JP4177984B2 - Sealing material - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体デバイスなどの製造装置において、Oリングや周辺シール材などの真空シール用として使用される封止材に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
例えば半導体デバイスなどの製造装置のうち真空装置において、チャンバ内の真空度を維持したり、あるいは真空装置やその他の装置においてチャンバ内の雰囲気を外部から遮断したりする真空シール用として、Oリングや周辺シール材などの封止材が使用される。
かかる封止材としては、装置の使用温度が高温になる場合や、あるいは低温プラズマやエッチングガスなどの、装置内の特殊な雰囲気にさらされる場合などを想定して、例えばニトリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの、耐熱性や上記の特殊な雰囲気に対する耐性などにある程度、すぐれていると考えられているゴムにて形成したものが使用される。
【0003】
しかし、これらのゴムからなる封止材では、より高度でかつ過酷な環境に対する耐性が求められる傾向にある半導体デバイスなどの製造装置の封止材として、性能的に満足できなくなりつつあるのが現状である。
例えば従来のゴムからなる封止材は、とくに200℃以上の高温に長時間にわたってさらされることで表面が粘着性を生じて、
(A) 例えばチャンバなどの封止では、チャンバを開く際に、自身の粘着力によって封止材が所定の位置から外れるなどして作業性が低下したり、あるいはチャンバを開いて封止材を露出させた際に、当該封止材に微小な塵芥などが付着するとそれを取り除くのが困難になったりする、
(B) 摺動部分の封止などでは、封止を維持した状態での摺動が容易でなくなる、
といった問題を生じるおそれがある。
【0004】
また上記の封止材は、例えば酸素プラズマなどの分解性の雰囲気に対する耐性が不十分であり、かかる過酷な雰囲気に長時間にわたってさらされると分解反応して、重量が著しく減少するおそれもある。
このため、とくに上記のような過酷な条件下では封止材の耐用寿命が短くなってしまい、確実な封止を維持するためには封止材を頻繁に交換しなければならないという問題を生じる。
【0005】
本発明の目的は、その表面が非粘着性に優れるとともに、これまでよりもさらに過酷な雰囲気に対する耐性にも優れており、耐用寿命の長い新規な封止材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するため、発明者は、
(1) 前記従来のゴムの中でも耐熱性や特殊な雰囲気に対する耐性に優れる上、半導体を汚染する原因となる金属や、あるいは導体回路を変質させるおそれのある硫黄などを含まないため半導体デバイスなどの製造装置の封止用として好適と考えられるフッ素ゴム、すなわち架橋性を有する含フッ素エラストマーにて、通常の、未被覆の封止材に相当する封止材基体を形成するとともに、
(2) 当該封止材基体の表面の一部または全面を、耐熱性や特殊な雰囲気に対する耐性に優れるとともに、表面エネルギーが小さいため非粘着性に優れ、しかも金属等の不純物の少ない被膜で被覆することを検討した。
【0007】
そして種々の被膜の中から、上記の特性に優れるとともに、下地である封止材基体との密着性に優れ、しかも封止材基体が柔軟なゴムであるためこれに柔軟に追従して、簡単に剥落したりせずに上記の特性を維持しうる被膜を得るべくさらに検討した。その結果、炭素原子がダイヤモンド構造をとり、炭素−炭素間がsp3混成軌道によって結合されたダイヤモンドライクカーボンの構造によれば、これら全ての特性を満足しうる被膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
したがって本発明の封止材は、真空シール用であって、架橋可能な含フッ素エラストマーとしての、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの3元共重合体と、当該含フッ素エラストマーを架橋させるための架橋剤としての、多価アリル化合物および有機過酸化物とを含有し、かつ補強材としてポリイミド系樹脂粉末を分散させた組成物を成形するとともに架橋反応させて形成した封止材基体の表面の少なくとも一部を、膜厚が0.1〜1μmのダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜によって被覆したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を説明する。
本発明の封止材は、上記のように含フッ素エラストマーからなる封止材基体の表面の一部または全面を、DLC膜によって被覆したものである。
かかる本発明の封止材は、前述したように半導体デバイスの製造装置などにおいて、真空シール用として用いられるものであって、その封止性能を規定するリークレートが10−6Pa・m3/s以下であるのが好ましい。リークレートが10−6Pa・m3/sを超えるものは、とくに高真空ないし超高真空の真空装置に使用することができない。リークレートを上記の範囲に調整するには、以下に述べるようにDLC膜の膜厚などを調整すればよい。
【0010】
〔DLC膜〕
DLC膜は、封止材の形状や構造、あるいは封止材を組み込む装置における封止の状態等に応じて、封止材基体のうち、例えば封止時に前記の雰囲気にさらされる部分や、あるいは粘着を生じては問題となる部分など、その表面の一部に選択的に形成してもよいし、封止材基体の表面の全面に形成してもよい。
DLC膜は、プラズマCVD法、イオンプレーティング法などの、従来公知の種々の気相成長法によって成膜することができる。
【0011】
その際、前述したように下地である封止材基体との密着性に優れ、しかも封止材基体が柔軟なゴムであるためこれに柔軟に追従して、簡単に剥落したりせずに、非粘着性や過酷な環境に対する耐性を維持しうるDLC膜を形成するためには、例えば下記いずれかの対策の1種または2種以上を施すことが好ましい。
(1) 封止材基体の表面をフッ素含有ガス、水素含有ガス、および酸素含有ガスのうちの少なくとも1種のガスの低温プラズマにさらしたのち、DLC膜を気相成長させる。
【0012】
(2) 封止材基体の表面に紫外線および/または電子線を照射して表面に未結合炭素原子を生成したのち、DLC膜を気相成長させる。
(3) 紫外線および/または電子線を照射した後の表面をフッ素含有ガス、水素含有ガス、および酸素含有ガスのうちの少なくとも1種のガスの低温プラズマにさらしたのち、DLC膜を気相成長させる。
(4) とくにプラズマCVD法において使用する成膜ガスとして、C6H6などの、より炭素数の大きい炭化水素化合物のガスを用いる。
【0013】
(5) 封止材基体を冷却して温度上昇を抑えながら、DLC膜を気相成長させる。
これらの対策を施すことにより、前述したように下地である封止材基体との密着性に優れ、しかも封止材基体に柔軟に追従して、簡単に剥落したりせずに、非粘着性や過酷な環境に対する耐性を維持しうるDLC膜が形成される。
その理由は明らかでないが、発明者は、
(a) 上記(4)のように成膜材料を選択し、かつ(5)のように封止材基体の表面温度を、均一な膜成長に適した温度より低めに抑えることで、DLC膜を、剛直な1枚ものの膜でなく、例えば膜の微小片が多数、タイル状に敷き詰められたり、あるいはうろこ状に折り重なったりした柔軟な構造に形成できること、
(b) 前記(1)〜(3)の前処理を行い、かつ(5)のように封止材基体を熱から保護することで、封止材基体と、DLC膜を形成する上記微小片とを強固に結合できること、
などを考えている〔特開平9−95784号公報、特開平10−53870号公報等参照〕。
【0014】
DLC膜の膜厚は、封止材を真空装置の真空シール用として使用した際に、リークレートを前記の範囲内に抑えるために、1μm以下である必要がある。
またDLC膜を形成したことによる、前述した効果を十分に発揮させるために、DLC膜の膜厚は、0.1μm以上である必要がある。
〔封止材基体〕
封止材基体は、架橋可能な含フッ素エラストマーを含む組成物を所定の形状に成形するとともに、加熱して架橋反応させることで形成される。架橋反応は1段階の加熱で行うこともできるし、異なった温度で2段階以上の多段階に分けて行うこともできる。
【0015】
(含フッ素エラストマー)
封止材基体のもとになる含フッ素エラストマーとしては、第1群として、エラストマーの主鎖を構成するためのテトラフルオロエチレン(TFE)、およびフッ化ビニリデン(VDF)と、第2群として、上記主鎖に架橋点を導入するためのパーフルオロアルキルビニルエーテル(PFVE、具体例としてはパーフルオロメチルビニルエーテルなど)とを共重合させた3元共重合体が用いられる。
【0016】
前記VDFとTFEとPFVEとの3元共重合体は、金属や硫黄などを含まない、多価アリル化合物と有機過酸化物との併用系の架橋剤によって架橋することが可能である上、後述する補強剤としての樹脂粉末などの混合、分散性にすぐれ、かつ安価で、しかも低温特性にもすぐれている。
【0017】
なお上記の3元共重合体は、前記例示の第1群および第2群のモノマーを実際に共重合させて形成してもよいし、あらかじめ形成した主鎖に、後処理によって側鎖などを導入することで、実質的に上記3元共重合体に相当する構造を形成してもよい。
【0018】
(架橋剤)
上記含フッ素エラストマーを架橋させるための架橋剤としては、前記のように多価アリル化合物と有機過酸化物とが併用される。かかる併用系の架橋剤は、先に述べたように金属や硫黄などを含まないという利点がある上、より硬い封止材を形成できるという利点もある。
上記のうち多価アリル化合物としては、例えばトリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルフタレートなどがあげられ、とくにトリアリルイソシアヌレートが好適に使用される。
【0019】
また有機過酸化物としては、例えば
ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;ジ−α−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン、1,3−ビス−〔(t−ブチルジオキシ)イソプロピルベンゼン〕、1,4−ビス−〔(t−ブチルジオキシ)イソプロピルベンゼン〕、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類;
2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどのアルキルパーエステル類;
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンなどのパーオキシケタール類;
OO−t−ブチル−O−イソプロピルパーオキシカーボネートなどのパーオキシカーボネート類;
などがあげられ、とくにジアルキルパーオキサイド類、およびアルキルパーエステル類が好適に使用される。
【0020】
架橋剤のうち多価アリル化合物の配合割合は、含フッ素エラストマー100重量部に対して2〜10重量部であるのが好ましく、3〜7重量部であるのがさらに好ましい。また有機過酸化物の配合割合は、含フッ素エラストマー100重量部に対して0.5〜5重量部であるのが好ましく、1〜3重量部であるのがさらに好ましい。
(補強剤)
封止材基体は、組成物中に分散させた補強剤によって補強される。
【0021】
補強剤としてはポリイミド系樹脂粉末が用いられる。
【0022】
ポリイミド系樹脂粉末は、
(a) その耐熱温度が200℃以上という高い耐熱性を有する上、低温プラズマやエッチングガスなどの、半導体デバイスの製造装置内で起こりうる種々の特殊な雰囲気に対する耐性にすぐれており、しかも金属や硫黄などを含まないこと、
(b) 含フッ素エラストマーとの親和性にすぐれる上、含フッ素エラストマーを補強する効果にすぐれているため、他の樹脂粉末よりも少量の添加で、所定の硬度を有する封止材を形成できること、
(c) したがって、所定の硬度を有する封止材を形成するために必要な量のポリイミド系樹脂粉末を、封止材用組成物中に均一に分散させるのが容易であり、封止材を、1つの封止材内、あるいは2つ以上の封止材間での物性のばらつきを生じることなしに形成できること、
(d) ポリイミド系樹脂粉末の量を少なくできる分、同じ硬度での圧縮永久ひずみ率を小さくして、使用時の圧縮によって永久変形しにくく耐用寿命の長い補強材を形成できること、
といった利点を有している。
【0023】
ポリイミド系樹脂粉末としては、分子内に繰り返し構造単位としてイミド基を含み、ポリイミド系樹脂と総称される種々の樹脂の粉末が、何れも使用可能である。
すなわちイミド基以外の部分の構造や、それによってもたらされる特性の違いによって分類される、全芳香族ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱硬化性ビスマレイミド型ポリイミド樹脂、および熱硬化性芳香族ポリイミド樹脂のうちの少なくとも1種からなる粉末が、ポリイミド系樹脂粉末として使用可能である。
【0024】
中でもとくに、粉末の製造のしやすさや入手のしやすさなどを考慮すると、熱可塑性ポリイミド樹脂の粉末が好適に使用される。
ポリイミド系樹脂粉末の粒径は、より少量の添加でより高い補強効果を得ることと、圧縮永久ひずみ率が大きくなって、使用時の圧縮によって永久変形しやすくなるのを防止することとを考慮すると、平均粒径で表して100μm以下であるのが好ましく、10μm以下であるのがさらに好ましい。但し、平均粒径があまりに小さいものは製造が困難である上、凝集しやすくなって、封止材用組成物中に均一に分散させるのが容易でなくなるおそれがある。したがって、ポリイミド系樹脂粉末の平均粒径は1μm以上であるのが好ましく、3μm以上であるのがさらに好ましい。
【0025】
またポリイミド系樹脂粉末の充てん率(架橋剤などを含めた組成物の全量に占める重量%)は、1〜35重量%であるのが好ましい。
充てん率が1重量%未満では、当該ポリイミド系樹脂粉末を添加したことによる補強効果が十分に得られないため、必要な硬度を有する封止材を形成できないおそれがある。また逆に、充てん率が35重量%を超えた場合には、封止材の硬度が高くなりすぎる上、圧縮永久ひずみ率が大きくなりすぎて、使用時の圧縮によって永久変形しやすくなる。
【0026】
なお、封止材としてより適切な硬度を有し、しかも使用時の圧縮によってさらに永久変形しにくい封止材を形成することを考慮すると、ポリイミド系樹脂粉末の充てん率は、上記の範囲内でもとくに10〜35重量%であるのが好ましい。
またポリイミド系樹脂粉末とともに、他の樹脂粉末を併用してもよい。
併用してもよい他の樹脂粉末としては、耐熱性や前記特殊な特殊な雰囲気に対する耐性にすぐれ、かつ金属や硫黄を含まない封止材を形成することを考慮すると、フッ素系樹脂粉末があげられる。フッ素系樹脂粉末としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素系樹脂からなる粉末があげられる。
【0027】
(その他の成分)
封止材基体を形成するための組成物には、上記の各成分に加えて、さらに必要に応じて、軟化剤、可塑剤、粘着付与剤などの加工助剤を配合することもできる。
加工助剤としては、とくに耐熱性や前記特殊な特殊な雰囲気に対する耐性にすぐれ、かつ金属や硫黄を含まない封止材を形成することを考慮すると、液状フッ素ゴムが好ましい。液状フッ素ゴムとしては、前記と同様の2元あるいは3元共重合体からなり、なおかつ100℃での粘度が500〜3000cps程度の液状のフッ素ゴムがあげられる。
【0028】
〔封止材〕
封止材基体の表面の一部または全面をDLC膜で被覆した本発明の封止材の具体例としては、Oリング、角リング、異径リング、シールパッキンなどがあげられる。
本発明の封止材は、前述した半導体デバイスなどの製造装置に好適に使用される。
【0029】
かかる製造装置としては、例えば薄膜形成装置(スパッタリング装置、CVD装置、真空蒸着装置、イオンプレーティング装置)、エピタキシャル成長装置、酸化装置(熱酸化装置、ブラズマ陽極酸化装置)、ドーピング装置(レーザドーピング装置、プラズマドービング装置、イオン注入装置、熱拡散装置)、アニール装置(レーザアニール装置、電子ビームアニール装置、赤外線アニール装置、電気炉アニール装置)、レジスト処理装置(塗布装置、現像装置、ベーキング装置、レジスト剥離装置)、露光装置(X線露光装置、光露光装置、SR露光装置、電子ビーム露光装置、両面露光装置)、エッチング装置(ウエットエッチング装置、ドライエッチング装置)、洗浄乾燥装置(湿式洗浄装置、乾式洗浄装置、乾燥装置)、検査装置(テスティング装置、ハンドリング装置、レーザリペア装置、エージング装置、信頼性検査装置)などがあげられる。
【0030】
【実施例】
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1〜3
(封止材基体の作製)
架橋可能な含フッ素エラストマーとしての、VDFとTFEとPFVEとの3元共重合体〔ダイキン工業(株)製の商品名ダイエルLT−302〕100重量部、多価アリル化合物としてのトリアリルイソシアヌレート(TAIC)6重量部、有機過酸化物としてのジ−t−ブチルパーオキサイド(DBPO)2.5重量部、および補強剤としての平均粒径6μmのポリイミド系樹脂粉末〔三井化学(株)製の商品名オーラム〕20重量部を配合し、ロールミルを用いてシート状の未架橋ゴムコンパウンドを作製した。未架橋ゴムコンパウンドにおける、ポリイミド系樹脂粉末の充てん率は16重量%であった。
【0031】
(成分) (重量部)
含フッ素エラストマー 100
トリアリルイソシアヌレート 6
ジ−t−ブチルパーオキサイド 2.5
ポリイミド系樹脂粉末(6μm) 20
次にこの未加硫ゴムコンパウンドを、Oリング(型番P20)の形状に対応した加硫型内に充てんし、熱プレスによって加圧下で加熱して架橋反応させ、さらにノーマルオーブン中で加熱して2次架橋させたのち、表面を研磨して、上記Oリング(型番P20)の形状を有する封止材基体を作製した。熱プレスの条件は160℃、10分間とした。また2次架橋の条件は200℃、4時間とした。
【0032】
(DLC膜の形成)
上記封止材基体を、プラズマCVD装置の真空チャンバ内の保持具にセットして真空引きした。なお保持具には冷却装置を組み込んで、封止材基体の温度が常に80℃以下となるように冷却した。そして10-5Paの到達真空度まで達した段階で、水素含有ガスを導入して低温プラズマを発生させて、封止材基体の表面をこの低温プラズマにさらす前処理を行った。
【0033】
次に前処理用のガスの供給を停止して、再び10-5Paの到達真空度まで達した段階で、チャンバ内に、成膜ガスとしてベンゼン(C6H6)の導入を開始した。ベンゼンの導入によるチャンバ内の真空度は5Paとした。
次にこの状態のチャンバ内に、1kWの高周波電圧(周波数13.56MHz)を導入して低温プラズマを発生させて、前処理された封止材基体の表面に、プラズマCVD法によって、DLC膜を気相成長させた。この際のバイアスは、セルフバイアスで−100Vとした。また封止材基体の温度は前記のように80℃以下とした。
【0034】
そして上記の気相成長により、封止材基体の表面に膜厚0.1μm(実施例1)、0.5μm(実施例2)および1μm(実施例3)のDLC膜を形成して、封止材を製造した。
比較例1〜3
プラズマCVD法によるDLC膜の形成条件のうち、封止材基体の温度を150℃とし、かつ成膜ガスとしてメタン(CH4)を用いたこと以外は実施例1〜3と同様にして封止材を製造した。
【0035】
従来例1
DLC膜を形成していない封止材基体を、従来例1の封止材とした。
上記各実施例、比較例、従来例で製造した封止材について、下記の各試験を行って、その特性を評価した。
リークレートの測定
実施例、比較例、従来例の封止材のリークレートを、リークデテクタ〔アネルバ(株)製の商品名HELEN A−210M−LD〕を用いて測定した。具体的には、図1に示すようにリークデテクタLのポート部L1を、試料としての封止材10を挟んで蓋体L2で閉じ、クランプL3によって挟んで固定した状態で、排気系L4を動作させて、図中白矢印で示すように真空排気した際の、真空ゲージL5が表示した真空度をもとにして、リークレートを算出した。
【0036】
結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
表より、比較例1〜3の封止材はいずれも、実施例1〜3および従来例1に比べてリークレートが著しく大きく、このことから真空装置の封止用としては適さないことが確認された。
この理由としては、実施例1〜3におけるDLC膜が、前記のように封基材基体に対して強固に密着した柔軟な膜であるのに対し、比較例1〜3におけるDLC膜は剛直な1枚ものの膜であって、それがリークレート測定のために封止材を変形させた際に大きなクラックを生じたり剥落したりしたことが考えられた。そこで以下の試験は実施例、従来例についてのみ行った。
【0039】
粘着力測定
実施例、従来例の封止材を、それぞれ長さ10mmにカットして試料を作製した。
次にこの試料1を、図2(a)に黒矢印で示すように、一対のステンレス鋼SUS304製のブロック2、3のうち下側のブロック3に形成した凹部31に嵌合したのち、同図中に白矢印で示すように上側のブロック2を閉じて、図2(b)に示すように両ブロック2、3を完全に密着させた状態とした。
【0040】
なお凹部31の幅および深さは、それぞれ図2(b)に示す状態において、試料1が径方向に25%圧縮されるように設定した。
次に、上記図2(b)の状態の両ブロック2、3と試料1とを、200℃に加熱したオーブン中で70時間、加熱したのちオーブンから取り出して4時間、放冷させた。
そして図2(b)に白矢印で示すように、両ブロック2、3をその合わせ面と直交する方向に開く際に生じた抵抗力を、オートグラフを用いて測定して、試料に生じた粘着力とした。
【0041】
抵抗力の測定は、両ブロック2、3の開き速度であるC.H.S.を5mm/minとして行った。
また試料の作製、加熱処理および測定は、各実施例、比較例および従来例について、それぞれ3回ずつ行い、測定結果の平均値を求めた。
そして従来例における測定結果の平均値を粘着力の基準値(=1)として、各実施例における粘着力の比を求めた。
【0042】
重量減少量の測定
各実施例、従来例で製造した封止材の重量を測定したのち、真空チャンバ内の保持具にセットして真空引きした。そして10-5Paの到達真空度まで達した段階で、チャンバ内に酸素の導入を開始した。酸素の導入流量は16sccm、チャンバ内の真空度は0.4Paとした。
次にこの状態のチャンバ内に、200Wの高周波電圧(周波数13.56MHz)を導入して酸素の低温プラズマ(酸素プラズマ)を発生させて、封止材を、2時間にわたってこの低温プラズマにさらしたのち、チャンバ内から取り出して再び重量を測定した。
【0043】
そして、低温プラズマにさらす前の重量から、低温プラズマにさらした後の重量を減算して重量の減少量を求め、従来例における減少量を基準値(=1)として、各実施例における減少量の比を求めた。
以上の結果を表2にまとめた。
【0044】
【表2】
【0045】
表より、各実施例の封止材は、DLC膜を形成しなかった従来例1の封止材に比べて粘着力比、減少量比をともに小さくできることがわかった。
また各実施例を比較すると、DLC膜の膜厚を0.1〜1μmの範囲内、とくに0.5〜1μmの範囲内とすることで、粘着力比、減少量比がさらに小さく、しかもリークレートも十分に小さい、真空装置用として適した封止材を形成できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】封止材としてのOリングのリークレートを測定するための、装置の構成を説明する概略図である。
【図2】同図(a)(b)は、封止材としてのOリングの粘着力を測定するために用いたブロックの正面図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a sealing material used for vacuum sealing such as an O-ring and a peripheral sealing material in a manufacturing apparatus such as a semiconductor device.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
For example, in a vacuum apparatus in a manufacturing apparatus such as a semiconductor device, an O-ring or the like is used for a vacuum seal that maintains the degree of vacuum in a chamber or shuts off the atmosphere in the chamber from the outside in a vacuum apparatus or other apparatus. A sealing material such as a peripheral sealing material is used.
As such a sealing material, for example, nitrile rubber, silicone rubber, etc., assuming that the operating temperature of the apparatus is high, or exposed to a special atmosphere in the apparatus, such as low-temperature plasma or etching gas. A material made of rubber such as fluoro rubber, which is considered to be excellent to some extent in heat resistance and resistance to the special atmosphere described above, is used.
[0003]
However, the sealing materials made of these rubbers are becoming increasingly unsatisfactory in terms of performance as sealing materials for manufacturing devices such as semiconductor devices, which tend to require resistance to more sophisticated and harsh environments. It is.
For example, the sealing material made of conventional rubber is particularly sticky on the surface when exposed to a high temperature of 200 ° C. or more for a long time,
(A) For example, when sealing a chamber or the like, when the chamber is opened, the sealing material may be removed from a predetermined position due to its own adhesive force, or workability may be deteriorated, or the chamber may be opened to remove the sealing material. When it is exposed, it becomes difficult to remove the dust if it adheres to the sealing material.
(B) When sealing the sliding part, sliding with the sealed state is not easy.
May cause problems.
[0004]
In addition, the sealing material described above has insufficient resistance to a decomposable atmosphere such as oxygen plasma, and when exposed to such a harsh atmosphere for a long period of time, there is a possibility that the weight may be significantly reduced.
For this reason, the service life of the sealing material is shortened especially under the severe conditions as described above, and the problem arises that the sealing material must be frequently replaced in order to maintain a reliable sealing. .
[0005]
An object of the present invention is to provide a novel encapsulant that has a non-adhesive surface and excellent resistance to a harsher atmosphere than before, and has a long service life.
[0006]
[Means for Solving the Problems and Effects of the Invention]
In order to solve the above problems, the inventor
(1) Among the above-mentioned conventional rubbers, it has excellent heat resistance and resistance to special atmospheres, and does not contain metals that cause contamination of semiconductors or sulfur that may alter conductor circuits. While forming a sealing material base corresponding to a normal, uncoated sealing material with fluororubber, which is considered to be suitable for sealing of a manufacturing apparatus, that is, a fluorine-containing elastomer having crosslinkability,
(2) Cover part or all of the surface of the sealing material substrate with a film that is excellent in heat resistance and special atmosphere resistance, is non-adhesive because of its low surface energy, and has few impurities such as metals. Considered to do.
[0007]
From various coatings, the above properties are excellent, and the adhesion to the base material of the sealing material is excellent. Moreover, since the sealing material base is a flexible rubber, it is easy to follow this easily. Further studies were made to obtain a film that could maintain the above characteristics without peeling off. As a result, it has been found that according to the structure of diamond-like carbon in which carbon atoms have a diamond structure and carbon-carbon bonds are bonded by sp 3 hybrid orbitals, it is possible to form a film satisfying all these characteristics. It came to complete.
[0008]
Therefore, the sealing material of the present invention is for vacuum sealing, and as a crosslinkable fluorine-containing elastomer , a terpolymer of vinylidene fluoride, tetrafluoroethylene and perfluoroalkyl vinyl ether, and the fluorine-containing elastomer. A seal formed by molding a composition containing a polyvalent allyl compound and an organic peroxide as a cross-linking agent for cross-linking and dispersing a polyimide-based resin powder as a reinforcing material and cross-linking the composition. At least a part of the surface of the material substrate is covered with a diamond-like carbon (DLC) film having a thickness of 0.1 to 1 μm .
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described below.
The sealing material of the present invention is obtained by coating a part or the entire surface of a sealing material substrate made of a fluorine-containing elastomer with a DLC film as described above.
Sealant according the invention, Oite in a semiconductor device manufacturing apparatus as described above, which is used as a vacuum seal, is 10 -6 Pa · leak rate that defines the sealing performance m 3 / s or less is preferable. Those having a leak rate exceeding 10 −6 Pa · m 3 / s cannot be used particularly for high vacuum or ultra high vacuum vacuum devices. In order to adjust the leak rate within the above range, the thickness of the DLC film may be adjusted as described below.
[0010]
[DLC film]
Depending on the shape and structure of the sealing material, the sealing state in the apparatus incorporating the sealing material, etc., the DLC film is a portion of the sealing material substrate that is exposed to the atmosphere, for example, at the time of sealing, or It may be selectively formed on a part of the surface, such as a part that becomes a problem due to adhesion, or may be formed on the entire surface of the sealing material substrate.
The DLC film can be formed by various conventionally known vapor deposition methods such as a plasma CVD method and an ion plating method.
[0011]
At that time, as described above, it has excellent adhesion with the base material of the sealing material, and since the sealing material base is a flexible rubber, it follows this flexibly and does not peel off easily. In order to form a DLC film that can maintain non-adhesiveness and resistance to harsh environments, for example, it is preferable to perform one or more of the following measures.
(1) After exposing the surface of the sealing material substrate to low-temperature plasma of at least one of a fluorine-containing gas, a hydrogen-containing gas, and an oxygen-containing gas, a DLC film is grown in a vapor phase.
[0012]
(2) After irradiating the surface of the sealing material substrate with ultraviolet rays and / or electron beams to generate unbound carbon atoms on the surface, a DLC film is grown in a vapor phase.
(3) After exposing the surface after irradiation with ultraviolet rays and / or electron beams to low-temperature plasma of at least one of a fluorine-containing gas, a hydrogen-containing gas, and an oxygen-containing gas, a DLC film is vapor-grown. Let
(4) A gas of a hydrocarbon compound having a larger carbon number such as C 6 H 6 is used as a film forming gas used particularly in the plasma CVD method.
[0013]
(5) The DLC film is grown in a vapor phase while cooling the sealing material substrate and suppressing the temperature rise.
By taking these measures, as described above, it has excellent adhesion with the base material of the sealing material as the base, and it follows the sealing material base flexibly and does not peel off easily. As a result, a DLC film that can maintain resistance to a severe environment is formed.
The reason is not clear, but the inventor
(a) A DLC film is selected by selecting a film forming material as in (4) above, and suppressing the surface temperature of the sealing material substrate to be lower than a temperature suitable for uniform film growth as in (5). Can be formed into a flexible structure in which, for example, a large number of small pieces of film are laid in a tile shape or folded in a scaly shape, instead of a rigid single film.
(b) The above-mentioned micro piece forming the DLC film by performing the pretreatments (1) to (3) and protecting the sealing material substrate from heat as in (5) Can be tightly coupled with
[See JP-A-9-95784, JP-A-10-53870, etc.].
[0014]
The film thickness of the DLC film needs to be 1 μm or less in order to keep the leak rate within the above range when the sealing material is used for vacuum sealing of a vacuum device.
In addition, in order to sufficiently exhibit the above-described effects due to the formation of the DLC film, the thickness of the DLC film is set to 0 . It needs to be 1 μm or more.
[Encapsulant substrate]
The encapsulant substrate is formed by forming a composition containing a crosslinkable fluorine-containing elastomer into a predetermined shape and heating to cause a crosslinking reaction. The crosslinking reaction can be carried out by one-stage heating, or can be carried out in two or more stages at different temperatures.
[0015]
(Fluorine-containing elastomer)
As the fluorine-containing elastomer that becomes the base of the sealing material substrate, as the first group, tetrafluoroethylene (TFE) and vinylidene fluoride (VDF ) for constituting the main chain of the elastomer, and as the second group, the main chain path perfluoroalkyl vinyl ether for introducing a crosslinking point and obtained by copolymerizing terpolymer is used (PFVE, perfluoromethyl vinyl ether, etc. specific examples).
[0016]
The ternary copolymer of VDF, TFE, and PFVE can be crosslinked with a combined crosslinking agent of a polyvalent allyl compound and an organic peroxide that does not contain metal or sulfur, and will be described later. It is excellent in mixing and dispersibility of resin powder as a reinforcing agent, inexpensive, and excellent in low temperature characteristics.
[0017]
All the above terpolymer, such may be formed actually by copolymerizing monomers of the first group and the second group of the illustration, in the main chain was preformed by the post-processing side chains such as by introducing, it may form a structure corresponding to substantially above Symbol terpolymer.
[0018]
(Crosslinking agent)
As the crosslinking agent for crosslinking the fluorine-containing elastomer, a polyvalent allyl compound and an organic peroxide are used in combination as described above. Such a combined crosslinking agent has the advantage that it does not contain metal or sulfur as described above, and also has the advantage that a harder sealing material can be formed.
Among these, examples of the polyvalent allyl compound include triallyl isocyanurate, triallyl cyanurate, triallyl trimellitate, diallyl phthalate and the like, and triallyl isocyanurate is particularly preferably used.
[0019]
Examples of the organic peroxide include diacyl peroxides such as benzoyl peroxide, p-chlorobenzoyl peroxide, and bis (2,4-dichlorobenzoyl) peroxide; di-α-cumyl peroxide, 2,5- Dimethyl-2,5-bis (t-butylperoxy) hexane, 2,5-dimethyl-2,5-bis (t-butylperoxy) -3-hexyne, 1,3-bis-[(t-butyldioxy ) Isopropylbenzene], 1,4-bis-[(t-butyldioxy) isopropylbenzene], di-t-butyl peroxide, t-butyl-α-cumyl peroxide and the like;
Alkyl peresters such as 2,5-dimethyl-2,5-bis (benzoylperoxy) hexane and t-butylperoxybenzoate;
Peroxyketals such as 1,1-bis (t-butylperoxy) -3,5,5-trimethylcyclohexane;
Peroxycarbonates such as OO-t-butyl-O-isopropyl peroxycarbonate;
Dialkyl peroxides and alkyl peresters are particularly preferably used.
[0020]
The blending ratio of the polyvalent allyl compound in the cross-linking agent is preferably 2 to 10 parts by weight, more preferably 3 to 7 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the fluorine-containing elastomer. Moreover, it is preferable that the mixture ratio of an organic peroxide is 0.5-5 weight part with respect to 100 weight part of fluorine-containing elastomers, and it is still more preferable that it is 1-3 weight part.
(Reinforcing agent)
Sealant substrate, Ru is reinforced by a reinforcing material dispersed in the composition.
[0021]
The reinforcing agent polyimide resin powder is used.
[0022]
Polyimide-based resin powder,
(a) It has a high heat resistance of 200 ° C. or higher, and is excellent in resistance to various special atmospheres that can occur in a semiconductor device manufacturing apparatus, such as low-temperature plasma and etching gas. Not containing sulfur,
(b) Excellent compatibility with the fluorinated elastomer and excellent effect of reinforcing the fluorinated elastomer, so that a sealing material having a predetermined hardness can be formed with a smaller amount of addition than other resin powders. ,
(c) Therefore, it is easy to uniformly disperse the polyimide resin powder in an amount necessary for forming a sealing material having a predetermined hardness in the composition for sealing material. It can be formed without causing variations in physical properties within one sealing material or between two or more sealing materials,
(d) Since the amount of polyimide resin powder can be reduced, the compression set rate at the same hardness can be reduced, and a reinforcing material that is hard to be permanently deformed by compression during use and has a long service life can be formed.
And have a advantage.
[0023]
As the polyimide resin powder, any of various resin powders which include an imide group as a repeating structural unit in the molecule and are collectively referred to as a polyimide resin can be used.
That is, wholly aromatic polyimide resins, thermoplastic polyimide resins, thermosetting bismaleimide type polyimide resins, and thermosetting aromatic polyimide resins, which are classified according to the structure of the portion other than the imide group and the difference in properties caused thereby. The powder which consists of at least 1 sort (s) of these can be used as a polyimide resin powder.
[0024]
Among these, a thermoplastic polyimide resin powder is preferably used in consideration of ease of powder production and availability.
The particle size of the polyimide resin powder is considered to obtain a higher reinforcing effect with a smaller amount of addition, and to prevent the compression set during use from becoming easily deformed by compression during use. Then, the average particle size is preferably 100 μm or less, more preferably 10 μm or less. However, if the average particle size is too small, it is difficult to produce and it tends to agglomerate, making it difficult to uniformly disperse it in the composition for sealing material. Therefore, the average particle size of the polyimide resin powder is preferably 1 μm or more, and more preferably 3 μm or more.
[0025]
Moreover, it is preferable that the filling rate (weight% which occupies for the whole quantity of the composition containing a crosslinking agent etc.) of a polyimide resin powder is 1-35 weight%.
When the filling rate is less than 1% by weight, the reinforcing effect due to the addition of the polyimide resin powder cannot be sufficiently obtained, and thus there is a possibility that a sealing material having a required hardness cannot be formed. On the other hand, when the filling rate exceeds 35% by weight, the hardness of the sealing material becomes too high, and the compression set rate becomes too large, so that it is easily deformed by compression during use.
[0026]
In consideration of forming a sealing material that has a more appropriate hardness as a sealing material and that is not easily permanently deformed by compression during use, the filling rate of the polyimide resin powder is within the above range. In particular, it is preferably 10 to 35% by weight.
In addition to the polyimide resin powder, another resin powder may be used in combination.
As other resin powders that may be used in combination, fluorine resin powders are considered in consideration of forming a sealing material that is excellent in heat resistance and resistance to the special special atmosphere and does not contain metal or sulfur. It is done. Examples of the fluorine resin powder include polytetrafluoroethylene (PTFE), tetrafluoroethylene-hexafluoropropylene copolymer (FEP), tetrafluoroethylene-perfluoroalkyl vinyl ether copolymer (PFA), and ethylene-tetrafluoroethylene. Examples thereof include powders made of a fluorine resin such as a copolymer (ETFE), an ethylene-chlorotrifluoroethylene copolymer (ECTFE), polyvinylidene fluoride (PVDF), and polyvinyl fluoride (PVF).
[0027]
(Other ingredients)
In addition to the above components, the composition for forming the encapsulant substrate may further contain a processing aid such as a softening agent, a plasticizer, or a tackifier, if necessary.
As the processing aid, liquid fluororubber is preferable in view of forming a sealing material which is excellent in heat resistance and resistance to the special special atmosphere and does not contain metal or sulfur. Examples of the liquid fluororubber include a liquid fluororubber having the same binary or ternary copolymer as described above and having a viscosity at 100 ° C. of about 500 to 3000 cps.
[0028]
[Encapsulant]
Specific examples of the sealing material of the present invention in which a part or the entire surface of the sealing material substrate is covered with a DLC film include an O-ring, a square ring, a different diameter ring, and a seal packing.
The sealing material of this invention is used suitably for manufacturing apparatuses, such as a semiconductor device mentioned above.
[0029]
As such a manufacturing apparatus, for example, a thin film forming apparatus (sputtering apparatus, CVD apparatus, vacuum deposition apparatus, ion plating apparatus), epitaxial growth apparatus, oxidation apparatus (thermal oxidation apparatus, plasma anodization apparatus), doping apparatus (laser doping apparatus, Plasma doving equipment, ion implantation equipment, thermal diffusion equipment), annealing equipment (laser annealing equipment, electron beam annealing equipment, infrared annealing equipment, electric furnace annealing equipment), resist processing equipment (coating equipment, developing equipment, baking equipment, resist) Peeling device), exposure device (X-ray exposure device, light exposure device, SR exposure device, electron beam exposure device, double-side exposure device), etching device (wet etching device, dry etching device), cleaning / drying device (wet cleaning device, Dry cleaning equipment, drying equipment), inspection equipment Testing equipment, handling equipment, laser repair equipment, aging equipment, reliable test equipment), and the like.
[0030]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described based on examples and comparative examples.
Examples 1-3
(Preparation of encapsulant substrate)
100 parts by weight of a terpolymer of VDF, TFE and PFVE [trade name Daiel LT-302 manufactured by Daikin Industries, Ltd.] as a crosslinkable fluorine-containing elastomer, triallyl isocyanurate as a polyvalent allyl compound (TAIC) 6 parts by weight, di-t-butyl peroxide (DBPO) 2.5 parts by weight as an organic peroxide, and polyimide resin powder with an average particle size of 6 μm as a reinforcing agent [manufactured by Mitsui Chemicals, Inc. The product name Aurum] was mixed with 20 parts by weight, and a sheet-like uncrosslinked rubber compound was prepared using a roll mill. The filling rate of the polyimide resin powder in the uncrosslinked rubber compound was 16% by weight.
[0031]
(Component) (parts by weight)
Fluorine-containing elastomer 100
Triallyl isocyanurate 6
Di-t-butyl peroxide 2.5
Polyimide resin powder (6 μm) 20
Next, this unvulcanized rubber compound is filled into a vulcanization mold corresponding to the shape of an O-ring (model number P20), heated under pressure by a hot press to cause a crosslinking reaction, and further heated in a normal oven. After secondary crosslinking, the surface was polished to produce a sealing material substrate having the shape of the O-ring (model number P20). The conditions for hot pressing were 160 ° C. and 10 minutes. The conditions for secondary crosslinking were 200 ° C. and 4 hours.
[0032]
(Formation of DLC film)
The sealing material substrate was set on a holder in a vacuum chamber of a plasma CVD apparatus and evacuated. Note that a cooling device was incorporated in the holder to cool the sealing material substrate so that the temperature of the sealing material substrate was always 80 ° C. or lower. Then, when the ultimate vacuum of 10 −5 Pa was reached, a hydrogen-containing gas was introduced to generate a low temperature plasma, and a pretreatment was performed to expose the surface of the sealing material substrate to this low temperature plasma.
[0033]
Next, the supply of pretreatment gas was stopped, and when the ultimate vacuum was reached again to 10 −5 Pa, introduction of benzene (C 6 H 6 ) as a film forming gas was started in the chamber. The degree of vacuum in the chamber by introducing benzene was 5 Pa.
Next, a high-frequency voltage of 1 kW (frequency 13.56 MHz) is introduced into the chamber in this state to generate low-temperature plasma, and a DLC film is formed on the surface of the pre-processed sealing material substrate by plasma CVD. Vapor growth was performed. The bias at this time was set to -100 V by self-bias. The temperature of the sealing material substrate was set to 80 ° C. or less as described above.
[0034]
Then, by the above vapor phase growth, a DLC film having a film thickness of 0.1 μm (Example 1), 0.5 μm (Example 2) and 1 μm (Example 3) is formed on the surface of the sealing material substrate, and sealed. A stop was produced.
Comparative Examples 1-3
Sealing is performed in the same manner as in Examples 1 to 3 except that the temperature of the sealing material substrate is 150 ° C. and methane (CH 4 ) is used as the film forming gas among the conditions for forming the DLC film by the plasma CVD method. The material was manufactured.
[0035]
Conventional Example 1
The sealing material substrate on which the DLC film was not formed was used as the sealing material of Conventional Example 1.
About the sealing material manufactured by each said Example, the comparative example, and the prior art example, the following each test was done and the characteristic was evaluated.
Leak Rate Measurement The leak rates of the sealing materials of Examples, Comparative Examples, and Conventional Examples were measured using a leak detector [trade name HELEN A-210M-LD manufactured by Anerva Co., Ltd.]. Specifically, as shown in FIG. 1, the port L1 of the leak detector L is closed with a lid L2 with a sealing
[0036]
The results are shown in Table 1.
[0037]
[Table 1]
[0038]
From the table, it is confirmed that all of the sealing materials of Comparative Examples 1 to 3 have remarkably large leak rates as compared with Examples 1 to 3 and Conventional Example 1, and thus are not suitable for sealing a vacuum apparatus. It was done.
This is because the DLC films in Examples 1 to 3 are flexible films that are firmly adhered to the sealing substrate as described above, whereas the DLC films in Comparative Examples 1 to 3 are rigid. It was thought that it was a single film, and when the sealing material was deformed for measuring the leak rate, a large crack was generated or peeled off. Therefore, the following tests were conducted only for the examples and the conventional examples.
[0039]
Samples were prepared by cutting the sealing materials of the adhesive strength measurement example and the conventional example into a length of 10 mm.
Next, as shown by a black arrow in FIG. 2 (a), the sample 1 is fitted into a
[0040]
The width and depth of the
Next, both the
Then, as indicated by the white arrows in FIG. 2 (b), the resistance generated when the
[0041]
The resistance was measured by setting CHS, which is the opening speed of both
Sample preparation, heat treatment, and measurement were performed three times for each of the examples, comparative examples, and conventional examples, and the average value of the measurement results was determined.
And the average value of the measurement result in the conventional example was used as the reference value (= 1) of the adhesive strength, and the ratio of the adhesive strength in each example was determined.
[0042]
Measurement of Weight Loss After measuring the weight of the sealing material produced in each of the examples and the conventional examples, the weight was set on a holder in a vacuum chamber and evacuated. When the ultimate vacuum of 10 −5 Pa was reached, the introduction of oxygen into the chamber was started. The flow rate of oxygen was 16 sccm, and the degree of vacuum in the chamber was 0.4 Pa.
Next, a 200 W high-frequency voltage (frequency 13.56 MHz) was introduced into the chamber in this state to generate a low-temperature plasma of oxygen (oxygen plasma), and the sealing material was exposed to this low-temperature plasma for 2 hours. After that, it was taken out from the chamber and weighed again.
[0043]
Then, the weight after exposure to low-temperature plasma is subtracted from the weight before exposure to low-temperature plasma to obtain the amount of decrease in weight, and the amount of decrease in each example is determined using the decrease in the conventional example as a reference value (= 1). The ratio of was calculated.
The above results are summarized in Table 2.
[0044]
[Table 2]
[0045]
From the table, it was found that the sealing material of each example can reduce both the adhesive force ratio and the reduction ratio as compared with the sealing material of Conventional Example 1 in which the DLC film was not formed.
In addition, when each example is compared, the film thickness of the DLC film is in the range of 0.1 to 1 μm, particularly in the range of 0.5 to 1 μm. It was confirmed that a sealing material suitable for a vacuum apparatus can be formed with a sufficiently low rate.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram illustrating the configuration of an apparatus for measuring a leak rate of an O-ring as a sealing material.
FIGS. 2A and 2B are front views of a block used for measuring the adhesive strength of an O-ring as a sealing material.
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