陥の低減方法として、米国特許第5、679、153号明細書や特開平5−262599号公報に示される方法が提案されている。
米国特許第5、679、153号明細書に示される方法は、シリコン中のSiC溶融を用いた液相エピタキシー法によって結晶成長させると、エピタキシャル成長途中でマイクロパイプ欠陥が閉塞されていくことを利用して、マイクロパイプ欠陥を有する種結晶(欠陥密度:50〜400cm-2)上にマイクロパイプ欠陥が低減されたエピタキシャル層(欠陥密度:0〜50cm-2)を成長させている。
【0004】
特開平5−262599号公報に示される方法は、種結晶の成長面として(0001)面に垂直な面を使用することによって、アルカリエッチングに際し、六角形エッチピットが全く観察されない単結晶、つまりマイクロパイプ欠陥が存在しない単結晶を種結晶上に成長させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した2つの方法は共に、種結晶上に新たな単結晶を成長させ、その成長層のマイクロパイプ欠陥を低減するようにしている。
このため、前者の方法では、マイクロパイプ欠陥が無い部分を得るために、液相エピタキシー法にて20〜75μm以上のエピタキシャル層を成長させなければならず、また、その範囲以外では、依然としてマイクロパイプ欠陥が存在するという問題がある。また、このように形成されたエピタキシャル層を種結晶として、再び昇華法によって単結晶成長を行うと、マイクロパイプ欠陥が閉塞された部分が薄いことから、その閉塞された部分が昇華して再びマイクロパイプ欠陥の開口部を生じる可能性があり、種結晶の試料調整や昇華法成長条件の適正化が困難であるという問題もある。
【0006】
一方、後者の方法では、マイクロパイプ欠陥の発生を抑制する点では効果があるが、成長させた単結晶に新たな積層欠陥が導入されるため、基板の電気的特性に異方性を生じ、電子デバイス用基板としては適さないという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされ、新たな成長層にてマイクロパイプ欠陥の発生、継承を抑制するのではなく、炭化珪素単結晶に存在しているマイクロパイプ欠陥を閉塞させることができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明においては、マイクロパイプ欠陥を有する炭化珪素単結晶を用意する工程と、マイクロパイプ欠陥中を炭化珪素蒸気種で飽和状態にして熱処理を施すことにより、炭化珪素単結晶に存在するマイクロパイプ欠陥を閉塞させる工程とを備え、熱処理工程では、炭化珪素単結晶の温度を昇温させる工程と、炭化珪素単結晶の温度を昇温させた温度から降温させる工程とを、繰り返し行うことを特徴としている。
【0008】
このように、マイクロパイプ欠陥中を炭化珪素蒸気種で飽和状態にして熱処理を施すことにより、炭化珪素単結晶に存在するマイクロパイプ欠陥を閉塞させることができる。さらに、熱処理工程において、炭化珪素単結晶の温度を昇温させる工程と炭化珪素単結晶の温度を昇温させた温度から降温させる工程を繰り返すことで、再度の昇温時にその温度差による平衡蒸気圧分だけ炭化珪素を再昇華させ、再度の降温時に転位の合体を進行させられるため、効率的に降温の蒸気圧分を再結晶化させてマイクロパイプ欠陥を閉塞させることができる。
【0009】
例えば、炭化珪素単結晶の温度を1800〜2500℃の範囲内で、昇温・降温を繰り返すことによって上記効果が得ることができる。
なお、昇温・降温を繰り返すことによって、炭化珪素単結晶が高温・低温となる工程を繰り返させているが、繰り返される高温工程のそれぞれの温度や低温工程のそれぞれの温度が順に低くなるようにすれば、より効率的にマイクロパイプ欠陥を閉塞することができる。
【0010】
また、マイクロパイプ欠陥中を効率よく炭化珪素蒸気種で飽和状態にするために、炭化珪素単結晶表面の少なくとも一部を被覆材料で被覆するようにしてもよい。この場合、被覆材料としては、炭化珪素単結晶と同じ結晶形のSiC、異なる結晶形のSiCいずれも適用可能であるが、炭化珪素単結晶の材料が六方晶形の場合、立方晶形や菱面体晶形の炭化珪素が適している。また、被覆材料として、SiC多結晶体、SiC焼結体、アモルファスSiC、カーボン材料、金属材料、金属炭化物、金属窒化物及び金属酸化物を適用することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
図1に、基板結晶(炭化珪素単結晶)1のマイクロパイプ欠陥1aを閉塞するのに用いる熱処理装置の概略断面図を示す。
熱処理装置は、上部が開口したるつぼ2と、るつぼ2の開口部を覆う蓋体3により構成されている。これらるつぼ2と蓋体3はグラファイトで構成されている。
【0012】
るつぼ2内には、マイクロパイプ欠陥1aを閉塞するための熱処理を再現性良く安定に行うための原料となる炭化珪素4が収容されている。基板結晶1は蓋体3の下面を載置面として支持されるようになっており、るつぼ2の開口部を蓋体3で覆ったときに、基板結晶1が炭化珪素4に対向配置されるようになっている。以下、基板結晶1の両表面のうち載置面側を載置面側表面といい、載置面の反対側を非載置面側表面という。
【0013】
なお、図1において図示していないが、るつぼ2の外周には、グラファイト製の抵抗発熱体が配置されており、この抵抗発熱体によってるつぼ2内の温度、具体的には基板結晶1の温度や炭化珪素4の温度が調整可能となっている。また、図示しないが、るつぼ2は雰囲気の圧力を調整できる容器内に入れられており、るつぼ2内への不活性ガス等の導入や、雰囲気圧力の調整が可能となっている。
【0014】
また、図1に示すように、基板結晶1の非載置面側が被覆材料5で覆われている。この被覆材料5は、例えば、化学蒸着(CVD)法や分子線エピタキシー(MBE)法やスパッタ蒸着法や昇華法などの気相成長法、液相エピタキシー(LPE)法などの液相成長法によって基板結晶1上に堆積させられる。
被覆材料5には基板結晶1と同じ結晶形のSiC、異なる結晶形のSiCいずれも適用可能であるが、基板結晶1の材料が六方晶形炭化珪素単結晶の場合、立方晶形や菱面体晶形の炭化珪素が適している。特に、基板結晶1の結晶形が6H−SiCの場合には、3C−SiC、4H−SiC、15R−SiCが被覆材料5として適しており、4H−SiCの場合には、3C−SiC、6H−SiC、15R−SiCが被覆材料5として適している。
【0015】
この他、被覆材料5として、SiC多結晶体、SiC焼結体、アモルファスSiC、カーボン材料(例えば黒鉛、カーボンナノチューブ、フラーレン等)、金属材料(例えば、W、Mo等)、金属炭化物(例えば、TaC、HfC等)、金属窒化物(例えば、窒化タングステン等)、金属酸化物(例えば、ジルコニア、アルミナ等)を適用することもできる。
【0016】
なお、被覆材料5を立方晶形炭化珪素(3C−SiC)で構成する場合には、上記堆積方法の他に、例えばポリメチルカルボシラン等、ポリカルボシラン類等の有機珪素高分子を溶解した有機溶媒を基板結晶1に均一塗布し有機溶媒を乾燥した後、真空中、あるいは、Ar、N2 等の非酸化雰囲気中にて600〜1500℃で熱分解してもよい。
【0017】
図1では、基板結晶1の非載置面側表面を被覆材料5で覆っているが、基板結晶1の両表面の少なくとも一方を被覆材料5で覆っていればよく、非載置面側表面である必要はない。また、後述する熱処理に先立って被覆材料5を基板結晶1上に形成してもよいが、熱処理工程中に基板結晶1の表面に成長させてもよい。この被覆材料5は、数十nm〜数mmの範囲で選択することができるが、マイクロパイプ欠陥閉塞のための熱処理条件の自由度と製造コストを考慮すると、数μm〜数100μmの範囲で選択することが好ましい。
【0018】
また、基板結晶1の厚さも任意に選択可能であるが、基板結晶1を厚くした方がよりマイクロパイプ欠陥1aがないものを一度に多く形成できること、さらに基板結晶1が薄すぎると変形、破損の可能性があり製造プロセス中の操作性に難点があるということを考慮すると、少なくとも100μm以上とするのが望ましい。
【0019】
このように構成される基板結晶1を図1に示す熱処理装置内に配置したのち、熱処理を施す。
このとき、熱処理の温度条件としては、炭化珪素原料4と基板結晶1の温度をそれぞれTo(℃)、Ts(℃)とすると、これらの温度を例えば図4に示す熱処理温度プロファイルのように変化させる。
【0020】
具体的には、炭化珪素原料4の温度Toについては、炭化珪素の昇華温度程度若しくはそれ以上の温度まで昇温させたのち、所定時間ほぼその温度を保持し、その後時間に応じて低温化させる。
基板結晶1の温度Tsについては、比較的高温な所定温度(例えば、1800〜2500℃)まで昇温したのち、その所定温度から比較的低温になるまで降温し、さらに昇温・降温を繰り返して温度を変化させる。つまり、高温工程と低温工程を繰り返し行うという熱サイクルを施すことによって、基板結晶1の温度Tsを高温、低温に変化させている。なお、本図においては、昇温・降温を2回繰り返したものを示しているが、それ以上繰り返し行うこともできる。また、高温から低温に移行させる間、及び低温から高温に移行させる間等において、温度が一定となる時間を設けてもよく、常に昇温・降温を行う必要はない。さらに、高温工程と低温工程を繰り返し行うが、繰り返し行われる高温工程のそれぞれの温度、低温工程のそれぞれの温度をすべて同等の温度にする必要はなく、例えば本図の矢印(ΔT1、ΔT2)にて示されるように順に温度を低くしてもよい。さらに、熱サイクルの回数はTsの温度や高温・低温工程へ移行する昇温・降温速度によって適宜選択可能であるが、製造コストを考慮して2回以上、又、全熱処理時間は3乃至48時間が望ましい。
【0021】
また、雰囲気圧力の条件としては、1×10-8〜1×109 Paの範囲で適用可能である。
図2、図3に、それぞれ上記熱処理を施す前後の基板結晶1の様子を示す。 これらの図に示されるように、基板結晶1の表面に開口を有していたマイクロパイプ欠陥1aは、基板結晶1の表面の少なくとも一方向から閉塞されている。このとき、マイクロパイプ欠陥1aの閉塞される長さを基板結晶1の表面から75μmより大きくすることができた。この図では、閉塞孔7が残留している状態となっているが、閉塞孔7は熱処理時間や昇温・降温の繰り返し数に応じて徐々に閉塞されていくため、熱処理条件(例えば熱処理時間を増加させるなど)によっては、マイクロパイプ欠陥1aを実質的に消滅させることも可能である。
【0022】
このように、上記温度条件や雰囲気圧力条件を満たす熱処理によって、基板結晶1におけるマイクロパイプ欠陥1aを閉塞することができる。
このようにマイクロパイプ欠陥1aが閉塞されるメカニズムについては、以下のように推測される。
マイクロパイプ欠陥1aは大きなバーガースベクトルを有するらせん転位芯が、大きな弾性歪みエネルギーを緩和するために中空貫通孔になったものと考えられている(F.C.Frank.Acta.Cryst.4(1951)497参照)。
【0023】
マイクロパイプ欠陥1aの閉塞現象は上記マイクロパイプ欠陥1aのメカニズムとは逆の現象が起きていると推定される。マイクロパイプ欠陥1aの閉塞推定モデルを図5に示す模式図に基づいて説明する。なお、図4中において、図5(a)〜(f)に示す基板結晶1の各状態と対応する箇所を、それぞれ(a)〜(f)で示す。
【0024】
まず、図5(a)に示すように、被覆材料5として3C−SiCエピタキシャル膜が形成されたマイクロパイプ欠陥1aを含む基板結晶1が黒鉛製の蓋体3に設置されている場合を考える。この状態で図1に示した熱処理装置に配置し、適当な温度・圧力条件にて熱処理を行うと、図5(b)に示すように、その温度における平衡蒸気圧を保つために、マイクロパイプ欠陥1aの周辺、3C−SiC膜及び蓋体のグラファイトから、Si、SiC2 、Si2 C等の蒸気種が図中の矢印のように昇華する。
【0025】
その後、現在まだ理由は明らかではないが、蓋体3との界面及び3C−SiC膜との界面において転位の移動が容易になり、他の転位と結合・消滅することで、図5(c)に示すように、主にそれら界面付近8から弾性歪みが緩和される。その箇所においては、表面を有する中空孔であるよりも結晶化した方が表面を形成していることによる表面エネルギー不利の解消、もしくは結晶化することによる自由エネルギーの低下の少なくとも一方が実現できるため、エネルギー利得があり、図5(d)に示すように、その箇所で再結晶化が進行したと推定される。
【0026】
本実施形態のマイクロパイプ欠陥1aを有する炭化珪素単結晶1の少なくとも一方の面を被覆材料5で被覆して(蓋体3に設置しただけの場合も含む)熱処理を行うことがマイクロパイプ欠陥1a(らせん転位)のバーガースベクトルを減じる役目を果たし、結果的にマイクロパイプ欠陥1aが閉塞される効果を奏したと推定される。
【0027】
そして、本実施形態においては、熱処理時において基板結晶1の温度を高温、低温に繰り返し変化させているため、 再度の昇温時には、図5(e)に示すようにその温度差による平衡蒸気圧分だけ再昇華し、再度の降温時には、図5(f)に示すように転位の合体が進行して弾性歪みが緩和され、効率的に降温の蒸気圧分だけが再結晶化される。
【0028】
このため、高温工程と低温工程を繰り返さない場合と比べて、より効率的にマイクロパイプ欠陥1aを閉塞させることができる。
こうようにして得られた基板結晶1からマイクロパイプ欠陥1aの存在しない領域(例えば、(0001)面に平行な基板もしくはオフアングル基板)を切り出すことによって、実質的に全くマイクロパイプ欠陥1aのない基板結晶1を得ることが可能になる。こうして得られた基板結晶1を加工処理、化学洗浄処理したのちデバイスに供すれば、高性能の高耐圧、高周波数、高速、耐環境デバイスを作製することができる。また、再度、昇華法の種結晶として供することも可能となる。なお、一旦閉塞したマイクロパイプ欠陥1aはエネルギー的には安定であることが実験により確認された。このため、マイクロパイプ欠陥1aを閉塞した単結晶成長の種結晶として用いて、この種結晶上に炭化珪素単結晶を昇華法等によって成長させても再度マイクロパイプ欠陥1aが発生することはなく、高品位長尺単結晶成長を行って得られた単結晶インゴットから数多くのマイクロパイプ欠陥1aのない炭化珪素単結晶(例えば、デバイス形成用の基板)を切り出すことができる。
【0029】
また、マイクロパイプ欠陥1aを基板結晶1内で閉塞できるため、基板の大口径化プロセス、すなわち、基板口径を高品位を維持したまま順次拡大するための数多くの成長実験に多大な労力を要する必要がなくなり、製造コストが大幅に削減される。
なお、基板結晶1の結晶形は6H多形のもの、4H多形のもの、それ以外のものいずれにも適用可能である。
【0030】
また、基板結晶1としては(0001)面に平行な面(ジャスト面)のみでなく、例えば(0001)面からある角度傾いたようなオフアングル基板を用いても同様な効果がある。
さらに、後述する実施例においては、基板結晶1として厚みが1mm以下のものを例に挙げて説明を行うが、それ以上の厚みの基板結晶1にも適用可能である。特に本発明を単結晶インゴットに適用すれば、マイクロパイプ欠陥1aが全く存在しない多数枚の基板が一度に得られるため、工業的プロセスとして有効である。
【0031】
マイクロパイプ欠陥閉塞のための熱処理装置として、図1に示すように、蓋体3が位置するるつぼ2の上部に基板結晶1を配置し、下部に炭化珪素4を配置する場合について説明したが、これ以外の装置、例えばるつぼ2の上部に炭化珪素4、下部に基板結晶1を配置する場合についても適用可能である。また、縦型の熱処理装置について述べたが、横型の熱処理装置にも適用可能である。さらに、加熱方式も従来周知の高周波誘導加熱方式を用いても、同様な効果が得られる。
【0032】
なお、炭化珪素の単結晶成長について述べたが、それ以外の結晶、例えばZnS等の中空貫通欠陥を有する材料にも上記方法を適用することができる。
【0033】
【実施例】
以下、本実施形態における実施例について具体的に説明する。
(実施例1)
まず、欠陥密度が約40cm-2のマイクロパイプ欠陥1aを有する厚さ300μmの6H多形の基板結晶1を用意し、この基板結晶1の表面に被覆材料5として、3C−SiCエピタキシャル膜をCVD法にて約20μmの厚さで形成した。
【0034】
微分干渉顕微鏡、偏光顕微鏡、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、マイクロパイプ欠陥1aの開口部は3C−SiCエピタキシャル膜によって完全に被覆されていた。なお、基板結晶1の表面として(0001)ジャスト面を用いており、3C−SiCエピタキシャル膜は(111)面を成長面として形成されている。
【0035】
次に、基板結晶1を図1に示した熱処理装置に配置し、マイクロパイプ欠陥閉塞工程として雰囲気圧力1.333×102 Pa(1Torr)で熱処理を6時間行った。このとき、炭化珪素原料4の温度を、2300℃まで昇温したのち、その温度で保持した。また、基板結晶1の温度を、2280℃まで昇温させたのち、2230℃まで降温させ、再び2280℃まで昇温させたのち、2230℃まで降温させるという、同じ温度の昇温・降温を3回繰り返して高温と低温に変化させた。繰り返しにおける昇温温度は約3.3℃/min、降温速度は約0.4℃/minとした。なお、熱処理工程の後には、基板結晶1の温度を時間経過と共に低温化させた。
【0036】
このような工程を経て得られた単結晶インゴットを成長方向に平行に切断したのち切断面を研磨し、透過明視野にて顕微鏡観察を行った。その結果、基板結晶1に存在していたマイクロパイプ欠陥1aのすべてが、基板結晶1の表面の両側から閉塞していた。そして、マイクロパイプ欠陥1aのうちの65%が、長さ20μm以下となっていた。
【0037】
さらに、熱処理時に形成された炭化珪素の結晶(成長結晶6)を除去すべく、基板結晶1を(0001)面に平行に研磨して、直交偏光顕微鏡観察を行った。その結果、マイクロパイプ欠陥1aが閉塞した部分では、もはやマイクロパイプ欠陥1a周辺に観察される特徴的な複屈折干渉パターンを示さなかった。このため、一旦閉塞したマイクロパイプ欠陥1aはエネルギー的に安定であるといえる。
【0038】
(実施例2)
まず、欠陥密度が約40cm-2のマイクロパイプ欠陥1aを有する厚さ300μmの6H多形の基板結晶1を用意する。なお、基板結晶1の表面として(0001)ジャスト面を採用している。この基板結晶1には特に前もって被覆膜を形成していない。
【0039】
次に、基板結晶1を図1に示した熱処理装置に配置し、マイクロパイプ欠陥閉塞工程として雰囲気圧力1.333×102 Paで熱処理を6時間行った。このとき、炭化珪素原料4の温度を、2300℃まで昇温したのち、その温度で保持した。また、基板結晶1の温度を、2280℃まで昇温させたのち、2230℃まで降温させ、再び2280℃まで昇温させたのち、2230℃まで降温させるという、同じ温度の昇温・降温を3回繰り返して高温と低温に変化させた。繰り返しにおける昇温温度は約3.3℃/min、降温速度は約0.4℃/minとした。なお、熱処理工程の後には、基板結晶1の温度を時間経過と共に低温化させた。
【0040】
このような工程を経て得られた単結晶インゴットを成長方向に平行に切断したのち切断面を研磨し、透過明視野にて顕微鏡観察を行った。その結果、基板結晶1に存在していたマイクロパイプ欠陥1aの50%が基板結晶1の表面の少なくとも一方向から閉塞していた。そして、マイクロパイプ欠陥1aのうちの30%が、長さ20μm以下となっていた。
【0041】
さらに、熱処理時に形成された炭化珪素の結晶を除去すべく、基板結晶1を(0001)面に平行に研磨して、直交偏光顕微鏡観察を行った。その結果、マイクロパイプ欠陥1aが閉塞した部分では、もはやマイクロパイプ欠陥1a周辺に観察される特徴的な複屈折干渉パターンを示さなかった。
また、基板結晶1の表面を鋭意観察すると、基板結晶1を構成する母結晶と結晶の色の違う層が形成されていることを発見した。この層をラマン散乱分光法にて同定した結果、3C−SiCであることが判明した。
【0042】
つまり、昇華法の成長の初期段階において、基板結晶1の表面に異種多形(3C−SiC)が形成され、その後連続的に熱処理を施すことにより、マイクロパイプ欠陥1aが閉塞したのであると考えられる。
一方、昇華法成長層に3C−SiC層が形成されていない領域でも、基板結晶1の載置面からマイクロパイプ欠陥1aが閉塞されているものが観察された。このことは、マイクロパイプ欠陥1a中をSiC蒸気種の飽和状態にて熱処理することが、マイクロパイプ欠陥1aが閉塞するために有効であることを示している。
【0043】
このように、マイクロパイプ欠陥1aの一端の開口部分が塞がれない状態であっても、マイクロパイプ欠陥1a内をSiC蒸気種で飽和状態にして昇華法による熱処理を行うことで、マイクロパイプ欠陥1aを閉塞することができる。
(実施例3)
まず、欠陥密度が約40cm-2のマイクロパイプ欠陥1aを有する厚さ300μmの6H多形の基板結晶1を用意し、この基板結晶1の表面に被覆材料5として、3C−SiCエピタキシャル膜をCVD法にて約20μmの厚さで形成した。
【0044】
微分干渉顕微鏡、偏光顕微鏡、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、マイクロパイプ欠陥1aの開口部は3C−SiCエピタキシャル膜によって完全に被覆されていた。なお、基板結晶1の表面として(0001)ジャスト面を用いており、3C−SiCエピタキシャル膜は(111)面を成長面として形成されている。
【0045】
次に、基板結晶1を図1に示した熱処理装置に配置し、マイクロパイプ欠陥閉塞工程として雰囲気圧力1.333×102 Paで熱処理を6時間行った。このとき、炭化珪素原料4の温度を、2300℃まで昇温したのち、その温度で保持した。また、基板結晶1の温度を、2280℃まで昇温させたのち、2250℃まで降温させ、再び2260℃まで昇温させたのち、2230℃まで降温させ、さらに2240℃まで昇温させたのち、2210℃まで降温させるという、順に降温温度が低くなる昇温・降温を3回繰り返して高温と低温に変化させた。繰り返しにおける昇温速度は約0.7℃/min、降温速度は約0.25℃/minとした。なお、熱処理工程の後には、基板結晶1の温度を時間経過と共に低温化させた。
【0046】
このような工程を経て得られた単結晶インゴットを成長方向に平行に切断したのち切断面を研磨し、透過明視野にて顕微鏡観察を行った。その結果、基板結晶1に存在していたマイクロパイプ欠陥1aのすべてが、基板結晶1の表面の両側から閉塞していた。そして、マイクロパイプ欠陥1aのうちの80%が、長さ20μm以下となっていた。
【0047】
さらに、熱処理時に形成された炭化珪素の結晶を除去すべく、基板結晶1を(0001)面に平行に研磨して、直交偏光顕微鏡観察を行った。その結果、マイクロパイプ欠陥1aが閉塞した部分では、もはやマイクロパイプ欠陥1a周辺に観察される特徴的な複屈折干渉パターンを示さなかった。
このように、繰り返し行われる高温工程のそれぞれの温度、低温工程のそれぞれの温度を順に低くすることによって、より効率的にマイクロパイプ欠陥1aが閉塞できる。
【0048】
(比較例)
まず、欠陥密度が約40cm-2のマイクロパイプ欠陥1aを有する厚さ300μmの6H多形の基板結晶1を用意し、この基板結晶1の表面に被覆材料5として、3C−SiCエピタキシャル膜をCVD法にて約20μmの厚さで形成した。
【0049】
微分干渉顕微鏡、偏光顕微鏡、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、マイクロパイプ欠陥1aの開口部は3C−SiCエピタキシャル膜によって完全に被覆されていた。なお、基板結晶1の表面として(0001)ジャスト面を用いており、3C−SiCエピタキシャル膜は(111)面を成長面として形成されている。
【0050】
次に、基板結晶1を図1に示した熱処理装置に配置し、マイクロパイプ欠陥閉塞工程として雰囲気圧力1.333×102 Pa(1Torr)で熱処理を6時間行った。このとき、炭化珪素原料4の温度を、2300℃まで昇温したのち、その温度で保持した。また、基板結晶1の温度を、2230℃まで昇温させたのち、その温度を保持した。
【0051】
このような工程を経て得られた単結晶インゴットを成長方向に平行に切断したのち切断面を研磨し、透過明視野にて顕微鏡観察を行った。その結果、基板結晶1に存在していたマイクロパイプ欠陥1aのすべてが、基板結晶1の表面の両側から閉塞していた。そして、マイクロパイプ欠陥1aのうちの35%が、長さ20μm以下となっていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかわる炭化珪素単結晶を製造するために用いられる熱処理装置の断面図である。
【図2】表面が被覆材料5で被覆されている炭化珪素単結晶1を示す図である。
【図3】熱処理後における炭化珪素単結晶1の様子を示す図である。
【図4】熱処理温度のプロファイルを示す図である。
【図5】マイクロパイプ欠陥1aの閉塞メカニズムを説明するための図である。
【符号の説明】
1…炭化珪素単結晶(基板結晶)、1a…マイクロパイプ欠陥、2…るつぼ、
3…蓋材、4…炭化珪素原料、5…被覆材料、6…成長結晶、7…閉塞孔、
8…界面付近。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a silicon carbide (SiC) single crystal in which micropipe defects are blocked.
[0002]
[Prior art]
When a SiC single crystal is produced by an improved Rayleigh method using a SiC single crystal as a seed crystal, a hollow through hole with a diameter of sub-μm to several μm called a micropipe defect (hollow through defect) grows substantially along the growth direction. Is inherent in. Since the micropipe defect adversely affects the electrical characteristics of the device, the SiC single crystal having the micropipe defect is not suitable for a substrate for device formation. For this reason, reducing micropipe defects is an important issue.
[0003]
As a method for reducing micropipe defects, methods disclosed in US Pat. No. 5,679,153 and JP-A-5-262599 have been proposed.
The method shown in US Pat. No. 5,679,153 utilizes the fact that micropipe defects are blocked during epitaxial growth when crystal growth is performed by liquid phase epitaxy using SiC melting in silicon. A seed crystal having a micropipe defect (defect density: 50 to 400 cm) -2 ) Epitaxial layer with reduced micropipe defects (defect density: 0 to 50 cm) -2 ) Is growing.
[0004]
In the method disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 5-262599, by using a plane perpendicular to the (0001) plane as a seed crystal growth plane, a single crystal in which hexagonal etch pits are not observed at the time of alkali etching, that is, a microcrystal. A single crystal having no pipe defects is grown on a seed crystal.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Both of the above two methods grow a new single crystal on the seed crystal and reduce micropipe defects in the growth layer.
For this reason, in the former method, in order to obtain a portion free from micropipe defects, an epitaxial layer of 20 to 75 μm or more must be grown by the liquid phase epitaxy method. There is a problem that defects exist. Further, when single crystal growth is performed again by the sublimation method using the epitaxial layer formed in this way as a seed crystal, since the portion where the micropipe defect is closed is thin, the closed portion is sublimated and microscopically again. There is a possibility that an opening of a pipe defect may occur, and there is a problem that it is difficult to prepare a seed crystal sample and to optimize the sublimation growth conditions.
[0006]
On the other hand, the latter method is effective in suppressing the occurrence of micropipe defects, but since new stacking faults are introduced into the grown single crystal, anisotropy occurs in the electrical characteristics of the substrate, There is a problem that it is not suitable as a substrate for electronic devices.
The present invention has been made in view of the above problems, and can prevent micropipe defects existing in a silicon carbide single crystal from being blocked rather than suppressing generation and inheritance of micropipe defects in a new growth layer. The purpose is to do.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the following technical means are adopted.
In the first aspect of the invention, a silicon carbide single crystal having a micropipe defect is prepared, and a heat treatment is performed by saturating the inside of the micropipe defect with a silicon carbide vapor species to form a silicon carbide single crystal. And a step of increasing the temperature of the silicon carbide single crystal and a step of decreasing the temperature of the silicon carbide single crystal from the increased temperature in the heat treatment step. It is characterized by doing.
[0008]
Thus, the micropipe defect which exists in a silicon carbide single crystal can be obstruct | occluded by heat-processing by making the inside of a micropipe defect saturated with a silicon carbide vapor seed | species. Furthermore, in the heat treatment step, by repeating the step of raising the temperature of the silicon carbide single crystal and the step of lowering the temperature of the silicon carbide single crystal from the raised temperature, the equilibrium vapor due to the temperature difference at the time of raising the temperature again Since silicon carbide is resublimated by the amount of pressure and dislocation coalescence is advanced at the time of lowering the temperature again, the vapor pressure component of the lowering temperature can be efficiently recrystallized to close the micropipe defects.
[0009]
For example, the above-described effect can be obtained by repeating the temperature increase / decrease in the temperature of the silicon carbide single crystal within the range of 1800 to 2500 ° C.
It should be noted that by repeating the temperature increase / decrease, the process in which the silicon carbide single crystal becomes high temperature / low temperature is repeated, but each temperature of the repeated high temperature process and each temperature of the low temperature process are sequentially decreased. Then, the micropipe defect can be blocked more efficiently.
[0010]
Further, at least a part of the surface of the silicon carbide single crystal may be covered with a coating material in order to efficiently bring the micropipe defect into a saturated state with the silicon carbide vapor species. In this case, as the coating material, either SiC having the same crystal form as the silicon carbide single crystal or SiC having a different crystal form can be applied. However, when the silicon carbide single crystal material is hexagonal, cubic or rhombohedral Silicon carbide is suitable. Moreover, a SiC polycrystal, a SiC sintered body, amorphous SiC, a carbon material, a metal material, a metal carbide, a metal nitride, and a metal oxide can also be applied as a coating material.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENTS Embodiments shown in the drawings will be described below.
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of a heat treatment apparatus used to close
The heat treatment apparatus includes a
[0012]
The crucible 2 contains silicon carbide 4 as a raw material for stably performing heat treatment for closing the
[0013]
Although not shown in FIG. 1, a resistance heating element made of graphite is disposed on the outer periphery of the
[0014]
As shown in FIG. 1, the non-mounting surface side of the
The covering
[0015]
In addition, as the
[0016]
When the
[0017]
In FIG. 1, the non-mounting surface side surface of the
[0018]
Further, the thickness of the
[0019]
After the
At this time, as temperature conditions for the heat treatment, if the temperatures of the silicon carbide raw material 4 and the
[0020]
Specifically, the temperature To of the silicon carbide raw material 4 is raised to a temperature approximately equal to or higher than the sublimation temperature of silicon carbide, and the temperature is maintained for a predetermined time, and then lowered according to the time. .
The temperature Ts of the
[0021]
The atmospheric pressure conditions are 1 × 10 -8 ~ 1x10 9 Applicable in the range of Pa.
2 and 3 show the state of the
[0022]
Thus, the
The mechanism by which the
In the
[0023]
It is estimated that the blocking phenomenon of the
[0024]
First, as shown in FIG. 5A, consider a case where a
[0025]
After that, although the reason is not yet clear, dislocation movement becomes easy at the interface with the
[0026]
The
[0027]
In the present embodiment, the temperature of the
[0028]
For this reason, compared with the case where a high temperature process and a low temperature process are not repeated, the
By cutting out a region where the
[0029]
In addition, since the
The crystal form of the
[0030]
Further, as the
Furthermore, in the examples described later, the
[0031]
As shown in FIG. 1, as a heat treatment apparatus for closing micropipe defects, a case has been described in which the
[0032]
Although single crystal growth of silicon carbide has been described, the above method can be applied to other crystals, for example, materials having hollow through defects such as ZnS.
[0033]
【Example】
Hereinafter, examples in the present embodiment will be specifically described.
(Example 1)
First, the defect density is about 40 cm. -2 A 6H
[0034]
When observed using a differential interference microscope, a polarizing microscope, and a scanning electron microscope, the opening of the
[0035]
Next, the
[0036]
The single crystal ingot obtained through these steps was cut in parallel to the growth direction, the cut surface was polished, and observed with a microscope in a transmission bright field. As a result, all the
[0037]
Further, in order to remove the silicon carbide crystal (growth crystal 6) formed during the heat treatment, the
[0038]
(Example 2)
First, the defect density is about 40 cm. -2 A 6H
[0039]
Next, the
[0040]
The single crystal ingot obtained through these steps was cut in parallel to the growth direction, the cut surface was polished, and observed with a microscope in a transmission bright field. As a result, 50% of the
[0041]
Further, in order to remove the silicon carbide crystal formed during the heat treatment, the
In addition, when the surface of the
[0042]
That is, in the initial stage of the growth of the sublimation method, it is considered that the heterogeneous polymorph (3C—SiC) is formed on the surface of the
On the other hand, even in the region where the 3C—SiC layer was not formed in the sublimation growth layer, it was observed that the
[0043]
As described above, even when the opening at one end of the
(Example 3)
First, the defect density is about 40 cm. -2 A 6H
[0044]
When observed using a differential interference microscope, a polarizing microscope, and a scanning electron microscope, the opening of the
[0045]
Next, the
[0046]
The single crystal ingot obtained through these steps was cut in parallel to the growth direction, the cut surface was polished, and observed with a microscope in a transmission bright field. As a result, all the
[0047]
Further, in order to remove the silicon carbide crystal formed during the heat treatment, the
In this way, the
[0048]
(Comparative example)
First, the defect density is about 40 cm. -2 A 6H
[0049]
When observed using a differential interference microscope, a polarizing microscope, and a scanning electron microscope, the opening of the
[0050]
Next, the
[0051]
The single crystal ingot obtained through these steps was cut in parallel to the growth direction, the cut surface was polished, and observed with a microscope in a transmission bright field. As a result, all the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a heat treatment apparatus used for producing a silicon carbide single crystal according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a silicon carbide
FIG. 3 shows a state of silicon carbide
FIG. 4 is a diagram showing a heat treatment temperature profile;
FIG. 5 is a diagram for explaining a blocking mechanism of a
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
3 ... Cover material, 4 ... Silicon carbide raw material, 5 ... Coating material, 6 ... Growth crystal, 7 ... Closure hole,
8: Near the interface.
Claims (1)
前記マイクロパイプ欠陥中を炭化珪素蒸気種で飽和状態にして熱処理を施すことにより、前記炭化珪素単結晶に存在するマイクロパイプ欠陥を閉塞させる工程と、を備え、
前記熱処理工程では、前記炭化珪素単結晶の温度を昇温させる工程と、前記炭化珪素単結晶の温度を前記昇温させた温度から降温させる工程とを、繰り返し行うことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。Preparing a silicon carbide single crystal having micropipe defects;
Capping the micropipe defects present in the silicon carbide single crystal by performing a heat treatment in a saturated state with silicon carbide vapor species in the micropipe defects,
In the heat treatment step, the step of raising the temperature of the silicon carbide single crystal and the step of lowering the temperature of the silicon carbide single crystal from the raised temperature are repeated. Crystal production method.
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