JP4195672B2 - 高周波加熱装置を備えた副室式内燃機関 - Google Patents
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Description
かかる技術においては、副室の外壁にヒータ線を巻装し該ヒータ線に電流を流して副室内を加熱するとともに、副室内に燃料を噴射する燃料噴射ノズルの内径を0.3mm程度とし、さらに該副室の外壁に温度測定手段を設けて該温度測定手段による副室外壁の検出温度に応じてヒータ線への電流のオン、オフを切り換えることにより、ヒータ線での副室の加熱と冷却ジャケットでの冷却によって副室の壁面温度を300〜400℃に保持し、かつ1000気圧程度の高圧噴射を成さしめている。
等の問題点を有している。
前記副室口金に巻回されて高周波発信器から高周波電流が通電される高周波コイルを有し該高周波コイルにより前記副室内を加熱する高周波加熱装置と、エンジン回転数またはエンジン負荷のいずれか一方または双方を含むエンジン運転条件によって前記高周波加熱装置への通電、遮断を制御するコントローラとを備え、前記コントローラは前記エンジン運転条件が一定回転数あるいは一定負荷以下の低回転数域あるいは低負荷域で前記高周波発信器を介して前記高周波コイルに通電せしめ前記一定回転数あるいは一定負荷を超えたときはエンジン回転数あるいはエンジン負荷の上昇に従って電流値を減少して通電を遮断するように構成されてなることを特徴とする。
ここで、前記気体燃料は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、水素、一酸化炭素等の燃焼可能な成分を主成分あるいは含むもの(より具体的には、メタンを主成分とする天然ガス、都市ガス(13A,12A))、プロパンやブタンを主成分とするプロパンガス、水素を含む石炭ガス、メタンと一酸化炭素を含む消化ガス、バイオガス等を含む。
また、前記着火用の燃料は、石油系燃料(灯油、軽油、ガソリン、重油(A,B,C))等を含む。
(1)シリンダヘッドに固定される副室口金の内部に形成された副室内の空気中に、副室本体に装着された燃料噴射弁から燃料を噴射することにより生成された着火火炎を主燃焼室内に噴出せしめて該主燃焼室内の空気と燃料を着火燃焼せしめるように構成された副室式ディーゼル機関。
(3)アルコールを燃料とし、エンジン(内燃機関)のシリンダヘッドに固定される副室口金の内部に形成された副室内において着火用燃料を着火燃焼することにより着火火炎を生成し、該着火火炎を主燃焼室内に噴出せしめて該主燃焼室内の燃料を燃焼せしめるように構成された副室式アルコール燃料内燃機関。
ここで、アルコールはメタノール、エタノールを含む。
これにより、エンジンの起動直後及び起動からエンジン回転数が一定回転数以下あるいはエンジン負荷が一定負荷以下の運転条件においても、従来の副室式ディーゼル機関や副室式アルコール燃料内燃機関のように副室にグロープラグを設けることなく、また従来の副室式ガス機関のように着火性向上のための点火プラグ及び点火装置を設けることなく、該副室内の温度を均一に上昇せしめて、該副室内燃料の着火性を改善し所要の着火火炎を生成可能となり、白煙の発生を回避した安定燃焼を実現できる。
また、一定運転条件以上では運転条件の上昇に従い副室内の温度が上昇するので、これに従い高周波加熱装置への電流値を小さくすることにより、無駄な電力消費を回避して効率的に作動させることができる。
このように構成すれば、コントローラによって、最も副室内温度が低い起動から一定時間内のみには前記高周波加熱装置への通電を行って副室内温度を所要の高温に加熱し良好な着火性を保持し、該一定時間経過後の副室内の加熱を必要としない運転時間帯には自動的に高周波加熱装置への通電を遮断するので、副室内の加熱が必須な運転時間帯以外における無駄な加熱電力の消費を回避でき、高周波加熱装置を効率的に作動させることができる。
このように構成すれば、副室内の温度が最も低い状態にある起動から一定運転条件つまり一定回転数以下あるいは一定負荷以下内に高周波加熱装置への電流値を所要の一定値に保持することで、高周波加熱装置を、無駄な電力消費を回避して効率的に作動させることができる。
このように構成すれば、副室内の温度が本来低い状態にある起動から一定運転条件つまり一定回転数以下あるいは一定負荷以下内においても、前回の運転時の余熱をもって、副室内の温度が上昇している場合、高周波加熱装置への電流値を制限することが可能となるので、これに従い高周波加熱装置への電流値を小さくすることにより、高周波加熱装置を、無駄な電力消費を回避して効率的に作動させることができる。
また、前記副室内における着火性の改善が必要な運転条件を超える高回転あるいは高負荷では前記高周波加熱装置への通電を自動的に遮断するので、副室内の加熱が必須な運転条件以外における無駄な加熱電力の消費を回避でき、高周波加熱装置を効率的に作動させることができる。
3は副室本体、4は副室口金で、該副室本体3及び副室口金4はシリンダ中心線と同心(必ずしも同心でなくてもよい)に配置されて複数のボルト36でシリンダヘッド1に締付けられている。
5は前記副室本体3内に形成された副室、2は前記副室本体3の中心部に固定された燃料噴射弁で、該燃料噴射弁2から副室5内に燃料を噴射し、該噴射燃料が副室5内で着火燃焼せしめられるようになっている。該副室5は複数の連絡孔4aを介して主燃焼室15と連通されている。2aは燃料噴射管である。
34は前記副室本体3及び副室口金4とのシール面であり、かかるシール面34で前記副室5内とシリンダヘッド冷却室1aとの流体シールを行っている。35は副室口金4とシリンダヘッド1とのシール部に介装された燃焼ガスシール用のパッキンである。16は前記副室本体3の外周に嵌挿された冷却水シール用のO−リングである。
21はエンジン(副室式ディーゼル機関)の回転数を検出するエンジン回転数検出器、22はエンジンの負荷を検出する負荷検出器、23はエンジンの起動を検出する起動検出器、24はエンジンの運転時間を記録する運転記録器、20はコントローラである。前記エンジン回転数検出器21からのエンジン回転数の検出値、前記負荷検出器22からのエンジン負荷の検出値、前記起動検出器23からのエンジン起動検出信号、及び前記運転記録器24からのエンジン運転記録は、前記コントローラ20に入力され、該コントローラ20は後述する制御を行いその結果を前記高周波発信器7に出力するようになっている。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
図4(A)において、前記エンジン回転数検出器21からのエンジン回転数の検出値、前記負荷検出器22からのエンジン負荷の検出値、及び前記運転記録器24からのエンジン運転記録は、前記コントローラ20の高周波電流・周波数算出部201に入力される。
また、前記起動検出器23からのエンジン起動検出信号は前記コントローラ20のタイマー203に入力される。
即ち、前記高周波電流・周波数設定部においては、図4(B)に示す線図のように、エンジンの起動から一定回転数N1以下(あるいは一定負荷L1以下)のときは高周波加熱装置30への高周波電流Aの強さが最大値A1、該一定回転数N1(あるいは一定負荷L1)から回転数N2(あるいは負荷L2)に上昇する間はエンジン回転数N(あるいは負荷L)の上昇に従い前記高周波電流Aの強さを第1の割合で小さくして行き、該回転数N2(あるいは負荷L2)から回転数N3(あるいは負荷L3)に上昇する間はエンジン回転数N(あるいは負荷L)の上昇に従い前記高周波電流Aの強さを前記第1の割合とは異なる第2の割合で小さくして行き、エンジン回転数N(あるいは負荷L)が遮断回転数N3(あるいは遮断負荷L3)に到達すると前記高周波電流Aを遮断するように設定されている。
尚、前記第1の割合と第2の割合とを同一にして、前記回転数N1(あるいは負荷L1)から回転数N3(あるいは負荷L3)に上昇するまで一定割合で高周波電流Aを小さくして行ってもよい。
即ち、前記高周波発信時間設定部204においては、図4(C)に示す線図のように、エンジンの起動から一定時間t1までの間は、前記高周波加熱装置30へ、前記副室5の温度が所要温度を保持するような所定の電流値A4の高周波電流Aを通電し、前記一定時間t1に到達して副室5内の加熱が不要となったとき、前記高周波電流Aを遮断するように設定されている。
203はタイマーで、前記起動検出器23からエンジンの起動が検出されてからの時間をカウントするものである。
第1の機能は、前記エンジン回転数検出器21から入力されるエンジン回転数Nの検出値(あるいは前記負荷検出器22からのエンジン負荷Lの検出値)に基づき該エンジン回転数Nの検出値(あるいは負荷Lの検出値)に対応する高周波電流Aの値を、前記高周波電流・周波数設定部202に図4(B)のように設定されている高周波電流値から算出(選出)し、この高周波電流値Aを前記高周波発信器7に出力する。
第2の機能は、前記タイマー203にエンジンの起動信号が入力されると前記高周波発信時間設定部204に設定されている高周波電流A4を前記高周波発信器7に出力し、該タイマー203により前記高周波電流Aを遮断する一定時間t1がカウントされると、該高周波発信器7に高周波電流を遮断せしめる。
第3の機能は、前記第1および第2の機能に付加する形で、前記運転記録器24からのエンジン運転記録により、前記エンジンの前回運転時の起動からの運転継続時間が一定条件以上および前回運転停止時からの停止継続期間が一定条件以内の条件を検出することにより、前記高周波発信時間設定部204に設定されている第1及び第2の機能に基づく高周波電流を減少するように制御せしめる。
さらに、前記高周波発信器7は、前記高周波電流・周波数算出部201の第3の機能に従い、高周波加熱装置30の高周波コイル31に第1の機能及び第2の機能によって設定された高周波電流Aを減少せしめる。
また、前記コントローラ20によって、前記副室5内の温度が本来であれば副室5内の加熱が必須な一定運転条件つまり一定回転数以下あるいは一定負荷以下内においても、前回運転の余熱効果を考慮し、高周波加熱装置への電流値を減少させるので、無駄な加熱電力の消費を回避でき、高周波加熱装置30を効率的に作動させることができる。
2 燃料噴射弁
3 副室本体
4 副室口金
4a 連絡孔
5 副室
7 高周波発信器
8 排気弁
10 シリンダライナ
11 ピストン
15 主燃焼室
20 コントローラ
21 エンジン回転数検出器
22 負荷検出器
23 起動検出器
30 高周波加熱装置
31 高周波コイル
40 磁性材リング
Claims (8)
- エンジン(内燃機関)のシリンダヘッドに固定される副室口金の内部に形成された副室内において燃料を着火燃焼することにより着火火炎を生成し、該着火火炎を主燃焼室内に噴出せしめて該主燃焼室内の燃料を燃焼せしめるように構成された副室式内燃機関において、
前記副室口金に巻回されて高周波発信器から高周波電流が通電される高周波コイルを有し該高周波コイルにより前記副室内を加熱する高周波加熱装置と、エンジン回転数またはエンジン負荷のいずれか一方または双方を含むエンジン運転条件によって前記高周波加熱装置への通電、遮断を制御するコントローラとを備え、前記コントローラは前記エンジン運転条件が一定回転数あるいは一定負荷以下の低回転数域あるいは低負荷域で前記高周波発信器を介して前記高周波コイルに通電せしめ前記一定回転数あるいは一定負荷を超えたときはエンジン回転数あるいはエンジン負荷の上昇に従って電流値を減少して通電を遮断するように構成されてなることを特徴とする高周波加熱装置を備えた副室式内燃機関。 - 前記コントローラは、前記エンジンの起動から設定された一定時間、前記高周波発信器を介して前記高周波コイルに通電せしめ前記一定時間の経過後は通電を遮断するように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の高周波加熱装置を備えた副室式内燃機関。
- 前記コントローラは、前記エンジンの起動から一定回転数以下あるいは一定負荷以下においては前記高周波発信器からの電流値を一定値に保持することを特徴とする請求項1記載の高周波加熱装置を備えた副室式内燃機関。
- 前記コントローラは、前記エンジンの前回運転時の起動からの運転継続時間が一定条件以上および前回運転停止時からの停止継続期間が一定条件以内で前記通電の前記電流値を減少するように制御することを特徴とする請求項1記載の高周波加熱装置を備えた副室式内燃機関。
- 前記高周波加熱装置を前記主燃焼室内の外周部位に複数個設け、1個設けられた前記コントローラから前記高周波発信器を介して複数の前記高周波コイルに通電あるいは通電を遮断する制御を行うように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の高周波加熱装置を備えた副室式内燃機関。
- 前記内燃機関が、シリンダヘッドに固定される副室口金の内部に形成された副室内の空気中に、副室本体に装着された燃料噴射弁から燃料を噴射することにより生成された着火火炎を主燃焼室内に噴出せしめて該主燃焼室内の空気と燃料を着火燃焼せしめるように構成された副室式ディーゼル機関からなることを特徴とする請求項1記載の高周波加熱装置を備えた副室式内燃機関。
- 前記内燃機関が、シリンダヘッドに固定される副室口金の内部に形成された副室内の気体燃料を、燃料噴射弁から噴射される着火用の燃料噴霧あるいは点火プラグからの火花放電により着火燃焼して生成されたトーチ着火火炎を主燃焼室内に噴出せしめて該主燃焼室内の気体燃料を燃焼せしめる副室式ガス機関からなることを特徴とする請求項1記載の高周波加熱装置を備えた副室式内燃機関。
- 前記内燃機関が、アルコールを燃料とし、シリンダヘッドに固定される副室口金の内部に形成された副室内において着火用燃料を着火燃焼することにより着火火炎を生成し、該着火火炎を主燃焼室内に噴出せしめて該主燃焼室内の空気と燃料を燃焼せしめるように構成された副室式アルコール燃料内燃機関からなることを特徴とする請求項1記載の高周波加熱装置を備えた副室式内燃機関。
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