JP4100047B2 - 体毛処理器具の処理剤供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、体毛を剃ったり引き抜いたりする体毛処理が行われる肌面に処理剤を塗布するための体毛処理器具の処理剤供給装置に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、体毛を剃ったり引き抜いたりする体毛処理を行うに際しては、体毛処理が行われる肌面にシェービングローションなどの処理剤を塗布し、体毛を軟化させて処理し易い状態にしたり、カミソリ負けなどの肌荒れの防止や肌面のケアを施すようにすることが行われている。一般的に、肌面に処理剤を塗布して行う体毛処理は、手作業でカミソリ刃を肌面に沿わせるカミソリ器を用いる場合に多かったが、近年では、電動で駆動するカミソリ刃が肌面を傷つける恐れのある電気カミソリ1aの使用時にも、また電動で駆動する毛抜き部が肌面を傷つける恐れのある電動毛抜き器の使用時にも行われるようになってきている。
【0003】
たとえば、特表2000−500055(図17)や、WO 00/48796(図18)には、刃部4の近傍で肌面に処理剤を供給できるようにした電気カミソリ1aが開示されている。これらの電気カミソリ1aはいずれも、肌面に処理剤を供給する処理剤供給器具2を電気カミソリ1aに一体に備えて構成したものである。なお、図中44は処理剤を刃部4の近傍に供給する処理剤供給路である。このように、処理剤供給器具2を電気カミソリ1aに一体に備えると、電気カミソリ1aが処理剤供給器具2を備えた分、大きく重量も重いものになってしまい、電気カミソリ1aの把持が行い難くなって使い勝手が悪くなるといった問題を有するものであった。しかも、処理剤供給器具2を電気カミソリ1aに一体に備えたことで、肌面に処理剤を塗布せずに行うドライシェービングを行う際にも、かさも重量も大きくて把持しにくい電気カミソリ1aを用いねばならなく、このとき、使用者は特に使い勝手の悪さを感じてしまうものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、体毛処理器具の使い勝手を悪化させないようにして、体毛処理が行われる肌面に処理剤を適宜供給できるようにした体毛処理器具の処理剤供給装置を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る体毛処理器具の処理剤供給装置は、体毛を剃ったり引き抜いたりする体毛処理を行う体毛処理部に塗布部27を設け、この塗布部27によって体毛処理が行われる肌面に処理剤を塗布するように体毛処理器具1を構成し、この体毛処理器具1が立て置かれる処理剤供給スタンド2bに、立て置かれた体毛処理器具1の塗布部27に処理剤を供給する吐出部31と、この吐出部31に供給する処理剤を貯蔵する貯蔵部32とを備えたことを特徴とする。これによると、体毛処理器具1を処理剤供給スタンド2bに立て置いた状態で体毛処理器具1の塗布部27に処理剤が供給され、処理剤供給スタンド2bから外した体毛処理器具1の塗布部27によって肌面に処理剤を塗布することができるのであって、肌面に処理剤を塗布して体毛処理を行う際、肌面に処理剤を塗布しないで体毛処理を行う際のいずれにも、処理剤供給器具2を装着しない体毛処理器具1を単体で用いて体毛処理を行わせることができ、つまり、処理剤供給器具2を装着して使い勝手の悪化した体毛処理器具1を使用しなくてよく、したがって使い勝手よく体毛処理を行うことができる。
【0013】
また、上記塗布部27を、処理剤を吸着させる多孔質材で形成したことも好ましい。これによると、多孔質材で形成した塗布部27は処理剤を溜めようとするので、肌面に徐々に処理剤を塗布できて違和感なく体毛処理を行わせることができると共に、塗布部27に含ませた処理剤を周囲にこぼしてしまうことも回避できる。
【0014】
また、立て置かれた体毛処理器具1の電源部に充電を行う充電部41を処理剤供給スタンド2bに設けたことも好ましい。これによると、体毛処理器具1の塗布部27への処理剤の供給に併用して体毛処理器具1への充電を行うことができる。
【0015】
また、上記吐出部31を、貯蔵部32にある処理剤を吸着させて塗布部27に至らしめる多孔質材42で形成したことも好ましい。これによると、塗布部27にまで処理剤を送るポンプ等が不要で構造を簡単化でき、製造コストの低減化を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。本発明は、処理剤供給器具2を体毛処理器具1に着脱自在に装着して構成された体毛処理器具の処理剤供給装置であって、処理剤供給器具2によって、体毛処理が行われる肌面、または体毛処理を行う体毛処理器具1の体毛処理部に処理剤を供給できるようにし、体毛処理器具1によって体毛処理を行うのに、その使い勝手の向上を図り得るようにしたものである。
【0017】
図1乃至図11に参考例を示す。この例は、体毛処理器具1である電気カミソリ1aの体毛処理部であるカミソリヘッド部に、髭剃りが行われる肌面にシェービングローションなどの処理剤を塗布する処理剤供給器具2である処理剤供給アタッチメント2aを、適宜装着するようにした例である。
【0018】
電気カミソリ1aは、図3に示すように、先端部に髭を刈る刃部4を配置したカミソリヘッド部を設けると共に、基端部に把持部分となる電気カミソリ本体部を設けて構成されている。電気カミソリ本体部の本体ハウジング5内には、基端側から、電源部である電池6、上記電池6からの給電により駆動する駆動モータ7が収納されている。この駆動モータ7は本体ハウジング5に設けたスイッチハンドル8によってオンオフ制御がされるようになっている。また、電気カミソリ本体部の先端には上記刃部4に駆動モータ7の回転駆動を往復動にして伝動させる伝動機構部9を備えている。ここで、刃部4は、カミソリヘッド部の外殻を形成するヘッドハウジング3に固定された外刃4aと、伝動機構部9に連結して上記外刃4aの内面に摺接する内刃4bとで構成されていて、外刃4aの内部に導入した髭を外刃4aと内刃4bとで挟み込んで切断するようにされている。
【0019】
なお、本例の電気カミソリ1aではカミソリヘッド部に3つの刃部4が電気カミソリ1aの厚み方向に並んで設けられている。並設した刃部4のうち中央の刃部4ではその外刃4aに多数条のスリットを並べて穿設して形成したものを用いており、また、上記中央の刃部4を挟む1対の刃部4ではその外刃4aに多数の貫通孔を有してネット状に形成したものを用いており、剛柔長短の異なる髭を効率よく外刃4aの内部に導入して切断することができるようにされている。なお、ヘッドハウジング3は着脱釦10によって本体ハウジング5に着脱自在にされていて、本体ハウジング5からヘッドハウジング3を取り外すことで内刃4bを洗浄できるようにされている。また、電気カミソリ1aの幅方向におけるヘッドハウジング3の両側面には、処理剤供給アタッチメント2aの係止爪23と引っ掛け係止する係止突起11が設けられている。
【0020】
処理剤供給アタッチメント2aは、図4乃至図6に示すように、対向して立設した左縦ブロック部12と右縦ブロック部13とを有し、この左縦ブロック部12及び右縦ブロック部13の上端で且つ幅方向の両端にそれぞれ架設する1対の連結ブロック部14とを有して構成されている。そして、1対の連結ブロック部14、左縦ブロック部12及び右縦ブロック部13の上端間には開口部15が形成されている。この左縦ブロック部12、右縦ブロック部13、1対の連結ブロック部14はそれぞれ内部に中空空間を有して連通するようになっている。左縦ブロック部12及び右縦ブロック部13の中空空間は処理剤を貯蔵する貯蔵部16を構成している。この貯蔵部16は、左縦ブロック部12及び右縦ブロック部13の下端に弾設したバネ17と、上記バネ17の付勢で上方に押し上げられるピストン18とを有しており、このピストン18により上方に押圧された処理剤は連結ブロック部14の中空空間に流入するようにされている。なお、本例の貯蔵部16はその下端が取外しできる蓋19になっており、この蓋19を外して貯蔵部16に処理剤を補充することができるようになっている。また、連結ブロック部14の中空空間は上記貯蔵部16から供給された処理剤を肌面に吐出する吐出口20を有した塗布部21を構成している。上記吐出口20は、連結ブロック部14の上面に開口すると共に、弁体22によって開け閉め自在にされている。この弁体22は、吐出口20を連結ブロック部14の内方から塞ぐように吐出口20の縁部近傍に固定された栓板部22aと、この栓板部22aから上方に突出し、吐出口20を挿通して連結ブロック部14の上面よりも上方に先端を位置させる肌当て突起22bとを一体に形成した弾性体である。この弁体22は、その栓板部22aが通常、貯蔵部16から塗布部21に流入するような内圧のある処理剤によって連結ブロック部14の内面に押圧されることで、吐出口20を閉塞するようにしている。なお、左縦ブロック部12及び右縦ブロック部13の対向面にはそれぞれ、電気カミソリ1aの係止突起11に引っ掛け係止する係止爪23が設けられている。
【0021】
この処理剤供給アタッチメント2aは、図1乃至図3、図5及び図6に示すように、電気カミソリ1aのカミソリヘッド部に被せるように取り付けられる。詳述すると、処理剤供給アタッチメント2aの左縦ブロック部12及び右縦ブロック部13を電気カミソリ1aの幅方向におけるヘッドハウジング3の各側面に沿わせて位置させると共に、1対の連結ブロック部14を電気カミソリ1aの厚み方向におけるヘッドハウジング3の各側面に沿わせて位置させ、1対の連結ブロック部14、左縦ブロック部12及び右縦ブロック部13の上端に囲まれた開口部15に各刃部4を挿通させて連結ブロック部14の上面より各刃部4の先端面を上方に位置させるようにし、ヘッドハウジング3の各係止突起11にそれぞれ対向する各係止爪23を係止させることで、処理剤供給アタッチメント2aの電気カミソリ1aへの装着が行われる。
【0022】
上述したように処理剤供給アタッチメント2aを装着した電気カミソリ1aを使用して髭を剃るようにすると、肌面に処理剤供給アタッチメント2aから処理剤が塗布されつつ電気カミソリ1aの刃部4で髭が剃られるようになる。電気カミソリ1aは先端部分の刃部4の外刃4aを肌面に押圧しつつ摺動させて使用されるのであるが、同時に処理剤供給アタッチメント2aの上端(先端)部分も肌面を押圧するようにされる。このとき処理剤供給アタッチメント2aでは、図6に示すように、肌面によって弁体22の肌当て突起22bが塗布部21の内方に向って押圧され、弁体22の栓板部22aが弾性屈曲して吐出口20を開の状態にし、この開いた状態の吐出口20から処理剤が外方に吐出され、この処理剤が肌面に塗布される。電気カミソリ1aは主にその厚み方向に肌面に対して摺動させて使用されるのであるが、本例では電気カミソリ1aの厚み方向の各側方に塗布部21である1対の連結ブロック部14を配置しているので、処理剤を塗布した肌面の髭を確実に刃部4で切断できるようにされている。
【0023】
上述したように、電気カミソリ1aに処理剤供給アタッチメント2aを着脱自在に装着するようにしているので、処理剤を肌面に塗布したいときには電気カミソリ1aに処理剤供給アタッチメント2aを装着すればよいものであり、また処理剤を肌面に塗布したくないときには処理剤供給アタッチメント2aを装着しなければよいものであり、使用形態に合わせて使い勝手よく髭剃りを行うことができる。つまり、処理剤供給器具2である処理剤供給アタッチメント2aを電気カミソリ1aに装着すると、処理剤供給アタッチメント2aのかさや重量によって電気カミソリ1aの使用性がある程度損なわれてしまうのであるが、本例では処理剤を肌面に塗布したくないときには処理剤供給アタッチメント2aを電気カミソリ1aから取り外すことができるのであって、処理剤供給器具2を一体に備えた従来の電気カミソリ1aに比べて、特に処理剤を肌面に塗布しないときの髭剃りの使用性が高められているのである。また、処理剤供給アタッチメント2aの電気カミソリ1aへの着脱も係止突起11と係止爪23との係脱で容易に行えるので、必要なときにはすぐに処理剤供給アタッチメント2aを電気カミソリ1aに装着すると共に必要でないときにはすぐに処理剤供給アタッチメント2aを電気カミソリ1aから取り外すことができ、使い勝手よく髭剃りを行うことができるのである。
【0024】
また、肌面に処理剤を塗布して髭剃りを行った場合には特に刃部4の洗浄を行う必要があり、この刃部4の洗浄はヘッドハウジング3を本体ハウジング5から取外して行われるのであるが、本例では処理剤供給アタッチメント2aを電気カミソリ1aに装着した状態のままでも刃部4の洗浄を行うことができて便利である。つまり、処理剤供給アタッチメント2aはヘッドハウジング3に設けた係止突起11に係止爪23を係止させて処理剤供給アタッチメント2aに装着されているのであり、刃部4を洗浄する際に本体ハウジング5からヘッドハウジング3を取り外したときには、処理剤供給アタッチメント2aもヘッドハウジング3と一緒に電気カミソリ1aから取り外すことができ、電気カミソリ1aの刃部4の洗浄の折に処理剤供給アタッチメント2aが邪魔にならないで使い勝手の向上を図ることができるのである。
【0025】
なお、処理剤供給アタッチメント2aは、電気カミソリ1aとは別体であると共に、電気カミソリ1aとは独立して肌面に処理剤を塗布する機能を作用させることができるので、肌面に処理剤を塗布する際に処理剤供給アタッチメント2aを単体で使用することもできる。これによると、処理剤供給アタッチメント2aを単体で使用して肌面に処理剤を塗布し、その後、処理剤供給アタッチメント2aを装着しないことで高い使用性を維持した電気カミソリ1aを用いて髭剃りを行わせることができ、使い勝手よく髭剃りを行うことができるのである。
【0026】
また、図7に示すように、電気カミソリ1aの本体ハウジング5に係止突起11を設け、この係止突起11に係止爪23を係止させて、処理剤供給アタッチメント2aを体毛処理器具1の本体ハウジング5に着脱自在に取り付けたことも好ましいのである。これによると、電気カミソリ1aへの接触面積を大きくして処理剤供給アタッチメント2aを装着でき、処理剤供給アタッチメント2aの電気カミソリ1aへの固定状態が安定したものとなり、したがって、処理剤供給アタッチメント2aを装着した電気カミソリ1aを振ったとしても、容易には処理剤供給アタッチメント2aが体毛処理器具1から外れないようにできるのである。
【0027】
また、図8に示すように、処理剤供給アタッチメント2aの左縦ブロック部12及び右縦ブロック部13の上端部分にも吐出口20を有する塗布部21を設けたことも好ましい。これによると、上記例の処理剤供給アタッチメント2aに比べて、肌面の広い範囲に処理剤を塗布することができるのである。
【0028】
また、図9に示すように、処理剤供給アタッチメント2aの貯蔵部16に処理剤を補充できるようにした挿し込み口24を設けたことも好ましい。詳述すると、この挿し込み口24には弾性材で形成した弁体25が設けられており、この弁体25は通常、処理剤の内圧により挿し込み口24を閉じるようにされている。そして、この挿し込み口24に外方から処理剤補充用ノズル等を挿し込むことで、弁体25を貯蔵部16内方に押し込んで挿し込み口24を開の状態にし、処理剤補充用ノズルから補充用の処理剤を貯蔵部16に圧力をかけて流入することで、処理剤供給アタッチメント2aの貯蔵部16に処理剤を補充できるようになっている。これによると、処理剤が切れても処理剤を何度でも貯蔵部16に補充でき、処理剤供給アタッチメント2aの使い勝手の向上を図ることができるのである。
【0029】
また、図10及び図11に示すように、処理剤供給アタッチメント2aの1対の連結ブロック部14の間に幅狭の開口を有するスリット部26を形成するように、この1対の連結ブロック部14を左縦ブロック部12及び右縦ブロック部13の幅方向の略中央部分に架設して処理剤供給アタッチメント2aを構成し、この処理剤供給アタッチメント2aを電気カミソリ1aに装着するときには、3つ並設した刃部4のうち中央の刃部4のみをスリット部26に挿通させるようにして処理剤供給アタッチメント2aを電気カミソリ1aに装着するようにしたことも好ましい。これによると、図11に示すように、処理剤供給アタッチメント2aの塗布部を3つの刃部4間に位置させることができ、刃部4によって髭が切断される部位のすぐ近傍の肌面に処理剤を塗布させることができ、処理剤の効果を発揮させ易くできるのである。
【0030】
また、この例では、処理剤供給アタッチメント2aの中空空間を幅方向の中央部分を境にして2分するように構成している。つまり、貯蔵部16と塗布部21とで構成される処理剤供給部を処理剤供給アタッチメント2aに2つ並設してある。これによると、処理剤供給部毎に異なる処理剤を配備することができ、個人の好みや肌の状態に合わせて必要な効果を有する処理剤を肌面に塗布することができたり、複数の処理剤の相乗効果を期待することができるのである。
【0031】
また、図12乃至図16に本発明の実施の形態の例を示す。本例は、体毛処理器具1を電気カミソリ1aで構成し、処理剤供給器具2を不使用時の電気カミソリ1aが立て置かれる処理剤供給スタンド2bで構成した例である。つまり、不使用時の電気カミソリ1aを処理剤供給スタンド2bに立て置いたときに、処理剤供給スタンド2bに設けた処理剤供給部によって電気カミソリ1aの髭を剃る(体毛処理を行う)カミソリヘッド部に処理剤が供給されるようになっており、電気カミソリ1aを使用時に、肌面に沿わせるカミソリヘッド部にあらかじめ供給されていた処理剤を肌面に塗布し、電気カミソリ1aの刃部4で処理剤が塗布された肌面から生える髭を刈ることができるようにしたものである。以下、詳述する。
【0032】
本例の電気カミソリ1aは、その基本構造が先の参考例の電気カミソリ1aと同様のものを用いており、重複する部位は図面に同じ番号を付して説明を省略し、相違する部分につき説明する。本例の電気カミソリ1aは、カミソリヘッド部の並設された3つの刃部4の間のヘッドハウジング3の先端の部位に、処理剤を吸着させることのできる多孔質材から成る塗布部27を設けている。この塗布部27は、後述する処理剤供給スタンド2bに設けた処理剤供給部から供給された処理剤を付着させ、髭を剃るように電気カミソリ1aを使用したときに肌面に当てて処理剤を肌面に塗布する部位である。しかして、この塗布部27は、電気カミソリ1aの先端方向に突出する刃部4と略同等に突出するように形成されている。また、塗布部27は、例えばスポンジ、フェルト等の多孔質材で形成されているが、この多孔質材は処理剤供給部から供給された処理剤を溜めようとするものであるから、塗布部27に付着させた処理剤を周囲にこぼしてしまうことが回避できると共に、肌面に徐々に処理剤を塗布させることができるのであり、違和感なく髭剃りを行わせることができるようになっている。
【0033】
処理剤供給スタンド2bは、洗面台等の設置面に置く基台28と、この基台28上に設けた本体部29とで主体が構成されている。基台28には、電気カミソリ1aを立て置く置き台部30を設けており、この置き台部30上に電気カミソリ1aを立て置いた状態で電気カミソリ1aの刃部4の上端に本体部29の先端が臨むようにされている。本体部29には、電気カミソリ1aの塗布部27に処理剤を供給する処理剤供給部を内装している。この処理剤供給部は、電気カミソリ1aの塗布部27に処理剤を供給する吐出部31と、この吐出部31に供給する処理剤を貯蔵する貯蔵部32とで構成されている。貯蔵部32は本体部29の基端部分に設けられ、吐出部31は貯蔵部32から本体部29の先端に至る部分に設けられている。
【0034】
具体的に、貯蔵部32はチューブ状の容器33内に処理剤が貯蔵されて構成されている。なお、この処理剤が貯蔵された容器33は本体部29に開閉自在に設けられた蓋34から取替可能にされている。また、吐出部31は、置き台部30上に立て置いた電気カミソリ1aの塗布部27上に臨む吐出口35を一端に備えると共に、他端に上記貯蔵部32を構成せる容器33と接続する接続口36を備えた流路であり、この流路の途中に上流側及び下流側にそれぞれ逆止弁37,38を備えたダイヤフラムポンプ39を介在して構成されている。なお、このダイヤフラムポンプ39には操作釦40が一体に設けられている。この操作釦40をダイヤフラムポンプ39内に押し込むように押圧すると、図13に示すように、ダイヤフラムポンプ39の内圧の上昇によって、上流側の逆止弁37が閉の状態になると共に下流側の逆止弁38が開の状態になり、ダイヤフラムポンプ39内にある処理剤が吐出口35に供給される。そして、操作釦40の押圧をやめると、図14に示すように、ダイヤフラムポンプ39が弾性復帰してダイヤフラムポンプ39内の内圧が減少し、下流側の逆止弁38が閉の状態になると共に上流側の逆止弁37が開の状態になり、ダイヤフラムポンプ39内に貯蔵部32の処理剤が供給される。つまり、吐出部31は、ダイヤフラムポンプ39によって、処理剤の貯蔵部32への逆流を防止しつつ、貯蔵部32から処理剤を電気カミソリ1aの塗布部27に供給できるようにされている。
【0035】
上述したように、不使用時の電気カミソリ1aを処理剤供給スタンド2bに立て置いた状態で、処理剤供給スタンド2bのダイヤフラムポンプ39の操作釦40を押圧すると、位置決めして立て置かれた電気カミソリ1aの塗布部27に、処理剤供給スタンド2bの処理剤供給部から処理剤が確実に供給されるようになっている。そして、肌面に処理剤を塗布して髭剃りを行う際には、上述のようにして塗布部27に処理剤を付着させた電気カミソリ1aを処理剤供給スタンド2bから取外し、この電気カミソリ1aの塗布部27を肌面に押圧し、この塗布部27から肌面に処理剤を塗布し、刃部4で処理剤を介して髭を剃るようにされるのである。つまり、本例では、処理剤を肌面に塗布する・しないに関わらず髭を剃るときには、処理剤供給器具2(処理剤供給スタンド2b)を備えない状態の単体の電気カミソリ1aを用いるようにされているのである。
【0036】
処理剤を肌面に塗布する・しないに関わらず髭を剃るときに、処理剤供給器具2を一体に備えた電気カミソリ1aを用いて行い、電気カミソリ1aに一体に備えた処理剤供給器具2による電気カミソリ1aの使用性の劣化という問題を有していた従来技術と比較すると、処理剤供給器具2から取り外して電気カミソリ1aを単体で用いることのできる本例では上記問題は生じないことから、本例は従来に比べて使い勝手よく髭剃りを行うことが可能にされているのである。
【0037】
なお、本例の電気カミソリ1の使用態様として、処理剤供給スタンド2bを介さず、電気カミソリ1の塗布部27に直接処理剤を滴下して供給してもよく、また、電気カミソリ1の塗布部27を固形処理剤で形成させるようにしてもよいものである。これによると、処理剤供給スタンド2bが無くても電気カミソリ1だけで使い勝手よく髭剃りが行えるものであり、たとえば処理剤供給スタンド2bが故障してしまったときなどに有効である。
【0038】
また、図15に示すように、電気カミソリ1aに内装した電池を充電可能な充電電池で構成すると共に、処理剤供給スタンド2bの基台28に充電部41を内装し、基台28の置き台部30に不使用時の電気カミソリ1aを立て置いた状態で上記充電部41によって電気カミソリ1aの充電電池に充電を行うようにしたことも好ましい。これによると、電気カミソリ1aの塗布部27への処理剤の供給に併用して電気カミソリ1aへの充電をも行うことができて使い勝手が向上するものである。
【0039】
また、図16に示すように、処理剤供給部の吐出部31を、貯蔵部32にある処理剤を吸着させて塗布部27に至らしめる多孔質材42で形成したことも好ましい。つまり、この吐出部31を構成する多孔質材42は、一端を貯蔵部32を構成する容器33内に位置させると共に、他端を置き台部30に立て置いた電気カミソリ1aの塗布部27に接触させるように形成されており、貯蔵部32の処理剤をこの吐出部31の多孔質材42を介して電気カミソリ1aの塗布部27に伝わせ得るようにされている。なお、この多孔質材42の吐出部31は、容器33内に位置した部位と電気カミソリ1aの塗布部27に接触する部位を除き、処理剤を透過させない管路状容器43内に配置されている。これによると、処理剤供給部の吐出部31に塗布部27にまで処理剤を送るダイヤフラムポンプ39等が不要になり、この吐出部31の構造を簡単化でき、処理剤供給スタンド2bの製造コストの低減化を図ることができるのである。
【0040】
上述した本発明の実施の形態の例では、体毛処理器具1として電気カミソリ1aを用いた例を説明してきたが、ローション等の処理剤を肌面に塗布しての使用が想定されるものを体毛処理器具1として想定してもよく、たとえば体毛処理器具1として無駄毛を抜く電動毛抜き器を用いてもよいのは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、体毛を剃ったり引き抜いたりする体毛処理を行う体毛処理部に塗布部を設け、この塗布部によって体毛処理が行われる肌面に処理剤を塗布するように体毛処理器具を構成し、この体毛処理器具が立て置かれる処理剤供給スタンドに、立て置かれた体毛処理器具の塗布部に処理剤を供給する吐出部と、この吐出部に供給する処理剤を貯蔵する貯蔵部とを備えたので、体毛処理器具を処理剤供給スタンドに立て置いた状態で体毛処理器具の塗布部に処理剤が供給され、処理剤供給スタンドから外した体毛処理器具の塗布部によって肌面に処理剤を塗布することができるのであって、肌面に処理剤を塗布して体毛処理を行う際、肌面に処理剤を塗布しないで体毛処理を行う際のいずれにも、処理剤供給器具を装着しない体毛処理器具を単体で用いて体毛処理を行わせることができ、つまり、処理剤供給機器を装着して使い勝手の悪化した体毛処理器具を使用しなくてよく、したがって使い勝手よく体毛処理を行うことができるのである。
【0049】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、上記塗布部を、処理剤を吸着させる多孔質材で形成したので、多孔質材で形成した塗布部は処理剤を溜めようとするので、肌面に徐々に処理剤を塗布できて違和感なく体毛処理を行わせることができると共に、塗布部に含ませた処理剤を周囲にこぼしてしまうことも回避できるのであり、使い勝手よく体毛処理を行うことができるのである。
【0050】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、立て置かれた体毛処理器具の電源部に充電を行う充電部を処理剤供給スタンドに設けたので、体毛処理器具の塗布部への処理剤の供給に併用して体毛処理器具への充電を行うことができ、体毛処理器具の使い勝手の向上を図ることができる。
【0051】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、上記吐出部を、貯蔵部にある処理剤を吸着させて塗布部に至らしめる多孔質材で形成したので、塗布部にまで処理剤を送るポンプ等が不要で構造を簡単化でき、製造コストの低減化を図ることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例を示す正面図である。
【図2】同上の側面図である。
【図3】同上の側面断面図である。
【図4】同上の処理剤供給アタッチメントを示す斜視図である。
【図5】同上の処理剤供給アタッチメントの動作を説明する説明図である。
【図6】同上の処理剤供給アタッチメントの動作を説明する説明図である。
【図7】同上の他例を示す正面図である。
【図8】同上の他例を示す処理剤供給アタッチメントの斜視図である。
【図9】同上の他例を示す正面断面図である。
【図10】同上の他例を示す処理剤供給アタッチメントの斜視図である。
【図11】同上の側面断面図である。
【図12】本発明の実施の形態の例を示す一部断面の正面図である。
【図13】同上の処理剤供給スタンドの動作を説明する説明図である。
【図14】同上の処理剤供給スタンドの動作を説明する説明図である。
【図15】同上の他例を示す一部断面の正面図である。
【図16】同上の他例を示す一部断面の正面図である。
【図17】従来技術の例を示す側面断面図である。
【図18】従来技術の他例を示すハウジングを透視した正面図である。
【符号の説明】
1 体毛処理器具
1a 電気カミソリ
2 処理剤供給器具
2a 処理剤供給アタッチメント
2b 処理剤供給スタンド
3 ヘッドハウジング
4 刃部
5 本体ハウジング
16 貯蔵部
20 吐出口
21 塗布部
Claims (4)
- 体毛を剃ったり引き抜いたりする体毛処理を行う体毛処理部に塗布部を設け、この塗布部によって体毛処理が行われる肌面に処理剤を塗布するように体毛処理器具を構成し、この体毛処理器具が立て置かれる処理剤供給スタンドに、立て置かれた体毛処理器具の塗布部に処理剤を供給する吐出部と、この吐出部に供給する処理剤を貯蔵する貯蔵部とを備えたことを特徴とする体毛処理器具の処理剤供給装置。
- 上記塗布部を、処理剤を吸着させる多孔質材で形成したことを特徴とする請求項1記載の体毛処理器具の処理剤供給装置。
- 立て置かれた体毛処理器具の電源部に充電を行う充電部を処理剤供給スタンドに設けたことを特徴とする請求項1記載の体毛処理器具の処理剤供給装置。
- 上記吐出部を、貯蔵部にある処理剤を吸着させて塗布部に至らしめる多孔質材で形成したことを特徴とする請求項1記載の体毛処理器具の処理剤供給装置。
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