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JP4187865B2 - トリム部品およびトリム部品の取付け方法 - Google Patents

トリム部品およびトリム部品の取付け方法 Download PDF

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JP4187865B2 JP09461099A JP9461099A JP4187865B2 JP 4187865 B2 JP4187865 B2 JP 4187865B2 JP 09461099 A JP09461099 A JP 09461099A JP 9461099 A JP9461099 A JP 9461099A JP 4187865 B2 JP4187865 B2 JP 4187865B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トリム部品およびトリム部品の取付け方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両のインストルメントパネル部分に対し、フィニッシャー・エンブレムなどのトリム部品が取付けられることがある。このトリム部品は、例えば、トリム部品本体の表面を木目調に仕上げ、木目調に仕上げられた表面に車名や装備品などを示すロゴなどが印刷や凹凸などにより描かれたものであり、装飾効果を高め、高級感を出すことができる。
【0003】
従来、このようなトリム部品は、インストルメントパネル部分に形成された凹部に対し、裏面側からビス止めしたり、接着剤や両面テープで接着するなどして取付けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のトリム部品およびトリム部品の取付け方法では、インストルメントパネル部分に形成された凹部に対し、トリム部品を裏面側からビス止めした場合、組立て工数が多くなるという問題があり、また、廃車時に解体に時間がかかるという問題がある。
【0005】
更に、トリム部品を裏面側からビス止めした場合、トリム部品が透明や半透明だと、ビス止めするためのボスやリブが表面側から見えてしまうので見栄えが悪いという問題がある。
【0006】
また、インストルメントパネル部分に形成された凹部に対し、トリム部品を接着剤や両面テープで接着した場合、組立て作業性が悪いという問題があり、また、廃車時に解体に時間がかかるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、組立て・解体が容易で、且つ、透明や半透明とした場合でも見栄を良くすることのできるトリム部品およびトリム部品の取付け方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、インストルメントパネル部分に形成されたトリム部品取付用の凹部に、トリム部品本体が嵌着されるトリム部品において、前記凹部を押付形成するプラグアシストとして直接用いられると共に、形成した凹部にそのまま一体的に埋設されるトリム部品本体を設け、前記凹部に埋設されるトリム部品本体の外周に、前記凹部へ係止可能なアンカー用突起を設けたことを特徴としている。
【0009】
このように構成された請求項1にかかる発明によれば、トリム部品取付用の凹部を押付形成するプラグアシストとして直接用いられると共に、形成した凹部にそのまま一体的に埋設されるトリム部品本体を設け、前記凹部に埋設されるトリム部品本体の外周に、前記凹部へ係止可能なアンカー用突起を設けたことにより、トリム部品をインストルメントパネル部分の凹部へ強固に固定することが可能となる。
【0010】
請求項2に記載された発明では、インストルメントパネル部分に形成されたトリム部品取付用の凹部に、トリム部品本体が嵌着されるトリム部品において、前記凹部を押付形成するプラグアシストとして直接用いられると共に、形成した凹部にそのまま一体的に埋設されるトリム部品本体を設け、前記凹部に埋設されるトリム部品本体を、裏面側に光透過型非半透明層を有し、表面側に半透明層を有する二層構造としたことを特徴としている。
【0011】
このように構成された請求項2にかかる発明によれば、トリム部品取付用の凹部を押付形成するプラグアシストとして直接用いられると共に、形成した凹部にそのまま一体的に埋設されるトリム部品本体を設け、前記凹部に埋設されるトリム部品本体の表面側を半透明層とすることにより透明感のある表示部を作ることができ、且つ、夜間などに光源を発光させると、光透過型非半透明層と半透明層とを通して表示部が浮き上がり、表示部をイルミネーション表示させることができる。
【0012】
また、トリム部品本体の裏面側を光透過型非半透明層とすることにより、トリム部品本体の表面側を半透明層とした場合でも、取付部を外側から見えないように隠すことができる。
【0013】
請求項3に記載された発明では、インストルメントパネル部分に形成されたトリム部品取付用の凹部にトリム部品本体を嵌着するトリム部品の取付け方法において、インストルメントパネル部分を真空成形する際に、前記凹部を押付形成するプラグアシストとして、外周にアンカー用突起を形成されたトリム部品本体を直接使用すると共に、形成した凹部にそのままトリム部品本体を一体的に埋設することにより、凹部に対するトリム部品本体の取付精度を向上させるようにすることを特徴としている。
【0014】
このように構成された請求項3にかかる発明によれば、前記プラグアシストとして、外周にアンカー用突起を形成されたトリム部品本体を直接用いているので、プラグアシストを特別に用意する必要がなくなり、且つ、凹部の押付形成時にそのままトリム部品本体を凹部へ一体的に埋設させることができ、ビス止めや接着剤或いは両面テープなどで接着しなくても良くなる分、組立て工数や組み立ての手間を減らし、コストダウンを図ることが可能となる。また、廃車時も、分別や解体が容易となる。
【0015】
しかも、プラグアシストとして、外周にアンカー用突起を形成されたトリム部品本体を直接用いると共に、形成した凹部にトリム部品本体をそのまま埋設させるようにすることにより、製造誤差を見込んだ設計を行う必要がなくなるので、凹部への取付け精度が向上し、設計上の、いわゆる全周0隙間、面差0の状態を達成することができる。ここで、設計上の、いわゆる全周0隙間、面差0の状態とは、トリム部品本体の周縁部と、トリム部品取付用の凹部の周縁部との間の隙間を、全周に亘って設計値0で製作すること(いわゆる全周0隙間の状態)、および、トリム部品本体の表面とインストルメントパネル部分の表面との前記周縁部間の面差を、設計値0で製作すること(いわゆる面差0の状態)を言う。このように、全周0隙間、面差0設計で製作した場合には、真空成形手段の成形能力を最大限に発揮させることができるようになる。但し、この場合であっても、これだけでは真空成形手段の成形能力を越えることまではできないので、実際に得ることのできる、上記したトリム部品本体の凹部への取付け精度は、真空成形手段が出せる成形精度までが限度となる。
【0016】
請求項4に記載された発明では、インストルメントパネル部分に熱発泡性添加剤を配合し、インストルメントパネル部分を加熱して真空成形することにより、熱発泡性添加剤を膨張させて、少なくとも、トリム部品取付用の凹部の周縁部とトリム部品本体の周縁部との間の前記隙間を全周に亘って全体的により狭く緊密なものとすることを特徴としている。
【0017】
このように構成された請求項4にかかる発明によれば、前記インストルメントパネル部分に熱発泡性添加剤を配合し、インストルメントパネル部分を加熱して真空成形することにより、熱発泡性添加剤が膨張し、プラグアシスト(トリム部品)の周縁部とトリム部品取付用の凹部の周縁部との間の前記隙間を全周に亘って全体により狭く緊密なものとすることができ、設計上の、いわゆる全周0隙間、面差0の状態をより安定させることができる。即ち、熱発泡性添加剤の膨張による前記隙間の緊密化が加わることにより、理論的には、真空成形手段の成形能力を越えることも可能となるので、上記したトリム部品本体の凹部への取付け精度を、真空成形手段が出せる成形精度以上のものにすることが期待できる。但し、実際に、トリム部品本体の凹部への取付け精度を、どの程度まで上げることができるかについては、熱発泡性添加剤の膨張力の大きさに依る。
【0018】
加えて、熱発泡性添加剤の膨張により、発泡体部分の展開率、膨張率を大きくすることができるので、インストルメントパネル部分の展開率、膨張率の大きな箇所の仕上りのバラ付きを少なくすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の具体的な実施の形態1について、図示例と共に説明する。
【0020】
図1〜図6は、この発明の実施の形態1を示すものである。
【0021】
まず、構成を説明すると、この実施の形態1のものでは、図1に示すような車両のインストルメントパネル1には、例えば、助手席側のグローブボックス2の上縁部にトリム部品取付用の凹部3が形成され、このトリム部品取付用の凹部3には、フィニッシャー・エンブレムなどのトリム部品4が、その表面がインストルメントパネル1とほぼ面一となるように嵌着され固定されている。また、上記と同様のトリム部品4はセンターコンソール61などにも設けられることがある。なお、助手席側のグローブボックス2の上縁部は、インストルメントパネル本体62とは別体の助手席部分パッド63で構成しても良い。
【0022】
図1中、符号64はロアアシスト、65はロアドライバー、66はセンターリッド、67はリッドコンテナーである。なお、以下でインストルメントパネル1と言った場合には、センターコンソール61、インストルメントパネル本体62、助手席部分パッド63、ロアアシスト64、ロアドライバー65、センターリッド66などのインストルメントパネル1を構成する各部分(インストルメントパネル部分)をも含むものとする。
【0023】
上記トリム部品4は、図2に示すように、例えば、少くとも表面側を木目調などに仕上げられたトリム部品本体5と、このトリム部品本体5の木目調などとされた表面に印刷や凹凸などで描かれた車名や装備品などを示すロゴなどの表示部aとを備えている。そして、このトリム部品4には、トリム部品取付用の凹部3に取付固定するための取付部6を備えている。この実施の形態1の場合、取付部6は、トリム部品本体5裏面側の外周に設けられたアンカー用突起7となっている。このアンカー用突起7は、トリム部品本体5外周に対し全周に間隔を置いて多数設けられており、各アンカー用突起7は係止用頂部8と楔面9と食込面10とを有する三角形状となっている。なお、アンカー用突起7は、要するにトリム部品取付用の凹部3に係止できる機能を有していれば良く、断面形状は、半円形状でも円形状でも良い。
【0024】
一方、インストルメントパネル1は、図3に示すような表皮層11と発泡体層12とからなる2層ラミネートシート13や、図4に示すような表皮層11と発泡体層12に、更にバリア層14(或いは、バッカー層や熱融着層などとしても良い)などとを加えた3層ラミネートシート15などの多層表皮(単層表皮であっても良い、以下、表皮16という)および、芯材17によって構成されている。この芯材17には、PP材、PP複合材、ABS材、PC材、PPE材、PC/ABS材、AS材や、これらにガラスフィラーを混入した合成樹脂製のものが用いられる。或いは、芯材17には、木質フィラー、木質チップを圧縮、硬化した木質製や、木質フィラー、木質チップにパルプを配合し粉状、液状接着剤で圧縮、硬化した木質製のものが用いられる。
【0025】
そして、このインストルメントパネル1は、真空成形(真空凸引き)によって形成される。図5はインストルメントパネル1の真空成形手段18を示しており、真空成形手段18は、排気流路19および開閉弁20を介して真空タンクなどの真空源21に接続されたコア型などの真空型22と、この真空型22の型面23(凸面)に対して表皮16を保持する表皮クランプ24とを備えている。なお、芯材17は、型面23と表皮16との間に配置されている。そして、芯材17には、多数の真空孔25が形成されており、真空型22の内部には図示しない真空引きマニホールドが多数形成されている。符号67は真空型テーブル、68はシール材である。
【0026】
また、上記インストルメントパネル1の真空成形手段18には、トリム部品取付用の凹部3を形成するための凹部形成手段26が備えられている。この凹部形成手段26は、真空型22の型面23に形成された凹形状部27に対して近接離反動自在に配設されたプラグアシスト28と、このプラグアシスト28を凹形状部27へ近接離反動させるシリンダ(エアシリンダ、油圧シリンダ)などの移動手段29と、この移動手段29のロッド30先端にプラグアシスト28を着脱可能に保持させるプラグアシスト保持装置31とによって構成されている。このプラグアシスト保持装置31は、例えば、図示しない真空源(真空源21を利用しても良い)に吸引用配管32を介して接続された真空クランプ33などとする。
【0027】
この実施の形態1では、特に、前記プラグアシスト28として、外周にアンカー用突起7を設けられたトリム部品4を直接用いるようにする。
【0028】
なお、芯材17の凹形状部27と対応する位置には、予めトリム部品分別用の開口部34を形成しておくようにする。
【0029】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0030】
真空型22の型面23に芯材17と表皮16とを重ねて当接配置し、表皮16を表皮クランプ24に保持させた状態で、真空タンクなどの真空源21を駆動し、排気流路19および開閉弁20を介して真空型22内を真空吸引することにより、インストルメントパネル1が真空成形される。この際、芯材17に多数の真空孔25を形成しておくことにより、表皮16にも吸引力が作用し、芯材17と表皮16が同時且つ一体的に成形される。
【0031】
そして、真空型22の型面23に形成された凹形状部27の部分では、真空吸引により芯材17と表皮16が凹形状部27内へ入り込むが、この際、シリンダなどの移動手段29のロッド30を伸長動させて、ロッド30先端のプラグアシスト保持装置31に吸着されたプラグアシスト28を凹形状部27へ押付けさせることにより、凹形状部27内の芯材17と表皮16がプラグアシスト28に沿う形に成形され、トリム部品取付用の凹部3が精度良く形成される。
【0032】
この実施の形態1では、特に、プラグアシスト28として、トリム部品4を直接用いているので、プラグアシスト28を特別に用意する必要がなくなり、且つ、プラグアシスト保持装置31を解除することにより、そのままトリム部品4をトリム部品取付用の凹部3へ一体的に埋設させることができ、ビス止めや接着剤或いは両面テープなどで接着しなくても良くなる分、組立て工数や組み立ての手間を減らし、コストダウンを図ることが可能となる。
【0033】
また、廃車時も、分別や解体が容易となり、特に、表皮16とトリム部品4との材質が同じかまたは混ざり合う材質の場合には、解体せずにそのまま破砕することも可能となる。
【0034】
更に、トリム部品4を取外して解体する場合には、芯材17の凹形状部27と対応する位置にトリム部品分別用の開口部34を形成しておくことにより、簡単にトリム部品4を分別し取外すことができる。また、取外されたトリム部品4はそのまま再利用することも可能である。
【0035】
しかも、プラグアシスト28として、トリム部品4を直接用いると共に、形成した凹部3にトリム部品4をそのまま埋設させるようにすることにより、製造誤差を見込んだ設計を行う必要がなくなるので、トリム部品取付用の凹部3への取付け精度が向上し、設計上の、いわゆる全周0隙間、面差0の状態、即ち、トリム部品本体5の周縁部と、トリム部品取付用の凹部3の周縁部との間の隙間を、全周に亘って設計値0で製作するいわゆる全周0隙間の状態、および、トリム部品本体5の表面とインストルメントパネル1部分の表面との前記周縁部間の面差を、設計値0で製作するいわゆる面差0の状態(以下、同様)を達成することができる。このように、全周0隙間、面差0設計で製作した場合には、真空成形手段18の成形能力を最大限に発揮させることができるようになる。但し、この場合であっても、これだけでは真空成形手段18の成形能力を越えることまではできないので、実際に得ることのできる、上記したトリム部品4の凹部3への取付け精度は、真空成形手段18が出せる成形精度までが限度となる。
【0036】
加えて、トリム部品4の外周にアンカー用突起7を設けることにより、トリム部品4をトリム部品取付用の凹部3へ強固に嵌着固定することが可能となる。この際、各アンカー用突起7の形状を、係止用頂部8と楔面9と食込面10とを有する三角形状とすることにより、楔面9によってトリム部品取付用の凹部3の奥側へ入り易くなると共に食込面10によってトリム部品取付用の凹部3から出難くなるので、一層、大きな固定力を得ることができる。
【0037】
なお、プラグアシスト保持装置31として真空クランプ33を用いることにより、トリム部品4を傷付けずに吸着保持すると共に、トリム部品取付用の凹部3へ埋設されたトリム部品4を吸着解除することができるので、扱いが容易となる。
【0038】
【変形例】
図7、図8は、実施の形態1の変形例であり、インストルメントパネル1を、真空成形(真空凹引き)と射出成形(或いは射出プレス成形)によって製造する場合の例を示している。
【0039】
即ち、図7に示すように、真空成形手段18として凹形状の型面41を有するキャビティ型などの真空型42を用いて、表皮16を凹引きするようにしている。この際、凹形状部27に凹部形成手段26のプラグアシスト28(トリム部品4)と移動手段29とプラグアシスト保持装置31とを収容して、プラグアシスト28を押出すことにより、トリム部品取付用の凹部3を形成すると同時にトリム部品取付用の凹部3にトリム部品4を一体的に埋設させるようにしている。
【0040】
なお、図7中、符号43は真空型42に形成された真空引きマニホールド、符号44は吸引用配管32の途中に設けられた開閉弁である。
【0041】
そして、図8に示すように、射出成形装置45の射出成形型46,47に成形された表皮16をセットし、表皮16の裏面側に芯材17を射出成形するようにしている。
【0042】
このようにしても、上記実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
【発明の実施の形態2】
図9、図10は、この発明の実施の形態2を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明する。
【0044】
この実施の形態2のものでは、外周にアンカー用突起7を形成されたトリム部品4のトリム部品本体5を裏面側の光透過型非半透明層51と表面側の半透明層52とからなる二層構造とし、トリム部品本体5の裏面側に光源53を配設したものである。
【0045】
前記光透過型非半透明層51は、白系やライトグリーン、ライトピンクなどの光を通す淡色系の色彩を持ち、且つ、半透明や透明でないものとする。
【0046】
半透明層52には、表面に印刷や凹凸などで描かれた車名や装備品などを示すロゴなどの表示部aを有している。
【0047】
このようなトリム部品本体5は、インサート成形を含む二色、二層、異材質成形などにより製造する。
【0048】
また、光源53としては、例えば、図10に示すように、バルブ54を、電源55とスイッチ56に接続した照明回路などを用いる。或いは、図11に示すように、LED57を、電源55とスイッチ56に接続した照明回路などを用いる。
【0049】
このように表面側を半透明層52とすることにより透明感のある表示部aを作ることができ、且つ、夜間などに光源53を発光させると、光透過型非半透明層51と半透明層52とを通して表示部aが浮き上がり、表示部aをイルミネーション表示させることができる。
【0050】
また、トリム部品本体5の裏面側を光透過型非半透明層51とすることにより、トリム部品本体5の表面側を半透明層52とした場合でも、取付部6を外側から見えないように隠すことができる。
【0051】
上記以外については、前記実施の形態1と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0052】
【変形例】
図12は実施の形態2の第1の変形例を示すものであり、光透過型非半透明層51の裏面側に、取付部6としてビス止めのためのボス58とリブ59を設けたものである。このように、トリム部品本体5の裏面側を光透過型非半透明層51とすることにより、トリム部品本体5の表面側を半透明層52とした場合でも、取付部6としてのボス58とリブ59を外側から見えないように隠すことができる。
【0053】
【発明の実施の形態3】
図13〜図20は、この発明の実施の形態3を示すものである。なお、前記実施の形態1,2と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明する。まず、構成を説明すると、この実施の形態3のものでは、表皮16と芯材17の少くとも一方の内部または相互の接着面に熱発泡性添加剤71を配合したところにその特徴がある。
【0054】
具体的には、例えば、表皮16が単層である場合、図13(a)に示すように表皮層11の内部に熱発泡性添加剤71を配合しても、図13(b)に示すように表皮層11の接着面に熱発泡性添加剤71を配合しても良い。また、表皮16が2層である場合、図14(a)に示すように発泡体層12と表皮層11との境界部に熱発泡性添加剤71を配合しても、図14(b)に示すように発泡体層12の内部に熱発泡性添加剤71を配合しても、図14(c)に示すように発泡体層12の接着面に熱発泡性添加剤71を配合しても良い。表皮16が3層である場合、図15(a)に示すようにバリア層14と発泡体層12との境界部に熱発泡性添加剤71を配合しても、図15(b)に示すようにバリア層14の内部に熱発泡性添加剤71を配合しても、図15(c)に示すようにバリア層14の接着面に熱発泡性添加剤71を配合しても良い。
【0055】
そして、図16に示すように、表皮16を上ヒータ71と下ヒータ72とからなる加熱装置の中で加熱すると共に、図17に示すように、芯材17をコア型などの真空型22の上でフレキシブルヒータ73などの加熱装置により部分的或いは全面的に加熱する。加熱装置としては、テンション付きフレキシブルロッドで3次元形状に変化でき、芯材17の形状を容易に出せるフレキシブルヒータ73を用いるのが好ましい。或いは、芯材17の加熱装置としては、図18に示すようなガスバーナ74などのドライヤー型の熱風加熱器や、図19に示すような予め加熱された芯材形状の加熱型75などとしても良い。
【0056】
表皮16と芯材17とが加熱されたら、コア型などの真空型22上の芯材17の上に表皮16を配置し、その上に、図20に示すように、凹部形成手段26とキャビティ型などの真空型42をセットして真空成形する。
【0057】
これにより、表皮16と芯材17とが賦型されると共に溶着される。この際、表皮16と芯材17の少くとも一方の内部または相互の接着面に熱発泡性添加剤71を配合し、表皮16と芯材17とを加熱して真空成形するようにしたことにより、熱発泡性添加剤71が膨張し、プラグアシスト28(トリム部品4)の周縁部とトリム部品取付用の凹部3の周縁部との間の前記隙間を全周に亘って全体により狭く緊密なものとすることができ、設計上の、いわゆる全周0隙間、面差0の状態をより安定させることができる。即ち、熱発泡性添加剤の膨張による前記隙間の緊密化が加わることにより、理論的には、真空成形手段18の成形能力を越えることも可能となるので、上記したトリム部品4の凹部3への取付け精度を、真空成形手段18が出せる成形精度以上のものにすることが期待できる。但し、実際に、トリム部品4の凹部3への取付け精度を、どの程度まで上げることができるかについては、熱発泡性添加剤の膨張力の大きさに依る。
【0058】
加えて、熱発泡性添加剤71の膨張により、発泡体層12の展開率、膨張率を大きくすることができるので、展開率、膨張率の大きな箇所の仕上りのバラ付きを少なくすることができる。
【0059】
上記以外については、前記実施の形態1,2と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、トリム部品取付用の凹部を押付形成するプラグアシストとして直接用いられると共に、形成した凹部にそのまま一体的に埋設されるトリム部品本体を設け、前記凹部に埋設されるトリム部品本体の外周に、前記凹部へ係止可能なアンカー用突起を設けたことにより、トリム部品をインストルメントパネル部分の凹部へ強固に固定することが可能となる。
【0061】
請求項2の発明によれば、トリム部品取付用の凹部を押付形成するプラグアシストとして直接用いられると共に、形成した凹部にそのまま一体的に埋設されるトリム部品本体を設け、前記凹部に埋設されるトリム部品本体の表面側を半透明層とすることにより透明感のある表示部を作ることができ、且つ、夜間などに光源を発光させると、光透過型非半透明層と半透明層とを通して表示部が浮き上がり、表示部をイルミネーション表示させることができる。
【0062】
また、トリム部品本体の裏面側を光透過型非半透明層とすることにより、トリム部品本体の表面側を半透明層とした場合でも、取付部を外側から見えないように隠すことができる。
【0063】
請求項3の発明によれば、プラグアシストとして、外周にアンカー用突起を形成されたトリム部品本体を直接用いているので、プラグアシストを特別に用意する必要がなくなり、且つ、凹部の押付形成時にそのままトリム部品本体を凹部へ一体的に埋設させることができ、ビス止めや接着剤或いは両面テープなどで接着しなくても良くなる分、組立て工数や組み立ての手間を減らし、コストダウンを図ることが可能となる。また、廃車時も、分別や解体が容易となる。
【0064】
しかも、プラグアシストとして、外周にアンカー用突起を形成されたトリム部品本体を直接用いると共に、形成した凹部にトリム部品本体をそのまま埋設させるようにすることにより、製造誤差を見込んだ設計を行う必要がなくなるので、凹部への取付け精度が向上し、設計上の、いわゆる全周0隙間、面差0の状態を達成することができる。ここで、設計上の、いわゆる全周0隙間、面差0の状態とは、トリム部品本体の周縁部と、トリム部品取付用の凹部の周縁部との間の隙間を、全周に亘って設計値0で製作すること(いわゆる全周0隙間の状態)、および、トリム部品本体の表面とインストルメントパネル部分の表面との前記周縁部間の面差を、設計値0で製作すること(いわゆる面差0の状態)を言う。このように、全周0隙間、面差0設計で製作した場合には、真空成形手段の成形能力を最大限に発揮させることができるようになる。但し、この場合であっても、これだけでは真空成形手段の成形能力を越えることまではできないので、実際に得ることのできる、上記したトリム部品本体の凹部への取付け精度は、真空成形手段が出せる成形精度までが限度となる。
【0065】
請求項4の発明によれば、前記インストルメントパネル部分に熱発泡性添加剤を配合し、インストルメントパネル部分を加熱して真空成形することにより、熱発泡性添加剤が膨張し、プラグアシスト(トリム部品)の周縁部とトリム部品取付用の凹部の周縁部との間の前記隙間を全周に亘って全体により狭く緊密なものとすることができ、設計上の、いわゆる全周0隙間、面差0の状態をより安定させることができる。即ち、熱発泡性添加剤の膨張による前記隙間の緊密化が加わることにより、理論的には、真空成形手段の成形能力を越えることも可能となるので、上記したトリム部品本体の凹部への取付け精度を、真空成形手段が出せる成形精度以上のものにすることが期待できる。但し、実際に、トリム部品本体の凹部への取付け精度を、どの程度まで上げることができるかについては、熱発泡性添加剤の膨張力の大きさに依る。
【0066】
加えて、熱発泡性添加剤の膨張により、発泡体部分の展開率、膨張率を大きくすることができるので、インストルメントパネル部分の展開率、膨張率の大きな箇所仕上りのバラ付きを少なくすることができる、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の全体斜視図である。
【図2】図1のトリム部品の拡大斜視図である。
【図3】多層表皮としての2層ラミネートシートの断面図である。
【図4】多層表皮としての3層ラミネートシートの断面図である。
【図5】真空成形手段の側方断面図である。
【図6】図5の部分拡大図である。
【図7】実施の形態1の変形例にかかる真空成形手段の側方断面図である。
【図8】実施の形態1の変形例にかかる射出成形装置の側方断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2にかかるトリム部品の拡大斜視図である。
【図10】光源にバルブを用いた図9の側方断面図である。
【図11】光源にLEDを用いた図10と同様の側方断面図である。
【図12】実施の形態2の変形例にかかるトリム部品の側方断面図である。
【図13】(a)、(b)は本発明の実施の形態2にかかる単層表皮に熱発泡性添加剤を配合した状態を示す側方断面図である。
【図14】(a)〜(c)は本発明の実施の形態2にかかる2層表皮に熱発泡性添加剤を配合した状態を示す側方断面図である。
【図15】(a)〜(c)は本発明の実施の形態2にかかる3層表皮に熱発泡性添加剤を配合した状態を示す側方断面図である。
【図16】表皮の加熱装置の側面図である。
【図17】芯材の加熱装置の側面図である。
【図18】芯材の他の加熱装置の側面図である。
【図19】芯材の別の加熱装置の側面図である。
【図20】真空成形手段の側方断面図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
3 凹部
4 トリム部品
5 トリム部品本体
7 アンカー用突起
28 プラグアシスト
51 光透過型非半透明層
52 半透明層
61 センターコンソール
62 インストルメントパネル本体
63 助手席部分パッド
64 ロアアシスト
65 ロアドライバー
66 センターリッド
71 熱発泡性添加剤

Claims (4)

  1. インストルメントパネル部分に形成されたトリム部品取付用の凹部に、トリム部品本体が嵌着されるトリム部品において、
    前記凹部を押付形成するプラグアシストとして直接用いられると共に、形成した凹部にそのまま一体的に埋設されるトリム部品本体を設け、
    前記凹部に埋設されるトリム部品本体の外周に、前記凹部へ係止可能なアンカー用突起を設けたことを特徴とするトリム部品。
  2. インストルメントパネル部分に形成されたトリム部品取付用の凹部に、トリム部品本体が嵌着されるトリム部品において、
    前記凹部を押付形成するプラグアシストとして直接用いられると共に、形成した凹部にそのまま一体的に埋設されるトリム部品本体を設け、
    前記凹部に埋設されるトリム部品本体を、裏面側に光透過型非半透明層を有し、表面側に半透明層を有する二層構造としたことを特徴とするトリム部品。
  3. インストルメントパネル部分に形成されたトリム部品取付用の凹部にトリム部品本体を嵌着するトリム部品の取付け方法において、
    インストルメントパネル部分を真空成形する際に、前記凹部を押付形成するプラグアシストとして、外周にアンカー用突起を形成されたトリム部品本体を直接使用すると共に、形成した凹部にそのままトリム部品本体を一体的に埋設することにより、凹部に対するトリム部品本体の取付精度を向上させるようにすることを特徴とするトリム部品の取付け方法。
  4. インストルメントパネル部分に熱発泡性添加剤を配合し、インストルメントパネル部分を加熱して真空成形することにより、熱発泡性添加剤を膨張させて、少なくとも、トリム部品取付用の凹部の周縁部とトリム部品本体の周縁部との間の前記隙間を全周に亘って全体的により狭く緊密なものとすることを特徴とする請求項3記載のトリム部品の取付け方法。
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