以下に本発明に係る情報信号再生装置、情報信号記録装置、及び情報信号記録再生装置の一実施例を図1乃至図15を参照して<第1実施例>,<第2実施例>の順に詳細に説明する。
<第1実施例>
図1は本発明に係る第1実施例の情報信号記録及び/又は再生装置の全体構成を説明するためのブロック図である。
図1に示した如く、本発明に係る第1実施例の情報信号記録及び/又は再生装置10Aでは、記録及び/又は再生媒体としてDVD−ROM,DVD−RAM,DVD−RW,DVD+RWなどの光ディスクとか、ハードディスク,フロッピーディスクなどの磁気ディスクとかに適用できるものであるが、以下の実施例では媒体として光ディスクを適用した場合について説明する。
図1に示した如く、本発明に係る第1実施例の情報信号記録及び/又は再生装置(光ディスクプレーヤ)10では、スピンドルモータ11の軸に取り付けたターンテーブル12上に光ディスク(情報信号記録媒体)13が回転自在に設けられている。
また、光ディスク13と対向して光学式のヘッド(以下、光ピックアップと記す)14が光ディスク13の径方向に移動自在に設けられている。上記光ピックアップ14は、再生専用の光ディスク13に対しては再生可能である一方、記録再生用の光ディスク13に対しては記録再生可能になっており、図示を省略するものの内部に設けた半導体レーザーを光源とし、コリメータレンズ、対物レンズ等により光ディスク13上にレーザースポットを照射する。この際、半導体レーザーはレーザー駆動回路により駆動されるが、オーディオ信号とかビデオ信号などの情報信号を記録する場合には入力した情報信号は波形補正回路により波形補正された後にレーザー駆動回路へ入力される。
また、複数のキー23の選択操作により記録及び/又は再生開始の指令をシステムコントローラ22が判断して信号処理回路18、サーボ回路17に指令し、光ピックピック14から読み出した信号はプリアンプ16により、再生信号とサーボ信号とを生成し、光ピックアップ14はサーボ回路17で前記サーボ信号を処理することにより、光ディスク13上のトラックに対してフォーカシング,トラッキングの信号を生成し、ドライバー回路15により光ピックアップ14内のアクチュエータを駆動することにより光ピックアップ14の一巡のサーボ制御を行い、光ディスク13上のコントロールデータに基づいて、光ディスク13上の目的のトラックのセクターを再生するように光ピックアップ14をフィードモータにより光ディスク13の径方向に移動する。
また、光ピックアップ14から一つの訂正ブロックを最小の単位として読み出した再生信号は、プリアンプ16で再生信号をイコライザーで周波数特性を最適化し、PLLをかけ、また、PLLのビットクロックと、データの時間軸の比較から生成したジッタ生成回路を持っていて、このジッタ値をシステムコントローラ22がA/D変換して測定しこの値に従って記録時の波形補正回路を変更する。
また、信号処理回路18にて、ディジタル信号に変換され、例えば同期検出を行い、光ディスク13上のEFM+信号から、NRZIデータにデコードされ、訂正ブロック単位でエラー訂正処理を行い、セクターのアドレス信号と後述する第1,第2の情報信号を得る。これら第1,第2の情報信号は、可変転送レートで圧縮された信号であるので、これを、一時記憶手段となる64MビットのDRAMを用いたトラック・バッファメモリ19に一つの訂正ブロックを最小の単位として一時的に記憶し、第1,第2の情報信号の可変転送レートの時間軸の吸収を行う。トラック・バッファメモリ19から読み出された信号は、オーディオ・ビデオ/エンコーダ・デコーダ(以下、AV−ENDECと記す)20内のデコーダにより、MPEG2に基づいて圧縮した第1,第2の情報信号からオーディオ信号とビデオ信号とを伸長して分離し、これらオーディオ信号とビデオ信号とをそれぞれ図示しないD/Aコンバータにより、音声と映像信号として出力している。
このAV−ENDEC20では、光ディスク13上に書かれたコントロールデータにより、後述する記録モードに対応して、伸長する速度が決定されこれに従って伸長が行われると共に、バッファメモリ21が接続されている。
また、プリアンプ16のPLLで生成した光ディスク13の速度信号をサーボ回路17に送り、この速度信号により、光ディスク13をCLVでの回転制御を行っている。また、スピンドルモータ11のホール素子などの回転位置信号をサーボ回路17へ帰還し、この信号から生成した速度信号から、一定回転のFG制御も持っている構成としている。このLSI間の全体の制御を、システムコントローラ22が行っている。
また、記録したい画像の解像度や、カーレースなどのスピードの速いシーン等を取り分ける場合や、記録時間優先で設定するために、キー入力や外部よりの制御データをシステムコントローラ22内のマイコンが認識し、切り替え端子をもっていて、これにより記録時間を変更可能とし、設定を外部のユーザーが選択出来るようになっている。
また、後述するように、ユーザーは光ディスク13に記録してある映像信号等を再生することや、映像信号を記録する他、現在記録中の映像信号をそのまま記録している状態で、光ディスク13上の異なる領域の映像信号等を再生することができるように構成されている。また、現在再生中の映像信号をそのまま再生している状態で、光ディスク13上の異なる領域の映像信号等を記録することができるように構成されている。また、同様に、現在再生中の映像信号をそのまま再生している状態で、光ディスク13の異なる領域の映像信号等を再生することがができるように構成されている。また、同様に、現在記録中の映像信号をそのまま記録している状態で、光ディスク13上の異なる領域の映像信号等を記録することができるように構成されている。これにより、ユーザーはアフレコ記録や、裏番組記録等の機能を楽しむことができる。
ここで、本発明に係る第1実施例の情報信号記録及び/又は再生装置10Aにおいて、光ディスク13上の異なる領域に、2つの映画等の映像情報や2つの音楽等の音声情報などによる第1,第2の情報信号を、トラック・バッファメモリ19を介して一つの光ピックアップ14により時分割で記録及び/又は再生する場合について図2を用いて説明する。
尚、第1,第2の情報信号のうちでいずれか一方のみをトラック・バッファメモリ19を介して一つの光ピックアップ14により記録及び/又は再生することも当然可能であるがこの場合の説明は省略する。
図2は本発明に係る第1実施例の情報信号記録及び/又は再生装置において、光ディスク上の第1,第2の領域と、トラック・バッファメモリ上の第1,第2の領域との間で、第1,第2の情報信号を一つの光ピックアップにより時分割で記録及び/又は再生する状態を模式的に示した図である。尚、図2中では説明をわかりやすくするためにプリアンプ,信号処理回路の図示を省略している。
図2に示した如く、光ディスク13上の第1の領域13aは記録容量Yaを記録再生の最小単位(例えば図4のアドレスA1領域)とする第1の情報信号Aを記録する領域であり、第2の領域13bは記録容量Ybを記録再生の最小単位(例えば図4のアドレスB1領域)とする第2の情報信号Bを記録する領域であるものとする。この際、第1の情報信号Aと第2の情報信号Bとは、互いに関連のある情報である場合と、全く関連のない情報である場合のいずれでも良い。
また、トラック・バッファメモリ19上の第1の領域19aは第1の情報信号Aを一時的に記憶する領域であり、第2の領域19bは第2の情報信号Bを一時的に記憶する領域であるものとする。
また、一つの光ピックアップ14は、第1の情報信号Aと第2の情報信号Bとを光ディスク13とトラック・バッファメモリ19との間で時分割に転送するものであり、且つ、光ピックアップ14による第1,第2の情報信号A,Bへの転送レートRpは一定に設定されており、この一定の転送レートRpは例えば25Mbpsであるものとする。上記した一つの光ピックアップ14による第1,第2の情報信号A,Bへの転送レートRpは、後述する第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbよりも速い値に設定されている。
また、トラック・バッファメモリ19とAV−ENDEC20との間で第1,第2の情報信号A,Bを転送するものであり、この時に第1の情報信号Aの転送レートを転送レートRaとし、第2の情報信号Bの転送レートを転送レートRbとする。そして、本発明では、後述するように第1の情報信号Aと第2の情報信号Bとを連続して同時に記録及び/又は再生できることを特徴とするものである。
ここで、第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbは、画質優先での選択が可能であり、下記〔1〕〜〔3〕に示す例えば、8Mbps,4Mbps,2Mbpsのうちのいずれかの転送レートとする。
〔1〕.高画質用の転送レートで例えば8Mbpsの記録時間2時間のモード、〔2〕.やや高画質用の転送レートで例えば4Mbpsの記録時間4時間のモード、
〔3〕.普通画質用の転送レートで例えば2Mbpsの記録時間8時間のモード、の3種類のモードを用意し、光ディスク13への記録時にはユーザによるキー入力でモードを指定することで第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbが設定される一方、光ディスク13からの再生時には再生信号中の第1,第2の情報信号A,Bのコントロールデータから記録時の圧縮レートを読み出し、この値に従って、第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbが設定されるものとする。
また、図1に示したシステムコントローラ22は、64Mビットのトラック・バッファメモリ19内の第1,第2の領域19a,19bを第1,第2情報信号A,Bの転送レートRa,Rbの値(=Ra:Rb)に応じて分割設定すると共に、各領域19a,19bには記憶容量が空状態を示すEMPTY値と記憶容量が満杯状態を示すFULL値とを第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbの値に応じて設定するものとする。そして、システムコントローラ22、トラック・バッファメモリ19内の各領域19a,19bのEMPTY値とFULL値との間の記憶残量を常に監視している。
尚、異なる実施形態としては、前記のように第1,第2情報信号A,Bの転送レートRa,Rbの値によってトラック・バッファメモリ19内の第1,第2の領域19a,19bを分割するのではなく、記録モードまたは再生のモードによって分割する。例えば、2つの情報信号A,B共に同じ転送レートであるとして、一方の情報信号A(B)を再生し、他方の情報信号B(A)を記録する場合、再生信号は多少再生時に再生の連続性が損なわれても大きな問題にはならないが、記録信号は連続して記録できない場合には、致命的な欠陥になるので、例えば記録の方をトラック・バッファメモリ19内で領域を多く占有しておく。この処理は、システムコントローラ22が記録または再生の指示を入力した時点で、前記同様に、トラック・バッファメモリ19中にあるデータを確認し、再生または記録中の途中データが無いことを確認した時点で行う。
次に、トラック・バッファメモリ19内の第1,第2の領域19a,19bを転送レートRa,Rbの値に応じて分割設定した条件下で、第1,第2の情報信号A,Bを光ディスク13から再生する形態を適用した情報信号再生装置と、第1,第2の情報信号A,Bを光ディスク13に記録する形態を適用した情報信号記録装置と、第1,第2の情報信号A,Bのいずれか一方を光ディスク13から再生し且つ他方を光ディスク13に記録する形態を適用した情報信号記録再生装置とについて図3乃至図12を用いて順に説明する。
<情報信号再生装置>
図3は第1,第2の情報信号を光ディスクから再生する形態を適用した情報信号再生装置を模式的に示した図、図4は光ディスク上で第1,第2の領域のアドレスを示した図、図5は第1,第2の情報信号を光ディスクから再生する状態を示したフローチャート、図6は第1,第2の情報信号を光ディスクから再生する状態を示したタイミングチャートである。
図3に示した如く、光ディスク13は再生専用に形成されており、この光ディスク13上には記録容量Yaを有する第1の情報信号Aが第1の領域13aに予め記録され、且つ、記録容量Ybを有する第2の情報信号Bが第2の領域13bに予め記録されているものである。
また、図4に示した如く、光ディスク13上の第1の領域13aは、後述するシーク時間が守れる範囲内で複数の領域に分離され且つ各領域ごとにアドレスA1,A2,A3,…が付与されて第1の情報信号Aがそれぞれ分割して記録されている。同様に、光ディスク13上の第2の領域13bも後述するシーク時間が守れる範囲内で複数に分離され且つ各領域ごとにアドレスB1,B2,B3,…が付与されて第2の情報信号Bがそれぞれ分割して記録されている。この際、最初に再生する第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1と次に再生する第2の領域13b中で1番目のアドレス領域B1との間は、光ピックアップ14が例えば1.5秒以内に移動できる範囲に設定されており、言い換えると、全体的には第1の情報信号Aと次に再生する第2の情報信号Bとの間を移動する光ピックアップ14のシーク時間は最大で1.5秒以内である。
また、光ディスク13の再生時には、光ピックアップ14が所定の再生トラックに移動し、開始セクターを待ち、再生信号中の記録されている第1,第2の情報信号A,Bのコントロールデータから記録時の圧縮レートを読み出し、この値に従って、信号処理回路18(図1)に接続された64Mbのトラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aと第2の領域19bの記憶容量領域を分離し、且つ、各領域19a,19bのEMPTY値及びFULL値をそれぞれ設定している。
ここで、光ピックアップ14は光ディスク13上の第1の領域13aに記録されている第1の情報信号Aと、第2の領域13bに記録されている第2の情報信号Bとを時分割で交互に再生して、再生して得た第1の情報信号Aをトラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに、再生して得た第2の情報信号Bをトラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bにそれぞれ時分割で一定の転送レートRp(例えば25Mbps)で交互に一時的に記憶させる。この際、光ピックアップ14による第1,第2の情報信号A,Bへの転送レートは、トラック・バッファメモリ19に一時記憶した第1,第2の情報信号A,Bが出力する際の第1,第2の転送レートより速く設定されている。
一方、トラック・バッファメモリ19は、コントロールデータから読み出した記録時の圧縮レートに基づいて第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbを設定し、この転送レートRa,Rbにより第1,第2の情報信号A,BをAV−ENDEC20側に転送している。この後、AV−ENDEC20内のデコーダは、第1,第2の情報信号A,Bをそれぞれの圧縮レートに基づいて伸張して両情報信号A,Bを図示しないディスプレイとかスピーカにより同時に再生している。
ここで、図5及び図6を用いて情報信号再生装置の動作について説明する。尚、図6では、第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbは図示の都合上同一の転送レートで図示しているが、両者が異なる場合でも同じ傾向を示すものである。
まず、ステップS31では、再生のフローを開始する。
次に、ステップS32では、光ピックアップ14が光ディスク13上で再生したい場所となる第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1(目的位置)に至ったか否かを確認する。ここで、アドレス領域A1(目的位置)に至っていない場合はこのステップS32を更に続行し、アドレス領域A1(目的位置)に至った場合は次のステップS33に進む。
次に、ステップS33では、光ピックアップ14が第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1から再生を開始して第1の情報信号Aを転送レートRpでトラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに一時的に記憶させる。この際、システムコントローラ22(図1)は、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aのEMPTY値とFULL値とを常に監視しており、最初の1回目のサイクルだけ第1の情報信号AがEMPTY値に至るまで転送レートRpで記憶される。
次に、ステップS34では、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに記憶した第1の情報信号AがEMPTY値に至ったか否かを問い、EMPTY値に至っていない場合にはステップS33の動作を引き続き行い、EMPTY値に至った場合には次のステップS35に進む。
次に、ステップS35では、第1の情報信号AがEMPTY値を越えたら第1の情報信号Aが転送レートRaでAV−ENDEC20側に読み出されるので、図6に示したようにEMPTY値とFULL値との間では第1の情報信号Aがトラック・バッファメモリ19の第1の領域19aに書き込まれる転送レートRpと、第1の情報信号Aが第1の領域19aからAV−ENDEC20側に読み出される転送レートRaの差分(Rp−Ra)の傾斜で増加しながら第1の情報信号Aが第1の領域19aに一時的に記憶される。
次に、ステップS36では、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに記憶された第1の情報信号AがFULL値に至ったか否かを問い、FULL値に至っていない場合にはステップS35に戻り、FULL値に至った場合には次のステップS37に進む。
次に、ステップS37では、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに記憶された第1の情報信号AがFULL値に至ったので、光ピックアップ14は光ディスク13上の第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1での再生を中止する。ここで、第1の情報信号Aの再生が中止された段階から、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに記憶された第1の情報信号AがAV−ENDEC20側に転送レートRaで引き続き読み出されるが、この読み出し動作は図6から明らかなようにEMPTY値に至るまでの期間が第1の領域13a中で2番目のアドレス領域A2を再生開始する前までに終了すれば良い。
次に、ステップS38では、光ピックアップ14が次に再生する光ディスク13上の第2の領域13b中で1番目のアドレス領域B1に移動する。この際、光ピックアップ14が光ディスク13上の第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1から第2の領域13b中で1番目のアドレス領域B1に移動するシーク時間Tabは最大で1.5秒以内である。
次に、ステップS39では、光ピックアップ14が光ディスク13上の第2の領域13bのアドレス領域B1(目的位置)に至ったか否かを確認する。ここで、アドレス領域B1(目的位置)に至っていない場合はこのステップS39を更に続行し、アドレス領域B1(目的位置)に至った場合は次のステップS40に進む。
次に、ステップS40では、光ピックアップ14は光ディスク13上の第2の領域13b中で1番目のアドレス領域B1から再生を開始して第2の情報信号Bを転送レートRpでトラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに一時的に記憶させる。この際、最初の1回目のサイクルだけ第2の情報信号BがEMPTY値に至るまで転送レートRpで記憶される。
次に、ステップS41では、トラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに記憶した第2の情報信号BがEMPTY値に至ったか否かを問い、EMPTY値に至っていない場合にはステップS40の動作を引き続き行い、EMPTY値に至った場合には次のステップS42に進む。
次に、ステップS42では、第2の情報信号BがEMPTY値を越えたら第2の情報信号Bが転送レートRbでAV−ENDEC20側に読み出されるので、図6に示したようにEMPTY値とFULL値との間では第2の情報信号Bがトラック・バッファメモリ19の第2の領域19bに書き込まれる転送レートRpと、第2の情報信号Bが第2の領域19bからAV−ENDEC20側に読み出される転送レートRbの差分(Rp−Rb)の傾斜で増加しながら第2の情報信号Bが第2の領域19bに一時的に記憶される。
次に、ステップS43では、トラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに記憶された第2の情報信号BがFULL値に至ったか否かを問い、FULL値に至っていない場合にはステップS42に戻り、FULL値に至った場合には次のステップS44に進む。
次に、ステップS44では、トラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに記憶された第2の情報信号BがFULL値に至ったので、光ピックアップ14は光ディスク13上の第2の領域13bのアドレス領域B1での再生を中止する。ここで、第2の情報信号Bの再生が中止された段階から、トラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに記憶された第2の情報信号BがAV−ENDEC20側に転送レートRbで引き続き読み出されるが、この読み出し動作は図6から明らかなようにEMPTY値に至るまでの期間が第2の領域13b中で2番目のアドレス領域B2を再生開始する前までに終了すれば良い。
次に、ステップS45では、光ピックアップ14が次に再生する光ディスク13上の第1の領域13a中で2番目のアドレス領域A2に移動する。この際、光ピックアップ14が光ディスク13上の第2の領域13b中で1番目のアドレス領域B1から第1の領域13a中で2番目のアドレス領域A2に移動するシーク時間Tbaは最大で1.5秒以内である。
そして、光ピックアップ14が光ディスク13上の第1の領域13a中で2番目の領域A2に至ったらステップS32に戻り以下同様に繰り返せば、光ピックアップ14によって第1,第2の情報信号A,Bをアドレス領域A1,B1,A2,B2,A3,B3,……の順に時分割で交互に連続して再生できる。
尚、光ピックアップ14による再生を全部中止するフローは、ステップ37の後、又は、ステップ44の後で問い合わせれば良いが動作が複雑になるので、ここでは省略している。
また、上記した再生のフローにおいて、トラック・バッファメモリ19は最初の1回目のサイクルで空状態からEMPTY値に至るが、2回目以降のサイクルではEMPTY値とFULL値の間で記録容量Yaを有する第1の情報信号Aと記録容量Ybを有する第2の情報信号Bを記憶することになる。
さて、ここで、光ディスク13の再生時に、トラック・バッファメモリ19内の第1,第2の領域19a,19b内のEMPTY値,FULL値などをどのように設定したかを説明する。
光ピックアップ14による第1,第2の情報信号A,Bへの転送レート…Rp(Mbps)
第1の情報信号Aの転送レート…Ra(Mbps)
第2の情報信号Bの転送レート…Rb(Mbps)
トラック・バッファメモリ19の最小の記憶容量…Ym(Mbit)
光ディスク13上の第1の領域13aに記録した第1の情報信号Aの記録容量…Ya(Mbit)
光ディスク13上の第2の領域13bに記録した第2の情報信号Bの記録容量…Yb(Mbit)
光ピックアップ14が光ディスク13上の第1の領域13aから第2の領域13bに移動に要するシーク時間…Tba(s)
光ピックアップ14が光ディスク13上の第2の領域13bから第1の領域13aに移動に要するシーク時間…Tba(s)
とすると、この関係は本発明の要部となる後述の(9式)〜(11式)を満足する必要がある。
ここでのシーク時間Tba(Tba)とは、光ディスク13上の領域13a(13b)で情報信号A(B)の再生終了位置で再生を中止し、次の領域13b(13a)まで光ピックアップ14が移動する時間と、次の領域13b(13a)に移動した光ピックアップ14がこの領域13b(13a)中の目的のトラック上のアドレスを確認して再生のための準備作業を終了し、次の情報信号B(A)の再生を開始するまでの時間とを合計した時間を示している。
また、光ディスク13から光ピックアップ14により時分割で再生した第1,第2の情報信号A,Bをトラック・バッファメモリ19に記憶する転送レートRpに対して、トラック・バッファメモリ19の第1の領域19aから第1の情報信号AをAV−ENDEC20側に読み出す平均の転送レートRbと、トラック・バッファメモリ19の第2の領域19bから第2の情報信号BをAV−ENEC20側に読み出す平均の転送レートRbとの和はこれを越えてはならない。これを式で表すと、
Rp>Ra+Rb …(1式)
となる。
また、光ピックアップ14が第1の情報信号Aを再生する再生時間Ta(s)は、Ta=Ya/Rp …(2式)
光ピックアップ14が第2の情報信号Bを再生する再生時間Tb(s)は、
Tb=Yb/Rp …(3式)
である。
また、光ピックアップ14による第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRpと、この転送レートRpから第1の情報信号Aの転送レートRaと第2の情報信号Bの転送レートRbとを引き算した差分値との比率は、
Rp/(Rp−Ra−Rb) …(4式)
である。この際、Rpは第1,第2の情報信号A,Bを再生して次に第1の情報信号Aを再生するまでの1サイクル期間分に対応し、(Rp−Ra−Rb)はこの1サイクル期間中のシーク期間分に対応している。
一方、第1,第2の情報信号A,Bを再生して次に第1の情報信号Aを再生するまでにの1サイクル分の時間と、この1サイクル期間中の合計シーク時間との比率は、
(Ta+Tab+Tb+Tba)/(Tab+Tba) …(5式)
である。
ここで、上記した(4式)の比率と、上記した(5式)の比率は等しい関係にあるので、
Rp/(Rp−Ra−Rb)=(Ta+Tab+Tb+Tba)/(Tab+Tba) …(6式)
となり、この(6式)を変形すると、
(Ta+Tb)=(Ra+Rb)×(Tab+Tba)/(Rp−Ra−Rb)
…(7式)
となる。この(7式)に(2式),(3式)を代入すると、
(Ya+Yb)=Rp×(Ra+Rb)×(Tab+Tba)/(Rp−Ra−Rb) …(8式)
となる。
また、光ディスク13とトラック・バッファメモリ19間の転送レートRpは一定になっており、一方、トラック・バッファメモリ19から読み出される第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbは光ディスク13に記録した記録状態によって決定され、更に、再生を行う光ディスク13上のアドレス及び装置の仕様等によって、上記したシーク時間Tab、Tbaは決定されるから、この関係を安定に満足するためには、再生を連続的に行うための最小の容量である第1の情報信号Aの記録容量Ya及び第2の情報信号Bの容量Ybは以下の(9式),(10式),(11式)を満足しなければならない。
即ち、
(Ya+Yb)≧Rp×(Ra+Rb)×(Tab+Tba)/(Rp−Ra−Rb) …(9式)
Ya≧Rp×Ra×(Tab+Tba)/(Rp−Ra−Rb)…(10式)
Yb≧Rp×Rb×(Tab+Tba)/(Rp−Ra−Rb)…(11式)
つまり、光ディスク13からの再生時の転送レートRpと、トラック・バッファメモリ19から読み出される第1,第2の情報信号(再生信号)A,Bの転送レートRa,Rbと、光ディスク13上で第1,第2の情報信号A,Bの領域位置間を移動する光ピックアップ14のシーク時間Tab,Tbaとを決定すると、第1,第2の情報信号A,Bの最小の記録単位の記録容量Ya,Yb、又は、再生時間Ta,Tbが上記(9式)〜(11式)を満足しない場合は、両情報信号A,Bの再生時の連続性が無くなることになる。
要するに、第1の情報信号Aを再生する場合は、最小の記録単位の記録容量Ya以上のデータ量を一度にトラック・バッファメモリ19に読み込み再生処理を行い、第2の情報信号Bを再生する場合は、最小の記録単位の記録容量Yb以上のデータ量を一度にトラック・バッファメモリ19に読み込み再生処理を行う。
言い換えると、記録済みの再生専用の光ディスク13では、前記のような2つの情報信号A,BをAV−ENDEC20側で同時に連続的に再生するためには、その再生装置における光ディスク13に対する再生の転送レートRaとシーク時間Tab,Tbaとの関係を考慮し、最小記録単位の記録容量Ya,Ybを前記のように設定しておくことにより、連続的な再生が行えることになる。
また、これは、Ya又はYbに続いて再生されるべきデータの存在する位置が光ディスク13上でYa又はYbに続いていないで、離れた位置にあってもこれを連続的に再生できることを示している。
また、上記(9式)〜(11式)は、2つの情報信号A,Bの最小の記録領域の記録容量Ya,Ybを決定し、トラック・バッファメモリ19の最大のサイズを決定し、且つ、EMPTY値及びFULL値を決定する。
また、トラック・バッファメモリ19の基本的な最小の記憶容量Ymは、
Ym>(Tb+Tab+Tba)×Ra+(Ta+Tab+Tba)×Rb
…(12式)
又は、
Ym>Ta×(Rp−Ra)+Tb×(Rp−Rb) …(13式)
となる。
上記(12式)と(13式)は共に、上記(2式),(3式)、(10式),(11式)から、
Ym>{(Rp−Ra)×Ra+(Rp−Rb)×Rb}×(Tab+Tba)
/(Rp−Ra−Rb) …(14式)
となる。
従って、基本的には、第1の情報信号Aのためのトラック・バッファメモリ19の第1の領域19aは(Rp−Ra)×Ra×(Tab+Tba)/(Rp−Ra−Rb)以上確保してこの範囲でEMPTY値とFULL値を決定し、第2の情報信号Bのためのトラック・バッファメモリ19の第2の領域19bは(Rp−Rb)×Rb×(Tab+Tba)/(Rp−Ra−Rb)以上確保してこの範囲でEMPTY値とFULL値を決定する。
しかし、これは第一にトラック・バッファメモリ19の管理上全く余裕の無い数値であり、第二に図6の理想的な2つの情報信号A,Bが交互にタイミング切り換えする関係からの計算であり、実際には、2つの情報信号A,B間の転送レートや入出力のタイミングにより、2つの情報信号A,Bを同時に再生することが必要になるタイミングが発生するので、この時間区間では片側の信号をトラック・バッファメモリ19にてデータを一時記憶にて吸収する必要がある。
従って、その場合のトラック・バッファメモリ19の最小の記憶容量Ymは、
Ym>(Ta+Tb+Tab+Tba)×(Ra+Rb) …(15式)
より一般的には、シーク時間Tab,Tbaを同一の固定時間とTとすると、
Ym>(Ta+Tb+2×T)×(Ra+Rb) …(16式)
となる。このYmの値は、リトライ処理やショックプルーフメモリとしての機能やそれ以外のシステム的な余裕を計算していないので、少なくともこの値以上の値を確保する必要がある。
従って、第1の情報信号Aのためのトラック・バッファメモリ19の第1の領域19aは(Ta+Tb+2×T)×Ra以上確保しこの範囲でEMPTY値とFULL値を決定し、第2の情報信号Bのためのトラック・バッファメモリ19の第2の領域19bは(Ta+Tb+2×T)×Rb以上確保しこの範囲でEMPTY値とFULL値を決定する。
また、上記(15式)と(16式)は、上記(2式),(3式),(9式)から、
Ym>Rp×(Ra+Rb)×(Tab+Tba)/(Rp−Ra−Rb)
…(17式)
より一般的には、シーク時間Tab,Tbaを同一の固定時間のTとすると、
Ym>2×Rp×(Ra+Rb)×T/(Rp−Ra−Rb) …(18式)
となる。
同様に、このYmの値は、リトライ処理やショックプルーフ・メモリとしての機能やそれ以外のシステム的な余裕を計算していないので、少なくともこの値以上の値を確保する必要がある。
従って、第1の情報信号Aのためのトラック・バッファメモリ19の第1の領域19aはRp×Ra×(Tab+Tba)/(Rp−Ra−Rb)以上確保しこの範囲でEMPTY値とFULL値を決定し、第2の情報信号Bのためのトラック・バッファメモリ19の第2の領域19bはRp×Rb×(Tab+Tba)/(Rp−Ra−Rb)以上確保しこの範囲でEMPTY値とFULL値を決定する。
ここで、トラック・バッファメモリ19は本実施例では図1の信号処理回路18に接続されている64Mbのトラック・バッファメモリ19であるが、当然この図1のAV−ENDEC20に接続されている64Mbのバッファメモリ21の一部を同様にトラック・バッファメモリとして使用してもかまわない。
つまり、トラック・バッファメモリ19は光ディスク13等の情報信号記録媒体に対する光ピックアップ14による再生信号の転送レートと、映像等の圧縮伸張された信号の転送レートの差を吸収するものである。しかし、本実施例では特に図1の信号処理回路18に接続されている64Mbのトラック・バッファメモリ19を例として用いて、第1の情報信号Aと第2の情報信号Bとが必要とする記録容量を、1つのトラック・バッファメモリ19を分割して、かつ計算結果として余った領域をその比率で配分して使用することにより、それぞれのトラックバッファとしての余裕度を高めることが出来る。
例えば、第1の情報信号Aの転送レートRaを8Mbpsとして、この第1の情報信号Aに対してトラック・バッファメモリ19の第1の領域19aの必要な記憶容量を32Mbとし、一方、第2の情報信号Bの転送レートRbを4Mbpsとして、この第2の情報信号Aに対してトラック・バッファメモリ19の第2の領域19bの必要な記憶容量を16Mbとすると、64Mbの余った領域である残りの16Mbを余らせておくのではなく、約10Mb対5Mbで2対1に分割して、トラック・バッファメモリ19の第1の領域19aの記憶容量を32Mb+10Mb=42Mbとし、トラック・バッファメモリ19の第2の領域19bの記憶容量を16Mb+5Mb=21Mbとすることにより、トラック・バッファメモリ19を有効に使用することが出来る。これによって、2つの連続的な情報信号A,Bを同時に処理出来る。
また、トラック・バッファメモリ19として、いずれか1つの情報信号A又は情報信号Bの通常再生時には、トラック・バッファメモリ19の全体の64Mbを1つのトラックバッファとして用いる。この処理を再生を管理するシステムコントローラ22にて、再生の指示によりトラック・バッファメモリ19への第1,第2の領域19a,19bの確保を行う。これにより、通常の再生の動作でのリトライ等のプレーヤビリティを向上する事が出来る。なお、これら第1,第2の領域19a,19bの分割のタイミングは、再生の入力の指示があった時点で、トラック・バッファメモリ19の中にあるデータを確認し、再生中の途中データが無いことを確認した時点で行う。このタイミングとしては、再生処理が行われている途中で例えば再生する情報信号A,Bの転送レートRa,Rbが変更になった時点で、同様にトラック・バッファメモリ19の中にあるデータを確認し、再生録中の途中データが無いことを確認した時点で行う。これにより、情報信号A,Bの転送レートRa,Rbが変更された時点でリアルタイムにトラック・バッファメモリ19の余裕度を最適にすることが出来る。
ここで再生専用の光ディスク13の場合には、前記した光ピックアップ14によるシーク時間Tab,Tbcの最大許容時間Tmax=(Tab・max),(Tbc・max)は、製造メーカ間でのバラッキを押さえるために規格化されており、この最大許容時間(Tab・max),(Tbc・max)は共に同じ値で例えば記録型のDVD用の光ディスク13では1.5秒に設定されている。従って、上記した条件を先に説明した(9式)に当てはめると、
(Ya+Yb)≧Rp×(Ra+Rb)×2×Tmax/(Rp−Ra−Rb)
…(19式)
この(19式)にTmax=1.5秒を代入すると、
(Ya+Yb)≧3×Rp×(Ra+Rb)/(Rp−Ra−Rb)
…(20式)
となるものであり、(19式)又は(20式)の条件を満足するように光ディスク13上の第1,第2の領域13a,13bに、記録容量Ya,Ybをそれぞれ有する第1,第2の情報信号A,Bを予め記録すれば良いものである。
<情報信号記録装置>
図7は第1,第2の情報信号を光ディスクに記録する形態を適用した情報信号記録装置を模式的に示した図、図8は第1,第2の情報信号を光ディスクに記録する状態を示したフローチャート、図9は第1,第2の情報信号を光ディスクに記録する状態を示したタイミングチャートである。
情報信号記録装置は、先に説明した情報信号再生装置と技術的思想は同じであり、入出力関係が情報信号再生装置に対して逆になるものである。
図7に示した如く、情報信号記録装置は、第1,第2の転送レートRa,Rbでトラック・バッファメモリ19の第1,第2の領域19a,19bにそれぞれ入力した第1,第2の情報信号A,Bを、光ピックアップ14により第1,第2の転送レートRa,Rbより速い一定の転送レートで光ディスク13上の第1,第2の領域13a,13bに時分割で記録動作を行うものである。
即ち、光ディスク13は記録再生可能に形成されており、この光ディスク13上には記録容量Yaを有する第1の情報信号Aを記録するための第1の領域13aと、記録容量Ybを有する第2の情報信号Bを記録するための第2の領域13bとが予め用意されている。
また、先に情報信号再生装置で説明したと同様に、図4に示した如く、光ディスク13上の第1の領域13aは、後述するシーク時間が守れる範囲内で複数の領域に分離され且つ各領域ごとにアドレスA1,A2,A3,…が付与されて第1の情報信号Aをそれぞれ分割して記録できるようになっている。同様に、光ディスク13上の第2の領域13bも後述するシーク時間が守れる範囲内で複数に分離され且つ各領域ごとにアドレスB1,B2,B3,…が付与されて第2の情報信号Bをそれぞれ分割して記録できるようになっている。また、ここでも各アドレス領域A1,A2,A3,…の容量が記録容量Yaとそれぞれ一致し、各アドレス領域B1,B2,B3,…の容量が記録容量Ybとそれぞれ一致するものである。
この際、最初に記録する第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1と次に記録する第2の領域13b中で1番目のアドレス領域B1との間は、光ピックアップ14が1.5秒以内に移動できる範囲設定されており、言い換えると、全体的には第1の情報信号Aと次に記録する第2の情報信号Bとの間を移動する光ピックアップ14のシーク時間は最大で1.5秒以内である。
また、光ディスク13の記録時に、AV−ENDEC20内のMPEGエンコーダは、第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbをユーザーが指定する記録モード(高画質用の転送レート8Mbps,やや高画質用の転送レート4Mbps,普通画質用の転送レート2Mbps)により設定可能になっており、記録すべき第1,第2の情報信号A,BをAV−ENDEC20から信号処理回路20(図1)に接続した64Mbのトラック・バッファメモリ19の第1,第2の領域19a,19bに一時的に記憶させ、この時は光ピックアップ14は待機状態として所定の記録すべき光ディスク13上のトラックでキック待ちの状態としている。そして、トラック・バッファメモリ19の各領域19a,19b内の残量の制御を行いながら、トラック・バッファメモリ19の各領域19a,19bの容量がFULL値になったら、光ディスク13への記録時にエラー訂正コード、アドレスやシンク信号を加えて訂正単位のトラック・バッファメモリ19の第1の領域19aに記憶した第1の情報信号Aと、トラック・バッファメモリ19の第2の領域19bに記憶した第2の情報信号Bとを時分割で交互に読み出して、光ピックアップ14により一定の転送レートRpで読み出した第1の情報信号Aを光ディスク13上の第1の領域13aに、第2の情報信号Bを光ディスク13上の第2の領域13bに時分割でそれぞれ交互に記録している。これを繰り返して、連続的な記録を行っている。
ここで、図8及び図9を用いて情報信号記録装置の動作について説明する。
尚、図9では、第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbは図示の都合上同一の転送レートで図示しているが、両者が異なる場合でも同じ傾向を示すものである。
まず、ステップS51では、記録のフローを開始する。
次に、ステップS52では、光ピックアップ14が光ディスク13上で記録したい場所となる第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1(目的位置)に至ったか否かを確認する。ここで、アドレス領域A1(目的位置)に至っていない場合はこのステップS52を更に続行し、アドレス領域A1(目的位置)に至った場合は次のステップS53に進む。
次に、ステップS53では、AV−ENDEC20側から転送レートRaで送られた第1の情報信号Aをトラック・バッファメモリ19の第1の領域19aに一時的に記憶させる。この際、システムコントローラ22(図1)は、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aのEMPTY値とFULL値とを常に監視しており、第1の情報信号AがFULL値に至るまで転送レートRaで記憶される。
次に、ステップS54では、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに記憶した第1の情報信号AがFULL値に至ったか否かを問い、FULL値に至っていない場合にはステップS53の動作を引き続き行い、FULL値に至った場合には次のステップS55に進む。
次に、ステップS55では、第1の情報信号AがFULL値になったら第1の情報信号Aが一定の転送レートRpで光ピックアップ14側に読み出されるので、図9に示したようにFULL値とEMPTY値との間では第1の情報信号Aが差分(Rp−Ra)の傾斜で減少しながら第1の情報信号Aが光ピックアップ14によって一定の転送レートRpで光ディスク13上の第1の領域13aに記録される。
次に、ステップS56では、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに記憶された第1の情報信号AがEMPTY値に至ったか否かを問い、EMPTY値に至っていない場合にはステップS55に戻り、EMPTY値に至った場合には次のステップS57に進む。
次に、ステップS57では、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに記憶された第1の情報信号AがEMPTY値に至ったので、光ピックアップ14は光ディスク13上の第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1での記録を中止する。ここで、第1の情報信号Aの記録が中止された段階から、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに第1の情報信号AがAV−ENDEC20側から転送レートRaで引き続き送られるが、この書き込み動作は図9から明らかなようにFULL値に至るまでの期間が第1の領域13a中で2番目のアドレス領域A2を記録開始する前までに終了すれば良い。
次に、ステップS58では、光ピックアップ14が次に記録する光ディスク13上の第2の領域13b中で1番目のアドレス領域B1に移動する。この際、光ピックアップ14が光ディスク13上の第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1から第2の領域13b中で1番目のアドレス領域B1に移動するシーク時間Tabは最大で1.5秒以内である。
次に、ステップS59では、光ピックアップ14が光ディスク13上の第2の領域13bのアドレス領域B1(目的位置)に至ったか否かを確認する。ここで、アドレス領域B1(目的位置)に至っていない場合はこのステップS59を更に続行し、アドレス領域B1(目的位置)に至った場合は次のステップS60に進む。
次に、ステップS60では、AV−ENDEC20側から転送レートRbで送られた第2の情報信号Bがトラック・バッファメモリ19の第2の領域19bにFULL値に至るまで転送レートRbで一時的に記憶される。
次に、ステップS61では、トラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに記憶した第2の情報信号BがFULL値に至ったか否かを問い、FULL値に至っていない場合にはステップS60の動作を引き続き行い、FULL値に至った場合には次のステップS62に進む。
次に、ステップS62では、第2の情報信号BがFULL値になったら第2の情報信号Bが一定の転送レートRpで光ピックアップ14側に読み出されるので、図9に示したようにFULL値とEMPTY値との間では第2の情報信号Bが差分(Rp−Rb)の傾斜で減少しながら第2の情報信号Bが光ピックアップ14によって一定の転送レートRpで光ディスク13上の第2の領域13bに記録される。
次に、ステップS63では、トラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに記憶された第2の情報信号BがEMPTY値に至ったか否かを問い、EMPTY値に至っていない場合にはステップS62に戻り、EMPTY値に至った場合には次のステップS64に進む。
次に、ステップS64では、トラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに記憶された第2の情報信号BがEMPTY値に至ったので、光ピックアップ14は光ディスク13上の第2の領域13bのアドレス領域B1での記録を中止する。ここで、第2の情報信号Bの記録が中止された段階から、トラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに第2の情報信号BがAV−ENDEC20側から引き続き送られるが、この書き込み動作は図9から明らかなようにFULL値に至るまでの期間が第2の領域13b中で2番目のアドレス領域B2を記録開始する前までに終了すれば良い。
次に、ステップS65では、光ピックアップ14が次に記録する光ディスク13上の第1の領域13a中で2番目のアドレス領域A2に移動する。この際、光ピックアップ14が光ディスク13上の第2の領域13b中で1番目のアドレス領域B1から第1の領域13a中で2番目のアドレス領域A2に移動するシーク時間Tbaは最大で1.5秒以内である。
そして、光ピックアップ14が光ディスク13上の第1の領域13a中で2番目の領域A2に至ったらステップS52に戻り以下同様に繰り返せば、光ピックアップ14によって第1,第2の情報信号A,Bをアドレス領域A1,B1,A2,B2,A3,B3,……の順に時分割で交互に連続して記録できる。
尚、光ピックアップ14による記録を全部中止するフローは、ステップ57の後、又は、ステップ64の後で問い合わせれば良いが動作が複雑になるので、ここでは省略している。
また、上記した記録のフローにおいて、トラック・バッファメモリ19は最初の1回目のサイクルで空状態からFULL値に至るが、2回目以降のサイクルではEMPTY値とFULL値の間で記録容量Yaを有する第1の情報信号Aと記録容量Ybを有する第2の情報信号Bを記憶することになる。
そして、上記した情報信号記録装置では、入出力の関係が逆になるももの、先に説明した(1式)乃至(18式)を満たすものであり、ここでの詳述を省略する。
<情報信号記録再生装置>
図10は第1,第2の情報信号を光ディスクに記録する形態を適用した情報信号記録装置を模式的に示した図、図11は第1,第2の情報信号を光ディスクに記録する状態を示したフローチャート、図12は第1,第2の情報信号を光ディスクに記録する状態を示したタイミングチャートである。
図10に示した如く、情報信号記録再生装置は、先に説明した情報信号記録装置と情報信号再生装置とを組み合わせたものであり、第1,第2の転送レートRa,Rbを有する第1,第2の情報信号A,Bのうちでいずれか一方の情報信号A(B)を光ディスク13上の一方の領域13a(13b)から光ピックアップ14により時分割で再生して第1,第2の転送レートRa,Rbより速い一定の転送レートRpでトラック・バッファメモリ19の一方の領域19a,(19b)に記憶させ、他方の情報信号B(A)をトラック・バッファメモリ19の他方の領域19b,(19a)から光ピックアップ14により一定の転送レートRpで読み出して光ディスク13上の他方の領域13b(13a)に時分割で記録している。
ここで、図11及び図12を用いて情報信号記録再生装置の動作について説明する。尚、図12では、第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbは図示の都合上同一の転送レートで図示しているが、両者が異なる場合でも同じ傾向を示すものである。
まず、ステップS71では、記録再生のフローを開始する。
次に、ステップS72では、光ピックアップ14が光ディスク13上で再生したい場所となる第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1(目的位置)に至ったか否かを確認する。ここで、アドレス領域A1(目的位置)に至っていない場合はこのステップS72を更に続行し、アドレス領域A1(目的位置)に至った場合は次のステップS73に進む。
次に、ステップS73では、光ピックアップ14が第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1から再生を開始して第1の情報信号Aを転送レートRpでトラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに一時的に記憶させる。この際、システムコントローラ22(図1)は、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aのEMPTY値とFULL値とを常に監視しており、最初の1回目のサイクルだけ第1の情報信号AがEMPTY値に至るまで転送レートRpで記憶される。
次に、ステップS74では、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに記憶した第1の情報信号AがEMPTY値に至ったか否かを問い、EMPTY値に至っていない場合にはステップS73に戻り、一方、EMPTY値に至った場合には次のステップS75に進む。
次に、ステップS75では、第1の情報信号AがEMPTY値を越えたら第1の情報信号Aが転送レートRaでAV−ENDEC20(図1)側に読み出されるので、図12に示したようにEMPTY値とFULL値との間では第1の情報信号Aがトラック・バッファメモリ19の第1の領域19aに書き込まれる転送レートRpと、第1の情報信号Aが第1の領域19aからAV−ENDEC20側に読み出される転送レートRaの差分(Rp−Ra)の傾斜で増加しながら第1の情報信号Aが第1の領域19aに一時的に記憶される。
次に、ステップS76では、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに記憶された第1の情報信号AがFULL値に至ったか否かを問い、FULL値に至っていない場合にはステップS75に戻り、一方、FULL値に至った場合には次のステップS77に進む。
次に、ステップS77では、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに記憶された第1の情報信号AがFULL値に至ったので、光ピックアップ14は光ディスク13上の第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1での再生を中止する。ここで、第1の情報信号Aの再生が中止された段階から、トラック・バッファメモリ19内の第1の領域19aに記憶された第1の情報信号AがAV−ENDEC20側に転送レートRaで引き続き読み出されるが、この読み出し動作は図12から明らかなようにEMPTY値に至るまでの期間が第1の領域13a中で2番目のアドレス領域A2を再生開始する前までに終了すれば良い。
次に、ステップS78では、光ピックアップ14が次に第2の情報信号Bを記録するために光ディスク13上の第2の領域13b中で1番目のアドレス領域B1に移動する。この際、光ピックアップ14が光ディスク13上の第1の領域13a中で1番目のアドレス領域A1から第2の領域13b中で1番目のアドレス領域B1に移動するシーク時間Tabは最大で1.5秒以内である。
次に、ステップS79では、光ピックアップ14が光ディスク13上の第2の領域13bのアドレス領域B1(目的位置)に至ったか否かを確認する。ここで、アドレス領域B1(目的位置)に至っていない場合はこのステップS79を更に続行し、アドレス領域B1(目的位置)に至った場合は次のステップS80に進む。
次に、ステップS80では、AV−ENDEC20側から転送レートRbで送られた第2の情報信号Bがトラック・バッファメモリ19の第2の領域19bにFULL値に至るまで転送レートRbで一時的に記憶される。
次に、ステップS81では、トラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに記憶した第2の情報信号BがFULL値に至ったか否かを問い、FULL値に至っていない場合にはステップS80に戻り、一方、FULL値に至った場合には次のステップS82に進む。
次に、ステップS82では、第2の情報信号BがFULL値になったら第2の情報信号Bが一定の転送レートRpで光ピックアップ14側に読み出されるので、図12に示したようにFULL値とEMPTY値との間では第2の情報信号Bが差分(Rp−Rb)の傾斜で減少しながら第2の情報信号Bが光ピックアップ14によって一定の転送レートRpで光ディスク13上の第2の領域13bに記録される。
次に、ステップS83では、トラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに記憶された第2の情報信号BがEMPTY値に至ったか否かを問い、EMPTY値に至っていない場合にはステップS82に戻り、一方、EMPTY値に至った場合には次のステップS84に進む。
次に、ステップS84では、トラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに記憶された第2の情報信号BがEMPTY値に至ったので、光ピックアップ14は光ディスク13上の第2の領域13bのアドレス領域B1での記録を中止する。ここで、第2の情報信号Bの記録が中止された段階から、トラック・バッファメモリ19内の第2の領域19bに第2の情報信号BがAV−ENDEC20側から引き続き送られるが、この書き込み動作は図12から明らかなようにFULL値に至るまでの期間が第2の領域13b中で2番目のアドレス領域B2を記録開始する前までに終了すれば良い。
次に、ステップS85では、光ピックアップ14が次に第1の情報信号Aを再生するために光ディスク13上の第1の領域13a中で2番目のアドレス領域A2に移動する。この際、光ピックアップ14が光ディスク13上の第2の領域13b中で1番目のアドレス領域B1から第1の領域13a中で2番目のアドレス領域A2に移動するシーク時間Tbaは最大で1.5秒以内である。
そして、光ピックアップ14が光ディスク13上の第1の領域13a中で2番目の領域A2に至ったらステップS72に戻り以下同様に繰り返せば、光ピックアップ14によって第1,第2の情報信号A,Bをアドレス領域A1,B1,A2,B2,A3,B3,……の順に時分割で交互に連続して記録再生できる。この際、光ディスク13上の第2の領域13b内の空き領域に記録した第2の情報信号Bのアドレス情報を記録終了後に管理領域13cに記録している。
尚、光ピックアップ14による記録再生を全部中止するフローは、ステップ79の後、又は、ステップ86の後で問い合わせれば良いが動作が複雑になるので、ここでは省略している。
また、上記した2つの情報信号の時分割記録再生のフローにおいて、トラック・バッファメモリ19の第2の領域19bは最初の1回目のサイクルで空状態からFULL値に至るが、2回目以降のサイクルではEMPTY値とFULL値の間で記録容量Ybを有する第2の情報信号Bを記憶することになる。
そして、上記した情報信号記録再生装置でも、先に説明した(1式)乃至(18式)を満たすものであり、ここでの詳述を省略する。
ここで、上記した情報信号記録再生装置において、例えば、最初に光ディスク13から第1の情報信号Aを再生している状態で、新たな第2の情報信号Bを記録する場合に、記録すべき第2の情報信号Bを入力し、第2の情報信号Bの転送レートRbを入力し設定することになる。この際、システムコントローラ22は入力された第2の情報信号Bの転送レートRbの設定値と、現在再生している第1の情報信号Aの転送レートRa及び光ディスク13の管理領域の記録のための空き領域と、予め装置としてROMに記録されているシーク時間を、先に説明した(9式),(10式),(11式)に入れて、記録のための最小記録領域の容量を決定する。
例えば、光ディスク13に広い未記録領域しか無い場合は、前記の最小記録領域の容量は問題にならないが、編集を繰り返す等で、小さな未記録領域が点在するような場合は、前記の最小記録領域の容量よりも大きな空き領域の場合のみ記録でき、それより小さな空き領域では記録が出来ないことになる。
このように、有効に領域が確保出来ない等の場合は、記録する第2の情報信号Bの転送レートRbとして指定された転送レートを下げ、これをユーザーに知らせ、この下げた値にて前記したように記録を行うことも可能である。
次に、第1実施例の情報信号記録及び/又は再生装置10Aを一部変形した情報信号記録及び/又は再生装置10Bについて図13を用いて簡略に説明する。
図13は本発明に係る第1実施例を一部変形した変形例の情報信号記録及び/又は再生装置10Bの全体構成を説明するためのブロック図である。
図13に示した第1実施例の変形例の情報信号記録及び/又は再生装置10Bでは、光ディスクドライブD側として点鎖線で囲んだ枠内に光ディスク回転手段11,12,光ピックアップ14,ドライバー回路15,プリアンプ16,サーボ回路17がユニット化して設けられ、固体メモリM側として一点鎖線で囲んだ枠内に信号処理回路18,トラック・バッファメモリ19,AV−ENDEC20,バッファメモリ21,システムコントローラ22,複数のキー23がユニット化して設けられており、固体メモリM側が光ディスクドライブD側に対して図示しないコネクタ接続により着脱自在になっている点が第1実施例と異なる点である。言い換えると、固体メモリM内のトラック・バッファメモリ19又はバッファメモリ21が光ディスクドライブD内の光ピックアップ14側に対して着脱自在になっている。従って、固体メモリMを光ディスクドライブDに装着した時には第1実施例と同様に光ディスク13から光ピックアップ14により読み出した第1,第2の情報信号A,Bのいずれか一方、又は両方を一時記憶し、固体メモリMを光ディスクドライブDから取り外した時にはトラック・バッファメモリ19又はバッファメモリ21に一時記憶した第1,第2の情報信号A,Bのいずれか一方、又は両方を再生処理手段となるAV−ENDEC20により再生できる。この際、トラック・バッファメモリ19又はバッファメモリ21の容量は64Mビットあるので、オーディオ信号では1時間程度再生でき、ビデオ信号では10分程度再生できる。上記によりトラック・バッファメモリ19又はバッファメモリ21を光ディスクドライブDに装着した時には装置側としての機能を果たし、トラック・バッファメモリ19又はバッファメモリ21を光ディスクドライブDから取り外した時には携帯用の固体メモリ再生装置としての機能を果たすことができる。
<第2実施例>
図14は本発明に係る第2実施例の情報信号通信装置の全体構成を説明するためのブロック図である。
尚、説明の便宜上、先に示した構成部材と同一構成部材に対しては同一の符号を付して適宜説明し、且つ、新たな構成部材に新たな符号を付す共に、この第2実施例では第1実施例と異なる点を中心に説明する。
先に説明した第1実施例の情報信号記録及び/又は再生装置10Aが映像信号や音声信号を圧縮して伸張を行う行う光ディスクプレーヤであるのに対して、図14に示した本発明に係る第2実施例の情報信号通信装置25Aでは圧縮伸張のブロックを持たない光ディスクドライブの構成である点と、この光ディスクドライブに設けたトラック・バッファメモリ19の出力側に外部との通信接続を行う
ATAPIインターフェース26設けている点と、外部にはホストコンピュータとして、ホスト27と、AV−ENDEC(オーディオ・ビデオ/エンコーダ・デコーダ)20の圧縮伸張のブロックとが接続されている点とが異なるが、それ以外の部分は第1実施例と同様である。尚、上記した光ディスクドライブは、第1実施例の情報信号記録及び/又は再生装置10AにおいてAV−ENDEC20,バッファメモリ21,キー23を除いたものである。
より具体的には、ATAPIインターフェース26内にI/Fブロックがあり、また、AV−ENDEC20のI/F部分にI/Fブロックがあり、ATAPIインターフェース26で接続し、コンピュータ周辺ディスク記憶装置のコマンドを規定している業界団体のマウントフジMt.Fujiのコマンド体系を基本に光ディスクドライブの制御を行っている。
つまり、先に説明した第1実施例においては、光ディスクプレーヤ10の記録時に入力した第1,第2の情報信号A,Bを分析してそれぞれの転送レートRa,Rbを決定し、また、光ディスクプレーヤ10の再生時に光ディスク13の記録状態から第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbを計算により決定していたが、本発明の第2実施例においては、光ディスクドライブにキー入力部や光ディスク13からのコントロールデータのデコード部を持たないために、記録時には記録する第1,第2の情報信号A,Bの転送レートRa,Rbがホスト側からATAPIインターフェース26内のI/Fブロックを介して入力される。
この際、記録処理の場合、例えば転送レート2Mbpsのビデオ信号が入力されると、ホスト27はAV−ENDEC20のI/F部にその内容を転送し、下記のように記録コマンドと記録開始アドレス等の情報に加えて、前記の信号の転送レートフラグを光ディスクドライブに転送する。これを、光ディスクドライブの信号処理部分でデコードして、その種類に応じて前記のように記録処理を行う。
次に、再生処理の場合、前記のようにマウントフジのコマンド体系に基づいて、再生のコマンドに従って、光ディスク13の所定のアドレスに記録されている例えばビデオ信号を再生する。このデータをホスト27が解釈し、前記のように転送レートを計算する。そして、例えば転送レート2Mbpsのビデオ信号であることを、ホスト27はAV−ENDEC20内のI/F部にその内容を転送し、下記のように再生コマンドに加えて、前記の信号の転送レートフラグを転送する。これを、信号処理部分でデコードして、その転送レートに応じて前記のように再生処理を行う。
なお、通信を行う実施例として外部との通信接続を行うTAPIインターフェース26を用いて説明したが、IEEE1394等の規格でも良く、また、このようなケーブルも用いた通信以外の電波や光を利用した通信でもよい。また、記録再生されるべき信号は、映像データを主に説明したが、音声や音楽データでも、静止画、サブピクチャーでも良くまたこれらを復号した復号信号でも良いことは言うまでもない。つまり、ここで言う転送レートとは、平均的にデータをある程度の範囲の転送レートで転送しないと情報として成立しない範囲のデータの転送レートを示している。また、本実施例では、光ディスク13を中心に説明しているが、例えば磁気ディスク装置のように複数のディスクと複数のヘッドを持ちこれを交互に切り換えながら、記録再生を行う装置にも適用でき、また、ディスクは螺旋状の連続的なトラックを想定しているが、同様に磁気ディスク装置のように複数の同心円状のトラックからなる場合も適用出来る。この場合は、連続的な記録再生においてトラックのキック動作が入るが、この動作もシーク時間として考えれば同様に適応可能である。また、記録再生の手順や、表示の内容ついては一実施例に過ぎずこの範囲に限定されるものではない。
また、ここで信号の転送レートとは、ビデオやオーディオ等の連続的な信号を中心に説明しているが、所定の時間の中で処理されなければ意味をなさないコンピュータデータ等は、連続的なデータに属するし、一般的には時間軸上で画質等により刻々と変化する可変転送レートや固定転送レートを含んでいる。
次に、第2実施例の情報信号通信装置25Aを一部変形した情報信号通信装置25Bについて図15を用いて簡略に説明する。
図15は本発明に係る第2実施例を一部変形した変形例の情報信号通信装置25Bの全体構成を説明するためのブロック図である。
図15に示した第2実施例の変形例の情報信号通信装置25Bでは、光ディスクドライブD側として点鎖線で囲んだ枠内に光ディスク回転手段11,12,光ピックアップ14,ドライバー回路15,プリアンプ16,サーボ回路17がユニット化して設けられ、固体メモリM側として一点鎖線で囲んだ枠内に信号処理回路18,トラック・バッファメモリ19,システムコントローラ22がユニット化して設けられており、固体メモリM側が光ディスクドライブD側及びATAPIインターフェース26側に対して図示しないコネクタ接続により着脱自在になっている点が第2実施例と異なる点である。言い換えると、固体メモリM内のトラック・バッファメモリ19が光ディスクドライブD内の光ピックアップ14側及びATAPIインターフェース26側に対して着脱自在になっている。従って、固体メモリMを光ディスクドライブD及びATAPIインターフェース26に装着した時には第2実施例と同様に光ディスク13から光ピックアップ14により読み出した第1,第2の情報信号A,Bのいずれか一方、又は両方を一時記憶し、固体メモリMを光ディスクドライブD及びATAPIインターフェース26側から取り外した時にはトラック・バッファメモリ19に一時記憶した第1,第2の情報信号A,Bのいずれか一方、又は両方を再生できる。この際、トラック・バッファメモリ19の容量は64Mビットあるので、オーディオ信号では1時間程度再生でき、ビデオ信号では10分程度再生できる。