JP4179903B2 - サーモスタットの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の冷却系において冷却液の流れを制御するサーモスタットの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ケーシングの冷却液通路を横切って形成された埋設穴にサーモスタットを嵌合し、カバー部材がラバーシールを介して埋設穴を覆うとともにサーモスタットを固定する埋設式サーモスタットの取付構造については、既に提案されたものがある(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開2002−39433号公報(第2の実施の形態)
【0004】
特許文献1に第2の実施の形態として開示された埋設式サーモスタットの取付構造を図17に図示し説明する。
【0005】
ケーシング01の冷却液通路02を横切って埋設穴03が形成され、同埋設穴03にサーモスタット07が嵌合され、カバー部材05がラバーシール04を介して埋設穴03を覆うとともにサーモスタット07を固定している。
【0006】
サーモスタット07は、筒状のバルブ本体08の周壁に穿孔された入口開口08aと出口開口08bを弁体09が進退して連通・遮断するもので、両開口08a,08bをケーシング01の冷却液通路02に対向させて埋設穴03に嵌合される。
【0007】
なお出口開口08bの下方にもバルブ本体08の内空間と冷却液通路02とを連通するバイパス開口08cが穿孔され、ワックス010の熱膨張を利用した弁体09の進退で出口開口08bとバイパス開口08cが選択的に開放される。
サーモスタット07には、バルブ本体08の外周面を入口開口08a側と出口開口08b側とに仕切るOリング011が周設されている。
【0008】
そしてバイパス通路06を有するカバー部材05は、環状の溝にラバーシール04を嵌合させて同ラバーシール04を介してサーモスタット07が嵌合されたケーシングの埋設穴を覆うようにケーシング01に当てがわれる。
【0009】
ラバーシール04は、ケーシングの埋設穴の開口端面に圧接されるとともに、筒状のバルブ本体08の開口端面にも跨って圧接されてサーモスタット07を固定する。
【0010】
したがってOリング011がサーモスタット07のバルブ本体08の外空間でケーシング01の埋設穴03内を流入側と流出側に半割りに仕切り、ラバーシール04がケーシング01の埋設穴03内でバルブ本体08の内空間と外空間とを仕切っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構造においては、サーモスタットユニットがコンパクトに構成できるという利点があったが、サーモスタット07がOリング011によりフローティング支持され、ラバーシール04やケーシング01に対して位置決め構造を有しないため、組立後のサーモスタット07に微細な位置ズレが生じる原因となっていた。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、埋設式のサーモスタットの位置決めを確実に行い高いシール性を確保することができる簡単な構造のサーモスタットの取付構造を供する点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本発明は、冷却液通路が形成されたケーシングに前記冷却液通路を横切って埋設穴が形成され、筒状バルブ本体の周壁に穿孔された入口開口と出口開口を弁体が進退して連通・遮断するサーモスタットが前記両開口を前記冷却液通路に対向させて前記埋設穴に嵌挿され、カバー部材の円環状溝に嵌合支持された環状のラバーシールを介装して該カバー部材が前記埋設穴を覆うとともに前記サーモスタットを固定するサーモスタットの取付構造において、前記カバー部材側に前記サーモスタットを位置決めする位置決め構造を備え、前記位置決め構造は、前記円環状溝の内周壁が突出して形成された内環リブが前記バルブ本体に周設されるOリングを避ける切欠きを端縁部に備えて前記筒状バルブ本体の開口端部の内周面に沿って嵌入することで前記筒状バルブ本体の開口端部を嵌合支持して前記サーモスタットを位置決めし、前記ラバーシールが前記筒状バルブ本体の開口端面と前記ケーシングの合わせ面とに跨って圧接されるサーモスタットの取付構造とした。
【0014】
カバー部材が埋設穴を覆ってケーシングに取付ける際に、ケーシングの埋設穴に嵌挿されたサーモスタットをカバー部材側に備えた位置決め構造により位置決めして固定するので、簡単な構造でサーモスタットの位置ずれが確実に防止され、ラバーシールによるシール性が高く確保される。
【0016】
ラバーシールがシールするバルブ本体の開口端部を嵌合支持することで、サーモスタットの位置決めを行うので、より確実なシールができる。
【0018】
カバー部材側の嵌合部が筒状バルブ本体の開口端部の内周に嵌入してサーモスタットの位置決めを行うので、冷却液の液圧の影響を受けずに確実に位置決めを行うことができる。
【0020】
環状のリブがバルブ本体の開口端部の内周面に沿って嵌入して位置決めを行うので、応力が緩和される位置決め構造を構成することができる。
【0022】
カバー部材に位置決め構造が形成されるので、別途位置決め部材を設ける必要がなく部品点数を削減し、かつカバー部材はラバーシールを嵌合支持するので、ラバーシールのシール部と位置決めされたサーモスタットとのずれが解消され、シール性がより向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図16に基づき説明する。本実施の形態に係るサーモスタットは、内燃機関の冷却系に適用された埋設式のサーモスタット50である。
【0024】
図1を参照してシリンダヘッド1にはカム軸2が回転自在に軸支されており、その端部に締結された従動スプロケット3にタイミングチェーン4が巻き掛けられ、タイミングチェーン4は図示されないクランク軸に嵌着された駆動スプロケットに他方を巻き掛けてクランク軸の回転を2分の1の回転数にしてカム軸2に伝達する。
【0025】
タイミングチェーン4はシリンダヘッド1に形成されたチェーン室1aに配設されており、そのチェーン室1aを形成する側壁には、カム軸2と同軸の開口が形成されて、同開口にポンプボデイケース6を嵌入させてウォータポンプ5が装着される。
【0026】
ウォータポンプ5のポンプボデイケース6は、回転軸7に支持された従動マグネット8を収容する有底円筒部6aと回転軸7に嵌着されたインペラ9を収容する開口大径部6bとからなり、開口大径部6bを覆うポンプカバーケース20が回転軸7の一端を軸支して従動マグネット8とインペラ9を回転自在に支持する。
【0027】
シリンダヘッド1のチェーン室1aに嵌入されたポンプボデイケース6の周囲には、カム軸2の端面に従動スプロケット3とともに共締めされた円筒支持部材10の内周面に嵌着された駆動マグネット11が配設されて、カム軸2と一体に回転する駆動マグネット11にポンプボデイケース6により隔てられたウォータポンプ5の従動マグネット8が連れ回りしてインペラ9を回転させる。
【0028】
ポンプカバーケース20は、ポンプボデイケース6の開口大径部6bに嵌合してインペラ9が回転するスクロール室21を構成する円環状リブ22が突出しており、その中央に前記回転軸7の軸受部23が突出している(図1および図3参照)。
【0029】
図2ないし図4を参照してポンプカバーケース20は、サーモスタットケースでもあり、前記スクロール室21と反対側にサーモスタットカバー30との合わせ面24を有し、同合わせ面24に大きく刳り貫かれたサーモスタット50の埋設穴であるサーモスタット室25が形成されており、同サーモスタット室25にサーモスタット50が嵌挿される。
【0030】
サーモスタットカバー30との合わせ面24にはサーモスタット室25から互いに略反対方向に延出した延出部にそれぞれねじ穴24a,24aが形成されている。
【0031】
サーモスタット室25は、合わせ面24から内径を徐々に小さくして僅かにテーパした内周面25aを形成し、最奥部は略半球面25bを形成している。
テーパ面25aに開口端面から奥に向かって溝条25cが一部形成されている。
【0032】
このサーモスタット室25の奥側テーパ面に対向して開口する冷却液吸入路26がサーモスタット室25に直交して形成されており、冷却液吸入路26の一方の上流側は吸入接続管27として突出し、他方の下流側は前記軸受部23の外周に形成された環状吸入路26aに連通している。
すなわちサーモスタット室25は冷却液吸入路26を横切って形成されている。
【0033】
吸入接続管27と平行に突出した吐出接続管28は、図4に示すように冷却液吐出路29を形成し、同冷却液吐出路29は前記インペラ9の外周のスクロール室21に連通している。
【0034】
ポンプカバーケース20のサーモスタット室25に嵌挿されるサーモスタット50は、図10ないし図14に図示されるように、若干テーパした円筒状のバルブ本体51の周壁に互いに対向して長方形状の入口開口52と出口開口53が穿孔されており、出口開口53の下方位置にもバイパス用開口54が穿孔されている。
【0035】
バルブ本体51の一端は円環状の開口端面51aを構成し、他端は底壁51bを形成し、その底壁51bの中央から小径の有底円筒部55を突出形成している。
【0036】
この有底円筒部55から両側に底壁51bとの間にリブ56,56が張り出しており、同リブ56,56の端面はバルブ本体51の周面と滑らかな同一面をなして湾曲し、前記サーモスタット室25の奥の半球面25bと同じ曲面形状をなしている。
【0037】
有底円筒部55およびリブ56,56は、バルブ本体51と一体に形成されたもので、リブ56,56はバルブ本体51の入口開口52と出口開口53との中間位置にバルブ本体51の中心軸線を含む平面に沿って形成されている。
【0038】
バルブ本体51の中心軸線を含みリブ56,56の稜線中央を通る平面が、リブ56,56の端面、有底円筒部55の端面、バルブ本体51の外周面およびバルブ本体51の開口端面51aと交わる交線に沿って一連の溝条57が形成され、同溝条57にゴム製のOリング58が嵌合している。
【0039】
Oリング58は、溝条57からはみ出して、バルブ本体51の外周を入口開口52側と出口開口53側とを半分に仕切っている。
なおバルブ本体51の外周面のバイパス用開口54の下方で開口端面51a近くに突条59が形成されている。
【0040】
バルブ本体51の円柱状に形成された内空間60に摺動自在に弁体61が嵌挿され、弁体61から延出した小径円筒部61aが有底円筒部55に摺動自在に嵌入している。
弁体61の小径円筒部61aと反対側の面は刳り貫かれて凹部を形成し、同凹部は小径円筒部61aの内空間と連なっている。
【0041】
有底円筒状のワックスケース62が、弁体61の凹部を覆うようにダイヤフラム63を介して弁体61に開口端縁をかしめ等により固着されて設けられ、ワックスケース62内には熱膨張体であるワックス64が収容され、ダイヤフラム63を隔てた弁体61の凹部には半流動体65が充填される。
【0042】
小径円筒部61aの内空間には半流動体65に接するラバーピストン66、バックアッププレート67を介してピストン68が摺動自在に嵌挿されている。
バルブ本体51の内周面で開口端面51a近傍に周方向に切欠かれた溝条にCリング69が嵌着され、同Cリング69と弁体61との間にスプリング70が介装されて弁体61をバルブ本体51の底壁51bに押し付けるように付勢している。
【0043】
したがって低温時にはスプリング70の付勢力により図14および図15に示すように弁体61は底壁51bに当接して入口開口52と出口開口53とを閉じており、このときバイパス用開口54は開いている。
【0044】
温度が上昇するとワックス64が膨張してダイヤフラム63を膨出させ半流動体65を介してラバーピストン66を押し、この押圧力がバックアッププレート67を介してピストン68に伝わり、ピストン68を小径円筒部61aから突出させようとする。
【0045】
しかしピストン68は有底円筒部55の底面に常時接して位置が決まっているため、反作用で弁体61がスプリング70に抗して移動し、図16に示すように入口開口52と出口開口53を開き連通する。
このときバイパス用開口54は閉じる。
【0046】
以上のようなサーモスタット50をポンプカバーケース20のサーモスタット室25に嵌挿する。
そのときバルブ本体51の外周の突条59をサーモスタット室25内周の溝条25cに嵌入することで、バルブ本体51の軸中心とした回転方向の位置決めができ、嵌挿後入口開口52と出口開口53が冷却液吸入路26に対向する。
【0047】
同時にバイパス用開口54も出口開口53と同じく冷却液吸入路26に対向している。
バルブ本体51の外周に周設されたOリング58は、サーモスタット室25の内周面25aおよび半球面25bに圧接されてその内周面25aとバルブ本体51との隙間を、サーモスタット50のリブ56,56とともに入口開口52側と出口開口53側とに仕切っている。
【0048】
このサーモスタット50を嵌挿したサーモスタット室25の開口をサーモスタットカバー30が覆っている。
図5ないし図7に図示するようにサーモスタットカバー30は、ポンプカバーケース20の合わせ面24に対応する合わせ面31に、同軸で環状の外周壁32と幾らか高さの高い内環リブ33が立設され、同外周壁32と内環リブ33の間に円環状溝34が形成され、内環リブ33の内側に凹部35が形成されている。
【0049】
凹部35に連通するバイパス路36aが側方へ延出したバイパス管36により構成され、バイパス管36には接続管37が圧入されている。
そして合わせ面31は、外周壁32の端面と側方へ延出した延出部38,39の端面とからなり、延出部38,39に取付孔38a,39aが穿孔されている。
【0050】
外周壁32より高い内環リブ33は合わせ面31より突出しており、内環リブ33の外径はサーモスタット50のバルブ本体51の開口端面51aの内径に等しく、バルブ本体51の内周面51aに沿って嵌入可能である。
【0051】
また該内環リブ33の端縁部の所定の相対向する位置に、前記サーモスタット50のバルブ本体51に周設されるOリング58の径を幅とする切欠き33a,33aが一対形成されている。
【0052】
切欠き33a,33aの深さは内環リブ33の合わせ面31からの突出量に略等しく、円形に切欠かれた切欠き33a,33aの底部は合わせ面31と略同じ高さ位置にある(図7参照)。
【0053】
該内環リブ33と外周壁32の間の円環状溝34には環状のラバーシール40が嵌合される。
該ラバーシール40は、図8および図9に図示するような形状をしている。
【0054】
すなわちラバーシール40は、断面が矩形の環状体であり、一方の側面の内縁部と外縁部に突条41,42が形成され、他方の側面の外縁部に突条43が形成されている。
なお前記突条41,42,43に沿って僅かな溝条が形成されている。
【0055】
かかるラバーシール40は、サーモスタットカバー30の円環状溝34に嵌合され、サーモスタット50が嵌挿されたポンプカバーケース20のサーモスタット室25を覆うようにサーモスタットカバー30を合せると、サーモスタットカバー30の合わせ面31より突出した内環リブ33がサーモスタット50のバルブ本体51の開口端の内周面に沿って嵌入してサーモスタット50の中心位置決めを簡単な構造で行うことができる。
【0056】
バルブ本体51に周設されたOリング58がバルブ本体51の開口端を直径方向に架渡されているが、内環リブ33がバルブ本体51の開口端に嵌入する際に内環リブ33の端縁部に形成された一対の切欠き33a,33aにOリング58が挿入されてOリング58に妨げられずに内環リブ33を嵌入することができる。
【0057】
そしてラバーシール40がサーモスタット室25周縁の合わせ面24とサーモスタット50のバルブ本体21の開口端面21aとに跨って圧接され、バルブ本体21の内空間60を外空間からシールする。
【0058】
内環リブ33がサーモスタット50のバルブ本体51の開口端に嵌入してサーモスタット50の中心位置決めを正確かつ確実に行うので、バルブ本体21のずれは確実に防止され、シール性の向上を図ることができる。
【0059】
こうしてポンプカバーケース20にサーモスタットカバー30を合せ、2本のボルト80,80をサーモスタットカバー30の取付孔38a,39aに貫通し、ポンプカバーケース20のねじ穴24a,24aに螺着することでポンプカバーケース20にサーモスタットカバー30を取付けサーモスタット50を埋設する。
【0060】
前記したようにバルブ本体51の外周に周設されたOリング58は、サーモスタット室25の内周面25aおよび半球面25bに圧接され、かつバルブ本体21の開口端面21aとラバーシール40に挟まれるので、サーモスタット室25の内周面25aとバルブ本体51と隙間を入口開口52側と出口開口53側とに完全に仕切ってシールしている。
【0061】
そしてラバーシール40が、バルブ本体21の内空間60を外空間であるサーモスタット室25のサーモスタット50との隙間空間から仕切ってシールしている。
【0062】
図1に示すようにウォータポンプ5から吐出する冷却液は内燃機関Eに流入し、内燃機関Eから流出した冷却液はラジエータRに向かいラジエータRからポンプカバーケース20の冷却液吸入路26を通ってサーモスタット50の入口開口52に至る流れと、バイパス路36aを通ってサーモスタット50の内空間60に至る流れとがある。
【0063】
内燃機関Eの始動開始直後には、暖機運転前の低温の冷却液が冷却系を循環し、サーモスタット50では弁体61およびワックスケース62を介してワックス64に冷却液の低温が伝播して図1および図15に示すように弁体61が入口開口52,出口開口53を閉じ、バイパス用開口54を開いた状態にある。
【0064】
したがってウォータポンプ5から吐出し内燃機関Eを循環し温められた冷却液は、図15に示すようにバイパス路36aを通ってサーモスタット50の内空間60からバイパス用開口54を抜けウォータポンプ5に吸入されるバイパス循環経路を流れる。
【0065】
そのため、冷却液は、ラジエータRを通らずに内燃機関Eのみを循環するので、内燃機関Eの暖機を迅速に行うことができる。
【0066】
そして、時間経過とともに循環する冷却液の温度は上昇し、サーモスタット50のワックスケース62内のワックス64は熱膨張して体積を増し、これに伴ってピストン68を小径円筒部61aから突出させようとし、その反作用で弁体61がスプリング70に抗して移動し、図16に示すように入口開口52と出口開口53を開き連通すると同時にバイパス用開口54は閉じる。
【0067】
したがって通常運転に入ると、ウォータポンプ5から吐出し内燃機関Eを循環し温められた冷却液は、ラジエータRに向かいラジエータRで冷やされて流出しサーモスタット50の連通した入口開口52と出口開口53を通ってウォータポンプ5に吸入される循環経路を流れ、内燃機関Eの冷却が行われる。
【0068】
暖機運転中でバイパス路36aを通って内燃機関Eのみを循環する冷却液の循環経路が形成されているときに、サーモスタット50のラバーシール40によるシールが完全でないと、ラジエータR経由の冷やされた冷却液がサーモスタット50のバルブ本体51の外側から内側の内空間60にリークして内燃機関Eを循環する冷却液に混じり冷却液の温度上昇が妨げられ、暖機時間が長くなることがあるが、本実施の形態におけるサーモスタット50の取付構造ではサーモスタットカバー30の内環リブ33がサーモスタット50のバルブ本体51の開口端の内周面に沿って嵌入してサーモスタット50の位置決めを正確かつ確実に行い高いシール性が確保されているので、ラジエータR経由の冷却液が内燃機関循環流路にリークすることを略完全に防止しており、暖機時間が長くなるようなことは回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施の形態に係る内燃機関の冷却系に適用された埋設式のサーモスタットの取付構造と内燃機関の一部を示す断面図である。
【図2】ポンプカバーケースの側面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿って切断した断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿って切断した断面図である。
【図5】サーモスタットカバーの側面図である。
【図6】同裏面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿って切断した断面図である。
【図8】ラバーシールの平面図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿って切断した断面図である。
【図10】サーモスタットの正面図である。
【図11】同側面図である。
【図12】同上面図である。
【図13】同下面図である。
【図14】図11のXIV−XIV線に沿って切断した断面図である。
【図15】低温時のサーモスタットの状態における取付構造を示す拡大断面図である。
【図16】高温時のサーモスタットの状態における取付構造を示す拡大断面図である。
【図17】従来のサーモスタットの取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
E…内燃機関、R…ラジエータ、
1…シリンダヘッド、2…カム軸、3…従動スプロケット、4…タイミングチェーン、5…ウォータポンプ、6…ポンプボデイケース、7…回転軸、8…従動マグネット、9…インペラ、10…円筒支持部材、11…駆動マグネット、
20…ポンプカバーケース、21…スクロール室、22…円環状リブ、23…軸受部、24…合わせ面、25…サーモスタット室、26…冷却液吸入路、27…吸入接続管、28…吐出接続管、29…冷却液吐出路、
30…サーモスタットカバー、31…合わせ面、32…外周壁、33…内環リブ、34…円環状溝、35…凹部、36…バイパス管、36a…バイパス路、37…接続管、38,39…延出部、
40…ラバーシール、41,42,43…突条、
50…サーモスタット、51…バルブ本体、52…入口開口、53…出口開口、54…バイパス用開口、55…有底円筒部、56…リブ、57…溝条、58…Oリング、59…突条、60…内空間、61…弁体、62…ワックスケース、63…ダイヤフラム、64…ワックス、65…半流動体、66…ラバーピストン、67…バックアッププレート、68…ピストン、69…Cリング、70…スプリング、
80…ボルト。
Claims (1)
- 冷却液通路が形成されたケーシングに前記冷却液通路を横切って埋設穴が形成され、
筒状バルブ本体の周壁に穿孔された入口開口と出口開口を弁体が進退して連通・遮断するサーモスタットが前記両開口を前記冷却液通路に対向させて前記埋設穴に嵌挿され、
カバー部材の円環状溝に嵌合支持された環状のラバーシールを介装して該カバー部材が前記埋設穴を覆うとともに前記サーモスタットを固定するサーモスタットの取付構造において、
前記カバー部材側に前記サーモスタットを位置決めする位置決め構造を備え、
前記位置決め構造は、前記円環状溝の内周壁が突出して形成された内環リブが前記バルブ本体に周設されるOリングを避ける切欠きを端縁部に備えて前記筒状バルブ本体の開口端部の内周面に沿って嵌入することで前記筒状バルブ本体の開口端部を嵌合支持して前記サーモスタットを位置決めし、
前記ラバーシールが前記筒状バルブ本体の開口端面と前記ケーシングの合わせ面とに跨って圧接されることを特徴とするサーモスタットの取付構造。
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