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JP4198420B2 - パチンコ機の施錠装置 - Google Patents

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JP4198420B2
JP4198420B2 JP2002240670A JP2002240670A JP4198420B2 JP 4198420 B2 JP4198420 B2 JP 4198420B2 JP 2002240670 A JP2002240670 A JP 2002240670A JP 2002240670 A JP2002240670 A JP 2002240670A JP 4198420 B2 JP4198420 B2 JP 4198420B2
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glass frame
front frame
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農史 中村
常男 中村
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中東産業株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機の前面枠を本体枠に対し施錠すると共に、前面枠内に開閉可能に取り付けられたガラス枠を、前面枠に対し施錠するパチンコ機の施錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機の前面枠を本体枠に対し施錠する施錠装置として、断面L字状の取付板と支持板からなる基枠体の内側に、連結杆が摺動可能に配設され、支持板の上部と下部に鉤部材が連結杆に連結されて傾動可能に枢支され、取付板の中間部にシリンダ錠がその錠軸を取付板に設けた孔から内側に差込むように固定され、錠軸の先端に連結杆と係合するカム板が固定されてなる施錠装置が、一般に使用されている(例えば、実公昭57−8867号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、パチンコ機の前面枠内には、金枠が取付けられ、その金枠の上部に盤面を覆うガラス枠が開閉可能に取付けられているが、この種の施錠装置には、ガラス枠を施錠する施錠するガラス枠用施錠具は設けられてなく、単にガラス枠用施錠具を解錠するための作動片付き作動杆が、施錠装置の基枠体内に設けられ、シリンダ錠によるカム板の回動によりその作動杆を摺動させる機構が設けられるのみである。
【0004】
このため、ガラス枠用施錠具を別個に前面枠の内側に取り付ける必要があり、その際の取付作業に多くの工数がかかると共に、施錠装置側の作動片をガラス枠用施錠具側の受け具にあわせるよう、位置調整を行なう必要があり、取付時の調整作業にも多くの作業工数がかかる問題があった。
【0005】
そこで、本発明者らは、従来、特開平7−204337号公報において、1つの基枠体内に前面枠用の施錠装置とガラス枠用の施錠装置を組み込んだ施錠装置を提案した。
【0006】
この施錠装置は、支持板の外側の上部と下部に、ガラス枠施錠用の鉤部材を傾動可能に枢支し、両鉤部材をガラス枠施錠用の連結杆により連結すると共に、シリンダ錠の錠軸に固定したカム板の係合部の一方をそのガラス枠施錠用連結杆に係合させ、カム板の他方の係合部を前面枠施錠用の連結杆に係合させる構造であった。したがって、従来のこの種の施錠装置は、1つの基枠体内に前面枠施錠用の連結杆とガラス枠施錠用の連結杆の両方が摺動可能に配設される構造のため、構造が複雑化し、部品点数も多くなる課題があった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、構造が簡単で、部品点数が少なく、前面枠とガラス枠の施錠と解錠を円滑に行うことができるパチンコ機の施錠装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の施錠装置は、取付板と支持板を有する縦長の基枠体と、基枠体の取付板に固定され、基枠体内に位置する錠軸にカム板を取り付けてなるシリンダ錠と、本体枠側に固定された受け金具に係止されて前面枠を施錠する前面枠鉤部材を有し、シリンダ錠による該カム板の一方向への回動に係合して前面枠鉤部材を解錠方向に動かす前面枠施錠機構と、ガラス枠側の係止片に係止されてガラス枠を施錠するガラス枠鉤部材を有し、シリンダ錠によるカム板の他方向への回動に係合してガラス枠鉤部材を解錠方向に動かすガラス枠施錠機構と、を備え、前面枠の内側に縦に取り付けられ、本体枠に対し前面枠を施錠し、前面枠に対しガラス枠を施錠するパチンコ機の施錠装置において、
基枠体の支持板に前面枠施錠用の前面枠鉤部材が傾動可能に枢支され、前面枠鉤部材には施錠方向に付勢するコイルばねが掛止され、支持板にガラス枠施錠用のガラス枠鉤部材が傾動可能に枢支され、ガラス枠鉤部材には施錠方向に付勢するコイルばねが取り付けられ、前面枠鉤部材とガラス枠鉤部材を解錠方向にのみ動かすための前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆が支持板に沿って摺動可能に配設され、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆の一部にカム板が係合可能な係合孔が設けられ、前面枠鉤部材とガラス枠鉤部材は各々枢支ピンにより支持板の各々の箇所に枢支され、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆には枢支ピンに係合してガイドされるガイド孔が設けられ、前面枠鉤部材とガラス枠鉤部材には各々係合凸部が設けられ、係合凸部に係合する係合部が前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆の各々の箇所に設けられ、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆を一方向に移動させたとき、係合部と係合凸部を介して前面枠鉤部材が回動力を受けて解錠側に傾動して前面枠が解錠し、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆を他方向に移動させたとき、係合部と係合凸部を介してガラス枠鉤部材が回動力を受けて解錠側に傾動してガラス枠が解錠することを特徴とする。
【0010】
上記施錠装置においては、請求項のように、前パネル用施錠杆が基枠体の長手に沿って摺動可能に配設され、前パネル用施錠杆には基枠体の取付板から前方に突き出すように前パネル用鉤部が突設され、前パネル用施錠杆には施錠側に付勢するコイルばねが掛止され、前パネル用施錠杆の一部に操作部が設けられ、前面枠内の下部に開閉可能に取付けられた前パネル側に係止片が設けられ、前パネル用鉤部が係止片に係止されて前パネルが施錠されるように構成することができる。
【0011】
【作用】
このような構成のパチンコ機の施錠装置では、前面枠を本体枠に対し閉じると、前面枠鉤部材が本体枠側の受け金具に当り傾動(回動)して係止され、施錠状態となる。それを解錠する場合は、キーによってシリンダ錠を回し、カム板を回転させると、カム板が前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆を前面枠の施錠方向に摺動させる。このとき、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆が係合部と係合凸部を介して前面枠鉤部材を解錠方向に傾動(回動)させる。これにより、本体枠の受け金具と前面枠鉤部材との係合が外れ、前面枠は解錠される。
【0012】
一方、ガラス枠を閉じると、ガラス枠内の係止片が基枠体の取付板から突出したガラス枠鉤部材に当り、ガラス枠鉤部材が傾動して、ガラス枠鉤部材に係止片が係止され、ガラス枠は施錠状態となる。ガラス枠を解錠する場合は、シリンダ錠のキーを逆方向に回して、カム板を同方向に回動させ、カム板が前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆を前面枠の解錠時とは反対方向に摺動させる。これにより、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆が係合部と係合凸部を介してガラス枠鉤部材を解錠方向に傾動させる。このガラス枠鉤部材の傾動によって、ガラス枠の係止片と鉤部材の係合が外れ、ガラス枠は解錠される。
【0013】
請求項のように、前パネル用施錠杆が本施錠装置に具備される場合、前パネルを開くときには、ガラス枠を開いた状態で、その開口部から前面枠内に手を入れ、施錠装置に取付けた前パネル用施錠杆を、その操作部を持って押し下げる。このとき、前パネル用施錠杆に突設された前パネル用鉤部が摺動し、それによって、前パネル側に設けた係止片との係合が外れ、前パネルが解錠され、開かれる。一方、前パネルを閉じると、前パネル内の係止片が基枠体の取付板から突出した前パネル用鉤部に当り、前パネル用鉤部が前パネル用施錠杆と共に摺動して係止片に係止され、前パネルは施錠状態となる。
【0014】
このように、従来は前面枠解錠用の連結杆とガラス枠解錠用の連結杆又は作動杆の両方を基枠体内に摺動可能に配設していたが、本施錠装置では、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆が基枠体内に摺動可能に配設されるだけであるから、構造を簡単化できると共に、部品点数を少なくすることができる。また、前面枠鉤部材とガラス枠鉤部材は独立して傾動可能であるから、本体枠側の受け金具またはガラス枠側の係止片と係合した際、軽く円滑に傾動することができ、前面枠またはガラス枠を軽く閉めるだけで、軽い操作力で確実に施錠することができ、また、解錠操作も軽く行なうことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は施錠装置の正面図を、図2はその左側面図を、図3はその右側面図を、図4はその背面図を各々示し、図5、図6はその分解図を示している。
【0016】
1は取付板2と支持板3を略直角に曲折して一体成形してなる縦長の基枠体で、基枠体1の支持板3の上部と下部に、前面枠鉤部材用の枢支部3a、3bがその部分のみを内側に入れるように分離して形成される。取付板2には複数の取付孔が穿設される。また、図1に示す如く、基枠体1の角部の上部と中間部の左側に、後述のガラス枠鉤部材11、12を前方に突出させるための開口部1a,1bが形成される。
【0017】
枢支部3a,3bには、各々前面枠鉤部材4,5が基枠体1の背面側を向けて、且つ下方に傾動(回動)可能に、枢支ピン4a,5aにより枢支される。前面枠鉤部材4,5は三角形頭部を有しその中間部に係合凹部を有して、フック状に形成されている。さらに、前面枠鉤部材4,5の元部には、解錠時に後述の前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6の係合部64,65が係合して解錠方向に押すための係合凸部4b,5bが各々突設され、また、この係合凸部4b,5bには、コイルばね9a,9bが施錠方向に付勢するように掛止される。
【0018】
この前面枠鉤部材4,5は、前面枠21を本体枠20に対し施錠するためのものであるが、施錠する際には、各前面枠鉤部材4,5が独立してコイルばね9a,9bの付勢力に抗して傾動するのみであるから、前面枠21を閉じた際、非常に小さい力で軽く鉤部材を傾動させて施錠することができる。また、各前面枠鉤部材4,5が独立して傾動するから、針金などを前面枠21の隙間に差し込んで行なわれる不正解錠に対しては、何れか一方の鉤部材4,5を針金などで引っ掛けて、解錠方向に傾動させても、他方の鉤部材は解錠方向に動くことはないため、この種の不正解錠を防止することができる。
【0019】
図5に示すように、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6の上部と下部には、2対づつのガイド孔60〜63が形成される。それらのうち、ガイド孔61,63には、前面枠鉤部材4,5を枢支する枢支ピン4a,5aが挿通され、基枠体1の内側に支持板3に沿って配設される前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6は、その枢支ピン4a,5aとガイド孔61,63及びガイド孔60,62により、上下にガイド摺動可能に支持されている。また、この前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6の上部寄りには後述のシリンダ錠7のカム板8が係合するための係合孔68,69が形成される。
【0020】
さらに、この前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6には後述のガラス枠鉤部材11,12の係合凸部11b,12bと係合する係合部66,67がその上部と中間部に設けられ、この作動杆6によってこの係合凸部11b、12bが下方に押されることにより、このガラス枠鉤部材11,12は解錠方向(下方)に傾動(回動)する。また、この前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6には後述の前パネル用作動杆17との間にコイルばね14が掛止され、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6を非解錠位置つまり中立位置に保持する。
【0021】
取付板2の上部寄りに、シリンダ錠7がその錠軸を孔から基枠体1の内側に挿入するように、ねじ又はかしめで固定される。シリンダ錠7の錠軸には第一係合部8aと第二係合部8bを持つカム板8が固定される。図4の反時計方向にカム板8を回動させた場合、カム板の第一係合部8aは前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6の係合孔68に係合し、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6を上方に摺動させ、前面枠鉤部材4,5の末部の係合凸部4b、5bを上方に押して前面枠鉤部材4,5を下方に傾動させる。前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6と前パネル用作動杆17間に掛けられたコイルばね14は、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6または前パネル用作動杆17が解錠側に移動したとき、それらを復帰させる方向に付勢する。
【0022】
さらに、基枠体1の上部と中間部の角部に設けられた開口部1a,1bから前方に突き出すように、ガラス枠を施錠するガラス枠鉤部材11,12が配置され、ガラス枠鉤部材11,12は、基枠体1内の支持板3の上部と中間部に、枢支ピン11a,12aによって枢支されて傾動可能に取り付けられる。このガラス枠鉤部材11,12は、上向きの係合凹部を持ったフック状に形成され、図5に示すように、中間部に係合凸部11b、12bが設けられる。上記前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6の係合部66,67によってこの係合凸部11b、12bが下方に押されることにより、このガラス枠鉤部材11,12は解錠方向(下方)に傾動(回動)する。また、上部のガラス枠鉤部材11には、コイルばね15aが掛止され、このコイルばね15aにより鉤部材11は上側施錠方向に付勢される。下側のガラス枠鉤部材12には、コイルばね15bが掛止され、このコイルばね15bにより鉤部材12上側施錠方向に付勢される。
【0023】
上下のガラス枠鉤部材11,12は、独立して傾動可能であり、ガラス枠が閉じられてそこに設けた係止片26,27が当たったとき、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6の移動を伴わずに、下方に傾動して係止片26,27に係止される。
【0024】
このガラス枠鉤部材11,12においても、上記と同様に、各鉤部材11,12が独立してコイルばね15a,15bの付勢力に抗して傾動するのみであるから、ガラス枠を閉じた際、非常に小さい力で鉤部材11,12を傾動させて施錠することができる。また、各ガラス枠鉤部材11,12が独立して傾動するから、針金などをガラス枠の隙間に差し込んで行なわれる不正解錠に対しては、何れか一方の鉤部材を針金などで引っ掛けて、解錠方向に傾動させても、他方の鉤部材は解錠方向に動くことはないため、不正解錠を防止することができる。
【0025】
さらに、基枠体1の下部には、図5、図6に示すように、後述の前パネル28を施錠するための前パネル施錠機構が設けられる。前パネル施錠機構は、前パネル用作動杆17とその上下動をガイドするガイドピン17d,17eから構成され、基枠体1の支持板3の外側にガイドピン17d,17eによって上下摺動可能に配設される。
【0026】
図6に示すように、前パネル用作動杆17にはその上部と下部に、前パネル用鉤部18,19が前方に突き出すように一体形成され、その前パネル用鉤部18,19は、先端部がフック状に形成され、基枠体1の取付板2から前方に突出して配設される。前パネル用作動杆17には、2個のガイド孔17b,17cが形成され、このガイド孔17b,17cに、基枠体1の支持板2に取り付けたガイドピン17d,17eが挿通され、ガイドピン17d,17eとガイド孔17b、17cを介して、支持板2の外側を所定の範囲で上下摺動可能に支持される。
【0027】
前パネル用作動杆17には、正面側の上部に操作部17aが設けられ、ガラス枠を開いた際、この操作部17aが正面側に現れるようにしている。また、作動杆17の中間部には、検出部17fが突設され、図示しない検出器(近接スイッチなど)を対向して配設することにより、前パネルの開放動作を電気的に検出する。さらに、この前パネル用作動杆17には上記コイルばね14が作動杆6との間に掛止され、施錠時または解錠時にはその復帰方向に付勢される。例えば、操作部17aを押し下げて、その付勢力に抗して前パネル用作動杆17を下方に摺動させると、前パネル用鉤部18,19が下側の解錠方向に摺動した後、元の位置に復帰する。
【0028】
このように構成されたパチンコ機の施錠装置は、図7、図8に示す如く、パチンコ機の本体枠20に開閉可能に装着された前面枠21の内側における矩形開口部の縁部に、シリンダ錠7の先端を前面に露出させ、前面枠鉤部材4,5を本体枠側に向けた姿勢で、取付板2を用いて縦に取付けられる。
【0029】
一方、本体枠20の内側の前面枠鉤部材4,5に対応した上下位置には、受け金具24、25が固定される。さらに、ガラス枠22が、前面枠21の開口部に内に取付けられた金枠内にヒンジを開閉可能に取付けられ、そのガラス枠22の自由端部内側に、ガラス枠鉤部材11,12が係止可能な係止片26、27が設けられる。また、上皿などを設けた前パネル28は、前面枠21内の金枠の下部にヒンジを介して開閉可能取り付けられ、前パネル28の自由端部内側に、前パネル用鉤部18,19が係止可能な係止片29,30が設けられる。
【0030】
パチンコ機における前面枠21を本体枠20に対し閉じると、図7に示すように、施錠装置の上下の前面枠鉤部材4,5が本体枠20側の受け金具24、25に当って下方に傾動し、コイルばね9a,9bの付勢力により戻って係止され、施錠状態となる。このとき、前面枠鉤部材4,5は、各々が独立して傾動可能に枢支され、コイルばね9a,9bの付勢力に抗して傾動するのみであるから、前面枠21を閉じた際、非常に小さい力で軽く前面枠鉤部材4,5を傾動させて施錠することができる。一方、施錠した状態では、各前面枠鉤部材4,5は独立して傾動するから、針金などを前面枠21の隙間に差し込んで行なわれる不正解錠に対しては、何れか一方の鉤部材を針金などで引っ掛けて、解錠方向に傾動させても、他方の鉤部材は解錠方向に動くことはないため、この種の不正解錠を防止することができる。
【0031】
前面枠21を解錠する場合は、キーによってシリンダ錠7を回し、カム板8を図4の反時計方向に回転させると、カム板8の第一係合部8aが前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6の係合孔6aと係合してこれを上方へ摺動させる。このとき、図7のように、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6の係合部64,65が前面枠鉤部材4,5の末端の係合凸部4b、5bに係合して、前面枠鉤部材4,5を下方に傾動させる。この前面枠鉤部材4,5の傾動によって、本体枠の受け金具24、25との係合が外れ、前面枠21は開放可能な状態となる。
【0032】
一方、ガラス枠22を前面枠21の金枠内に閉じると、ガラス枠22内の係止片26、27がガラス枠鉤部材11,12に当り、これを方に傾動させながら閉じられ、コイルばね14a,14bの付勢力によりガラス枠鉤部材11,12が水平位置に戻る。これにより、ガラス枠鉤部材11,12に係止片26、27が係止され、ガラス枠22は施錠状態となる。この場合も、ガラス枠鉤部材11,12は、各々が独立してコイルばね14a,14bの付勢力に抗して傾動するのみであるから、ガラス枠22を閉じた際、非常に小さい力で軽くガラス枠鉤部材11,12を傾動させて施錠することができる。また、針金などによる不正解錠も防止することができる。
【0033】
ガラス枠22を解錠する場合は、図8に示すように、シリンダ錠7に差し込んだキーを左方向に回して、カム板8を図4時計方向へ回動させると、カム板8の第二係合部8bが前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6の係合孔69と係合してこれを下方へ摺動させ、前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆6の係合部66,67が鉤部材11,12の係合凸部11b、12bに係合して、ガラス枠鉤部材11,12を下方へ傾動させる。この動作によって、ガラス枠22の係止片26、27とガラス枠鉤部材11,12との係合が外れ、ガラス枠22は開放される。
【0034】
上皿等を前面に取付けた前パネル28を開く場合、ガラス枠22を開いた状態で、その開口部から内側に手を入れ、前パネル用作動杆17の操作部17aを持って押し下げる。これによって、前パネル用作動杆17が下降し、それと一体の前パネル用鉤部18,19が下方に摺動する。これにより、前パネル用鉤部18,19と前パネル側の係止片29、30との係合が外れ、前パネル28が解錠され、開かれる。
【0035】
前パネル28を閉じる場合、前パネル28を前面枠21内に閉じるように押し込む。このとき、その係止片29、30が前パネル用鉤部18,19の傾斜頭部に当たって、前パネル用鉤部18,19を摺動させ、コイルばね14の付勢力により元の位置に戻り、前パネル用鉤部18,19に係止片29、30が係止され、前パネル28は、施錠状態となる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパチンコ機の施錠装置によれば、1本の前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆が基枠体の内側に摺動可能に配設されるだけであるから、従来の前面枠解錠用作動杆とガラス枠解錠用作動杆の両方を基枠体内に摺動可能に備えた施錠装置に比べ、部品点数を削減できる共に、それらのガイド構造なども1本の作動杆のみとなって、構造を簡単化することができる。
【0037】
また、前面枠鉤部材とガラス枠鉤部材は、施錠時、独立してコイルばねの付勢力に抗して傾動するのみであるから、前面枠またはガラス枠を閉じた際、非常に小さい力で軽く鉤部材を傾動させて施錠することができる。また、前面枠鉤部材及びガラス枠鉤部材が独立して傾動するから、針金などを前面枠またはガラス枠の隙間に差し込んで行なわれる不正解錠に対しては、何れか一方の鉤部材を針金などで引っ掛けて、解錠方向に傾動させても、他方の鉤部材は解錠方向に動くことはないため、この種の不正解錠を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す施錠装置の正面図である。
【図2】その左側面図である。
【図3】その右側面図である。
【図4】その背面図である。
【図5】施錠装置の分解右側面図である。
【図6】同施錠装置の分解背面図である。
【図7】使用状態を示す右側面図である。
【図8】使用状態を示す左側面図である。
【符号の説明】
1−基枠体
2−取付板
3−支持板
4、5−前面枠鉤部材
4b、5b-係合凸部
4a,5a-枢支ピン
6−前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆
60〜63-ガイド孔
64〜67-係合部
7−シリンダ錠
8−カム板
11、12−ガラス枠鉤部材
11a,12a−枢支ピン
11b、12b-係合凸部
17−前パネル用作動杆
18、19−前パネル用鉤部

Claims (2)

  1. 取付板と支持板を有する縦長の基枠体と、該基枠体の取付板に固定され、該基枠体内に位置する錠軸にカム板を取り付けてなるシリンダ錠と、本体枠側に固定された受け金具に係止されて前面枠を施錠する前面枠鉤部材を有し、該シリンダ錠による該カム板の一方向への回動に係合して該前面枠鉤部材を解錠方向に動かす前面枠施錠機構と、ガラス枠側の係止片に係止されて該ガラス枠を施錠するガラス枠鉤部材を有し、該シリンダ錠による該カム板の他方向への回動に係合して該ガラス枠鉤部材を解錠方向に動かすガラス枠施錠機構と、を備え、該前面枠の内側に縦に取り付けられ、該本体枠に対し該前面枠を施錠し、該前面枠に対し該ガラス枠を施錠するパチンコ機の施錠装置において、
    前記基枠体の支持板に前面枠施錠用の前面枠鉤部材が傾動可能に枢支され、該前面枠鉤部材には施錠方向に付勢するコイルばねが掛止され、該支持板にガラス枠施錠用のガラス枠鉤部材が傾動可能に枢支され、該ガラス枠鉤部材には施錠方向に付勢するコイルばねが取り付けられ、該前面枠鉤部材とガラス枠鉤部材を解錠方向にのみ動かすための前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆が該支持板に沿って摺動可能に配設され、該前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆の一部に前記カム板が係合可能な係合孔が設けられ、該前面枠鉤部材と該ガラス枠鉤部材は各々枢支ピンにより該支持板の各々の箇所に枢支され、該前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆には枢支ピンに係合してガイドされるガイド孔が設けられ、該前面枠鉤部材と前記ガラス枠鉤部材には各々係合凸部が設けられ、該係合凸部に係合する係合部が該前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆の各々の箇所に設けられ、該前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆を一方向に移動させたとき、該係合部と係合凸部を介して該前面枠鉤部材が回動力を受けて解錠側に傾動して前面枠が解錠し、該前面枠兼ガラス枠解錠用作動杆を他方向に移動させたとき、該係合部と係合凸部を介して該ガラス枠鉤部材が回動力を受けて解錠側に傾動してガラス枠が解錠することを特徴とするパチンコ機の施錠装置。
  2. 前パネル用施錠杆が前記基枠体の長手に沿って摺動可能に配設され、該前パネル用施錠杆には該基枠体の取付板から前方に突き出すように前パネル用鉤部が突設され、該前パネル用施錠杆には施錠側に付勢するコイルばねが掛止され、該前パネル用施錠杆の一部に操作部が設けられ、前面枠内の下部に開閉可能に取付けられた前パネル側に係止片が設けられ、該前パネル用鉤部が該係止片に係止されて該前パネルが施錠されることを特徴とする請求項1記載のパチンコ機の施錠装置。
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