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JP4169069B2 - 圧縮機 - Google Patents

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JP4169069B2
JP4169069B2 JP2006316793A JP2006316793A JP4169069B2 JP 4169069 B2 JP4169069 B2 JP 4169069B2 JP 2006316793 A JP2006316793 A JP 2006316793A JP 2006316793 A JP2006316793 A JP 2006316793A JP 4169069 B2 JP4169069 B2 JP 4169069B2
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Description

この発明は、例えば空気調和機や冷蔵庫等に用いられる圧縮機に関する。
従来、圧縮機としては、中心軸まわりに回転すると共に外周面に中心軸まわりに螺旋状に延びる少なくとも1つの溝部を有する円筒状のスクリューロータと、中心軸まわりに回転すると共に外周に周方向に配列される複数の歯部を有するゲートロータとを有し、上記スクリューロータの溝部と上記ゲートロータの歯部とが噛み合って圧縮室を形成するものがある(特開平2−5778号公報:特許文献1参照)。
つまり、この圧縮機は、いわゆる、CP型のシングルスクリュー圧縮機である。「CP型」とは、上記スクリューロータがシリンダ状に形成され、かつ、上記ゲートロータがプレート状に形成されていることをいう。
そして、上記ゲートロータ中心軸は、上記スクリューロータ中心軸に直交する平面に対して、平行である。つまり、上記ゲートロータの歯部は、上記スクリューロータ中心軸に沿って、上記スクリューロータの溝部に噛み合っている。
上記ゲートロータ歯部側面には、上記スクリューロータと上記ゲートロータとの干渉を防ぐために、上記ゲートロータ平面と直交し、かつ上記ゲートロータの歯中心線の回転方向を含む平面上で、上記ゲートロータ歯部側面と上記スクリューロータ溝壁面とがなす、最大角度と最小角度(以下、最大角度と最小角度がなす角を、上記ゲートロータのエッジ角といい、図13のエッジ角度δ1、δ2を参照)が与えられている。
特開平2−5778号公報
しかしながら、上記従来の圧縮機では、上記ゲートロータ中心軸は、上記スクリューロータ中心軸に直交する平面に対して、平行であるので、上記ゲートロータ平面と直交し、かつ上記ゲートロータの歯中心線の回転方向を含む平面上で、上記ゲートロータ歯部側面に対する上記スクリューロータ溝側面とのなす角度は、最大値と最小値との差が大きくなる。
このため、上記スクリューロータの溝部の側面と噛み合う上記ゲートロータのシール部分のエッジ角度が鋭くなって、上記スクリューロータの溝部と上記ゲートロータの歯部との噛み合い部に存在するブローホール(漏れ隙間)が大きくなって、圧縮効率が低減していた。
そこで、この発明の課題は、ブローホールを小さくして圧縮効率を向上する圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の圧縮機は、
中心軸まわりに回転すると共に外周面に中心軸まわりに螺旋状に延びる少なくとも1つの溝部を有する円筒状のスクリューロータと、中心軸まわりに回転すると共に外周に周方向に配列される複数の歯部を有するゲートロータとを有し、上記スクリューロータの溝部と上記ゲートロータの歯部とが噛み合って圧縮室を形成する圧縮機において、
上記スクリューロータ中心軸を含む第1の平面と、上記スクリューロータ中心軸に直交すると共に上記スクリューロータの溝部に交差する第2の平面と、上記第1の平面および上記第2の平面に直交すると共に上記スクリューロータの溝部から離隔する第3の平面とに関して、
上記ゲートロータ中心軸は、上記第1の平面、上記第2の平面および上記第3の平面の交点を通ると共に、上記第3の平面に直交する方向からみて、上記第2の平面に対して、上記スクリューロータの溝部と同じ側に傾いており、
上記スクリューロータの溝部の数量が3個であり、上記ゲートロータの歯部の数量が12個であって、
上記第3の平面に直交する方向からみて、上記ゲートロータ中心軸は、上記第2の平面に対して、略7°で傾いており、
上記ゲートロータの歯部における上記スクリューロータの溝部に接触するシール部は、曲面状に形成されていることを特徴としている。
また、この発明の圧縮機は、
中心軸まわりに回転すると共に外周面に中心軸まわりに螺旋状に延びる少なくとも1つの溝部を有する円筒状のスクリューロータと、中心軸まわりに回転すると共に外周に周方向に配列される複数の歯部を有するゲートロータとを有し、上記スクリューロータの溝部と上記ゲートロータの歯部とが噛み合って圧縮室を形成する圧縮機において、
上記スクリューロータ中心軸を含む第1の平面と、上記スクリューロータ中心軸に直交すると共に上記スクリューロータの溝部に交差する第2の平面と、上記第1の平面および上記第2の平面に直交すると共に上記スクリューロータの溝部から離隔する第3の平面とに関して、
上記ゲートロータ中心軸は、上記第1の平面、上記第2の平面および上記第3の平面の交点を通ると共に、上記第3の平面に直交する方向からみて、上記第2の平面に対して、上記スクリューロータの溝部と同じ側に傾いており、
上記スクリューロータの溝部の数量が6個であり、上記ゲートロータの歯部の数量が12個であって、
上記第3の平面に直交する方向からみて、上記ゲートロータ中心軸は、上記第2の平面に対して、略16°で傾いており、
上記ゲートロータの歯部における上記スクリューロータの溝部に接触するシール部は、曲面状に形成されていることを特徴としている。
ここで、「同じ側に傾く」とは、上記第3の平面に直交する方向からみて、上記スクリューロータの溝部の上記第2の平面に対する傾きと、上記ゲートロータ中心軸の上記第2の平面に対する傾きとが、上記第2の平面に対して同じ側であることをいう。
この発明の圧縮機によれば、上記ゲートロータ中心軸は、上記第1の平面、上記第2の平面および上記第3の平面の交点を通ると共に、上記第3の平面に直交する方向からみて、上記第2の平面に対して、上記スクリューロータの溝部と同じ側に傾いているので、上記ゲートロータの歯部と接触する上記スクリューロータの溝部の側面を、このスクリューロータの溝部の側面と接触する部分における上記ゲートロータの回転方向(つまり、上記ゲートロータ周方向)に対して、略90°にできて、上記ゲートロータ回転方向(上記ゲートロータ周方向)と直交する平面に対する上記スクリューロータの溝部の側面の角度(以下、スクリューロータ溝傾斜角度という)の変化幅を、小さくできる。
したがって、上記スクリューロータの溝部の側面と噛み合う上記ゲートロータのシール部分のエッジ角度を鈍くできて、上記スクリューロータの溝部と上記ゲートロータの歯部との噛み合い部に存在するブローホール(漏れ隙間)を小さくできて、圧縮効率を向上できる。また、上記ゲートロータのシール部分の摩耗を低減できて、耐久性の向上が図れる。
また、上記第3の平面に直交する方向からみて、上記ゲートロータ中心軸は、上記第2の平面に対して、5°〜30°傾いているので、上記スクリューロータ溝傾斜角度の変化幅を一層小さくできる。
また、上記ゲートロータの歯部における上記スクリューロータの溝部に接触するシール部は、曲面状に形成されているので、上記ゲートロータの歯部と上記スクリューロータの溝部との噛み合い部分からの圧縮流体の漏れを減らすことができて、圧縮性能を向上できる。また、上記ゲートロータの歯部と上記スクリューロータの溝部との噛み合い部分の耐摩耗性を向上できる。
の発明の圧縮機によれば、上記ゲートロータ中心軸は、上記第1の平面、上記第2の平面および上記第3の平面の交点を通ると共に、上記第3の平面に直交する方向からみて、上記第2の平面に対して、上記スクリューロータの溝部と同じ側に傾いているので、ブローホールを小さくして圧縮効率を向上できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、この発明の圧縮機の一実施形態である簡略構成図を示している。図1に示すように、この圧縮機は、中心軸1aまわりに回転すると共に外周面に中心軸1aまわりに螺旋状に延びる少なくとも1つの溝部10を有する円筒状のスクリューロータ1と、中心軸2aまわりに回転すると共に外周に周方向に配列される複数の歯部20を有する円盤状のゲートロータ2とを有し、上記スクリューロータ1の溝部10と上記ゲートロータ2の歯部20とが噛み合って圧縮室30を形成する。
つまり、この圧縮機は、いわゆる、CP型のシングルスクリュー圧縮機である。「CP型」とは、上記スクリューロータ1がシリンダ状に形成され、かつ、上記ゲートロータ2がプレート状に形成されていることをいう。この圧縮機は、例えば空気調和機や冷蔵庫等に用いられる。
上記ゲートロータ2は、上記スクリューロータ中心軸1aを中心として、上記スクリューロータ1の両側に、二つ配設されている。そして、上記スクリューロータ1が、上記スクリューロータ中心軸1aまわりを矢印方向に回転すると、上記溝部10と上記歯部20との噛み合いによって、上記ゲートロータ2は、追従して上記ゲートロータ中心軸2aまわりを矢印方向に回転する。
上記スクリューロータ1の外周面には、上記スクリューロータ中心軸1aのまわりに螺旋状に延びる少なくとも1つのねじ山12が設けられ、上記隣り合うねじ山12,12の間に、上記溝部10が形成される。一つの上記溝部10には、一つの上記歯部20が噛み合い、上記溝部10の側面11に、上記歯部20の側面(つまり、シール部)が接触して、上記圧縮室30をシールしつつ、上記歯部20が、上記溝部10の上記側面11によって、回転される。
上記スクリューロータ1の外周面には、上記ゲートロータ2の回転が可能なスリットを有する(図示しない)ケーシングが取り付けられている。上記溝部10、上記歯部20および上記ケーシングによって閉塞された空間が、上記圧縮室30となる。
上記ケーシングには、上記スクリューロータ1の軸方向一端面側で上記溝部10に連通する(図示しない)吸入ポートが設けられている。上記ケーシングには、上記スクリューロータ1の軸方向他端面側で上記溝部10に連通する(図示しない)吐出ポートが設けられている。
この圧縮機の作用を説明すると、上記吸入ポートから上記溝部10に導入された冷媒ガスなどの流体は、上記スクリューロータ1および上記ゲートロータ2の回転によって上記圧縮室30の容積が縮小されることで、上記圧縮室30で圧縮される。そして、圧縮された流体は、上記吐出ポートから吐出される。
図2の簡略正面図に示すように、上記スクリューロータ中心軸1aを含む第1の平面S1と、上記スクリューロータ中心軸1aに直交すると共に上記スクリューロータ1の溝部10に交差する第2の平面S2と、上記第1の平面S1および上記第2の平面S2に直交すると共に上記スクリューロータ1の溝部10から離隔する第3の平面S3(図4参照)とを定義する。
上記ゲートロータ中心軸2aは、上記第3の平面S3上にあり、上記第1の平面S1、上記第2の平面S2および上記第3の平面S3の交点Pを通る。
上記ゲートロータ中心軸2aは、上記第3の平面S3に直交する方向からみて、上記第2の平面S2に対して、上記スクリューロータ1の溝部10と同じ側に傾いている。上記ゲートロータ中心軸2aの上記第2の平面S2に対する傾き角度αは、5°〜30°が好ましい。
ここで、「同じ側に傾く」とは、上記第3の平面S3に直交する方向からみて、上記スクリューロータ1の溝部10の上記第2の平面S2に対する傾きと、上記ゲートロータ中心軸2aの上記第2の平面S2に対する傾きとが、上記第2の平面S2に対して同じ側であることをいう。
図3の簡略側面図に示すように、上記ゲートロータ中心軸2aと上記スクリューロータ中心軸1aとの間の距離L(以下、軸間距離Lという)は、例えば、上記ゲートロータ2の外径Dの0.7〜1.2倍である(0.7D≦L≦1.2D)。
図4の拡大平面図に示すように、上記ゲートロータ中心軸2aに直交すると共に全ての上記歯部20を含む平面において、上記溝部10に噛み合っている上記歯部20の中心線が、上記スクリューロータ中心軸1aに平行である基準線に対して、成す角度を、ゲートロータ噛み合い角度γといい、このゲートロータ噛み合い角度γは、上記ゲートロータ2の噛み合い始め側から、計られる。
図4に、上記ゲートロータ2の歯部20において、上記スクリューロータ1の溝部10に噛み合う部分の、上記ゲートロータ2の噛み合い最小径、中間径および最大径を示す。また、上記歯部20において、上記ゲートロータ2の回転方向下流側の側面を、リーディング側側面20aとし、上記ゲートロータ2の回転方向上流側の側面を、アンリーディング側側面20bとする。
次に、図5〜図8に、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度α(図2参照)を0°、2.5°、5°、7.5°と変化したときの、ゲートロータ噛み合い角度γ(図4参照)とスクリューロータ溝傾斜角度βとの関係を示す。上記リーディング側側面20aおよび上記アンリーディング側側面20b(図4参照)のそれぞれの上記ゲートロータ2の噛み合い最大径および中間径(図4参照)について、示す。上記スクリューロータ1の溝部10の数量は、3個で、上記ゲートロータ2の歯部20の数量は、12個である。
ここで、スクリューロータ溝傾斜角度βとは、図13に示すように、上記スクリューロータ1の溝部10の側面11と接触する部分における(矢印RGにて示す)上記ゲートロータ2の回転方向(つまり、上記ゲートロータ2周方向)と直交する平面Stに対する上記スクリューロータ1の溝部10の側面11の角度βをいう。なお、上記スクリューロータ溝傾斜角度βを、上記平面Stを基準として、ゲートロータ回転方向(矢印RG方向)側を、正の値(+方向)で示し、ゲートロータ回転方向(矢印RG方向)の反対側を、負の値(−方向)で示す。
図5は、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度αが0°であるときを示し、上記リーディング側側面20aおよび上記アンリーディング側側面20bのそれぞれの上記ゲートロータ2の噛み合い最大径および中間径について、スクリューロータ溝傾斜角度βの変化幅を表している。
図6は、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度αが2.5°であるときを示し、図5に示すスクリューロータ溝傾斜角度βの変化幅よりも、スクリューロータ溝傾斜角度βの変化幅が小さくなっている。
図7は、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度が5°であるときを示し、上記ゲートロータ噛み合い角度γが大きくなるに従って、上記リーディング側側面20aのスクリューロータ溝傾斜角度βは、小さくなる一方、上記アンリーディング側側面20bのスクリューロータ溝傾斜角度βは、大きくなって、ブローホールを小さくできる構成になっている。
図8は、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度が7.5°であるときを示し、上記ゲートロータ噛み合い角度γが大きくなるに従って、上記リーディング側側面20aのスクリューロータ溝傾斜角度βは、図7に比べて顕著に小さくなる一方、上記アンリーディング側側面20bのスクリューロータ溝傾斜角度βは、図7に比べて顕著に大きくなって、ブローホールを一層小さくできる構成になっている。
次に、図9〜図12に、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度α(図2参照)を0°、5°、10°、15°と変化したときの、ゲートロータ噛み合い角度γ(図4参照)とスクリューロータ溝傾斜角度βとの関係を示す。上記リーディング側側面20aおよび上記アンリーディング側側面20b(図4参照)のそれぞれの上記ゲートロータ2の噛み合い最大径および中間径(図4参照)について、示す。この計算例では、上記スクリューロータ1の溝部10の数量は、6個で、上記ゲートロータ2の歯部20の数量は、12個である。
図9は、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度αが0°であるときを示し、上記リーディング側側面20aおよび上記アンリーディング側側面20bのそれぞれの上記ゲートロータ2の噛み合い最大径および中間径について、スクリューロータ溝傾斜角度βの変化幅が大きくなっている。
図10は、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度αが5°であるときを示し、図9に示すスクリューロータ溝傾斜角度βの変化幅よりも、スクリューロータ溝傾斜角度βの変化幅が小さくなっている。
図11は、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度が10°であるときを示し、上記ゲートロータ噛み合い角度γが大きくなるに従って、上記リーディング側側面20aのスクリューロータ溝傾斜角度βは、小さくなる一方、上記アンリーディング側側面20bのスクリューロータ溝傾斜角度βは、大きくなって、ブローホールを小さくできる構成になっている。
図12は、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度が15°であるときを示し、上記ゲートロータ噛み合い角度γが大きくなるに従って、上記リーディング側側面20aのスクリューロータ溝傾斜角度βは、図11に比べて顕著に小さくなる一方、上記アンリーディング側側面20bのスクリューロータ溝傾斜角度βは、図11に比べて顕著に大きくなって、ブローホールを一層小さくできる構成になっている。
図13の拡大断面図に示すように、上記ゲートロータ2の歯部20における上記スクリューロータ1の溝部10に接触するシール部21a,21bは、曲面状に形成されている。
つまり、上記歯部20のリーディング側側面20aに、リーディング側シール部21aが形成され、上記歯部20のアンリーディング側側面20bに、アンリーディング側シール部21bが形成されている。
上記スクリューロータ1は、下向きの矢印方向に、移動し、上記ゲートロータ2は、左向きの矢印方向に、移動する。
上記スクリューロータ1の溝部10と上記ゲートロータ2の歯部20との噛み合い部に、ハッチングにて示すブローホール(漏れ隙間)40,50が存在する。
つまり、上記リーディング側シール部21aよりも、上記スクリューロータ1の移動方向上流側(ハッチングにて示す上記圧縮室30側)に、(ハッチングにて示す)リーディング側ブローホール40が存在し、上記アンリーディング側シール部21bよりも、上記スクリューロータ1の移動方向上流側(上記圧縮室30側)に、(ハッチングにて示す)アンリーディング側ブローホール50が存在する。
上記圧縮室30にて圧縮される流体が、上記ブローホール40,50を通って、(仮想線に示す)上記ケーシング3の外側に漏れ出す。
そして、図14と図15に、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度α(図2参照)と、漏れ影響度との関係を示す。上記リーディング側ブローホール40(図13参照)の漏れ影響度、上記アンリーディング側ブローホール50(図13参照)の漏れ影響度、および、上記リーディング側ブローホール40と上記アンリーディング側ブローホール50とを合計した漏れ影響度について、示す。ここで、漏れ影響度とは、上記リーディング側ブローホール40および上記アンリーディング側ブローホール50のそれぞれの面積を漏れ量に補正し、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度αが(従来と同じ)0°であるときを100としたときの度合いを示す。
図14は、上記スクリューロータ1の溝部10の数量が3個で、上記ゲートロータ2の歯部20の数量が12個であるときの漏れ影響度を示す。上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度αが7°辺りで、漏れ影響度が極小となっており、圧縮効率が向上する。
図15は、上記スクリューロータ1の溝部10の数量が6個で、上記ゲートロータ2の歯部20の数量が12個であるときの漏れ影響度を示す。上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度αが16°辺りで、漏れ影響度が極小となっており、圧縮効率が向上する。
上記構成の圧縮機によれば、上記ゲートロータ中心軸2aは、上記第1の平面S1、上記第2の平面S2および上記第3の平面S3の交点Pを通ると共に、上記第3の平面S3に直交する方向からみて、上記第2の平面S2に対して、上記スクリューロータ1の溝部10と同じ側に傾いているので、上記ゲートロータ2の歯部20と接触する上記スクリューロータ1の溝部10の側面を、図13に示すように、上記スクリューロータ1の溝部10の側面11に接触する上記ゲートロータ2の歯部20の(矢印RG似て示す)回転方向(つまり、上記ゲートロータ2周方向)に対して、略90°にできて、上記スクリューロータ溝傾斜角度βの変化幅を、小さくできる。
言い換えると、上記ゲートロータ2の歯部20と接触する上記スクリューロータ1の溝部10の側面11の上記ゲートロータ2周方向に対する傾斜角度における上記スクリューロータ1の軸方向一端から他端までの変化幅を、上記ゲートロータ中心軸2aが上記スクリューロータ中心軸1aに直交する第2の平面S2に対して平行であるときの変化幅に比べて、小さくしている。なお、「ゲートロータ2周方向」とは、言い換えると、上記スクリューロータ1の溝部10の側面11に接触する上記ゲートロータ2の歯部20の回転方向である。また、「スクリューロータ1の径方向外側から内側までの変化幅」とは、上記ゲートロータ2の歯部20に同時に接触する上記スクリューロータ1の径方向外側から内側まで全ての上記溝部10の傾斜角度の変化幅をいう。
したがって、上記スクリューロータ1の溝部10の側面と噛み合う上記ゲートロータ2のシール部分のエッジ角度δ1,δ2(図13参照)を鈍くできて、上記スクリューロータ1の溝部10と上記ゲートロータ2の歯部20との噛み合い部に存在するブローホール(漏れ隙間)を小さくできて、圧縮効率を向上できる。また、上記ゲートロータ2のシール部分の摩耗を低減できて、耐久性の向上が図れる。
つまり、本発明では、CP型シングルスクリュー圧縮機において、上記ゲートロータ2の歯部20と接触する上記スクリューロータ1の溝部10の側面の角度は、上記ゲートロータ中心軸2aを上記スクリューロータ中心軸1aに直交する平面に対して傾けることにより、変化するということを見出した。
また、上記ゲートロータ中心軸2aの傾き角度αは、5°〜30°が好ましく、上記スクリューロータ溝傾斜角度βの変化幅を一層小さくできる。
また、上記ゲートロータ2の歯部20における上記スクリューロータ1の溝部10に接触するシール部21a,21bは、曲面状に形成されているので、上記ゲートロータ2の歯部20と上記スクリューロータ1の溝部10との噛み合い部分からの圧縮流体の漏れを減らすことができて、圧縮性能を向上できる。また、上記ゲートロータ2の歯部20と上記スクリューロータ1の溝部10との噛み合い部分の耐摩耗性を向上できる。
言い換えると、上記スクリューロータ溝傾斜角度βの振れ幅を小さくできるので、上記ゲートロータ2の上記シール部21a,21bを曲面状に形成できる。具体的に述べると、エンドミルにより上記スクリューロータ1の溝部10を加工し、エンドミルにより上記ゲートロータ2の歯部20のシール部21a,21bを曲面状に形成して、上記傾斜角度の最大値および最小値に対応できる。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記ゲートロータ2の数量の増減は自由である。また、上記ゲートロータ2の歯部20における上記スクリューロータ1の溝部10に接触するシール部21a,21bは、鋭角状に形成されていてもよい。
本発明の圧縮機の一実施形態を示す簡略構成図である。 圧縮機の簡略正面図である。 圧縮機の簡略側面図である。 圧縮機の拡大平面図である。 スクリューロータの溝部の数量が3個で、ゲートロータの歯部の数量が12個であるときで、ゲートロータ中心軸傾き角度αが0°であるときの、ゲートロータ噛み合い角度γとスクリューロータ溝傾斜角度βとの関係を示すグラフである。 スクリューロータの溝部の数量が3個で、ゲートロータの歯部の数量が12個であるときで、ゲートロータ中心軸傾き角度αが2.5°であるときの、ゲートロータ噛み合い角度γとスクリューロータ溝傾斜角度βとの関係を示すグラフである。 スクリューロータの溝部の数量が3個で、ゲートロータの歯部の数量が12個であるときで、ゲートロータ中心軸傾き角度αが5°であるときの、ゲートロータ噛み合い角度γとスクリューロータ溝傾斜角度βとの関係を示すグラフである。 スクリューロータの溝部の数量が3個で、ゲートロータの歯部の数量が12個であるときで、ゲートロータ中心軸傾き角度αが7.5°であるときの、ゲートロータ噛み合い角度γとスクリューロータ溝傾斜角度βとの関係を示すグラフである。 スクリューロータの溝部の数量が6個で、ゲートロータの歯部の数量が12個であるときで、ゲートロータ中心軸傾き角度αが0°であるときの、ゲートロータ噛み合い角度γとスクリューロータ溝傾斜角度βとの関係を示すグラフである。 スクリューロータの溝部の数量が6個で、ゲートロータの歯部の数量が12個であるときで、ゲートロータ中心軸傾き角度αが5°であるときの、ゲートロータ噛み合い角度γとスクリューロータ溝傾斜角度βとの関係を示すグラフである。 スクリューロータの溝部の数量が6個で、ゲートロータの歯部の数量が12個であるときで、ゲートロータ中心軸傾き角度αが10°であるときの、ゲートロータ噛み合い角度γとスクリューロータ溝傾斜角度βとの関係を示すグラフである。 スクリューロータの溝部の数量が6個で、ゲートロータの歯部の数量が12個であるときで、ゲートロータ中心軸傾き角度αが15°であるときの、ゲートロータ噛み合い角度γとスクリューロータ溝傾斜角度βとの関係を示すグラフである。 圧縮機の拡大断面図である。 スクリューロータの溝部の数量が3個で、ゲートロータの歯部の数量が10個であるときの、ゲートロータ中心軸傾き角度αと漏れ影響度との関係を示すグラフである。 スクリューロータの溝部の数量が6個で、ゲートロータの歯部の数量が10個であるときの、ゲートロータ中心軸傾き角度αと漏れ影響度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 スクリューロータ
1a スクリューロータ中心軸
10 溝部
11 側面
12 ねじ山
2 ゲートロータ
2a ゲートロータ中心軸
20 歯部
20a リーディング側側面
20b アンリーディング側側面
21a リーディング側シール部
21b アンリーディング側シール部
3 ケーシング
30 圧縮室
40 リーディング側ブローホール
50 アンリーディング側ブローホール
S1 第1の平面
S2 第2の平面
S3 第3の平面
P 交点
D ゲートロータ外径
L 軸間距離
α ゲートロータ中心軸傾き角度
β スクリューロータ溝傾斜角度
γ ゲートロータ噛み合い角度
δ1,δ2 エッジ角度

Claims (2)

  1. 中心軸(1a)まわりに回転すると共に外周面に中心軸(1a)まわりに螺旋状に延びる少なくとも1つの溝部(10)を有する円筒状のスクリューロータ(1)と、中心軸(2a)まわりに回転すると共に外周に周方向に配列される複数の歯部(20)を有するゲートロータ(2)とを有し、上記スクリューロータ(1)の溝部(10)と上記ゲートロータ(2)の歯部(20)とが噛み合って圧縮室(30)を形成する圧縮機において、
    上記スクリューロータ中心軸(1a)を含む第1の平面(S1)と、上記スクリューロータ中心軸(1a)に直交すると共に上記スクリューロータ(1)の溝部(10)に交差する第2の平面(S2)と、上記第1の平面(S1)および上記第2の平面(S2)に直交すると共に上記スクリューロータ(1)の溝部(10)から離隔する第3の平面(S3)とに関して、
    上記ゲートロータ中心軸(2a)は、上記第1の平面(S1)、上記第2の平面(S2)および上記第3の平面(S3)の交点(P)を通ると共に、上記第3の平面(S3)に直交する方向からみて、上記第2の平面(S2)に対して、上記スクリューロータ(1)の溝部(10)と同じ側に傾いており、
    上記スクリューロータ(1)の溝部(10)の数量が3個であり、上記ゲートロータ(2)の歯部(20)の数量が12個であって、
    上記第3の平面(S3)に直交する方向からみて、上記ゲートロータ中心軸(2a)は、上記第2の平面(S2)に対して、略7°で傾いており、
    上記ゲートロータ(2)の歯部(20)における上記スクリューロータ(1)の溝部(10)に接触するシール部(21a,21b)は、曲面状に形成されていることを特徴とする圧縮機。
  2. 中心軸(1a)まわりに回転すると共に外周面に中心軸(1a)まわりに螺旋状に延びる少なくとも1つの溝部(10)を有する円筒状のスクリューロータ(1)と、中心軸(2a)まわりに回転すると共に外周に周方向に配列される複数の歯部(20)を有するゲートロータ(2)とを有し、上記スクリューロータ(1)の溝部(10)と上記ゲートロータ(2)の歯部(20)とが噛み合って圧縮室(30)を形成する圧縮機において、
    上記スクリューロータ中心軸(1a)を含む第1の平面(S1)と、上記スクリューロータ中心軸(1a)に直交すると共に上記スクリューロータ(1)の溝部(10)に交差する第2の平面(S2)と、上記第1の平面(S1)および上記第2の平面(S2)に直交すると共に上記スクリューロータ(1)の溝部(10)から離隔する第3の平面(S3)とに関して、
    上記ゲートロータ中心軸(2a)は、上記第1の平面(S1)、上記第2の平面(S2)および上記第3の平面(S3)の交点(P)を通ると共に、上記第3の平面(S3)に直交する方向からみて、上記第2の平面(S2)に対して、上記スクリューロータ(1)の溝部(10)と同じ側に傾いており、
    上記スクリューロータ(1)の溝部(10)の数量が6個であり、上記ゲートロータ(2)の歯部(20)の数量が12個であって、
    上記第3の平面(S3)に直交する方向からみて、上記ゲートロータ中心軸(2a)は、上記第2の平面(S2)に対して、略16°で傾いており、
    上記ゲートロータ(2)の歯部(20)における上記スクリューロータ(1)の溝部(10)に接触するシール部(21a,21b)は、曲面状に形成されていることを特徴とする圧縮機。
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